JP4001388B2 - 3―アミノ―2―ヒドロキシ―1―プロピルエーテルの製造法 - Google Patents

3―アミノ―2―ヒドロキシ―1―プロピルエーテルの製造法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、医薬品の合成中間体として重要な、例えば循環器薬、特に抗高血圧薬や抗不整脈薬として多く利用されているβ−受容体遮断薬を合成する際の中間体である3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルおよびその光学活性体の製造法に関する。
技術背景
従来、この3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルは、相当するアルコールとエピクロロヒドリンやグリシジルp−トルエンスルホナートなどのエポキシ化合物と反応させ、得られたグリシジルアリールエーテルとアミンと反応させて製造されている。相当するアルコールとエピクロロヒドリンやグリシジルp−トルエンスルホナートとの反応では水素化ナトリウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属塩基、またはトリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基の存在下で反応させる方法が知られている。しかしながら、塩基性条件下の反応においてはエピクロロヒドリンなどのエポキシ化合物は過剰に用いなくてはならず、経済的でない。また、水素化ナトリウムのような強塩基を用いた場合は後処理で発火の危険性を伴う。さらに塩基性条件下に不安定な置換基を有するアリール基の場合、高収率は望めない。
ところで、3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルは不斉炭素を有し、光学異性が存在する。近年、光学活性化合物からなる医薬品の開発に際して、それぞれの光学活性体について検討が行なわれている。すなわち、これら一連の化合物の光学活性体を容易にかつ高い光学純度で製造する方法の確立が極めて重要な課題である。この課題の解決策として光学活性なエピクロロヒドリン、グリシジルp−トルエンスルホナート、グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナートを用い、各種塩基との組み合わせが検討されてきた。これらの例として、特開平1−121282号、特開平1−279890号、特開平1−279887号、EP−454385号、特公平6−37449号、Chem.Pharm.Bull.,35,8691(1987)、Chem.Pharm.Bull.,38,2092(1990)、J.Org.Chem.,54,1295(1989)などに報告されている。しかしこれらいずれの方法においても、反応中顕著なラセミ化が起こり、光学純度が低下する。例えば、塩基として水酸化ナトリウムを用い、p-ヒドロキシフェニルアセトアミドと光学活性エピクロロヒドリンとを反応させ、続いて生成するグリシジルエーテルにジイソプロピルアミンを反応させて得られる3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルは、その光学純度は90%ee程度まで低下し、満足できるものではない。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記式(1)で表されるエポキシ化合物と下記式(2)で表されるアルコールとをフッ素の塩の存在下に反応させ、ついで下記式(3)で表されるアミンと反応させると収率良く容易に下記式(4)で表される目的化合物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。また、使用するエポキシ化合物(1)が光学活性体であれば得られる目的化合物も光学活性体であり、反応中顕著なラセミ化はおこらず、光学純度の高いエポキシ化合物を用いると、光学純度の高い3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルが得られる。
発明の開示
すなわち、本発明は、下記式
Figure 0004001388
(式中、Xはハロゲン原子またはスルホナート基を意味する。)
で表されるエポキシ化合物に、フッ素の塩の存在下、下記式
1OH (2)
(式中、R1は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基または置換もしくは未置換のヘテロ環基を意味する。)
で表されるアルコールを作用させてグリシジル化反応を行い、ついで下記式
HNR23 (3)
(式中、R2およびR3は同一または異なって水素原子または置換もしくは未置換アルキル基を意味するか、あるいはR2とR3が隣接するN原子と一緒になって環を形成していてもよく、該環はN,OまたはS原子で中断されていてもよい。)
で表されるアミンを作用させることを特徴とする下記式
Figure 0004001388
(式中、R1、R2およびR3は前掲と同じものを意味する。)
で表される3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法に関する。
式(1)で表されるエポキシ化合物の置換基Xで示されるハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げらるが、好ましくは塩素原子および臭素原子である。同様にXで示されるスルホニルオキシ基としては、好ましくはメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどの無置換もしくは置換基を有する炭素数1〜10のアルキルスルホニルオキシ基、またはベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ、m−ニトロベンゼンスルホニルオキシなどの無置換もしくは置換基を有する芳香族スルホニルオキシ基が挙げられる。
