JPH1045721A - 1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノンの製造法及びこれに用いる中間体 - Google Patents

1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノンの製造法及びこれに用いる中間体

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JPH1045721A
JPH1045721A JP19868396A JP19868396A JPH1045721A JP H1045721 A JPH1045721 A JP H1045721A JP 19868396 A JP19868396 A JP 19868396A JP 19868396 A JP19868396 A JP 19868396A JP H1045721 A JPH1045721 A JP H1045721A
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Toshio Isobe
敏男 磯部
Keiko Fukuda
恵子 福田
Akihiko Hosogai
昭彦 細貝
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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SHIRATORI SEIYAKU KK
Shiratori Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の反応式 【化1】 〔式中、R1 は炭化水素基、*は不斉炭素の位置〕で表
わされる1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾ
リジノンの製造法及び一般式(1)で表わされる化合
物。 【効果】 不斉補助剤として有用な1−置換−4,5−
ジフェニル−2−イミダゾリジノンを効率よく製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性化合物を
選択的に製造するために用いる不斉補助剤として有用な
1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン
の製造法及びこれに用いる中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】不斉炭素を有する有機化合物には、エナ
ンチオマー(鏡像異性体)が存在する。このような有機
化合物を香料や食品添加物として用いる場合、各々のエ
ナンチオマーにより、臭いや味が異なることが知られて
いる。また、医薬品では、サリドマイドの例に如実に示
されたように両異性体によって薬効や毒性が大きく異な
ることが知られている。更に強誘電性液晶では純粋なキ
ラル分子構造を持つ化合物が求められており、光学純度
の低下は顕著な機能の低下をもたらすとされている。
【0003】このように、医薬、農薬、香料、食品添加
物、エレクトロニクス等の産業分野では、いずれかのエ
ナンチオマーが求められており、更に光学純度の高いも
のが求められている。
【0004】また、光学純度の高い化合物を製造するに
は、光学活性な出発原料を用いて、通常の化学反応で製
造する方法が最も容易であり、一般的である。従って、
光学活性な原料化合物は産業上重要であり、安価で大量
供給が求められている。
【0005】このような光学活性な原料化合物の製造法
としては、通常の反応により得たラセミ体を光学活性な
分割剤を用いて分離する方法や、酵素又は生物学的手法
を用いて片方の異性体のみを目的物に変換する方法等が
知られている。
【0006】しかしながら、このような方法では、産業
上利用できない異性体が半分残ってしまうため、資源の
有効利用が図れず、不経済であった。このため必要な光
学異性体のみを製造する方法が望まれており、現在、い
くつかの例が報告されている。その中でも特にα,β−
不飽和カルボン酸誘導体を用いる方法は、そのオレフィ
ン部位に対してディールズ−アルダー反応や共役付加反
応、アセタール化反応、酸化反応等を行うことが可能で
あり、多くの種類の化合物を容易に製造することができ
るため重要である。α,β−不飽和カルボン酸誘導体を
用いる具体例としては、例えば、光学不活性なα,β−
不飽和カルボン酸の3−アシル−1,3−オキサゾリジ
ン−2−オン誘導体とジエンとをキラルなルイス酸触媒
存在下に不斉ディールズ−アルダー反応を行う方法が知
られている(Chem. Lett.,1986,1109)。しか
しこの方法は、外部からキラルな触媒を添加することに
より不斉反応を行うものであり、分子内の光学活性部位
を利用して不斉誘起を行うものと異なり反応の立体選択
性の方向が予測できないという問題点があった。
【0007】また、分子内の光学活性部位を利用して不
斉誘起を行う方法としては、4−キラル−2−オキサゾ
リジン−2−オン誘導体を不斉補助剤として用いる方法
が知られている。この方法は、光学活性なα,β−不飽
