JP2008137898A - 4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートの製造方法、その合成中間体、及びこれを含有する抗菌剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗菌活性を有する4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートのトランス体を優勢に合成すること。
【解決手段】まず、1−ハロゲノ−4−メチルチオブタン(化合物(VII))のメチルチオ基が結合した炭素原子上に、炭素原子−ハロゲン原子結合を生成させて、1,4−ジハロゲノ−1−メチルチオブタン(化合物(VI))を生成させ、この物質からハロゲン化水素(HX)を脱離させることで、不飽和中間体である4−ハロゲノ−1−メチルチオ−1−ブテン(化合物(V))を生成させ、該不飽和中間体のハロゲン(X)が結合する炭素原子において、炭素原子−窒素原子結合を生成させた後、脱保護することでアミン化合物(化合物(II))を得て、続いて、該アミン化合物をイソチオシアナート化することで、目的生成物である4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナート(化合物(I))のトランス体を優勢に合成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートの製造方法、その合成中間体、及びこれを含有する抗菌剤組成物に関する。より詳しくは、ダイコン等に含まれる天然抗菌活性物質である4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートのトランス体を優先的に合成する技術に関する。
ダイコンの辛味成分は、ワサビと同様にイソチオシアナート(−N=C=S)類であり、その辛味の主成分は4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートのトランス体であることが知られている(非特許文献1)。そして、このトランス−4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートがダイコンから実際に抽出された例が、非特許文献2や非特許文献3に記載されている。
そして、前記非特許文献3には、トランス−4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートの抗菌性についての検証が行なわれており、濃度依存的に大腸菌、黄色ブドウ球菌、酵母、カビの発育が抑制されることが報告されている。また、トランス−4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートは、アリルイソチオシアナートの数倍の抗菌力を有し、該文献に記載された各種イソチオシアナート類のなかでも最も強い抗菌力を示すことも報告されている。この非特許文献3には、イソチオシアナート構造が不可欠であることが指摘されている。
このように優れた抗菌活性物質である4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートの合成法としては、現在のところ、非特許文献4や特許文献1に報告されているのみである。また、特許文献2には、合成またはダイコン(ラディッシュ)から得られた天然の4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートを保存料成分としてしようする技術が開示されている。
特開2006−143672号公報。 特表2003−513994号公報。 Agic. Biol, Chem., 42, 1715(1978)。 Acta Chem. Scand., 20, 698(1966)。 「栄養と食料」Vol.35,No.3 207−211(1982)。 Recueil 91, 729(1972)。
前記非特許文献4に記載された4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートの製造方法は、液体アンモニア中でカリウムアミドを使用する工程や、還元剤として水素化アルミニウムを使用する工程を用いること等から、実用的な工業的製造方法とは言い難い。
また、ダイコンのイソチオシアナートの主成分である4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートの立体構造については、前記ラディッシュ(Raphanus sativus L.var.esculentus Metzg.)を用いた実験では、80%がトランス体であることが報告されている。これに関して、前記非特許文献4に記載された製造方法では、トランス体:シス体が45:55の割合で生成するため、トランス体を優先的に合成できる製造方法ではない。
また、特許文献1記載の製造方法は、非特許文献4記載の製造方法の最終反応である4−メチルチオ−3−ブテニルアミンからの記載であり、イソチオシアナート化反応の反応条件に変更を加えているのみであり、その異性体の生成比についても明記されていない。
そこで、本発明は、ダイコンの辛味成分等であって、抗菌活性を有する4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートのトランス体を優勢に合成できる実用的な製造方法を提供することを主目的とする。
本発明では、抗菌活性物質であるトランス体の4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートを優勢に合成するため、まず、(1)式1で示される1−ハロゲノ−4−メチルチオブタンのメチルチオ基が結合した炭素原子上に、炭素原子−ハロゲン原子結合を生成させて、式2で示される1,4−ジハロゲノ−1−メチルチオブタンを生成させる工程を行なう。
続いて、(2)前記式2で示される化合物からハロゲン化水素を脱離させることにより、式3で示される1−ハロゲノ−4−メチルチオ−3−ブテンを得る工程を行なう。これにより、不飽和中間体化合物のトランス体を優勢に生成させることができる。更に、(3)前記式3中のハロゲン原子(X)が結合する炭素原子において、炭素原子−窒素原子結合を生成させた後、脱保護することにより、式4で示されるアミン化合物を生成する工程を行なう。そして、(4)前記式4で示される化合物をイソチオシアナート化して、式5で示される4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートを得る工程を行なう製造方法を提供する。
また、本発明では、前記(3)の工程において、前記式3で示される化合物に対し、例えば、フタルイミドカリウムを反応させることにより炭素原子−窒素原子結合を生成させた後、脱保護することにより前記式4で示されるアミン化合物を生成することができる。
