JP2003064066A - 3−アミノ−1,2−エポキシプロパン誘導体の製造法 - Google Patents

3−アミノ−1,2−エポキシプロパン誘導体の製造法

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JP2003064066A
JP2003064066A JP2001254063A JP2001254063A JP2003064066A JP 2003064066 A JP2003064066 A JP 2003064066A JP 2001254063 A JP2001254063 A JP 2001254063A JP 2001254063 A JP2001254063 A JP 2001254063A JP 2003064066 A JP2003064066 A JP 2003064066A
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amino
formula
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JP2001254063A
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Hidetoshi Tsunoda
角田  秀俊
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医薬分野をはじめ多方面において製造上の重
要な中間体である光学活性3−アミノ−1,2−エポキ
シプロパン誘導体に関して、立体的に純粋な化合物を、
工業的な観点から安価にかつ安定的に製造する方法を提
供すること。 【解決手段】 一般式(1)で表される5−ヒドロキシ
オキサゾラン誘導体に、一般式(2)で表されるトリメ
チルスルホニウムハライド誘導体を反応させることで、
一般式(3)で表される光学活性な3−アミノ−1,2
−エポキシプロパン誘導体を製造する。 (式中、R1、R2、R3置換されてもよいはアルキル
基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されても
よいアラルキル基、置換されてもよいアリール基等の置
換基を表す) 【効果】 一般式(3)で表される光学活性な3−アミ
ノ−1,2−エポキシプロパン誘導体を、安定的にかつ
安価に製造可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬分野をはじめ
多方面において製造上の重要な中間体である3−アミノ
−1,2−エポキシプロパン誘導体の新規製造法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、HIVプロテアーゼ阻害剤あるい
はある種の酵素阻害剤の重要な中間体として光学活性な
3−アミノ−1,2−エポキシプロパン誘導体が注目さ
れており、より安価で工業的に適した製造法の開発が求
められている。3−アミノ−1,2−エポキシプロパン
誘導体の置換基の相対配置は、エリスロ型、スレオ型が
存在する為、立体的に純度の高い目的物を得ることは容
易なことではなく、一般的に高度な製造技術が必要とさ
れている。
【0003】従来知られている光学活性な3−アミノ−
1,2−エポキシプロパン誘導体の製造法の多くは、多
工程かつ高価な試薬、または危険性の高い試薬を用いて
おり、実験室レベルでは実施可能であっても、工業的レ
ベルには不向きな場合が多かった。これは、目的とする
化合物が連続する不斉点を2つ有しており、立体的に純
粋な化合物を得ようとする場合、製造過程において多く
の制約が課される為である。
【0004】例えば、N−保護された3−アミノ−2−
オキソ−1−ハロゲノプロパン誘導体の2位を立体選択
的に還元しアルコール体とした後にエポキシ化する方法
(Getman,D.P.ら, J.Med.Chem.,1993, 36, 288)が知ら
れている。本法は、製造工程が長くかつ2位を立体選択
的に還元する必要がある等、工業的な製造上、問題点も
多い。特に2位の立体的な還元に関しては、水素化ホウ
素ナトリウム等を用いることで、エリスロ配置のアミノ
アルコールを得ることは比較的容易であるが、スレオ配
置の化合物を主生成物として得ることは困難である。ま
た、原料であるN−保護された3−アミノ−2−オキソ
−1−ハロゲノプロパンの製造に関しても、副原料とし
て極めて爆発性が高く、強い毒性を有するジアゾメタン
を用いる方法(Getman,D.P.ら, J.Med.Chem., 1993, 3
6, 288, Okada, Yら, Chem, Pharm.Bull., 1988, 36, 4
794, EP346867, Raddatz, P.ら, J.Med.Chem., 1991, 3
4,3267)あるいは、非常に不安定なハロメチルアニオン
を用いる方法(EP442754)等が知られているが、決して
容易な方法ではない。近年、原料であるN−保護された
3−アミノ−2−オキソ−1−ハロゲノプロパンの製造
における改良法として、クロロ酢酸エノラートを用いる
方法(Inoue, Kら, WO96-23756)が報告された。ハロメ
チルアニオンの不安定さは改善されたが、依然として製