和カルボン酸の3−アシル−1,3−オキサゾリジン−
2−オン誘導体を用いて不斉合成反応を行うものであ
り、ジエンとのディールズ−アルダー反応(J. Am. Che
m. Soc.,1984,106,4261)や不斉アセター
ル化反応(J. Org. Chem.,1995,60,6159〜
6167)、不斉酸化反応〔Tetrahedron-Asymmetry,
(4),853〜856(1995)〕等への応用例が
報告されている。
【0008】中でも、繁用されている不斉合成試薬とし
て光学活性な1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミ
ダゾリジノンの誘導体の4,5−ジフェニル−1−メチ
ル−2−イミダゾリジノンが知られており、次の反応式
に示す4,5−ジフェニル−1−メチル−3−プロピオ
ニル−2−イミダゾリジノン(3)とアルデヒド(4)
との不斉アルドール反応〔Bull. Chem. Soc., Jpn.,
,1425〜1427(1991)〕等に極めて有用
である。
【0009】そして、従来、光学活性な1−置換−4,
5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン(2)の製造法
としては、次の反応式に示すように、光学活性な1,2
−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(3)を出発原
料として4工程を経て得られている。
【0010】
【化4】
【0011】〔式中、R1 は置換基を有していてもよい
直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、*は不斉
炭素の位置を示し、X1 及びX2 はハロゲン原子を示
す〕
【0012】すなわち、光学活性な1,2−ジフェニル
−1,2−エタンジアミン(3)を尿素(4)及び水を
用いて閉環させることにより4,5−ジフェニル−2−
イミダゾリジノン(5)が得られ(工程1)、次いで塩
基存在下に(5)とプロピオニルクロライドに代表され
る脂肪酸ハロゲニド(6)を反応させることにより1−
アシル−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン
(7)が得られる(工程2)。更に塩基存在下ハロゲン
化炭化水素(8)を反応させることにより3−アシル−
1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン
(9)が得られ(工程3)、これをナトリウムアルコキ
シド等の塩基存在下に加水分解することにより目的とす
る1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノ
ン(2)が得られる(工程4)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン
(2)の製造法は、モノ炭化水素化の選択性を高めるた
めに一方の反応箇所をアシル基によって保護する工程
(工程2)と炭化水素化終了後に脱保護する工程(工程
4)が必要である。また、アシル化と炭化水素化の工程
(工程2、工程3)ではn−ブチルリチウムや水素化ナ
トリウム等の危険な試薬を用いなければならないという
欠点を有していた。また、工程数の多さや保護・脱保護
等の処理を要するため、効率が悪く、高収率で目的とす
る1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノ
ン(2)を得ることができなかった。
【0014】従って、本発明の目的は、光学活性な1−
置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン
(2)を効率よく製造することができる方法を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる実状に鑑み本発明
者らは鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表わ
される新規化合物N−置換−1,2−ジフェニル−1,
2−エタンジアミンを中間体として用い、これに尿素、
トリホスゲン等を反応させれば、少工程数、高効率、高
収率で1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリ
ジノンを製造できることを見出し本発明を完成した。
【0016】本発明の製造法は次の反応式で示すことが
できる。
【0017】
【化5】
【0018】〔式中、R1 は置換基を有していてもよい
直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基を示し、*は不斉
炭素の位置を示す〕
【0019】すなわち、本発明は一般式(1)で表わさ
れる光学活性なN−置換−1,2−ジフェニル−1,2
−エタンジアミンに尿素、ホスゲン又はトリホスゲンを
反応せしめることを特徴とする一般式(2)で表わされ
る1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノ
ンの製造法を提供するものである。
