JPH09143173A - 光学活性な5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノン誘導体 - Google Patents

光学活性な5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノン誘導体

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JPH09143173A
JPH09143173A JP30152895A JP30152895A JPH09143173A JP H09143173 A JPH09143173 A JP H09143173A JP 30152895 A JP30152895 A JP 30152895A JP 30152895 A JP30152895 A JP 30152895A JP H09143173 A JPH09143173 A JP H09143173A
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JP
Japan
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diphenyl
mmol
compound
oxazolidinone
optically active
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Pending
Application number
JP30152895A
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English (en)
Inventor
Toshio Isobe
敏男 磯部
Keiko Fukuda
恵子 福田
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 はアルキル基、アリール基又はアラルキル
基を示し、*は不斉炭素の位置を示す〕で表わされる光
学活性な5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノン誘
導体。 【効果】 本発明化合物を不斉補助剤として用いれば、
光学活性化合物を選択的かつ高収率で製造することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性化合物を
選択的に製造するために用いる不斉補助剤として有用な
5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノン誘導体に関
する。
【0002】
【従来の技術】不斉炭素を有する有機化合物には、エナ
ンチオマー(鏡像異性体)が存在する。このような有機
化合物を香料や食品添加物として用いる場合、各々のエ
ナンチオマーにより、臭いや味が異なることが知られて
いる。また、医薬品では、サリドマイドの例に如実に示
されたように両異性体によって薬効や毒性が大きく異な
ることが知られている。更に強誘電性液晶では純粋なキ
ラル分子構造を持つ化合物が求められており、光学純度
の低下は顕著な機能の低下をもたらすとされている。
【0003】このように、医薬、農薬、香料、食品添加
物、エレクトロニクス等の産業分野では、いずれかのエ
ナンチオマーが求められており、更に光学純度の高いも
のが求められている。
【0004】また、光学純度の高い化合物を製造するに
は、光学活性な出発原料を用いて、通常の化学反応で製
造する方法が最も容易であり、一般的である。従って、
光学活性な原料化合物は産業上重要であり、安価で大量
供給が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような光学活性な
化合物の製造法としては、通常の反応により得たラセミ
体を光学活性な分割剤を用いて分離する方法や、酵素又
は生物学的手法を用いて片方の異性体のみを目的物に変
換する方法等が知られている。
【0006】しかしながら、このような方法では、産業
上利用できない異性体が半分残ってしまうため、資源の
有効利用が図れず、不経済であった。このため必要な光
学異性体のみを製造する方法が望まれており、現在、不
斉補助剤を用いる方法が実施されている。この不斉補助
剤のうち特に4−キラル−2−オキサゾリジノン誘導体
は入手の容易さと適用範囲の広さから繁用されている。
また、4−キラル−2−オキサゾリジノン誘導体を用い
た不斉合成反応例も数多く報告されており、このうち、
光学活性カルボン酸の立体選択的製造法としては、例え
ば次の反応式に示す方法が知られている。
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、R2 は低級アルキル基、アリール
基又はアラルキル基を示し、R3 及びR4 は有機基を示
し、*は不斉炭素の位置を示す〕
【0009】すなわち、4−置換−2−オキサゾリジノ
ン(2)をアシル化して化合物(3)とし、有機金属化
合物試薬を用いて金属エノラートを調製し、ハロゲン化
アルキル等をジアステレオ選択的に反応させてジアステ
レオマー(4)を得た後、過酸化リチウムによる加水分
解を行い光学活性なカルボン酸(5)を得る方法が知ら
れている。
