JPWO2005000810A1 - 含窒素複素環化合物の製造方法 - Google Patents

含窒素複素環化合物の製造方法 Download PDF

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清二 森井
大野 孝衛
孝衛 大野
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治代 佐藤
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Abstract

N−置換含窒素複素環化合物を触媒存在下、水溶媒中にて常圧水素で水素化分解させて、3−アミノピロリジン誘導体などの含窒素複素環化合物を製造する。ここで、原料に光学活性な1−置換−3−アミノピロリジン誘導体を使用すれば、実質的にラセミ化は併発せず、生成物の3−アミノピロリジン誘導体も光学活性体が得られる。

Description

本発明は、医薬や農薬などの合成原料として重要な化合物である含窒素複素環化合物の製造方法、および側鎖アミノ基が保護された含窒素複素環化合物、さらには光学活性な側鎖アミノ基が保護された含窒素複素環化合物を製造する方法に関する。
従来、含窒素複素環化合物のN原子の保護基であるベンジル基を水素化分解で除去する方法として水素加圧下で水素化分解する方法が知られていたが、加圧水素を使用するには耐圧設備が必要であるだけでなく、安全上に問題があった。具体的には、1−ベンジル−3−(ターシャリーブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン(以下、ターシャリーをtと略す。)を数kg/cm以上の水素加圧下で水素化分解して3−(t−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジンを製造する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許2995704号公報
本発明の目的は、汎用設備を使用して、且つ安全に配慮した工業的に有利な含窒素複素環化合物のN原子の保護基であるベンジル基の除去法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、含窒素複素環化合物のN原子の保護基であるベンジル基を常圧水素で水素化分解することにより脱ベンジル化する事ができる。すなわち、一般式(1)
Figure 2005000810
(ここで、Rは置換、無置換のベンジル基を示す。R、Rはi)水素原子、ii)炭素数1〜4の低級アルキル基、iii)炭素数1〜4の低級アルコキシル基、iv)水酸基、v)メルカプト基、vi)置換、無置換のアミノ基、vii)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアリール基、viii)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキル基を示し、同一、あるいは異なるものも含む。m、nは0から3の整数を示す。また、Xは一般式(2)
Figure 2005000810
で表される含窒素複素環の残基である。ここで、QはCH、NR、Oを示す。(ここで、Rはi)水素原子、ii)炭素数1〜4の低級アルキル基、iii)炭素数1〜4の低級アルコキシル基、iv)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアリール基、v)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキル基、vi)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキルオキシル基を示す。また、k、lは1から4の整数であり、k+lは3から6を意味する。)で表される原料のN−置換含窒素複素環化合物とは、環因数が4から7の含窒素複素環化合物であり、複素環を構成する原子のうち、少なくとも一つはN原子から成る化合物やN原子とO原子1個から成る化合物が含まれる。
この一般式(1)を本発明の方法で水素化分解すると下記一般式(3)が得られる。
Figure 2005000810
(ここで、R、R、X、m、nは前記と同様)で表される含窒素複素環化合物の製造方法である。また、本発明の好ましい形態によれば、反応を水溶媒中で、Pd/Cを触媒として使用する。従来、水溶媒で実施されなかった理由として、水素化分解で生成するトルエン、あるいは置換トルエン類が水と層分離して、Pd触媒の分散性が阻害されて反応の進行が遅くなると推定されること、更に生成物である一般式(3)の含窒素複素環誘導体が水に溶解する場合には、反応液からの回収が煩雑であり、含水率の低い高純度製品を得るのが困難になると予測されたことによる。しかし、驚くべきことに本発明によれば、水溶媒中で水素化分解すると、脱ベンジル化速度はむしろ向上するので、常圧水素を共存させるだけで目的を達成できることから特別な耐圧反応装置を必要としないことを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に説明するとおり汎用設備を使用して、且つ安全に配慮した工業的に有利な方法で、含窒素複素環化合物のN原子の保護基であるベンジル基を除去する事ができる。更に、光学活性体を原料に使用すれば、光学純度を低下させることなく脱ベンジル化して光学活性含窒素複素環化合物を製造することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を説明する。一般式(1)
