JP2000198775A - 環状グアニジン類及びその製造法 - Google Patents

環状グアニジン類及びその製造法

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JP2000198775A
JP2000198775A JP11001971A JP197199A JP2000198775A JP 2000198775 A JP2000198775 A JP 2000198775A JP 11001971 A JP11001971 A JP 11001971A JP 197199 A JP197199 A JP 197199A JP 2000198775 A JP2000198775 A JP 2000198775A
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mmol
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JP11001971A
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Toshio Isobe
敏男 磯部
Keiko Fukuda
恵子 福田
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 〜R6 は、アルキル基等、Xはハロゲン原
子をBは塩基を、nは2又は3を示す〕で表わされる環
状グアニジン類及びその製造法。 【効果】 工業的に有利に不斉合成試薬等として有用な
グアニジン類を製造し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性化合物を
選択的に製造するために用いる不斉合成試薬等として有
用な環状グアニジン類及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】エナンチオマー(鏡像異性体)が存在す
る有機化合物を香料や食品添加物として用いる場合、各
々のエナンチオマーにより臭いや味が異なることが知ら
れている。また医薬品では、サリドマイドの例に如実に
示されたように各異性体によって薬効や毒性が大きく異
なることが知られている。更に強誘導性液晶では、その
光学純度の低下は、顕著な機能の低下をもたらすとさ
れ、純粋なキラル分子構造を持つ化合物が求められてい
る。
【0003】このように、医薬、農薬、香料、食品添加
物、エレクトロニクス等の産業分野では、光学純度が高
い、いずれかのエナンチオマーが求められている。
【0004】光学純度の高い化合物を製造するには、光
学活性な化合物を不斉合成試薬として用い化学反応を行
う方法が一般的かつ容易である。従ってこのような光学
活性化合物の安価で大量の供給が求められている。
【0005】一方、環状グアニジン類の製造法はいくつ
かの方法が報告されており、例えば (1)環状チオ尿素類を、ハロゲン化アルキルとの反応
により活性中間体であるS−アルキルイソチオウロニウ
ム塩に変換した後、アミンと反応する方法(J.Me
d.Chem.1998,41,3048) (2)ジメチルジチオイミノカーボネートとジアミンと
を反応することによる分子間閉環反応(J.Org.C
hem.1971,36,46:J.Med.Che
m.1998,41,1446)による方法 (3)塩化第II水銀存在下に環状チオ尿素類とアミン類
とを反応する方法(Synlett.1998,40
2) (4)酢酸第II水銀を用いるアミノエチルチオ尿素類の
分子内閉環反応(J.Org.Chem.1998,6
3,5762)による方法等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、S−ア
ルキルイソチオウロニウム塩を経る(1)の方法やジメ
チルジチオイミノカーボネートを用いる(2)の方法
は、反応によって有毒かつ悪臭物質であるアルキルメル
カプタンを生じることや、中間体の反応性が低いために
しばしば反応条件に高温(150℃以上)を必要とする
等の欠点がある。また、塩化第II水銀や酢酸第II水銀を
用いる方法は重金属を使用するために廃水処理に問題が
あることが指摘されている。従って、本発明の目的は、
不斉合成試薬等として有用な新規環状グアニジン類及び
環境問題がなく穏やかな条件で工業的に遊離に新規環状
グアニジン類を製造する方法を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者は鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表わさ
れる不斉合成試薬等として有用な新規な環状グアニジン
類を見出し、かつ、下記一般式(1)で表わされるハロ
イミニウム塩を用いれば、中性かつ穏やかな反応条件で
高収率で該環状グアニジン類が得られることを見出し、
本発明を完成した。すなわち、本発明は、次の一般式
(1)
【0008】
【化5】
【0009】〔式中、R1 は、アルキル基、アリール基
又はアラルキル基を示し、R2 は、水素原子、アルキル
基又はアルコキシカルボニル基を示し、R3 はアルキル
