JP4212351B2 - 光学活性1,2−ジアミン誘導体および光学活性イミダゾリジノン誘導体の製造法 - Google Patents

光学活性1,2−ジアミン誘導体および光学活性イミダゾリジノン誘導体の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医農薬等の製造中間体として有用であり、また不斉合成を行なう上で必要な不斉配位子としても重要である光学活性1,2-ジアミン誘導体および光学活性イミダゾリジノン誘導体の新規製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1,2-ジアミン構造を有する光学活性化合物は、医薬、農薬分野における重要中間体もしくは原体として知られている(Chem. Comm. 1996, 801-806、J. Org. Chem. 1992, 57, 1663-1671 等)。また、近年では、不斉合成における遷移金属やルイス酸などのキラル配位子やキラル補助剤としてもその有用性が認識されている(Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1991, 30(1), 103-106)。しかしながら、立体選択的かつ光学活性な1, 2-ジアミン誘導体の一般的な合成法は少なく、簡便で汎用性があり、工業的にも有用な製造法の確立が望まれている。
【0003】
従来、光学活性な1,2-ジアミン誘導体の製造法は、ラセミ体の光学分割が一般的であった。しかし、この方法は造塩と再結晶を繰り返すため工程数が増えるうえ、収率が低い(理論的に50%を超えることはない)という問題があった(Tetrahedron Letters 1991, 32(14), 1711-1714等)。
【0004】
この問題を解決するために、不斉合成法が開発されてきた。代表的な方法として、キラルなアルコールをアジドを経由してジアミンへ変換する方法がある(Tetrahedron:Asymmetry 1995, 6(9), 2227-2236)。しかしこの方法では、キラルな1,2-ジオールの合成自体に高価な試薬と多工程を必要とする。
【0005】
同じく代表的な方法として、遷移金属を用いてイミンを縮合する方法がある(Tetrahedron Letters 1995, 36(37), 6747-6750)。しかしこの方法には、生成するジアミン誘導体が対称なものに限られるといった問題点があり、汎用性が低い。
【0006】
最近では、ニトロアルケンをキラル補助剤とaza-Michael付加させ、これを水素添加させる方法(Synthesis 1996, 1443-1450)が報告されている。しかしこの方法では、キラル補助剤を合成するために別途6工程が必要である、中間体であるβ-ニトロヒドラジンを合成する際に-78℃の低温条件が必要である、β-ニトロヒドラジンを還元する際に危険性の高いラネーニッケルを使用するなど工業的に満足する方法ではない。
【0007】
また、α-アミノアルデヒドをヒドロキシルアミンでβ-アミノオキシムに変換し、これをGrignard試薬で還元、続いて水素添加により還元する方法(Tetrahedron Asymmetry 1997, 8(14), 2381-2401)がある。しかし本法にも、原料のα-アミノアルデヒドが不安定であり合成が困難である、β-アミノオキシムをGrignard試薬で還元してヒドロキシルアミンとしてからZn-Cu、水素添加の2段階の還元をへてジアミンとするため多工程となるといった問題点があり、簡便な方法とはいえない。
【0008】
加えて、上記のような光学活性な1,2-ジアミン誘導体が簡便かつ安価に得られない為、それらを用いた光学活性なイミダゾリジノン誘導体もまた、従来技術では容易に製造することができない。
【0009】
このように、従来法には簡便で汎用性が高く、工業的に有用であるという条件を満たす製造法がなく、これらを満たす光学活性な1,2-ジアミン誘導体および光学活性なイミダゾリジノン誘導体製造法の開発が強く望まれている。
【0010】
【非特許文献1】
Chem. Comm. 1996, 801-806
【0011】
【非特許文献2】
J. Org. Chem. 1992, 57, 1663-1671
【0012】
【非特許文献3】
Angew. Chem. Int. Ed. Engl. ,103-106,1991, 30(1),
【0013】
【非特許文献4】
Tetrahedron Letters 1991, 32(14), 1711-1714
【0014】
【非特許文献5】
Tetrahedron:Asymmetry 1995, 6(9), 2227-2236
【0015】
【非特許文献6】
Tetrahedron Letters 1995, 36(37), 6747-6750
【0016】
【非特許文献7】
Synthesis 1996, 1443-1450
【0017】
【非特許文献8】
Tetrahedron Asymmetry 1997, 8(14), 2381-2401
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、医農薬等の製造中間体として有用であり、また不斉合成を行なう上で必要な不斉配位子としても重要である光学活性1,2-ジアミン誘導体および光学活性イミダゾリジノン誘導体の新規製造法に関して、簡便で汎用性があり、工業的にも有用である新規製造法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、光学活性なアミノ酸から合成可能な光学活性カーバメイトケトン誘導体を出発原料とし、入手が容易なヒドロキシルアミンを用いて光学活性カーバメイトオキシム誘導体へ変換し、続いてオキシム部分をエリスロ選択的に還元すると共に、カーバメイト部分を脱保護化することで光学活性1,2-ジアミン誘導体を立体選択的に得る短工程かつ工業的に有用な方法を見出した。加えて、上記反応で得られた光学活性1,2-ジアミン誘導体をカルボニル化することで光学活性イミダゾリン誘導体が得られることが分かり、本発明を完成するに至った。