Figure 2005000810
(ここで、Rは置換、無置換のベンジル基を示す。R、Rはi)水素原子、ii)炭素数1〜4の低級アルキル基、iii)炭素数1〜4の低級アルコキシル基、iv)水酸基、v)メルカプト基、vi)置換、無置換のアミノ基、vii)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアリール基、viii)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキル基を示し、同一、あるいは異なるものも含む。m、nは0から3の整数を示す。また、Xは一般式(2)
Figure 2005000810
で表される含窒素複素環の残基である。ここで、QはCH、NR、Oを示す。(ここで、Rはi)水素原子、ii)炭素数1〜4の低級アルキル基、iii)炭素数1〜4の低級アルコキシル基、iv)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアリール基、v)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキル基、vi)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキルオキシル基を示す。また、k、lは1から4の整数であり、k+lは3から6を意味する。)で表される原料のN−置換含窒素複素環化合物とは、環因数が4から7の含窒素複素環化合物であり、複素環を構成する原子のうち、少なくとも一つはN原子から成る化合物やN原子とO原子1個から成る化合物が含まれる。
この一般式(1)を本発明の方法で水素化分解すると下記一般式(3)が得られる。
Figure 2005000810
(ここで、R、R、X、m、nは前記と同様である。)
一般式(1)で表されるN−置換含窒素化合物は、具体的には3−アミノ−1−ベンジルピロリジン、3−アミノ−1−(4−メチルベンジル)ピロリジン、3−メチルアミノ−1−ベンジルピロリジン、1−ベンジル−3−ターシャリーブトキシカルボニルアミノピロリジン、3−ベンジルアミノ−1−ベンジルピロリジン、1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン、1−ベンジル−3−メトキシピロリジン、3−アミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、3−ベンジルアミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、2−アミノメチル−1−ベンジルピロリジン、2−ヒドロキシメチル−1−ベンジルピロリジン、3−エトキシカルボニルアミノ−1−(4−メチルベンジル)ピロリジン等のN−ベンジルピロリジン誘導体、3−アミノ−1−ベンジルピペリジン、1−ベンジル−3−メチルピペリジン等のN−ベンジルピペリジン誘導体、3−アミノ−1−ベンジルヘキサメチレンイミン等のN−ベンジルヘキサメチレンイミン誘導体、1−ベンジル−3−メチルピペラジン、1,4−ジベンジル−3−メチルピペラジン等のN−ベンジルピペラジン誘導体、4,4−ジメチル−3−ベンジルオキサゾリン等のN−ベンジルオキサゾリン誘導体、2,6−ジメチル−1−ベンジルモルホリン等のN−ベンジルモルホリン誘導体等が挙げられるが、好ましくは下記一般式(4)〜(7)
Figure 2005000810
(ここでR、R、R、R、m、nは前記と同様)で表されるN−置換含窒素複素環化合物のいずれかが好ましい。これらの一般式(4)〜(7)のものを本発明の方法で水素化分解すると下記一般式(8)〜(11)のものが得られる。
Figure 2005000810
(ここでR、R、R、m、nは前記と同様)また、一般式(4)から(11)におけるR、R、Rは水素原子、メチル基、アミノメチル基、ヒドロキシメチル基、エチル基、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、ベンジルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、ターシャリーブトキシカルボニルアミノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、メトキシ基、ベンジル基等が好ましい。