基又はアラルキル基を示し、R4 は、アルキル基、アリ
ール基、アラルキル基を示すか、あるいはR3 とR4
隣接する2個の窒素原子と一緒になって4,5−ジアリ
ールイミダゾリン環を形成する〕で表わされる環状グア
ニジン類又はその塩、及びその製造法を提供するもので
ある。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の環状グアニジン類は、上
記一般式(1)で表わされるものであり、式中R1 〜R
4 で示されるアルキル基としては、炭素数1〜24のも
のが好ましく、特に1〜8のもの、更に1〜4のものが
好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が好まし
い。R1 及びR4 でアリール基としては、フェニル、α
−又はβ−ナフチル基が好ましいものとして挙げられ、
特にフェニル基が好ましい。R1 、R3 及びR4 で示さ
れるアラルキル基としては、上記アリール基に炭素数1
〜6のアルキル基が結合したものが好ましく、特にベン
ジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基が好ま
しい。またR2 で示されるアルコキシカルボニル基とし
ては、炭素数1〜6のアルコキシ基が結合したカルボニ
ル基が好ましく、特にメトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基が好ましい。
【0011】またR3 とR4 が一緒になって形成される
イミダゾリン環に置換するアリール基としては、フェニ
ル、ナフチル基等が挙げられる。
【0012】本発明の環状グアニジン類(1)は、例え
ば次の反応式に従って製造することができる。
【0013】
【化6】
【0014】〔式中、R1 〜R4 は前記と同じものを示
し、R5 及びR6 は同一又は異なる低級アルキル基を示
し、Xはハロゲン原子を示し、nは2又は3の数を示
し、Bは塩基を示す〕
【0015】すなわち、一般式(2)で表わされるヒド
ロキシエチルグアニジン類に、一般式(3)で表わされ
るハロイミニウム塩を塩基存在下反応させることによ
り、目的とする環状グアニジン類(1)を製造すること
ができる。
【0016】上記製造法で使用されるハロイミニウム塩
の一般式(3)中のR5 及びR6 で示される低級アルキ
ル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられ、このうち
メチル基が好ましい。また、Xで示されるハロゲン原子
としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原
子が挙げられるが、塩素原子が特に好ましい。ハロイミ
ニウム塩(1)の好ましい具体例としては、2−クロロ
−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド、2−
クロロ−1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒ
ドロピリミジニウムクロライド等を挙げることができ
る。
【0017】このハロイミニウム塩(3)は、例えば入
手容易な溶媒として知られている上記一般式(4)で表
わされる化合物に、オキザリルハロゲニド、三ハロゲン
化リン、五ハロゲン化リン、オキシハロゲン化リン、ホ
スゲン、トリクロロメチルクロロホルメート等の自体公
知のハロゲン化剤を反応せしめることにより容易に得る
ことができる。具体的には、化合物(4)又はこのハロ
ゲン化剤のいずれか一方を四塩化炭素等の溶媒に溶かし
ておき、これに他の化合物を少量づつ添加し、次いで室
温〜70℃程度で数時間〜十数時間反応させれば、ハロ
イミニウム塩(3)を得ることができる。斯くして得ら
れたハロイミニウム塩は、単離してもよいが、反応液を
そのまま環状グアニジン類(1)の合成に用いることも
できる。
【0018】環状グアニジン類(1)の原料化合物であ
るヒドロキシエチルグアニジン類(2)は、特に限定さ
れず、目的とする環状グアニジン類(1)に対応する基
を有するものを適宜選択すればよい。
【0019】環状グアニジン類(1)の製造は、ヒドロ
キシエチルグアニジン類(2)1モルに対し、ハロイミ
ニウム塩(3)を1モル程度加え、塩基を2モル程度加
え、室温付近で反応させることが好ましい。
【0020】ここで用いる塩基としては、2,6−ルチ
ジン、ピリジン、トリエチルアミン、トリブチルアミン
等が挙げられる。また、反応溶媒は用いなくてもよい
が、塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素、エーテル類、芳香族炭化水素等の反応に関与しな
い溶媒を用いてもよい。本反応は、中性の穏やかな条件
で進行するため、反応装置は、工業的規模で行う場合で
あっても、グラスライニング釜等の特殊な反応釜でな
く、通常のステンレス反応釜を用いることができる。更
に本発明によれば、ハロイミニウム塩(3)が水溶性の
化合物(4)に変化するため、環状グアニジン類(1)
の単離は蒸留、再結晶等の常法により簡便に行うことが