上記エポキシ化合物(1)の具体例としては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、グリシジルメタンスルホナート、グリシジルトリフロロメタンスルホナート、グリシジルエタンスルホナート、グリシジルプロパンスルホナート、グリシジルブタンスルホナート、グリシジルフェニルメタンスルホナート、グリシジルp−トリフルオロメチルベンゼンスルホナート、グリシジルベンゼンスルホナート、グリシジルp−トルエンスルホナート、グリシジル2,4,6−トリイソプロパンベンゼンスルホナート、グリシジルp−tert−ブチルベンゼンスルホナート、グリシジルp−クロロベンゼンスルホナート、グリシジルp−ブロモベンゼンスルホナート、グリシジルp−ヨードベンゼンスルホナート、グリシジル2,4,5−トリクロロベンゼンスルホナート、グリシジルo−ニトロベンゼンスルホナート、グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート、グリシジルp−ニトロベンゼンスルホナート、グリシジル2,4−ジニトロベンゼンスルホナート、グリシジルp−メトキシベンゼンスルホナート、グリシジル4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホナート、グリシジル1−ナフタレンスルホナート、グリシジル2−ナフタレンスルホナートなどが挙げられ、これらのうち、特にグリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート、グリシジルp−トルエンスルホナート、エピクロロヒドリンが好ましく用いられる。
式(2)で表されるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコールなどの炭素数1〜10のアルキルアルコール、ベンジルアルコール、α−フェネチルアルコール、β−フェネチルアルコールなどのフェニル基で置換されたアルキルアルコール、p−メトキシベンジルアルコールやp−ニトロベンジルアルコールなどの置換基を有するフェニル基で置換されたアルキルアルコールが挙げられる。
また芳香族アルコールも用いられる。例えばフェノールや置換基を有する芳香族アルコールが挙げられる。置換基は特に本反応を阻害しない限り限定されず、例えば、メチル、エチル、アリルなどの飽和もしくは不飽和アルキル基、メトキシメチル、2−メトキシエチル、アリルオキシメチル、(2−メトキシエトキシ)メチル、(2−イソプロポキシエトキシ)メチルなどのエーテル結合を有するアルキル基、ニトロ基、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨードなどのハロゲン原子、トリフルオロメチル基、メトキシ、アリルオキシ、メトキシメトキシなどのアルコキシ基、シアノ基、シアノメチル基、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセトキシなどのアシルオキシ基、アセチルアミドなどのアミド基、カルバモイル基、カルバモイルメチル基、アルデヒド基、アセチル、ベンゾイルなどのアシル基が挙げられる。さらに該置換基は同時に複数結合していてもよいし、テトラメチレン基やメチレンジオキシ基などのように環を形成していてもよい。
上記芳香族アルコールには水酸基を有する多環芳香族化合物が含まれる。また水酸基を有する複素環化合物も使用できる。例えばα−ナフトール、β−ナフトールなどの多環芳香族アルコールや3−ヒドロキシピリジン、3−ヒドロキシテトラヒドロフラン、4−ヒドロキシインドール、5−ヒドロキシキノリンなどの水酸基で置換された複素環化合物が挙げられる。
式(2)のアルコールとしては、芳香族アルコール又は水酸基を有する複素環化合物が好ましい。特に好ましくはo−アリルフェノール、o−アリルオキシフェノール、4−ヒドロキシインドール、p−(2−イソプロポキシエトキシ)メチルフェノール、α−ナフトール、カルバモイルメチルフェノールである。
式(2)のアルコールの使用量は、エポキシ化合物に対して0.5〜3当量であり、好ましくは0.8〜1.2当量である。使用量が3当量を越えても差支えないが経済的でない。また使用量が0.5当量より少ないと過剰の未反応エポキシ化合物が反応液に残ることとなり経済性に乏しい。
本反応に用いられるフッ素の塩としては、フッ素の四級アンモニウム塩、フッ素のアルカリ金属塩またはフッ素のアルカリ土類金属塩が好ましく、また、フッ素のアルカリ金属塩またはフッ素のアルカリ土類金属塩がさらに好ましく、それらを単独で用いても2種類以上の混合物で用いても、さらには適当な担体に担持したものを用いても同様に目的化合物を得ることができる。
フッ素の四級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムフルオライド、テトラエチルアンモニウムフルオライド、テトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラオクチルアンモニウムフルオライド、ベンジルトリメチルアンモニウムフルオライド等が挙げられ、フッ素のアルカリ金属塩としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウムが挙げられ、フッ素のアルカリ土類金属塩としては、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムが挙げられる。また、担体としては、セライト、アルミナ、シリカゲル、モレキュラーシーブスおよびそれらを修飾したものなどが挙げられる。