造上複雑な処理が必要な点において問題が残っている。
まとめると、原料としてN−保護された3−アミノ−2
−オキソ−1−ハロゲノプロパン誘導体を経由する限
り、製造上、多工程にならざるを得ない。
【0005】別法として、N−保護された3−アミノ−
1−プロペンを酸化的に不斉エポキシ化する方法(Lul
y, J.R.ら, J.Org.Chem., 1987, 52, 1487)が知られて
いる。しかし本法は、鍵原料となる3−アミノ−1−プ
ロペンの製造を、高価なアルデヒドである3−アミノ−
1−プロパナールに対するWittig反応によっている点、
安価な製造法とは言い難い。また製造には多工程が必要
とされ、加えて原料であるアルデヒド体のラセミ化等の
問題から工業的には不向きである。
【0006】他には、前出の3−アミノ−1−プロパナ
ールをトリメチルスルホニウム塩で直接処理し3−アミ
ノ−1,2−エポキシプロパン誘導体を得る方法(Thom
as,J.T., ら, J.Med.Chem., 1992, 35, 2525)が知られ
ている。しかし本法は、収率がエリスロ、スレオ体共に
18%程度と極めて悪く、かつエリスロ体およびスレオ体
の立体選択性がまったく無い。よって工業的な製造方法
としては使用することが出来ない。
【0007】最近、AIDS等の全世界的な広がりから
HIVプロテアーゼ阻害剤の必要性はますます増大して
いる。また、多くのペプチド類似型の酵素阻害剤も臨床
応用されてきた。これら薬剤を製造していく上で重要な
光学活性中間体である3−アミノ−1,2−エポキシプ
ロパン誘導体については、工業的に適した安価でかつ安
定的な製造法がますます必要とされてきている。にもか
かわらず、従来の方法では、工業的な観点から完全に満
足するような製造方法は知られておらず、より優れた製
造法の開発が期待されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、医薬
分野をはじめ多方面において製造上の重要な中間体であ
る光学活性3−アミノ−1,2−エポキシプロパン誘導
体に関して、立体的に純粋な化合物を、工業的な観点か
ら安価にかつ安定的に製造する方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する為に鋭意検討を重ねた結果、遊離のα−アミ
ノカルボン酸誘導体からN−保護化、ホルマリン処理お
よび選択的還元の3工程にて得られる5−ヒドロキシオ
キサゾラン誘導体をトリメチルスルホニウム塩で直接処
理することで、原料から換算して僅か4工程にて、目的
とする3−アミノ−1,2−エポキシプロパン誘導体が
製造可能であることを見出した。加えて、本方法により
生成するエポキシ部分の立体は、原料として用いた5−
ヒドロキシオキサゾラン誘導体のアミン部分の立体によ
ってほぼ制御可能であること、従来の方法では立体選択
的に製造が困難とされてきたスレオ配置の化合物を高立
体選択的に製造可能であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0010】すなわち、本発明は以下の[1]〜[6]
に記載のとおりである。 [1] 一般式(1)[化7]
【0011】
【化7】
【0012】(式中R1およびR2は互いに独立して水
素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよ
いシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、
置換されてもよいアリール基、置換されてもよいへテロ
環または置換されてもよいヘテロ環アルキル基を示す。
R3は、置換されてもよいアルキル基、置換されてもよ
いシクロアルキル基、置換されてもよいアラルキル基、
置換されてもよいアリール基、置換されてもよいへテロ
環または置換されてもよいヘテロ環アルキル基を示
す。)で表される5−ヒドロキシオキサゾラン誘導体
に、一般式(2)[化8]
【0013】
【化8】
【0014】(式中Xは、塩素、臭素またはヨウ素を示
す。)で表されるトリメチルスルホニウム塩を反応させ
ることを特徴とする、一般式(3)[化9]
【0015】
【化9】
【0016】(式中R1、R2、R3は、前記と同
義。)で表される3−アミノ−1,2−エポキシプロパ
ン誘導体の製造法、[2] 一般式(4)[化10]
【0017】
【化10】
【0018】(式中R1、R3は、前記と同義。)で表
される5−ヒドロキシオキサゾラン誘導体に、一般式
(2)[化11]
【0019】
【化11】
【0020】(式中Xは、前記と同義。)で表されるト
リメチルスルホニウム塩を塩基存在下にて反応させるこ
とを特徴とする、一般式(5)[化12]
【0021】
【化12】
【0022】(式中R1およびR3は前記と同義。)で
表される置換基の立体がスレオ配置である3−アミノ−
1,2−エポキシプロパン誘導体の製造法、[3] R1
が、保護または無保護アミノ酸のα−炭素原子上の側鎖
であることを特徴とする請求項2記載の製造法、[4]
R1が、ベンジル基であることを特徴とする請求項3記
載の製造法、[5] R3が、メチル基、エチル基、イソ
プロピル基、アリル基、t-ブチル基、ベンジル基または
