JP2002088057A - 光学活性な3−ヒドロキシピロリジン類の製造方法 - Google Patents

光学活性な3−ヒドロキシピロリジン類の製造方法

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JP2002088057A
JP2002088057A JP2000271853A JP2000271853A JP2002088057A JP 2002088057 A JP2002088057 A JP 2002088057A JP 2000271853 A JP2000271853 A JP 2000271853A JP 2000271853 A JP2000271853 A JP 2000271853A JP 2002088057 A JP2002088057 A JP 2002088057A
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dione
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Jun Takehara
潤 竹原
Kazuaki Sugano
和明 菅野
Shuji Ichikawa
修治 市川
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高化学純度で高光学純度の光学活性N−アル
キル−3−ヒドロキシピロリジンを安価且つ高収率で製
造する方法の提供。 【解決手段】 光学活性N−置換−3−ヒドロキシピロ
リジン−2,5−ジオンを水素化ホウ素ナトリウムとハ
ロゲン化アルミニウム又は硫酸ジアルキルとからなる還
元剤と反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性な3−ヒ
ドロキシピロリジン類の製造方法に関する。詳しくは、
光学活性N−置換−3−ヒドロキシピロリジン−2,5
−ジオンを特定の還元剤と反応させてN−置換−3−ヒ
ドロキシピロリジンを製造する方法に関する。
【0002】光学活性N−アルキル−3−ヒドロキシピ
ロリジン類は、医薬、農薬を始めとする各種有機化合物
の合成中間体として有用な物質である。
【0003】
【従来の技術】光学活性N−アルキル−3−ヒドロキシ
ピロリジン、特に光学活性N−ベンジル−3−ヒドロキ
シピロリジンを製造する方法としては、大別すると
(1)ラセミ体を光学分割する方法、(2)プロキラル
な原料を用いる方法、(3)光学活性な原料から合成す
る方法が挙げられる。
【0004】(1)に関しては、ラセミN−ベンジル−
3−ヒドロキシピロリジンを原料とする方法として、光
学活性カルボン酸とのジアステレオマー塩にして優先晶
析させて光学分割する方法(特開昭61−63652
号、特開平4−13659号、特開平4−164066
号、特開平5−279325号、特開平5−27932
6号、特開平5−32620号、特開平9−26357
8号各公報)や、微生物や酵素を用いた不斉アシル化又
は不斉加水分解反応による光学分割法(Biosci,
Biotech.Biohem.,59,1287(1
995)、Bull.Chem.Soc.Jpn.,6
9,207(1996)、特開平1−141600号、
特開平4−131093号、特開平5−227991
号、特開平5−336992号各公報)、更には光学活
性化合物との包接錯体にして分離する方法(特開平6−
73000号公報)等が知られている。また、ラセミ4
−クロロ−3−ヒドロキシブタン酸エステルを酵素的に
不斉アミド化させて分割する方法(Tetrahedr
on:Asymm.,10,721(1999))も知
られているが、いずれも原料合成に多工程を要するこ
と、単工程理論収率は50%に止ることや、分割剤や対
称体の回収リサイクルに多工程を要するために効率的と
は言い難い。
【0005】(2)については、N−ベンジル−3−ピ
ロリジノンを微生物により不斉還元する方法(特開平6
−141876号公報)や、N−ベンジルピロリジンを
微生物により直接不斉酸化する方法(Tetrahed
ron:Asymm.,10,1323(199
9))、N−ベンジル−3−ピロリンを不斉ヒドロホウ
素化する方法(J.Org.Chem.,51,429
6(1986)、Heterocycles,28,2
83(1989))等が知られているが、いずれも原料
合成に多工程を要し、微生物反応では反応基質濃度が低
く、化学的手法では高価な反応剤が必要となることから
効率的とは言い難い。
【0006】(3)についても数多く知られており、例
えば光学活性グルタミン酸から合成する方法(Synt
h.Commun.,16,1815(1986)、米
国特許第3,823,187号明細書)や光学活性グル
タミンから合成する方法(Bull.Chem.So
c.Jpn.,51,3296(1978))、光学活
性アスパラギン酸から合成する方法(Heterocy
cles,24,1331(1986)、Tetrah