また、本発明では、少なくとも(5)式7で示されるN−(4−メチルチオブチル)フタルイミドのメチルチオ基が結合した炭素原子上に、炭素原子−ハロゲン原子結合を生成させて、式8で示されるN−(4−ハロゲノ−4−メチルチオブチル)フタルイミドを生成する工程を行い、(6)式8で示される化合物からハロゲン化水素を脱離させることにより、式6で示されるN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミドを得る工程を行うことによっても、本発明の中間体になり得る、N−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミドを製造することができる。
更に、本発明は、前記式3で示される4−ハロゲノ−メチルチオ不飽和化合物を提供する。この不飽和化合物は、4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートの合成中間体として有用であり、前記不飽和化合物自体も抗菌性を有するため抗菌剤として有用である。そして、本発明は、前記式3で示される化合物を含有する抗菌剤組成物を提供する。
本発明によれば、ダイコン等に含まれる天然抗菌活性物質の主成分である4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートのトランス体を優勢に製造することができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、添付図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の代表例にすぎず、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
まず、本発明の製造方法において使用される溶媒は、反応に関与しなければ特に限定されないが、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、石油エーテル、ヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等のアミド類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類等を用いることができる。また、前記溶媒類以外でも、水、二硫化炭素、アセトニトリル、酢酸エチル、ピリジン、ジメチルスルホキシド(DMSO)等も用いることができる。
前記溶媒は、2種類以上を混合して使用してもよく、各反応の反応機構や、反応物質の溶解能力や、溶媒自身の沸点や極性等を考慮して適宜好適な物質を用いることができる。そして、本発明に係る製造方法の反応は、溶媒、または混合溶媒を用いることで有利に行なうことができる。また、互いに均一な層を形成することのない溶媒からなる溶媒組成物を用いることもできる。例えば、反応系に相間移動触媒を使用することもできる。前記相間移動触媒としては、好適には、第4級アンモニウム塩や、クラウンエーテル等を用いることができる。
図1は、本発明に係る製造方法の全体合成工程を示す工程フロー図である。
本発明によれば、図1に示す経路(A)または経路(B)のいずれからでも化合物(III)を合成でき、この化合物(III)から製造目的物である化合物(I)を得ることができる。
以下、図1に示した経路(A)に基づいて、本発明に係る製造方法の好適例を工程順に説明する。
まず、ハロゲン化剤存在下、化合物(VII)で示されている1−ハロゲノ−4−メチルチオブタンのメチルチオ基に結合している炭素原子上に、炭素−ハロゲン原子結合を生成させて、化合物(VI)で示される1,4−ジハロゲノ−1−メチルチオブタンを得る。
なお、図1中の(VII),(VI)で表された化合物の記号X,Xは異種又は同種のハロゲン原子を示しており、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を挙げることが出来る(後述する化合物(V)についても同様。)。
そして、本工程において使用される前記ハロゲン化剤としては、塩素、臭素等のハロゲン分子や、N−クロロこはく酸イミド、N−ブロモこはく酸イミド等のN−ハロゲノイミド類や、塩化スルフリル等のハロゲン化スルフリル化合物等を用いることができるが、好適には、塩化スルフリルやN−クロロこはく酸イミドが望ましい。かかるハロゲン化剤を用いることで効率よくハロゲン原子を導入することができる。
更に、前記ハロゲン化剤の使用量としては、特に限定されないが、化合物(VII)に対して0.5〜5.0モル倍用いることが好ましく、より好適には、0.8〜2モル倍用いることが望ましい。また、反応条件についても、特に限定されず、使用する溶媒やハロゲン化剤等を考慮して適宜決定できるが、好適には、−100〜200℃であることが好ましく、より好適には、−50〜100℃であることが望ましい。反応時間については、好適には0.1時間〜数日であることが好ましく、より好適には、0.1時間〜1日であることが望ましい。
なお、化合物(VII)は、例えばSynthesis, 841 (1987)に記載されている化合物であり、従来技術で製造される化合物を使用することもできる。
そして、前記メチルチオ基が結合した炭素原子上に炭素−ハロゲン原子結合を生成させる反応は、例えば、J. Org. Chem., 34, 31(1969) に記載されているが、本発明に係る製造中間体である化合物(VI)は文献未記載の化合物であり、該化合物(VI)の製造方法も報告されていない。
次に、化合物(VI)で示される1,4−ジハロゲノ−1−メチルチオブタンからハロゲン化水素(HX)を脱離させることにより、メチルチオ基が結合した炭素原子と、該炭素原子に隣接する炭素原子との間に、炭素原子−炭素原子二重結合を有する不飽和化合物(化合物(V)、図1では、1−ハロゲノ−4−メチルチオ−3−ブテン)を得ることができる。
前記化合物(V)を得る反応は、溶媒中で加熱することでも進行するが、適宜、反応過程で生成するハロゲン化水素(HX、図1参照)を捕捉するために炭酸カルシウム等の捕捉剤を添加したり、反応促進させるためにトリエチルアミン等の塩基を添加したりすることもできる。これにより、反応収率をより向上させることもできる。ここで、使用される捕捉剤や塩基は、化合物(VI)のもう一方のハロゲン原子(X、図1参照)や生成化合物である化合物(V)等と反応せず、反応系に関与しない物質であればよく、その種類等は限定されないが、好適には、炭酸カルシウム等の炭酸塩を用いることが望ましい。
図1の化合物(VI)で示される1,4−ジハロゲノ−1−メチルチオブタンについては、その生成をH−NMRスペクトル等で確認することができるが、濃縮条件下では安定性に優れないため反応系で単離せずに、そのまま次の反応に用いることが望ましい。即ち、前記経路(A)において、前記化合物(VI)を単離せずに、引き続き脱ハロゲン化水素反応させることで前記化合物(V)を得ることが望ましく、これにより収率をより向上できる点で好適である。
続く工程は、例えば、以下の式9で示されるフタルイミドカリウムを用いて行なう炭素原子−窒素原子結合を生成する工程である。これにより、窒素原子を化合物(V)に導入することができる。
Figure 2008137898