【0020】また本発明は、1−置換−4,5−ジフェ
ニル−2−イミダゾリジノンの製造中間体として有用な
上記一般式(1)で表わされる光学活性なN−置換−
1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンを提供す
るものである。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の製造法に用いられる光学
活性なN−置換−1,2−ジフェニル−1,2−エタン
ジアミンを示す一般式(1)中、R1 は置換基を有して
いてもよい炭化水素基であり、ここで置換基としてはハ
ロゲン原子、アミノ基等が挙げられる。
【0022】直鎖状、分岐状又は環状の炭化水素基とし
ては特に制限はないが、炭素数1〜24、好ましくは1
〜18のアルキル基、アルケニル基等が挙げられ、中で
も炭素数1〜8のアルキル基が特に好ましい。
【0023】特に好ましいR1 の具体例としては、メチ
ル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル等のアルキル基が挙げられる。
【0024】式(1)中、*は不斉炭素の位置を示す
が、化合物(1)は、不斉炭素を2個有するのでその立
体配置は(R,R)、(S,S)、(R,S)、(S,
R)の4種が存在するが、特に制限はなく、本発明製造
法により製造した1−置換−4,5−ジフェニル−2−
イミダゾリジノンにおいてもその立体配置が保持される
ので、所望の立体配置に合わせて選択すればよい。
【0025】化合物(1)は、例えば次の反応式に従っ
て、光学活性な1,2−ジフェニル−1,2−エタンジ
アミン(3)を出発原料として2工程を経て製造するこ
とができる。
【0026】
【化6】
【0027】〔式中、R2 はアルキル基、アルケニル基
又はアルコキシ基を、X3 はハロゲン原子又はアシルオ
キシ基を、Bは塩基を示し、R1 及び*は前記と同じ〕
【0028】すなわち、1,2−ジフェニル−1,2−
エタンジアミン(3)とハロゲノ炭酸アルキル、ハロゲ
ン化アシル又はカルボン酸無水物(10)とを塩基
(B)の存在下に反応させて選択的にモノN置換体
(1)を得(工程I)、これを適当な還元剤を用いて還
元すること(工程II)により容易に化合物(1)が得ら
れる。
【0029】出発原料として用いられる光学活性な1,
2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(3)として
は、特に制限はないが(1R,2R)−1,2−ジフェ
ニル−1,2−エタンジアミン、(1S,2S)−1,
2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン等が挙げられ
る。また、化合物(10)の具体例としては、ハロゲノ
炭酸アルキルとしてクロル炭酸メチル、クロル炭酸エチ
ル、クロル炭酸プロピル、ブロム炭酸エチル;ハロゲン
化アシルとして塩化アセチル、塩化プロピオニル、塩化
ブチリル、塩化ヘキサノイル、臭化アセチル、ヨウ化ア
セチル;カルボン酸無水物として無水酢酸、無水プロピ
オン酸、無水ブタン酸、無水ペンタン酸等を挙げること
ができる。また塩基としては、トリエチルアミン、N,
N−ジメチルアニリン等の第三級アミンが好ましい。工
程Iの反応は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、塩化メチレン等の不活性溶媒を
用い、化合物(3)と塩基を含む溶液中に化合物(1
0)をゆっくりと滴下することにより行われる。
【0030】化合物(11)から化合物(1)への還元
反応は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメ
トキシエタン等の不活性溶媒中、一般に使用される還元
剤を用いて室温あるいは加熱下に反応を行えばよい。還
元剤の具体例としては、水素化リチウムアルミニウム、
水素化ナトリウムアルミニウム、水素化トリエトキシア
ルミニウムナトリウム、水素化ビス(2−メトキシエト
キシ)アルミニウムナトリウム、ジボラン等を挙げるこ
とができる。
【0031】かくして得られた化合物(1)と尿素、ホ
スゲン又はトリホスゲンとの反応は、次の如くして行わ
れる。すなわち、まず尿素を用いる場合は、化合物
(1)を少量の水の存在下、尿素と加熱下反応させるこ
とにより行われる。
【0032】ここで水は1滴〜数滴程度用いればよく、
反応温度は100〜250℃、特に150〜200℃が
好ましく、反応時間は1〜8時間が好ましい。
【0033】また、ホスゲン又はトリホスゲンを用いる
場合は、化合物(1)に塩基の存在下、ホスゲン又はト
リホスゲンを反応させることにより行われる。
【0034】ホスゲン及びトリホスゲンのうち、取り扱
い性の点からトリホスゲンを用いるのが好ましい。また
塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルア
ニリン等の第三級アミンが好ましい。
【0035】反応は不活性溶媒中で行うのが好ましく、
当該溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、1,
