JPH11292850A - 光学活性な4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−(2−ヒドロキシエチル)イミノイミダゾリジン誘導体 - Google Patents

光学活性な4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−(2−ヒドロキシエチル)イミノイミダゾリジン誘導体

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JPH11292850A
JPH11292850A JP9720898A JP9720898A JPH11292850A JP H11292850 A JPH11292850 A JP H11292850A JP 9720898 A JP9720898 A JP 9720898A JP 9720898 A JP9720898 A JP 9720898A JP H11292850 A JPH11292850 A JP H11292850A
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敏男 磯部
Keiko Fukuda
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 はアルキル基を示し、R3 はアル
キル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R4 は水
素原子又はアリール基を示し、*は不斉炭素の位置を示
す〕で表わされる光学活性な4,5−ジフェニル−1,
3−ジアルキル−2−(2−ヒドロキシエチル)イミノ
イミダゾリジン誘導体。 【効果】 不斉合成試薬として用いれば、光学活性化合
物を選択的かつ高収率で製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性化合物を
選択的に製造するために用いる不斉合成試薬として有用
な4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−(2
−ヒドロキシエチル)イミノイミダゾリジン誘導体に関
する。
【0002】
【従来の技術】不斉炭素を有する有機化合物には、エナ
ンチオマー(鏡像異性体)が存在する。このような有機
化合物を香料や食品添加物として用いる場合、各々のエ
ナンチオマーにより、臭いや味が異なることが知られて
いる。また、医薬品では、サリドマイドの例に如実に示
されたように両異性体によって薬効や毒性が大きく異な
ることが知られている。更に強誘電性液晶では純粋なキ
ラル分子構造を持つ化合物が求められており、光学純度
の低下は顕著な機能の低下をもたらすとされている。
【0003】このように、医薬、農薬、香料、食品添加
物、エレクトロニクス等の産業分野では、光学純度の高
いいずれかのエナンチオマーが求められている。
【0004】また、光学純度の高い化合物を製造するに
は、光学活性な出発原料を用いて、通常の化学反応で製
造する方法が最も容易であり、一般的である。従って、
光学活性な原料化合物は産業上重要であり、安価で大量
供給が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような光学活性な
化合物の製造法としては、通常の反応により得たラセミ
体を光学活性な分割剤を用いて分離する方法や、酵素又
は生物学的手法を用いて片方の異性体のみを目的物に変
換する方法等が知られている。
【0006】しかしながら、このような方法では、産業
上利用できない異性体が半分残ってしまうため、資源の
有効利用が図れず、不経済であった。また、酵素又は生
物学的手法を用いる方法は、適用範囲が限定されること
や、反応濃度が低いため反応基質を大量に処理できない
欠点も有していた。このため光学分割することなく必要
な光学異性体のみを酵素的手法等を用いずに製造するこ
とができる方法が望まれていた。
【0007】従って、本発明の目的は、所望の光学活性
化合物を選択的に高収率で製造することができる不斉合
成試薬を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】斯かる実情に鑑み本発明
者らは、鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表
わされる新規化合物を不斉合成試薬として用いれば、高
エナンチオ選択的に反応が進行し、光学活性化合物を選
択的かつ高収率で製造することができることを見出し、
本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0010】
【化2】
【0011】〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なって
アルキル基を示し、R3 はアルキル基、アリール基又は
アラルキル基を示し、R4 は水素原子又はアリール基を
示し、*は不斉炭素の位置を示す〕で表わされる光学活
性な4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−
(2−ヒドロキシエチル)イミノイミダゾリジン誘導体
