JPH09157260A - 光学活性な4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体 - Google Patents
光学活性な4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体Info
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- JPH09157260A JPH09157260A JP32297295A JP32297295A JPH09157260A JP H09157260 A JPH09157260 A JP H09157260A JP 32297295 A JP32297295 A JP 32297295A JP 32297295 A JP32297295 A JP 32297295A JP H09157260 A JPH09157260 A JP H09157260A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 次の一般式(1)
【化1】
〔式中、R1 及びR2 は水素原子又は低級アルキル基を
示し、R3 は低級アルキル基、アリール基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基又はアラルキルオキシカ
ルボニル基を示し、*は不斉炭素の位置を示す〕で表わ
される光学活性な4,5−ジフェニル−2−イミダゾリ
ジノン誘導体。 【効果】 不斉補助剤として用いれば、光学活性化合物
を選択的かつ高収率で製造することができる。
示し、R3 は低級アルキル基、アリール基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基又はアラルキルオキシカ
ルボニル基を示し、*は不斉炭素の位置を示す〕で表わ
される光学活性な4,5−ジフェニル−2−イミダゾリ
ジノン誘導体。 【効果】 不斉補助剤として用いれば、光学活性化合物
を選択的かつ高収率で製造することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性化合物を
選択的に製造するために用いる不斉補助剤として有用な
4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体に関
する。
選択的に製造するために用いる不斉補助剤として有用な
4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体に関
する。
【0002】
【従来の技術】不斉炭素を有する有機化合物には、エナ
ンチオマー(鏡像異性体)が存在する。このような有機
化合物を香料や食品添加物として用いる場合、各々のエ
ナンチオマーにより、臭いや味が異なることが知られて
いる。また、医薬品では、サリドマイドの例に如実に示
されたように両異性体によって薬効や毒性が大きく異な
ることが知られている。更に強誘電性液晶では純粋なキ
ラル分子構造を持つ化合物が求められており、光学純度
の低下は顕著な機能の低下をもたらすとされている。
ンチオマー(鏡像異性体)が存在する。このような有機
化合物を香料や食品添加物として用いる場合、各々のエ
ナンチオマーにより、臭いや味が異なることが知られて
いる。また、医薬品では、サリドマイドの例に如実に示
されたように両異性体によって薬効や毒性が大きく異な
ることが知られている。更に強誘電性液晶では純粋なキ
ラル分子構造を持つ化合物が求められており、光学純度
の低下は顕著な機能の低下をもたらすとされている。
【0003】このように、医薬、農薬、香料、食品添加
物、エレクトロニクス等の産業分野では、いずれかのエ
ナンチオマーが求められており、更に光学純度の高いも
のが求められている。
物、エレクトロニクス等の産業分野では、いずれかのエ
ナンチオマーが求められており、更に光学純度の高いも
のが求められている。
【0004】また、光学純度の高い化合物を製造するに
は、光学活性な出発原料を用いて、通常の化学反応で製
造する方法が最も容易であり、一般的である。従って、
光学活性な原料化合物は産業上重要であり、安価で大量
供給が求められている。
は、光学活性な出発原料を用いて、通常の化学反応で製
造する方法が最も容易であり、一般的である。従って、
光学活性な原料化合物は産業上重要であり、安価で大量
供給が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような光学活性な
化合物の製造法としては、通常の反応により得たラセミ
体を光学活性な分割剤を用いて分離する方法や、酵素又
は生物学的手法を用いて片方の異性体のみを目的物に変
換する方法等が知られている。
化合物の製造法としては、通常の反応により得たラセミ
体を光学活性な分割剤を用いて分離する方法や、酵素又
は生物学的手法を用いて片方の異性体のみを目的物に変
換する方法等が知られている。
【0006】しかしながら、このような方法では、産業
上利用できない異性体が半分残ってしまうため、資源の
有効利用が図れず、不経済であった。このため必要な光
学異性体のみを製造する方法が望まれており、現在、い
くつかの例が報告されている。その中でも特にα,β−
不飽和カルボン酸誘導体を用いる方法は、そのオレフィ
ン部位に対してディールズ−アルダー反応や共役付加反
応、アセタール化反応、酸化反応等を行うことが可能で
あり、多くの種類の化合物を容易に製造することができ
るため重要である。α,β−不飽和カルボン酸誘導体を
用いる具体例としては、例えば、光学不活性なα,β−
不飽和カルボン酸の3−アシル−1,3−オキサゾリジ
ン−2−オン誘導体とジエンとをキラルなルイス酸触媒
存在下に不斉ディールズ−アルダー反応を行う方法が知
られている(Chem.Lett.,1986,110
9)。しかしこの方法は、外部からキラルな触媒を添加
することにより不斉反応を行うものであり、分子内の光
学活性部位を利用して不斉誘起を行うものと異なり反応
の立体選択性の方向が予測できないという問題点があっ
た。
上利用できない異性体が半分残ってしまうため、資源の
有効利用が図れず、不経済であった。このため必要な光
学異性体のみを製造する方法が望まれており、現在、い
くつかの例が報告されている。その中でも特にα,β−
不飽和カルボン酸誘導体を用いる方法は、そのオレフィ
ン部位に対してディールズ−アルダー反応や共役付加反
応、アセタール化反応、酸化反応等を行うことが可能で
あり、多くの種類の化合物を容易に製造することができ
るため重要である。α,β−不飽和カルボン酸誘導体を
用いる具体例としては、例えば、光学不活性なα,β−
不飽和カルボン酸の3−アシル−1,3−オキサゾリジ
ン−2−オン誘導体とジエンとをキラルなルイス酸触媒
存在下に不斉ディールズ−アルダー反応を行う方法が知
られている(Chem.Lett.,1986,110
9)。しかしこの方法は、外部からキラルな触媒を添加
することにより不斉反応を行うものであり、分子内の光
学活性部位を利用して不斉誘起を行うものと異なり反応
の立体選択性の方向が予測できないという問題点があっ
た。
【0007】また、分子内の光学活性部位を利用して不
斉誘起を行う方法としては、4−キラル−2−オキサゾ
リジン−2−オン誘導体を不斉補助剤として用いる方法
が知られている。この方法は、光学活性なα,β−不飽
和カルボン酸の3−アシル−1,3−オキサゾリジン−
2−オン誘導体を用いて不斉合成反応を行うものであ
り、ジエンとのディールズ−アルダー反応(J.Am.