2−ジクロロエタン、トルエン、ベンゼン、テトラヒド
ロフラン、ジエチルエーテルが挙げられる。
【0036】反応温度は0〜100℃、特に10〜40
℃が好ましく、反応時間は1〜48時間が好ましい。
【0037】
【発明の効果】本発明製造法によれば不斉補助剤として
有用な光学活性1−置換−4,5−ジフェル−2−イミ
ダゾリジノンを効率よく製造できる。
【0038】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではな
い。
【0039】製造例1 (1S,2S)−N−エトキシ
カルボニル−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジア
ミンの製造 塩化メチレン30ml中に(1S,2S)−1,2−ジフ
ェニル−1,2−エタンジアミン2.00g(9.43
mmol)及びトリエチルアミン0.95g(9.43mmo
l)を加え、この中にクロル炭酸エチル1.02g
(9.43mmol)の塩化メチレン溶液3mlをゆっくりと
滴下し、終了後更に室温で19時間攪拌した。反応液に
水を加え塩化メチレンで抽出し、抽出液は無水炭酸カリ
ウムで乾燥し、減圧下に溶媒を留去して樹脂状残渣を
3.06g得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(溶媒 クロロホルム/メタノール)にて精製し標
記化合物を2.29g(収率88%)得た。
【0040】m.p. 83.4〜84.0℃ 〔α〕D 23.1=−10.75°(c=1.00,CHC
3) IRνmax KBrcm-1:3315,1675,1255,1
040
【0041】製造例2 (1S,2S)−N−アセチル
−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンの製造 塩化メチレン200ml中に(1S,2S)−1,2−ジ
フェニル−1,2−エタンジアミン2.0g(9.43
mmol)及びトリエチルアミン0.95g(9.43mmo
l)を加え、この中に無水酢酸0.96g(9.43mmo
l)の塩化メチレン5ml溶液をゆっくりと滴下し、終了
後更に室温で42時間攪拌した。以下製造例1と同様の
操作を行い標記化合物を1.31g(収率55%)得
た。
【0042】m.p. 86.0〜87.0℃ 〔α〕D 23.0=−26.36°(c=1.00,CHC
3) IRνmax KBrcm-1:3270,16251 H−NMR(CDCl3)δ:1.54(2H,bs), 1.96(3H,
s),4.42(1H,d,J=3.3Hz), 5.13(1H,dd,J=3.3 and 7.7H
z),6.78(1H,d,J=7.7Hz), 7.24-7.39(10H,m)
【0043】実施例1 (1S,2S)−N−メチル−
1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンの製造 無水テトラヒドロフラン12ml中に水素化リチウムアル
ミニウム1.43g(37.61mmol)を加え、この中
に(1S,2S)−N−エトキシカルボニル−1,2−
ジフェニル−1,2−エタンジアミン2.67g(9.
40mmol)のテトラヒドロフラン20ml溶液をゆっくり
と滴下した。終了後室温で18時間、更に加熱還流下に
2.5時間攪拌を続けた。放冷後、過剰の水素化リチウ
ムアルミニウムを酢酸エチルを滴下することにより処理
し、反応液を水酸化ナトリウム水溶液中に加えた。塩化
メチレンを加え、不溶物をハイフロー濾過により除去
し、有機層を分液して無水炭酸カリウムで乾燥した。次
いで減圧下に溶媒を留去して得た黄色粘稠油状性残渣を
シリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 クロロホルム/
メタノール)にて精製し、標記化合物を0.84g(収
率40%)得た。
【0044】粘稠油状物 〔α〕D 22.8=−38.98°(c=1.00,CHC
3) IRνmax neatcm-1:3300,16001 H−NMR(CDCl3)δ:1.92(3H,bs), 2.24(3H,
s),3.63(1H,d,J=7.1Hz), 3.99(1H,d,J=7.1Hz), 7.11-7.
32(10H,m)
【0045】実施例2 (1S,2S)−N−エチル−
1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンの製造 無水テトラヒドロフラン5ml中に水素化リチウムアルミ
ニウム0.60g(15.75mmol)を加え、この中に
(1S,2S)−N−アセチル−1,2−ジフェニル−
1,2−エタンジアミン1.00g(3.94mmol)の
テトラヒドロフラン8ml溶液をゆっくりと滴下した。終
了後室温で22時間、更に加熱還流下に3時間攪拌を続
けた。以下実施例1と同様の操作を行い標記化合物を
0.53g(収率56%)得た。
【0046】粘稠油状物 〔α〕D 23.1=−38.43°(c=1.00,CHC
3) IRνmax neatcm-1:3290,16001 H−NMR(CDCl3)δ:1.04(3H,t,J=7.1Hz), 1.