を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の4,5−ジフェニル−
1,3−ジアルキル−2−(2−ヒドロキシエチル)イ
ミノイミダゾリジン誘導体は前記一般式(1)で表わさ
れるものである。式中、R1 、R2 及びR3 で示される
アルキル基としては、炭素数1〜24の直鎖又は分岐鎖
のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、s
ec−ヘキシル基、t−ヘキシル基、n−ヘプチル基、
n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウ
ンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−
テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシ
ル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−
ノナデシル基、n−エイコシル基、n−ヘンエイコシル
基、n−ドコシル基、n−トリコシル基、n−テトラコ
シル基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜6のもの
が特に好ましく、炭素数1〜4のものが最も好ましい。
【0013】式(1)中、R3 及びR4 で示されるアリ
ール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル
基、フェナントリル基等が好ましく、フェニル基が特に
好ましい。
【0014】また、R3 で示されるアラルキル基として
は、フェニルアルキル基(アルキル基の炭素数1〜
5)、α−ナフチルアルキル基(アルキル基の炭素数1
〜5)が好ましく、ベンジル基が特に好ましい。
【0015】前記一般式(1)で表わされる4,5−ジ
フェニル−1,3−ジアルキル−2−(2−ヒドロキシ
エチル)イミノイミダゾリジン誘導体の3つの不斉炭素
原子の立体配置はS,Rのいずれであってもよいが、イ
ミダゾリジン環の2つの不斉炭素原子は同一であること
が好ましい。
【0016】本発明化合物(1)は、例えば次の反応式
に従って、光学活性な1,2−ジフェニル−1,2−エ
タンジアミン(2)を出発原料として3工程を経て得ら
れる4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−ハ
ロゲノイミダゾリニウム・ハロゲニド(7)にアミノア
ルコール類(8)を反応せしめることにより製造するこ
とができる。
【0017】
【化3】
【0018】〔式中、R1 、R2 、R3 、R4 及び*は
前記と同じものを示し、X、X1 及びX2 はハロゲン原
子を示し、Bは塩基を示す〕以下、上記反応を工程毎に
説明する。
【0019】(1)工程1 光学活性な1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミ
ン(2)を、尿素(3)及び水を用いて閉環させること
により4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン
(4)が得られる。原料として用いられる光学活性な
1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン(2)と
しては、(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2
−エタンジアミン、(1S,2S)−1,2−ジフェニ
ル−1,2−エタンジアミンが挙げられる。この反応
は、水を留去しながら加熱することにより行うのが好ま
しい。
【0020】(2)工程2 4,5−ジフェニル−2−イミダゾリジノン(4)にそ
れぞれ1当量のハロゲン化アルキルR11(5)及びR
22(5′)((5)と(5′)が同一の場合は2当
量)を反応させることにより、4,5−ジフェニル−
1,3−ジアルキル−2−イミダゾリジノン(6)が得
られる。ハロゲン化アルキル(5)及び(5′)の具体
例としては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化エチ
ル、ヨウ化n−プロピル、臭化n−プロピル、塩化n−
プロピル、ヨウ化i−プロピル、臭化i−プロピル、ヨ
ウ化n−ブチル、臭化n−ブチル、ヨウ化i−ブチル、
臭化i−ブチル、塩化t−ブチル等が挙げられる。この
反応は、水素化ナトリウム等の塩基2当量以上の存在下
に行うのが好ましい。
【0021】(3)工程3 4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−イミダ
ゾリジノン(6)にハロゲン化剤を反応させることによ
り4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−ハロ
ゲノイミダゾリニウム・ハロゲニド(7)が得られる。
ここで使用されるハロゲン化剤としては、オキザリルハ
ロゲニド、三ハロゲン化リン、五ハロゲン化リン、オキ
シハロゲン化リン、ホスゲン、トリクロロメチルクロロ
ホルメート、トリホスゲン等が挙げられる。反応は4,
5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−イミダゾリ
