JP4614026B2 - N−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維処理剤、樹脂原料、樹脂添加剤、農薬中間体、又は医薬中間体として有用な、N−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン、そして各種光学活性用途として光学分割剤及びその原料や農薬、医薬中間体、その他不斉触媒など既存の様々な不斉源として有用な光学活性N−置換非対称−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体は、一般的な用途として繊維処理剤、樹脂原料、樹脂添加剤、農薬中間体及び医薬中間体等、また、各種光学活性用途として光学分割剤及びその原料や農薬中間体、医薬中間体、その他不斉触媒など既存の様々な不斉源として有用であることが知られている。特に医薬中間体についてはジャーナル オブ メディシナル ケミストリー(J.Med.Chem.)、42巻、135頁(1999年)等に記載されている。しかしながら該文献中に記載の化合物は合成上の問題から、2つあるN原子に同じ置換基を導入しているケースが多い。これは、等価であるN原子に異なった置換基を導入する場合には、既存の方法では製造工程が多工程(多段階反応)であったり、反応の選択性に問題がある為に異性体混合物として得られる等の様々な問題があった。
【0003】
従来知られているN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造法としては、国際公開番号WO94/19329号明細書には、必要とする構造に対応した脂肪族ジアミン化合物を所望により塩基である適当な溶媒中で適当な還元剤と反応させる方法が記載されている。この方法で用いているジアミンは入手が困難な化合物が多いだけでなく、ジアミン製造の過程において特殊な試薬が必要であったり、何段階にもわたる工程が必要であるなど工業的に製造するには困難な場合が多い。
【0004】
また、N,N−無置換の5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンを合成する方法としては、ケミッシェ ベリヒテ(Chem.Ber.)、34巻、3289頁(1901年)には環状ウレアの電解還元法、米国特許第2874149号明細書には1,3−ジアミノ−2−プロパノールと一酸化炭素を原料とした方法、米国特許第3530128号明細書には1,3−ジアミノ−2−プロパノールと環状炭酸エステルを原料とした方法、ジャーナル オブ アメリカンケミカル ソサイエティー(J.Am.Chem.Soc.)、72巻、3205頁(1950年)には2−ニトロアミノ−5−ヒドロキシ−1,3−ジアザ−2−シクロヘキセンをベンジルアミン触媒によって水中で加水分解する方法、ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー(J.Org.Chem.)、61巻、4175〜4179頁(1996年)には1,3−ジアミノ−2−プロパノールとS,S−ジメチルジチオ炭酸エステルを原料とする方法などが知られている。これらの原料としてはどれも工業的には入手困難であるだけでなく、前述のように2つあるN原子上に異なった置換基を導入する場合には問題があり、非常に高価な薬品を原料とするだけでなく収率も低いことから不経済な方法であった。
【0005】
この様にN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンに関する効率的な製造法についてはこれまでに知られていない。また、N−置換非対称とすることによって5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの5−位が不斉炭素になり光学活性を示すようになるが、これまでにこの様な光学活性な化合物の効率的な製造方法の報告例もまた知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、繊維処理剤、樹脂原料、樹脂添加剤、農薬中間体及び医薬中間体として有用な、N−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの効率的な製造方法、さらに容易に入手可能な光学活性な原料を用いることにより、各種光学活性用途として、光学分割剤及びその原料や農薬、医薬中間体やその他不斉触媒など既存の様々な不斉源として有用な化合物である光学活性N−置換非対称−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの効率的な製造方法について提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は第1観点として、式(1):
【0008】
【化6】
【0009】
で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート及び、式(2):
【0010】
【化7】
【0011】
(式(2)中、nは0または1であり、R1は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基、R2及びR3はそれぞれ水素原子を示すか、又は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基を示す。)で表されるアミンを原料とすることを特徴とする式(3):
【0012】
【化8】
【0013】
(式(3)中、*は不斉炭素を示し、nは0または1であり、R1は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基、R2及びR3はそれぞれ水素原子を示すか、又は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基を示す。)で表されるN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法、
第2観点として、下記(A)工程及び(B)工程:
(A)工程:式(1)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートと式(2)で表されるアミンとを反応することによって式(4):