【0010】しかし、このような反応において、4−置
換−2−オキサゾリジノン(2)は、5位に置換基を有
しないためにオキサゾリジノン骨格のカルボニル基が求
核攻撃を受け易く、かつ副反応である開環反応も同時に
起こるために、エノラートアルキル化や脱アシル化反応
時において収率の低下がみられ、更に不斉補助剤の再使
用ができないという問題がある等の欠点があった。
【0011】従って本発明の目的は、このような欠点が
なく、所望の光学活性化合物を選択的に収率よく製造す
ることができる不斉補助剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者らは、鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表
わされる新規化合物を不斉補助剤として用いれば、高ジ
アステレオ選択的に反応が進行し、しかもこのものは、
オキサゾリジノン骨格が求核試薬に対して安定であるた
め、収率の低下がないこと、更には再使用が可能である
ことを見出し本発明を完成した。
【0013】すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0014】
【化3】
【0015】〔式中、R1 はアルキル基、アリール基又
はアラルキル基を示し、*は不斉炭素の位置を示す〕で
表わされる光学活性な5,5−ジフェニル−2−オキサ
ゾリジノン誘導体を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の5,5−ジフェニル−2
−オキサゾリジノン誘導体は前記一般式(1)で表わさ
れるものであり、式中のR1 のアルキル基としては炭素
数1〜4の低級アルキル基が好ましく、具体的には、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、
n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基が例示され
る。またR1 のうちアリール基としては、フェニル基、
ナフチル基、トリル基等が挙げられ、アラルキル基とし
ては、ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル
基等が挙げられる。
【0017】本発明化合物(1)は、例えば次の反応式
に従ってL−又はD−アミノ酸あるいはそのエステルと
フェニルマグネシウムハロゲニドとの反応により容易に
得られる光学活性なアミノアルコール(8)にトリホス
ゲン、トリクロロメチルクロロホルメート、ホスゲン、
N,N′−ジスクシニミジルカーボネート、ジメチルカ
ーボネート、カルボニルジイミダゾール等を反応せしめ
ることによって製造することができる。
【0018】
【化4】
【0019】〔式中、R1 及び*は前記と同じものを示
し、R5 は水素原子又は低級アルキル基を示し、R6
びR7 は同一又は異なって、ハロゲン原子、トリハロゲ
ノメトキシ基、スクシニミジルオキシ基、低級アルコキ
シ基又はイミダゾリル基を示し、Xはハロゲン原子を示
す〕
【0020】上記反応式において、出発原料であるアミ
ノ酸(6)としては、L−アラニン、D−アラニン、L
−イソロイシン、D−イソロイシン、L−ロイシン、D
−ロイシン、L−フェニルアラニン、D−フェニルアラ
ニン、L−バリン、D−バリン、L−t−ロイシン、D
−t−ロイシン、D−フェニルグリシン等が挙げられ
る。
【0021】また、グリニャール試薬(7)の具体例と
しては、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグ
ネシウムブロミド、フェニルマグネシウムアイオダイド
が挙げられる。
【0022】アミノ酸(6)とグリニャール試薬(7)
との反応は、アミノ酸(6)又はグリニャール試薬
(7)の何れか一方をテトラヒドロフラン、ジエチルエ
ーテル等の適当な溶媒に溶かしておき、室温あるいは冷
却下に他方をゆっくりと添加して行えばよい。
【0023】このようにして得られたアミノアルコール
(8)から本発明化合物(1)を製造する閉環反応は、
ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン、
アセトニトリル等の溶媒中、塩基存在下あるいは非存在
下にカルボニル化試薬(9)を加え室温又は加熱するこ
とによって行われる。使用される塩基としては、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、ジメチルアニリン、ピリジン、ナトリウムメトキシ
ド等の有機塩基;炭酸カリウム、水酸化カリウム等の無
機塩基が挙げられる。また、反応にはアミノアルコール
(8)1モルに対しカルボニル化試薬(9)1〜3モ
ル、塩基2〜6モルを使用して行われるが、特にアミノ
アルコール(8)1モルに対しカルボニル化試薬(9)
1〜1.5モル、塩基2〜3モル程度使用するのが好ま
しい。
【0024】本発明化合物(1)は、種々の不斉合成反
応に不斉補助剤として用いることができる。例えば、光
学活性なカルボン酸の製造は次の反応式に従って実施す
ることができる。
【0025】
【化5】
【0026】〔式中、R1 、R3 、R4 及び*は前記と
同じものを示し、Mは金属原子を示し、Yは水素原子又