【0020】
すなわち、本発明は、
[1] 一般式(1a)[化9]
【0021】
【化9】
Figure 0004212351
(式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環を示し、R2はアリールメチル基を示し、R3、R4、R5、R6、R7は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環を示す。)で表される光学活性カーバメイトケトン誘導体に、遊離のヒドロキシルアミンまたはその塩を反応させることにより、一般式(2a)[化10]
【0022】
【化10】
Figure 0004212351
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は前記と同義である。ただしオキシム部分の水酸基の幾何異性はE−、Z−またはその混合物のいずれでもよい。)で表される光学活性カーバメイトオキシム誘導体とし、続いてオキシム部分の還元とR2を含むカーバメイト部分の還元を、金属触媒を用いる接触水素添加反応、または亜鉛/酢酸、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属とアンモニアを用いる反応により、同時に行なうことを特徴とする、一般式(3a)[化11]
【0023】
【化11】
Figure 0004212351
(式中、R1、R3、R4、R5、R6またはR7は前記と同義である。)で表される光学活性1,2−ジアミン誘導体(ただし、ジアミンの立体配置はエリスロ)またはその塩の製造法、
[2]上記[1]で得られた一般式(3a)で表される化合物を用い、ジアリールカーバメート、ジアルキルカーバメート、クロロカーバメート、1,1−カルボニルジイミダゾール、ホスゲンから選択されるカルボニル化剤で処理し環化させることを特徴とする、一般式(4a)[化12]
【0024】
【化12】
Figure 0004212351
(式中、R1、R3、R4、R5、R6またはR7は前記と同義である。)で表される光学活性イミダゾリジノン誘導体の製造法
]一般式(1b)[化13]
【0025】
【化13】
Figure 0004212351
(式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環を示し、R2はアリールメチル基を示し、R3、R4、R5、R6、R7は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環を示す。)で表される光学活性カーバメイトケトン誘導体に、遊離のヒドロキシルアミンまたはその塩を反応させることにより、一般式(2b)[化14]
【0026】
【化14】
Figure 0004212351
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は前記と同義である。ただしオキシム部分の水酸基の幾何異性はE−、Z−またはその混合物のいずれでもよい。)で表される光学活性カーバメイトオキシム誘導体とし、続いてオキシム部分の還元とR2を含むカーバメイト部分の還元を、金属触媒を用いる接触水素添加反応、または亜鉛/酢酸、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属とアンモニアを用いる反応により、同時に行なうことを特徴とする、一般式(3b)[化15]
【0027】
【化15】
Figure 0004212351
(式中、R1、R3、R4、R5、R6またはR7は前記と同義である。)で表される光学活性1,2−ジアミン誘導体(ただし、ジアミンの立体配置はエリスロ)またはその塩の製造法、
上記[3]で得られた一般式(3b)で表される化合物を用い、ジアリールカーバメート、ジアルキルカーバメート、クロロカーバメート、1,1−カルボニルジイミダゾール、ホスゲンから選択されるカルボニル化剤で処理し環化させることを特徴とする、一般式(4b)[化16]
【0028】
【化16】
Figure 0004212351
(式中、R1、R3、R4、R5、R6またはR7は前記と同義である。)で表される光学活性イミダゾリジノン誘導体の製造法。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に本発明の化合物についてさらに詳細に説明する。
本発明において「置換されていてもよいアルキル基」とは、アルキル基の任意の位置が置換されてもよいアルキル基を意味する。アルキル基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基またはアリル基等をあげることが出来る。置換基としては、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0030】
本発明において「置換されていてもよいシクロアルキル基」とは、シクロアルキル基の任意の位置が置換されていてもよいシクロアルキル基を意味する。シクロアルキル基とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、tert-ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基またはシクロデシル基等をあげることが出来る。置換基としては、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ基等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、フェノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0031】
