JP2004155756A - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

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潤 竹原
Keihei Kiyoku
景平 曲
Kazuaki Sugano
和明 菅野
Shihobi Suzuki
志穂美 鈴木
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Abstract

【課題】医薬等の合成中間体として有用なチオフェン環含有光学活性アルコールを、高い反応収率、高い光学収率、かつ工業的に安価で得る方法の提供。
【解決手段】チオフェン環を有するβケトカルボニル化合物を、周期律表第8族又は9族金属化合物(例えば、ルテニウム化合物)及び特定の光学活性ジアミン誘導体で表される不斉配位子(例えば、ジフェニルエチレンジアミン誘導体)より構成される触媒の存在下、より好ましくは水素供与体、塩基の存在下、不斉還元することを特徴とする、チオフェン環含有光学活性アルコールの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チオフェン環を有する光学活性アルコールの製造方法に関し、詳細には、チオフェン環含有βケトカルボニル化合物を不斉還元することを特徴とする、医薬等の合成中間体として有用なチオフェン環含有光学活性アルコールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性2級アルコール類、特に光学活性βヒドロキシカルボニル化合物は、医薬の不斉合成等において有用な中間体である。
従来、チオフェン環を有する光学活性βヒドロキシカルボニル化合物を製造する方法としては、プロキラルな原料(3−オキソ−3―チオフェン―2―イル―プロピオン酸 メチルエステル)を不斉水素化する方法として、Ru−光学活性ホスフィン錯体を触媒とする方法が知られているが、光学収率が不十分であり、工業的製造においては多くの問題が残されていた。
【0003】
【非特許文献1】
J.Organometallic Chem.567,163(1998)
【非特許文献2】
Tetrahedron Lett.,36,4801(1995)
【非特許文献3】
C.R.Acad.Sci.Paris,t.2,Serie IIc,175(1999)
【非特許文献4】
Tetrahedron,57,2563(2001)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、触媒量の不斉源を用い、高い反応収率および光学収率で、安価で工業的に、目的とするチオフェン環含有光学活性アルコールを製造する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の配位子を用いた金属触媒を用いた不斉還元により、高選択率で目的化合物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨は、下式(1)
【0006】
【化8】
Figure 2004155756
【0007】
(式中、XはOR(Rはアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。)又はNR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。)を示す。)で表されるβケトカルボニル化合物を、周期律表第8族又は第9族金属化合物及び下記一般式(2)
【0008】
【化9】
Figure 2004155756
【0009】
(式中、R及びRはそれぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。また、RとRは互いに結合し環を形成しても良い。R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アシル基、カルバモイル基、チオアシル基、チオカルバモイル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を示す。*は不斉炭素を示す。)で示される不斉配位子より構成される触媒の存在下、不斉還元することを特徴とする下式(3)
【0010】
【化10】
Figure 2004155756
【0011】
(式中、XはOR(Rは低級アルキル基又はアラルキル基を示す。)又はNR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を示す。)を示す。*は不斉炭素を示す。)で示される光学活性アルコールの製造方法、並びに下記一般式(7)で示される光学活性アルコールに存する。
【0012】
【化11】
Figure 2004155756
【0013】
(式中、XはNR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。)を示す。*は不斉炭素を示す。)
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明につき、詳細に説明する。
本発明の製造方法において出発原料となるβケトカルボニル化合物は、前記一般式(1)で表される。R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ターシャリーペンチル基、イソアミル基、n−へキシル基等の直鎖、分岐鎖もしくは環状アルキル基;フェニル基、メシチル基、ナフチル基等アリール基;又は、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ジフェニルメチル基等のアラルキル基を示す。このうちアルキル基として好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、さらに好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、特に好ましくはメチル基又はエチル基であり、アリール基として好ましくは炭素数6〜10のアリール基、より好ましくはフェニル基であり、アラルキル基として好ましくは炭素数7〜16のものであり、より好ましくはベンジル基である。
