JP2000007664A - 光学活性ピペラジン化合物、その中間体及びそれらの製造方法 - Google Patents

光学活性ピペラジン化合物、その中間体及びそれらの製造方法

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JP2000007664A
JP2000007664A JP11058704A JP5870499A JP2000007664A JP 2000007664 A JP2000007664 A JP 2000007664A JP 11058704 A JP11058704 A JP 11058704A JP 5870499 A JP5870499 A JP 5870499A JP 2000007664 A JP2000007664 A JP 2000007664A
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general formula
alkyl group
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JP11058704A
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Tsutomu Inoue
勉 井上
Daisuke Sato
大祐 佐藤
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Nippon Soda Co Ltd
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Nippon Soda Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Abstract

(57)【要約】 【課題】不斉合成反応の触媒や補助基などとして有用な
新規な光学活性アミノアルコール化合物及びその中間体
を提供する。 【解決手段】一般式(1) 【化1】 (R1 は、水素原子,C1-6 アルキル基,置換されてい
てもよいC6-13アラルキル基などを、R2 は、水素原子
またはRa ,Rb ,RC Si基を表し、Ra ,R b ,R
C は、同一又は相異なって、C1-6 アルキル基、C3-8
シクロアルキル基又はフェニル基を表す。Xは、スルホ
ニル基,カルボニル基を、Yは、置換されていてもよい
飽和または不飽和アルキル基又は置換されていてもよい
アリール基又は一般式(a) 【化2】 (R1 ,R2 ,Xは前記と同じ意味を表し、SubはC
1-6 アルキル基、ハロゲン原子、C1-6 アルコキシ基を
表し、pは0又は1〜3の整数を表す。)で表される基
等を表す。)で表される光学活性アミノアルコール化合
物及びその中間体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、様々な不斉合成に
おいて有用な触媒又は補助基を形成する新規な光学活性
アミノアルコール化合物及びその中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性アミノアルコール化合物は、不
斉合成反応を行う上で極めて重要な化合物であり、光学
活性アミノアルコール化合物を触媒や補助基として用い
る不斉合成反応には、数多くの報告例がある。かかる報
告例として、例えば、Chem.Rev.,92,83
3(1992),ibid.,935(1992);A
ngew.Chem.Int.Ed.Engl.,
,49(1991);Synthesis.,199
,605等がある。
【0003】従来、これらの光学活性アミノアルコール
化合物は、光学活性アミノ酸から誘導する方法、或いは
ラセミ体を光学分割する方法が一般的であった。しかし
ながら、これらの方法は、非天然型アミノ酸から誘導す
る方法の場合は、極めて高価になり製造コスト上の問題
がある。また、所望の不斉合成反応の立体選択性を高め
るためには、光学活性アミノアルコール化合物の立体構
造をより複雑にする必要がある。このため、原料化合物
を高度に修飾するために煩雑な合成経路や単離操作が必
要となり、有用な光学活性アミノアルコール化合物を大
量に製造することは困難であった。
【0004】また、光学分割する方法では、再結晶や光
学分割用カラム分取という煩雑な操作が必要であり、ま
た、光学分割が困難な場合も多い。
【0005】従って、安価な原料を用いて、簡便に入手
できる不斉合成反応に有用な光学活性アミノアルコール
の製造方法の開発が要望されている。
【0006】本発明に関連する従来技術として、J.M
ed.Chem.,36,990(1993)には、式
(A)
【0007】
【化22】
【0008】(式中、Bnはベンジル基を表す。)で表
される光学活性ピペラジン化合物が記載されている。こ
の文献の方法は、ラセミ体を光学分割することにより光
学活性体を得るものである。
【0009】また、EP.368670号、39872
0号公報及びChem.Pharm.Bull.,
,551(1994)には、式(B)
【0010】
【化23】
【0011】(式中、R’は、水素原子又はベンジル基
を表し、R”は、アセチル基又は3,4,5−トリメト
キシベンゾイル基を表す。また、*は不斉炭素原子を表
す。)で表される光学活性ピペラジン化合物が医薬中間
体として記載されている。
【0012】さらに、WO96/10022号公報に
は、式(C)
【0013】
【化24】
【0014】(式中、β−Naphtは、β−ナフチル
基を表す。)で表される化合物が合成中間体として記載
されている。
【0015】
【発明の解決しようとする課題】本発明は、不斉合成反
応に有用な光学活性アミノアルコール化合物及びその中
間体を、安価な原料を用いて、より簡便かつ工業上有利
に製造することができる光学活性アミノアルコール化合
物の製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、近年工業
的に入手可能となった光学活性ピペラジンカルボン酸類
から、光学活性アミノアルコール類を容易に誘導するこ
とができること、及びこれら光学活性アミノアルコール
類が各種不斉合成反応に有用であることを見出し、本発
明を完成した。
【0017】すなわち、本発明は次の(i)〜(vi)
の光学活性ピペラジン化合物、その中間体及びそれらの
製造方法を提供するものである。 (i)一般式(1)
【0018】
【化25】
【0019】〔式中、R1 は、水素原子,C1-6 アルキ
ル基,C3-8 シクロアルキル基,置換されていてもよい
7-13アラルキル基又は置換されていてもよい含窒素ヘ
テロ環で置換されたC1-3 アルキル基を表し、R2 は、
水素原子又はRa b c Si基を表し、Ra ,Rb
c は、同一又は相異なって、C1-6 アルキル基、C
3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表す。Xは、カ
ルボニル基又はスルホニル基を表し、Yは、置換基を有
していてもよいC1-20アルキル基、置換基を有していて
もよいC1-20アルケニル基、置換基を有していてもよい
3-8 シクロアルキル基、置換基を有していてもよいア
リール基、又は下記一般式(a)
【0020】
【化26】
【0021】(式中、R1 ,R2 及びXは前記と同じ意
味を表し、Subは、C1-6 アルキル基、ハロゲン原子
又はC1-6 アルコキシ基を表し、pは0又は1〜4の整
数を表す。)で表される基を表す。〕で表される、ピペ
ラジン環上に不斉炭素原子を有する光学活性ピペラジン
化合物。
【0022】(ii)一般式(2)
【0023】
【化27】
【0024】(式中、R9 ,R10は、それぞれ独立して
水素原子又はアラルキル基を表し、R 11は、水素原子又
はRa b c Si基を表し、Ra ,Rb ,Rc は、同
一又は相異なって、C1-6 アルキル基、C3-8 シクロア
ルキル基又はフェニル基を表す。また、*は不斉炭素原
子であることを表す。)で表される光学活性ピペラジン
化合物。
【0025】(iii)一般式(3)
【0026】
【化28】
【0027】(式中、R’”は、水素原子、又はメチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル基等の低級アルキ
ル基を表す。また、*は不斉炭素原子であることを表
す。)で表される光学活性ピペラジン化合物に、一般式
12−V1 (R12は、アラルキル基を表し、V1 はハロ
ゲン原子を表す。)で表されるアラルキルハライドを作
用させて、一般式(4)又は(4’)
【0028】
【化29】
【0029】(式中、R’”は前記と同じ意味を表し、
12はアラルキル基を表し、*は不斉炭素原子であるこ
とを表す。)で表される化合物を得る工程と、前記一般
式(4)又は(4’)で表される化合物に還元剤を作用
させて、一般式(5)
【0030】
【化30】
【0031】(式中、R12及び*は前記と同じ意味を表
す。)で表される化合物を得る工程と、前記一般式
(5)で表される化合物に、式R13−V2 (式中、R13
は、前記と同じ意味を表し、V2 はハロゲン原子を表
す。)で表される化合物を作用させることにより、一般
式(6)
【0032】
【化31】
【0033】(式中、R12,R13は前記と同じ意味を表
し、*は不斉炭素原子であることを表す)で表される化
合物を得る工程と、前記一般式(6)で表される化合物
を脱保護する工程を有する、一般式(7)
【0034】
【化32】
【0035】(式中、R13及び*は前記と同じ意味を表
す。)で表される光学活性ピペラジン化合物の製造方
法。
【0036】(iv)前記一般式(7)で表される化合
物に、Y4 4 −V4 (式中、X4 は、カルボニル基又
はスルホニル基を表し、Y4 は、置換基を有していても
よいC1-20アルキル基、置換基を有していてもよいC
1-20アルケニル基、置換基を有していてもよいC3-8
クロアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基
表し、V4 はハロゲン原子を表す。)で表される化合物
を作用させる工程を有する、一般式(8)
【0037】
【化33】
【0038】(式中、X4 ,Y4 ,R13及び*は前記と
同じ意味を表す。)で表される光学活性ピペラジン化合
物の製造方法。
【0039】(v)前記一般式(7)で表される化合物
に、Z−L(式中、Zは、N−保護基を表し、Lは脱離
基を表す。)で表される化合物を作用させて、一般式
(9)
【0040】
【化34】
【0041】(式中、Z,R13及び*は前記と同じ意味
を表す。)で表される化合物を得る工程と、
【0042】前記一般式(9)で表される化合物に、Y
5 5 −V5 (式中、X5 は、カルボニル基又はスルホ
ニル基を表し、Y5 は、置換基を有していてもよいC
1-20アルキル基、置換基を有していてもよいC1-20アル
ケニル基、置換基を有していてもよいC3-8 シクロアル
キル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、
5 はハロゲン原子を表す。)で表される化合物を作用
させることにより、一般式(10)
【0043】
【化35】
【0044】(式中、X5 ,Y5 ,Z,R13及び*は前
記と同じ意味を表す。)で表される化合物を得る工程