この工程は、化合物(V)で示された4−ハロゲノ−1−メチルチオ不飽和化合物(図1では、4−ハロゲノ−1−メチルチオ−1−ブテン)のハロゲン原子の結合した炭素原子と、フタルイミドカリウムの窒素原子との間で、炭素原子−窒素原子結合を生成させて、化合物(III)で示されたN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミドを得ることができる。
この工程は、通常、有機溶媒中で行なうことができる。更に、化合物(V)に対するフタルイミドカリウム(化合物(IV))の使用量は、特に限定されないが、化合物(V)に対して0.5〜3.0モル倍を用いることが好ましく、より好適には、0.8〜2.0モル倍を用いることが望ましい。また、反応条件は、特に限定されず、使用する溶媒や試薬等を考慮して適宜決定できるが、好適には、0〜250℃であることが好ましく、より好適には、10〜200℃であることが望ましい。反応時間については、好適には0.1時間〜数日であることが好ましく、より好適には、0.5時間〜2日であることが望ましい。
また、化合物(IV)であるフタルイミドカリウムは、市販品を用いることができるし、合成したものを用いることもできる。なお、合成法は異なるが、本工程の生成物である化合物(III)は、Tetrahedron, Suppl. 8,33 (1966)に記載の化合物である。
続く工程は、化合物(III)で表されたN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミドから、保護基であるフタル酸を脱離させることで、化合物(II)で示されるアミン化合物中間体(図1の場合は、4−メチルチオ−3−ブテニルアミン)を生成する。なお、合成法は異なるが、本工程の生成物である化合物(II)は、Recueil 91, 729 (1972)に記載の化合物である。
この工程は、通常、有機溶媒中で行なうことができる。また、フタル酸の脱離反応については特に限定されず、例えば、ヒドラジンによる置換反応による方法や、加水分解による方法等を用いることができる。
ヒドラジンによる置換反応による方法を行なう場合には、通常溶媒中で行なうことができ、メタノールやエタノール等のアルコール類であることが好ましい。この場合、ヒドラジンの使用量は、特に限定されないが、化合物(III)に対して0.5〜3.0モル倍であり、より好適には、0.8〜1.5モル倍を用いることが望ましい。また、反応条件についても、特に限定されず、使用する溶媒や試薬等を考慮して、適宜、決定出来るが、好適には、0℃〜還流点であることが好ましく、より好適には、20℃〜還流点であることが望ましい。また、反応時間については、好適には0.1時間〜数日であることが好ましく、より好適には、0.2時間〜1日であることが望ましい。
加水分解による方法を行なう場合には、酸性または塩基性のいずれの条件下でも行なうことができる。加水分解を酸性条件で行なう場合には、触媒として、通常、塩酸、臭化水素酸、硫酸等を用いることができる。溶媒には、通常、水、若しくは、水に酢酸等の有機酸を加えた混合溶媒等を用いることができる。加水分解を塩基性で行なう場合には、塩基として、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基等を用いることができる。溶媒には、通常、水、若しくは、水にエタノール等のアルコール類を加えた混合溶媒等を用いることができる。また、加水分解条件は、特に限定されないが、加水分解温度は好適には20℃〜還流点の範囲であり、反応時間は数分〜数時間であることが好ましい。
次の最終工程は、前記工程で得られたアミン化合物中間体(化合物(II);図1では、4−メチルチオ−3−ブテニルアミン)のイソチオシアナート化を行なうことで、製造目的物として化合物(I)で表される4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートを得る工程である。
アミン化合物中間体(化合物(II);図1では、4−メチルチオ−3−ブテニルアミン)をイソチオシアナート化する反応は、既存の製造方法を利用することもできる。例えば、チオホスゲンを用いる反応が、Recueil 91, 729(1972)に記載されている。また、二硫化炭素と反応させた後、シアナミドを用いる反応が、Org. Prep. Proceed. Int., 24, 346 (1992)に記載されている。あるいは、アミンを二硫化炭素と反応させた後、クロロギ酸メチルと反応させてイソチオシアナートを合成する方法が、Org. Synth.,III, 599(1955)等に記載されている。これらの方法や、それ以外の方法等を適宜採用することができ、各方法は好適な条件下で行なうことができる。
図1の経路(B)によれば、化合物(III)で示される物質を、化合物(IX)から製造することもできる。経路(B)は、その工程図である。
