JP5397706B2 - 高純度1−ベンジル−3−アミノピロリジンの製造方法 - Google Patents

高純度1−ベンジル−3−アミノピロリジンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、不純物が混入している化学純度の低い1−ベンジル−3−アミノピロリジンの精製方法に関する。
従来、1−ベンジル−3−アミノピロリジンを精製する方法として、例えば低い光学純度の光学活性1−ベンジル−3−アミノピロリジンを非光学活性な酸の塩とし、溶媒中で晶析させて光学純度を向上させる方法(特許文献1)が知られている。また、ラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンを光学分割して必要とする光学活性な1−ベンジル−3−アミノピロリジンの塩を取得する方法として、光学活性な酒石酸を用いる方法(特許文献2)や光学活性なアミノ酸誘導体を用いる方法(特許文献3)が知られている。しかし、不純物が混入した化学純度の低い1−ベンジル−3−アミノピロリジンから高い化学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを高い収率で製造するための精製方法は知られていない。
1−ベンジル−3−アミノピロリジンは、医薬品の中間体として重要な光学活性1−ベンジル−3−アミノピロリジンを製造するための原料として有用である。また、1−ベンジル−3−アミノピロリジンを貴金属触媒下に接触還元して3−アミノピロリジンとし、次いで光学活性な酸を用いて光学分割して製造される医薬品の中間体として重要な光学活性3−アミノピロリジンを製造するための原料としても有用である。ここで、1−ベンジル−3−アミノピロリジンや3−アミノピロリジンを光学活性な酸を用いて光学分割して光学活性な1−ベンジル−3−アミノピロリジンや光学活性な3−アミノピロリジンを製造するに際して不純物が混入した原料を使用すると、目的とする光学活性体も化学純度が低いものしか得られず、また光学分割プロセスにおける収率低下の原因にもなる。また、1−ベンジル−3−アミノピロリジンを貴金属触媒の存在下に接触還元するに際して、不純物を多く含んだ純度の低い1−ベンジル−3−アミノピロリジンを使用すると、含まれる不純物が触媒を被毒して反応を阻害することもある。従って、医薬品の中間体として重要な光学活性1−ベンジル−3−アミノピロリジンや光学活性3−アミノピロリジン等をより安価に製造するために、高い収率で高い化学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを製造する方法の開発が望まれていた。
国際公開第03/082815号パンフレット 特許第2995704号公報 特開平9−124595号公報
本発明の目的は、不純物が混入している化学純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンをはじめとする1−ベンジル−3−アミノピロリジンの(R)−体と(S)−体の混合物から、高い収率で高い化学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを製造することにある。
本発明者らは高い化学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの製造方法を鋭意検討した結果、ラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンとラセミ酒石酸から塩を形成し、水と混和する有機溶媒と水の混合溶媒中で晶析することによって高い化学純度のラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンが高い収率で製造でき、またこれを片方の光学異性体がもう一方の光学異性体よりも多くなった(R)−体と(S)-−体の混合物においても適用できることを見いだした。
すなわち、本発明は、塩基性不純物が混入している化学純度の低い式(1)
Figure 0005397706
で表される(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンと(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンの混合物とL−酒石酸とD−酒石酸の混合物から塩を形成し、水と混和する有機溶媒と水の混合溶媒中で晶析して、化学純度が99.6%以上の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを製造する方法であって塩基性不純物がベンジルアミンおよび/または4−アミノ−1−ベンジルピペリジンである1−ベンジル−3−アミノピロリジンの製造方法である。
本発明によれば、工業的に実施可能な簡便な方法で、低い化学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンから化学純度が99.6%以上の1−ベンジル−3−アミノピロリジンが高い収率で取得できる。
本発明を具体的に述べる。
尚、本発明における「高い収率」とは収率が70%以上のことである。
本発明において使用できる原料の1−ベンジル−3−アミノピロリジンは、不斉点が存在しない物質を出発物質として立体選択的な反応条件を設定しないで合成されたラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン、光学活性1−ベンジル−3−アミノピロリジンをラセミ化したラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン、製造の過程において片方の光学異性体がもう一方の光学異性体よりも多くなった(R)−体と(S)−体の混合物等であり、その製造方法は特に限定されない。
本発明で用いる1−ベンジル−3−アミノピロリジンは、その製造方法により種々の不純物を含有している。例えば、ラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンは、Journal of Chemical Engineering of Chinese Universities No.4 Vol.17 Aug. 438−441(2003)に記載の方法で製造することができる。
Figure 0005397706
上記において、R1、R2,R3はアルキル基を表し、好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくはメチル基、エチル基である。baseは塩基を表し、好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドであり、さらに好ましくはナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドである。Acidは酸を表し、好ましくは鉱酸であり、さらに好ましくは塩酸である。