【0014】
【化9】
【0015】
(式(4)中、*は不斉炭素を示し、nは0または1であり、R1は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基、R2及びR3はそれぞれ水素原子を示すか、又は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基を示す。)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートのアミン付加物を得る工程、及び
(B)工程:(A)工程で得られたトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートのアミン付加物を分解する工程、よりなる式(3)で表されるN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法、
第3観点として、(B)工程において触媒として塩基又はオニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種類の化合物の存在下に反応を行う第2観点に記載のN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法、
第4観点として、式(3)のN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンを原料として製造することを特徴とする式(5):
【0016】
【化10】
【0017】
(式(5)中、*は不斉炭素を示し、nは0または1であり、R1は、酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基、R2及びR3はそれぞれ水素原子を示すか、又は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基を示す。A及びBはそれぞれ独立し、同一でも異なっていても良く、R4、R5及びR6はそれぞれ水素原子を示すか、又は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基を示す。)で表されるN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体の製造方法、
第5観点として、式(3)のN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンが、第1観点乃至第3観点のいずれか一つで得られたものを使用する、第4観点記載の式(5)で表されるN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体の製造方法、
第6観点として、第1観点乃至第3観点のいずれか一つにおいて原料に用いるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートが、光学活性なトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートである式(3)の構造を有する光学活性なN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法、
第7観点として、第5観点において原料に用いるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートが、光学活性なトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートである式(5)の構造を有する光学活性なN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体の製造方法、
第8観点として、第1観点乃至第3観点のいずれか一つにおいて原料に用いるアミンが光学活性なアミンであり、且つ得られたN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンのジアステレオマーを分離する工程を追加する式(3)の構造を有する光学活性なN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法、及び
第9観点として、第5観点において原料に用いるアミンが光学活性なアミンであり、且つ得られたN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体のジアステレオマーを分離する工程を追加する式(5)の構造を有する光学活性なN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体の製造方法である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明においてN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンは、式(3)の構造を有する。
【0019】
本発明中の式(2)、式(3)、式(4)及び式(5)で使用されるR1は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基を示す。有機基としては特に限定されるものではないが、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基などの脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環、アルキル芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキルアミノアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシカルボニル基等が例示される。R1は、以上例示された原子団から成る炭素数1〜36の有機基であり、好ましくは炭素数1〜18の有機基である。
【0020】