ジノン(6)とハロゲン化剤をベンゼン等の適当な溶媒
に溶解しておき、室温ないし加熱下で数時間〜数十時間
反応することによって行うのが好ましい。
【0022】(4)工程4 4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−ハロゲ
ノイミダゾリニウム・ハロゲニド(7)とアミノアルコ
ール(8)とを塩基(9)の存在下で反応せしめること
により本発明の4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキ
ル−2−(2−ヒドロキシエチル)イミノイミダゾリジ
ン誘導体(1)が得られる。アミノアルコール(8)の
具体例としては、アミノエタノール、(S)−アラニノ
ール、(R)−アラニノール、(S)−2−アミノブタ
ノール、(R)−2−アミノブタノール、(S)−2−
アミノ−n−ペンタノール、(R)−2−アミノ−n−
ペンタノール、(S)−バリノール、(R)−バリノー
ル、(S)−ロイシノール、(R)−ロイシノール、
(S)−イソロイシノール、(R)−イソロイシノー
ル、(S)−フェニルグリシノール、(R)−フェニル
グリシノール、(S)−フェニルアラニノール、(R)
−フェニルアラニノール、(S)−2−アミノ−1,1
−ジフェニルフェネチルアルコール、(R)−2−アミ
ノ−1,1−ジフェニルフェネチルアルコール等を挙げ
ることができる。ここで使用される塩基としては、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニリン、
ピリジン等の有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム
等の無機塩基が挙げられるが、反応に使用されるアミノ
アルコールを塩基として使用することもできる。反応は
4,5−ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−ハロゲ
ノイミダゾリニウム・ハロゲニド(7)がアミノアルコ
ール(8)のどちらか一方をベンゼン、アセトニトリ
ル、塩化メチレン等の適当な溶媒に溶解しておき、室温
あるいは冷却下で他方をゆっくりと滴下することにより
行うのが好ましい。
【0023】本発明化合物(1)は、種々の不斉合成反
応に不斉合成試薬として用いることができる。例えば、
本発明化合物(1)を触媒として用いる不斉マイケル付
加反応は次の反応式によって実施することができる。
【0024】
【化4】
【0025】〔式中、R5 、R6 、R7 及びR8 は有機
基を示し、*は前記と同じ〕
【0026】すなわち、エノン(11)、マロン酸ジエ
ステル(12)を各1当量と触媒量の本発明化合物
(1)をクロロホルム、ジクロロメタン、トルエン、テ
トラヒドロフラン等の不活性溶媒中に加え、加熱下ある
いは室温付近で反応させればマイケル付加反応がエナン
チオ選択的に進行し、目的とする光学活性なマイケル付
加体(13)を容易に得ることができる。このマイケル
付加体(13)は、常法に従い、エステルの加水分解、
脱炭酸反応を経て医薬品原料として有用な光学活性なケ
トカルボン酸に導くことができる。なお、上記反応に触
媒として用いた本発明化合物(1)は特に精製の操作を
必要とせず再使用することができる。ここで用いられる
エノン(11)は特に限定されるものではなく、R5
6、R7 及びR8 で示される有機基としては、脂肪
族、芳香族のいずれでもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明化合物を不斉合成試薬として用い
れば、光学活性化合物を選択的かつ高収率で製造するこ
とができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
【0029】製造例1 (4S,5S)−2−クロロ−
4,5−ジフェニル−1,3−ジメチルイミダゾリニウ
ム・クロライドの製造 ベンゼン100ml中に(4S,5S)−4,5−ジフェ
ニル−1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン4.3
g(16mmol)及び塩化オキザリル2.5g(19mmo
l)を加え、12.5時間加熱還流した。放冷後析出晶
を濾取し、ベンゼンで洗浄後減圧下に乾燥して標記化合
物を2.1g(収率41%)得た。得られた化合物の物
性は以下の通りである。 融点:219.6〜220.4℃(分解) 〔α〕D 26.6=−128.90°(c=1.00, CHCl3) UVλmax MeOH nm:246.8(ε 900), 206.8(ε 15200) IRνmax KBrcm-1:1600, 1275, 755, 7001 H-NMR(CDCl3)δ:3.17(6H,s), 5.28(2H,s), 7.08-7.57
(10H,m)
【0030】実施例1 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−2−〔(1S)−1−ベンジル−2−ヒドロキ
シエチル〕イミノ−1,3−ジメチルイミダゾリジンの
製造 アセトニトリル100ml中にS−フェニルアラニノール
2.36g(15.58mmol)及びトリエチルアミン