フッ素の塩の使用量は、エポキシ化合物(1)に対して0.5〜6当量が好ましく、より好ましくは0.9〜6当量である。0.5当量より少ないと反応が完結せず、6当量を越えると攪拌が困難となるため好ましくない。また、後記するアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸水素塩または炭酸塩をフッ素の塩と併用する場合は、フッ素の塩の使用量はエポキシ化合物に対して0.05当量まで減らすことができる。0.05当量より少なくても反応は進行するが、反応時間が長くなり実用的でない。
式(3)で表されるアミンとしては、例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、メチルエチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ベンジルアミンなどが挙げられ、またピロリジン、モルホリン、ピペリジン、1−メチルピペラミン、ピペラジンなどの環状アミンも使用できる。これらのアミンのうち、炭素数1〜4のアルキルアミンまたは環状アミンが好ましい。
アミン(3)の使用量は、エポキシ化合物(1)に対して1〜50当量が好ましく、特に5〜30当量が好ましい。
本発明において第一段のグリシジル化反応に際して用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミドなどの非プロトン性極性溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、t−ブチルメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、ならびにこれらの混合溶媒などが挙げられる。好ましくは、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、アセトニトリル、さらに好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
反応は無触媒でも進行するがN,N−ジメチルアミノピリジンやヨウ化セシウム、臭化カリウム、臭化ナトリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、のごときアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物、テトラブチルアンモニウムフルオライド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩、18−Crown−6などのクラウンエーテルを添加すると反応が加速される。アルコール(2)に対して添加量は0.1〜50モル%である。
反応の反応機構の詳細は詳らかでないが、反応はほぼ中性条件で進行し、生成する酸はフッ素の塩がトラップしているものと推測される。現に、酸のトラップ剤としてアルカリ金属やアルカリ土類金属の炭酸水素塩や炭酸塩などの弱塩基を添加すると反応が加速されるし、フッ素の塩の使用量も減らすことができる。従って、本発明において、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸水素塩もしくは炭酸塩の添加は有効である。これらの使用量は特に限定されないが、通常アルコール(2)に対して0.1から10当量であり、好ましくは1から3当量程度が良い。
反応温度は、−50℃から溶媒の沸点温度であるが、特に好ましくは−10℃から100℃である。−10℃以下では反応の進行が極めて遅く、100℃以上では原料あるいは生成物の分解が起こり収率が低下する。さらに、原料のエポキシ化合物として光学活性体を用いた場合は、100℃以上ではラセミ化が進行するため好ましくない。
このようにして得られたグリシジル化合物は続いてアミン(3)と反応させるが、その際グリシジル化合物を一度単離してからアミン(3)と反応させてもよいし、そのまま反応混合物とアミン(3)を混合して反応させてもよい。グリシジル化合物を単離する際は不溶物を濾過後、水を加え有機溶媒で目的物を抽出したり、不溶物を濾過後、溶媒を留去せずにそのまま使用してもよいし、溶媒を留去後使用してもよい。また溶媒留去後、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフによる精製に付して使用してもよい。このように操作が非常に簡便であり、従来のように強力な塩基の過剰分を水や希塩酸で注意深く反応させ、さらに中和処理、抽出工程といった煩雑な処理を一切必要としない。
反応を行なう際の溶媒としては、上述のグリシジル化反応に用いた溶媒の他に、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、水媒体などが使用できる。あるいは、これら溶媒の混合溶媒でもよい。
反応温度は、−50℃から溶媒の沸点温度であるが、特に好ましくは−10℃から100℃である。−10℃以下では反応の進行が極めて遅く、100℃以上では原料あるいは生成物の分解が起こり収率が低下する。さらに、原料のエポキシ化合物として光学活性体を用いた場合は、100℃以上ではラセミ化が進行するため好ましくない。
本発明において、原料のエポキシ化合物として光学活性なエポキシ化合物を用いると光学活性なグリシジルエーテルが得られる。光学純度の高いエポキシ化合物を原料として用いると、反応中顕著なラセミ化反応は起こらず、続くアミンとの反応によって高光学純度の3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルを合成することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