フルオレニルメチル基であることを特徴とする請求項1
〜4の何れか一項記載の製造法、[6] Xが臭素である
ことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項記載の製造
法。
【0023】
【発明の実施の形態】次に本発明についてさらに詳細に
説明する。一般式(1)、(3)、(4)および(5)
のR1、R2およびR3が表す置換されていてもよいア
ルキル基とは、アルキル基の任意の一部が置換されてい
てもよいアルキル基を意味し、アルキル基とは、メチル
基、エチル基、メトキシエチル基、フェノキシメチル
基、ベンジルオキシメチル基、メチルチオメチル基、フ
ェニルチオメチル基、フルオレニルメチル基、フルオロ
エチル基、n−プロピル基、クロロプロピル基、イソプ
ロピル基、n−ブチル基、置換アミノ−n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基またはデシル基等を挙げることができる。
【0024】置換されていてもよいシクロアルキル基と
は、シクロアルキル基の任意の一部が置換されていても
よいシクロアルキル基を意味し、シクロアルキル基と
は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチ
ル基、エトキシシクロペンチル基、シクロヘキシル基、
tert−ブトキシシクロヘキシル基、ベンジルオキシ
シクロヘキシル基、ニトロシクロヘキシル基、シクロヘ
プチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基またはシ
クロデシル基等を挙げることができる。
【0025】置換されていてもよいアラルキル基とは、
アラルキル基の任意の一部が置換されていてもよいアラ
ルキル基を意味し、アラルキル基とは、ベンジル基、2
−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、シンナ
ミル基、ナフチルメチル基、3−クロロベンジル基、4
−アミノベンジル基、2−ニトロベンジル基、4−メト
キシベンジル基、3,4−ジヒドロキシベンジル基、
3,4−ジメトキシベンジル基等を挙げることができ
る。
【0026】置換されていてもよいアリール基とは、ア
リール基の任意の一部が置換されていてもよいアリール
基を意味し、アリール基とは、フェニル基、トリル基、
ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エチルフェニ
ル基、プロピルフェニル基、ニトロフェニル基、アミド
フェニル基、フルオレニル基、ナフチル基、ヒドロキシ
ルナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基
またはベンゾフェナントレニル基等が挙げられる。
【0027】置換されていてもよいヘテロ環とは、ヘテ
ロ環の任意の一部が置換されていてもよいヘテロ環を意
味し、ヘテロ環とは、テトラヒドロピラニル基、テトラ
ヒドロフラニル基、アルキルテトラヒドロフラニル基、
テトラヒドロチエニル基、メチルスルホニルテトラヒド
ロチエニル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル
基、チエニル基、ヒドロキシピリジル基、イミダゾール
基、チアゾール基、ピラゾール基、ピラゾロン基、イソ
キサゾール基、イソチアゾール基、ピロール基、フラン
基、ナフチリジニル基、キノリル基、スルファモイルキ
ノリル基またはシドノン基等を挙げることができる。
【0028】置換されていてもよいヘテロ環アルキル基
とは、ヘテロ環アルキル基の任意の一部が置換されてい
てもよいヘテロ環アルキル基を意味し、ヘテロ環アルキ
ル基とは、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル
基、6−メトキシ−3−ピリジルメチル基、3−キノリ
ルメチル基、N−メチル−4−イミダゾールメチル基、
2−アミノ−4−チアゾールメチル基、モルホリノメチ
ル基等が挙げられる。
【0029】保護または無保護アミノ酸のα−炭素原子
上の側鎖とは、例えばアラニンまたはバリン、ロイシ
ン、イソロイシン、tert−ロイシン、セリン、スレ
オニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギ
ン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニ
ン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラ
ニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、ホモセ
リンまたはオルニチン等のアミノ酸のα−炭素原子上の
側鎖である。代表的な前記側鎖としては次のもの式
(6)〜(26)[化13]が挙げられる。
【0030】
【化13】
【0031】上記側鎖は、所望ならば、当業者に周知の
慣用の方法及び保護基、例えば、通常使用されているア
ミノ保護基、チオール保護基及びカルボキシ保護基を用
いて保護されていてもよい。
【0032】以下に一般式(1)に含まれる化合物を表
1[表1]〜表26[表26] に例示する。ただし、これ