と、前記一般式(10)で表される化合物を脱保護する
工程を有する、一般式(11)
【0045】
【化36】
【0046】(式中、X5 ,Y5 ,R13及び*は前記と
同じ意味を表す。)で表される光学活性ピペラジン化合
物の製造方法。
【0047】(vi)前記一般式(7)
【0048】
【化37】
【0049】(式中、R13は前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物に、塩基の存在下に、一般式(b)
【0050】
【化38】
【0051】(式中,Subは、C1-6 アルキル基、ハ
ロゲン原子又はC1-6 アルコキシ基を表し、pは0又は
1〜4の整数を表し、nは1又は2を表す。)で表され
る化合物を作用させることを特徴とする、一般式
(8’)
【0052】
【化39】
【0053】(式中,Sub,R13,p及びnは前記と
同じ意味を表す。)で表される化合物の製造方法。
【0054】以下、本発明化合物を詳細に説明する。本
発明化合物は、前記一般式(1)及び(2)で表される
光学活性ピペラジン化合物である。
【0055】前記一般式(1)及び(2)において、R
1 は、水素原子、メチル,エチル,プロピル,イソプロ
ピル,ブチル,イソブチル,s−ブチル,t−ブチル,
ペンチル及びその異性体,ヘキシル及びその異性体等の
1-6 アルキル基、
【0056】シクロプロピル,シクロブチル,シクロペ
ンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロオク
チル等のC3-8 シクロアルキル基、
【0057】ベンジル,フェネチル,α−ナフチルメチ
ル,β−ナフチルメチル等のC7-13アラルキル基、
【0058】前記置換基を有していてもよいC7-13アラ
ルキル基又は置換基を有していてもよい含窒素ヘテロ環
が置換したC1-3 アルキル基における置換基としては、
フッ素,塩素,臭素等のハロゲン原子、メチル,エチ
ル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,s
−ブチル,t−ブチル基等のC1-4 アルキル基を挙げる
ことができる。また、これらのC7-13アラルキル基又は
含窒素ヘテロ環基は、任意の位置に同一又は相異なる複
数個の置換基を有していてもよい。
【0059】又は、一価の遊離原子価を有するピリジ
ン,キノリン,ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、
ピロール等の含窒素ヘテロ環が置換したヘテロイルメチ
ル基等の含窒素ヘテロ環で置換されたC1-3 アルキル基
を表す。
【0060】R2 は、水素原子又はRa b c Siで
表される基を表し、Ra ,Rb ,R c は、同一又は相異
なって、C1-6 アルキル基、C3-8 シクロアルキル基又
はフェニル基を表す。
【0061】上記において、Ra ,Rb ,Rc は、同一
又は相異なって、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘ
キシル等のC1-6 アルキル基、シクロプロピル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル等のC3-8 シクロアルキル
基、又はフェニル基を表す。
【0062】好ましいR2 のRa ,Rb ,Rc としては
1-6 アルキル基であり、R2 が水素原子、トリメチル
シリル基又はt−ブチルジメチルシリル基である場合
が、取り扱い性、入手容易性等の観点から特に好まし
い。
【0063】Xは、カルボニル基(CO)又はスルホニ
ル基(SO2 )を表す。Yは、メチル,エチル,プロピ
ル,イソプロピル,ブチル,イソブチル,s−ブチル,
t−ブチル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,
t−ペンチル,ヘキシル,イソヘキシル,2−エチルブ
チル,ヘプチル,オクチル,イソオクチル,ノニル,デ
シル,イソデシル,ウンデシル,ドデシル,トリデシ
ル,テトラデシル,ペンタデシル,ヘキサデシル,ヘプ
タデシル,オクタデシル,ノナデシル,エイコシル基等
の置換基を有していてもよい直鎖又は分岐状のC1-20
ルキル基
【0064】エテニル,1−プロペニル,2−プロペニ
ル,イソプロペニル,1−ブテニル,2−ブテニル,イ
ソブテニル,1−ペンテニル,2−ペンテニル,2−メ
チル−1−ブテニル,3−メチル−1−ブテニル,2−
メチル−2−ブテニル,1−ヘキセニル,2,3−ジメ
チル−2−ブテニル,1−ヘプテニル,1−オクテニ
ル,1−ノナニル,1−デセニル,2−ノニル−2−ブ
テニル,オレオイル,1,3−ブタジエニル,2,4−
ヘキサジエニル,ゲラニル,プレニル等の置換基を有し
ていてもよい直鎖又は分岐状のC1-20アルケニル基、
【0065】シクロプロピル,シクロブチル,シクロペ
ンチル,シクロヘキシル,シクロヘプチル,シクロオク
チル等のC3-8 シクロアルキル基、又はフェニル,α−
ナフチル,β−ナフチル等の置換基を有していてもよい
アリール基を表す。
【0066】また、前記置換基を有していてもよい飽和
若しくは不飽和の直鎖又は分岐状のC1-20アルキル基の
置換基としては、例えば、フッ素,塩素,臭素等のハロ
ゲン原子、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,イソプロ
ポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,s−ブトキシ,t−
ブトキシ基等のC1-4 アルコキシ基を挙げることができ
る。また、この飽和若しくは不飽和の直鎖又は分枝(分
岐状)のC1-20アルキル基は、任意の位置に同一又は相
異なる複数個の置換基を有していてもよい。
【0067】前記置換基を有していてもよいアリール基
の置換基としては、例えば、フッ素,塩素,臭素等のハ
ロゲン原子、メチル,エチル,プロピル,イソプロピ
ル,ブチル,イソブチル,s−ブチル,t−ブチル等の
1-4 アルキル基、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,
イソプロポキシ,ブトキシ,イソブトキシ,s−ブトキ
シ,t−ブトキシ等のC1-4 アルコキシ基、ビニル、1
−プロペニル、2−プロペニル、イソプロペニル、1−
ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,2−ジメ
チル−1−プロペニル基等のC1-4アルケニル基等を挙
げることができる。また、前記アリール基は、任意の位
置に同一又は相異なる複数個の置換基を有していてもよ
い。
【0068】又は、下記一般式(a)で表される基を表
す。
【0069】
【化40】
【0070】上記一般式(a)中、R1 ,R2 及びXは
前記と同じ意味を表す。Subは、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル基等のC
1-6 アルキル基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原
子、又はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポ
キシ基等のC1-6 アルコキシ基を表す。また、pは0又
は1〜4の整数を表し、pが2又は3のとき、Subは
同一でも相異なっていてもよい。
【0071】前記一般式(1)において、より好ましい
化合物として、一般式(1−1)
【0072】
【化41】
【0073】〔式中、R3 は、水素原子,C1-6 アルキ
ル基,C3-8 シクロアルキル基,置換基を有していても
よいC7-13アラルキル基又は置換基を有していてもよい
含窒素ヘテロ環で置換されたC1-3 アルキル基を表す。
4 は、水素原子又はRa bc Si基を表し、
a ,Rb ,Rc は、同一又は相異なって、C1-6 アル
キル基、C3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表
す。
【0074】Y1 は、置換基を有していてもよいC1-20
アルキル基、置換基を有していてもよいC1-20アルケニ
ル基、置換基を有していてもよいC3-8 シクロアルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基、又は下記一
般式(a)
【0075】
【化42】
【0076】(上記一般式(a)中、R1 ,R2 及びX
と同じ意味を表し、Subは、C1-6アルキル基、ハロ
ゲン原子又はC1-6 アルコキシ基を表し、pは0又は1
〜4の整数を表す。)で表される基を表す。また、*は
不斉炭素原子であることを表す。但し、R3 が水素原子
で、Y1 がC1-20アルキル基又は3,4,5−トリメト
キシフェニル基である化合物、及びR3 がベンジル基
で、Y1 が3,4,5−トリメトキシフェニル基である
化合物は除く。〕で表される光学活性ピペラジン化合
物、一般式(1−2)
【0077】
【化43】
【0078】〔式中、R5 は、水素原子,C1-6 アルキ
ル基,C3-8 シクロアルキル基,置換されていてもよい
7-13アラルキル基又は置換されていてもよい含窒素ヘ
テロ環で置換されたC1-3 アルキル基を表し、R6 は、
水素原子又はRa b c Si基を表し、Ra ,Rb
c は、同一又は相異なって、C1-6 アルキル基、C3-
8 シクロアルキル基又はフェニル基を表す。
【0079】Y2 は、置換基を有していてもよいC1-20
アルキル基、置換基を有していてもよいC1-20アルケニ
ル基、置換基を有していてもよいC3-8 シクロアルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基、又は下記一
般式(a)
【0080】
【化44】
【0081】(上記式中、R1 ,R2 ,X,Sub,p
は前記と同じ意味を表す。)で表される基を表す。ま
た、*は不斉炭素原子であることを表す。但し、R5
ベンジル基で、Y2 が4−メトキシフェニル又は3,
4,5−トリメトキシフェニル基である化合物を除
く。〕で表される光学活性ピペラジン化合物、一般式
(1−3)
【0082】
【化45】
【0083】〔式中、R7 は、水素原子,C1-6 アルキ
ル基,C3-8 シクロアルキル基,置換基を有していても
よいC7-13アラルキル基又は置換基を有していてもよい
含窒素ヘテロ環で置換されたC1-3 アルキル基を表す。
8 は、水素原子又はRa bc Si基を表し、
a ,Rb ,Rc は、同一又は相異なって、C1-6 アル
キル基、C3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表
す。
【0084】Y3 は、置換基を有していてもよいC1-20
アルキル基、置換基を有していてもよいC1-20アルケニ
ル基、置換基を有していてもよいC3-8 シクロアルキル
基、置換基を有していてもよいアリール基、又は下記一
般式(a)
【0085】
【化46】
【0086】(式中、R1 ,R2 ,X,Sub及びpは
前記と同じ意味を表す。)で表される基を表す。また、
*は不斉炭素原子であることを示す。〕で表される光学
活性アミノアルコール化合物、又は一般式(8’)
【0087】