R2、R3、R4、R5及びR6は水素原子を示すか、又は酸素原子、窒素原子、イオウ原子及びリン原子からなる群より選ばれる一種以上の原子を含んでも良い炭素数1〜36の有機基を示す。有機基としては特に限定されるものではないが、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基などの脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環、アルキル芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基、フェニルスルホニル基、アルキルアミノアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシカルボニル基等が例示される。R2、R3、R4、R5及びR6は、上記例示された原子団から成る炭素数1〜36の有機基であり、好ましくは炭素数1〜18の有機基である。
【0021】
さらに具体的には、R1、R2、R3、R4、R5及びR6を例示する。
【0022】
例えばアルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が、シクロアルキル基としてはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基等が挙げられる。
【0023】
アルキルシクロアルキル基としてはメチルシクロブチル基、エチルシクロペンチル基、へキシルシクロヘキシル基等が挙げられる。
【0024】
芳香族炭化水素基としてはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。
【0025】
複素環としてはエチレンオキシド、ジオキサン、フラン、ピラン等の骨格を有する酸素含有環状化合物からなる有機基;ピロール、ピロリジン、ピリジン、イミダゾール、ピリミジン、トリアジン、インドール、キノリン及びプリン等の骨格を有する窒素含有環状化合物からなる有機基;チオフェン、チオピラン等の骨格を有するイオウ含有環状化合物からなる有機基が挙げられる。その他ヒ素或いはリン原子を含む環状化合物も例示される。また、同時に2種以上のヘテロ原子を含む複素環であっても良く、この例としてはチアゾール等が挙げられる。
【0026】
アルキル芳香族炭化水素基としてはベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等が挙げられる。
【0027】
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
【0028】
アルコキシアルキル基としてはメトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシプロピル基等が挙げられる。
【0029】
アシル基としてはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
【0030】
アルキルスルホニル基としてはメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基等が挙げられる。
【0031】
芳香族スルホニル基としてはベンゼンスルホニル基、ビフェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等が挙げられる。
【0032】
アルキルアミノアルキル基としてはモノメチルアミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、エチルアミノプロピル基、ジエチルアミノプロピル基、ジイソプロピルアミノブチル基等が挙げられる。
【0033】
アルケニル基としてはビニル基、2−ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オクテニル基等が挙げられる。
【0034】
アルキニル基としてはエチニル基、ブチニル基、ペンチニル基等が挙げられる。
【0035】
アルコキシカルボニル基としてはメトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
【0036】
上記化合物のうち特に好ましいものとしては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキルシクロアルキル基などの脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環を有する有機基、アルキル芳香族炭化水素基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられ、これは化合物の安定性と製造に用いられる原料の安定性と入手の容易さとから選ばれる。
【0037】
また、上記有機基には、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、ベンジルオキシ基、チオール基、アミノ基、シアノ基、アミドキシム基、ニトロ基、スルホニル基、スルホキシル基から選ばれる一種以上の置換基を有していても良く、それぞれ同一であっても異なっていても良い。これらの置換基のうち特に好ましいものとしては、ハロゲン基、ヒドロキシル基、シアノ基、ニトロソ基、ニトロ基が挙げられ、この置換基についても化合物の安定性と製造に用いられる原料の安定性と入手の容易さとから選ばれる。
【0038】
本発明中の式(2)、式(3)、式(4)及び式(5)で示されるR1、R2及びR3は、それぞれ原料、中間体、生成物の構造を示すものであり全て共通である。例えば原料にベンジルアミンを使用した場合は、式(2)で用いられるnは1であり、R1はフェニル基を表し、R2及びR3は水素原子を表す。さらに中間体である式(4)で表される化合物、さらに生成物である式(3)及び式(5)で示される化合物中のR1、R2及びR3は、全て式(2)と同じであり、nは1であり、R1はフェニル基を表し、R2及びR3は水素原子を表す。
【0039】
また、本発明の式(5)で表されるN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体中のA、Bは、それぞれ独立し、同一でも異なっていても良い。
【0040】
本発明の、光学活性N−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体は、S体として下記式(6)を有し、
【0041】