製造例1 フッ化カリウム/アルミナの調製
フッ化カリウム58.1gを約300mLの水に溶かし、粉末状の中性アルミナ100gを加え、減圧下で水を留去した。さらに減圧下で乾燥した。
製造例2 フッ化ナトリウム/フッ化カルシウムの調製
フッ化ナトリウム42.0gを約300mLの水に溶かし、フッ化カルシウム78.1gを加えてよく攪拌後、減圧下で水を留去した。さらに減圧下で乾燥した。
実施例1
窒素雰囲気下、p−ヒドロキシフェニルアセタミド1gをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)5mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化セシウム3.02gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのS−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート1.71gを加え、同温度で12時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、目的のS−1−[p−(カルバモイルメチル)フェノキシ]−2,3−エポキシプロパン1.31g(収率96%、光学純度99.3%ee)を白色結晶として得た。
融点 167.8−169.1℃
[α]D(21℃,c=0.5,CH3OH)=+10.9°
NMR(DMSO−d6)δ:2.65−2.73(1H,m),2.83(1H,dt),3.29(1H,s),3.33(1H,m),3.80(1H,ddd),4.29(1H,ddd),6.82(1H,brs),6.89(2H,d),7.17(2H,d),7.39(1H,brs)
続いて、上記で得られたS−グリシジル体1.31gをメタノール8mlに溶かし、イソプロピルアミン9.0gの中に10℃に冷却撹拌下1時間かけて滴下し、液温を室温に上げ12時間撹拌した。反応終了後、減圧下に過剰のイソプロピルアミンを留去濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、目的のS−アテノロール1.63g(収率97%、光学純度99.4%ee)を白色結晶として得た。
融点 153.5−154.4℃
[α]D(21℃,c=1.0,1N HCl)=−17.3°
NMR(DMSO−d6)δ:0.99(6H,d),2.60−2.75(2H,m),3.28(2H,s),3.30−3.40(1H,m),3.77−3.96(3H,m),6.80(1H,brs),6.86(2H,d),7.17(2H,d),7.37(1H,brs)
実施例2
窒素雰囲気下、o−アリルオキシフェノール1.0gをDMF5mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化セシウム1.52gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのS−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート1.73gを加え、同温度で12時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、目的のS−3−(o−アリルオキシフェノキシ)−1,2−エポキシプロパン1.32g(収率96%、光学純度99.3%ee)を無色油状物として得た。
[α]D(21℃,c=1.0,CH3OH)=+15.0°
NMR(CDCl3)δ:2.75,2.87(2H,2q),3.35(1H,m),4.03,4.23(2H,2q),4.58(2H,m),5.27,5.40(2H,2q),6.06(1H,2q),6.86−6.96(4H,m)
続いて、上記S−グリシジル体1.32gをメタノール8mlに溶かし、イソプロピルアミン9.0gの中に10℃に冷却撹拌下1時間かけて滴下し、液温を室温に上げ24時間撹拌した。反応終了後、減圧下に過剰のイソプロピルアミンを留去濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、目的のS−オクスプレノロール1.58g(収率93%、光学純度99.5%ee)を白色結晶として得た。
融点 56.8−59.3℃
[α]D(21℃,c=1.0,C25OH)=−7.9°
NMR(CDCl3)δ:1.07(6H,d),2.71−2.88(4H,m),3.98(3H,m),4.57(2H,td),5.27(1H,dd),5.41(1H,dd),6.00−6.14(1H,m),6.88−6.96(4H,m)
実施例3
窒素雰囲気下、1−ナフトール1.0gをDMF8mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化セシウム2.11gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのS−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート1.80gを加え、同温度で24時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製することにより、目的のS−1−(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレン1.34g(収率96.5%、光学純度99.2%ee)を無色油状物として得た。