【化47】
【0088】(式中、R13は、水素原子又はRa b
c Siで表される基を表し、Ra ,R b ,Rc は、同一
又は相異なって、C1-6 アルキル基、C3-8 シクロアル
キル基又はフェニル基を表す。
【0089】上記において、Ra ,Rb ,Rc は、同一
又は相異なって、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘ
キシル等のC1-6 アルキル基、シクロプロピル、シクロ
ペンチル、シクロヘキシル等のC3-8 シクロアルキル
基、又はフェニル基を表す。また、nは1又は2を表
す。)等の化合物を挙げることができる。
【0090】上記一般式(1−1)、(1−2)及び
(1−3)において、Y1 ,Y2 及びY3 として前記Y
の具体例として列記したものと同様なものを、R3 ,R
5 及びR7 として前記R1 の具体例として列記したもの
と同様なものを、R4 ,R6 及びR8 として前記R2
具体例として列記したものと同様なものをそれぞれ好ま
しく例示することができる。
【0091】
【発明の実施の形態】本発明の化合物は、光学活性ピラ
ジンカルボン酸(9)を原料にして、以下に示す反応工
程に従って製造することができる。ピペラジンカルボン
酸(9)の光学異性体の(S)体及び(R)体は、共に
工業的に入手可能であり、(S)体、(R)体のそれぞ
れを出発原料とすることができる。
【0092】
【化48】
【0093】〔式中、rは、ベンジル基等のアラルキル
基を表し、r’は、ベンジル基等のアラルキル基又はC
1-6 アルキル基を表し、r”は、ra b c Siで表
される基を表し、ra ,rb ,rc は、同一又は相異な
って、C1-6 アルキル基、C3- 8 シクロアルキル基又は
フェニル基を表す。また、xは、前記Xと同じ意味を表
し、yは前記Yと同じ意味を表す。Rは、C1-6 アルキ
ル基、C3-8 シクロアルキル基、置換基を有していても
よいC7-13アラルキル基又は置換基を有していてもよい
含窒素ヘテロ環で置換されたC1-3 アルキル基を表す。
【0094】Zは、ベンジルオキシカルボニル基、ホル
ミル基、アリルオキシカルボニル基、t−ブトキシカル
ボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アセチル基、−
C(=O)OCH3-n Cln (n=1〜3)で表される
基、及び−SO2 Nr1 2で表される基(r1 ,r2
は、それぞれ独立してC1-6 アルキル基を表す。)及び
ベンゾイル基等の保護基を表す。〕
【0095】先ず、本発明化合物の製造方法を上記スキ
ムに従って概説する。なお、以下の反応式においては、
不斉炭素原子には*を付している。N−保護体(14)
は、工業的に入手可能な光学活性ピペラジンカルボン酸
(9)にアラルキルハライドを作用させることにより、
アラルキル体(13)とし、得られたアラルキル体(1
3)を還元することにより得ることができる。
【0096】次に、N−保護体(14)を三保護体(1
5)とした後、脱アラルキル化して、ジアミン体(1
6)を得ることができる。次いで、ジアミン体(16)
の4位に置換基を導入することによって4−アミド体
(17)を得ることができる。この4−アミド体(1
7)は、光学活性アミノアルコール化合物(1a)及び
(1b)の前駆体となる。
【0097】即ち、前記4−アミド体(17)のアルコ
ール保護基を脱保護して、光学活性アミノアルコール化
合物(1a)を得ることができる。また、4−アミド体
(17)の1位に置換基を導入し、1−アルキル体(1
8)としたのちアルコール保護基を脱保護して、光学活
性アミノアルコール(1b)を製造することができる。
【0098】また、ジアミン体(16)の4位に保護基
を導入したモノアミノ体(19)の1位に置換基を導入
した二保護体(20)は、光学活性アミノアルコール化
合物(1c)及び(1d)の原料化合物とすることがで
きる。
【0099】即ち、二保護体(20)のアルコール保護
基と4位の保護基を脱保護して、光学活性アミノアルコ
ール化合物(1c)を得ることができる。また、二保護
体(20)の4位を脱保護して、1−アミド体(21)
を得、4位に置換基を導入し、4−アルキル体(22)
を得たのち、4−アルキル体(22)のアルコール保護
基を脱保護して、光学活性アミノアルコール(1d)を
製造することができる。
【0100】次に、各化合物の製造法について詳細に説
明する。アラルキル体(13)は、光学活性ピラジンカ
ルボン酸(9)又は化合物(9)の塩を不活性溶媒に溶
解又は懸濁させ、塩基の存在下又は非存在下に、ベンジ
ルハライドを相間移動触媒の存在又は非存在下に作用さ
せることにより製造することができる。
【0101】この反応に用いられる不活性溶媒として
は、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエタンなど
のハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシレン
などの芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド(DM
F),ジエチルホルムアミドなどのホルムアミド系溶媒
などを例示することができるが、その他、反応を阻害し
ない有機溶媒であれば特に制限はない。
【0102】用いられる塩基としては、トリメチルアミ
ン,トリエチルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの
有機塩基、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナ
トリウム,炭酸カリウムなどの無機塩基を挙げることが
できる
【0103】また、アラルキルハライドとしては、塩化
物,臭化物,ヨウ化物などを使用することができる。さ
らに、相間移動触媒としては、テトラブチルアンモニウ
ムブロミド,ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド
などの四級アンモニウムハライド類、18−クラウン−
6などのクラウン化合物などを用いることができる。こ
の反応は、−20℃から用いる溶媒の沸点の間の温度範
囲で円滑に進行する。
【0104】用いられる塩基の量としては、基質が一般
式(9)で表される化合物の場合は、化合物(9)1m
olに対し3〜5mol、(9)の金属塩の場合は、
(9)の金属塩1molに対し0〜4mol、(9)の
酸塩の場合は、(9)の酸塩1molに対し5〜7mo
lを用い、相間移動触媒を用いる場合は、基質の0.0
1〜1molがそれぞれ好ましい。
【0105】N−保護体(14)は、アラルキル体(1
3)を不活性溶媒中で還元剤と反応させることにより製
造することができる。この反応に用いられる不活性溶媒
としては、テトラヒドロフラン(THF),ジオキサン
などのエーテル系溶媒が一般的に用いられ得る。
【0106】還元剤としては、アルカリ金属ホウ素水素
化物、アルカリ金属アルキルホウ素水素化物、アルカリ
金属アルミニウム水素化物及びアルカリ金属アルキルア
ルミニウム水素化物を例示することができる。また、こ
れらの化合物と金属ハロゲン化物の混合物も還元剤とし
て用いることもできる。
【0107】この還元反応において用いられる前記アル
カリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等
を挙げることができ、アルキル基としては、直鎖若しく
は分枝のC1-6 アルキル基を挙げることできる。金属ハ
ロゲン化物としては、リチウム、アルミニウム、チタニ
ウム、ジルコニウムの塩素化物、臭素化物等を例示する
ことができる。
【0108】また、反応温度は−50℃〜室温が好まし
く、還元剤はトリアラルキル体(13)に対し、0.2
5mol〜2mol用いるのが好ましい。
【0109】三保護体(15)は、N−保護体(14)
を不活性溶媒中、塩基の存在下、トリ置換シリルハライ
ドと相間移動触媒の存在下又は非存在下に反応させるこ
とにより製造することができる。
【0110】この反応に用いられる不活性溶媒として
は、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエタンなど
のハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシレン
などの芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホルムアミド
などのホルムアミド系溶媒などが代表的なものである
が、反応を阻害しない有機溶媒であれば特に制限なく用
いることができる。
【0111】また、塩基としては、トリメチルアミン,
トリエチルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの有機
塩基、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができ
【0112】トリ置換シリルハライドとしては、一般式
a b c Si−V’(13)で表される化合物を用
いることができる。ここで、前記式(13)中、Ra
b,Rc は、同一又は相異なって、C1-6 アルキル
基、C3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表し、
V’は塩素等のハロゲン原子を表す。
【0113】トリ置換シリルハライドとして、より具体
的には、トリメチルシリルクロリド、トリメチルシリル
ブロミド、エチルジメチルシリルクロリド、エチルジメ
チルシリルブロミド、トリエチルシリルクロリド、トリ
エチルシリルブロミド、t−ブチルジメチルシリルクロ
リド、t−ブチルジメチルシリルブロマイド、フェニル
ジメチルシリルクロリド、フェニルジメチルシリルブロ
ミド、シクロヘキシルジメチルシリルクロリド等を例示
することができる。
【0114】相間移動触媒としては、テトラブチルアン
モニウムブロミド,ベンジルトリメチルアンモニウムク
ロリドなどの第四アンモニウムハライド類、18−クラ
ウン−6などのクラウン化合物などを用いることができ
る。
【0115】用いられる塩基の量は、化合物(14)に
対し1mol〜3molが好ましく、また、添加される
相間移動触媒の量は、化合物(14)に対し0.01m
ol〜1mol程度である。反応は、−20℃から用い
る溶媒の沸点の間の温度で円滑に進行する。
【0116】ジアミン体(16)は、三保護体(15)
を不活性溶媒中、触媒の存在下に、接触還元することに
より製造することができる。前記不活性溶媒としては、
例えば、メタノール,エタノールなどの低級アルコール
類、酢酸エチルなどの有機酸エステル類などを挙げるこ
とができるが、反応を阻害しない有機溶媒であれば特に
制限はない。
【0117】この反応に用いられる触媒としては、パラ
ジウムカーボン、水酸化パラジウムカーボン、白金黒な
どの第8族金属の活性炭担持体等を挙げることができ
る。反応は、化合物(15)に対し、0.01mol〜
0.5molの触媒存在下、常圧〜10kgf/cm2
の水素雰囲気下で、常温〜100℃で円滑に進行する。
【0118】4−アミド体(17)は、ジアミン体(1
6)を不活性溶媒中で、塩基の存在下或いは非存在下
に、有機酸ハライド又は有機スルホン酸ハライドを、相