edron Lett.,36,381(199
5))、光学活性リンゴ酸から合成する方法(Hete
rocycles,24,1331(1986))等が
知られているが、工程数が多く効率的な方法とは言い難
い。
【0007】このため、工程数の短い方法として、光学
活性リンゴ酸からイミドを経て合成する方法(Synt
h.Commun.,15,587(1985)、特開
平10−168058号、特開平8−169878号、
特開平1−254657号、特開平3−200762号
各公報)がこれ迄に幾つか提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の合成法については、中間体となるイミドの合成におい
て光学純度が低下するとか或いはイミドの置換に用いる
還元剤が高価であるという問題点がある。本発明は、高
品質の光学活性N−アルキル−3−ヒドロキシピロリジ
ンを安全且つ安価にしかも工業的に有利に製造する方法
を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み、N−アルキル−3−ヒドロキシピロリジン−
2,5−ジオンの還元方法について鋭意検討した結果、
このジオンを水素化ホウ素ナトリウムと塩化アルミニウ
ムとからなる還元剤又は水素化ホウ素ナトリウムと硫酸
ジメチルとからなる還元剤と反応させることにより目的
とする高純度・高光学純度の光学活性N−アルキル−3
−ヒドロキシピロリジンが高収率で得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0010】即ち、本発明の要旨は、光学活性N−置換
−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオンを水素化
ホウ素ナトリウムとハロゲン化アルミニウム又は硫酸ジ
アルキルとからなる還元剤と反応させることを特徴とす
る光学活性N−置換−3−ヒドロキシピロリジンの製造
方法、にある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 (光学活性N−置換−3−ヒドロキシピロリジンの製
造)本発明の原料である光学活性N−置換−3−ヒドロ
キシピロリジン−2,5−ジオンについては、特に限定
されるものではないが、その置換基としては、アリル基
及びアラルキル基が好ましく、これらの中アラルキル基
がより好ましい。
【0012】アラルキル基は、芳香環上に置換基を有し
ていてもよく、置換基の具体例としては、例えばメチル
基、エチル基、プロピル基、等のアルキル基、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、等のアルコキシ基、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、等のハロゲン原子、フ
ェニル基、等が挙げられる。またアラルキル基は、アル
キレン鎖上にフェニル基等のアリール基を有していても
よい。
【0013】そして、アラルキル基の具体例としては、
例えばベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、
ジフェニルメチル基、等が挙げられる。これらの中、ベ
ンジル基が好ましい。なお、置換基を含めたアラルキル
基の炭素数は、通常7〜20、好ましくは7〜16であ
る。
【0014】また、本発明においては、還元剤として、
水素化ホウ素ナトリウムと共にハロゲン化アルミニウム
又は硫酸ジアルキルが用いられる(以下、これらの組合
わせを反応剤ということがある)。ハロゲン化アルミニ
ウムとしては、例えば塩化アルミニウム、臭化アルミニ
ウム、沃化アルミニウム、等が挙げられるが、これらの
中、塩化アルミニウムが好ましい。
【0015】また、硫酸ジアルキルとしては、例えば硫
酸ジメチル、硫酸ジエチル、等が挙げられるが、これら
の中、硫酸ジメチルが好ましい。反応剤の使用量につい
ては、基質が光学活性N−ベンジル−3−ヒドロキシピ
ロリジン−2,5−ジオンの場合、水素化ホウ素ナトリ
ウムの使用量は、基質に対して、通常1〜5倍モル、好
ましくは2〜3倍モルである。そして、添加剤として塩
化アルミニウムを用いる場合、その使用量は、水素化ホ
ウ素ナトリウムに対して0.1〜等モル、好ましくは
0.25〜0.33倍モルであり、硫酸ジメチルを用い
る場合には、水素化ホウ素ナトリウムに対して通常等モ
ルが用いられる。
【0016】なお、反応には溶媒を用いるのが好まし
く、通常THF、1,2−ジメトキシエタン、ジグライ
ムのようなエーテル類が用いられる。還元反応は、例え
ば反応器に基質、溶媒及び水素化ホウ素ナトリウムを仕
込み、この混合物に、塩化アルミニウムの場合には室温
以下にて粉末状で少量ずつ添加した後、また硫酸ジメチ
ルの場合には、40〜60℃にて滴下した後、所定の温
度迄昇温して反応を行う。反応温度は通常室温〜100
℃であり、好ましくは40〜80℃である。反応時間は
反応温度等にもよるが、通常2〜6時間であり、例えば