Chem.Soc.,1984,106,4261)や
不斉アセタール化反応(J.Org.Chem.,19
95,60,6159〜6167)、不斉酸化反応〔T
etrahedron−Asymmetry,6
(4),853〜856(1995)〕等への応用例が
報告されている。
斉誘起を行う方法としては、4−キラル−2−オキサゾ
リジン−2−オン誘導体を不斉補助剤として用いる方法
が知られている。この方法は、光学活性なα,β−不飽
和カルボン酸の3−アシル−1,3−オキサゾリジン−
2−オン誘導体を用いて不斉合成反応を行うものであ
り、ジエンとのディールズ−アルダー反応(J.Am.
Chem.Soc.,1984,106,4261)や
不斉アセタール化反応(J.Org.Chem.,19
95,60,6159〜6167)、不斉酸化反応〔T
etrahedron−Asymmetry,6
(4),853〜856(1995)〕等への応用例が
報告されている。
【0008】一方、不斉合成試薬として繁用されている
光学活性な1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミ
ンの誘導体として4,5−ジフェニル−1−メチル−2
−イミダゾリジノンが知られているが、その不斉合成反
応への応用例としては、次の反応式に示すように、4,
5−ジフェニル−1−メチル−3−プロピオニル−2−
イミダゾリジノン(2)とアルデヒド(3)との不斉ア
ルドール反応が唯一報告されているにすぎない〔Bul
l.Chem.Soc.Jpn.,64,1425〜1
427(1991)〕。
光学活性な1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミ
ンの誘導体として4,5−ジフェニル−1−メチル−2
−イミダゾリジノンが知られているが、その不斉合成反
応への応用例としては、次の反応式に示すように、4,
5−ジフェニル−1−メチル−3−プロピオニル−2−
イミダゾリジノン(2)とアルデヒド(3)との不斉ア
ルドール反応が唯一報告されているにすぎない〔Bul
l.Chem.Soc.Jpn.,64,1425〜1
427(1991)〕。
【0009】
【化2】
【0010】〔式中、R4 は有機基を示し、*は不斉炭
素の位置を示す〕
素の位置を示す〕
【0011】従って、本発明の目的は、所望の光学活性
化合物を選択的に収率よく製造することができる不斉補
助剤を提供することにある。
化合物を選択的に収率よく製造することができる不斉補
助剤を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者らは、鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表
わされる新規化合物を不斉補助剤として用いれば、高ジ
アステレオ選択的に反応が進行し、光学活性化合物を選
択的かつ高収率で製造することができることを見出し、
本発明を完成した。
者らは、鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表
わされる新規化合物を不斉補助剤として用いれば、高ジ
アステレオ選択的に反応が進行し、光学活性化合物を選
択的かつ高収率で製造することができることを見出し、
本発明を完成した。
【0013】すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0014】
【化3】
【0015】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
水素原子又は低級アルキル基を示し、R3 は低級アルキ
ル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボ
ニル基又はアラルキルオキシカルボニル基を示し、*は
不斉炭素の位置を示す〕で表わされる光学活性な4,5
−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体を提供する
ものである。
水素原子又は低級アルキル基を示し、R3 は低級アルキ
ル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボ
ニル基又はアラルキルオキシカルボニル基を示し、*は
不斉炭素の位置を示す〕で表わされる光学活性な4,5
−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体を提供する
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の4,5−ジフェニル−2
−イミダゾリジノン誘導体は前記一般式(1)で表わさ
れるものであり、式中の低級アルキル基としては、炭素
数1〜6のもの、具体的には、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、t−ブチル基等が挙げられる。またアリール基
としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基等が挙げ
られる。アルコキシカルボニル基としてはメトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のア
ルコキシカルボニル基が挙げられる。また、アラルキル
オキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニ
ル基等のフェニルC1-5 アルキルオキシカルボニル基が
挙げられる。
−イミダゾリジノン誘導体は前記一般式(1)で表わさ
れるものであり、式中の低級アルキル基としては、炭素
数1〜6のもの、具体的には、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、t−ブチル基等が挙げられる。またアリール基
としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基等が挙げ
られる。アルコキシカルボニル基としてはメトキシカル
ボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数2〜7のア
ルコキシカルボニル基が挙げられる。また、アラルキル
オキシカルボニル基としては、ベンジルオキシカルボニ
ル基等のフェニルC1-5 アルキルオキシカルボニル基が
挙げられる。
【0017】本発明化合物(1)は、例えば次の反応式
に従って、光学活性な1,2−ジフェニル−1,2−エ
タンジアミン(5)を出発原料として4工程を経て得ら
れる4,5−ジフェニル−1−アルキル−2−イミダゾ
リジノン(11)にα,β−不飽和カルボン酸ハロゲニ
ド、α,β−不飽和カルボン酸無水物等を反応せしめる
ことによって製造することができる。
に従って、光学活性な1,2−ジフェニル−1,2−エ
タンジアミン(5)を出発原料として4工程を経て得ら
れる4,5−ジフェニル−1−アルキル−2−イミダゾ
リジノン(11)にα,β−不飽和カルボン酸ハロゲニ
ド、α,β−不飽和カルボン酸無水物等を反応せしめる
ことによって製造することができる。
【0018】
【化4】
【0019】〔式中、R2 ,R3 及び*は前記と同じも
のを示し、R1aは低級アルキル基を示し、R4 はアルキ
ル基を示し、X1 及びX2 はハロゲン原子を示す〕
のを示し、R1aは低級アルキル基を示し、R4 はアルキ
ル基を示し、X1 及びX2 はハロゲン原子を示す〕
【0020】以下、上記反応を工程毎に説明する。
【0021】(1)工程1 光学活性な1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミ
ン(5)を、尿素(6)及び水を用いて閉環させること
により4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン
(7)が得られる。原料として用いられる光学活性な
1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(5)と