特には、R及びRのいずれか一方が水素原子であり、他方が、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基又はベンジル基のものが好ましく、より好ましくはR及びRのいずれか一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜4のアルキル基のものである。
【0015】
本発明においては、かかるβケトカルボニル化合物を、周期律表第8族又は9族金属化合物及び前記(2)式で示される不斉配位子より構成される触媒の存在下、不斉還元する。(2)式においてR及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基である。上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等の炭素数1〜6のものが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、4−メチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜12のものが挙げられ、芳香族複素環基としてはフリル基、ピリジル基等の窒素原子、酸素原子、イオウ原子等を含む5〜6員環のものが挙げられる。また、RとRは一緒になってこれらが結合している炭素原子と共に、シクロヘキサン環、シクロペンタン環等の炭素環又はテトラヒドロフラン環、ピロリジン環、テトラヒドロチオフェン環等の酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を環内に含んだ複素環を形成することもできる。これらの基はさらに置換基を有していてもよく、かかる置換基としてはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基;及び塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子から選ばれる1個もしくは2個以上の基である。このうち、R及びRとしては、置換されていても良いフェニル基が好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物において、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等のアルキル基;アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基;N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等のカルバモイル基;チオアセチル基、チオプロピオニル基、チオベンゾイル基等のチオアシル基;N−メチルチオカルバモイル基、N−フェニルチオカルバモイル基等のチオカルバモイル基;メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、クロロメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基等のアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、トリルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等のアリールスルホニル基である。上記アルキル基、アシル基、カルバモイル基、チオアシル基及びチオカルバモイル基として好ましくは炭素数8以下、より好ましくは炭素数4以下のものであり、アルキルスルホニル基及びアリールスルホニル基としては、炭素数20以下のものが好ましい。
【0016】
本発明において、R及びRのいずれか片方がアルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基であるのが好ましく、より好ましくはR及びRのいずれか片方がアリールスルホニル基である場合であり、特にはR及びRのいずれか片方がトリルスルホニル基であるのが好ましい。
前記(2)式で示される不斉配位子の中、好ましくは、下記一般式(4)で示されるジアミン誘導体である。
【0017】
【化12】
Figure 2004155756
【0018】
(式中、Rは置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R10及びR11は、それぞれ独立して置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。*は不斉炭素を表す。)
は置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基である。上記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜20のものが挙げられ、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のものが挙げられる。かかるアルキル基及びアリール基の置換基としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基等が挙げられる。
【0019】
で定義される炭素数1〜4のアルキル基としては、上記R〜R、R、Rで定義したものと同様のアルキル基であって、炭素数1〜4のものを挙げることができる。
10及びR11で定義される置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、上記R及びRで定義したものと同様のものを挙げることができる。
【0020】
本発明における更に好ましい不斉配位子は、下記一般式(5)で示される。
【0021】
【化13】
Figure 2004155756