しかし、このような方法で製造したラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンは、ベンジルアミンや式(2)
Figure 0005397706
で表される4−アミノ−1−ベンジルピペリジン等の不純物を多く含んでいるためその化学純度は低い。このような不純物はその性質がラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンと類似しているために除去が難しく、低い化学純度のラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンから高い化学純度のラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンを得ようとすると、不純物を除去するための操作において高い精製収率は達成できない。従って、高い化学純度のラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンを高い収率で取得する精製方法を開発する必要があった。
本発明者らは、化学純度の低い1−ベンジル−3−アミノピロリジンの精製方法を鋭意検討した結果、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸から塩を形成し、水と混和する有機溶媒と水の混合溶媒中で晶析する方法を開発するに至った。本発明によれば、高い化学純度の1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩が3水和物として取得できるので、一般的な方法で処理することによって化学純度が99.6%以上の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを製造することができる。
本発明で使用する酒石酸としては一般に市販されているラセミ酒石酸や市販のL−酒石酸とD−酒石酸を混合したものを使用することができる。その使用量は、収率良く高純度1−ベンジル−3−アミノピロリジンを得るという観点から、原料中に含まれる1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.95〜1.15倍モルが好ましい。原料の1−ベンジル−3−アミノピロリジンに含まれる塩基性の不純物が多い場合には、それら不純物を中和する分の酒石酸を増量することで高い精製収率が達成できる。例えば、ラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンを原料として使用する場合には、1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.95〜1.15倍モルのラセミ酒石酸が存在する系で晶析することによって高い精製収率が達成できる。また、その製造の過程において片方の光学異性体がもう一方の光学異性体よりも多くなった1−ベンジル−3−アミノピロリジンを原料として使用する場合には、そこに含まれる(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.95〜1.15倍モルのD−酒石酸と(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.95〜1.15倍モルのL−酒石酸が存在する系で晶析することによって高い精製収率が達成できる。
本発明で使用する水と混和する有機溶媒は、特に限定されないが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、および/または、これらから選ばれる一種または二種以上の混合液が好ましく使用することができる。その使用量は、精製収率や生産性等を考えた場合に、原料のラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.8〜3.5重量倍が好ましい。
本発明では水の存在は不可欠である。本発明に従って晶析をおこなうと、水と混和する有機溶媒と水の混合溶媒への溶解度が小さい(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンとD−酒石酸の塩の3水和物と(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンとL−酒石酸の塩の3水和物が析出する。一方、(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンとL−酒石酸の塩や(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンとD−酒石酸の塩は水和物を形成せず、水と混和する有機溶媒と水の混合溶媒への溶解度が高いために析出し難い。本発明で使用する水の量は、上記3水和物が効率よく生成するという観点から原料に含まれる1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して好ましくは8倍モル以上であり、更に好ましくは9倍モル以上である。これより少ないと、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩の3水和物が析出しにくくなり、大幅に収率が低下するので好ましくない。使用量の上限は特に限定されないが、精製収率や生産性等を考えた場合に、原料の1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して3重量倍程度である。
本発明においては、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの(R)−体と(S)−体の混合物と酒石酸のD−体とL−体の混合物を用いて上記混合溶媒中で塩の水和物を形成させることにより、混合溶媒中で析出しやすい(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンとD−酒石酸の塩の3水和物と(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンとL−酒石酸の塩の3水和物が析出していくため、平衡状態にいたることなく高収率で高化学純度化することができるのである。