60℃の場合には約3時間で反応が完結する。
【0017】反応終了後、反応混合物に水、メタノール
等を加えて過剰の還元剤を分解し、溶媒を留去してから
塩酸等で酸性として数時間撹拌した後、有機溶媒を加え
て分液洗浄し、次いで水相を苛性ソーダ等でアルカリ性
にしたものから有機溶媒で抽出することにより、目的と
する光学活性N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
が光学純度を損なうことなく且つ化学的高純度で得られ
る。
【0018】(光学活性N−置換−3−ヒドロキシピロ
リジン−2,5−ジオンの製造)本発明の原料である光
学活性N−置換−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−
ジオンの製造方法については、特に限定されるものでは
ないが、光学活性リンゴ酸から製造するのが好ましい。
この場合、この光学活性リンゴ酸はどのような入手経路
のものでも使用可能であるが、工業的には、例えばマレ
イン酸を原料として酵素的に立体選択的に水を付加させ
ることにより製造される。
【0019】光学活性N−置換−3−ヒドロキシピロリ
ジン−2,5−ジオンを製造する反応は、光学活性リン
ゴ酸をある種の有機溶媒中でN−置換アミンと共に加熱
すればよく、例えば光学活性N−ベンジル−3−ヒドロ
キシピロリジン−2,5−ジオンを製造する場合にはN
−置換アミンとしてベンジルアミンを用いる。溶媒とし
ては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素や、ヘキ
サン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、又はジイソプロピ
ルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル類が使用で
きるが、好ましくはトルエン、又はジメチルホルムアミ
ドやジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ポ
リエチレングリコールジアルキルエーテル等の極性溶媒
とトルエンの混合溶媒系が用いられる。
【0020】反応温度は60〜150℃であり、使用す
る溶媒の沸点によって変化するが、光学純度低下を防止
するためには80〜120℃の範囲が好ましく、生成す
る水を共沸により連続して系外に除去することが好まし
い。反応終了後、揮発容易な溶媒を留去し、酢酸エステ
ル類等の易溶性溶媒を加えたものを、酸・アルカリ水溶
液で順次分液洗浄し、最後に溶媒を留去することによ
り、高い光学純度を保ち且つ次反応に十分耐えうる化学
純度を有する光学活性N−ベンジル−3−ヒドロキシピ
ロリジン−2,5−ジオンが得られる。更に、得られた
光学活性N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン−
2,5−ジオンをトルエン、ベンゼン等の芳香族系溶媒
から再結晶させることにより化学純度及び光学純度を向
上させることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。なお、生成物である光学活
性N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−
ジオン及び光学活性N−ベンジル−3−ヒドロキシピロ
リジンの構造確認は1H−NMRにて行い、化学純度は
高速液体クロマトグラフィー(以下、「HPLC」と略
す)又はガスクロマトグラフィー(以下、「GLC」と
略す)を用いて分析し、光学純度についてはHPLCを
用いて分析し、鏡像体過剰率(%ee)として算出し
た。以下に光学純度検定のためのHPLC条件を記す。
【0022】N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
−2,5−ジオンの分析 カラム :Chiralpak AS(ダイセル社製) 溶離液 :n−ヘキサン/2−プロパノール=6/1 流速 :0.6ml/分 検出波長:254nm N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジンの分析 カラム :Chiralcet OD(ダイセル社製) 溶離液 :n−ヘキサン/2−プロパノール/ジエチル
アミン=95/5/0.1 流速 :1ml/分 検出波長:254nm
【0023】
【数1】HPLCによる化学純度(%)=目的物の面積
百分率(%) 鏡像体過剰率(%ee)=100×{(一方の立体配置
を有する目的物のモル数)−(他方の立体配置を有する
目的物のモル数)}/{(一方の立体配置を有する目的
物のモル数)+(他方の立体配置を有する目的物のモル
数)} 合成例1 内容積300mlのガラス製反応フラスコに、L−リン
ゴ酸20g(149.3mmol、100%ee)、ト
ルエン200mlを撹拌子と共に仕込み、室温下にベン
ジルアミン16g(149.3mmol)を加えた後、