できる。
【0021】このようにして得られた環状グアニジン類
は、常法により、置換基を変換してもよく、また塩又は
水和物の形態としてもよい。
【0022】本発明の環状グアニジン類(1)は、種々
の用途が考えられるが、例えば、不斉シリル化反応の不
斉合成試薬の用途が挙げられる。具体的には、次の反応
式に示す如く、ラセミ体のアルコールとハロゲン化シリ
ル化合物との縮合反応が例示される。
【0023】
【化7】
【0024】〔式中、R7 〜R10は有機基を示すが、R
7 とR8 は同一ではない。Yはハロゲン原子を示す〕 すなわち、ハロゲン化シリル化合物(6)、本発明のグ
アニジン誘導体(1)を各1当量とラセミ体アルコール
(5)2当量をジクロロメタン、トルエン、テトラヒド
ロフラン等の不活性溶媒中に加え、室温付近で反応させ
れば脱ハロゲン化水素反応がエナンチオ選択的に進行
し、目的とする光学活性なシリルエーテル(7)を容易
に得ることができる。このとき、目的としない光学異性
体アルコール(5′)は縮合反応に関与せず反応系にそ
のまま残存する。なお、化合物(7)と(5′)の不斉
炭素の立体配置は異なる。そして、上記反応によって得
られる(6)は水酸化ナトリウム等の強塩基でフリー塩
基(1)とすることにより再使用することができる。ま
た、得られた光学活性シリルエーテル(7)は、テトラ
ブチルアンモニウムフルオライド等によりシリル基を除
去することにより光学活性アルコールへ導くことができ
る。
【0025】
【発明の効果】本発明の環状グアニジン類(1)は、不
斉合成試薬等として有用である。また本発明のグアニジ
ン類(1)の製造法は、穏やかな条件で反応を行うため
特殊な反応装置は必要なく、かつ簡便な操作で実施する
ことができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが本発明は、これらに限定されるものではない。
【0027】実施例1 (3S)−3−ベンジル−(7
S,8S)−7,8−ジフェニル−6−エトキシカルボ
ニル−1,4,6−トリアザビシクロ〔3.3.0〕オ
クタ−4−エンの製造 塩化メチレン14ml中に、(4S,5S)−4,5−ジ
フェニル−1−エトキシカルボニル−2−〔(1S)−
1−ベンジル−2−ヒドロキシエチルイミノ〕イミダゾ
リジン1.63g(3.68mmol)及び2−クロロ−
1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド0.74
g(4.39mmol)を加え、トリエチルアミン1.03
g(10.20mmol)をゆっくりと滴下し、終了後更に
室温で30時間攪拌を続けた。次いで反応液に水を加え
塩化メチレンで抽出し、抽出液は無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、減圧下に溶媒を留去して1.94gの残渣を
得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶
媒:クロロホルム/メタノール)にて精製し、標記化合
物を0.89g(収率57%)得た。
【0028】粘稠油状物 〔α〕D 22=+45.10°(c=1.00,CHCl3) UVλmax MeOHnm:207.2(ε25200) IRνmax neatcm-1:1745, 1715, 1660
【0029】1H-NMR(CDCl3) δ:1.11(3H,t,J=7.0Hz),
2.87-3.01(3H,m) 3.19(1H,dd,J=4.4 and 13.5Hz), 4.01(1H,d,J=5.7Hz),
4.09-4.25(2H,m), 4.71-4.76(1H,m), 5.04(1H,d,J=5.7H
z),6.94-6.97(2H,m), 7.19-7.36(13H,m)
【0030】13C-NMR(CDCl3)δ:13.91, 41.30, 50.28,
62.35, 67.60, 71.82, 73.54,125.98, 126.01, 126.4
9, 127.99, 128.02, 128.34, 128.47, 128.71,129.27,
137.09, 138.41, 139.16, 151.03, 160.75
【0031】HRFBMS m/z 426.2156(calcd for C27H28N3
O2:426.2182)
【0032】実施例2 (3S)−3−ベンジル−(7
S,8S)−7,8−ジフェニル−6−メチル−1,
4,6−トリアザビシクロ〔3.3.0〕オクタ−4−
エンの製造 塩化メチレン10ml中に(4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1−メチル−2−〔(1S)−1−ベンジル−
2−ヒドロキシエチルイミノ〕イミダゾリジン・塩酸塩
991mg(2.35mmol)及び2−クロロ−1,3−ジ
メチルイミダゾリニウムクロライド794mg(4.70
mmol)を加え、この中にトリエチルアミン949mg
(9.40mmol)をゆっくりと滴下し、終了後更に室温
で1時間攪拌した。次いで、減圧下に溶媒を留去して得
られた残渣にメタノール30ml及び水酸化カリウム2.