は本願発明化合物を制限するものではない。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】
【表10】
【0043】
【表11】
【0044】
【表12】
【0045】
【表13】
【0046】
【表14】
【0047】
【表15】
【0048】
【表16】
【0049】
【表17】
【0050】
【表18】
【0051】
【表19】
【0052】
【表20】
【0053】
【表21】
【0054】
【表22】
【0055】
【表23】
【0056】
【表24】
【0057】
【表25】
【0058】
【表26】
【0059】以下に、本発明の代表的な製造法について
説明する。予め一般式(2)で表されるトリメチルスル
ホニウム塩を希釈溶媒中、塩基を作用させることで系中
にてスルホニウムイリドに変換の後、続いて一般式
(1)で示される5−ヒドロキシオキサゾラン誘導体と
反応させることで一般式(3)で表される化合物の製造
が可能である。
【0060】反応において、原料および試薬の添加方法
に特に制限はない。例えば、5−ヒドロキシオキサゾラ
ン誘導体を必要に応じて希釈溶媒にて溶液とし、予め一
般式(2)で表されるトリメチルスルホニウム塩を希釈
溶媒中、塩基を作用させることで系中にてスルホニウム
イリドに変換した溶液中に加えてもよい。また逆に、5
−ヒドロキシオキサゾラン誘導体に対して、予め一般式
(2)で表されるトリメチルスルホニウム塩を希釈溶媒
中、塩基を作用させることで系中にてスルホニウムイリ
ドに変換した溶液を加えてもよい。あるいは、全ての原
料および試薬を一括に加えて反応を行うことも可能であ
る。
【0061】使用可能な塩基として特に制限はないが、
好ましくは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素
化カリウム、t-ブトキシリチウム、t-ブトキシナトリウ
ム、t-ブトキシカリウム等を挙げることが出来る。
【0062】希釈溶媒として特に制限はないが、好まし
くは水およびメタノール、エタノール、2−プロパノー
ル、t-ブタノール等のアルコール類、塩化メチレン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタンまたはテトラ
クロロエタン等の含塩素有機溶媒、酢酸メチル、酢酸エ
チルまたは酢酸ブチル等のエステル類、ジエチルエーテ
ル、ジフェニルエーテル、ジオキサンまたはテトラヒド
ロフラン等のエーテル類の他、ヘキサン、液体二酸化硫
黄、二硫化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニト
ロメタン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホ
キシド、または1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等を挙げることが出来る。
【0063】反応温度に特に制限はないが、−78℃〜
溶媒の沸点で実施可能であり、好ましくは−78℃〜1
00℃の範囲である。
【0064】反応時間に特に制限はないが、数分間〜7
2時間、好ましくは数分間〜24時間の範囲である。
【0065】なお、本発明の一般式(1)で表される5
−ヒドロキシオキサゾラン誘導体に関しては、公知の製
造法(Lee, T.L.ら, Tetrahedron Letters, 42, 2001, 1
329)およびそれに準じた方法にて、入手可能である。
【0066】
【実施例】以下に、本発明の実施例および参考例を記載
するが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。
【0067】[実施例1] (2R,3S)−3−(N−
ベンジルオキシカルボニル)アミノ−1,2−エポキシ
−4−フェニルブタン(例示化合物番号7039)の合
成:式(27)[化14]
【0068】
【化14】
【0069】トリメチルスルホニウムブロマイド(3.46
g, 20mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(80ml)に溶解
し、水素化ナトリウム(800mg, 20mmol)を加え、室温に
て30分間撹拌した。反応液を5℃に冷却し、(4S,5
RS)−3−(N−ベンジルオキシカルボニル)−4−
ベンジルメチル−1,3−オキサゾラン−5−オール
(3.13g, 10mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(20ml)に
溶解したものを、ゆっくりと滴下した。反応液をそのま
まの温度で1時間撹拌し、水(300ml)に注加した。目的物
を酢酸エチル(300ml)で抽出し、水(200ml)にて3回洗浄
した。有機層を有機層を減圧濃縮し、得られた残さをシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(60g, ヘキサン:酢
酸エチル=3:1→2:1)で精製し、表題の目的化合物
(1.34g, 45%)を白色結晶として得た。 融点=55〜58℃1 H-N.M.R.(400MHz, CDCl3) δ=7.38-7.19(m, 10H), 5.