間移動触媒の存在下或いは非存在下に作用させることに
より製造することができる。
【0119】この反応に用いられる不活性溶媒として
は、例えば、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,
キシレンなどの芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホル
ムアミドなどのホルムアミド系溶媒等を挙げることがで
きるが、反応を阻害しない有機溶媒であれば特に制限は
ない。
【0120】塩基としては、トリメチルアミン,トリエ
チルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの有機塩基、
水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,
炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができる
【0121】有機酸ハライドあるいは有機スルホン酸ハ
ライドとしては、一般式x−y−hal(式中、x,y
は、前記X,Yとそれぞれ同じ意味を表し、halは、
塩素,臭素などのハロゲン原子を表す。)で表される化
合物を使用することができる。
【0122】相間移動触媒としては、テトラブチルアン
モニウムブロミド,ベンジルトリメチルアンモニウムク
ロリドなどの四級アンモニウムハライド類、18−クラ
ウン−6などのクラウン化合物などを用いることができ
る。
【0123】反応は、−50〜50℃で、化合物(1
6)に対し0〜2当量の塩基の存在下、化合物(16)
1molに対し、0.5mol〜1.0molの酸ハラ
イドを、(16)1molに対し、0.01mol〜1
molの相間移動触媒の存在下あるいは非存在下に行わ
れる。
【0124】1−アルキル体(18)は、4−アミド体
(17)を、不活性溶媒中、塩基の存在下、アルキルハ
ライド,アリールアルキルハライド,含窒素ヘテロ環ア
ルキルハライド又はその塩などを、相間移動触媒の存在
下又は非存在下に作用させることにより製造することが
できる。
【0125】この反応に用いられる不活性溶媒として
は、例えば、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,
キシレンなどの芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホル
ムアミドなどのホルムアミド系溶媒を挙げることができ
るが、反応を阻害しない有機溶媒であれば特に制限はな
い。
【0126】また、塩基としては、トリメチルアミン,
トリエチルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの有機
塩基、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができ
【0127】アルキルハライドとしては、ヨウ化メチ
ル、ヨウ化エチル、ヨウ化イソプロピル等を例示するこ
とができる。アリールアルキルハライドのアリールアル
キル部位としては、ベンジル,α−ナフチルメチル,β
−ナフチルメチルなどが,含窒素ヘテロ環アルキルとし
ては、2−ピリジルメチル,3−ピリジルメチル,4−
ピリジルメチル又は2−キノリルメチルなどが好まし
い。ハライドとしては、塩化物,臭化物等を例示するこ
とができる。
【0128】さらに、相間移動触媒としては、例えば、
テトラブチルアンモニウムブロミド,ベンジルトリメチ
ルアンモニウムクロリドなどの第四アンモニウムハライ
ド類、18−クラウン−6などのクラウン化合物などを
挙げることができる。
【0129】反応は、−20℃から溶媒の沸点までの間
の温度で、化合物(17)と化合物(17)に対し1〜
2当量のハライドとを、化合物(17)に対し、1〜4
当量の塩基、及び所望により化合物(17)に対し、
0.01〜1当量の相間移動触媒の存在下に反応させる
ことにより行うことができる。
【0130】モノアミノ体(19)は、ジアミン体(1
6)の4位の窒素原子を保護基(Z)で保護することに
より製造することができる。即ち、ジアミン体(16)
に、式Z−L(Lは脱離基を表す。)で表される化合物
を、適当な溶媒中、塩基の存在下に反応させることによ
り、モノアミノ体(19)を製造することができる。
【0131】前記保護基としては、弱塩基性条件下で安
定であり、アミドを形成し得る保護基であれば特に制限
なく使用することができる。Zとしては、例えば、ベン
ジルオキシカルボニル基、ホルミル基、アリルオキシカ
ルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ビニルオキシ
カルボニル基、アセチル基、−C(=O)CH3-n Cl
n (n=1〜3)で表される基、SO2 Nr1 2 で表
される基(r1 ,r2は低級アルキル基を表す。)及び
置換基を有していてもよいベンゾイル基等を挙げること
ができる。これらの内、比較的温和な条件で脱保護が可
能であるベンジルオキシカルボニル基が特に好ましい。
【0132】前記Z−Lで表される化合物としては、例
えば、ベンジルオキシカルボニルクロリド(クロロ蟻酸
ベンジルエステル)、〔PhCH2 OC(=O)〕
2 O、t−ブトキシカルボニルクロリド、〔t−BuO
C(=O)〕2 O、アセチルクロリド、無水酢酸、ビニ
ルオキシカルボニルクロリド、アリルオキシカルボニル
クロリド、ベンゾイルクロリド、無水安息香酸、CH
3-n Cln C(=O)Cl、ジメチルスルファモイルク
ロリド等を挙げることができる。
【0133】この反応に用いられる不活性溶媒として
は、例えば、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,
キシレンなどの芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホル
ムアミドなどのホルムアミド系溶媒等を挙げることがで
きるが、反応を阻害しない有機溶媒であれば特に制限は
ない。
【0134】また、塩基としては、トリメチルアミン,
トリエチルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの有機
塩基、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウム等の無機塩基を用いることができる
【0135】反応は、−39℃〜室温で、化合物(1
6)に対し、0〜2molの塩基の存在下、1〜1.5
molのクロロ蟻酸ベンジルエステル等のハロゲン化炭
酸ベンジルエステルを作用させることにより行われる。
【0136】二保護体(20)は、モノアミノ体(1
9)を、不活性溶媒中、塩基の存在下、有機酸ハライド
あるいは有機スルホン酸ハライドを、相間移動触媒の存
在下又は非存在下に作用させることにより製造すること
ができる。
【0137】この反応に用いられる不活性溶媒として
は、例えば、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,
キシレンなどの芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホル
ムアミドなどのホルムアミド系溶媒等を挙げることがで
きるが、反応を阻害しない有機溶媒であれば特に制限は
ない。
【0138】また、塩基としては、トリメチルアミン,
トリエチルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの有機
塩基、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができ
【0139】有機酸ハライドあるいは有機スルホン酸ハ
ライドとしては、前記一般式yx−halで表されるも
のを使用することができる。
【0140】さらに、相間移動触媒としては、テトラブ
チルアンモニウムブロミド,ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロリドなどの四級アンモニウムハライド類、1
8−クラウン−6などのクラウン化合物などを用いるこ
とができる。
【0141】反応は、−20℃から溶媒の沸点までの間
の温度で、化合物(19)と化合物(19)1molに
対し、1mol〜1.5molの酸ハライドとを、化合
物(19)1molに対し、1mol〜3molの塩
基、及び所望により、0.01mol〜1molの相間
移動触媒の存在下に反応させることにより行われる。
【0142】1−アミド体(21)は、二保護体(2
0)を、不活性溶媒中、触媒の存在下に、脱保護させる
ことにより製造することができる。脱保護の方法として
は、接触還元する方法、アルカリで処理する方法等があ
る。
【0143】前記接触還元反応に用いられる不活性溶媒
としては、メタノール,エタノールなどの低級アルコー
ル類、酢酸エチルなどの有機酸エステル類等を例示する
ことができるが、反応を阻害しない有機溶媒であれば、
特に制限はない。
【0144】反応は、化合物(20)に対し、0.01
mol〜0.5molのパラジウムカーボン、水酸化パ
ラジウムカーボン、白金黒などの周期律表の第8族金属
の活性炭担持体等の触媒の存在下、0.1kgf/cm
2 〜常圧の水素雰囲気下で、0℃から溶媒の沸点までの
間の温度で行われる。
【0145】アルカリ処理の方法としては、二保護体
(20)の水溶液、アルコール溶液あるいは水とアルコ
ールの混合溶媒中、水酸化ナトリム、水酸化カリウム等
の塩基の存在下に加水分解させるものがある。
【0146】4−アルキル体(22)は、1−アミド体
(21)を、不活性溶媒中、塩基の存在下、メチルハラ
イド,アリールアルキルハライド,含窒素ヘテロ環アル
キルハライド等のアルキルハライド又はそれらの塩を、
相間移動触媒の存在下又は非存在下に作用させることに
より製造することができる。
【0147】この反応に用いられる不活性溶媒として
は、例えば、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエ
タンなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,
キシレンなどの芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホル
ムアミドなどのホルムアミド系溶媒等を挙げることがで
きるが、反応を阻害しない有機溶媒であれば特に制限な
く用いることができる。
【0148】また、塩基としては、トリメチルアミン,
トリエチルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの有機
塩基、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができ
【0149】アルキルハライドとしては、ヨウ化メチ
ル、ヨウ化エチル、ヨウ化イソプロピル等のほか、ベン
ジル,α−ナフチルメチル,β−ナフチルメチルなどの
アリールアルキルハライド、2−ピリジルメチル,3−
ピリジルメチル,4−ピリジルメチル又は2−キノリル
メチルなどの含窒素ヘテロ環アルキルハライド等を例示
することができる。ハライドとしては、塩化物,臭化物
などを使用することができる。
【0150】さらに、相間移動触媒としては、テトラブ