本発明において「置換されていてもよいアラルキル基」とは、アルキル基の任意の位置が置換されてもよいアラルキル基を意味する。アラルキル基としては、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェニルエチル基または9−フルオレニルメチル基等があげられる。置換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェニノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0032】
本発明において「置換されていてもよいアリール基」とは、アリール基の任意の位置が置換されていてもよいアリール基を意味する。アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基またはフェナントレニル基等をあげることが出来る。置換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェニノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0033】
本発明において「置換されていてもよいヘテロ環」とは、ヘテロ環の任意の位置が置換されていてもよいヘテロ環を意味する。ヘテロ環としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロチエニル基、ピペリジル基、モルホリニル基、ピペラジニル基、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、フルフリル基、テニル基、ピリジルメチル基、ピリミジル基、ピラジル基、イミダゾリル基、イミダゾリルメチル基、インドリル基、インドリルメチル基、イソキノリル基、キノリル基またはチアゾリル基等があげられる。置換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェニノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0034】
本発明において「置換されてもよいアリールメチル基」とは、アリールメチル基の任意の位置が置換されていてもよいアリールメチル基を意味する。アリールメチル基としては、ベンジル基、ナフチルメチル基、ビフェニルメチル基、ベンズヒドリル基またはトリチル基等を挙げることができる。
【0035】
一般式、一般式(1a)、一般式(1b)、一般式(2a)、一般式(2b)、一般式(3a)、一般式(3b)、一般式(4a)および一般式(4b)のR3、R4、R5、R6およびR7が表すハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等をあげることが出来る。
【0036】
本発明において「置換されていてもよいアルコキシル基」とは、アルコキシル基の任意の位置が置換されていてもよいアルコキシル基を意味する。アルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基等をあげることが出来る。置換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェニノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0037】
本発明において「置換されていてもよいアラルキルオキシ基」とは、アラルキルオキシ基の任意の位置が置換されていてもよいアラルキルオキシ基を意味する。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルエチルオキシ基または9−フルオレニルメチルオキシ基等があげられる。置換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェニノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0038】
本発明において「置換されていてもよいアリールオキシ基」とは、アリールオキシ基の任意の位置が置換されていてもよいアリールオキシ基を意味する。アリールオキシ基としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等があげられる。置換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェニノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0039】
本発明において「置換されていてもよいアミノ基」とは、アミノ基の任意の位置が置換されていてもよいアミノ基を意味する。置換基としては、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基等をあげることが出来る。
【0040】
本発明において「置換されていてもよいアミド基」とは、アミド基の任意の位置が置換されていてもよいアミド基を意味する。置換基としては、メチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基等をあげることが出来る。
【0041】