は有機基を示し、Zはハロゲン原子を示す〕
【0027】すなわち、本発明化合物(1)をテトラヒ
ドロフランやジメチルホルムアミド等の不活性溶媒中、
n−ブチルリチウム、水素化ナトリウム等を用いて金属
塩(11)とした後、ハロゲン化アシル(12)を反応
させてアシル体(13)とし、次いで不活性溶媒中、n
−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド等の
有機金属化合物や水素化ナトリウム、水素化リチウム等
を用いてエノラート(14)とし、ハロゲン化アルキル
(15)等をジアステレオ選択的に反応してジアステレ
オマー(16)を得、これを過酸化リチウム(17)を
用いて加水分解することにより容易に光学活性なカルボ
ン酸(18)を得ることができる。また、このとき再生
した(1)は特に精製の操作を必要とせず再使用するこ
とができる。
【0028】
【発明の効果】本発明化合物を不斉補助剤として用いれ
ば、光学活性化合物を選択的かつ高収率で製造すること
ができる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】製造例1 (2S)−2−アミノ−1,1−ジフェニル−3−メチ
ル−1−ブタノールの製造:窒素気流下、フェニルマグ
ネシウムブロミド2Mのテトラヒドロフラン溶液250
g(0.50mol)中にL−バリンメチルエステル1
4.9g(0.11mol)のテトラヒドロフラン5ml溶
液をゆっくりと滴下し、終了後更に室温で20時間攪拌
を続けた。反応液を塩化アンモニウム水溶液中に加え塩
化メチレンで抽出し、抽出液は水洗後無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して24.8gの残渣
を得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶
媒 クロロホルム/メタノール)で精製し、標記化合物
を14.6g(収率51%)得た。
【0031】実施例1 (4S)−4−メチル−5,5
−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:アセトニ
トリル100ml中に(2S)−2−アミノ−1,1−ジ
フェニル−1−プロパノール1.67g(7.3mmo
l)、トリエチルアミン1.63g(16.2mmol)及
びN,N′−ジスクシニミジルカーボネート2.07g
(8.1mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌し、更に
15.5時間加熱還流を続けた。放冷後、反応液に希塩
酸水溶液を加え塩化メチレンで抽出した。抽出液は、水
及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で順次洗浄後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去して白色
結晶である残渣を1.54g得た。この残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィー(溶媒 クロロホルム/メタノー
ル)で精製し、標記化合物を1.62g(収率87%)
得た。
【0032】mp 268.4〜268.7℃ [α] D 21.6=−298.90°(c=0.10,CHCl3) UV λmax MeOH nm: 206.4(ε17800) IR νmax KBr cm-1: 3250, 1740,17201 H-NMR(DMSO-d6) δ: 0.85(3H,d,J=6.2Hz), 4.67(1H,q,
J=6.2Hz),7.22〜7.60(10H,m), 7.94(1H,s)
【0033】実施例2 (4S)−4−イソプロピル−
5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:
1,2−ジクロロエタン50ml中に(2S)−2−アミ
ノ−1,1−ジフェニル−3−メチル−1−ブタノール
2.0g(7.8mmol)、トリエチルアミン1.7g
(16.8mmol)及びN,N′−ジスクシニミジルカー
ボネート2.2g(8.6mmol)を加え、室温で40分
間攪拌した後、更に15時間加熱還流を続けた。以下、
実施例1と同様の操作を行い標記化合物を1.4g(収
率64%)得た。
【0034】mp 253.2〜253.9℃ [α]D 22.0=−253.10°(c=0.10,CHCl3) UV λmax MeOH nm: 206.4(ε20800) IR νmax KBr cm-1: 3290, 17351 H-NMR(CDCl3)δ:0.66(3H,d,J=6.6Hz), 0.86(3H,d,J=6.
6Hz),1.50(1H,m), 4.33(1H,d,J=3.7Hz), 5.33(1H,m),
7.24〜7.55(10H,m)
【0035】実施例3 (4S)−4−イソプロピル−
5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:塩
化メチレン5ml中にトリホスゲン0.14g(0.5mm
ol)を溶解し、この中に(2S)−2−アミノ−1,1
−ジフェニル−3−メチル−1−ブタノール0.30g
(1.2mmol)及びトリエチルアミン0.36g(3.