チルアンモニウムブロミド,ベンジルトリメチルアンモ
ニウムクロリドなどの四級アンモニウムハライド類、1
8−クラウン−6などのクラウン化合物などを例示する
ことができる。
【0151】反応は、−20℃から溶媒の沸点までの間
の温度で、化合物(21)と化合物(21)1molに
対し、1mol〜2molのハライドとを、(21)に
対し1mol〜4molの塩基、及び所望により化合物
(21)に対し、0.01mol〜1molの相間移動
触媒の存在下に行われる。
【0152】また、4−アミド体(17)又は1−アル
キル体(18)をシリルエーテルの一般的な脱保護条件
下で処理することにより、光学活性アミノアルコール
(1a)及び光学活性アミノアルコール(1b)をそれ
ぞれ製造することができる。また、二保護体(20)又
は4−アルキル体(22)を脱保護することにより、光
学活性アミノアルコール(1c)及び光学活性アミノア
ルコール(1d)をそれぞれ製造することができる。
【0153】前記脱保護は、不活性溶媒中、酸又はフッ
素化合物を作用させることにより行うことができる。こ
の反応に用いられる不活性溶媒としては、例えば、水、
低級アルコール類、及びこれらの混合物、THF,ジオ
キサンなどのエーテル系溶媒、塩化メチレン,クロロホ
ルムなどの塩素系溶媒などが挙げられるが、反応を阻害
しない溶媒であれば、特に制限はない。
【0154】酸としては、塩酸、硫酸、酢酸等を例示す
ることができ、フッ素化合物としては、テトラメチルア
ンモニウムフルオリドなどの四級アンモニウムフロリ
ド、四級アンモニウム2フッ化水素フロリド等が一般的
に用いることができる。
【0155】反応は、0℃から溶媒の沸点までの間の温
度で円滑に進行する。酸を用いる場合は、例えば、3〜
12規定の塩酸等を、フッ素化合物を用いる場合は、化
合物(17),(18),(20)又は(22)のいず
れか1molに対し、1mol〜2molのフッ素化物
を作用させることにより行うのが好ましい。
【0156】また、光学活性アミノアルコール(1b)
の一部の化合物は、次の(a)又は(b)の方法によっ
ても製造することができる。
【0157】
【化49】
【0158】(式中、r’,x,yは、前記と同じ意味
を表し、R””は、C1-6 アルキル基,C3-8 シクロア
ルキル基,置換されていてもよいC7-13アラルキル基,
置換されていてもよい含窒素ヘテロ環基又は置換されて
いてもよい含窒素ヘテロ環で置換されたメチルもしくは
エチル基等のC1-6 アルキル基を表す。)
【0159】(a)のルート 前記反応式において、化合物(23)は、4−アミド体
(17)と、R””CO−hal(halは、ハロゲン
原子を表す。)で表されるアシルハライドとを、不活性
溶媒中、塩基の存在下に反応させることにより製造する
ことができる。なお、この反応においては、R””CO
−halの他、(R””CO)2 Oで表される酸無水物
を用いることもできる。
【0160】反応に用いられる不活性溶媒としては、塩
化メチレン,クロロホルム,ジクロロエタンなどのハロ
ゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシレンなどの
芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホルムアミドなどの
ホルムアミド系溶媒等を挙げることができるが、反応を
阻害しない有機溶媒であれば特に制限なく用いることが
できる。
【0161】また、塩基としては、トリメチルアミン,
トリエチルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの有機
塩基、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリ
ウム,炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができ
【0162】化合物(24)は、化合物(23)を不活
性溶媒中、水素化リチウムアルミニウムなどの還元剤を
作用させることにより製造することができる。
【0163】この反応に用いられる不活性溶媒として
は、THF,ジオキサンなどのエーテル系溶媒等を挙げ
ることができる。
【0164】光学活性アミノアルコール(1b)は、化
合物(24)を前記と同様の脱保護により製造すること
ができる。
【0165】(b)のルート 前記反応式においては、光学活性アミノアルコール(1
a)を原料として用い、蟻酸水溶液中でホルムアルデヒ
ドと反応させることによっても光学活性アミノアルコー
ル(1b)を製造することができる。
【0166】蟻酸水溶液としては、例えば、80%水溶
液を化合物(1a)の1〜10倍(v/w)用いること
ができる。また、ホルムアルデヒドは一般に入手できる
水溶液(約32%)をそのまま反応に使用することがで
き、これを化合物(1a)の0.8〜1.5倍(v/
w)用いるのが好ましい。反応は室温から用いる溶媒の
沸点までの温度範囲で行うのが好ましい。
【0167】また、光学活性アミノアルコール(1d)
の一部の化合物は、次の方法によっても製造することが
できる。
【0168】
【化50】
【0169】即ち、1−トシル−2−ヒドロキシメチル
ピペラジン(1c)を原料として用い、不活性溶媒中、
塩基の存在下、アリールメチルハライドを相間移動触媒
の存在下又は非存在下に反応させるものである。
【0170】前記アリールメチルハライドとしては、置
換ベンジルハライド、置換−α−ナフチルメチルハライ
ド、置換−β−ナフチルメチルハライド、2−ピリジル
メチルハライド,3−ピリジルメチルハライド、4−ピ
リジルメチルハライド、キノリルメチルハライド、ピペ
リジルメチルハライド、ピペラジルメチルハライド、ピ
ロリジルメチルハライド、ピロリルメチルハライド等の
含窒素ヘテロイルメチルハライドのいずれも使用でき、
ハライドとしては、塩化物,臭化物などを例示すること
ができる。
【0171】反応に用いられる不活性溶媒としては、例
えば、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエタンな
どのハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシレ
ンなどの芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホルムアミ
ドなどのホルムアミド系溶媒等を挙げることができる
が、反応を阻害しない有機溶媒であれば、特に制限なく
用いることができる。
【0172】塩基としては、トリメチルアミン,トリエ
チルアミン,ピリジン,イミダゾールなどの有機塩基、
水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウム,
炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができる。
【0173】また、相間移動触媒としては、テトラブチ
ルアンモニウムブロミド,ベンジルトリメチルアンモニ
ウムクロリドなどの四級アンモニウムハライド類、18
−クラウン−6などのクラウン化合物などを用いること
ができる。反応は、−20℃から溶媒の沸点までの間の
温度で円滑に進行する。
【0174】さらに、一般式(8’)で表される化合物
は、以下に示すようにして製造することができる。
【0175】
【化51】
【0176】(式中,R13,Sub,p及びnは前記と
同じ意味を表す。) 即ち、一般式(7)で表される化合物と一般式(b)で
表されるスルホニルクロリドとを、不活性溶媒中、塩基
の存在下に反応させることにより、一般式(8’)で表
される化合物を得ることができる。
【0177】反応に用いることのできる溶媒としては、
例えば、塩化メチレン,クロロホルム,ジクロロエタン
などのハロゲン化炭化水素、ベンゼン,トルエン,キシ
レンなどの芳香族炭化水素、DMF,ジエチルホルムア
ミドなどのホルムアミド系溶媒等を挙げることができる
が、反応を阻害しない有機溶媒であれば、特に制限なく
用いることができる。
【0178】また、用いることのできる塩基としては、
トリメチルアミン,トリエチルアミン,ジエチルイソプ
ロピルアミン、ピリジン,イミダゾールなどの有機塩
基、水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,炭酸ナトリウ
ム,炭酸カリウムなどの無機塩基を用いることができ
る。
【0179】一般式(7)で表される化合物の用いられ
る量は、一般式(b)で表されるスルホニルクロリド
(n=1)1molに対し、0.5mol〜3mol、
一般式(b)で表されるスルホニルクロリド(n=2)
1molに対し、2mol〜5mol程度が好ましい。
反応は、−10℃から用いられる溶媒の沸点までの温度
範囲で円滑に進行する。
【0180】本発明化合物は、反応終了後、通常の後処
理を行うことにより得ることができる。また、本発明化
合物の構造は、IR,NMR,MSなどから決定するこ
とができる。
【0181】
【実施例】次に、参考例、実施例、応用例を挙げて、本
発明を更に具体的に説明する。なお、以下の説明におい
ては、化合物番号は前記化45で示した反応スキーム中
の化合物番号に対応させている。
【0182】実施例1 トリアラルキル体(13)r=r’=ベンジル[1,4
−ジベンジルピペラジン−2−カルボン酸ベンジルエス
テル]の製造
【0183】
【化52】
【0184】光学活性ピペラジン−2−カルボン酸・2
塩酸塩90g(0.44mol)のDMF700mlの
懸濁溶液に、ベンジルクロリド184g(1.45mo
l)とトリエチルアミン350ml(2.5mol)と
を加え、60℃に保ちつつ6時間攪拌した。その後、反
応液を室温に冷却し、氷冷水2000mlにあけ、ヘキ
サン300mlで3回抽出した。ヘキサン層をまとめ
て、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ヘキサンを減圧
留去し、1,4−ジベンジルピペラジン−2−カルボン
酸ベンジルエステル121g(0.30mol)を得
た。 収率68% nD 23.61.5620
【0185】実施例2 N−保護体(14)r=ベンジル[1,4−ジベンジル
−2−ヒドロキシメチルピペラジン]の製造
【0186】
【化53】
【0187】光学活性1,4−ジベンジルピペラジン−
2−カルボン酸ベンジルエステル54g(0.135m
ol)をTHF500mlに溶解し、0℃に冷却した。
同温度で、この溶液に水素化リチウムアンモニウム5g
(0.132mol)を加え、5時間攪拌した。次い
で、飽和硫酸ナトリウム水溶液10mlを加え、室温で
2時間攪拌したのち、反応溶液を濾過した。濾液を減圧
下に濃縮後、クロロホルム200mlと1N塩酸500
mlを加えて水層を分取した。水層にクロロホルム30
0mlを加え、氷冷しながら、50%苛性ソーダ水溶液
でpHを11.5に調整し、分液した。水層をさらにクロ
ロホルム200mlで2回抽出後、クロロホルム層をま
とめて無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。析出
した粗結晶をヘキサン:エーテル(9:1)溶液で洗浄
することにより、光学純度100%eeの1,4−ジベ
ンジル−2−ヒドロキシメチルピペラジン29g(0.