一般式(4)〜(7)で表されるN−置換含窒素化合物は、具体的に3−アミノ−1−ベンジルピロリジン、3−アミノ−1−(4−メチルベンジル)ピロリジン、3−メチルアミノ−1−ベンジルピロリジン、1−ベンジル−3−ターシャリーブトキシカルボニルアミノピロリジン、3−ベンジルアミノ−1−ベンジルピロリジン、1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン、1−ベンジル−3−メトキシピロリジン、3−アミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、3−ベンジルアミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、2−アミノメチル−1−ベンジルピロリジン、2−ヒドロキシメチル−1−ベンジルピロリジン、3−エトキシカルボニルアミノ−1−(4−メチルベンジル)ピロリジン等のN−ベンジルピロリジン誘導体、3−アミノ−1−ベンジルピペリジン、1−ベンジル−3−メチルピペリジン等のN−ベンジルピペリジン誘導体、3−アミノ−1−ベンジルヘキサメチレンイミン等のN−ベンジルヘキサメチレンイミン誘導体、1−ベンジル−3−メチルピペラジン、1,4−ジベンジル−3−メチルピペラジン等のN−ベンジルピペラジン誘導体等が挙げられるが、特に好ましくは3−アミノ−1−ベンジルピロリジン、1−ベンジル−3−ターシャリーブトキシカルボニルアミノピロリジン、1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン、3−アミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、3−ベンジルアミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、3−アミノ−1−ベンジルピペリジン、1−ベンジル−3−メチルピペラジンである。
また、これらN−置換含窒素複素環化合物は、光学活性体を使用することもできる。ここで、一般式(1)または一般式(4)〜(7)で表される含窒素複素環化合物の光学活性体を使用すれば、殆どラセミ化することなく一般式(3)または一般式(8)〜(11)で表される含窒素複素環化合物の光学活性体が製造できる。具体的には、光学活性3−アミノ−1−ベンジルピロリジン、光学活性1−ベンジル−3−ターシャリーブトキシカルボニルアミノピロリジン、光学活性1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン、光学活性3−アミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、光学活性3−ベンジルアミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、光学活性3−アミノ−1−ベンジルピペリジン、光学活性1−ベンジル−3−メチルピペラジン等が好ましく使用できる。また、3−アミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン等の含窒素複素環に2つの置換基が存在している光学活性体も使用することができる。ここで、光学活性体とは(S)体、あるいは(R)体のいずれか一方の光学異性体比率が90%以上の化合物を意味する。
含窒素複素環化合物の製造方法である本発明は水溶媒中で実施することが好ましい。水が主成分であれば有機溶媒が混入しても問題なく実施できるが、通常、溶媒における水の割合が50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。共存する有機溶媒としては、具体的にはメタノール、エタノール、ターシャリーブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類やトルエン、置換トルエン等が挙げられる。これらは、N−置換複素環化合物を合成する際の反応溶媒、或いは水素化分解で生成する物質である。また、N−置換複素環化合物が水に全く溶解しない場合には反応は進行しないか、非常に遅くなる。その場合には、反応溶液中に少量の酸を添加し、一部を酸塩として水溶性を増加させて反応させることができる。
また、少量の有機溶媒を添加して触媒と接触させる方法を採用することもできる。
反応液の基質濃度は攪拌できる濃度であれば実施できるが、通常は1〜50wt%であり、好ましくは5〜40wt%、特に好ましくは10〜30wt%である。この範囲であれば作業性も良好で、生産効率も高い。
ここで使用する触媒としてはPd触媒が好ましい。Pd触媒としては、Pdが活性炭やアルミナ等に担持された触媒が使用できる。Pdの担持量は何れのものでも使用できるが、通常市販されている1〜30重量%の触媒が好ましく、特に好ましくは2〜10重量%の触媒である。また、乾燥品や含水品の何れでも使用することができる。触媒使用量は特に限定しないが、原料に対してPd重量として0.0001重量倍以上が好ましく、特に好ましくは0.001〜0.005重量倍である。この範囲であれば、反応時間もあまり長くならず、経済性も高く実施できる。尚、ここで使用するPd触媒は反応終了後に固液分離操作等で回収し、再使用することができる。
本発明を実施するには、通常の反応装置に一般式(1)で表されるN−置換複素環化合物、水および触媒を仕込み、常圧水素共存下で攪拌しながら反応させる。ここで常圧水素共存下とは、通常の反応装置に水素を仕込んで密閉した状態、あるいは水素を開放系で連続通気することを意味するが、密閉した反応装置内で昇温等により多少加圧状態になったり、逆に封じ込めた水素が反応で使用されて反応系が多少陰圧状態になるが、これらの微加圧や微陰圧状態を含む。
反応温度は0〜100℃で実施できるが、好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。ここで、原料のN−置換複素環化合物が水に難溶性で、融点が反応温度より低い場合、反応中にメルトしたN−置換複素環化合物が触媒に付着し、触媒活性を低下させる恐れがある。その場合には、反応温度を下げればよい。