【化11】
【0042】
R体として下記式(7)を有する。
【0043】
【化12】
【0044】
本願発明の好ましい式(3)で表されるN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体及び光学活性N−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体の製造方法は、(A)工程として式(1)に示したトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートと式(2)で表されるアミンとを反応して得られる、式(4)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートのアミン付加物を得た後、(B)工程としてこの付加物を分解する方法である。
【0045】
本願製法中の出発原料として式(1)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートは、公知の如何なる方法によって製造された物でも好ましく本発明に用いることができる。例えば市販品としては日産化学工業株式会社製商品名TEPICとして、高純度品の商品名TEPIC−Sが挙げられる。
【0046】
また、光学活性トリス−(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートを原料として使用する場合は、(2R,2’R,2”R)または(2S,2’S,2”S)の化合物を示し、その製造方法としては特に限定されるものではない。例えばトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレートのラセミ体を酵素などにより動力学的に分割する不斉分割法がある。また好ましい方法としては、特開平11−315078号公報で開示されている方法がある。これはシアヌール酸に対して光学活性なエピクロルヒドリンを作用させ、続いて脱水還流しながら水酸化ナトリウム水溶液を滴下することによって、脱塩酸反応が起こり、目的物である光学活性トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートを得る方法である。
【0047】
本発明で使用する光学活性或いはラセミ体のトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートは、用途の性質上高純度であることが好ましく、具体的には純度90%以上が好ましく、より好ましくは純度95%以上である。また、光学活性体を原料として用いた場合の光学純度は目的物の光学純度を左右するので重要であり、好ましくは光学純度80%e.e.以上、より好ましくは光学純度90%e.e.以上である。
【0048】
高純度化の方法についても特に限定されるものではないが、例えば光学活性トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートは、メタノールなどの溶媒を用いて再結晶することによって高純度化することが可能である。
【0049】
本願製法中で用いられる一方の原料である式(2)で表されるアミンとしては、上記で説明したR1、R2及びR3で示した原子団のアミノ化物である。例えば、メチルアミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、3−シアノベンジルアミン、3−ニトロベンジルアミン、3−ベンジルオキシベンジルアミン、フェネチルアミン、シクロヘキシルアミン、シンナミルアミン、アリルアミン、プロパルギルアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、メトキシエチルアミン、ベンジルオキシエチルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジベンジルアミノエチルアミン、クロロエチルアミン、フルオロエチルアミン、トリフルオロエチルアミン、メトキシアミン、アリルオキシアミン、ベンジルオキシアミン、N,N-ジメチルヒドラジン、 N,N-ジベンジルヒドラジン、グリシンメチルエステル、アラニンエチルエステル、バリンメチルエステル、βーアラニンエチルエステル、グリシノニトリル、フェニルグリシノニトリル、アニリン、トルイジン、クロロアニリン、アンスラニル酸エチルエステル等が挙げられるが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。また、これらアミンに対応する光学活性体を使用する事が出来る。
【0050】
本発明において式(1)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートと式(2)で表されるアミンとを反応させる(A)工程では触媒を用いることができる。これはエポキシ化合物とアミンとの反応を促進する如何なる触媒でも使用することができるが、例えば酸触媒として塩化アルミニウム、塩化すず、3フッ化ホウ素、3フッ化イッテルビウム等のルイス酸等を挙げることができ、その他アルカリ金属やアルカリ土類金属とハロゲン化炭化水素の塩である塩化リチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウムなどを挙げることができる。また、無機酸化物として酸化チタンやシリカなども表面の酸性度を利用した酸触媒として使用することができる。
【0051】
一方、式(4)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートのアミン付加物を分解する(B)工程に用いられる触媒としては、塩基性物質又はオニウム塩を添加する事が好ましい。
【0052】
塩基性物質としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩基、水素化ナトリウム等の金属水素化物、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド、リチウムジイソプロピルアミド等の有機金属アミド、n−ブチルリチウム等の有機金属化合物、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ジメチルベンジルアミン等の有機塩基を用いることができる。特に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ジメチルベンジルアミン等の有機塩基を用いることが好ましい。