まず、ハロゲン化剤の存在下、化合物(IX)で示されるN−(4−メチルチオブチル)フタルイミドのメチルチオ基に結合した炭素原子上に、炭素−ハロゲン原子結合を生成させることで、化合物(VIII)で示されるN−(4−ハロゲノ−4−メチルチオブチル)フタルイミドを得る。
なお、図1中の化合物(VIII)で示された記号Xは、ハロゲン原子を示しており、例えば、塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができるが、好適には、塩素または臭素であることが望ましい。
そして、本工程において使用されるハロゲン化剤や、その反応条件は、前記経路(A)中の化合物(VII)に対するハロゲン化反応の条件と同様に行なうことができる。
また、化合物(IX)は、例えばTetrahedron: Asymmetry, 6, 1569 (1995)に記載されている化合物であり、従来技術で製造される化合物を使用することもできる。
また、化合物(VIII)で示されるN−(4−ハロゲノ−4−メチルチオブチル)フタルイミドからハロゲン化水素(HX)を脱離させることにより、メチルチオ基に結合した炭素原子と、該炭素原子に隣接する炭素原子との間に、炭素原子−炭素原子二重結合を有する不飽和化合物(化合物(III)、図1のN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミド)を得ることができる。
ハロゲン化水素(HX)の脱離反応の条件は、前記経路(A)の化合物(VI)から化合物(V)を得る反応条件と同様に行なうことができる。また、本工程で生成するN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミド(化合物(III))は反応性のハロゲン化炭化水素部を有しないので、4−ハロゲノ−1−メチルチオ−1−ブテン(化合物(V))を得る反応経路よりは、より広い種類の塩基を使用することができる。
また、本発明に係る中間体である、4−ハロゲノ−1−メチルチオ不飽和化合物(化合物(V);図1では、4−ハロゲノ−1−メチルチオ−1−ブテン)は、文献未記載の新規化合物であり、本願発明者はこの中間体も抗菌性を有することを見出した。即ち、この中間体は、4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナート(化合物(I))製造方法の中間体として有用であるだけでなく、抗菌剤等として利用できる点でも有用である。
以下に本発明に係る製造方法に関する各工程の実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。なお、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
<実施例1>
1−ハロゲノ−4−メチルチオブタン(式1。図1中の化合物(VII)参照)の代表例である1−クロロ−4−メチルチオブタン(式1。図1中の化合物(VII)参照、X=Cl)から1,4−ジクロロ−1−メチルチオブタン(式2。図1中の化合物(VI)参照、X=Cl、X=Cl)を経由して、合成中間体の一例である4−クロロ−1−メチルチオ−1−ブテン(式3。図1の化合物(V)参照、X=Cl)を合成した。
まず、1−クロロ−4−メチルチオブタン(式1。図1の化合物(VII)参照、X=Cl)1.69g(0.0122mol)を、ヘキサン(25mL)/テトラヒドロフラン(20mL)に溶解した溶液にN−クロロこはく酸イミド1.97g(0.0122×1.2mol)を加え、室温下2時間撹拌した。
中間体1,4−ジロロ−1−メチルチオブタンはH−NMRで以下の値を示した。
NMR:δ(400MHz,CDCl3): 1.95 - 2.10 (2 H, m), 2,15 - 2.27 (2 H, m), 2.29 (3 H, s), 3.58 (2 H, t, J= 6.3 Hz), 5.07 (1 H, app.t, J= 6.6 Hz)。
生成した粗1,4−ジロロ−1−メチルチオブタン反応液にo−キシレン(20mL)と炭酸カルシウム1.90g(0.0122×1.5mol)を加えた後、加熱し、低沸物を除き、約100℃で1時間加熱した。反応液を濾過し、ヘキサンで洗浄後、濾液と洗液を合わせ、飽和重曹水(50mL)を加え、分配した。水層をヘキサン(50mL)で抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン−ジエチルエーテル, 1:0〜20:1)で精製して、目的物をトランス体優勢の混合物として得ることができた。収量は1.25g、収率は75%(油状物)であった。
得られたトランス体のNMR:δ(400MHz,CDCl3)の分析結果は、次の通りである。
NMR:δ(400MHz,CDCl3):2.25 (3 H, s), 2.56 (2 H, app.qd, J= 6.8,1.2 Hz), 3.52 (2 H, t, J= 6.9 Hz), 5.40 (1 H, dt, J= 15.0, 7.1 Hz), 6.15 (1 H, dt, J= 15.0, 1.2 Hz)。
一方のシス体のNMR:δ(400MHz,CDCl3)の分析結果は、次の通りである。