[α]D(21℃,c=1.0,CHCl3)=+16.9°
NMR(CDCl3)δ:2.85(1H,m),2.96(1H,m),3.43−3.51(1H,m),4.11(1H,dd),4.40(1H,m),6.80(1H,d),7.32−7.52(4H,m),7.74−7.83(1H,m),8.24−8.34(2H,m)
続いて、上記で得られたS−グリシジル体1.34gをメタノール8mlに溶かし、イソプロピルアミン9.5gの中に10℃に冷却撹拌下1時間かけて滴下し、液温を室温に上げ3.5時間撹拌した。反応終了後、減圧下に過剰のイソプロピルアミンを留去濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=6:1)にて精製することにより、S−プロプラノロール1.67g(収率96%、光学純度99.5%ee)を黄色の個体として得た。常法に従い、塩酸塩化を行い、S−プロプラノロール・塩酸塩1.82g(収率95%)を白色結晶として得た。
融点 194.0−194.5℃
[α]D(21℃,c=1.0,C25OH)=−26.6°
NMR(D2O)δ:1.14(3H,d),1.15(3H,d),3.08(1H,dd),3.15(1H,dd),3.28(1H,quintet),4.01(1H,dd),4.08(1H,dd),4.18−4.27(1H,m),6.68(1H,d),7.26−7.45(4H,m),7.68−7.74(1H,m),8.07(1H,m)
実施例4
窒素雰囲気下、4−ヒドロキシインドール3.0gをDMF10mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化セシウム10.12gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのS−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート5.84gを加え、同温度で30時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:イソプロピルアルコール=20:1)にて精製することにより、目的のS−4−(2,3−エポキシプロポキシ)インドール4.01g(収率94.1%、光学純度99.2%ee)を無色油状物として得た。
[α]D(24℃,c=0.5,CH3OH)=+28.2°
NMR(CDCl3)δ:2.66(1H,dd),2.77(1H,t),3.27−3.33(1H,m),3.94(1H,dd),4.22(1H,dd),6.38(1H,d),6.55−6.57(1H,m),6.84−7.00(3H,m),8.20(1H,brs)
続いて、上記で得られたS−グリシジル体4.01gをメタノール20mlに溶かし、イソプロピルアミン30gの中に10℃に冷却撹拌下1時間かけて滴下し、液温を室温に上げ12時間撹拌した。反応終了後、減圧下に過剰のイソプロピルアミンを留去濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(クロロホルム:メタノール=9:1)にて精製することにより、S−ピンドロール1.67g(収率92%、光学純度99.5%ee)を白色結晶として得た。
融点 92.6−93.4℃
[α]D(24℃,c=0.5,CH3OH)=−4.5°
NMR(CDCl3)δ:1.08(6H,d),2.57(2H,brs),2.78−2.95(3H,m),4.08−4.15(3H,m),6.50(1H,dd),6.63(1H,d),6.98−7.10(3H,m),8.52(1H,brs)
実施例5
窒素雰囲気下、p−ヒドロキシフェニルアセタミド1gをDMF10mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化セシウム2.01gを加え、1時間撹拌した。次に、98.9%eeのS−グリシジルp−トルエンスルホナート1.50gを加え、同温度で30時間撹拌した。反応終了後、無機物を濾過し、濾液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、目的のS−1−[p−(カルバモイルメチル)フェノキシ]−2,3−エポキシプロパン1.16g(収率84.7%、光学純度98.0%ee)を白色結晶として得た。続いて、実施例1と同様にイソプロピルアミンでアミノ化を行い、S−アテノロールを1.29g(収率86.6%、光学純度98.4%ee)を白色結晶として得た。
実施例6
窒素雰囲気下、p−ヒドロキシフェニルアセタミド1gをDMF5mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化セシウム3.02g及びヨウ化ナトリウム0.1gを加え、1時間撹拌した。次に98.4%eeのR−エピクロロヒドリン0.62gを加え、同温度で30時間撹拌した。反応終了後、あらかじめ10℃に冷却したイソプロピルアミン9gの中に、上記反応混合物を同温度撹拌下1時間かけて滴下し、液温を室温に上げ12時間撹拌した。続いて実施例1と同様に処理し、S−アテノロール1.53g(収率87%、光学純度98.3%ee)を白色結晶として得た。
実施例7