本発明において「置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル基」とは、アルキルオキシカルボニル基の任意の位置が置換されていてもよいアルキルオキシカルボニル基を意味する。アルキルオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等があげられる。置換基としては、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェニノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0042】
本発明において「置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基」とは、アリールカルボニル基の任意の位置が置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基を意味する。アリールオキシカルボニル基としては、フェノキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等があげられる。置換基としては、メチル基、tert-ブチル基またはベンジル基等のアルキル基、シクロプロパン、シクロペンタン、またはシクロヘキサン等のシクロアルキル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基、ベンジルオキシ基またはメトキシエトキシ等のアルコキシル基、フェノキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、フェニノキシカルボニル基あるいはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子などをあげることが出来る。
【0043】
本発明において「天然型α-アミノ酸の側鎖」とは、例えばアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、tert−ロイシン、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、ホモセリンまたはオルチニン等のアミノ酸の側鎖である。また、これら天然型α-アミノ酸の側鎖は、通常使用されているアミノ保護基、チオール保護基およびカルボキシ保護基等で任意に保護化されていてもよい。
【0044】
以下に、一般式、(2a)、(2b)、(3a)、(3b)、(4a)および(4b)に含まれる化合物を表-1[表1]〜表−6[表6]に例示する。ただし、これは本発明化合物を制限するものではない。
【0045】
【表1】
Figure 0004212351
【0046】
【表2】
Figure 0004212351
【0047】
【表3】
Figure 0004212351
【0048】
【表4】
Figure 0004212351
【0049】
【表5】
Figure 0004212351
【0050】
【表6】
Figure 0004212351
【0051】
以下に、本発明の代表的な製造法について説明する。
一般式(2a)または一般式(2b)で表される光学活性オキシム誘導体の製造法について述べる。
【0052】
一般式(1a)または一般式(1b)で表される光学活性カーバメイトケトン誘導体に対し、遊離のヒドロキシルアミンまたはその塩を反応させることにより一般式(2a)、一般式(2b)で表される光学活性カーバメイトオキシム誘導体を製造することが出来る。本反応により得られるに光学活性カーバメイトオキシム誘導体に関して、オキシム部分の水酸基の幾何異性はE−、Z−またはその混合物のいずれかであるが、この幾何異性の選択性は次工程に影響を与えるものではない。遊離のヒドロキシルアミンとしては、ヒドロキシルアミン単体、任意の濃度に調整されたヒドロキシルアミン溶液または反応系内で発生させたヒドロキシルアミン等があげられる。使用可能なヒドロキシルアミンの塩としては特に制限はないが、塩酸塩、硫酸塩、スルホン酸塩、硝酸塩またはリン酸塩等があげられる。これらのヒドロキシルアミン塩は単独で使用することも出来るし、反応に影響を与えない無機塩または有機塩基とともに使用することも出来る。使用可能な溶媒としては、反応の進行を妨げないものであれば特に制限はないが、水、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等をあげることが出来る。これらの溶媒は単独で、あるいは2種以上の任意の比率での混合溶媒として使用できる。反応温度に関しては、-78℃から使用する溶媒の沸点まで実施可能であるが、好ましくは室温から溶媒の沸点温度である。反応時間は特に制限は無いが、数分から24時間、好ましくは30分から12時間の範囲である。
【0053】
一般式(3a)または一般式(3b)で表される光学活性1, 2-ジアミン誘導体の製造法について述べる。
一般式(2a)または一般式(2b)表される光学活性カーバメイトオキシム誘導体を還元条件に付すことにより、一般式(3a)または一般式(3b)で表される光学活性1,2−ジアミン誘導体を製造することが出来る。還元方法としては、金属触媒を用いた接触水素添加反応等が有効である。金属触媒としては、パラジウム触媒、ルテニウム触媒、ロジウム触媒、白金触媒またはラネーニッケル触媒等が利用可能である。用いる水素圧に特に制限はないが、好ましくは常圧から10Mpaの範囲である。使用可能な溶媒としては、反応の進行を妨げないものであれば特に制限はないが、水、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等をあげることが出来る。これらの溶媒は単独で、あるいは2種以上の任意の比率での混合溶媒として使用できる。反応温度に関しては、-78℃から使用する溶媒の沸点まで実施可能であるが、好ましくは-20℃から溶媒の沸点温度である。反応時間は特に制限は無いが、数分から24時間、好ましくは30分から6時間の範囲である。また、亜鉛/酢酸、アリカリ金属またはアルカリ土類金属とアンモニア等を用いた還元等も利用可能である。