1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩を形成する方法や形成された塩を水と混和する有機溶媒と水の混合溶媒中から析出させる方法としては特に限定されないが、例えば水、水と混合する有機溶媒、ラセミ酒石酸、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの順に晶析装置に仕込み、混合物を加熱して均一溶液としたのち、適当な温度で種晶((R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジン・D−酒石酸塩の3水和物と(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジン・L−酒石酸塩の3水和物)を加えてから冷却する方法が採用できる。種晶を加える時機は、水と混和する有機溶媒と水の混合比率やその使用量によって異なるが、おおよそ20〜40℃の範囲である。析出した結晶を濾別する温度は特に限定されないが、高い収率で塩を得るためにはその温度は低い方が好ましく、通常は0〜20℃である。
かくして得られた1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩の3水和物から1−ベンジル−3−アミノピロリジンの単離は、一般的な方法に従って実施できる。例えば、塩を水とトルエン中で撹拌しながら水酸化ナトリウムの水溶液を添加して塩基性とし、分液して得たトルエン層を濃縮することによって1−ベンジル−3−アミノピロリジが取得できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の実施例や比較例における1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は高速液体クロマトグラフィーを用いて決定し、化学純度はガスクロマトグラフィーを用いて決定した。
<1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率(HPLC)>
カラム:Mightysil RP−18GP(関東化学)4.6mmφ×150mm
移動相:2.5mM ドデシル硫酸ナトリウム水溶液(pH2.2、リン酸使用)630mlとアセトニトリル370mlの混合液
カラムオーブン温度:40℃
検出器:UV 205nm
内部標準物質:2,4−ジクロロアニリン
<1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度(GC)>
カラム:NEUTRA BOND−1(ジーエルサイエンス)0.25mmI.D.×60m、0.4μm
カラムオーブン温度:70℃(15分)−20℃/分→270℃(20分)
注入口:200℃
検出器:200℃
キャリヤーガス:ヘリウム 全流量52ml/分
スプリット比:19
参考例
撹拌機、温度計を装着した容量1Lのフラスコに、ベンジルアミン53.6g(0.50モル)とメタノール26.8gを仕込んだ。撹拌しながら、この混合液にアクリル酸メチル43.1g(0.50モル)を2時間かけて添加した。このとき反応液の温度を約50℃に保った。添加終了後、更に同温度で2時間撹拌を続けた。この反応液にトリエチルアミン64.0g(0.63モル)を添加したのち、クロロ酢酸メチル68.6g(0.63モル)を2時間かけて添加した。添加終了後、約70℃加熱して4時間撹拌を続けた。この反応液を室温まで冷却し、トルエン216gと水130gを加えて撹拌した。靜置後、水層を抜き出し、残ったトルエン層を減圧下に濃縮して濃縮液178gを得た。この濃縮液にメタノール73gを加えて希釈し、20から25℃で28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液122.7g(0.64モル)を3時間かけて仕込み、更に同温度で3時間撹拌を続けた。
この反応液に水167gと35%塩酸167g(1.6モル)の混合液を約1時間かけて加え、約75℃で7時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮して、479gの濃縮液を得た。20から40℃で、pHが約12になるまで48%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。トルエン118gを加えて撹拌したのち、水層を抜き出した。残ったトルエン層を減圧下に濃縮して濃縮液110gを得た。濃縮液中には1−ベンジル−3−ピロリジノンが58.2%含まれていた。
撹拌機、温度計を装着した容量500mlのフラスコに、水220g、硫酸ヒドロキシルアミン31.4gを仕込んだ。この溶液を約25℃に保ちながら、1−ベンジル−3−ピロリジノンを含む濃縮液を1時間かけて添加した。靜置したのちに分液してトルエン層を除いた。残った水層に、pHが約12になるまで48%水酸化ナトリウム水溶液を約2時間かけて添加した。このとき内液の温度を約25℃に保った。析出した結晶を濾別して、104.8gのウェットケークを得た。ウェットケークには1−ベンジル−3−ピロリジノンオキシムが55.7%含まれていた。
容量1Lのオートクレーブに1−ベンジル−3−ピロリジノンオキシムを含むウェットケーク全量、メタノール235g、28%アンモニア水54g、およびラネーニッケル触媒15gを仕込んだ。水素ガスで約0.5MPaに加圧しながら、約50℃で2時間撹拌した。反応終了後、触媒を濾別し、濾過液を減圧下に濃縮して濃縮液57.0gを得た。濃縮液には1−ベンジル−3−アミノピロリジンが84.4%含まれていた。1−ベンジル−3−アミノピロリジンの収率は出発原料であるベンジルアミンに対して54.6モル%であった。濃縮液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、その組成は、1−ベンジル−3−アミノピロリジン94.7%、ベンジルアミン0.6%、その他4.7%であった。濃縮液を1規定塩酸で中和滴定したところ、その中に含まれる塩基性の成分は、10.0meq./gであった。
実施例1