窒素雰囲気下、p−ヒドロキシフェニルアセタミド1gをDMF10mlに溶かし、0℃に冷却した。そこへ、フッ化セシウム0.20g及び炭酸カリウム1.19gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのS−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート1.71gを加え、同温度で12時間撹拌した。反応終了後、無機物を濾過し、濾液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、目的のS−1−[p−(カルバモイルメチル)フェノキシ]−2,3−エポキシプロパン1.29g(収率94.2%、光学純度99.2%ee)を白色結晶として得た。続いて、実施例1と同様にイソプロピルアミンでアミノ化を行い、S−アテノロールを1.51g(収率91%、光学純度99.4%ee)を白色結晶として得た。
実施例8
窒素雰囲気下、o−アリルオキシフェノール1.0gをテトラヒドロフラン(THF)10mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化カリウム1.55g及び18−Crown−6 0.17gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのR−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート1.73gを加え、同温度で40時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、目的のR−3−(o−アリルオキシフェノキシ)−1,2−エポキシプロパン1.07g(収率78%、光学純度96.2%ee)を無色油状物として得た。続いて、実施例2と同様にイソプロピルアミンでアミノ化を行い、R−オクスプレノロールを1.22g(収率88%、光学純度99.6%ee)を白色結晶として得た。
実施例9
窒素雰囲気下、o−アリルオキシフェノール1.0gをTHF10mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化カリウム1.55g及びテトラブチルアンモニウムフロライド0.2gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのR−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート1.73gを加え、同温度で40時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、目的のR−3−(o−アリルオキシフェノキシ)1,2−エポキシプロパン0.96g(収率70%、光学純度95.9%ee)を無色油状物として得た。続いて、実施例2と同様にイソプロピルアミンでアミノ化を行い、R−オクスプレノロールを1.09g(収率89%、光学純度98.4%ee)を白色結晶として得た。
実施例10
窒素雰囲気下、o−アリルオキシフェノール1.0gをアセトニトリル15mlに溶かし、0℃に冷却した。製造例1で調製したフッ化カリウム/アルミナ2gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのR−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート1.73gを加え、同温度で30時間撹拌した。反応終了後、固形分を濾過し、濾液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、目的のR−3−(o−アリルオキシフェノキシ)−1,2−エポキシプロパン1.22g(収率89%、光学純度98.0%ee)を無色油状物として得た。続いて、実施例2と同様にイソプロピルアミンでアミノ化を行い、R−オクスプレノロールを1.47g(収率94%、光学純度98.0%ee)を白色結晶として得た。
実施例11
窒素雰囲気下、o−アリルオキシフェノール1.0gをDMF15mlに溶かし、0℃に冷却した。製造例2で調製したフッ化ナトリウム/フッ化カルシウム4gを加え、1時間撹拌した。次に、99.3%eeのR−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート1.73gを加え、同温度で38時間撹拌した。反応終了後、固形分を濾過し、濾液に水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、目的のR−3−(o−アリルオキシフェノキシ)−1,2−エポキシプロパン0.82g(収率60%、光学純度98.0%ee)を無色油状物として得た。続いて、実施例2と同様にイソプロピルアミンでアミノ化を行い、R−オクスプレノロールを0.96g(収率91%、光学純度98.0%ee)を白色結晶として得た。
実施例12
窒素雰囲気下、p−(2−イソプロポキシエトキシ)メチルフェノール5gをDMF30mlに溶かし、0℃に冷却した。フッ化セシウム0.72gおよび炭酸カリウム4.27gを加え、1時間撹拌した。次に99.7%e.e.のS−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート6.16gを加え、同温度で24時間撹拌した。反応終了後、イソプロピルアミン33.7gの中に10℃に冷却撹拌下1時間かけて反応液を滴下し、滴下終了後室温に上げ24時間撹拌した。反応終了後、減圧下に過剰のイソプロピルアミンを留去濃縮し、得られた油状物を水に加えて酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより目的のS−ビソプロロール7.36g(収率95%,光学純度99.6%ee)を無色油状物として得た。
[α]D(21℃,c=1.0,CHCl3)=−8.4°
MNR(CDCl3)δ:1.17(6H,d),1.28(6H,d),2.91−3.20(3H,m),3.57−3.66(5H,m),3.91−4.08(2H,m),4.29−4.30(1H,m),4.50(2H,s),6.85−7.27(4H,m).