84(3H,bs),2.37-2.52(2H,m), 3.74(1H,d,J=7.3Hz), 4.0
0(1H,d,J=7.3Hz),7.11-7.37(10H,m)
【0047】実施例3 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1−メチル−2−イミダゾリジノンの製造 (1S,2S)−N−メチル−1,2−ジフェニル−
1,2−エタンジアミン0.84g(3.72mmol)、
尿素0.22g(3.72mmol)及び水1滴の混合物を
150〜160℃で2時間加熱した。放冷後、反応液を
塩化メチレンで溶解し、水洗した後無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。次いで、減圧下に溶媒を留去して得た残
渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 クロロホル
ム)で精製し標記化合物を0.83g(収率89%)得
た。
【0048】実施例4 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1−エチル−2−イミダゾリジノンの製造 (1S,2S)−N−エチル−1,2−ジフェニル−
1,2−エタンジアミン0.51g(2.13mmol)、
尿素0.13g(2.13mmol)及び水1滴の混合物を
200℃で3.5時間加熱した。以下応用例2と同様の
操作を行い標記化合物を0.42g(収率75%)得
た。
【0049】m.p. 139.2〜139.6℃ IRνmax KBrcm-1:3200,17001 H−NMR(CDCl3)δ:0.99(3H,t,J=7.1Hz), 2.
75-2.87(1H,m),3.51-3.63(1H,m), 4.38(1H,d,J=7.7Hz),
4.51(1H,d,J=7.7Hz),4.72(1H,bs), 7.20-7.39(10H,m)
【0050】実施例5 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1−メチル−2−イミダゾリジノンの製造 塩化メチレン30ml中に(1S,2S)−N−メチル−
1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン0.58
g(2.57mmol)及びトリエチルアミン0.62g
(6.17mmol)を加え、この中にトリフォスゲン0.
31g(1.03mmol)の塩化メチレン溶液をゆっくり
と滴下し、終了後更に室温で24時間攪拌を続けた。反
応液に希塩酸水溶液を加え塩化メチレンで抽出し、抽出
液は飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。次いで、減圧下に溶媒を留去し
て得た油状性残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶
媒クロロホルム)で精製し、標記化合物を0.45g
(収率70%)得た。
【0051】IRνmax neatcm-1:3220,16901 H−NMR(CDCl3)δ:2.67(3H,s), 4.22(1H,d,
J=7.9Hz),4.50(1H,d,J=7.9Hz), 4.99(1H,bs), 7.19-7.4
2(10H,m)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は置換基を有していてもよい直鎖状、分岐
    状又は環状の炭化水素基を示し、*は不斉炭素の位置を
    示す〕で表わされる光学活性なN−置換−1,2−ジフ
    ェニル−1,2−エタンジアミンに尿素、ホスゲン又は
    トリホスゲンを反応せしめることを特徴とする次の一般
    式(2): 【化2】 〔式中、R1 及び*は前記と同じ〕で表わされる1−置
    換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノンの製造
    法。
  2. 【請求項2】 次の一般式(1): 【化3】 〔式中、R1 は置換基を有していてもよい直鎖状、分岐
    状又は環状の炭化水素基を示し、*は不斉炭素の位置を
    示す〕で表わされる光学活性なN−置換−1,2−ジフ
    ェニル−1,2−エタンジアミン。
  3. 【請求項3】 R1 がアルキル基である請求項2記載の
    光学活性なN−置換−1,2−ジフェニル−1,2−エ
    タンジアミン。
JP19868396A 1996-07-29 1996-07-29 1−置換−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノンの製造法及びこれに用いる中間体 Pending JPH1045721A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002055477A1 (fr) * 2001-01-15 2002-07-18 Nippon Soda Co.,Ltd. Compose de ruthenium, compose diamine et procede de production de ?-amino-alcool
JP2007302852A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Japan Science & Technology Agency 光学活性イミダゾリジン化合物とそのポリマー固定化複合体並びに不斉合成触媒

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