しては、(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2
−エタンジアミン、(1S,2S)−1,2−ジフェニ
ル−1,2−エタンジアミンが挙げられる。この反応
は、水を留去しながら加熱することにより行われる。
ン(5)を、尿素(6)及び水を用いて閉環させること
により4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン
(7)が得られる。原料として用いられる光学活性な
1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(5)と
しては、(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2
−エタンジアミン、(1S,2S)−1,2−ジフェニ
ル−1,2−エタンジアミンが挙げられる。この反応
は、水を留去しながら加熱することにより行われる。
【0022】(2)工程2 4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン(7)にプ
ロピオニルクロライドに代表される脂肪酸ハロゲニドを
反応させることにより1−アシル−4,5−ジフェニル
−2−イミダゾリジノン(8)が得られる。この反応
は、水素化ナトリウム等の塩基の存在下に行われる。
ロピオニルクロライドに代表される脂肪酸ハロゲニドを
反応させることにより1−アシル−4,5−ジフェニル
−2−イミダゾリジノン(8)が得られる。この反応
は、水素化ナトリウム等の塩基の存在下に行われる。
【0023】(3)工程3 1−アシル−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノ
ン(8)にハロゲン化アルキル(9)を反応させること
により3−アシル−1−アルキル−4,5−ジフェニル
−2−イミダゾリジノン(10)が得られる。ハロゲン
化アルキル(9)の具体例としては、ヨウ化メチル、ヨ
ウ化エチル、臭化エチル、ヨウ化n−プロピル、臭化n
−プロピル、塩化n−プロピル、ヨウ化i−プロピル、
臭化i−プロピル、ヨウ化n−ブチル、臭化n−ブチ
ル、ヨウ化i−ブチル、臭化i−ブチル、塩化t−ブチ
ル等が挙げられる。この反応は、水素化ナトリウム等の
塩基の存在下に行われる。
ン(8)にハロゲン化アルキル(9)を反応させること
により3−アシル−1−アルキル−4,5−ジフェニル
−2−イミダゾリジノン(10)が得られる。ハロゲン
化アルキル(9)の具体例としては、ヨウ化メチル、ヨ
ウ化エチル、臭化エチル、ヨウ化n−プロピル、臭化n
−プロピル、塩化n−プロピル、ヨウ化i−プロピル、
臭化i−プロピル、ヨウ化n−ブチル、臭化n−ブチ
ル、ヨウ化i−ブチル、臭化i−ブチル、塩化t−ブチ
ル等が挙げられる。この反応は、水素化ナトリウム等の
塩基の存在下に行われる。
【0024】(4)工程4 3−アシル−1−アルキル−4,5−ジフェニル−2−
イミダゾリジノン(10)を加水分解すれば1−アルキ
ル−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン(1
1)が得られる。この反応は、ナトリウムアルコキシド
等の塩基の存在下に、アシル基のみが脱離する条件下で
行われる。
イミダゾリジノン(10)を加水分解すれば1−アルキ
ル−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン(1
1)が得られる。この反応は、ナトリウムアルコキシド
等の塩基の存在下に、アシル基のみが脱離する条件下で
行われる。
【0025】(5)工程5 1−アルキル−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジ
ノン(11)にα,β−不飽和カルボン酸ハロゲニド、
α,β−不飽和カルボン酸無水物等のα,β−不飽和カ
ルボン酸の反応性誘導体(12)を反応させることによ
り本発明化合物(1a)が得られる。この反応は、ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テル等の不活性溶媒中、n−ブチルリチウム、リチウム
ジイソプロピルアミド等の有機金属化合物、水素化ナト
リウム、水素化リチウム等の塩基の存在下に、室温〜冷
却下に化合物(12)を滴下することにより行われる。
また、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、トルエン等の溶媒中、トリエチルアミン、トリn−
ブチルアミン、ジメチルアニリン等の塩基の存在下、塩
化第一銅、銅粉、4−ジメチルアミノピリジンを触媒と
して添加し、室温付近で攪拌することにより行われる。
ノン(11)にα,β−不飽和カルボン酸ハロゲニド、
α,β−不飽和カルボン酸無水物等のα,β−不飽和カ
ルボン酸の反応性誘導体(12)を反応させることによ
り本発明化合物(1a)が得られる。この反応は、ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエー
テル等の不活性溶媒中、n−ブチルリチウム、リチウム
ジイソプロピルアミド等の有機金属化合物、水素化ナト
リウム、水素化リチウム等の塩基の存在下に、室温〜冷
却下に化合物(12)を滴下することにより行われる。
また、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、トルエン等の溶媒中、トリエチルアミン、トリn−
ブチルアミン、ジメチルアニリン等の塩基の存在下、塩
化第一銅、銅粉、4−ジメチルアミノピリジンを触媒と
して添加し、室温付近で攪拌することにより行われる。
【0026】また、式(1)中のR3 がアルコキシカル
ボニル基又はアラルキルオキシカルボニル基である化合
物は、例えば次の反応式に示す如く1−アルキル−4,
5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン(11)に環状
無水物(13)を反応させてヒドロキシカルボニル化合
物(1b)とした後、エステル化することによっても製
造することができる。
ボニル基又はアラルキルオキシカルボニル基である化合
物は、例えば次の反応式に示す如く1−アルキル−4,
5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン(11)に環状
無水物(13)を反応させてヒドロキシカルボニル化合
物(1b)とした後、エステル化することによっても製
造することができる。
【0027】
【化5】
【0028】〔式中R1a,R2 ,*は前記と同じものを
示し、R5 はアルキル基又はアラルキル基を示す〕
示し、R5 はアルキル基又はアラルキル基を示す〕
【0029】化合物(11)と、化合物(13)との反
応は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トル
エン、アセトニトリル等の溶媒中、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチル
アニリン、ピリジン、ナトリウムメトキシド等の塩基の
存在下、室温付近で行われる。また、化合物(1b)と
アルコール(14)との反応は、通常のエステル化反
応、例えば2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニ
ウムクロライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カ
ルボニルジイミダゾール等の縮合剤を用いて行われる。
応は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トル
エン、アセトニトリル等の溶媒中、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチル
アニリン、ピリジン、ナトリウムメトキシド等の塩基の
存在下、室温付近で行われる。また、化合物(1b)と
アルコール(14)との反応は、通常のエステル化反