【0054】
一般式(4a)または一般式(4b)で表されるイミダゾリジノン誘導体の製造法について述べる。
一般式(3a)または一般式(3b)表される光学活性1,2−ジアミン誘導体をカルボニル化剤を用いて環化することにより、一般式(4a)または(4b)で表されるイミダゾリジノン誘導体を製造することが出来る。カルボニル化剤としてはジフェニルカーバメート等のジアリールカーバメート、ジエチルカーバメート等のジアルキルカーバメート、クロロ蟻酸メチル等のクロロカーバメート、1,1-カルボニルビスイミダゾール、ホスゲン等があげられる。これらのカルボニル化剤は単独で使用することも出来るし、反応に影響を与えない無機塩またはトリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基とともに使用することも出来る。使用可能な溶媒としては、反応の進行を妨げないものであれば特に制限はないが、水、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等をあげることが出来る。これらの溶媒は単独で、あるいは2種以上の任意の比率での混合溶媒として使用できる。反応温度に関しては、-78℃から使用する溶媒の沸点まで実施可能であるが、好ましくは-20℃から溶媒の沸点温度である。反応時間は特に制限は無いが、数分から24時間、好ましくは30分から12時間の範囲である。
【0055】
本発明の一般式(1a)および一般式(1b)で表される光学活性カーバメイトケトン誘導体は、例えばPCT/JP01/09830に記載の方法で合成可能である。また、製造方法として特に明記していない試薬および使用原料に関しては、一般的に市販されており、入手は容易である。
【0056】
【実施例】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
[実施例1] (1R, 2S)1-(4-ヒドロキシフェニル)-1, 2−ジアミノプロパン・シュウ酸塩の合成(例示化合物番号:80)
[反応1] (2S)-2-(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-1-(4-ベンジルオキシフェニル)-1-プロパノンオキシムの合成(例示化合物番号:4):式[化17]
【0057】
【化17】
Figure 0004212351
【0058】
(2S)-2-(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-1-(4-ベンジルオキシフェニル)-1-プロパノン 39gをメタノール500mlに懸濁し、ヒドロキシルアミン塩酸塩14.5g、ピリジン17.5gを加えて60℃で5.5時間攪拌した。室温まで放冷した後反応溶液を水1000ml中に加え、トルエンで抽出した。有機層を水洗し硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去して粗生成物をオレンジ色オイルとして得た。この粗生成物から析出した結晶をエーテルで濾取し、表題化合物(2種のジアステレオ混合物)30gを白色粉末として得た。収率74%。
【0059】
オキシムの幾何異性に由来する一方の化合物
1H-NMR(CDCl3, 400MHz)δppm= 8.34(1H, s),7.57(2H,d,J=8.8Hz),7.52-7.28(5H, m), 6.97(2H, d, J=8.8Hz), 6.14(1H, d, J=10Hz), 5.13(1H,d,J=12Hz), 5.13-5.10(1H, m), 5.06(1H, d, J=12Hz), 1.52(3H, d, J=7.2Hz)
【0060】
オキシムの幾何異性由来する他方の化合物
1H-NMR(CDCl3, 400MHz)δppm= 7.49(1H, s), 7.45-7.29(7H, m),7.01(2H, d, J=8.4Hz), 5.58(1H, d, J=7.2Hz), 5.13(1H, d,J=12Hz),5.06(1H,d,J=12Hz), 4.78(1H, quintet, J=6.8Hz), 1.29(3H, d, J=6.8Hz)
【0061】
(反応2):(1R, 2S)1-(4-ヒドロキシフェニル)-1, 2−ジアミノプロパン・シュウ酸塩の合成:(例示化合物番号:80)[化18]
【0062】
【化18】
Figure 0004212351
【0063】
反応1で得られた化合物 15gをメタノール180mlに溶解し、5% Pd/C(50% wet) 3gを入れて水素雰囲気下(0.5Mpa)、室温で2時間攪拌した。触媒を濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物7.7gを黄色オイルとして得た。この粗生成物6.2gをメタノール50mlに溶解し、シュウ酸・2水和物 2.3g/メタノール 10ml溶液を加え、氷冷下で1.5時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、標題化合物5.0gを白色結晶として得た。なお、ジアミン部分の相対立体配置は、実施例2で得られる化合物のNOE差スペクトルによりエリスロ配置であると決定した。
【0064】
1H-NMR(D2O, 400MHz)δppm= 7.34(2H, d, J=8.8Hz), 6.98(2H,d,J=8.8Hz), 4.78-4.81(2H, m), 4.15(1H, d, J=8.8Hz), 3.70(1H,qd,J=8.8,6.4Hz),3.35(1H, s), 1.45(3H, d, J=6.4Hz)
【0065】
[実施例2] (4R, 5S)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メチル-イミダゾリン-2-オンの合成