24g(400mmol)を加え室温で18時間攪拌した。
反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出し、抽出液はイ
オン交換水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧
下に溶媒を留去して1.50gの黄色粘稠油状物を得
た。この油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶
媒:n−ヘキサン/クロロホルム)にて精製し、標記化
合物を580mg(収率67%)得た。
【0033】融点:136.0〜138.0℃ IRνmax KBrcm-1:1660
【0034】1H-NMR(CDCl3) δ:2.75(3H,s), 2.84-2.9
5(2H,m), 3.03-3.11(2H,m),3.85(1H,d,J=8.4Hz), 4.28
(1H,d,J=8.4Hz), 4.47-4.51(1H,m),6.90-6.94(2H,m),
7.12-7.15(2H,m), 7.21-7.33(11H,m)
【0035】13C-NMR(CDCl3)δ:30.94, 41.87, 51.28,
70.37, 70.75, 78.33, 126.02,126.90, 127.78, 128.0
7, 128.17, 128.45, 128.51, 128.66, 129.52,136.82,
137.58, 139.49, 168.25
【0036】
【0037】実施例3 1−〔(1S)−1−フェニル
エチル〕−4−(S)−ベンジル−2−〔(1S)−1
−フェニルエチルイミノ〕イミダゾリジンの製造 アセトニトリル50ml中に1,3−ビス〔(1S)−1
−フェニルエチル〕−2−〔(1S)−1−ベンジル−
2−ヒドロキシエチル〕グアニジン・塩酸塩2.79g
(6.38mmol)及び2−クロロ−1,3−ジメチルイ
ミダゾリニウムクロライド3.24g(19.13mmo
l)を溶解し、この中にトリエチルアミン1.94g
(19.21mmol)をゆっくりと滴下し、終了後更に3
時間攪拌した。次いで反応液に希塩酸水溶液を加え塩化
メチレンで抽出し、抽出液は無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、減圧下に溶媒を留去して赤褐色粘稠油状物3.5
4gを得た。この油状物をメタノール100mlに溶解
し、水酸化カリウム1.00gを加え室温で1時間攪拌
後、水を加え塩化メチレンで抽出した。抽出液は無水硫
酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去して得た油
状物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:クロロホ
ルム)で精製し、標記化合物を2.01g(収率82
%)得た。
【0038】粘稠油状物
【0039】1H-NMR(CDCl3,HCl塩)δ:1.47(1H,d,J=6.6
Hz), 1.67(1H,d,J=6.4Hz),2.61(2H,d,J=5.1Hz), 3.04(1
H,dd,J=5.3 and 9.6Hz),3.54(1H,dd,J=9.2 and 9.6Hz),
4.23(1H,m),5.20(1H,dq,J=6.4 and 6.6Hz), 5.78(1H,
q,J=6.4Hz),6.63(1H,d,J=7.1Hz), 6.91(1H,d,J=6.6Hz),
7.01-7.42(11H,m), 8.48(1H,d,J=6.4Hz), 8.79(1H,s)
【0040】HRFBMS m/z 384.2410(calcd for C26H
30N3:384.2440)
【0041】実施例4 1−〔(1S)−1−フェニル
エチル〕−4−(R)−ベンジル−2−〔(1S)フェ