【0053】
また本願発明で使用されるオニウム塩は、例えばアンモニウム塩、ホスフォニウム塩、アルソニウム塩、スチボニウム塩、オキソニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、スタンノニウム塩、ヨードニウム塩が例示される。中でも第4級アンモニウム塩又は第4級ホスフォニウム塩を使用することによって副反応を抑えることができるので好ましく、第4級アンモニウム塩は、穏和な条件で反応でき、収率、純度ともに比較的良いものが得られるので特に好ましい。
【0054】
次に本願製法中で使用されるオニウム塩を具体的に例示する。
【0055】
第4級アンモニウム塩として好ましいものとしては、例えばハロゲン化トリエチルベンジルアンモニウム、ハロゲン化トリエチルベンジルアンモニウム、ハロゲン化トリオクチルメチルアンモニウム、ハロゲン化トリブチルベンジルアンモニウム、ハロゲン化トリメチルベンジルアンモニウム等が挙げられる。さらに1,8−ジアザ−8−ベンジルビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ[4.3.0]ノネン−5或いは1−メチルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール等のイミダゾール系化合物やピリジン、ピコリン等に代表される置換ピリジン等のアミン系の化合物と、ハロゲン化ベンジル、ハロゲン化メチル、ハロゲン化エチル等のハロゲン化炭化水素を反応させて得られるアンモニウム塩も好適な触媒として例示することができる。
【0056】
第4級ホスフォニウム塩として好ましいものとしては、例えばハロゲン化テトラn−ブチルホスフォニウム、ハロゲン化テトラn−プロピルホスフォニウム等のハロゲン化テトラアルキルホスフォニウム、ハロゲン化トリエチルベンジルホスフォニウム等のハロゲン化トリアルキルベンジルホスフォニウム、ハロゲン化トリフェニルメチルホスフォニウム、ハロゲン化トリフェニルエチルホスフォニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアルキルホスフォニウム、ハロゲン化トリフェニルベンジルホスフォニウム、ハロゲン化テトラフェニルホスフォニウム、ハロゲン化トリトリルモノアリールホスフォニウム、或いはハロゲン化トリトリルモノアルキルホスフォニウムが挙げられる。
【0057】
本願製法中でオニウム塩の対イオンとして使用されるハロゲンを例示すると、塩素イオン(Cl-)、臭素イオン(Br-)、ヨウ素イオン(I-)等を好適なものとして挙げる事ができる。第4級アンモニウム塩は、湿った酸化銀の作用又は水酸化ナトリウムを作用させることによって対イオンのハロゲンイオンがヒドロキシルイオン(OH-)に置換され強塩基性を示し第4級アンモニウム塩基となることが知られているが、これらもまた好ましい塩基性物質として使用することができる。
【0058】
また、必要に応じて、塩基性物質とオニウム塩を組み合わせて反応させる事も出来る。例えば塩化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化トリフェニルエチルホスホニウム等のオニウム塩と、塩基性物質とを組み合わせる事によって更に効率的に反応を行うことができる。
【0059】
反応形態としては、式(1)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート及び式(2)のアミンのみで反応を行う事が出来るが、より穏和な条件で反応させるために、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート及び式(2)のアミンを溶媒に溶解し反応を行う事が好ましい。
【0060】
本願製法中でトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート及び式(2)のアミンを反応させる(A)工程に用いられる溶媒としては、反応に対して不活性であればよく、例えばトルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ピリジン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物、ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、酢酸エチル等のエステル類、あるいはそれらの混合物が用いられる。溶媒を使用した際の反応温度はマイナス78℃から溶媒の沸点の間で行うことができる。好ましくは、室温(20℃)から溶媒の沸点の間で行うことが望ましい。
【0061】
さらに本願製法中の式(4)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートのアミン付加物を分解する(B)工程に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、ピリジン、トリエチルアミン等の第3級アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等の硫黄化合物、ニトロエタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物、酢酸エチル等のエステル類、あるいはそれらの混合物が用いられる。好ましくは沸点が100℃以上の溶媒であるジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、2−エトキシエタノール、ジメトキシエタンを使用し、反応温度は100℃から溶媒の沸点の間で行うことが好ましい。
【0062】