応、例えば2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニ
ウムクロライド、ジシクロヘキシルカルボジイミド、カ
ルボニルジイミダゾール等の縮合剤を用いて行われる。
【0030】また、式(1)中のR1 が水素原子である
化合物は、前記化合物(7)に化合物(12)を直接反
応させるか、又は化合物(7)に化合物(13)を反応
させた後エステル化することにより得ることができる。
化合物は、前記化合物(7)に化合物(12)を直接反
応させるか、又は化合物(7)に化合物(13)を反応
させた後エステル化することにより得ることができる。
【0031】本発明化合物(1)は、種々の不斉合成反
応に不斉補助剤として用いることができる。例えば、3
−キラルカルボン酸の製造は次の反応式に従って実施す
ることができる。
応に不斉補助剤として用いることができる。例えば、3
−キラルカルボン酸の製造は次の反応式に従って実施す
ることができる。
【0032】
【化6】
【0033】〔式中、R1 ,R2 ,R3 及び*は前記と
同じものを示し、R6 は有機基を、Yはハロゲン原子を
示す〕
同じものを示し、R6 は有機基を、Yはハロゲン原子を
示す〕
【0034】すなわち、テトラヒドロフランやジエチル
エーテル等の不活性溶媒中、ハロゲン化第1銅とグリニ
ャール試薬から調製した有機銅試薬(15)と本発明化
合物(1)とをジアステレオ選択的に反応してジアステ
レオマー(16)を得、これをナトリウムメトキシド
(17)を用いてカルボン酸エステル(18)とし、ア
ルカリで加水分解することにより容易に光学活性カルボ
ン酸(19)を得ることができる。また、このとき再生
した(11)は特に精製の操作を必要とせず本発明化合
物(1)の原料として再使用することができる。
エーテル等の不活性溶媒中、ハロゲン化第1銅とグリニ
ャール試薬から調製した有機銅試薬(15)と本発明化
合物(1)とをジアステレオ選択的に反応してジアステ
レオマー(16)を得、これをナトリウムメトキシド
(17)を用いてカルボン酸エステル(18)とし、ア
ルカリで加水分解することにより容易に光学活性カルボ
ン酸(19)を得ることができる。また、このとき再生
した(11)は特に精製の操作を必要とせず本発明化合
物(1)の原料として再使用することができる。
【0035】また、式(1)中のR2 がアルキル基、R
1 が水素原子の化合物を用いれば、次の反応式に従って
2−キラル−3−ジアルコキシ誘導体を得ることができ
る。
1 が水素原子の化合物を用いれば、次の反応式に従って
2−キラル−3−ジアルコキシ誘導体を得ることができ
る。
【0036】
【化7】
【0037】〔R1 ,R2 及び*は前記と同じものを示
し、R7 は有機基を示す〕
し、R7 は有機基を示す〕
【0038】すなわち、ジメトキシエタン、テトラヒド
ロフラン等の不活性溶媒中、酸素雰囲気下塩化パラジウ
ム及び塩化銅を触媒としてアルコール(21)を用いて
ジアステレオ選択的に化合物(20)をアセタール化し
てジアステレオマー(22)を得る。このジアステレオ
マー(22)はナトリウムメトキシドにより2−キラル
カルボン酸メチルに導くことができる。
ロフラン等の不活性溶媒中、酸素雰囲気下塩化パラジウ
ム及び塩化銅を触媒としてアルコール(21)を用いて
ジアステレオ選択的に化合物(20)をアセタール化し
てジアステレオマー(22)を得る。このジアステレオ
マー(22)はナトリウムメトキシドにより2−キラル
カルボン酸メチルに導くことができる。
【0039】
【発明の効果】本発明化合物を不斉補助剤として用いれ
ば、光学活性化合物を選択的かつ高収率で製造すること
ができる。
ば、光学活性化合物を選択的かつ高収率で製造すること
ができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】製造例1 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−2−イミダゾリジノンの製造:(1S,2S)
−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン20.
0g(94mmol)、尿素6.0g(100mmol)及び水
1mlの混合物を、水を留去しながら200℃で3時間加
熱した。放冷後塩化メチレンで溶解し、溶解液を水洗後
無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去
して白色結晶性残渣を得た。この残渣をアセトニトリル
で洗浄し、標記化合物を19.6g(収率87%)得
た。
ェニル−2−イミダゾリジノンの製造:(1S,2S)
−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン20.
0g(94mmol)、尿素6.0g(100mmol)及び水
1mlの混合物を、水を留去しながら200℃で3時間加
熱した。放冷後塩化メチレンで溶解し、溶解液を水洗後
無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で溶媒を留去
して白色結晶性残渣を得た。この残渣をアセトニトリル
で洗浄し、標記化合物を19.6g(収率87%)得
た。
【0042】IR(νKBr max cm-1):3200, 3060, 1700, 6
951 H-NMR(CDCl3)δ:4.60(2H,s), 4.93(2H,s), 7.19〜7.3
8(10H,m)
951 H-NMR(CDCl3)δ:4.60(2H,s), 4.93(2H,s), 7.19〜7.3
8(10H,m)
【0043】製造例2 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1−プロピオニル−2−イミダゾリジノンの製
造:無水ジメチルホルムアミド180ml中に(4S,5
S)−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン1
7.6g(74mmol)及び水素化ナトリウム6.5g
(55% 148mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌
した。反応液を氷冷し、プロピオン酸クロライド6.8
g(74mmol)をゆっくりと滴下し、終了後室温で1時
間攪拌を続けた。反応液を希塩酸水溶液中に加え、塩化
メチレンで抽出し、抽出液は水及び飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧下溶媒を留去して25.9gの残渣を得た。こ
の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 クロロ
ホルム)で精製し、標記化合物を18.3g(収率84
%)得た。
ェニル−1−プロピオニル−2−イミダゾリジノンの製
造:無水ジメチルホルムアミド180ml中に(4S,5
S)−4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン1
7.6g(74mmol)及び水素化ナトリウム6.5g
(55% 148mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌
した。反応液を氷冷し、プロピオン酸クロライド6.8
g(74mmol)をゆっくりと滴下し、終了後室温で1時
間攪拌を続けた。反応液を希塩酸水溶液中に加え、塩化
メチレンで抽出し、抽出液は水及び飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、減圧下溶媒を留去して25.9gの残渣を得た。こ
の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 クロロ
ホルム)で精製し、標記化合物を18.3g(収率84
%)得た。
【0044】1H-NMR(CDCl3)δ:1.07(3H,t,J=7.5Hz),
2.91〜3.00(2H,m),4.50(1H,d,J=3.3Hz), 5.11(1H,d,J=
3.3Hz), 5.61(1H,bs) 7.24〜7.41(10H,m)