【0022】
(式中、R13は水素原子又は低級アルキル基を示し、R12、R14及びR15はそれぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子又は低級アルコキシ基を示す。l、m、nはそれぞれ独立して1〜5の整数を示す。*は不斉炭素を示す。)
13で定義される低級アルキル基としては、上記R〜R、R、Rで定義したものと同様のアルキル基であって、炭素数1〜4のものを挙げることができる。
【0023】
12、R14及びR15で定義される低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が、低級アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。
【0024】
かかる不斉配位子の具体例としては、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−メチル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−メチル−N’−トシル− 1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−p−メトキシフェニルスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−p−クロロフェニルスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−p−メシチルスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(2,4,6−トリ−i−プロピル)フェニルスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン等が挙げられる。
【0025】
周期律表第8族又は第9族金属化合物としては、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、コバルト等のハロゲン化物、オレフィン錯体、アレーン錯体又はカルボニル錯体が挙げられ、このうちルテニウム化合物が好ましい。該化合物の好ましい具体例としては、RuCl−3HO、[RuCl(p−cymene)]、[RuCl(benzene)]、[RuCl(mesytilene)]、[RuCl(hexamethylbenzene)]、RuCl(PPh、[RuCl(cod)]n、[RuCl(CO)、[Rh(cod)Cl]、[RhCl(pentamethylcyclopentadienyl)]、[Ir(cod)Cl]、CoClなどが例示され、特に[RuCl(p−cymene)]が好ましい。なお、上記化合物のPhはフェニル基、codはシクロオクタジエンを示す。
【0026】
不斉配位子と金属化合物からの触媒生成は、J.Am.Chem.Soc.,1995,117,p7562などにおいて開示されている公知の方法や、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,1997,36,p285に記載のように錯体を結晶として単離して用いる方法が使用できる。
予め触媒を調製単離する方法の場合には、不斉還元反応前に溶媒中で上述の金属化合物と不斉配位子を反応させ、得られる触媒を単離する。
この場合用いられる溶媒としては反応に影響を与えない限り特に限定されないが、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテル類;メタノールやエタノール、2−プロパノール等のアルコール類;ベンゼンやトルエン等の芳香族炭化水素類;アセトニトリルやN,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が好ましく、特に2−プロパノールが好ましい。
不斉配位子と金属化合物との反応は、理論的には等モル量反応であるが、触媒調製速度の点から不斉配位子を金属化合物に対して等モル量以上用いるのが好ましい。特に、ルテニウム化合物として[RuCl(p−cymene)]を用い、不斉配位子としては化合物(2)(式中、R及びRは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいアリール基を示し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を示す。また、*は不斉炭素を示す。)を用いた場合には、等モル量で触媒調製が速やかに進行するので好ましい。
また、Yがハロゲン原子である触媒の場合には、調整時に塩基を共存させるのが好ましい。この場合の塩基としてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンなどの第3級有機アミン類;LiOH、NaOH、KOH、KCOなどの無機塩基;又は、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等の金属アルコキシドが挙げられ、このうち第3級有機アミン類が好ましく、特にトリエチルアミンが好適である。塩基の添加量は金属原子に対して等モル以上である。
反応は、通常、0℃以上溶媒の還流温度以下で行われ、反応温度が高い方が触媒の調製速度は早くなり好ましい。但し、あまり高温すぎると触媒の分解が起こる場合もあるため、通常、120℃以下、好ましくは100℃以下で行われる。
また、金属化合物と不斉配位子を溶媒存在下で混合した時点では、通常、スラリー状態を採ることが多く、触媒の形成が進行するに伴い溶液状態へと変化するので、それにより反応の終了を確認することもできる。
反応終了後、反応液を濃縮する又は貧溶媒を添加する等の一般的な晶析手法により、目的とする触媒を分離することができる。また、上記調製において、ハロゲン化水素塩が副生する場合には、必要に応じて水洗の操作を行っても良い。