撹拌機、温度計を装着した容量300mlのフラスコに、参考例で取得したラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンを含む濃縮液39.9g、エタノール42g、水42g、およびDL−酒石酸30.0gを仕込んだ。撹拌しながら、約55℃に加熱して固形物を溶解したのち、約33℃まで冷却した。そこに(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンとD−酒石酸の塩の3水和物と(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンとL−酒石酸の塩の3水和物の混合物(以下、種晶と略称する)を約0.1g添加し、30〜35℃に保って1時間撹拌した。次いで、2時間かけて約3℃まで冷却し、更に0〜5℃で2時間撹拌を続けた。スラリーを、遠心濾過器を使用して濾過し、ケークに50%エタノール水溶液25gを噴霧して洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥して1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩68.7gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.6%であり、晶析収率は95%であった。また、塩の中の水分は14.3%であった。この塩の全量に水74gとトルエン74gを加え、撹拌しながらpHが約12になるまで48%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。分液して得たトルエン層を約80℃に加熱し、圧力が約1.3kPaでトルエンが留出しなくなるまで濃縮した。濃縮液量は31.4gであった。ガスクロマトグラフィーで分析したところ、その組成は、1−ベンジル−3−アミノピロリジン99.1%、トルエン0.9%、その他0.1%であった。
実施例2
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン3.9g、メタノール13.4g、水2.8g、およびDL−酒石酸3.1gを仕込んだ。撹拌しながら、約55℃に加熱して固形物を溶解したのち、約30℃まで冷却した。そこに種晶を約20mg添加し、20〜30℃に保って1時間撹拌した。次いで、30分かけて約3℃まで冷却し、更に0〜5℃で2時間撹拌を続けた。スラリーを濾過し、ケークに50%メタノール水溶液5mlを振りかけて洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥して1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩5.8gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.8%であり、晶析収率は79%であった。また、水分は13.3%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.8%であった。
実施例3
水の使用量を3.2gに変えた以外は実施例2と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.0gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.6%であり、晶析収率は82%であった。また、水分は13.7%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.7%であった。
実施例4
メタノールの使用量を11.4g、水の使用量を4.1gに変えた以外は実施例2と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.4gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.3%であり、晶析収率は87%であった。また、水分は14.2%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.8%であった。
実施例5
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン3.9g、メタノール7.2g、水8.4g、およびDL−酒石酸3.1gを仕込んだ。撹拌しながら、約55℃に加熱して固形物を溶解したのち、約30℃まで冷却した。そこに種晶を約20mg添加し、20〜30℃に保って1時間撹拌した。次いで、30分かけて約3℃まで冷却し、更に0〜5℃で2時間撹拌を続けた。スラリーを濾過し、ケークに50%メタノール水溶液5mlを振りかけて洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥して1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.3gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.7%であり、晶析収率は86%であった。また、水分は13.6%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.6%であった。
実施例6
メタノールの使用量を4.4g、水使用量を11.1gに変えた以外は実施例2と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.2gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.7%であり、晶析収率は85%であった。また、水分は13.5%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.9%であった。
実施例7
DL−酒石酸の使用量を2.8gに変えた以外は実施例5と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩5.2gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は47.2%であり、晶析収率は71%であった。また、水分は12.5%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.6%であった。
実施例8
DL−酒石酸の使用量を3.4gに変えた以外は実施例5と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.3gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は47.1%であり、晶析収率は87%であった。また、水分は12.7%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.9%であった。
実施例9
メタノールをアセトンに変えた以外は実施例5と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.6gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.5%であり、晶析収率は89%であった。また、水分は13.7%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.8%であった。
実施例10