098mol)を得た。収率73% mp.63−64
【0188】原料となるピペラジンカルボン酸・2塩酸
塩のS体及びR体から、それぞれ1,4−ジベンジル−
2−ヒドロキシメチルピペラジンを合成し、得られた生
成物のそれぞれを高速液体クロマトグラフィー(カラ
ム:光学活性パックOD、移動相:ヘキサン:エタノー
ル=100:20(0.5ml/min,23℃)を用
いて溶離時間(リテンションタイム:Rt)を測定し
た。その結果、S体(すなわち、(S)−ピペラジンカ
ルボン酸・2塩酸塩から得られた物)の溶離時間は1
3.0分、R体(すなわち、(R)−ピペラジンカルボ
ン酸・2塩酸塩から得られた物)の溶離時間は14.3
分であった。即ち、この反応の生成物は、光学純度10
0%eeの1,4−ジベンジル−2−ヒドロキシメチル
ピペラジンであることがわかった。
【0189】実施例3 三保護体(15)r=ベンジル,r=t−ブチルジメチ
ルシリル[1,4−ジベンジル−2−(t−ブチルジメ
チルシリルオキシメチル)ピペラジン]の製造
【0190】
【化54】
【0191】光学活性1,4−ジベンジルピペラジン−
2−メタノール32g(0.11mol)のDMF25
0ml溶液に、攪拌下、t−ブチルジメチルシリルクロ
リド18g(0.12mol)を添加した。次いで、イ
ミダゾール16.4g(0.24mol)のクロロホルム
溶液70mlを、室温で滴下後、4時間攪拌した。反応
溶液を水1000mlにあけ、ヘキサン300mlで2
回抽出し、ヘキサン層をまとめて無水硫酸マグネシウム
で乾燥した。ヘキサンを減圧留去した後、残渣をカラム
クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)
で精製し、1,4−ジベンジル−2−(t−ブチルジメ
チルシリルオキシメチル)ピペラジン44g(0.11
mol)を得た。収率100%
【0192】1H−NMR(300MHz)(CDCl3
,δppm):0.5(6H,s),0.9(9H,s),2.0-2.3(3H,m),
2.7-2.4(3H,m),2.8(1H,brd),3.3(1H,brd),3.4(2H,s),3.
6(1H,m),3.8-4.1(2H,m),7.3(10H,brs)
【0193】実施例4 ジアミン体(16)r”=t−ブチルジメチルシリル
[2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ピペ
ラジン]の製造
【0194】
【化55】
【0195】光学活性1,4−ジベンジル−2−(t−
ブチルジメチルシリルオキシメチル)ピペラジン54g
(0.13mol)のメタノール溶液500mlに、5
%パラジウムカーボン5gを加え、容量1000mlの
オートクレーブ中、5kgf/cm2 、70℃で水素を
5時間作用させた。反応溶液を濾過後、濃縮して、2−
(t−ブチルジメチルシリルオキシメチル)ピペラジン
39g(0.13mol)を得た。収率100%
【0196】1H−NMR(300MHz)(CDCl
3 ,δppm):0.5(6H,s),0.9(9H,s),2.1(2H,brs),2.
9(1H,t),2.6-3.0(6H,m),3.3-3.5(2H,m)
【0197】実施例5 4−アミド体(17)r”=t−ブチルジメチルシリ
ル,xy=トシル[2−(t−ブチルジメチルシリルオ
キシ)メチル−4−トシルピペラジン]の製造
【0198】
【化56】
【0199】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメ
チル)ピペラジン12.6g(55mmol)とトリメ
チルアミン23ml(164mmol)のクロロホルム
溶液200mlに、0℃で攪拌下、トシルクロリド1
0.4g(55mmol)のクロロホルム溶液50ml
を1時間で滴下し、2時間攪拌した。反応液を水にあ
け、分液し、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(eluent:ヘキサ
ン:酢酸エチル=1:6)にて精製し、表記化合物1
4.7g(38mmol)を得た。収率68%
【0200】1H−NMR(300MHz)(CDCl
3 ,δppm):0.5(6H,s),0.9(9H,s),2.0(1H,t),2.3
(1H,brt),2.4(3H,s),2.9(1H,brt),3.0(1H,m),3.4-3.6(4
H,m),7.3(2H,d),7.6(2H,d)
【0201】実施例6 アミノアルコール(1a)xy=トシル[4−トシルピ
ペラジン−2−メタノール]の製造
【0202】
【化57】
【0203】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチル−4−トシルピペラジン4.3g(11mmol)
のTHF溶液40mlに、1Mのテトラブチルアンモニ
ウムフルオリドTHF溶液11mlを0℃で攪拌下に滴
下した。1時間後、溶媒を減圧留去し、残渣に水50m
lと酢酸エチル50mlとを加えて分液した。有機層を
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して得られた
残渣をエチルエーテルで再結晶して、表記化合物2.0
g(7.4mmol)を得た。 収率67% mp.135−136℃
【0204】参考例1 1−アルキル体(18)r”=t−ブチルジメチルシリ
ル,xy=トシル,R=2−ピリジルメチル[2−(t
−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル−1−(2−ピ
リジルメチル)−4−トシルピペラジン]の製造
【0205】
【化58】
【0206】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチル−4−トシルピペラジン1.0g(2.6mmo
l)と炭酸カリウム0.9g(6.5mmol)とのD
MF20mlの懸濁溶液に、室温で、2−(クロロメチ
ル)ピリジン塩酸塩510mg(3.1mmol)を添
加後、80℃で3時間攪拌した。その後、反応溶液を水
にあけ、酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネ
シウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマト
グラフィー(eluent:酢酸エチル)にて精製し、
表記化合物0.9g(1.9mmol)を得た。収率7
3%
【0207】1H−NMR(300MHz)(CDCl
3 ,δppm):0.5(6H,s),0.9(9H,s),2.4(3H,s),2.7-
2.9(4H,m),2.9-3.0(1H,m),3.1-3.2(1H,m),3.3-3.4(1H,
m),3.5-3.7(2H,m),3.8-3.9(1H,m),4.0(1H,d),7.1-7.2(1
H,m),7.3(3H,d),7.5-7.7(3H,m),8.5(1H,d)
【0208】実施例7 アミノアルコール(1b)xy=トシル,R=2−ピリ
ジルメチル[1−(2−ピリジルメチル)−4−トシル
ピペラジン−2−メタノール]の製造
【0209】
【化59】
【0210】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチル−1−(2−ピリジルメチル)−4−トシルピペ
ラジン0.9g(1.9mmol)のメタノール溶液に
室温で濃塩酸0.2mlを添加し、40℃で3時間攪拌
した。反応終了後、溶媒を減圧留去し、残液に水10m
lとエーテルを加えて分液した。水層を分取し、水層の
pHを11としたのち、酢酸エチルで抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(eluent:クロロホルム:メタノール=
10:1)にて精製し、表記化合物580mg(1.6
0mmol)を得た。 収率85% nD 23.61.5625
【0211】実施例8 アミノアルコール(1b)xy=トシル,R=2,2−
ジメチルプロピル[1−(2,2−ジメチルプロピル)
−4−トシルピペラジン−2−メタノール]の製造
【0212】
【化60】
【0213】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチル−4−トシルピペラジン1.0g(2.6mmo
l)とトリメチルアミン1.1ml(7.8mmol)
のクロロホルム溶液5mlに、ピバル酸クロリド320
mg(2.6mmol)を攪拌下添加し、30分間攪拌
した。反応終了後、反応液を濃縮し、残渣に水10ml
とエーテル10mlとを加えて分液した。有機層を分取
し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減
圧留去した。得られた残渣をTHF10mlに溶解し、
攪拌下に水素化リチウムアルミニウム180mg(4.