ディーンスターク管を設置し、撹拌しながら110℃で
22時間加熱還流脱水させた。反応液をHPLCにより
検量した結果、反応収率は79%であった。また光学純
度は96.6%eeであった。この反応液からトルエン
100mlを常圧留去した後、60℃にて酢酸エチル1
00mlを加え、1N塩酸次いで飽和重曹水で洗浄し、
酢酸エチル及び少量の水を常圧留去して徐冷し、晶析さ
せて濾過し、18.5g(化学純度100%、収率60
%)の結晶を得た。得られた結晶は 1H−NMRにより
N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−ジ
オンであることを確認し、HPLCによる分析の結果9
8.4%eeであった。
【0024】合成例2 内容積200mlのガラス製反応フラスコに、L−リン
ゴ酸10g(74.6mmol、100%ee)、トル
エン100mlを撹拌子と共に仕込み、室温下にベンジ
ルアミン8g(74.6mmol)を加えた後、ディー
ンスターク管を設置し、撹拌しながら110℃で30時
間加熱還流脱水させた。この反応液からトルエンを常圧
留去して19gにまで濃縮し、室温下に酢酸エチル10
0mlを加え、1N塩酸次いで飽和重曹水で洗浄し、乾
燥後に溶媒を減圧留去して11.8g(化学純度91
%、収率70%)の結晶を得た。得られた結晶は 1H−
NMRによりN−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン
−2,5−ジオンであることを確認し、HPLCによる
分析の結果98.0%eeであった。
【0025】合成例3 内容積100mlのガラス製反応フラスコに、(3S)
−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン−2,5−
ジオンの粗結晶18.7g(化学純度95%、97.4
%ee)とトルエン80mlを仕込み、加熱溶解させた
後に放冷晶析させた。これを濾過して得られた結晶17
gを更に同様の操作で晶析させ、濾過して15gの結晶
を得た。この結晶は化学純度100%、98.6%ee
であった。
【0026】実施例1 内容積100mlのガラス製反応フラスコに、窒素気流
下、(3S)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジ
ン−2,5−ジオン2g(化学純度95%、9.3mm
ol、97.8%ee)、95%水素化ホウ素ナトリウ
ム0.73g(18.2mmol)、1,2−ジメトキ
シエタン30mlを撹拌子と共に仕込み、氷冷下に粉末
状塩化アルミニウム0.65g(4.9mmol)を加
え、液温75℃にて3時間反応させた。この反応液に氷
冷下でメタノール3mlを加え、溶媒を減圧留去して室
温下に2.6N塩酸26mlを加えて60℃にて1.5
時間撹拌後、クロロホルム分液洗浄し、水相に苛性ソー
ダを加えてpH13としてクロロホルムで抽出した。乾
燥後溶媒を減圧留去し、1.48g(収率86%)の液
体を得た。得られた液体は 1H−NMRによりN−ベン
ジル−3−ヒドロキシピロリジンであることを確認し、
HPLCによる分析の結果、化学純度は98%、光学純
度は95.9%eeであった。
【0027】実施例2 内容積200mlのガラス製反応フラスコに、窒素気流
下、合成例3で得られた(3S)−N−ベンジル−3−
ヒドロキシピロリジン−2,5−ジオン14.2g(6
9.2mmol、98.6%ee)、95%水素化ホウ
素ナトリウム6.9g(172.9mmol)、1,2
−ジメトキシエタン105mlを撹拌子と共に仕込み、
氷冷下に粉末状塩化アルミニウム7.7g(57.6m
mol)を数回に分けて加えた後、撹拌しながら60℃
で3時間反応させた。この反応液に氷冷下でメタノール
20mlを加え、溶媒を減圧留去し、室温下に6N塩酸
80mlを加えて80℃にて0.5時間撹拌後、トルエ
ンで分液洗浄し、水相に苛性ソーダを加えてpH13と
してクロロホルムで抽出した。乾燥後溶媒を減圧留去
し、12g(収率98%)の液体を得た。得られた液体
1H−NMRによりN−ベンジル−3−ヒドロキシピ
ロリジンであることを確認し、化学純度は99%、光学
純度は98.4%eeであった。
【0028】実施例3 内容積100mlのガラス製反応フラスコに、窒素気流
下、(3S)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジ
ン−2,5−ジオン3.8g(18.4mmol、9
7.9%ee)、90%水素化ホウ素ナトリウム2.3
g(55.3mmol)、テトラヒドロフラン58ml
を撹拌子と共に仕込み、内温60〜68℃にて95%ジ
メチル硫酸7.3g(55.3mmol)を3時間で滴
下した。更に68℃にて3時間撹拌後、氷冷下に水1m
lを加え、溶媒を減圧濃縮し、室温下に6N塩酸20m
lを加えて50℃にて3時間撹拌後、クロロホルムで分
液洗浄し、水相に苛性ソーダを加えてpH13としてク
ロロホルムで抽出した。乾燥後溶媒を減圧留去し、2.