NMR:δ(400MHz,CDCl3):2.29 (3 H, s), 2.59 (2 H, app.qd, J= 7.0,1.2 Hz), 3.56 (2 H, t, J= 6.9 Hz), 5.57 (1 H, dt, J= 9.5, 7.0 Hz), 6.06 (1 H, dt, J= 9.5, 1.2 Hz)。
<実施例2>
合成中間体の一例であるN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミド(式6、図1の化合物(III)参照)の合成を行った。
フタルイミドカリウム(図1中の化合物(IV))3.84g(0.017×1.2mol)にジメチルホルムアミド(15mL)と4−クロロ−1−メチルチオ−1−ブテン(式3。図1中の化合物(V)参照、X=Cl)2.36g(0.017mol)を加え、約90℃で6時間撹拌した。反応液を室温に戻した後、酢酸エチル(80mL)と水(50mL)を加え、分配した。水層を酢酸エチル(80mL)で抽出した後、有機層を飽和食塩水(50mL)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮した後、シリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン−酢酸エチル, 5:1)で精製して目的物を、トランス体優勢の混合物として得た。収量は3.67g、収率は86%(固体)であった。本混合物は、クロロホルム−ヘキサン系による再結晶により、トランス体のみを単離することができる。
単離されたトランス体は、白色固体状であり、その融点は98℃(lit. 100−101℃、文献値はTetrahedron,Suppl.8,33(1966)より)であり、NMR:δ(400MHz,CDCl3)の分析結果は、次の通りである。
NMR:δ(400MHz,CDCl3):2.19 (3 H, s), 2.49 (2 H, q, J= 7.2 Hz), 3.74 (2 H, t, J= 7.2 Hz), 5.36 (1 H, dt, J= 14.8, 7.2 Hz), 6.06 (1 H, d, J= 15.2Hz), 7.65 - 7.78 (2 H, m), 7.78 - 7.90 (2 H, m)。
なお、一方のシス体のNMR:δ(400MHz,CDCl3)の分析結果は、次の通りである。
NMR:δ(400MHz,CDCl3):2.15 (3 H, s), 2.53 (2 H, app.q, J= 7.2 Hz), 3.56 (2 H, t, J= 6.8 Hz), 5.57(1 H, dt, J= 9.6, 7.2 Hz), 5.98 (1 H, d, J= 9.6 Hz), 7.65 - 7.78 (2 H, m), 7.78 - 7.90 (2 H, m)。
<実施例3>
4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナート(式5。図1中の化合物(I)参照)の合成を行った。
4−メチルチオ−3−ブテニルフタルイミド(式6。図1中の化合物(III)参照)2.70g(0.011mol)に、メタノール(15mL)とヒドラジン一水和物(0.60g,0.011×1.1mol)を加え、還流下、約2時間撹拌した。
反応液を室温に戻し、ベンゼン(40mL)を加え、反応液を濃縮した。この反応液を濾過し、ベンゼンで洗浄(50mL)した後、濾液と洗液を濃縮した。約15gまで濃縮した後、テトラヒドロフラン(30mL)を加え、氷浴で冷却した。続いて、二硫化炭素(1.25g,0.011×1.5mol)を加え、氷冷下3時間撹拌した。シアナミド(0.69g,0.011×1.5mol)とトリエチルアミン(0.15mL,0.011×0.1mol)を添加した後、約40℃で3時間撹拌した。
反応液を濃縮後、ジエチルエーテルで抽出した。抽出液を濃縮し、シリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン−ジエチルエーテル、25:1)で精製し、目的物としてトランス体:シス体=3:1の混合物を得た。収量は1.48g、収率は85%(油状物)であった。なお、本化合物はシリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン−ジエチルエーテル、25:1)で精製可能であり、トランス体とシス体の各々を単離することができる。
単離されたトランス体のNMRの分析結果は、次の通りである。
NMR:δ(400MHz,CDCl3): 2.27 (3 H, s), 2.49 (2 H, app.qd, J= 7.1, 1.2 Hz), 3.52 (2 H, t, J= 6.6 Hz), 5.35 (1 H, dt, J= 15.0, 7.2 Hz), 6.20 (1 H,dt, J= 15.0, 1.2 Hz)。
NMR:δ(100MHz,CDCl3):14.7, 33.8, 45.1, 120.0, 129.0, 131.2.