実施例13
窒素雰囲気下、4−(2−イソプロポキシエトキシ)メチルフェノール2.10gをDMF7.5mlに溶かし、テトラブチルアンモニウムフルオライド7.84gを加え、一時間撹拌した。次に、99.3%eeのS−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート2.59gを加え、室温で40時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、目的のS−3−[4−(2−イソプロポキシエトキシ)メチル]フェノキシ−1,2−エポキシプロパン1.76g(収率66%、光学純度97.3%ee)を無色油状物として得た。
実施例14
窒素雰囲気下、4−(2−イソプロポキシエトキシ)メチルフェノール2.10gをDMF7.5mlに溶かし、炭酸カリウム1.80g及びテトラブチルアンモニウムフルオライド523mgを加え、一時間撹拌した。次に、99.3%eeのS−グリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート2.59gを加え、室温で48時間撹拌した。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマト(ヘキサン:酢酸エチル=3:2)にて精製することにより、目的のS−3−[4−(2−イソプロポキシエトキシ)メチル]フェノキシ−1,2−エポキシプロパン2.48g(収率93%、光学純度97.7%ee)を無色油状物として得た。
続いて、実施例12と同様にしてイソプロピルアミンでアミノ化して目的のS−ビソプロロール2.88g(収率95%、光学純度97.7%ee)を無色油状物として得た。
比較例1
p−ヒドロキシフェニルアセタミド30.2gを水酸化ナトリウム 9.6gを含む水溶液106.5gに溶かし、5℃に冷却し、同温度で撹拌しながら98.9%eeのR−エピクロロヒドリン18.5gを10分間かけて滴下し、24時間同温度で撹拌した。HPLCで反応が98%進行したのを確認し、同温度で0.1N塩酸で中和した後、この反応懸濁液をイソプロピルアミン240gの中に10℃に冷却撹拌下1時間かけて滴下し、液温を室温に上げ3.5時間撹拌した。反応終了後、減圧下に結晶が析出するまで濃縮し、冷却した後吸引ろ過、減圧乾燥して粗S−アテノロール51.26gを得た。この光学純度をダイセル化学工業社製のChiralcel ODカラムを用いて測定すると91.2%eeであった。
比較例2
窒素雰囲気下、o−アリルオキシフェノール1gをDMF5mlに溶かし、0℃に冷却した。そこへ、ヘキサンで油分を洗浄した水素化ナトリウム0.32g(60% オイル中)を加えて30分撹拌した。次に、98.5%eeのS−グリシジルp−トルエンスルホナート1.52gをDMF5mlに溶かした溶液を30分間かけて滴下し、同温度で9時間撹拌した。反応終了後、氷水を入れ、0.1N塩酸で中和後酢酸エチルで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮し、粗R−3−(o−アリルオキシフェノキシ)−1,2−エポキシプロパン1.35gを得た。続いて、粗R−3−(o−アリルオキシフェノキシ)−1,2−エポキシプロパン1.35gをメタノール10mlに溶かし、イソプロピルアミン9.4gの中に10℃に冷却撹拌下1時間かけて滴下し、液温を室温に上げ12時間撹拌した。反応終了後、減圧下に結晶が析出するまで濃縮し、冷却した後吸引ろ過、減圧乾燥して粗S−オクスプレノロール1.56gを得た。この光学純度をダイセル化学工業社製のChiralcel ODカラムを用いて測定すると92.6%eeであった。
比較例3
p−ヒドロキシフェニルアセタミド1g、99.3%eeのS−グリシジルp−トルエンスルホナート1.51gをアセトン30mlに溶かし、そこへ、炭酸カリウム1.19gを加え、30時間加熱還流した。反応終了後、無機物をろ過し、アセトンを留去し、粗S−1−[p−(カルバモイルメチル)フェノキシ]−2,3−エポキシプロパン1.43gを得た。続いて、粗S−1−[p−(カルバモイルメチル)フェノキシ]−2,3−エポキシプロパン1.43gをメタノール8mlに溶かし、イソプロピルアミン6.8gの中に10℃に冷却撹拌下1時間かけて滴下し、液温を室温に上げ7時間撹拌した。反応終了後、減圧下に結晶が析出するまで濃縮し、冷却した後吸引ろ過、減圧乾燥して粗S-アテノロール1.29gを得た。この光学純度をダイセル化学工業社製のChiralcel ODカラムを用いて測定すると62.8%eeであった。