ニルエチルイミノ〕イミダゾリジンの製造 アセトニトリル30ml中に1,3−ビス〔(1S)−1
−フェニルエチル〕−2−〔(1R)−1−ベンジル−
2−ヒドロキシエチル〕グアニジン・塩酸塩2.00g
(4.57mmol)及び2−クロロ−1,3−ジメチルイ
ミダゾリニウムクロライド2.32g(13.72mmo
l)を溶解し、この中にトリエチルアミン1.38g
(13.72mmol)をゆっくりと滴下し、終了後更に1
7.5時間攪拌を続けた。以下、実施例3と同様の操作
を行い標記化合物を1.40g(収率80%)得た。
【0042】粘稠油状物 〔α〕D 25=-29.78°(c=1.00,CHCl3) IRνmax neatcm-1:1650 UVλmax MeOHnm:207.6(ε31300)
【0043】1H-NMR(CDCl3,HCl塩)δ:1.33(3H,d,J=6.8
Hz), 1.68(3H,d,J=6.8Hz),2.92(1H,dd,J=7.7 and 14.2H
z), 3.05-3.12(2H,m),3.19(1H,dd,J=5.5 and 9.5Hz),
3.93-3.99(1H,m),5.27(1H,q,J=6.8Hz), 5.85(1H,q,J=6.
8Hz), 7.13-7.57(15H,m)
【0044】13C-NMR(CDCl3,HCl)δ:16.40, 23.20, 4
0.05, 47.22, 52.30, 53.95, 54.24,126.51, 126.91, 1
27.05, 127.61, 128.13, 128.71, 128.81,129.45, 135.
55, 138.14, 142.37, 155.62
【0045】実施例5 (4S)−4−イソプロピル−
1−〔(1S)−1−フェニルエチル〕−2−〔(1
S)−1−フェニルエチルイミノ〕イミダゾリジンの製
造 アセトニトリル22ml中に1,3−ビス〔(1S)−1
−フェニルエチル〕−2−〔(1S)−1−ヒドロキシ
メチル−2−メチルプロピル〕グアニジン・塩酸塩1.
09g(2.80mmol)及び2−クロロ−1,3−ジメ
チルイミダゾリニウムクロライド2.37g(14.0
2mmol)を溶解し、この中にトリエチルアミン1.42
g(14.06mmol)をゆっくりと滴下し、終了後更に
8時間攪拌を続けた。以下、実施例3と同様の操作を行
い標記化合物を0.88g(収率93%)得た。
【0046】粘稠油状物 〔α〕D 25=-55.81°(c=1.00,CHCl3) IRνmax neatcm-1:1645 UVλmax MeOHnm:208.0(ε21800)
【0047】1H-NMR(CDCl3,HCl塩)δ:0.43(6H,d,J=6.8
Hz), 1.35-1.46(1H,m),1.55(3H,d,J=6.8Hz), 1.77(3H,
d,J=6.8Hz),2.81(1H,dd,J=6.0 and 9.9Hz), 3.49(1H,t,
J=9.9Hz),3.67-3.74(1H,m), 5.35(1H,q,J=6.8Hz), 6.12
(1H,q,J=6.8Hz),7.21-7.32(8H,m), 7.61(2H,d,J=8.0Hz)
【0048】13C-NMR(CDCl3)δ:16.19, 17.70, 17.76,
26.11, 32.49, 44.92, 50.32,55.54, 59.51, 126.07,
126.14, 126.74, 127.07, 127.74, 128.03,128.06, 14
1.64, 147.66, 155.74
【0049】実施例6 (4S)−4−ベンジル−1−
イソプロピル−2−イソプロピルイミノイミダゾリジン
の製造 アセトニトリル7.7ml中に1,3−ジイソプロピル−
2−〔(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキシエチ
ル〕グアニジン・塩酸塩307mg(0.98mmol)及び
2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド826mg(4.89mmol)を溶解し、この中にトリ
エチルアミン493mg(4.88mmol)をゆっくりと滴
下し、終了後更に5時間攪拌を続けた。以下、実施例3
と同様の操作を行い標記化合物を247mg(収率98
%)得た。
【0050】粘稠油状物 〔α〕D 25=+12.25°(c=1.00,CHCl3) IRνmax neatcm-1:1640, 1595, 1550 UVλmax MeOHnm:206.4(ε13800)
【0051】1H-NMR(CDCl3)δ:1.02(3H,d,J=6.4Hz),
1.06(3H,d,J=6.6Hz),1.19(3H,d,J=6.4Hz), 1.22(3H,d,J
=6.4Hz),2.64(1H,dd,J=8.6 and 13.4Hz), 2.95(1H,dd,J
=6.2 and 8.6Hz),3.07(1H,dd,J=4.8 and 13.4Hz), 3.18
(1H,dd,J=8.4 and 8.6Hz),3.67-3.72(1H,m), 3.83-3.87
(1H,m), 4.00-4.05(1H,m), 4.33(1H,bs),7.18-7.32(5H,
m)
【0052】13C-NMR(CDCl3)δ:18.82, 19.28, 23.48,
23.58, 42.27, 44.94, 45.19,46.88, 59.17, 126.14,
128.30, 129.26, 138.64, 157.23
【0053】実施例7 (4R)−4−フェニル−1−
イソプロピル−2−イソプロピルイミノイミダゾリジン
の製造 アセトニトリル29ml中に1,3−ジイソプロピル−2
−〔(1R)−1−フェニル−2−ヒドロキシエチル〕
グアニジン・塩酸塩1.11g(3.70mmol)及び2
−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライ
ド1.88g(11.1mmol)を溶解し、この中にトリ
エチルアミン1.12g(11.1mmol)をゆっくりと
滴下し、終了後更に4.5時間攪拌を続けた。以下、実
施例3と同様の操作を行い標記化合物を0.79g(収
率87%)得た。
【0054】樹脂状物 〔α〕D 26=-12.37°(c=1.00,CHCl3) IRνmax neatcm-1:1640, 1595, 1550 UVλmax MeOHnm:207.2(ε15000)
【0055】1H-NMR(CDCl3)δ:1.07(3H,d,J=6.6Hz),
1.13(3H,d,J=6.6Hz),1.20(3H,d,J=6.4Hz), 1.24(3H,d,J
=6.4Hz),3.01(1H,dd,J=7.5 and 8.3Hz), 3.62(1H,dd,J=
8.3 and 9.3Hz),3.61-3.68(1H,m), 3.90-3.98(1H,m),
4.83(1H,dd,J=7.5 and 9.3Hz),7.18-7.34(5H,m)
【0056】13C-NMR(CDCl3)δ:18.44, 19.61, 23.56,
23.63, 44.85, 45.27, 51.55,62.76, 126.44, 126.69,
128.20, 145.57, 158.49
【0057】MS(FAB)m/z 246(M+1+)
【0058】実施例8 (3S)−3−ベンジル−(7
S,8S)−7,8−ジフェニル−1,4,6−トリア
ザビシクロ〔3.3.0〕オクタ−4−エンの製造 9%ナトリウムメトキシドメタノール溶液23.10g
中に(3S)−3−ベンジル−(7S,8S)−7,8
−ジフェニル−6−エトキシカルボニル−1,4,6−
トリアザビシクロ〔3.3.0〕オクタ−4−エン2.