なお、質量分析結果は、MS:m/z (DI) 159 (M+, 76 %)。赤外分光分析結果は、IR:νmax(neat)/cm-1 :2928, 2192, 2112, 1620, 1438, 1348, 1010, 938, 820, 684である。
一方の単離されたシス体のNMRの分析結果は、次の通りである。
NMR:δ(400MHz,CDCl3):2.31 (3 H, s), 2.52 (2 H, app.qd, J= 6.9,1.2 Hz), 3.56 (2 H, t, J= 6.7 Hz), 5.53(1 H, dt, J= 9.4, 7.2 Hz), 6.12 (1 H, dt, J= 9.4, 1.2 Hz)。
トランス体のH−NMRは、日本食品科学工学会誌, 46, 528 (1999)等に記載されており、また、シス体のH−NMRはActa Chem. Scand. 20, 698 (1966) に報告されているが、本実施例の結果は、これらの値とよく一致していた。
<実施例4>
N−(4−メチルチオブチル)フタルイミド(式7。図1中の化合物(IX)参照)からN−(4−ハロゲノ−4−メチルチオブチル)フタルイミド(式8。図1中の化合物(VIII)参照)の代表例であるN−(4−クロロ−4−メチルチオブチル)フタルイミド(式8。図1中の化合物(VIII)参照、X=Cl)を経由して、合成中間体の一例であるN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミド(式6。図1中の(III)参照)を合成した。
N−(4−メチルチオブチル)フタルイミド(式7。図1中の化合物(IX)参照)1.00g(0.004mol)を、テトラヒドロフラン(20mL)に溶解した後、氷冷下、N−クロロこはく酸イミド0.59g(0.004×1.1mol)を加え、2.5時間撹拌してN−(4−クロロ−4−メチルチオブチル)フタルイミドを得た。
また、中間体N−(4−クロロ−4−メチルチオブチル)フタルイミドはH−NMRで以下の値を示した。
NMR:δ(400MHz,CDCl3): 1.90 - 2.02 (2 H, m), 2.03 - 2.15 (2 H, m), 2.28 (3 H, s), 3.74 (2 H, t, J= 6.9 Hz), 5.10 (1 H, app.t, J= 6.6 Hz), 7.68 - 7.77 (2 H, m), 7.81 - 2.90 (2 H, m).
生成したN−(4−クロロ−4−メチルチオブチル)フタルイミド反応液にトリエチルアミン0.81g(0.004×2.0mol)を加えた後、2時間還流下撹拌した。反応液にジエチルエーテル(40mL)と水(40mL)を加え、分配した。水層をジエチルエーテル(40mL)で抽出した後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。有機層を濃縮後、シリカゲルカラム(溶離液;ヘキサン−酢酸エチル、5:1)で精製して、目的物をトランス体優勢の混合物として得ることができた。収量は0.63g、収率は64%(固体)であった。
<実施例5>
本発明に係る中間体4−クロロ−1−メチルチオ−1−ブテン(式3。図1中の化合物(V)参照、X=Cl)の植物病原菌に対する抗菌性試験を行った。
(病原菌培地の調製)
まず、Septoria tritici(S.t)コムギ葉枯病菌と、Burkholderia gulmae(B.g)イネもみ枯細菌病菌を寒天培地上で培養した。そして、蒸留水を用いて、コムギ葉枯病菌(S.t)については菌糸懸濁液(菌糸濃度:血球計算盤視野×100あたり菌糸1〜3個)を、イネもみ枯細菌病菌(B.g)については胞子/菌体懸濁液(胞子/菌体濃度1×10個/mL)をそれぞれ調製した。
上記で調製した懸濁液を、コムギ葉枯病菌(S.t)については25℃、ポテト−デキストロースブロス培地(市販品)で、イネもみ枯細菌病菌(B.g)については30℃、感受性ブイヨン培地(市販品)で、それぞれ10倍希釈した。
(病原菌の培養)
平底96穴のマイクロプレートを準備し、所定の薬剤濃度の100倍となるようにジメチルスルフォキシド(DMSO)に溶解した薬液1μLをマイクロプレートに添加した。そして、上記で調製した病原菌培地100μLを加え、よく撹拌した(以下、「薬剤処理接種区」と称する。)。薬剤無処理区として、DMSO1μLに上記で調製した病原培地100μLを加え、よく撹拌した(「薬剤無処理接種区」と称する)。また、バックグラウンド区として、薬液1μLに培地100μLを加え、よく撹拌した(「薬剤処理無接種区」と称する)。それぞれ、マイクロプレートの周囲をビニールテープで封じ、所定の温度で静置培養を行った。
(吸光度測定)
上記培養後、マイクロプレートリーダーによる595nmにおける吸光度(A595)の測定を行った。各区の吸光度A値を用い、下記の計算式により生育抑制率を求めた。R=生育抑制(%)、At=薬剤処理接種区の吸光度値、Ac=薬剤処理無接種区の吸光度値、Au=薬剤無処理接種区の吸光度値とする。
Figure 2008137898