本願製法中における(A)工程及び(B)工程を行う際に使用される溶媒としては、同一の溶媒を使用しても良いが、(A)工程でトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート及び式(2)のアミンを反応させた後に、再結晶、液体クロマトグラフィー、蒸留等の精製法によって式(4)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートのアミン付加物を単離し、続いて好ましい溶媒に変更した後に(B)工程で分解反応し、式(3)の化合物を製造しても良い。
【0063】
本発明で使用される式(2)で示されるアミンの量としては特に限定されないが好ましくはトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートの1モルに対して3モルから100モル、より好ましくは6モルから60モルの範囲で使用される。
【0064】
本発明の方法によって得られた式(3)で表されるN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンを用いることによって、式(5)で表されるN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体を製造することができる。この製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法によって容易に一分子中に2つ存在するN原子に異なった置換基を導入した2置換の化合物を誘導することが可能である。
【0065】
【実施例】
実施例1
〔1−ベンジル−5−(S)−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造〕
(2S,2’S,2”S)−トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート1.04gにジクロロメタン10mlを加え、室温でイッテルビウムトリフラート0.95gとベンジルアミン1.72gを加え一晩反応させた。反応終了後、溶媒を留去して得られた付加物の粗物3.7gを、2−エトキシエタノール20mlに溶解させて水酸化ナトリウム0.4gを加え還流下反応させた。反応終了後、1N−塩酸を加え中和した後、酢酸エチルを加え撹拌した。水層を濃縮後、逆相クロマトグラフィーにより精製し、目的物1.0gを得た。
【0066】
融点:124.5〜125.5℃
1H−NMR(ppm,CDCl3):7.20〜7.35ppm(m,5H)、5.25ppm(bs,1H)、4.70ppm(d,1H,J=15Hz)、4.36ppm(d,1H,J=15Hz)、4.07ppm(m,1H,J=13Hz)、3.48ppm(bs,1H)、3.42ppm(d,1H,J=13Hz)、3.30ppm(dd,2H,J=13,14Hz)、3.16ppm(d,1H,J=14Hz)
[α]D+8.60°(c=1.0, EtOH)
光学純度:95%e.e.以上(CHIRALPAK AD、IPA/Hexane=2/8、flow rate 0.6ml/min、210nm)
実施例2
〔1−ベンジル−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造〕
塩化カルシウム0.23gとトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート0.6gにアセトニトリル2mlを加え、室温でベンジルアミン0.81gを加え一晩反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、ジクロロメタンと水を加え撹拌した。ジクロロメタン層の溶媒を留去することにより得られた付加物の粗物1.7gに粉砕した水酸化ナトリウム0.08gとN,N−ジメチルホルムアミド6mlを加えて還流下反応させた。反応終了後、1N−塩酸を加え中和した後、酢酸エチルを加え撹拌し、その水層を濃縮後、逆相クロマトグラフィーにより精製して目的物0.58gを得た。
【0067】
融点:126〜128℃
1H−NMR(ppm,CDCl3):7.15〜7.40ppm(m,5H)、5.11ppm(bs,1H)、4.68ppm(d,1H,J=15Hz)、4.42ppm(d,1H,J=15Hz)、4.08ppm(m,1H)、3.10〜3.45ppm(m,4H)、1.85ppm(bs,1H)
この化合物を、氷冷下に無水酢酸とピリジンでアセチル化後、再結晶することにより容易に5−アセチル体が得られた。
【0068】
融点:188〜189℃
1H−NMR(ppm,CDCl3):7.20〜7.40ppm(m,5H)、5.60ppm(bs,1H)、5.07ppm(m,1H)、4.74ppm(d,1H,J=15Hz)、4.36ppm(d,1H,J=15Hz)、3.50〜3.60ppm(m,1H)、3.35〜3.60ppm(m,1H)、3.15〜3.25ppm(m,1H)、1.99ppm(s,3H)
実施例3
〔1−フェネチル−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造〕トリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレート2.98 gをアセトニトリル20mlに溶解させ、室温で塩化カルシウム1.14gと(−)−フェネチルアミン4.07gを加え一晩反応させた。反応終了後、溶媒を留去し、ジクロロメタンと水を加え撹拌した。ジクロロメタン層を溶媒を留去することにより得られた、付加物の粗物をN,N−ジメチルホルムアミド20mlに溶解させて水酸化ナトリウム0.41gを加え還流下反応させた。反応終了後、1N−塩酸を加え中和した後、酢酸エチルを加え撹拌した。その水層を濃縮して目的物4.44gを得た。
【0069】
融点:96〜102℃
1H−NMR(ppm,CDCl3):7.15〜7.40ppm(m,5H)、5.90ppm(q,1H,J=7Hz)、4.80ppm(bs,1H)、3.98〜4.10ppm(m,1H)、3.33〜3.48ppm(m,1H)、3.18〜3.31ppm(m,2H)、2.80〜3.10ppm(m,1H)、2.20ppm(bs,1H)、1.51ppm(d,1H,J=7Hz)
この化合物を、氷冷下に無水酢酸とピリジンでアセチル化することにより容易に5−アセチル体が得られた。
【0070】
融点:133〜138℃