また、不斉還元反応系中で触媒調製を同時に行う場合は、水素供与体共存下で、上述のルテニウム化合物および不斉配位子を接触させてから還元基質を加える方法、又は、ルテニウム化合物、不斉配位子及び還元基質を同時に加える方法を挙げることができ、これらのいずれの場合においても、金属化合物と不斉配位子の使用量比等は、前述と同様である。また、反応溶媒や温度等の反応条件は後述の不斉還元反応条件に準ずればよい。
このように上述の不斉配位子と金属化合物から生成させる触媒としては、特に上記一般式(4)で表されるものが好適に使用される。
【0027】
【化14】
Figure 2004155756
【0028】
(式中、R17は置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、R16は水素原子又は低級アルキル基を示す。R18及びR19は、それぞれ独立して置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を示す。Arは置換基を有していても良いアリール基を示し、Yは水素原子又はハロゲン原子を示す。*は不斉炭素を表す。)
16で定義される低級アルキル基としては、上記R〜R、R、Rで定義したものと同様のアルキル基であって、炭素数1〜4のものを挙げることができる。
【0029】
17で定義される置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基としては、上記Rで定義したものと同様のものを挙げることができる。
18及びR19で定義される置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基、置換基を有していても良い芳香族複素環基としては、上記R及びRで定義したものと同様のものを挙げることができる。
【0030】
Arとしては、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のものが挙げられ、環上にメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよい。
ここでYがハロゲン原子の場合には、上記一般式(4)で表される化合物を、塩基性条件下で、水素供与体と接触させることにより容易にYが水素原子のものに変換することができる。ここで、水素供与体としては、水素化ホウ素化合物等の金属水素化物やギ酸、2−プロパノール等の水素移動型還元反応において、水素供与体として一般的に用いられるようなものが同様に用いられ、その使用量としては、ヒドリド換算で触媒に対して等モル量以上であればよい。また、塩基性条件とするために用いる塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンなどの第3級有機アミン類;LiOH、NaOH、KOH、KCOなどの無機塩基;又は、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。また、Yがハロゲン原子のモノから水素原子のモノへの変換は、不斉還元反応に供する前に予め行っておいても良いし、不斉還元反応系中で行っても良い。
【0031】
本発明の不斉還元反応は、上記一般式(1’)又は(3)で表されるβケトカルボニル化合物に水素供与体の共存下、上述の方法で得られる触媒を反応させる。該水素供与体としては、ギ酸、2−プロパノール等の一般的な水素移動型還元反応に用いられるようなものであれば特に限定ない。
また、不斉還元反応は塩基存在下で実施されることが好ましい。塩基が存在すると触媒が安定化し、また不純物による活性低下等が防止できる。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンなどの第3級有機アミン類やLiOH、NaOH、KOH、KCOなどの無機塩基が挙げられる。好適な塩基はトリエチルアミンである。塩基は、触媒に対して過剰量、例えばモル比で1〜10000倍用される。トリエチルアミンを使用する場合は触媒に対して、1〜1000倍用いるのが好ましい。
上記水素供与体と塩基との組み合わせの中で、水素供与体がギ酸の場合にはアミンを塩基として用いるのが好ましく、この場合、ギ酸とアミンは別々に反応系に添加しても良いが、あらかじめギ酸とアミンの共沸混合物を調整して用いると、これらの原料中の不純物による影響が抑制できるので好ましい。
【0032】
反応は通常、水素供与体であるギ酸または2−プロパノールを反応溶媒として利用するが、原料を溶解させるために、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非水素供与性溶媒を単独又は混合して助溶媒として使用することも可能である。特にアセトニトリル又はジメチルホルムアミドを溶媒として用いると反応速度が増大するので好ましい。
【0033】
触媒の使用量は、触媒の金属原子に対する基質(前記(1)式で表されるβケトカルボニル化合物)のモル比(S/C)が10〜1000000、好ましくは100〜5000の範囲から選ばれる。
上記一般式(1’)又は(3)で表されるβケトカルボニル化合物に対する水素供与体の量としては、通常等モル量以上用いられ、このうち水素供与体がギ酸である場合には、1.5倍モル量以上が好ましく、また、20倍モル量以下、好ましくは10倍モル量以下の範囲で用いられる。一方、水素供与体がイソプロパノールの場合には、反応平衡の観点から基質に対して大過剰量用いられ、通常1000モル倍以下の範囲で用いられる。
【0034】
反応温度は−70〜100℃、好ましくは0〜70℃の範囲から選ばれる。
反応圧力は特に限定されず、通常0.5〜2気圧、好ましくは常圧のもとで行われる。
反応時間は1〜100時間、通常は2〜50時間である。
反応後は、蒸留、抽出、クロマトグラフィー、再結晶などの一般的操作により、反応液から生成した光学活性なアルコールを分離、精製することができる。
【0035】
なお、下式で示される化合物(7)は、文献未記載の新規化合物である。
【0036】
【化15】
Figure 2004155756
【0037】