反応時間は触媒使用量や反応温度等の条件によって異なるが、通常は1〜30時間である。
反応終了後、触媒、および生成したトルエンや置換トルエンを除去したのち、水溶媒を濃縮除去して晶析させるか、蒸留することにより、目的物の一般式(3)で表される複素環化合物を単離する事ができる。
ところで、本発明では一般式(12)
Figure 2005000810
(ここで、Rは置換、無置換のベンジル基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rはi)炭素数1〜4のアルキル基、ii)炭素数1〜4のアルコキシル基、iii)フェニル基、iv)フェニルオキシル基、v)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキル基、vi)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキルオキシル基を示す。また、qは0、あるいは1、pは3から6の整数を意味する。)で表される含窒素複素環化合物の水素化分解にも使用できる。
この化合物の製造方法は特に限定されないが、一般式(13)
Figure 2005000810
(ここで、R、R、p、qは前記と同様。)で表されるN−置換含窒素複素環化合物と酸ハロゲン化物、または酸無水物と反応させて得ることができる。ここで、酸ハロゲン化物は一般式(14)、または酸無水物は一般式(15)、
COY (14) (RCO)O (15)
(ここで、Rは前記と同様。また、Yは塩素原子、臭素原子を示す。)が好ましく使用できる。反応条件はpHを9〜13にコントロールしながら行うのが好ましく、さらに好ましくは水溶媒中で界面活性剤の共存下、pHを9〜13にコントロールしながら反応させる。
一般式(12)で表されるN−置換含窒素複素環化合物とは、一般式(16)
Figure 2005000810
(ここでR、Rは前記と同様。)で表される1−置換−3−アミノピロリジン誘導体などが好ましく、一般式(16)のものと酸ハロゲン化物、または酸無水物を反応させると一般式(17)のものが得られる。
Figure 2005000810
(ここでR、R、Rは前記と同様。)
一般式(16)で表される1−置換−3−アミノピロリジン誘導体は具体的には、1−ベンジル−3−アミノピロリジン、1−(4−メチルベンジル)−3−アミノピロリジン、1−ベンジル−3−メチルアミノピロリジン、1−(4−メチルベンジル)−3−エチルアミノピロリジン、2−アミノメチル−1−ベンジルピロリジン、3−アミノ−1−ベンジルピペリジン、4−アミノメチル−1−ベンジルピペリジン、3−アミノ−1−ベンジルヘキサメチレンイミン等が挙げられるが、特に1−ベンジル−3−アミノピロリジン、1−ベンジル−3−メチルアミノピロリジン、3−アミノ−1−ベンジルピペリジンが好ましい。また、これらの光学活性体も使用できる。具体的には、3位が(R)体構造、あるいは(S)体構造の光学活性体である光学活性1−置換−3−アミノピロリジン誘導体、光学活性1−置換−3−アミノピペリジン誘導体や、2位が不斉中心である光学活性1−置換−2−アミノメチルピロリジン誘導体等であり、好ましくは光学活性1−ベンジル−3−アミノピロリジン、光学活性1−ベンジル−2−メチルアミノピロリジン、光学活性1−ベンジル−3−アミノピペリジン誘導体である。一般式(13)で表される含窒素複素環化合物の光学活性体を使用すれば、殆どラセミ化することなく一般式(12)で表される含窒素複素環化合物の光学活性体が製造できる。ここで、光学活性体とは(S)体、あるいは(R)体のいずれか一方の光学異性体比率が90%以上の化合物を意味する。
一般式(14)で表される酸ハロゲン化物とは、塩化アセチル、塩化ブチロイル等のアルキルカルボン酸クロライド類、臭化アセチル、臭化ブチロイル等のアルキルカルボン酸ブロマイド類、クロル炭酸エチル、クロル炭酸ブチル等のクロル炭酸アルキル類、塩化ベンゾイル、塩化トルオイル等の芳香族カルボン酸クロライド類、臭化ベンゾイル、臭化トルオイル等の芳香族カルボン酸ブロマイド類、クロル炭酸フェニル、クロル炭酸トルイル等のクロル炭酸アリール類、塩化フェニルアセチル、塩化フェニルエチル等のアラルキルカルボン酸クロライド類、クロル炭酸ベンジル、クロル炭酸フェニルエチル等のクロル炭酸アラルキル類であり、好ましくはクロル炭酸エチル、クロル炭酸ブチル、塩化ベンゾイル、塩化トルオイル、クロル炭酸フェニル、クロル炭酸トルイル、塩化フェニルアセチル、塩化フェニルエチル、クロル炭酸ベンジル、クロル炭酸フェニルエチルである。使用量は、一般式(13)で表されるN−置換含窒素複素環化合物に対して0.8〜1.5当量であり、好ましくは1.0〜1.2当量である。
また、一般式(15)で表される酸無水物とは、無水酢酸、無水酪酸等のアルキルカルボン酸無水物、ジメチルジカーボネート、ジエチルジカーボネート、ジターシャリーブチルジカーボネート等のジアルキルジカーボネート類、無水安息香酸、無水トルイル酸等の芳香族カルボン酸無水物、無水フェニル酢酸、無水フェニルプロピオン酸等のアラルキルカルボン酸無水物、ジベンジルジカーボネート等のジアラルキルジカーボネート等であり、好ましくは無水酢酸、ジエチルジカーボネート、ジターシャリーブチルジカーボネート、ジベンジルジカーボネートである。使用量は一般式(13)で表されるN−置換含窒素複素環化合物に対して0.8〜1.5当量、好ましくは1.0〜1.2当量である。