5mmol)の塩化メチレン5ml溶液をゆっくりと滴下し、
終了後24時間室温で攪拌を続けた。以下、実施例1と
同様の操作を行い標記化合物を0.23g(収率77
%)得た。
【0036】実施例4 (4R)−4−イソプロピル−
5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:ア
セトニトリル100ml中に(2R)−2−アミノ−1,
1−ジフェニル−3−メチル−1−ブタノール2.0g
(7.8mmol)、トリエチルアミン1.7g(16.8
mmol)及びN,N′−ジスクシニミジルカーボネート
2.2g(8.6mmol)を加え室温で1時間攪拌した
後、更に15時間加熱還流を続けた。以下、実施例1と
同様の操作を行い標記化合物を1.6g(収率73%)
得た。
【0037】mp 252.9〜253.5℃ [α]D 19.8=+270.78°(c=1.00,CHCl3) UV λmax MeOH nm: 205.2(ε18300) IR νmax KBr cm-1: 3290, 1765, 17401 H-NMR(CDCl3)δ:0.66(3H,d,J=6.6Hz), 0.86(3H,d,J=6.
6Hz),1.50(1H,m), 4.33(1H,d,J=3.7Hz), 5.98(1H,m),
7.24〜7.55(10H,m)
【0038】実施例5 (4S)−4−イソブチル−
5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:ア
セトニトリル100ml中に(2S)−2−アミノ−1,
1−ジフェニル−4−メチル−1−ペンタノール2.5
g(9.3mmol)、トリエチルアミン2.1g(20.
5mmol)及びN,N′−ジスクシニミジルカルボネート
2.6g(10.2mmol)を加え室温で1時間攪拌した
後、更に15.5時間加熱還流を続けた。以下、実施例
1と同様の操作を行い標記化合物を2.4g(収率88
%)得た。
【0039】mp 214.3〜214.5℃ [α]D 22.4=−282.05°(c=1.00,CHCl3) UV λmax MeOH nm: 206.0(ε18300) IR νmax KBr cm-1: 3260, 1750, 17201 H-NMR(DMSO-d6)δ:0.76(3H,d,J=6.6Hz), 0.86(3H,d,J=
6.6Hz),0.85〜0.93(2H,m), 1.61〜1.66(1H,m), 4.49(1
H,dd,J=4.4 and 9.4Hz),7.22〜7.56(10H,m), 8.19(1H,
s)13 C-NMR(DMSO-d6):20.78, 23.75, 23.86, 41.76, 57.5
8, 87.63,125.64, 125.86, 127.44, 127.91, 128.00, 1
28.38, 139.78,143.44, 156.86
【0040】実施例6 (4S)−4−t−ブチル−
5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:塩
化メチレン50ml中に(2S−2−アミノ−3,3−ジ
メチル−1,1−ジフェニル−1−ブタノール1.0g
(3.7mmol)及びトリエチルアミン2.3g(22.
3mmol)を溶解し、この中にトリホスゲン1.1g
(3.7mmol)の塩化メチレン18ml溶液をゆっくりと
滴下し、終了後18時間室温で攪拌を続けた。以下、実
施例1と同様の操作を行い標記化合物を0.6g(収率
52%)得た。
【0041】mp 283.1〜283.2℃ [α]D 21.4=−157.50°(c=0.10,CHCl3) UV λmax MeOH nm: 205.6(ε18000) IR νmax KBr cm-1: 3275, 17351 H-NMR(CDCl3)δ:0.79(9H,s), 4.23(1H,s), 7.24〜7.61
(11H,m)
【0042】実施例7 (4S)−4−ベンジル−5,
5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:塩化メ
チレン200ml中に(2S)−2−アミノ−1,1,3
−トリフェニル−1−プロパノール2.0g(6.6mm
ol)及びトリエチルアミン2.0g(19.8mmol)を
溶解し、この中にトリホスゲン1.0g(3.3mmol)
の塩化メチレン8ml溶液をゆっくりと滴下し、終了後室
温で18.5時間攪拌を続けた。以下、実施例1と同様
の操作を行い標記化合物を1.7g(収率77%)得
た。
【0043】mp 259.5〜261.4℃ [α]D 21.7=−278.20°(c=1.00,CHCl3) UV λmax MeOH nm: 207.2(ε25600) IR νmax KBr cm-1: 3250, 1760, 17251 H-NMR(CDCl3)δ:2.19(1H,dd,J=11.6 and 13.7Hz),2.61
(1H,dd,J=2.9 and 13.7Hz), 4.67(1H,dd,J=2.9 and 11.