1H−NMR(ppm,CDCl3):7.15〜7.42ppm(m,5H)、5.85〜5.96ppm(m,1H)、5.30〜5.41ppm(m,1H)、5.01ppm(bs,1H)、3.42〜3.58ppm(m,1H)、3.13〜3.40ppm(m,2H)、2.92〜3.08ppm(m,1H)、2.08〜1.85ppm(s+s,3H)、1.50〜1.46ppm(d+d,3H,J=7Hz)
このジアステレオマー混合物は薄相クロマトグラフィー(AcOEt100%)により分離することができた。
【0071】
ジアステレオマーA:融点125〜126℃、[α]D−32.0°(c=0.56,EtOH)
ジアステレオマーB:融点132〜136℃、[α]D−63.9°(c=0.60,EtOH)
実施例4
〔1−イソプロピル−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造〕
塩化カルシウム1.0gとトリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート1.2gにアセトニトリル20mlを加え、室温でイソプロピルアミン3.55gを加え一晩反応させた。塩化カルシウムをろ別後、溶媒を留去して得られた、付加物の粗物をアセトニトリルで洗浄し付加物2.0gを得た。付加物1.0gにエチレングリコール10mlを加えて還流下反応させた。反応終了後、溶媒を留去後、逆相クロマトグラフィーにより精製して目的物0.6gを得た。
【0072】
1H−NMR(ppm,CDCl3):6.33ppm(bs,1H)、4.60ppm(hep,1H,J=8Hz)、4.26ppm(bs,1H)、4.10〜4.15ppm(m,1H)、3.10〜3.40ppm(m,4H)、1.10ppm(d,3H,J=8Hz)、1.04ppm(d,3H,J=8Hz)
この化合物を、氷冷下無水酢酸とピリジンでアセチル化後、再結晶することにより容易に5−アセチル体が得られた。
【0073】
1H−NMR(ppm,CDCl3):6.22ppm(bs,1H)、4.70ppm(hep,1H,J=7Hz)、5.05〜5.15ppm(m,1H)、3.15〜3.60ppm(m,4H)、2.08ppm(s,3H)、1.09ppm(d,3H,J=7Hz)、1.04ppm(d,3H,J=7Hz)
【0074】
【発明の効果】
本発明は、繊維処理剤、樹脂原料、樹脂添加剤、農薬中間体、又は医薬中間体として有用な、N−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造法を提供する。そして各種光学活性用途として光学分割剤及びその原料や農薬、医薬中間体、その他不斉触媒など既存の様々な不斉源として有用な光学活性N−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン及びその誘導体の製造法を提供する。
Claims (8)
- 式(1):
- 請求項1に記載のN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法であって、付加物を得る工程が下記(A)工程:
(A)工程:式(1)で表されるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートと式(2)で表されるアミンとを反応することによって式(4):
熱分解する工程が(B)工程:
(A)工程で得られたトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートのアミン付加物を分解する工程、よりなる製造方法。 - 請求項2の(B)工程において触媒として塩基又はオニウム塩からなる群より選ばれる少なくとも一種類の化合物の存在下に反応を行う請求項2に記載のN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の方法で式(3)のN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンを製造し、その式(3)のN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンと上記式(2)で表されるアミンを反応することを特徴とする式(5):
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において原料に用いるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートが、光学活性なトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートである式(3)の構造を有する光学活性なN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法。
- 請求項4において原料に用いるトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートが、光学活性なトリス−(2,3−エポキシプロピル)−イソシアヌレートである式(5)の構造を有する光学活性なN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体の製造方法。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1項において原料に用いるアミンが光学活性なアミンであり、且つ得られたN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンのジアステレオマーを分離する工程を追加する式(3)の構造を有する光学活性なN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノンの製造方法。
- 請求項4において原料に用いるアミンが光学活性なアミンであり、且つ得られたN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体のジアステレオマーを分離する工程を追加する式(5)の構造を有する光学活性なN−置換−5−ヒドロキシ−テトラヒドロ−2−ピリミジノン誘導体の製造方法。
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