この製造方法は水溶媒中で実施するのが好ましいが、原料中に多少の有機溶媒が混入しても問題なく実施できる。反応液の基質濃度は攪拌できる濃度であれば実施できるが、通常は1〜50wt%であり、好ましくは5〜40wt%、特に好ましくは10〜30wt%である。この範囲であれば作業性も良好で、生産効率も高い。
反応方法は、一般式(13)で表される化合物と水の混合物を攪拌しながら、一般式(14)、あるいは一般式(15)で表される化合物を滴下する方法が採用できる。ここで、反応液はpH9〜13に調整するが、好ましくは10〜12であり、特に好ましくは10〜11である。一般式(14)、あるいは一般式(15)で表される化合物を滴下すると、一般式(13)で表される化合物と反応して一般式(12)で表される化合物が生成するが、副生物として塩酸や臭素酸等のハロゲン酸や、酢酸、炭酸等が発生して反応液のpHは反応の進行に伴って低下するので、常にpH9〜13に調整するために塩基を滴下しながら反応させる。滴下する塩基としてはトリメチルアミン等の3級アミン、ピリジン等の有機塩基、あるいはアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素化物、炭酸塩等のアルカリ水溶液が使用できるが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液である。アルカリ水溶液は如何なる濃度でも使用できるが、反応液の基質濃度が低下すると生産効率が低下するので、通常は5〜50%であり、好ましくは30〜48%である。反応温度は−3〜60℃であり、好ましくは0〜40℃である。この温度範囲であれば、一般式(14)、あるいは一般式(15)で表される化合物が有効に一般式(13)で表される化合物と反応する。
一般式(13)で表される化合物、あるいは生成した一般式(12)で表される化合物が水に殆ど溶解しない化合物の場合には、界面活性剤を共存させると反応が円滑に進行する。共存させる界面活性剤としては、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリ長鎖アルキルメチルアンモニウムクロリド(C8〜C20アリカット336等)、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウムクロリド(C10〜C20カチオンDS等)、ベンザルコニウム等、市販の4級アンモニウム塩が使用できるが、好ましくはトリ長鎖アルキルメチルアンモニウムクロリド(C8〜C20アリカット336等)、ジ長鎖アルキルジメチルアンモニウムクロリド(C16〜C20カチオンDS等)、ベンザルコニウムであり、特に好ましくは安価なジ長鎖アルキルジメチルアンモニウムクロリド(C16〜C20カチオンDS等)である。添加量は界面活性剤の種類や一般式(13)、あるいは一般式(12)で表される化合物の種類によって一概には規定できないが、通常は一般式(13)で表されるN−置換含窒素複素環化合物に対して0.001〜0.1重量倍であり、好ましくは0.005〜0.05重量倍、更に好ましくは0.007〜0.03重量倍である。仕込みの一般式(13)で表される化合物、あるいは生成した一般式(12)で表される化合物が水に対する溶解度が小さな場合には、界面活性剤が共存しないと反応容器の器壁にスケーリングしたり、塊状となり、円滑に反応が進行しない場合がある。
反応時間は基質の種類、使用量、反応温度等によって異なるが、通常は0.5〜10時間である。
かくして一般式(12)で表される含窒素複素環化合物が得られる。単離するには、水溶液から析出した結晶を濾過する方法、有機溶媒で抽出する方法等が採用できるが、結晶が析出している場合には環境汚染を最小限にするためにも濾過する方法が好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において、反応液の組成分析や蒸留品の化学純度分析はガスクロマトグラフィー(GC)のarea%で算出した。GC分析条件は対象物によって異なるので一律には記載できないが、代表例として3−アミノ−1−ベンジルピロリジン(BAP)と3−アミノピロリジン(AP)の分析条件を記載する。
GC分析条件
カラム :NEUTRA BOND−1(NB−1)<GL Science製>
I.D.0.25mmφ×60m,0.4μm
カラム温度:70℃(15min)→20℃/min→270℃(10min)
RT :AP 11.2min
BAP 21.1min
また、光学純度分析も対象物によって異なるが、例えば、3−アミノピロリジンの場合には、ジトルオイル−D−酒石酸無水物(東レ(株)製)と反応させて光学活性酒石酸誘導体に誘導してから、ODSカラムを装着した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した。
Figure 2005000810
HPLC分析条件
カラム :CAPCELL PAC C18 SG120<SISEIDO製>
4.6mmφ×150mm
展開液 :0.03%アンモニア水を酢酸でpH4.0に調整した液/メタノール=50/50
流量 :1.0ml/min.
カラム温度 :40℃
RT :R−AP誘導体 24.8min.
S−AP誘導体 29.1min.