(式中、XはNR(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を示す。)を示す。*は不斉炭素を示す。)。
なお、(1)式で表されるβケトカルボニル化合物は、特公昭59−18692号公報、特開平9−227555号公報、EP751427号公報等に記載の方法、あるいはこれに準じて合成することができる。
上記方法によって得られる光学活性アルコール類(7)は、さらにアミド基を還元することにより、光学活性なγ−ヒドロキシアルキルアミン類へと誘導され、更に該化合物のヒドロキシル基をナフチル化することによりJournal of labeled compounds and radiopharmaceuticals vol.36, No.3,.213−223(1995)に記載されているような抗うつ剤として有用な化合物へと誘導化することができるものである。
上記の光学活性アルコール類(7)のアミド基の還元方法としては、公知のアミド基の還元方法を挙げることができ、具体的には、例えばアルミニウム系還元剤を用いて還元反応を行うことができる。
上記アルミニウム系還元剤としては、アルミニウムハイドライド、リチウムアルミニウムハイドライド、Red−Al(ナトリウム ビス(メトキシエトキシ)アルミニウムハイドライド)、DIBALH(ジイソブチルアルミニウムハイドライド)が挙げられる。このうち好ましくは、Red−Alである。
用いる還元剤の使用量としては、基質に合わせて必要当量数以上となるよう用いればよいが、一般的には、1級アミンのアミド基の場合ヒドリドとしては7当量以上、2級アミンのアミド基の場合ヒドリドとしては6当量以上、3級アミンのアミド基の場合ヒドリドとしては5当量以上用いるのがよい。
用いる溶媒は、還元剤を不活化させないものであれば特に限定されないが、具体的にはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族溶媒、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン溶媒が挙げられ、好ましくはテトラヒドロフランまたはトルエンである。
反応温度は、通常、0〜100℃、好ましくは20〜60℃の範囲である。
目的とする光学活性なγ−ヒドロキシアルキルアミン類を単離するに当たっては、一般的な単離精製法を行えばよいが、具体的には、水を加えるなど、塩基性を保って過剰の還元剤および目的物のアルミニウム錯体の分解を行い、場合によっては不溶化する水酸化アルミニウムを濾過し、目的のアミン類を有機溶媒で抽出し、濃縮・クロマト精製・晶析等の一般的な精製法を組み合わせることにより単離する。
上記方法によって、原料の光学活性なアミドの光学純度を損なうことなく目的とするγ−ヒドロキシアミン類を効率よく得ることができる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を示し、さらに詳しく本発明について説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。実施例中、eeはエナンチオマー過剰率を示す。
【0039】
参考例1 3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステルの合成
炭酸ジエチル194.7g(1.65mol)に、tert−ブトキシカリウム71.1g(0.63mol)を60〜65℃にて添加し、60〜65℃にて1時間攪拌後、2−アセチルチオフェン50g(0.40mol)のトルエン180ml溶液を70〜75℃にて滴下し、75〜80℃にて2時間攪拌した。反応液を室温に冷却し、水725gを加えて酢酸エチル600mlで抽出し、飽和食塩水で洗浄後濃縮し、減圧蒸留して65.2gの3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステルを得た(収率83%)。
【0040】
参考例2 N−メチル−3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオンアミドの合成
参考例1で得られた3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステル 5g(25.25mmol)のメタノール20ml溶液に40%メチルアミン/メタノール溶液9.8g(126.26mmol)を加えて室温にて時間攪拌した。反応後、溶媒および過剰のメチルアミンを減圧留去し、N−メチル−3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオンアミドの結晶4.6gを得た。
(事実上定量的)
H NMR(CDCl)δ2.85、2.87(s、3H,メチルアミド基由来の回転異性体)、3.90(s、2H)、7.15(m、1H)、7.17(dd、1H,J=4.8Hz,3.8Hz)、7.74(dd、1H,J=4.8Hz、1.0Hz)、7.83(dd、1H,J=3.8Hz、1.0Hz)
【0041】
実施例1 (S)−3−ヒドロキシ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステルの合成
30mlのフラスコにトリエチルアミン2.34g(23.11mmol)および乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)3mlを仕込み、次いで氷冷下にギ酸1.01g(21.90mmol)および製造例4で得られた3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステル 4.02g(20.28mmol)を加え、最後にRuCl(p−シメン)[(S,S)−N−p−トルエンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](以下RuCl(p−cymene)(SS−TsDPEN)と略す)6.6mg(0.01mmol)を加え、50℃にて42時間攪拌した。反応後、氷冷下に水2mlを加え、10%塩酸を加えてpH2として酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、溶媒を減圧濃縮して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して3.83gの(S)−3−ヒドロキシ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステルを得た(収率94%)