1.58g(15.58mmol)を加え、この中に(4
S,5S)−2−クロロ−4,5−ジフェニル−1,3
−ジメチルイミダゾリニウムクロライド5.00g(1
5.58mmol)のアセトニトリル溶液を滴下し、終了後
更に室温で30分間攪拌した。反応液に希塩酸水溶液を
加えベンゼンで洗浄し、水層を水酸化ナトリウム水溶液
で強アルカリ性とした後塩化メチレンで抽出した。塩化
メチレン層は無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶
媒を留去して5.58g残渣を得た。この残渣をシリカ
ゲルクロマトグラフィー〔Chromatorex NH(富士シリシ
ア化学(株)製)溶媒クロロホルム/メタノール〕にて
精製し標記化合物を5.25g(収率85%)得た。 融点:85.5〜87.0℃ 〔α〕D 25=+9.12°(c=1.00, CHCl3) UVλmax MeOH nm:208.0(ε 45800) IRνmax KBrcm-1:16301 H-NMR(CDCl3)δ:2.72(6H,bs), 2.97(2H,d,J=7.7Hz),
3.48(2H,bs),3.89(2H,s), 4.08-4.16(1H,m), 7.13-7.32
(15H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ:41.27, 57.35, 65.51, 126.13, 12
7.50, 128.22,128.32, 128.61, 129.37, 138.32, 139.4
6, 157.55
【0031】実施例2 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−2−〔(1R)−1−ベンジル−2−ヒドロキ
シエチル〕イミノ−1,3−ジメチルイミダゾリジンの
製造 塩化メチレン30ml中に(R)−フェニルアラニノール
1.41g(9.35mmol)及びトリエチルアミン1.
89g(18.69mmol)を加え、この中に(4S,5
S)−2−クロロ−4,5−ジフェニル−1,3−ジメ
チルイミダゾリニウムクロライド3.00g(9.35
mmol)の塩化メチレン30ml溶液を滴下し、終了後更に
室温で30分間攪拌した。反応液に水酸化ナトリウム水
溶液を加え、塩化メチレンで抽出し、抽出液は無水硫酸
ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去して残渣を得
た。この残渣をシリカゲルクロマトグラフィー〔Chroma
torex NH(富士シリシア化学(株)製)溶媒クロロホル
ム/メタノール〕にて精製し標記化合物を3.16g
(収率85%)得た。 融点:111.5-113.5℃ 〔α〕D 23=+76.49°(c=1.00, CHCl3) UVλmax MeOH nm:206.8(ε 38600) IRνmax KBrcm-1:16251 H-NMR(CDCl3)δ:2.70(6H,bs), 2.82(2H,d,J=6.8Hz),
3.60(1H,dd,J=6.0 and 10.1Hz), 3.71(1H,dd,J=4.2 and
10.1Hz),3.57-3.73(2H,m), 4.25-4.29(1H,m), 7.04-7.
36(15H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ:40.20, 57.00, 66.22, 125.88, 12
7.48, 128.09,128.12, 128.51, 129.73, 138.38, 140.0
9, 157.87
【0032】実施例3 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−2−〔(1S)−1−イソプロピル−2−ヒド
ロキシエチル〕イミノ−1,3−ジメチルイミダゾリジ
ンの製造 塩化メチレン20ml中に(S)−バリノール0.80g
(7.79mmol)及びトリエチルアミン1.57g(1
5.58mmol)を溶解し、この中に(4S,5S)−2
−クロロ−4,5−ジフェニル−1,3−ジメチルイミ
ダゾリニウムクロライド2.50g(7.79mmol)を
加え、終了後更に室温で1時間攪拌した。以下、実施例
2と同様の操作を行い標記化合物を2.03g(収率7
4%)得た。 粘稠油状物 〔α〕D 20=+36.28°(c=1.00, CHCl3) UVλmax MeOH nm:207.2(ε 35000) IRνmax neatcm-1:16651 H-NMR(CDCl3)δ:1.03(3H,d,J=6.8Hz), 1.04(3H,d,J=
7.0Hz),1.81-1.95(1H,m),2.70(6H,bs), 3.56-3.67(2H,
m), 3.75-3.80(1H,m),3.89(2H,bs), 7.12-7.15(4H,m),
7.23-7.39(6H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ:18.66, 20.29, 32.25, 60.63, 64.0
7, 127.51,128.16, 128.32, 128.58, 138.46, 156.68 HRMS(FAB) calcd for C22H30ON3 352.2389, found 352.