06(s, 2H), 4.75(d, 1H,J=8.8Hz), 4.19(m, 1H), 3.03
(bs, 1H), 2.99-2.80(m, 2H), 2.69(d, 1H, J=4.4Hz),
2.57(bs, 1H) IR(KBr-disk) ν=3333, 3061, 3034, 2922, 1688, 153
7, 1455, 1319, 1248, 1078, 1039, 937, 864, 751, 70
1, 549
【0070】[参考例1] (4S,5RS)−3−(N
−ベンジルオキシカルボニル)−4−ベンジルメチル−
1,3−オキサゾラン−5−オールの合成:式(28)
[化15]
【0071】
【化15】
【0072】(4S)−3−(N−ベンジルオキシカル
ボニル)−4−ベンジルメチル−1,3−オキサゾラン
−5−オン(6.22g, 20mmol)をテトラヒドロフラン(16m
l)に溶解させ、10℃に冷却した。1Mのリチウムアルミニ
ウムトリターシャリーブトキシハイドライドのテトラヒ
ドロフラン溶液(22ml)を反応液温度10〜15℃の範囲に保
つように、10分間かけて滴下した。反応温度をそのまま
で、30分間撹拌した。反応溶液に2N塩酸(80ml)を氷冷下
にて加え、そのまま20分間撹拌した。目的化合物を酢酸
エチル(60ml)で抽出し、飽和食塩水(20ml)で洗浄した後
に、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃
縮し、得られた残さをシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(60g, ヘキサン:酢酸エチル=4:1→3:1)で
精製し、表題の目的化合物(5.22g, 88%)を無色透明シロ
ップとして得た。1 H-N.M.R.(400MHz, CDCl3) δ=7.39-7.15(m, 10H), 5.
41(d, 1H, J=3.2Hz), 5.20-5.10(m, 3H), 4.98(bs, 1
H), 4.14(m, 1H), 3.20-2.95(m, 1H), 3.05(d, 1H,J=3.
2Hz), 2.66(dd, 1H, J=9.7, 13.6Hz)
【0073】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、医薬分野をは
じめ多方面において重要な中間体である光学活性な3−
アミノ−1,2−エポキシプロパン誘導体を、立体を制
御しながら安定的にかつ安価に製造することが可能であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)[化1] 【化1】 (式中R1およびR2は互いに独立して水素原子、置換
    されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアル
    キル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されても
    よいアリール基、置換されてもよいへテロ環または置換
    されてもよいヘテロ環アルキル基を示す。R3は、置換
    されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアル
    キル基、置換されてもよいアラルキル基、置換されても
    よいアリール基、置換されてもよいへテロ環または置換
    されてもよいヘテロ環アルキル基を示す。)で表される
    5−ヒドロキシオキサゾラン誘導体に、一般式(2)
    [化2] 【化2】 (式中Xは、塩素、臭素またはヨウ素を示す。)で表さ
    れるトリメチルスルホニウム塩を反応させることを特徴
    とする、一般式(3)[化3] 【化3】 (式中R1、R2、R3は、前記と同義。)で表される
    3−アミノ−1,2−エポキシプロパン誘導体の製造
    法。
  2. 【請求項2】 一般式(4)[化4] 【化4】 (式中R1、R3は、前記と同義。)で表される5−ヒ
    ドロキシオキサゾラン誘導体に、一般式(2)[化5] 【化5】 (式中Xは、前記と同義。)で表されるトリメチルスル
    ホニウム塩を塩基存在下にて反応させることを特徴とす
    る、一般式(5)[化6] 【化6】 (式中R1およびR3は前記と同義。)で表される置換
    基の立体がスレオ配置である3−アミノ−1,2−エポ
    キシプロパン誘導体の製造法。
  3. 【請求項3】 R1が、保護または無保護アミノ酸のα
    −炭素原子上の側鎖であることを特徴とする請求項2記
    載の製造法。
  4. 【請求項4】 R1が、ベンジル基であることを特徴と
    する請求項3記載の製造法。
  5. 【請求項5】 R3が、メチル基、エチル基、イソプロ
    ピル基、アリル基、t-ブチル基、ベンジル基またはフル
    オレニルメチル基であることを特徴とする請求項1〜4
    の何れか一項記載の製造法。
  6. 【請求項6】 Xが臭素であることを特徴とする請求項
    1〜5の何れか一項記載の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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