6Hz),4.90(1H,bs), 7.12〜7.57(15H,m)
【0044】実施例8 (4R)−4−ベンジル−5,
5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:アセト
ニトリル50ml中に(2R)−2−アミノ−1,1,3
−トリフェニル−1−プロパノール2.0g(6.6mm
ol)、トリエチルアミン1.5g(14.5mmol)及び
N,N′−ジスクシニミジルカーボネート1.9g
(7.3mmol)を加え室温で20分間攪拌した後、更に
8時間加熱還流を続けた。以下、実施例1と同様の操作
を行い標記化合物を1.9g(収率88%)得た。
【0045】mp 262.1〜262.4℃ [α]D 22.8=+277.48°(c=1.00,CHCl3) UV λmax MeOH nm: 206.4(ε28300) IR νmax KBr cm-1: 3250, 1760, 17251 H-NMR(CDCl3)δ:2.19(1H,dd,J=11.6 and 13.7Hz),2.61
(1H,dd,J=2.9 and 13.7Hz), 4.67(1H,dd,J=2.9 and 11.
6Hz),4.90(1H,bs), 7.12〜7.57(15H,m)
【0046】実施例9 (4R)−4−ベンジル−5,
5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:塩化メ
チレン30ml中に(2R)−2−アミノ−1,1,3−
トリフェニル−1−プロパノール0.81g(2.7mm
ol)及びトリエチルアミン0.81g(8.1mmol)を
溶解し、この中にトリホスゲン0.32g(1.1mmo
l)の塩化メチレン6ml溶液をゆっくりと滴下し、終了
後室温で24時間攪拌を続け、更に4時間加熱還流を行
った。以下、実施例1と同様の操作を行い標記化合物を
0.65g(収率74%)得た。
【0047】実施例10 (4R)−4−フェニル−
5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノンの製造:ト
ルエン70ml中に(2R)−2−アミノ−1,1,2−
トリフェニルエタノール2.5g(8.7mmol)及びト
リエチルアミン1.9g(19.0mmol)を溶解し、こ
の中にN,N′−ジスクシニミジルカーボネート2.4
g(9.5mmol)を加え室温で1時間攪拌した後、更に
8.5時間加熱還流を続けた。以下、実施例1と同様の
操作を行い標記化合物を1.3g(収率47%)得た。
【0048】mp 246.5〜247.2℃ [α]D 20.0=+218.15°(c=1.00,CHCl3) UV λmax MeOH nm: 206.0(ε27800) IR νmax KBr cm-1: 3270, 1750, 17151 H-NMR(CDCl3)δ:5.48(1H,bs), 5.61(1H,s),7.02〜7.69
(15H,m)
【0049】応用例 (1)(4R)−4−ベンジル−3−(3−フェニルプ
ロピオニル)−5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジ
ノンの製造:窒素気流下、無水テトラヒドロフラン5ml
中に水素化ナトリウム0.22g(純度60%,5.5
mmol)を加え0℃に冷却した。この中に冷却下(4R)
−4−ベンジル−5,5−ジフェニル−2−オキサゾリ
ジノン1.44g(4.4mmol)を加え15分間攪拌を
続けた後、3−フェニルプロピオニルクロライド0.9
2g(5.5mmol)をゆっくりと滴下した。終了後、0
℃で20分間攪拌し、更に室温で19時間攪拌を続け
た。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を食
塩水で洗浄後、減圧下溶媒を留去して2.79gの残渣
を得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶
媒 n−ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し無色油状物
である標記化合物を2.00g(収率98%)得た。
【0050】1H-NMR(CDCl3)δ:2.78〜2.87(4H,m), 3.10
〜3.17(2H,m),5.66(1H,dd,J=5.1 and J=7.7Hz), 6.75〜
7.48(20H,m)
【0051】(2)(4R)−4−ベンジル−3−(2
−メチル−3−フェニルプロピオニル)−5,5−ジフ
ェニル−2−オキサゾリジノンの製造:窒素気流下、無
水テトラヒドロフラン10ml中に(4R)−4−ベンジ
ル−3−(3−フェニルプロピオニル)−5,5−ジフ