メタノールをアセトニトリルに変えた以外は実施例5と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.1gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.7%であり、晶析収率は83%であった。また、水分は13.7%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.9%であった。
実施例11
メタノールをテトラヒドロフランに変えた以外は実施例5と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.4gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.8%であり、晶析収率は88%であった。また、水分は13.8%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.9%であった。
実施例12
市販の、光学純度が99.0%e.e.以上、化学純度が99.0%以上、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が99.4%の光学活性(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジン1.0g、市販の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン2.8g、メタノール11.4g、水4.1g、DL−酒石酸2.2g、およびD−酒石酸0.8gを仕込んだ。撹拌しながら、約55℃に加熱して固形物を溶解したのち、約30℃まで冷却した。そこに種晶を約20mg添加し、20〜30℃に保って1時間撹拌した。次いで、30分かけて約3℃まで冷却し、更に0〜5℃で2時間撹拌を続けた。スラリーを濾過し、ケークに50%メタノール水溶液5mlを振りかけて洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥して1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩6.6gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は47.9%であり、晶析収率は92%であった。また、水分は11.3%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.8%であった。
比較例1
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン20.1g、メタノール130g、水14.2g、および98%硫酸10.2gを仕込んだ。撹拌しながら、約60℃に加熱し、そこにラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンと硫酸の塩(1水和物)を約50mg添加した。スラリーを50〜60℃に保って0.5時間撹拌したのち、1時間かけて約3℃まで冷却し、更に0〜5℃で2時間撹拌を続けた。スラリーを濾過し、ケークにメタノール10mlを振りかけて洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥してラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンと硫酸の塩26.3gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は59.9%であり、晶析収率は89%であった。また、水分は6.1%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析した組成は、1−ベンジル−3−アミノピロリジン98.2%、ベンジルアミン0.4%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン1.4%であった(但し、トルエンは除いて計算した)。
比較例2
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン20.0g、エタノール120g、および35%塩酸21.7gを仕込んだ。撹拌しながら、約60℃に加熱して溶解した。溶液を冷却して約23℃とし、そこにラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンの2塩酸塩を約50mg添加した。スラリーを20〜25℃に保って5時間撹拌した。スラリーを濾過し、ケークにエタノール7mlを振りかけて洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥してラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンと塩酸の塩11.8gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は69.9%であり、晶析収率は47%であった。また。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析した組成は、1−ベンジル−3−アミノピロリジン99.0%、ベンジルアミン0.1%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン0.9%であった(但し、トルエンは除いて計算した)。
比較例3
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン20.2g、水21.1g、および35%塩酸21.9gを混合したのち約80℃に加熱し、圧力約4.7kPaで水が留出しなくなるまで濃縮した。濃縮液にエタノール100gを加えたのち約80℃に加熱し、再度圧力約4.7kPaで留出しなくなるまで濃縮した。濃縮液にエタノール96gを加え、約20℃まで冷却したのちラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンの2塩酸塩50mgを添加した。スラリーを1時間かけて約3℃まで冷却し、更に0〜5℃で1時間撹拌を続けた。スラリーを濾過し、ケークにエタノール10mlを振りかけて洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥してラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンと塩酸の塩21.7gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は68.9%であり、晶析収率は85%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析した組成は、1−ベンジル−3−アミノピロリジン98.1%、ベンジルアミン0.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン1.5%であった(但し、トルエンは除いて計算した)。