(例示化合物番号:142):式[化19]
【0066】
【化19】
Figure 0004212351
【0067】
実施例1で得られた化合物2.1gをTHF 40mlに懸濁し、氷冷下トリエチルアミン1.26ml、1,1-カルボニルジイミダゾール3.74mgを加えて室温で6時間攪拌した。反応溶液を水に加えた後1N塩酸でpH1に調製し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後濾過した。溶媒を減圧留去して得られた粗結晶を酢酸エチルに懸濁して濾取し、室温で減圧乾燥後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(C-300相当品:40g, CHCl3/MeOH=15/1)にて精製して標題化合物2.2g(定量的)を得た。
1H-NMR(D2O, 400MHz)δppm: 9.32(1H, brd-s), 7.03 ppm (2H, m),6.72 ppm (2H, m), 6.58 ppm (1H, brd-s), δ 6.27 ppm (1H, brd-s), 4.64 ppm (1H, d, J=8.4Hz), 3.86 ppm (1H, quint., J=7.0Hz), 0.56 ppm (3H, d, J=6.4Hz)
NOE差スペクトル測定によって、メチル基と4−ヒドロキシフェニル基の相対立体配置は、シン配置であることが確認された。
【0068】
[実施例3] (1S, 2R)1-(4-ヒドロキシフェニル)-1, 2−ジアミノプロパン・シュウ酸塩の合成(例示化合物番号:111)
[反応1] (2R)-2-(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-1-(4-ベンジルオキシフェニル)-1-プロパノンオキシムの合成(例示化合物番号:42):式[化20]
【0069】
【化20】
Figure 0004212351
【0070】
(2R)-2-(ベンジルオキシカルボニル)アミノ-1-(4-ベンジルオキシフェニル)-1-プロパノン 3.90gをメタノール50mlに懸濁し、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.45g、ピリジン1.75gを加えて60℃で5.5時間攪拌した。室温まで放冷した後反応溶液を水100ml中に加え、トルエンで抽出した。有機層を水洗し硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去して粗生成物をオレンジ色オイルとして得た。この粗生成物から析出した結晶をエーテルで濾取し、表題化合物(2種のジアステレオ混合物)2.99gを白色粉末として得た。収率74%。
【0071】
オキシムの幾何異性に由来する一方の化合物
1H-NMR(CDCl3, 400MHz)δppm= 8.34(1H, s),7.57(2H,d,J=8.8Hz),7.52-7.28(5H, m), 6.97(2H, d, J=8.8Hz), 6.14(1H, d, J=10Hz), 5.13(1H,d,J=12Hz), 5.13-5.10(1H, m), 5.06(1H, d, J=12Hz), 1.52(3H, d, J=7.2Hz)
【0072】
オキシムの幾何異性由来する他方の化合物
1H-NMR(CDCl3, 400MHz)δppm= 7.49(1H, s), 7.45-7.29(7H,m),7.01(2H, d, J=8.4Hz), 5.58(1H, d, J=7.2Hz), 5.13(1H, d,J=12Hz),5.06(1H,d,J=12Hz), 4.78(1H, quintet, J=6.8Hz), 1.29(3H, d, J=6.8Hz)
【0073】
(反応2):(1S, 2R)1-(4-ヒドロキシフェニル)-1, 2−ジアミノプロパン・シュウ酸塩の合成:(例示化合物番号:111)[化21]
【0074】
【化21】
Figure 0004212351
【0075】
反応1で得られた化合物 1.50gをメタノール19mlに溶解し、5% Pd/C(50% wet) 0.32gを入れて水素雰囲気下(0.5Mpa)、室温で2時間攪拌した。触媒を濾過し、溶媒を減圧留去して粗生成物0.77gを黄色オイルとして得た。この粗生成物0.62gをメタノール5mlに溶解し、シュウ酸・2水和物 0.23g/メタノール 1ml溶液を加え、氷冷下で1.5時間攪拌した。析出した結晶を濾取し、標題化合物0.50gを白色結晶として得た。なお、ジアミン部分の相対立体配置は、実施例2で得られる化合物のNOE差スペクトルによりエリスロ配置であると決定した。
【0076】
1H-NMR(D2O, 400MHz)δppm= 7.34(2H, d, J=8.8Hz),6.98(2H,d,J=8.8Hz), 4.78-4.81(2H, m), 4.15(1H, d, J=8.8Hz), 3.70(1H,qd,J=8.8,6.4Hz),3.35(1H, s), 1.45(3H, d, J=6.4Hz)
【0077】
[実施例4] (4S, 5R)-4-(4-ヒドロキシフェニル)-5-メチル-イミダゾリン-2-オンの合成
(例示化合物番号:173):式[化22]
【0078】
【化22】
Figure 0004212351
【0079】
実施例3で得られた化合物208.4mgをTHF 8mlに懸濁し、氷冷下トリエチルアミン126μl、1,1-カルボニルジイミダゾール374.3mgを加えて室温で6時間攪拌した。反応溶液を水に加えた後1N塩酸でpH1に調製し、酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後濾過した。溶媒を減圧留去して得られた粗結晶を酢酸エチルに懸濁して濾取し、室温で減圧乾燥後薄層クロマトグラフィー(SiO2 0.5mm 20cm×20cm,Eluent:CHCl3/MeOH=9/1)にて精製して標題化合物を得た。