本発明によれば、医薬品の合成中間体として重要な3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルを極めて簡便に且つ高収率で製造することができる。特に光学活性なエポキシ化合物を用いた場合には顕著なラセミ化反応は起こらず高い光学純度で目的化合物が得られる。

Claims (8)

  1. 下記式
    Figure 0004001388
    (式中、Xはハロゲン原子またはスルホニルオキシ基を意味する。)
    で表されるエポキシ化合物を、フッ素の塩の存在下、下記式
    1OH (2)
    (式中R1は置換もしくは未置換のアルキル基、置換もしくは未置換の芳香族基または置換もしくは未置換のヘテロ環基を意味する。)
    で表されるアルコールと反応させ、ついで、下記式
    NHR23 (3)
    (式中、R2およびR3は同一または異なって水素原子または置換もしくは未置換アルキル基を意味するか、あるいはR2とR3が隣接するN原子と一緒になって環を形成していてもよく、該環はN,OまたはS原子で中断されていてもよい。)
    で表されるアミンを作用させることを特徴とする下記式
    Figure 0004001388
    (式中、R1,R2およびR3は前掲と同じものを意味する。)
    で表される3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法。
  2. エポキシ化合物(1)とアルコール(2)とをフッ素の塩の存在下に反応させる際、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸水素塩または炭酸塩の共存在下で反応させることを特徴とする請求項1記載の3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法。
  3. エポキシ化合物(1)とアルコール(2)とをフッ素の塩の存在下に反応させる際、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のハロゲン化物、ハロゲン化4級アンモニウム塩、クラウンエーテルから選ばれる少なくとも一つを添加することを特徴とする請求項1または2記載の3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法。
  4. エポキシ化合物(1)がグリシジルm−ニトロベンゼンスルホナート、グリシジルp−トルエンスルホナートまたはエピクロロヒドリンである請求項1〜3のいずれかに記載の3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法。
  5. アルコール(2)がo−アリルフェノール、o−アリルオキシフェノール、4−ヒドロキシインドール、p−(2−イソプロポキシエトキシ)メチルフェノール、α−ナフトールまたはp−カルバモイルメチルフェノールであり、アミン(3)がイソプロピルアミンである請求項1〜4のいずれかに記載の3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法。
  6. フッ素の塩がフッ素のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩である請求項1〜5のいずれかに記載の3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法。
  7. エポキシ化合物(1)とアルコール(2)との反応生成物を単離することなく、ついでアミン(3)を反応させることを特徴とする請求項1に記載の3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法。
  8. エポキシ化合物が光学活性体である請求項1〜7のいずれかに記載の光学活性な3−アミノ−2−ヒドロキシ−1−プロピルエーテルの製造法。
JP1998514497A 1997-09-12 3―アミノ―2―ヒドロキシ―1―プロピルエーテルの製造法 Expired - Lifetime JP4001388B2 (ja)

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