15g(5.06mmol)を溶解し、室温で3時間攪拌し
た。次いで反応液に水を加え塩化メチレンで抽出し、抽
出液は無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留
去して残渣を得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラ
フィー(溶媒:クロロホルム/メタノール)にて精製
し、標記化合物を1.59g(収率89%)得た。
【0059】m.p. 156.0〜157.0℃ 〔α〕D 23=+10.40°(c=1.00,CHCl3) IRνmax KBrcm-1:1670 UVλmax MeOHnm:206.4(ε40200)
【0060】1H-NMR(CDCl3)δ:2.82-2.93(2H,m), 2.95
(1H,d,J=8.1Hz),3.04(1H,dd,J=2.2 and 8.2Hz), 3.94(1
H,d,J=9.0Hz), 4.22-4.29(1H,m),4.85(1H,d,J=9.0Hz),
5.16(1H,bs), 7.11-7.33(15H,m)
【0061】13C-NMR(CDCl3)δ:41.99, 50.38, 64.02,
79.28, 126.33, 127.02,127.12, 127.35, 127.74, 12
8.15, 128.41, 128.46, 129.30, 138.44,139.01, 141.6
2, 168.07
【0062】
【0063】応用例 RS−1−インダノールとt−ブ
チルジメチルシリルクロライドの反応による光学活性1
−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)インダンの合成
【0064】応用例1
【0065】
【化8】
【0066】塩化メチレン6ml中にt−ブチルジメチル
シリルクロライド77mg(0.51mmol)、RS−1−
インダノール137mg(1.02mmol)及び(3S)−
3−ベンジル−(7S,8S)−7,8−ジフェニル−
1,4,6−トリアザビシクロ〔3.3.0〕オクタ−
4−エン180mg(0.51mmol)を溶解し、室温で1
0日間放置した。次いで、反応液を濃縮して得た残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒:n−ヘキサン)
にて精製し、目的とするシリルエーテルを84mg(収率
66%)得た。この化合物をHPLC分析(カラム:C
HIRALCEL OD,移動相:n−ヘキサン)した
ところR:Sの比は66:34であった。
【0067】応用例2
【0068】
【化9】
【0069】塩化メチレン6ml中にt−ブチルジメチル
シリルクロライド95mg(0.63mmol)、RS−1−
インダノール169mg(1.26mmol)及び1−〔(1
S)−1−フェニルエチル〕−4−(R)−ベンジル−
2−〔(1S)−フェニルエチルイミノ〕イミダゾリジ
ン241mg(0.63mmol)を溶解し、室温で9日間放
置した。以下、応用例1と同様に処理し、シリルエーテ
ルを103mg(収率66%)得た。また、この化合物の
R:Sの比は41:59であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は、アルキル基、アリール基又はアラルキ
    ル基を示し、R2 は、水素原子、アルキル基又はアルコ
    キシカルボニル基を示し、R3 はアルキル基又はアラル
    キル基を示し、R4 は、アルキル基、アリール基又はア
    ラルキル基を示すか、あるいはR3 とR4 は隣接する2
    個の窒素原子と一緒になって4,5−ジアリールイミダ
    ゾリン環を形成する〕で表わされる環状グアニジン類又
    はその塩。
  2. 【請求項2】 次の一般式(2) 【化2】 〔式中、R1 は、アルキル基、アリール基又はアラルキ
    ル基を示し、R2 は、水素原子、アルキル基又はアルコ
    キシカルボニル基を示し、R3 はアルキル基又はアラル
    キル基を示し、R4 は、アルキル基、アリール基又はア
    ラルキル基を示すか、あるいはR3 とR4 は隣接する2
    個の窒素原子と一緒になって4,5−ジアリールイミダ
    ゾリン環を形成する〕で表わされるヒドロキシエチルグ
    アニジン類に、次の一般式(3) 【化3】 〔式中、R5 及びR6 は同一又は異なるアルキル基を示
    し、Xはハロゲン原子を示し、nは2又は3の数を示
    す〕で表わされるハロイミニウム塩を反応させることを
    特徴とする次の一般式(1) 【化4】 〔式中、R1 〜R4 は前記と同じものを示す〕で表わさ
    れる環状グアニジン類又はその塩の製造法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005110997A1 (ja) * 2004-05-17 2005-11-24 Japan Science And Technology Agency ビスグアニジン型化合物光学分割剤並びにキラル分子分離剤
JP2011206671A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Yamagata Promotional Organization For Industrial Technology 環状グアニジン化合物からなる二酸化炭素吸着剤及び環状グアニジン化合物の製造方法

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