<結果>
実施例4では、本試験に係る中間体である、文献未記載の新規化合物4−クロロ−1−メチルチオ−1−ブテン(式3。図1中の化合物(V)参照、X=Cl)は、400μg/mLの濃度で、上記のいずれの病原菌に対しても、得られた生育抑制Rをもとに表1の基準によれば、「2」以上の効果が観察され、抗菌活性を有することが明らかとなった。
Figure 2008137898
以上の実施例の結果からわかるように、本発明によれば、ダイコン由来の天然物質である4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナート(図1の化合物(I))のトランス体を、工業的に取扱困難な原料を用いずとも、好収率で優勢に製造することが示された。
また、本製造方法における合成中間体である4−ハロゲノ−1−メチルチオ不飽和化合物(4−ハロゲノ−1−メチルチオ−1−ブテン)(式3。図1中の化合物(V)参照)は、文献未記載の新規化合物であり、本製造法の中間体として有効であるばかりでなく、本化合物自身も抗菌性を有し、抗菌剤等としても利用できることが示された。
本発明は、ダイコン由来の天然物質であって、抗菌活性を示す4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートのトランス体の実用的な工業的製法として利用できる。
本発明に係る製造方法の全体合成過程を示す工程フロー図である。
符号の説明
(I) 4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナート。式5に同じ。
(II) 4−メチルチオ−3−ブテニルアミン(合成中間体)。式4に同じ。
(III) N−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミド(合成中間体)。式6に同じ。
(IV) フタルイミドカリウム。式9に同じ。
(V) 4−ハロゲノ−1−メチルチオ−1−ブテン(合成中間体)。式3に同じ。
(VI) 1,4−ジハロゲノ−1−メチルチオブタン(合成中間体)。式2に同じ。
(VII) 1−ハロゲノ−4−メチルチオブタン。式1に同じ。
(VIII)N−(4−ハロゲノ−4−メチルチオブチル)フタルイミド(合成中間体)。式8に同じ。
(IX) N−(4−メチルチオブチル)フタルイミド。式7に同じ。