参考例(S)−3−アミノ−1−ベンジルピロリジンの製造方法
攪拌機、滴下ロート、ジムロート、温度計を装着した200mlの4口フラスコに、ジグライム80gと水素化ホウ素ナトリウム8.8g(0.23モル)を仕込み、氷冷下にて攪拌しながらL−アスパラギンベンジルアミドメチルエステル塩酸塩(ABN塩酸塩と称す)とL−イソアスパラギンベンジルアミドメチルエステル塩酸塩(IABN塩酸塩と称す)の混合物14.0g(光学純度
98%ee以上、約0.05モル)を添加した。ついで、濃硫酸5.7g(0.06モル)をジグライム20mlに希釈した溶液を約30分間で滴下し、2時間攪拌した。反応液を65℃に昇温し、さらに2時間攪拌した。反応終了後、減圧濃縮した。水70gを加えて溶解させた後、濃塩酸25gを加え、65℃で4時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、攪拌しながら46%水酸化ナトリウム32gを加えて中和した。トルエン100mlで3回抽出し、全トルエン層を合わせて減圧濃縮した。濃縮物を真空蒸留し、130〜133℃/1.3kPaの留分として(S)−3−アミノ−1−ベンジルピロリジン7.3g得た。留出物を分析した結果、化学純度は99%、光学純度は96.7%eeであった。光学純度を向上させるには、L−酒石酸で塩を形成させ、水で再結晶させた後に水酸化ナトリウムで解塩し、トルエン抽出・蒸留することで、光学純度99.5%ee以上の(S)−3−アミノ−1−ベンジルピロリジンが得られる。
実施例1
攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサー、ガス導入管を装着した500ml4口フラスコに、(S)−3−アミノ−1−ベンジルピロリジン52.5g(0.3モル、光学純度99.5%ee)、水97.5g、5%Pd/C
5.25g(エヌ・イーケムキャット製 PEタイプ 55.27%含水)を仕込み、80℃で攪拌しながら水素を8時間通気した。水素通気を止め、攪拌しながら室温まで冷却し、触媒を減圧濾過した。ろ液をエバポレータで約50gまで減圧濃縮した。濃縮物をヘリパック充填した約5段の精留塔を装着した蒸留装置で蒸留し、4.8kPaの留分として(S)−3−アミノピロリジン23.6gを得た。収率は91.0%であり、化学純度99.9area%、光学純度99.5%eeであった。また、含水率は0.3%であった。
実施例2
攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサー、先端に5lの水素を充填したバルーンをつけたガス導入管を装着した100mlの4口フラスコに、3−アミノ−1−ベンジルピロリジン5.3g、水20g、5%Pd/C
1.0g(エヌ・イーケムキャット製 PEタイプ 55.27%含水)を仕込み、60℃で10時間攪拌した。反応液をGC分析したところ、トルエンを除いたGCチャートで、原料の3−アミノ−1−ベンジルピロリジンは全て消費され、生成物の3−アミノピロリジンのみが検出された。収率はほぼ定量的(99%以上)であった。
実施例3
攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサー、滴下ロートを装着した500mlの4口フラスコに、(S)−3−アミノ−1−ベンジルピロリジン17.6g(0.1モル光学純度99.5%ee)、水158.7g、カチオンDS(三洋化成製)0.2gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液でpHを11±0.5に調整した。50〜60℃で攪拌しながらジターシャリーブチルジカーボネート(以下DiBocと略す)26.2g(0.12モル)を約2時間で滴下した。この間、48%水酸化ナトリウム水溶液で反応液をpH11±0.5に調整した。さらに1時間攪拌後、室温まで冷却して析出結晶を濾過した。結晶を50℃で真空乾燥し、(S)−1−ベンジル−3−t−ブトキシカルボニルアミノピロリジンを26.0g得た。収率94.1%、化学純度99.1%、光学純度99.5%ee。実施例1と同様の装置に(S)−1−ベンジル−3−ターシャリーブトキシカルボニルアミノピロリジン26.0g(光学純度99.5%ee)、水120g、5%Pd/C
2.6g(エヌ・イーケムキャット製 PEタイプ 55.27%含水)を仕込み、反応温度を40℃で水素通気下、10時間攪拌した。反応液をGC分析したところ原料ピークは消失し、トルエン以外には3−ターシャリーブトキシカルボニルアミノピロリジンのみが検出された。反応終了後、Pd/Cを濾過で除いたのち、ろ液をエバポレーターで30gまで濃縮した。次いで、トルエンを添加して濃縮し、系中の水を共沸除去し、20gまで濃縮した。濃縮液を攪拌しながらn−ヘキサン25gをゆっくり添加して結晶を析出させ、更に2時間氷浴中で攪拌した。析出結晶を濾過し、減圧乾燥して(S)−3−ターシャリーブトキシカルボニルアミノピロリジン15.4g得た。収率は87.4%であり、化学純度99.5area%、光学純度99.5%eeであった。また、含水率は0.4%であった。
実施例4
3−アミノ−1−ベンジルピロリジン5.3gに替えて、3−アミノ−1−パラトルイルピロリジン5.8gを仕込み、反応温度を60℃に下げ、実施例2と同様にして10時間攪拌した。反応液をGC分析したところ原料ピークは消失し、3−アミノピロリジンが生成していた。
実施例5
攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサー、滴下ロートを装着した200mlの4口フラスコに、3−アミノ−1−ベンジルピロリジン3.5g(0.02モル)、水100g、カチオンDS(三洋化成製)0.1gを仕込み、48%水酸化ナトリウム水溶液でpHを11±0.5に調整した。30〜40℃で攪拌しながらクロル炭酸ベンジル4.1g(0.024モル)を約1時間で滴下した。この間、48%水酸化ナトリウム水溶液で反応液をpH11±0.5に調整した。さらに1時間反応させた後、室温まで冷却して析出結晶を濾過した。結晶を50℃で真空乾燥し、1−ベンジル−3−ベンジルオキシカルボニルアミノピロリジン5.7g得た。収率91.0%、化学純度98.6%。
攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサー、ガス導入管を装着した100mlの4口フラスコに、1−ベンジル−3−ベンジルオキシカルボニルアミノピロリジン5.7g、水20g、メタノール1g、5%Pd/C