また、光学純度は、以下の条件による高速液体クロマトグラフィーにより決定し、97.5%eeであった。
Chiralcel OD(ダイセル社製) 35℃
n−ヘキサン:2−プロパノール=90:10(1ml/min)
検出波長 UV230nm
【0042】
実施例2 (S)−3−ヒドロキシ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステルの合成
200mlのフラスコにトリエチルアミン16.71g(165mmol)および乾燥DMF20mlを仕込み、次いで氷冷下にギ酸7.20g(156mmol)および製造例4で得られた3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステル 28.57g(144mmol)を加え、最後にRuCl(p−cymene)(SS−TsDPEN)45.8mg(0.072mmol)を加え、50℃にて40時間攪拌した。反応後、氷冷下に水14mlを加え、10%塩酸を加えてpH2として酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、溶媒を減圧濃縮し、減圧蒸留して26.53gの(S)−3−ヒドロキシ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステルを得た(収率92%)。
また、光学純度は、実施例1と同様にして決定し、97.5%eeであった。
【0043】
実施例3 (3S)−3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミドの合成
10mlのフラスコにトリエチルアミン1.10g(10.9mmol)および乾燥DMF0.2mlを仕込み、次いで氷冷下にギ酸0.50g(10.9mmol)およびRuCl(p−cymene)(SS−TsDPEN)7mg(0.01mmol)を加え、最後に参考例2で得られたN−Methyl−3−Oxo−3−thiophen−2−yl−propionamide 0.20g(1.09mmol)を加えて、40℃にて10時間攪拌した。反応後、5%塩酸を加えてpH1として酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して0.16gの(S)−3−Hydroxy−N−methyl−3−thiophen−2−yl−propionamideを得た。(収率80%、97.0%ee)H NMR(CDCl)δ2.68(2H,d)、2.82(3H,d)、4.40(1H,m)、5.30−5.40(1H,m)、5.75−5.90(1H,br)、6.92−6.98(2H,m)、7.22−7.26(2H,m)
実施例4 (3S)−3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミドの合成
10mlのフラスコにトリエチルアミン1.10g(10.9mmol)および乾燥DMF0.2mlを仕込み、次いで氷冷下にギ酸0.50g(10.9mmol)およびRuCl(p−cymene)(SS−TsDPEN)7mg(0.01mmol)を加え、最後に製造例5で得られたN−メチル−3−オキソ−3−(2−チエニル)プロピオンアミド 0.20g(1.09mmol)を加えて、40℃にて10時間攪拌した。反応後、5%塩酸を加えてpH1として酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して0.16gの(3S)−3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミドを得た(収率80%)。
また、光学純度は、以下の条件による高速液体クロマトグラフィーにより決定し、97.0%eeであった。
Chiral CD−Ph(資生堂社製) 30℃
アセトニトリル:0.1M NaClO水溶液=20:80(0.3ml/min)
検出波長 UV230nm
実施例5 (3S)−3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミドの合成
クロマト精製を行わない以外は実施例1に準じて得られた粗(3S)−3−ヒドロキシ−3−(2−チエニル)プロピオン酸エチルエステル 24.2g(純度97.7重量%、97.5%ee)をメタノール48mlに溶解し、これに室温下、40%メチルアミン−メタノール溶液27.5gを加え、室温にて一晩攪拌した。次に減圧下に内容物を57gにまで濃縮後、トルエン220mlを加えて減圧下、内温70℃にて内容物を197gにまで濃縮した。次にこの溶液を25℃まで徐冷晶析させ、結晶を濾過し、トルエン30mlで洗浄した後、減圧乾燥させて、19.5gの(3S)−3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミドを得た(収率88%)。
また、光学純度は、実施例4と同様の方法により決定し、100%eeであった。
参考例3 (3S)−3−メチルアミノ−1−(2−チエニル)−1−プロパノールの合成
500mlのフラスコに実施例6で得られた(3S)−3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミド 13g(100%ee)およびトルエン65mlを仕込み、内温45〜60℃にて、49%に調製したRed−Alトルエン溶液60.8gを滴下した。さらに内温50〜55℃にて4時間攪拌し、同温にて飽和食塩水63mlを滴下後、不溶物をセライト(商品名)濾過し、濾液を分液して有機相を62.5gまで減圧濃縮した。次に析出無機塩を濾去し、濾液を36gまで減圧濃縮したものを20℃に冷却し晶析させ、さらにn−ヘプタン70mlを加えて5℃にて0.5時間熟成後、濾過、n−ヘプタンおよびジイソプロピルエーテルで洗浄し、減圧乾燥して、8.4gの(3S)−3−メチルアミノ−1−(2−チエニル)−1−プロパノールを得た(収率70%)。