Claims (6)

  1. 少なくとも以下の(1)〜(4)工程を行なう4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートの製造方法。
    (1)下記の式1で示される1−ハロゲノ−4−メチルチオブタンのメチルチオ基が結合した炭素原子上に、炭素原子−ハロゲン原子結合を生成させて、下記の式2で示される1,4−ジハロゲノ−1−メチルチオブタンを生成する工程、
    (2)下記の式2で示される化合物からハロゲン化水素を脱離させることにより、下記の式3で示される1−ハロゲノ−4−メチルチオ−3−ブテンを得る工程、
    (3)前記式3中のハロゲン原子(X)が結合する炭素原子において、炭素原子−窒素原子結合を生成した後、脱保護することにより、下記の式4で示されるアミン化合物を生成する工程、
    (4)前記式4で示される化合物をイソチオシアナート化して、下記の式5で示される4−メチルチオ−3−ブテニルイソチオシアナートを得る工程。

    Figure 2008137898


    Figure 2008137898


    Figure 2008137898


    Figure 2008137898


    Figure 2008137898

  2. 前記(3)工程は、前記式3で示される化合物にフタルイミドカリウムを反応させることで炭素原子−窒素原子結合を生成した後、脱保護することにより、前記式4で示されるアミン化合物を生成する工程であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。

    Figure 2008137898

  3. 前記式2で示される1,4−ジハロゲノ−1−メチルチオブタンが、1,4−ジクロロ−1−メチルチオブタンであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 少なくとも、以下の(5),(6)工程を行なう式6で示されるN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミドの製造方法。
    (5)下記の式7で示されるN−(4−メチルチオブチル)フタルイミドのメチルチオ基が結合した炭素原子上に、炭素原子−ハロゲン原子結合を生成させて、下記の式8で示されるN−(4−ハロゲノ−4−メチルチオブチル)フタルイミドを生成する工程、
    (6)前記式8で示される化合物からハロゲン化水素を脱離させることにより、前記式6で示されるN−(4−メチルチオ−3−ブテニル)フタルイミドを得る工程。

    Figure 2008137898


    Figure 2008137898

  5. 前記式3で示される4−ハロゲノ−1−メチルチオ不飽和化合物。
  6. 前記式3で示される化合物を含有する抗菌剤組成物。
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