7mmol)を室温で添加した。反応混合物を3時間還
流後、室温に冷却し、飽和硫酸ソーダ水溶液0.5ml
を添加して、さらに3時間攪拌した。反応混合物を濾過
し、母液を濃縮乾固して得られた残渣を酢酸エチルで洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮して、
表記化合物170mg(0.5mmol)を得た。収率
21%
【0214】1H−NMR(300MHz)(CDCl
3 ,δppm):0.8(9H,s),2.2(2H,s),2.3-2.4(1H,m),
2.4(3H,s),2.5-2.8(4H,m),3.0-3.3(3H,m),3.7-3.8(2H,
m),7.3(2H,d),7.6(2H,d)
【0215】実施例9 アミノアルコール(1b)xy=トシル,R=メチル
[1−メチル−4−トシルピぺラジン−2−メタノー
ル]の製造
【0216】
【化61】
【0217】4−トシルピペラジン−2−メタノール5
40mg(2.0mmol)、37%ホルムアルデヒド
水溶液0.45ml、蟻酸0.6ml及び水0.15m
lの混合液を3時間還流した。反応混合物を0℃に冷却
した後、苛性ソーダ水溶液を加えて弱アルカリ性として
から、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をエーテルで再
結晶して、表題の化合物500mg(1.7mmol)
を得た。収率85% mp.178−180℃
【0218】実施例10 モノアミノ体(19)r”=t−ブチルジメチルシリル
オキシ,Z=フェニルメチルオキシカルボニル[2−
(t−ブチリジメチルシリルオキシメチル)−4−フェ
ニルメチルオキシカルボニルピペラジン]の製造
【0219】
【化62】
【0220】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシメ
チル)ピペラジン5.0g(22mmol)とトリエチ
ルアミン9.1ml(65mmol)とのクロロホルム
溶液50mlに、0℃で攪拌下、クロロ蟻酸ベンジルエ
ステル3.3ml(22mmol)のクロロホルム溶液
15mlを30分で滴下し、室温で1.5時間攪拌し
た。反応終了後、反応液を水にあけ、分液した。有機層
を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、表記
化合物10.1g(22mmol)を得た。収率100
% nD 20.51.5056
【0221】実施例11 二保護体(10)r”=t−ブチルジメチルシリル,Z
=フェニルメチルオキシカルボニル,xy=トシル[2
−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)メチル−4−フ
ェニルメチルオキシカルボニル−1−トシルピペラジ
ン]の製造
【0222】
【化63】
【0223】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチル−4−フェニルメチルオキシカルボニルピペラジ
ン10.1g(22mmol)のクロロホルム80ml
溶液に、トリエチルアミン10.9ml(78mmo
l)を加えて、そこへトシルクロリド5.0g(26m
mol)のクロロホルム溶液20mlを0℃で滴下し
た。滴下終了後、室温でさらに1時間攪拌した。反応液
を水にあけ、分液した。有機層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥後、溶媒を減圧留去し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(eluent:ヘキサ
ン:酢酸エチル=5:1)にて精製し、表記化合物1
0.5g(20mmol)を得た。収率91% nD
22.41.5233
【0224】実施例12 アミノアルコール(1c)xy=トシル[1−トシルピ
ペラジン−2−メタノール]の製造
【0225】
【化64】
【0226】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチル−4−フェニルメチルオキシカルボニル−1−ト
シルピペラジン2.4g(4.6mmol)のTHF溶
液30mlに、1Mテトラブチルアンモニウムフルオリ
ドTHF溶液4.6mlを、攪拌下、0℃で添加し、室
温でさらに2時間攪拌した。反応液を水にあけ、酢酸エ
チルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をエーテルで洗
浄し、乾燥してから、メタノール20mlに溶解させ
た。次いで、このメタノール溶液に5%パラジウムカー
ボン420mgを加え、常圧下、室温で2時間水素添加
した。反応液を濾過し、溶媒を減圧留去して表記化合物
1.1g(4.0mmol)を得た。収率89%
【0227】1H−NMR(300MHz)(CDCl
3 ,δppm):2.4(3H,s),2.6-2.9(3H,m),3.1(1H,br
d),3.4(1H,brt),3.7(1H,brd),3.8-4.0(3H,m),7.3(2H,
d),7.7(2H,d)
【0228】実施例13 1−アミド体(21)r”=t−ブチルジメチルシリ
ル,xy=トシル[2−(t−ブチルジメチルシリルオ
キシ)メチル−1−トシルピペラジン]の製造
【0229】
【化65】
【0230】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチル−4−フェニルメチルオキシカルボニル−1−ト
シルピペラジン10.5g(20mmol)をメタノー
ル60mlに溶解し、5%パラジウムカーボン2gを加
えて、常圧下、室温で18時間水素添加した。反応液を
濾過し、溶媒を減圧留去し、残渣をエーテルで洗浄し、
表記化合物5.7g(15mmol)を得た。 収率73% mp.181−183℃
【0231】実施例14 アミノアルコール(1d)R=2−ピリジルメチル,x
y=トルイル[4−(2−ピリジルメチル)−1−トル
イルピペラジン−2−メタノール]の製造
【0232】
【化66】
【0233】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチル−4−フェニルメチルオキシカルボニルピペラジ
ン2.4g(5mmol)をメタノール15mlに溶解
し、5%パラジウムカーボン0.4gを添加し、常圧下
室温で5時間水素添加した。反応液を濾過し、濾液を減
圧濃縮した。得られた残渣をDMF10mlに溶解し、
炭酸カリウム1.3g(9.4mmol)を加えた。こ
の溶液に、2−(クロロメチル)ピリジン塩酸塩0.8
g(4.9mmol)を室温で滴下し、滴下終了後、さ
らに50℃で6時間反応させた。反応液を水にあけ、酢
酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、減圧濃縮して得た残渣を6N−塩酸10mlに
懸濁させた。室温で3時間攪拌した、クロロホルムを加
え、分液した。水層をpH=14にして、クロロホルム
を加え、分液した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(eluent:メタノール:クロ
ロホルム=1:10)で精製し、表記化合物370mg
を得た。収率23%
【0234】1H−NMR(300MHz)(CDCl
3 ,δppm):2.1(1H,t),2.2-2.3(1H,m),2.4(3H,s),
2.7-3.1(4H,m),3.2-3.3(1H,m),3.7(2H,s),4.2-4.4(2H,
m),7.1-7.3(3H,m),7.4(1H,d),7.6(1H,t),7.9(2H,d),8.5
(1H,brd)
【0235】実施例15 アミノアルコール(1d)R=2−ピリジルメチル,x
y=トシル[4−(2−ピリジルメチル)−1−トシル
ピペラジン−2−メタノール]の製造
【0236】
【化67】
【0237】1−トシルピペラジン−2−メタノール
2.0g(7.4mmol)と炭酸カリウム2.1g
(15.0mmol)とをDMF20mlに溶解し、こ
の混合溶液に、2−(クロロメチル)ピリジン塩酸塩
1.3g(7.9mmol)を添加し、50℃で18時
間攪拌した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出
後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮
した。残渣をエーテルで洗浄し、表題の化合物2.5g
を得た。収率94% mp.110℃
【0238】同様にして、Rが、3−ピリジルメチル,
2−キノリルメチル,ベンジル基の化合物も製造するこ
とができた。
【0239】実施例16 {1,3−ビス〔3−(ヒドロキシメチル)−1−ピペ
ラジニルスルホニル〕−2,4,6−トリメチルベンゼ
ン}の製造
【0240】
【化68】
【0241】2−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)
メチルピペラジン 1.0g(4.34mmol)とト
リエチルアミン 1.2ml(8.68mmol)のク
ロロホルム溶液12mlに、0℃で攪拌下、2,4,6
−トリメチル−1,3−ベンゼンジスルホニルジクロリ
ド 690mg(2.17mmol)を添加し、室温で
4時間攪拌した。反応液を水にあけ、分液し、クロロロ
ホルム層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を
減圧留去した。得られた残渣を6N塩酸20mlとTH
F20mlの混合溶媒に溶解した。この溶液を室温で4
時間攪拌した後、水酸化ナトリウム水溶液でpH=11
として、クロロホルムで抽出した。クロロロルム層を無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去し
て、表記化合物460mg(1.0mol)を得た。収
率44%mp.138−140℃
【0242】上記実施例を含め、同様にして製造される
光学活性アミノアルコール化合物(1)の代表例を第1
〜3表に示す。また、NMRスペクトルデーターを第4
表にまとめて示す。
【0243】
【表101】
【0244】
【表102】
【0245】
【表103】
【0246】
【表104】
【0247】
【表105】
【0248】
【表106】
【0249】
【表107】
【0250】
【表108】
【0251】
【表109】
【0252】
【表110】
【0253】
【表111】
【0254】
【表112】
【0255】
【表201】
【0256】
【表202】
【0257】
【表301】
【0258】
【表302】
【0259】
【表4】
【0260】
【発明の効果】以上の様にして得られる本発明の光学活
性化合物を用いて、他の光学活性化合物を合成する応用
例を次に示す。
【0261】応用例1 ベンツアルデヒドから光学活性1−フェニル−1−プロ
パノールの製造
【0262】
【化69】
【0263】前記で得られた4−(2−ピリジルメチ
ル)−1−トシルピペラジン−2−メタノール200m
g(0.54mmol)の塩化メチレン7ml溶液に、
ジエチル亜鉛1.0Mヘキサン溶液5.4mlを加え、
この混合液に、ベンツアルデヒド290mg(2.7m
mol)の塩化メチレン溶液1mlを、0℃で攪拌下1
0分で滴下した。反応液を室温に戻し、さらに48時間
攪拌した。反応終了後、反応液を希塩酸にあけ、エーテ
ルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧濃縮して、表記化合物の粗成物を得た。このも
のを 1H−NMR及び光学活性HPLCで分析した結
果、1−フェニル−1−プロパノールが、化学収率92
%、光学純度72%eeで得られたことがわかった。
【0264】応用例2 アセトフェノンから光学活性1−フェニル−1−エタノ
ールの製造
【0265】
【化70】
【0266】4−トシルピペラジン−2−メタノール2
00mg(0.74mmol)をTHF5mlに溶解
し、10規定のボラン・ジメチルスルフィド錯体0.7
3mlを加えて1時間還流した。反応混合物を0℃に冷
却後、アセトフェノン440mg(3.7mmol)の
THF溶液1.5mlを滴下した。18時間反応させた
後、反応液を3N−塩酸にあけ、エーテルで抽出した。
有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、
表記化合物の粗成物を得た。このものを 1H−NMR及
び光学活性HPLCで分析した結果、1−フェニル−1
−エタノールが化学収率97%、光学純度68%eeで
得られたことがわかった。
【0267】応用例3 (S)−1−フェニルエチルアミンの合成
【0268】
【化71】
【0269】(S)−4−トシルピペラジン−2−メタ
ノール(370mg,1.4mmol)をTHF8ml
に溶解し、10規定のボランジメチルスルフィド錯体
0.27mlを加えて10分間還流した。次いで、アセ
トフェノンのO−メトキシオキシム(210mg,1.