比較例4
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン3.9g、エタノール18.0g、およびコハク酸2.4gを仕込んだ。撹拌しながら、20〜25℃に保って5時間撹拌した。スラリーを濾過し、ケークにエタノール5mlを振りかけて洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥してラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンとコハク酸の塩4.8gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は60.3%であり、晶析収率は86%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析した組成は、1−ベンジル−3−アミノピロリジン96.9%、ベンジルアミン0.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン2.8%であった(但し、トルエンは除いて計算した)。
比較例5
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン3.9g、エタノール18.0g、およびDL−リンゴ酸2.7gを仕込んだ。撹拌しながら、0〜5℃に保って12時間撹拌した。析出した結晶は性状の悪い凝集物であり、濾過することができなかった。
比較例6
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン3.9g、エタノール8.9g、およびマレイン酸2.4gを仕込んだ。撹拌しながら、0〜5℃に保って12時間撹拌したが結晶は析出しなかった。
比較例7
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン3.9g、エタノール9.1g、および酢酸2.4gを仕込んだ。撹拌しながら、0〜5℃に保って12時間撹拌したが結晶は析出しなかった。
比較例8
メタノールを使用せず、水の使用量を15.5gに変えた以外は実施例2と同じ操作をおこなって、1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩4.6gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は46.9%であり、晶析収率は62%であった。また、水分は13.3%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は100.0%であった(但し、トルエンは除いて計算した)。
比較例9
市販の、1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率が87.6%であり、ガスクロマトグラフィーで分析した組成が、1−ベンジル−3−アミノピロリジン91.8%、ベンジルアミン2.3%、4−アミノ−1−ベンジルピペリジン3.8%、その他成分2.1%である純度の低いラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジン3.9g、メタノール7.2、水8.4g、およびD−酒石酸3.1gを仕込んだ。撹拌しながら、約55℃に加熱して固形物を溶解したのち、約30℃まで冷却した。そこに種晶を約20mg添加し、20〜30℃に保って1時間撹拌した。次いで、30分かけて約3℃まで冷却し、更に0〜5℃で2時間撹拌を続けた。スラリーを濾過し、ケークに50%メタノール水溶液5mlを振りかけて洗浄した。ケークを取り出し、真空乾燥して1−ベンジル−3−アミノピロリジンと酒石酸の塩3.2gを取得した。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンの含有率は47.0%であり、晶析収率は44%であった。また、水分は13.8%であった。容量20mlの蓋付きサンプル瓶に、取得した塩1g、水1g、トルエン1g、および48%水酸化ナトリウム水溶液0.6gを採取して良く振り混ぜた。トルエン層をガスクロマトグラフィーで分析したところ、トルエンを除いて計算した1−ベンジル−3−アミノピロリジンの化学純度は99.9%であった。取得した塩の中の1−ベンジル−3−アミノピロリジンは(R)−体であり、その光学純度は97.0%e.e.であった。

Claims (4)

  1. 塩基性不純物が混入している化学純度の低い式(1)
    Figure 0005397706
    で表される(R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンと(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンの混合物とL−酒石酸とD−酒石酸の混合物から塩を形成し、水と混和する有機溶媒と水の混合溶媒中で晶析して、化学純度が99.6%以上の1−ベンジル−3−アミノピロリジンを製造する方法であって塩基性不純物がベンジルアミンおよび/または4−アミノ−1−ベンジルピペリジンである高純度1−ベンジル−3−アミノピロリジンの製造方法。
  2. (R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンと(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンの混合物がラセミ1−ベンジル−3−アミノピロリジンであり、L−酒石酸とD−酒石酸の混合物がラセミ酒石酸である請求項1記載の高純度1−ベンジル−3−アミノピロリジンの製造方法。
  3. (R)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.95〜1.15倍モルのD−酒石酸と、(S)−1−ベンジル−3−アミノピロリジンに対して0.95〜1.15倍モルのL−酒石酸が存在する系で晶析する請求項1記載の高純度1−ベンジル−3−アミノピロリジンの製造方法。
  4. 水と混和する有機溶媒が、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、および/または、これらから選ばれる一種または二種以上の混合液である請求項1記載の高純度1−ベンジル−3−アミノピロリジンの製造方法。
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