2.91〜3.00(2H,m),4.50(1H,d,J=3.3Hz), 5.11(1H,d,J=
3.3Hz), 5.61(1H,bs) 7.24〜7.41(10H,m)
【0045】製造例3 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1−エチル−3−プロピオニル−2−イミダゾ
リジノンの製造:無水ジメチルホルムアミド20ml中に
(4S,5S)−4,5−ジフェニル−1−プロピオニ
ル−2−イミダゾリジノン1.05g(3.57mmol)
及び水素化ナトリウム0.17g(3.93mmol)を加
え、室温で40分間攪拌した。反応液を氷冷し、ヨウ化
エチル0.61g(3.93mmol)のジメチルホルムア
ミド4ml溶液をゆっくりと滴下し、終了後、室温で15
時間攪拌を続けた。反応液を希塩酸水溶液中に加え、塩
化メチレンで抽出し、抽出液は水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去して1.23
gの残渣を得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(溶媒 n−ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標
記化合物を0.71g(収率62%)得た。
ェニル−1−エチル−3−プロピオニル−2−イミダゾ
リジノンの製造:無水ジメチルホルムアミド20ml中に
(4S,5S)−4,5−ジフェニル−1−プロピオニ
ル−2−イミダゾリジノン1.05g(3.57mmol)
及び水素化ナトリウム0.17g(3.93mmol)を加
え、室温で40分間攪拌した。反応液を氷冷し、ヨウ化
エチル0.61g(3.93mmol)のジメチルホルムア
ミド4ml溶液をゆっくりと滴下し、終了後、室温で15
時間攪拌を続けた。反応液を希塩酸水溶液中に加え、塩
化メチレンで抽出し、抽出液は水で洗浄し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後、減圧下で溶媒を留去して1.23
gの残渣を得た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(溶媒 n−ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、標
記化合物を0.71g(収率62%)得た。
【0046】無色粘稠油状物 IR(νKBr max cm-1):1725, 16901 H-NMR(CDCl3)δ:1.04(3H,t,J=7.1Hz), 1.12(3H,t,J=
7.5Hz),2.77〜2.89(1H,m), 3.05(2H,q,J=7.5Hz), 3.66
〜3.71(1H,m),4.38(1H,d,J=2.9Hz), 5.06(1H,d,J=2.9H
z), 7.17〜7.41(10H,m)
7.5Hz),2.77〜2.89(1H,m), 3.05(2H,q,J=7.5Hz), 3.66
〜3.71(1H,m),4.38(1H,d,J=2.9Hz), 5.06(1H,d,J=2.9H
z), 7.17〜7.41(10H,m)
【0047】製造例4 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1−エチル−2−イミダゾリジノンの製造:メ
タノール5ml中に(4S,5S)−4,5−ジフェニル
−1−エチル−3−プロピオニル−2−イミダゾリジノ
ン0.66g(2.05mmol)を溶解し、ナトリウムメ
トキシド28%メタノール溶液0.62g(3.21mm
ol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加
え、塩化メチレンで抽出し、抽出液は水洗後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去して標記化
合物を0.55g(収率100%)得た。
ェニル−1−エチル−2−イミダゾリジノンの製造:メ
タノール5ml中に(4S,5S)−4,5−ジフェニル
−1−エチル−3−プロピオニル−2−イミダゾリジノ
ン0.66g(2.05mmol)を溶解し、ナトリウムメ
トキシド28%メタノール溶液0.62g(3.21mm
ol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加
え、塩化メチレンで抽出し、抽出液は水洗後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥させ、減圧下溶媒を留去して標記化
合物を0.55g(収率100%)得た。
【0048】m.p. 136.3〜137.0℃ IR(νKBr max cm-1):3200, 17001 H-NMR(CDCl3)δ:0.99(3H,t,J=7.1Hz), 2.79〜2.84(1
H,m),3.56〜3.61(1H,m), 4.37(1H,d,J=7.9Hz), 4.50(1
H,d,J=7.9Hz),4.76(1H,s), 7.20〜7.42(10H,m)
H,m),3.56〜3.61(1H,m), 4.37(1H,d,J=7.9Hz), 4.50(1
H,d,J=7.9Hz),4.76(1H,s), 7.20〜7.42(10H,m)
【0049】実施例1 (4S,5S)−1−アクリロ
イル−4,5−ジフェニル−3−イミダゾリジノンの製
造:塩化メチレン13ml中に(4S,5S)−4,5−
ジフェニル−1−メチル−2−イミダゾリジノン500
mg(1.98mmol)、塩化第1銅655mg(90%5.
95mmol)、銅粉126mg(1.98mg原子)及びトリ
エチルアミン200mg(1.98mmol)を加え、この中
にアクリル酸クロライド359mg(3.97mmol)をゆ
っくりと滴下した。次いで、4−ジメチルアミノピリジ
ン73mg(0.60mmol)の塩化メチレン13ml溶液を
ゆっくりと滴下し、終了後、更に室温で4時間攪拌を続
けた。反応液を塩化メチレンで希釈し、活性炭処理した
後水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で溶媒
を留去して得た0.42gの粘稠油状物である残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(溶媒 クロロホルム/メ
タノール)で精製し、標記化合物を180mg(収率30
%)得た。
イル−4,5−ジフェニル−3−イミダゾリジノンの製
造:塩化メチレン13ml中に(4S,5S)−4,5−
ジフェニル−1−メチル−2−イミダゾリジノン500
mg(1.98mmol)、塩化第1銅655mg(90%5.
95mmol)、銅粉126mg(1.98mg原子)及びトリ
エチルアミン200mg(1.98mmol)を加え、この中
にアクリル酸クロライド359mg(3.97mmol)をゆ
っくりと滴下した。次いで、4−ジメチルアミノピリジ
ン73mg(0.60mmol)の塩化メチレン13ml溶液を
ゆっくりと滴下し、終了後、更に室温で4時間攪拌を続
けた。反応液を塩化メチレンで希釈し、活性炭処理した
後水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で順次洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。減圧下で溶媒
を留去して得た0.42gの粘稠油状物である残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(溶媒 クロロホルム/メ
タノール)で精製し、標記化合物を180mg(収率30
%)得た。
【0050】m.p. 75.5〜76.2℃ 〔α〕19.6 D=−67.75°(c=0.68, CHCl3) IR(νneat max cm-1):1725, 1675, 1620 UV(λMeOH max nm):208.0(ε 26900)1 H-NMR(CDCl3)δ:2.80(3H,s), 4.30(1H,d,J=3.9Hz),5.