8g(収率85%)の液体を得た。得られた液体は 1
−NMRによりN−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジ
ンであることを確認し、化学純度は98%、光学純度は
96.6%eeであった。
【0029】参考例1 内容積100mlのガラス製反応フラスコに、L−リン
ゴ酸10g(74.6mmol、100%ee)、キシ
レン50mlを撹拌子と共に仕込み、室温下にベンジル
アミン8g(74.6mmol)を加えた後、ディーン
スターク管を設置し、撹拌しながら140℃で3時間加
熱還流脱水させた。この反応液からキシレンを減圧留去
して30gにまで濃縮し、室温下に酢酸エチル100m
lを加え、1N塩酸次いで飽和重曹水で洗浄し、乾燥後
に溶媒を減圧留去して7.3g(化学純度97%、収率
48%)の結晶を得た。得られた結晶は 1H−NMRに
よりN−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン−2,5
−ジオンであることを確認し、HPLCによる分析の結
果95.8%eeであった。
【0030】参考例2 内容積100mlのガラス製反応フラスコに、L−リン
ゴ酸10g(74.6mmol、100%ee)、エタ
ノール56mlを撹拌子と共に仕込み、室温下にベンジ
ルアミン10g(93.3mmol)を加えた後、撹拌
しながら加熱還流させ、17時間かけて100mlの留
出液を抜き出しつつトルエン100mlを添加した。こ
の反応液から溶媒を減圧留去して25gにまで濃縮し、
室温下に酢酸エチル100mlを加え、1N塩酸次いで
飽和重曹水で洗浄し、乾燥後に溶媒を減圧留去して8.
1g(化学純度86%、収率46%)の結晶を得た。得
られた結晶は 1H−NMRによりN−ベンジル−3−ヒ
ドロキシピロリジン−2,5−ジオンであることを確認
し、HPLCによる分析の結果89.6%eeであっ
た。
【0031】比較例1 内容積100mlのガラス製反応フラスコに、窒素気流
下、(3S)−N−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジ
ン−2,5−ジオン2g(化学純度95%、9.3mm
ol、97.8%ee)、95%水素化ホウ素ナトリウ
ム0.73g(18.2mmol)、1,2−ジメトキ
シエタン20mlを撹拌子と共に仕込み、氷冷下に97
%硫酸0.97g(9.7mmol)の1,2−ジメト
キシエタン2.5ml溶液を滴下後、75℃で3時間反
応させた。この反応液に室温下でメタノール3mlを加
え、溶媒を減圧留去して室温下に2.6N塩酸26ml
を加えて60℃にて2時間撹拌後、クロロホルムで分液
洗浄し、水相に苛性ソーダを加えてpH13としてクロ
ロホルムで抽出した。乾燥後溶媒を減圧留去し、0.6
8g(収率38%)の液体を得た。得られた液体は 1
−NMRによりN−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジ
ンであることを確認し、HPLCによる分析の結果、化
学純度は91%、光学純度は97.8%eeであった。
【0032】
【発明の効果】本発明方法によれば、工業的に安価で入
手容易な光学活性リンゴ酸を原料として、安価、高収率
且つ高化学純度更に高光学純度で、医薬、農薬等の合成
中間体として有用な光学活性N−アルキル−3−ヒドロ
キシピロリジンを得ることができ、工業的実施に際し極
めて有利である。
フロントページの続き (72)発明者 市川 修治 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内 Fターム(参考) 4C069 AA12 4H006 AA02 AC81 BE23 BE62 BE63

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学活性N−置換−3−ヒドロキシピロ
    リジン−2,5−ジオンを水素化ホウ素ナトリウムとハ
    ロゲン化アルミニウム又は硫酸ジアルキルとからなる還
    元剤と反応させることを特徴とする光学活性N−置換−
    3−ヒドロキシピロリジンの製造方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化アルミニウムが塩化アルミニ
    ウムである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 硫酸ジアルキルが硫酸ジメチルである請
    求項1に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 置換基がアリル基又はアラルキル基であ
    る請求項1ないし3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 光学活性N−置換−3−ヒドロキシピロ
    リジン−2,5−ジオンが光学活性リンゴ酸から得られ
    たものである請求項1ないし4のいずれかに記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 光学活性リンゴ酸を有機溶媒中で加熱脱
    水する請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 有機溶媒がトルエンを含む請求項6に記
    載の製造方法。
  8. 【請求項8】 反応後、晶析を行う請求項6又は7に記
    載の製造方法。
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