ェニル−2−オキサゾリジノン2.03g(4.4mmo
l)を加え0℃に冷却した。この中に冷却下リチウムジ
イソプロピルアミド2.0M溶液2.49ml(5.0mm
ol)を滴下し、終了後0℃で1時間攪拌した。次いで、
ヨウ化メチル0.71g(5.0mmol)を滴下し、終了
後0℃で1時間、更に室温で18時間攪拌を続けた。反
応液に水を加え酢酸エチルで抽出し、食塩水で洗浄後減
圧下溶媒を留去して3.36gの残渣を得た。この残渣
をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 n−ヘキサン
/酢酸エチル)にて精製しジアステレオマーの混合物で
ある標記化合物を1.34g(収率64%)得た。この
混合物の1H-NMRスペクトル分析を行い積分値を比較した
ところジアステレオマー比は93.5:6.5であっ
た。
【0052】主生成物の1H-NMR分析値1 H-NMR(CDCl3)δ:1.06(3H,d,J=6.8Hz), 2.45(1H,dd,J=
7.3 and 13.8Hz),2.69〜2.84(3H,m), 3.86〜3.93(1H,
m), 5.58(1H,dd,J=5.4 and 7.5Hz),6.74〜7.34(20H,m)
【0053】(3)(4R)−4−ベンジル−3−(2
−メチル−3−フェニルプロピオニル)−5,5−ジフ
ェニル−2−オキサゾリジノンの加水分解 テトラヒドロフラン39mlと水13mlの混液に(4R)
−4−ベンジル−3−(2−メチル−3−フェニルプロ
ピオニル)−5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノ
ン500mg(1.1mmol)を加え0℃に冷却した。この
中に水酸化リチウム・一水和物91mg(2.2mmol)及
び30%過酸化水素水0.5mlを加え0℃で1時間、更
に室温で5時間攪拌を続けた。反応液に1.5M亜硫酸
ナトリウム水溶液1.0ml及び飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液を加え減圧下テトラヒドロフランを留去し、残水
溶液を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン層は水洗
後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去し
て(4R)−4−ベンジル−5,5−ジフェニル−2−
オキサゾリジノンを329mg回収した。水層は塩酸酸性
とした後、酢酸エチルで抽出し、抽出液は水洗後、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで、減圧下溶媒を留
去して得た残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒
クロロホルム/メタノール)にて精製し、2−メチル
−3−フェニルプロピオン酸を155mg(収率86%)
得た。
【0054】参考例 (4S)−4−ベンジル−3−
(2−メチル−3−フェニルプロピオニル)−2−オキ
サゾリジノンの製造:窒素気流下、無水テトラヒドロフ
ラン20ml中に(4S)−4−ベンジル−3−(3−フ
ェニルプロピオニル)−2−オキサゾリジノン3.10
g(10.0mmol)を加え0℃に冷却した。この中に、
冷却下リチウムジイソプロピルアミド2.0M溶液5.
5ml(11.0mmol)を滴下し、終了後0℃で1時間攪
拌した。次いで、ヨウ化メチル1.56g(11.0mm
ol)を滴下し、終了後0℃で1時間、更に室温で21時
間攪拌を続けた。反応液に水を加え酢酸エチルで抽出
し、食塩水で洗浄後減圧下溶媒を留去して3.06gの
残渣を得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
(溶媒 n−ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し標記化
合物を0.81g(収率25%)得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 はアルキル基、アリール基又はアラルキル
    基を示し、*は不斉炭素の位置を示す〕で表わされる光
    学活性な5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノン誘
    導体。
JP30152895A 1995-11-20 1995-11-20 光学活性な5,5−ジフェニル−2−オキサゾリジノン誘導体 Pending JPH09143173A (ja)

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