12(1H,d,J=3.9Hz), 5.80(1H,dd,J=1.8 and 10.4Hz),6.4
2(1H,dd,J=1.8 and 17.0Hz), 7.11〜7.69(10H,m),7.52
(1H,dd,J=10.4 and 17.0Hz)
12(1H,d,J=3.9Hz), 5.80(1H,dd,J=1.8 and 10.4Hz),6.4
2(1H,dd,J=1.8 and 17.0Hz), 7.11〜7.69(10H,m),7.52
(1H,dd,J=10.4 and 17.0Hz)
【0051】実施例2 (4S,5S)−1−クロトノ
イル−4,5−ジフェニル−3−メチル−2−イミダゾ
リジノンの製造:無水ジメチルホルムアミド15ml中に
(4S,5S)−4,5−ジフェニル−3−メチル−2
−イミダゾリジノン1.52g(6.03mmol)及び水
素化ナトリウム0.29g(55% 6.65mmol)を
加え室温で10分間攪拌した後、クロトン酸クロライド
0.69g(6.63mmol)をゆっくりと滴下し、終了
後、更に室温で5時間攪拌を続けた。反応液に水を加
え、塩化メチレンで抽出し、抽出液は水洗後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得た
2.05gの粘稠油状物である残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィー(溶媒 n−ヘキサン/酢酸エチル)で精
製し、標記化合物を0.53g(収率27%)得た。
イル−4,5−ジフェニル−3−メチル−2−イミダゾ
リジノンの製造:無水ジメチルホルムアミド15ml中に
(4S,5S)−4,5−ジフェニル−3−メチル−2
−イミダゾリジノン1.52g(6.03mmol)及び水
素化ナトリウム0.29g(55% 6.65mmol)を
加え室温で10分間攪拌した後、クロトン酸クロライド
0.69g(6.63mmol)をゆっくりと滴下し、終了
後、更に室温で5時間攪拌を続けた。反応液に水を加
え、塩化メチレンで抽出し、抽出液は水洗後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得た
2.05gの粘稠油状物である残渣をシリカゲルクロマ
トグラフィー(溶媒 n−ヘキサン/酢酸エチル)で精
製し、標記化合物を0.53g(収率27%)得た。
【0052】粘稠油状物 〔α〕22.2 D=−51.99°(c=1.0, CHCl3) IR(νneat max cm-1):1720, 1670, 1630 UV(λMeOH max nm):210.4(ε 23900)1 H-NMR(CDCl3)δ:1.93(3H,dd,J=1.6 and 7.0Hz), 2.80
(3H,s),4.27(1H,d,J=3.7Hz), 5.12(1H,d,J=3.7Hz),7.20
(1H,qd,J=7.0 and 15.2Hz), 7.17〜7.44(10H,m) 7.52(1H,qd,J=1.6 and 15.2Hz)13 C-NMR(CDCl3)δ:18.42, 29.08, 63.59, 67.40, 123.
13, 125.35,126.24, 128.06, 128.95, 129.05, 129.40,
138.51, 140.76, 144.72,154.96, 165.12
(3H,s),4.27(1H,d,J=3.7Hz), 5.12(1H,d,J=3.7Hz),7.20
(1H,qd,J=7.0 and 15.2Hz), 7.17〜7.44(10H,m) 7.52(1H,qd,J=1.6 and 15.2Hz)13 C-NMR(CDCl3)δ:18.42, 29.08, 63.59, 67.40, 123.
13, 125.35,126.24, 128.06, 128.95, 129.05, 129.40,
138.51, 140.76, 144.72,154.96, 165.12
【0053】実施例3 (4S,5S)−1−シンナモ
イル−4,5−ジフェニル−3−メチル−2−イミダゾ
リジノンの製造:無水ジメチルホルムアミド15ml中に
(4S,5S)−4,5−ジフェニル−1−メチル−2
−イミダゾリジノン1.50g(5.95mmol)及び水
素化ナトリウム0.29g(55% 6.65mmol)を
加え室温で20分間攪拌した後、シンナモイルクロライ
ド1.09g(6.55mmol)をゆっくりと滴下し、終
了後、更に室温で2時間攪拌を続けた。以下実施例2と
同様の操作を行い、標記化合物を1.43g(収率63
%)得た。
イル−4,5−ジフェニル−3−メチル−2−イミダゾ
リジノンの製造:無水ジメチルホルムアミド15ml中に
(4S,5S)−4,5−ジフェニル−1−メチル−2
−イミダゾリジノン1.50g(5.95mmol)及び水
素化ナトリウム0.29g(55% 6.65mmol)を
加え室温で20分間攪拌した後、シンナモイルクロライ
ド1.09g(6.55mmol)をゆっくりと滴下し、終
了後、更に室温で2時間攪拌を続けた。以下実施例2と
同様の操作を行い、標記化合物を1.43g(収率63
%)得た。
【0054】m.p. 144.9〜146.0℃ 〔α〕21.0 D=+29.82°(c=1.0, CHCl3) IR(νKBr max cm-1):1710, 1665, 1610 UV(λMeOH max nm):293.6(ε 27200) 208.0(ε 2370
0)1 H-NMR(CDCl3)δ:2.84(3H,s), 4.33(1H,d,J=3.5Hz),5.
20(1H,d,J=3.5Hz), 7.20〜7.63(15H,m), 7.74(1H,d,J=1
5.9Hz),8.23(1H,d,J=15.9Hz)
0)1 H-NMR(CDCl3)δ:2.84(3H,s), 4.33(1H,d,J=3.5Hz),5.
20(1H,d,J=3.5Hz), 7.20〜7.63(15H,m), 7.74(1H,d,J=1
5.9Hz),8.23(1H,d,J=15.9Hz)
【0055】実施例4 (4S,5S)−1−メタクリ
ロイル−4,5−ジフェニル−3−メチル−2−イミダ
ゾリジノンの製造:塩化メチレン52ml中に(4S,5
S)−4,5−ジフェニル−1−メチル−2−イミダゾ
リジノン2.00g(7.94mmol)、塩化第1銅2.
36g(90% 21.45mmol)、銅粉0.50g
(7.94mg原子)及びトリエチルアミン0.80g
(7.94mmol)を加え、この中にメタクリル酸クロラ
イド1.66g(15.87mmol)をゆっくりと滴下し
た。次いで、4−ジメチルアミノピリジン0.29g
(2.38mmol)の塩化メチレン52ml溶液をゆっくり
と滴下し、終了後更に室温で3時間攪拌を続けた。以下
実施例1と同様の操作を行い標記化合物を1.33g
(収率52%)得た。
ロイル−4,5−ジフェニル−3−メチル−2−イミダ
ゾリジノンの製造:塩化メチレン52ml中に(4S,5
S)−4,5−ジフェニル−1−メチル−2−イミダゾ
リジノン2.00g(7.94mmol)、塩化第1銅2.
36g(90% 21.45mmol)、銅粉0.50g
(7.94mg原子)及びトリエチルアミン0.80g
(7.94mmol)を加え、この中にメタクリル酸クロラ
イド1.66g(15.87mmol)をゆっくりと滴下し
た。次いで、4−ジメチルアミノピリジン0.29g
(2.38mmol)の塩化メチレン52ml溶液をゆっくり
と滴下し、終了後更に室温で3時間攪拌を続けた。以下
実施例1と同様の操作を行い標記化合物を1.33g
(収率52%)得た。
【0056】m.p. 100.4〜100.6℃ 〔α〕21.0 D=−85.68°(c=1.0, CHCl3) IR(νKBr max cm-1):1760, 1660 UV(λMeOH max nm):208.4(ε 23300)1 H-NMR(CDCl3)δ:2.08(3H,s), 2.76(3H,s), 4.31(1H,
d,J=5.31Hz),5.07(1H,d,J=5.31Hz), 5.39 〜5.41(2H,
m), 7.16〜7.43(10H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ:19.36, 28.92, 64.01, 67.74, 119.