2372
【0033】実施例4 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−2−〔(1R)−1−イソプロピル−2−ヒド
ロキシエチル〕イミノ−1,3−ジメチルイミダゾリジ
ンの製造 アセトニトリル100ml中に(R)−バリノール1.0
0g(9.69mmol)及びトリエチルアミン1.89g
(18.69mmol)を溶解し、この中に(4S,5S)
−2−クロロ−4,5−ジフェニル−1,3−ジメチル
イミダゾリニウムクロライド3.00g(9.35mmo
l)を加え、終了後更に室温で30分間攪拌した。以
下、実施例1と同様の操作を行い標記化合物を2.75
g(収率84%)得た。 融点:65.5-68.5℃ 〔α〕D 23=+83.20°(c=1.00, CHCl3) UVλmax MeOH nm:207.2(ε 32900) IRνmax neatcm-1:16551 H-NMR(CDCl3)δ:0.99(6H,s), 1.78-1.89(1H,m), 2.64
(3H,bs),2.82(3H,bs), 3.59-3.65(1H,m), 3.69-3.79(2
H,m), 3.85-3.90(2H,m),6.91-7.35(10H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ:19.06, 19.25, 31.75, 33.62, 37.6
5, 60.81,64.40, 72.68, 75.09, 127.48, 128.12, 128.
58, 138.66, 157.80
【0034】実施例5 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1,3−ジメチル−2−〔(1S)−1−フェ
ニル−2−ヒドロキシエチル〕イミノイミダゾリジンの
製造 アセトニトリル100ml中に(S)−フェニルグリシノ
ール1.28g(9.35mmol)及びトリエチルアミン
1.89g(18.69mmol)を溶解し、この中に(4
S,5S)−2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリ
ニウムクロライド3.00g(9.35mmol)を加え、
終了後更に室温で30分間攪拌した。以下、実施例1と
同様の操作を行い標記化合物を3.28g(収率91
%)得た。 融点:50.0-52.1℃ 〔α〕D 25=+110.26°(c=1.00, CHCl3) UVλmax MeOH nm:208.0(ε 47400) IRνmax KBrcm-1:16501 H-NMR(CDCl3)δ:2.35-2.88(6H,m), 3.51(1H,dd,J=7.9
and 9.5Hz),3.74(1H,dd,J=4.4 and 9.5Hz), 3.88(2H,
s),4.91(1H,dd,J=4.4 and 7.9Hz), 7.15-7.47(15H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ:61.23, 69.42, 126.66, 126.71, 12
7.49, 128.20,128.27, 128.60, 138.31, 144.57, 158.7
1
【0035】実施例6 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−1,3−ジメチル−2−〔(1R)−1−フェ
ニル−2−ヒドロキシエチル〕イミノイミダゾリジンの
製造 アセトニトリル100ml中に(R)−フェニルグリシノ
ール1.28g(9.35mmol)及びトリエチルアミン
1.89g(18.69mmol)を溶解し、この中に(4
S,5S)−2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリ
ニウムクロライド3.00g(9.35mmol)を加え、
終了後更に室温で30分間攪拌した。以下、実施例1と
同様の操作を行い標記化合物を3.38g(収率94
%)得た。 融点:124.0-125.7℃ 〔α〕D 24=+26.22 °(c=1.00, CHCl3) UVλmax MeOH nm:206.4(ε 39100) IRνmax KBrcm-1:16451 H-NMR(CDCl3)δ:2.67(6H,bs), 3.49(1H,dd,J=7.9 and
9.5Hz),3.79(1H,dd,J=3.8 and 9.5Hz), 3.82-3.96(2H,