1.0g(エヌ・イーケムキャット製 PEタイプ 55.27%含水)を仕込み、50℃、20時間水素通気下で攪拌した。反応液をGC分析したところ、トルエンを除いたGCチャートで、原料の1−ベンジル−3−ベンジルオキシカルボニルアミノピロリジンは5.2area%であり、生成物の3−ベンジルオキシカルボニルアミノピロリジンが92.8area%検出された。
実施例6
水に替えて、メタノール20gを仕込み、実施例2と同様に60℃で10時間攪拌した。反応液をGC分析したところ、トルエンを除いたGCチャートで、原料の3−アミノ−1−ベンジルピロリジンは83area%、生成物の3−アミノピロリジンは17area%であった。
実施例7
水に替えて、プロパノール20gを仕込み、実施例2と同様に80℃で10時間攪拌した。反応液をGC分析したところ、生成物の3−アミノピロリジンは僅かに生成しており、原料の3−アミノ−1−ベンジルピロリジンが残留していた。
実施例8
水に替えて、メタノール20gを仕込み、添加するPd触媒を2倍に増加した以外は実施例2と同様に60℃で10時間攪拌した。反応液をGC分析したところ、原料の3−アミノ−1−ベンジルピロリジンは75area%、生成物の3−アミノピロリジンは25area%であった。
実施例9
攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサー、ガス導入管を装着した100mlの4口フラスコに、1−ベンジル−3−メチルピペラジン9.5g(50ミリモル)、水50g、5%Pd/C1.0g(エヌ・イーケムキャット製 PEタイプ 55.27%含水)を仕込み、40℃で6時間、水素通気下で攪拌した。反応液をGC分析したところ、トルエンを除いたGCチャートで、原料の1−ベンジル−3−メチルピペラジンは検出されず、2−メチルピペラジンのピークのみが検出された。収率はほぼ定量的(99%以上)であった。
実施例10
実施例9の装置に、3−アミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン9.6gを仕込み、同様にして10時間反応させたところ、トルエンを除いたGCチャートで、原料は検出されず、3−アミノ−4−ヒドロキシピロリジンのピークのみが検出された。収率はほぼ定量的(99%以上)であった。
実施例11
実施例9の装置に、3−ベンジルアミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン9.6gを仕込み、同様にして15時間反応させたところ、トルエンを除いたGCチャートで、原料は検出されず、3−アミノ−4−ヒドロキシピロリジンのピークのみが検出された。収率はほぼ定量的(99%以上)であった。
実施例12
攪拌機、温度計、ジムロートコンデンサー、ガス導入管を装着した500ml4口フラスコに、(S)−1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン52.5g(0.3モル、光学純度99.5%ee)、水210g、5%Pd/C
5.25g(エヌ・イーケムキャット製 PEタイプ 55.27%含水)を仕込み、80℃で攪拌しながら水素を8時間通気した。水素通気を止め、攪拌しながら室温まで冷却し、触媒を減圧濾過した。ろ液をエバポレーターで約50gまで減圧濃縮した。濃縮物をヘリパック充填した約5段の精留塔を装着した蒸留装置で蒸留し、塔頂温度93〜95℃、1kPaの留分として(S)−3−ヒドロキシピロリジン23.5gを得た。収率90%であり、化学純度99.9area%、光学純度99.5%eeであった。また、含水率は0.3%であった。
本発明は、汎用設備を用いてN−ベンジル基で保護された含窒素複素環化合物を常圧水素により脱保護でき、さらに本発明は側鎖アミノ基の脱ベンジルにも応用することができる。

Claims (17)

  1. 一般式(1)
    Figure 2005000810
    (ここで、Rは置換、無置換のベンジル基を示す。R、Rはi)水素原子、ii)炭素数1〜4の低級アルキル基、iii)炭素数1〜4の低級アルコキシル基、iv)水酸基、v)メルカプト基、vi)置換、無置換のアミノ基、vii)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアリール基、viii)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキル基を示し、同一、あるいは異なるものも含む。m、nは0から3の整数を示す。)また、Xは一般式(2)
    Figure 2005000810
    で表される含窒素複素環の残基である。ここで、QはCH、NR、Oを示す。(ここで、Rはi)水素原子、ii)炭素数1〜4の低級アルキル基、iii)炭素数1〜4の低級アルコキシル基、iv)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアリール基、v)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキル基、vi)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキルオキシル基を示す。また、k、lは1から4の整数であり、k+lは3から6を意味する。)で表されるN−置換含窒素複素環化合物を、触媒存在下、常圧水素で水素化分解することを特徴とする一般式(3)
    Figure 2005000810
    (ここで、R,R、X、m、nは前記と同様)で表される含窒素複素環化合物の製造方法。
  2. 触媒がPdである請求項1記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  3. 水溶媒中で水素化分解することを特徴とする請求項1または2記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  4. 一般式(1)で表されるN−置換含窒素複素環化合物が下記一般式(4)〜(7)で表されるN−置換含窒素複素環化合物のいずれかであり、
    Figure 2005000810
    (ここでR、R、R、R、m、nは前記と同様)
    一般式(3)で表される含窒素複素環化合物が下記一般式(8)〜(11)のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
    Figure 2005000810
    Figure 2005000810