05, 125.54,126.51, 128.16, 128.94, 129.27, 137.72,
139.55, 141.01, 154.29,171.03
d,J=5.31Hz),5.07(1H,d,J=5.31Hz), 5.39 〜5.41(2H,
m), 7.16〜7.43(10H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ:19.36, 28.92, 64.01, 67.74, 119.
05, 125.54,126.51, 128.16, 128.94, 129.27, 137.72,
139.55, 141.01, 154.29,171.03
【0057】実施例5 (4S,5S)−1−シンナモ
イル−4,5−ジフェニル−3−エチル−2−イミダゾ
リジノンの製造:窒素気流下、無水テトラヒドロフラン
4ml中に水素化ナトリウム85mg(55% 1.94mm
ol)を加え、この中に(4S,5S)−1−エチル−
4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン470mg
(1.77mol)のテトラヒドロフラン15ml溶液を滴
下した。室温で30分間攪拌した後、シンナモイルクロ
ライド324mg(1.94mmol)のテトラヒドロフラン
5ml溶液をゆっくりと滴下し、終了後、更に室温で3時
間攪拌を続けた。以下実施例2と同様の操作を行い標記
化合物を630mg(収率90%)得た。
イル−4,5−ジフェニル−3−エチル−2−イミダゾ
リジノンの製造:窒素気流下、無水テトラヒドロフラン
4ml中に水素化ナトリウム85mg(55% 1.94mm
ol)を加え、この中に(4S,5S)−1−エチル−
4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン470mg
(1.77mol)のテトラヒドロフラン15ml溶液を滴
下した。室温で30分間攪拌した後、シンナモイルクロ
ライド324mg(1.94mmol)のテトラヒドロフラン
5ml溶液をゆっくりと滴下し、終了後、更に室温で3時
間攪拌を続けた。以下実施例2と同様の操作を行い標記
化合物を630mg(収率90%)得た。
【0058】m.p. 218.3〜218.5℃ 〔α〕21.5 D=−15.08°(c=1.0, CHCl3) IR(νKBr max cm-1):1710, 1670, 1615 UV(λdioxane max nm):289.2(ε 26000) 215.6(ε 244
00)1 H-NMR(CDCl3)δ:1.09(3H,t,J=7.1Hz), 2.83〜2.95(1
H,m),3.69〜3.80(1H,m), 4.42(1H,d,J=3.5Hz), 5.20(1
H,d,J=3.5Hz),7.21〜7.63(15H,m), 7.73(1H,d,J=15.8H
z), 8.23(1H,d,J=15.8Hz)13 C-NMR(CDCl3)δ:12.45, 36.73, 63.82, 64.76, 118.
74, 125.40,126.33, 128.14, 128.42, 128.74, 128.95,
129.12, 129.39, 130.08,135.09, 138.94, 140.93, 14
4.51, 165.31
00)1 H-NMR(CDCl3)δ:1.09(3H,t,J=7.1Hz), 2.83〜2.95(1
H,m),3.69〜3.80(1H,m), 4.42(1H,d,J=3.5Hz), 5.20(1
H,d,J=3.5Hz),7.21〜7.63(15H,m), 7.73(1H,d,J=15.8H
z), 8.23(1H,d,J=15.8Hz)13 C-NMR(CDCl3)δ:12.45, 36.73, 63.82, 64.76, 118.
74, 125.40,126.33, 128.14, 128.42, 128.74, 128.95,
129.12, 129.39, 130.08,135.09, 138.94, 140.93, 14
4.51, 165.31
【0059】実施例6 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1−(3−メトキシカルボニルプロペノイル)
−3−メチル−2−イミダゾリジノンの製造:塩化メチ
レン5ml中に(4S,5S)−4,5−ジフェニル−1
−メチル−2−イミダゾリジノン200mg(0.79mm
ol)、フマル酸無水物93mg(0.95mmol)及びトリ
エチルアミン120mg(1.19mmol)を加え、室温で
46時間攪拌した。次いで反応液にメタノール220mg
(6.88mmol)、2−クロロ−1,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムクロライド1.20g(7.10mmol)及
びトリエチルアミン1.40g(14.00mmol)を加
え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え塩化メチ
レンで抽出し、抽出液は、水洗後無水硫酸マグネシウム
で乾燥させ、減圧下溶媒を留去して黒色油状性残渣を得
た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒
n−ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物を
30mg(収率10%)得た。
ェニル−1−(3−メトキシカルボニルプロペノイル)
−3−メチル−2−イミダゾリジノンの製造:塩化メチ
レン5ml中に(4S,5S)−4,5−ジフェニル−1
−メチル−2−イミダゾリジノン200mg(0.79mm
ol)、フマル酸無水物93mg(0.95mmol)及びトリ
エチルアミン120mg(1.19mmol)を加え、室温で
46時間攪拌した。次いで反応液にメタノール220mg
(6.88mmol)、2−クロロ−1,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムクロライド1.20g(7.10mmol)及
びトリエチルアミン1.40g(14.00mmol)を加
え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え塩化メチ
レンで抽出し、抽出液は、水洗後無水硫酸マグネシウム
で乾燥させ、減圧下溶媒を留去して黒色油状性残渣を得
た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒
n−ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物を
30mg(収率10%)得た。
【0060】樹脂状物 IR(νneat max cm-1):1725, 16701 H-NMR(CDCl3)δ:2.83(3H,s), 3.81(3H,s), 4.34(1H,
d,J=3.7Hz),5.11(1H,d,J=3.7Hz), 6.77(1H,d,J=15.6H
z), 7.17〜7.46(10H,m) 8.46(1H,d,J=15.6Hz)
d,J=3.7Hz),5.11(1H,d,J=3.7Hz), 6.77(1H,d,J=15.6H
z), 7.17〜7.46(10H,m) 8.46(1H,d,J=15.6Hz)
【0061】参考例1 (1) (4S,5S)−4,5−ジフェニル−1−メ
チル−3−(3−フェニルブチリル)−2−イミダゾリ
ジノンの製造:窒素気流下、無水テトラヒドロフラン
4.8ml中に臭化第1銅0.62g(95% 4.11
mmol)を加え、−40℃に冷却し、この中にメチルマグ
ネシウムブロミド3.0Mジエチルエーテル溶液2.7
2ml(8.16mmol)を加え、−40℃で15分間、更
に−10℃で20分間攪拌した。次いで(4S,5S)
−1−シンナモイル−4,5−ジフェニル−3−メチル
−2−イミダゾリジノン1.04g(2.72mmol)を
加え、−10℃で1.5時間、0℃で20分間、更に室
温で16時間攪拌を続けた。反応液に飽和塩化アンモニ
ウム水溶液12mlを加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液
は、水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で
溶媒を留去して1.25gの残渣を得た。この残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(溶媒 n−ヘキサン/酢
酸エチル)にて精製しジアステレオマーの混合物である
標記化合物を0.55g(収率51%)得た。この混合
物をHPLC分析したところジアステレオマー比は7
7:23であった。
チル−3−(3−フェニルブチリル)−2−イミダゾリ
ジノンの製造:窒素気流下、無水テトラヒドロフラン
4.8ml中に臭化第1銅0.62g(95% 4.11