m),5.05(1H,dd,J=3.8 and 7.9Hz), 6.77-7.38(15H,m)13 C-NMR(CDCl3)δ:60.07, 69.65, 126.07, 126.87, 12
7.35, 128.09,128.23, 128.56, 138.46, 143.32, 157.3
3
【0036】実施例7 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−2−〔(1R)−1−ベンジル−2,2−ジフ
ェニル−2−ヒドロキシエチル〕イミノ−1,3−ジメ
チルイミダゾリジンの製造 塩化メチレン100ml中に(R)−2−アミノ−1,
1,3−トリフェニルプロパノール1.89g(6.2
3mmol)及びトリエチルアミン1.26g(12.46
mmol)を溶解し、この中に(4S,5S)−2−クロロ
−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロライド2.0
0g(6.23mmol)を加え、終了後更に室温で1時間
攪拌した。以下実施例2と同様の操作を行い標記化合物
を2.68g(収率78%)得た。 融点:174.2-174.7℃ 〔α〕D 24=+30.13°(c=1.00, CHCl3) UVλmax MeOH nm:235(ε 64700) IRνmax KBrcm-1:16651 H-NMR(CDCl3)δ:2.23(3H,s), 2.55(3H,s),2.65(1H,d
d,J=10.1 and 12.9Hz), 2.88(1H,dd,J=2.2 and 12.9H
z),3.53(1H,d,J=7.5Hz), 3.62(1H,d,J=7.5Hz), 5.15(1
H,dd,J=2.2 and 7.5Hz),6.52(2H,d,J=6.8Hz), 6.83-6.8
5(2H,m), 7.16-7.41(17H,m),7.65(2H,d,J=7.3Hz), 7.74
(2H,d,J=7.3Hz)
【0037】実施例8 (4S,5S)−4,5−ジフ
ェニル−2−(2−ヒドロキシエチル)イミノ−1,3
−ジメチルイミダゾリジンの製造 塩化メチレン50ml中に2−アミノエタノール0.96
g(15.6mmol)を加え、この中に(4S,5S)−
2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロラ
イド1.00g(3.12mmol)の塩化メチレン10ml
溶液を滴下し、終了後更に室温で1.5時間攪拌した。
以下実施例1と同様の操作を行い標記化合物を0.89
g(収率94%)得た。 粘稠油状物 〔α〕D 23=+42.41°(c=1.00, CHCl3) IRνmax neatcm-1:16501 H-NMR(CDCl3)δ:2.50-3.00(6H,m), 3.53-3.61(1H,m),
3.66-3.80(3H,m),3.90(2H,s), 7.13-7.33(10H,m)
【0038】参考例 2−シクロペンテノンとマロン酸
ジベンジルエステルとの反応 クロロホルムに2−シクロペンテノン70mg(8.54
×10-4mol)、マロン酸ジベンジルエステル202mg
(7.11×10-4mol)及び(4S,5S)−4,5
−ジフェニル−2−〔(1R)−1−ベンジル−2−ヒ
ドロキシエチル〕イミノ−1,3−ジメチルイミダゾリ
ジン201mg(5.04×10-4mol)を加え21日間
加熱還流した。放冷後、反応液をシリカゲルクロマトグ
ラフィーにて精製し、3−オキソシクロペンチルマロン
酸ジベンジルエステルを167mg(収率65%)得た。
この化合物の光学純度を決定するために、p−トルエン
スルホン酸存在下2−エチル−2−メチル−1,3−ジ
オキソランとの反応により3−オキソシクロペンチルマ
ロン酸ジベンジルエステル・エチレンアセタールに誘導
し、HPLC分析(カラム:CHIRALCEL O
D,移動相:n−ヘキサン:イソプロパノール=40:
1)したところR:Sの比は75.5:24.5であっ
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は同一又は異なってアルキル基を
    示し、R3 はアルキル基、アリール基又はアラルキル基
    を示し、R4 は水素原子又はアリール基を示し、*は不
    斉炭素の位置を示す〕で表わされる光学活性な4,5−
    ジフェニル−1,3−ジアルキル−2−(2−ヒドロキ
    シエチル)イミノイミダゾリジン誘導体。
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