    (ここでR、R、R、m、nは前記と同様)
  5. 一般式(4)から(11)におけるR、R、Rが、水素原子、メチル基、アミノメチル基、ヒドロキシメチル基、エチル基、水酸基、アミノ基、メチルアミノ基、ベンジルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、ターシャリーブトキシカルボニルアミノ基、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、メトキシ基、ベンジル基から選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項4記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  6. 一般式(4)から(7)で表されるN−置換含窒素複素環化合物が、3−アミノ−1−ベンジルピロリジン、3−アミノ−1−(4−メチルベンジル)ピロリジン、3−メチルアミノ−1−ベンジルピロリジン、1−ベンジル−3−ターシャリーブトキシカルボニルアミノピロリジン、3−ベンジルアミノ−1−ベンジルピロリジン、1−ベンジル−3−ヒドロキシピロリジン、1−ベンジル−3−メトキシピロリジン、3−アミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、3−ベンジルアミノ−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン、2−アミノメチル−1−ベンジルピロリジン、2−ヒドロキシメチル−1−ベンジルピロリジン、3−エトキシカルボニルアミノ−1−(4−メチルベンジル)ピロリジン、1−ベンジル−3−ベンジルオキシカルボニルアミノピロリジン、3−アミノ−1−ベンジルピペリジン、1−ベンジル−3−メチルピペリジン、3−アミノ−1−ベンジルヘキサメチレンイミン、1−ベンジル−3−メチルピペラジン、1,4−ジベンジル−3−メチルピペラジンから選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項4記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  7. 一般式(1)および一般式(4)から(7)のいずれかで表されるN−置換含窒素複素環化合物が光学活性体であり、一般式(3)および一般式(8)から(11)のいずれかで表される含窒素化合物が光学活性体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  8. 一般式(1)で表されるN−置換含窒素複素環化合物が一般式(12)
    Figure 2005000810
    (ここで、Rは置換、無置換のベンジル基を示し、Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を示す。Rはi)炭素数1〜4のアルキル基、ii)炭素数1〜4のアルコキシル基、iii)フェニル基、iv)フェニルオキシル基、v)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキル基、vi)芳香環が、無置換、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、あるいはハロゲン基で置換されたアラルキルオキシル基を示す。また、qは0、あるいは1、pは3から6の整数を意味する。)であることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1項記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  9. 一般式(12)で表されるN−置換含窒素複素環化合物が、一般式(13)
    Figure 2005000810
    (ここで、R、R、p、qは前記と同様。)で表されるN−置換含窒素複素環化合物と酸ハロゲン化物、または酸無水物と反応させて得られたものであることを特徴とする請求項8記載の含窒素化合物の製造方法。
  10. 酸ハロゲン化物または酸無水物が、一般式(14)または一般式(15)
    COY (14) (RCO)O (15)
    (ここで、Rは前記と同様。また、Yは塩素原子、臭素原子を示す。)であることを特徴とする請求項9記載の含窒素化合物の製造方法。
  11. pHを9〜13にコントロールしながら反応させることを特徴とする請求項9または請求項10記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  12. 水溶媒中で反応させることを特徴とする請求項9〜11のいずれか記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  13. 界面活性剤を共存させることを特徴とする請求項9〜12のいずれか記載の含窒素複素環化合物の製造方法
  14. 一般式(15)で表される酸無水物がジターシャリーブチルジカーボネートである請求項9〜13のいずれか記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  15. 界面活性剤がアルキルエーテルスルホン酸塩、あるいは4級アンモニウム塩である請求項13または請求項14記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  16. 一般式(13)で表されるN−置換含窒素複素環化合物が光学活性体であり、一般式(12)で表される含窒素複素環化合物も光学活性体である請求項8〜15のいずれか1項記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
  17. 一般式(13)で表される1−置換含窒素複素環化合物が一般式(16)
    Figure 2005000810
    (ここでR、Rは前記と同様。)で表される1−置換−3−アミノピロリジン誘導体であり、一般式(12)で表される含窒素複素環化合物が一般式(17)
    Figure 2005000810
    Figure 2005000810
    (ここでR、R、Rは前記と同様。)で表される3−置換−アミノピロリジン誘導体であることを特徴とする請求項8〜16のいずれか1項記載の含窒素複素環化合物の製造方法。
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