mmol)を加え、−40℃に冷却し、この中にメチルマグ
ネシウムブロミド3.0Mジエチルエーテル溶液2.7
2ml(8.16mmol)を加え、−40℃で15分間、更
に−10℃で20分間攪拌した。次いで(4S,5S)
−1−シンナモイル−4,5−ジフェニル−3−メチル
−2−イミダゾリジノン1.04g(2.72mmol)を
加え、−10℃で1.5時間、0℃で20分間、更に室
温で16時間攪拌を続けた。反応液に飽和塩化アンモニ
ウム水溶液12mlを加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液
は、水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で
溶媒を留去して1.25gの残渣を得た。この残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィー(溶媒 n−ヘキサン/酢
酸エチル)にて精製しジアステレオマーの混合物である
標記化合物を0.55g(収率51%)得た。この混合
物をHPLC分析したところジアステレオマー比は7
7:23であった。
【0062】 HPLC分析条件 カラム:Capcell pak ODS UG-120Å5μm(4.6mmID×250mmL) 移動相:CH3OH:H2O=7:3 流 速:1.0ml/min Detector:UV210nm
【0063】(2) 3−フェニルブタン酸の製造:メ
タノール5ml中に(4S,5S)−4,5−ジフェニル
−1−メチル−3−(3−フェニルブチリル)−2−イ
ミダゾリジノン0.52g(1.31mmol)及びナトリ
ウムメトキシド28%メタノール溶液0.51g(2.
64mmol)を加え、室温で45分間攪拌した後、水1ml
(55.56mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。
反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出し、塩化メチレ
ン層は、水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧
下溶媒を留去し(4S,5S)−4,5−ジフェニル−
1−メチル−2−イミダゾリジノンを0.32g回収し
た。水層は塩酸酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、抽
出液は水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶
媒を留去して標記化合物を0.21g(収率100%)
得た。
タノール5ml中に(4S,5S)−4,5−ジフェニル
−1−メチル−3−(3−フェニルブチリル)−2−イ
ミダゾリジノン0.52g(1.31mmol)及びナトリ
ウムメトキシド28%メタノール溶液0.51g(2.
64mmol)を加え、室温で45分間攪拌した後、水1ml
(55.56mmol)を加え、室温で16時間攪拌した。
反応液に水を加え、塩化メチレンで抽出し、塩化メチレ
ン層は、水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧
下溶媒を留去し(4S,5S)−4,5−ジフェニル−
1−メチル−2−イミダゾリジノンを0.32g回収し
た。水層は塩酸酸性とした後、酢酸エチルで抽出し、抽
出液は水洗後無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶
媒を留去して標記化合物を0.21g(収率100%)
得た。
【0064】IR(νneat max cm-1):2960, 1705
【0065】参考例2 (4S,5S)−1−(3−ジ
メトキシ−2−メチルプロピオニル)−4,5−ジフェ
ニル−3−メチル−2−イミダゾリジノンの製造:ジメ
トキシエタン8.9ml中に、(4S,5S)−1−メタ
クリロイル−4,5−ジフェニル−3−メチル−2−イ
ミダゾリジノン0.98g(3.06mmol)、塩化パラ
ジウム0.24g(1.35mmol)、塩化第1銅0.4
9g(4.95mmol)及びメタノール3.56g(11
1.25mmol)を加え、酸素雰囲気下室温で87時間攪
拌した。反応液をフロリジールを通して濾過し、濾液を
減圧下濃縮して1.03gの褐色粘稠油状物を得た。こ
の油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 n−
ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、ジアステレオマー
の混合物である標記化合物を0.69g(収率59%)
得た。この混合物の1H-NMR スペクトル分析を行い積分
値を比較したところジアステレオマー比は62:38で
あった。
メトキシ−2−メチルプロピオニル)−4,5−ジフェ
ニル−3−メチル−2−イミダゾリジノンの製造:ジメ
トキシエタン8.9ml中に、(4S,5S)−1−メタ
クリロイル−4,5−ジフェニル−3−メチル−2−イ
ミダゾリジノン0.98g(3.06mmol)、塩化パラ
ジウム0.24g(1.35mmol)、塩化第1銅0.4
9g(4.95mmol)及びメタノール3.56g(11
1.25mmol)を加え、酸素雰囲気下室温で87時間攪
拌した。反応液をフロリジールを通して濾過し、濾液を
減圧下濃縮して1.03gの褐色粘稠油状物を得た。こ
の油状物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶媒 n−
ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、ジアステレオマー
の混合物である標記化合物を0.69g(収率59%)
得た。この混合物の1H-NMR スペクトル分析を行い積分
値を比較したところジアステレオマー比は62:38で
あった。
Claims (1)
- 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって水素原子又は
低級アルキル基を示し、R3 は低級アルキル基、アリー
ル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基又はア
ラルキルオキシカルボニル基を示し、*は不斉炭素の位
置を示す〕で表わされる光学活性な4,5−ジフェニル
−2−イミダゾリジノン誘導体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32297295A JPH09157260A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 光学活性な4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32297295A JPH09157260A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 光学活性な4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09157260A true JPH09157260A (ja) | 1997-06-17 |
Family
ID=18149713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32297295A Pending JPH09157260A (ja) | 1995-12-12 | 1995-12-12 | 光学活性な4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン誘導体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09157260A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302852A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Japan Science & Technology Agency | 光学活性イミダゾリジン化合物とそのポリマー固定化複合体並びに不斉合成触媒 |
-
1995
- 1995-12-12 JP JP32297295A patent/JPH09157260A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007302852A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Japan Science & Technology Agency | 光学活性イミダゾリジン化合物とそのポリマー固定化複合体並びに不斉合成触媒 |
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