4mmol)のTHF溶液1mlを室温で添加し、40
〜50℃で6時間攪拌した。反応終了後、反応混合物を
室温に冷却し、該混合物を3N−塩酸中にあけ、この溶
液から低沸点物を減圧留去した後、残液に酢酸エチルを
加えて分液し、水層を分取した。水層のpHを14とし
てクロロホルムで抽出した。このクロロホルム溶液を硫
酸マグネシウムで乾燥後、得られたクロロホルム溶液を
1H−NMRスペクトルにより分析した結果、目的とす
る1−フェニルエチルアミンが、収率60%で得られた
ことがわかった。
【0270】次いで、該クロロホルム溶液にトリエチル
アミン(1ml,7mmol)とクロロ蟻酸エチルエス
テル(0.5ml,4.5mmol)を0℃で加え、1
時間同温度で攪拌した後、水にあけ、有機層を分取し
た。溶媒を減圧留去して得られた粗製の(S)−1−フ
ェニルエチルアミンのN−エトキシカルボニル体を分析
した結果、目的とする(S)−1−フェニルエチルアミ
ンが、光学純度84%eeで得られたことが分かった。
【0271】以上説明したように、本発明は新規な光学
活性アミノアルコール化合物及びその中間体である。本
発明化合物は、応用例1〜3に示したように、不斉合成
において触媒又は補助基として有用である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は、水素原子,C1-6 アルキル基,C3-8
    シクロアルキル基,置換基を有していてもよいC7-13
    ラルキル基又は置換基を有していてもよい含窒素ヘテロ
    環で置換されたC1-3 アルキル基を表し、 R2 は、水素原子又はRa b c Si基を表し、
    a ,Rb 及びRc は、同一又は相異なって、C1-6
    ルキル基、C3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表
    す。Xは、カルボニル基又はスルホニル基を表し、 Yは、置換基を有していてもよいC1-20アルキル基、置
    換基を有していてもよいC1-20アルケニル基、置換基を
    有していてもよいC3-8 シクロアルキル基、置換基を有
    していてもよいアリール基、又は下記一般式(a) 【化2】 (式中、R1 ,R2 及びXは前記と同じ意味を表し、S
    ubは、C1-6 アルキル基、ハロゲン原子又はC1-6
    ルコキシ基を表し、pは0又は1〜4の整数を表す。)
    で表される基を表す。〕で表される、ピペラジン環上に
    不斉炭素原子を有する光学活性ピペラジン化合物。
  2. 【請求項2】一般式(1−1) 【化3】 〔式中、R3 は、水素原子、C1-6 アルキル基、C3-8
    シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC7-13
    ラルキル基又は置換基を有していてもよい含窒素ヘテロ
    環で置換されたC1-3 アルキル基を表し、 R4 は、水素原子又はRa b c Si基を表し、
    a ,Rb ,Rc は、同一又は相異なって、C1-6 アル
    キル基、C3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表
    す。Y1 は、置換基を有していてもよいC1-20アルキル
    基、置換基を有していてもよいC1-20アルケニル基、置
    換基を有していてもよいC3-8 シクロアルキル基、置換
    基を有していてもよいアリール基、又は下記一般式
    (a) 【化4】 (式中、R1 ,R2 及びXは前記と同じ意味を表し、S
    ubは、C1-6 アルキル基、ハロゲン原子又はC1-6
    ルコキシ基を表し、pは0又は1〜4の整数を表す。)
    で表される基を表す。また、*は不斉炭素原子であるこ
    とを表す。但し、R3 が水素原子で、Y1 がC1-20アル
    キル基又は3,4,5−トリメトキシフェニル基である
    化合物、及びR3 がベンジル基で、Y1 が3,4,5−
    トリメトキシフェニル基である化合物を除く。〕で表さ
    れる光学活性ピペラジン化合物。
  3. 【請求項3】一般式(1−2) 【化5】 〔式中、R5 は、水素原子,C1-6 アルキル基,C3-8
    シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC7-13
    ラルキル基又は置換基を有していてもよい含窒素ヘテロ
    環で置換されたC1-3 アルキル基を表し、 R6 は、水素原子又はRa b c Si基を表し、
    a ,Rb ,Rc は、同一又は相異なって、C1-6 アル
    キル基、C3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表
    す。Y2 は、置換基を有していてもよいC1-20アルキル
    基、置換基を有していてもよいC1-20アルケニル基、置
    換基を有していてもよいC3-8 シクロアルキル基、置換
    基を有していてもよいアリール基、又は下記一般式
    (a) 【化6】 (式中、R1 ,R2 ,X,Sub及びpは前記と同じ意
    味を表す。)で表される基を表す。また、*は不斉炭素
    原子であることを表す。但し、R5 がベンジル基で、Y
    2 が4−メトキシフェニル又は3,4,5−トリメトキ
    シフェニル基である化合物を除く。〕で表される光学活
    性ピペラジン化合物。
  4. 【請求項4】一般式(1−3) 【化7】 〔式中、R7 は、水素原子,C1-6 アルキル基,C3-8
    シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC7-13
    ラルキル基又は置換基を有していてもよい含窒素ヘテロ
    環で置換されたC1-3 アルキル基を表し、 R8 は、水素原子又はRa b c Si基を表し、
    a ,Rb ,Rc は、同一又は相異なって、C1-6 アル
    キル基、C3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表
    す。Y3 は、置換基を有していてもよいC1-20アルキル
    基、置換基を有していてもよいC1-20アルケニル基、置
    換基を有していてもよいC3-8 シクロアルキル基、置換
    基を有していてもよいアリール基、又は下記一般式
    (a) 【化8】 (式中、R1 ,R2 ,X,Sub及びpは前記と同じ意
    味を表す。)で表される基を表す。〕で表される、ピペ
    ラジン環上に不斉炭素原子を有する光学活性ピペラジン
    化合物。
  5. 【請求項5】一般式(2) 【化9】 〔式中、R9 ,R10は、それぞれ独立して水素原子又は
    アラルキル基を表し、R 11は、水素原子又はRa b
    c Si基を表し、Ra ,Rb ,Rc は、同一又は相異な
    って、C1-6 アルキル基、C3-8 シクロアルキル基又は
    フェニル基を表す。また、*は不斉炭素原子であること
    を表す。〕で表される光学活性ピペラジン化合物。
  6. 【請求項6】一般式(3) 【化10】 (式中、R’”は、水素原子又は低級アルキル基を表
    し、*は不斉炭素原子であることを表す。)で表される
    光学活性ピペラジン化合物に、一般式R12−V1 (R12
    は、アラルキル基を表し、V1 はハロゲン原子を表
    す。)で表されるアラルキルハライドを作用させて、一
    般式(4)又は(4’) 【化11】 (式中、R’”及び*は前記と同じ意味を表し、R12
    アラルキル基を表す。)で表される化合物を得る工程
    と、 前記一般式(4)又は(4’)で表される化合物に還元
    剤を作用させて、一般式(5) 【化12】 (式中、R12は前記と同じ意味を表し、*は不斉炭素原
    子であることを表す。)で表される化合物を得る工程
    と、 前記一般式(5)で表される化合物に、式R13−V
    2 (式中、R13は、Ra b c Si基を表し、Ra
    b ,Rc は、同一又は相異なって、C1-6 アルキル
    基、C3-8 シクロアルキル基又はフェニル基を表し、V
    2 はハロゲン原子を表す。)で表される化合物を作用さ
    せることにより、一般式(6) 【化13】 (式中、R12,R13は前記と同じ意味を表し、*は不斉
    炭素原子であることを表す)で表される化合物を得る工
    程と、 前記一般式(6)で表される化合物を脱保護する工程を
    有する、 一般式(7) 【化14】 (式中、R13は前記と同じ意味を表し、*は不斉炭素原
    子であることを表す。)で表される光学活性ピペラジン
    化合物の製造方法。
  7. 【請求項7】前記一般式(7)で表される化合物に、Y
    4 4 −V4 (式中、X4 は、カルボニル基又はスルホ
    ニル基を表し、Y4 は、置換基を有していてもよいC
    1-20アルキル基、置換基を有していてもよいC1-20アル
    ケニル基、置換基を有していてもよいC3-8 シクロアル
    キル基、置換基を有していてもよいアリール基を表し、
    4 はハロゲン原子を表す。)で表される化合物を作用
    させる工程を有する、一般式(8) 【化15】 (式中、X4 ,Y4 及び*は、前記と同じ意味を表
    す。)で表される光学活性ピペラジン化合物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】前記一般式(7)で表される化合物に、式
    Z−L(式中、ZはN−保護基を表し、Lは脱離基を表
    す。)で表される化合物を作用させることにより、一般
    式(9) 【化16】 (式中、Z,R13及び*は前記と同じ意味を表す。)で
    表される化合物を得る工程と、 前記一般式(9)で表される化合物に、Y5 5 −V5
    (式中、X5 は、カルボニル基又はスルホニル基を表
    し、Y5 は、置換基を有していてもよいC1-20アルキル
    基、置換基を有していてもよいC1-20アルケニル基、置
    換基を有していてもよいC3-8 シクロアルキル基、置換
    基を有していてもよいアリール基を表し、V5 はハロゲ
    ン原子を表す。)で表される化合物を作用させることに
    より、一般式(10) 【化17】 (式中、X5 ,Y5 ,Z,R13及び*は前記と同じ意味
    を表す。)で表される化合物を得る工程と、 前記一般式(10)で表される化合物を脱保護する工程
    を有する、 一般式(11) 【化18】 (式中、X5 ,Y5 ,R13及び*は前記と同じ意味を表
    す。)で表される光学活性ピペラジン化合物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】一般式(7) 【化19】 (式中、R13は前記と同じ意味を表し、*は不斉炭素原
    子であることを表す。)で表される化合物に、塩基の存
    在下に、一般式(b) 【化20】 (式中,Subは、C1-6 アルキル基、ハロゲン原子又
    はC1-6 アルコキシ基を表し、pは0又は1〜4の整数
    を表し、nは1又は2を表す。)で表される化合物を作
    用させることを特徴とする、一般式(8’) 【化21】 (式中,Sub,R13,p及びnは前記と同じ意味を表
    す。)で表される化合物の製造方法。
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