1H-NMR(D2O, 400MHz)δppm: 9.32(1H, brd-s), 7.03 ppm (2H, m),6.72 ppm (2H, m), 6.58 ppm (1H, brd-s), δ 6.27 ppm (1H, brd-s), 4.64 ppm (1H, d, J=8.4Hz), 3.86 ppm (1H, quint., J=7.0Hz), 0.56 ppm (3H, d, J=6.4Hz)
NOE差スペクトル測定によって、メチル基と4−ヒドロキシフェニル基の相対立体配置は、シン配置であることが確認された。
【0080】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、医農薬等の製造中間体として有用であり、また不斉合成を行なう上で必要な不斉配位子としても重要である光学活性1,2-ジアミン誘導体および光学活性イミダゾリジノン誘導体を、簡便かつ工業的に有用な方法で製造することが可能である。

Claims (4)

  1. 一般式(1a)[化1]
    Figure 0004212351
    (式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環を示し、R2はアリールメチル基を示し、R3、R4、R5、R6、R7は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環を示す。)で表される光学活性カーバメイトケトン誘導体に、遊離のヒドロキシルアミンまたはその塩を反応させることにより、一般式(2a)[化2]
    Figure 0004212351
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は前記と同義である。ただしオキシム部分の水酸基の幾何異性はE−、Z−またはその混合物のいずれでもよい。)で表される光学活性カーバメイトオキシム誘導体とし、続いてオキシム部分の還元とR2を含むカーバメイト部分の還元を、金属触媒を用いる接触水素添加反応、または亜鉛/酢酸、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属とアンモニアを用いる反応により、同時に行なうことを特徴とする、一般式(3a)[化3]
    Figure 0004212351
    (式中、R1、R3、R4、R5、R6またはR7は前記と同義である。)で表される光学活性1,2−ジアミン誘導体(ただし、ジアミンの立体配置はエリスロ)またはその塩の製造法。
  2. 請求項1で得られた一般式(3a)で表される化合物を用い、ジアリールカーバメート、ジアルキルカーバメート、クロロカーバメート、1,1−カルボニルジイミダゾール、ホスゲンから選択されるカルボニル化剤で処理し環化させることを特徴とする、一般式(4a)[化4]
    Figure 0004212351
    (式中、R1、R3、R4、R5、R6またはR7は前記と同義である。)で表される光学活性イミダゾリジノン誘導体の製造法。
  3. 一般式(1b)[化5]
    Figure 0004212351
    (式中、R1はアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環を示し、R2はアリールメチル基を示し、R3、R4、R5、R6、R7は互いに独立して水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシル基、アラルキルオキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、アミノ基、アミド基、カルボキシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基またはヘテロ環を示す。)で表される光学活性カーバメイトケトン誘導体に、遊離のヒドロキシルアミンまたはその塩を反応させることにより、一般式(2b)[化6]
    Figure 0004212351
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は前記と同義である。ただしオキシム部分の水酸基の幾何異性はE−、Z−またはその混合物のいずれでもよい。)で表される光学活性カーバメイトオキシム誘導体とし、続いてオキシム部分の還元とR2を含むカーバメイト部分の還元を、金属触媒を用いる接触水素添加反応、または亜鉛/酢酸、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属とアンモニアを用いる反応により、同時に行なうことを特徴とする、一般式(3b)[化7]
    Figure 0004212351
    (式中、R1、R3、R4、R5、R6またはR7は前記と同義である。)で表される光学活性1,2−ジアミン誘導体(ただし、ジアミンの立体配置はエリスロ)またはその塩の製造法。
  4. 請求項3で得られた一般式(3b)で表される化合物を用い、ジアリールカーバメート、ジアルキルカーバメート、クロロカーバメート、1,1−カルボニルジイミダゾール、ホスゲンから選択されるカルボニル化剤で処理し環化させることを特徴とする、一般式(4b)[化8]
    Figure 0004212351
    (式中、R1、R3、R4、R5、R6またはR7は前記と同義である。)で表される光学活性イミダゾリジノン誘導体の製造法。
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