この化学純度は、以下の条件による高速液体クロマトグラフィーにより決定し、100%であった。
L−カラム(杉山商事) 40℃
アセトニトリル:50mM酢酸アンモニウム水溶液=30:70(0.6ml/min)
検出波長 UV230nm
また、光学純度は、以下の条件による高速液体クロマトグラフィーにより決定し、100%eeであった。
Chiral CD−Ph(資生堂社製) 35℃
アセトニトリル:0.1M NaClO水溶液=40:60(0.5ml/min)
検出波長 UV230nm
H−NMR(CDCl,400MHz)δ1.93(m,2H),2.44(s,3H),2.80(m,2H),5.15(td,1H、J=3Hz,8Hz),6.95(m,2H),7.21(d,1H、J=6.2Hz)
【0044】
【発明の効果】
本発明方法により、医薬等の合成中間体として有用なチオフェン環含有光学活性アルコールを、高収率、高光学収率で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミドのラセミ体をHPLCで分析した結果である。横軸は保持時間(分)を示す。
【図2】図2は不斉還元反応により得られた(S)体の3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミドをHPLCで分析した結果である。
【図3】図3は3−ヒドロキシ−N−メチル−3−(2−チエニル)プロピオンアミドをNMRにより分析した結果である。

Claims (8)

  1. 下式(1)
    Figure 2004155756
    (式中、XはOR(Rはアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。)又はNR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。)を示す。)で表されるβケトカルボニル化合物を、周期律表第8族又は第9族金属化合物及び下記一般式(2)
    Figure 2004155756
    (式中、R及びRはそれぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。また、RとRは互いに結合し環を形成しても良い。R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アシル基、カルバモイル基、チオアシル基、チオカルバモイル基、アルキルスルホニル基又はアリールスルホニル基を示す。*は不斉炭素を示す。)で示される不斉配位子より構成される触媒の存在下、不斉還元することを特徴とする下式(3)
    Figure 2004155756
    (式中、XはOR(Rは低級アルキル基又はアラルキル基を示す。)又はNR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を示す。)を示す。*は不斉炭素を示す。)で示される光学活性アルコールの製造方法。
  2. 不斉配位子が、下記一般式(4)で表されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
    Figure 2004155756
    (式中、Rは置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。R10及びR11は、それぞれ独立して置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよい芳香族複素環基を示す。*は不斉炭素を表す。)
  3. 不斉配位子が下記一般式(5)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
    Figure 2004155756
    (式中、R13はアルキル基を示し、R12、R14及びR15はそれぞれ独立して、アルキル基、ハロゲン原子又はアルコキシ基を示す。l、m、nはそれぞれ独立して0〜5の整数を示す。*は不斉炭素を示す。)
  4. 周期律表第8族又は第9族金属化合物がルテニウム化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 触媒が下記一般式(6)で表されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
    Figure 2004155756
    (式中、R17は置換基を有していても良いアルキル基又は置換基を有していても良いアリール基を示し、R16は水素原子又は低級アルキル基を示す。R18及びR19は、それぞれ独立して置換基を有していても良いアルキル基、置換基を有していても良いアリール基又は置換基を有していても良い芳香族複素環基を示す。Arは置換基を有していても良いアリール基を示し、Yは水素原子又はハロゲン原子を示す。*は不斉炭素を表す。)
  6. 水素供与体の共存下で不斉還元することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 塩基の存在下で反応させることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 下記一般式(7)で示される光学活性アルコール。
    Figure 2004155756
    (式中、XはNR(R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。)を示す。*は不斉炭素を示す。)
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