JP6280119B2 - 新規な方法 - Google Patents

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Description

本発明は、NEP阻害剤またはそのプロドラッグ、詳細にはγ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸または酸エステルの主鎖を含むNEP阻害剤の製造に有用な中間体を生成するための新規な方法に関する。
心房性ナトリウム利尿因子(ANF)とも称される内因性心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、哺乳動物において、利尿、ナトリウム利尿および血管弛緩作用を有する。天然のANFペプチドは、詳細には、例えばエンケファリンの代謝不活性化にも関与している酵素である中性エンドペプチターゼ(NEP、EC 3.4.24.11)に相当することが認められている分解酵素によって、代謝的に不活性化される。
中性エンドペプチターゼ(NEP)阻害剤として、例えば哺乳動物におけるANF−分解酵素の阻害剤として有用であるビアリール置換ホスホン酸誘導体が知られており、より活性の低い代謝産物へのその分解を阻害することによって、哺乳動物におけるANFの利尿、ナトリウム利尿および血管拡張特性を延長および増強する。したがって、NEP阻害剤は、中性エンドペプチターゼ(EC 3.4.24.11)の阻害に応答する状態および障害、とりわけ、高血圧などの心臓血管疾患、浮腫および塩類貯留を含めた腎不全、肺浮腫および鬱血性心不全の治療に、とりわけ有用である。
さらに、中性エンドペプチターゼ(NEP)阻害剤およびその合成は、米国特許第4,722,810号、米国特許第5,223,516号、米国特許第4,610,816号、米国特許第4,929,641号、南アフリカ国特許出願84/0670、UK69578、米国特許第5,217,996号、EP0306879、EP0449523、GB02218983、WO92/14706、JP06234754、EP0361365、WO90/09374、JP07157459、WO94/15908、米国特許第5,273,990号、米国特許第5,294,632号、米国特許第5,250,522号、EP0636621、WO93/09101、EP0511940、WO93/10773および米国特許第5,217,996号に記載されている。前記中性エンドペプチターゼ(NEP)阻害剤は、典型的に、重要な中間体としてビフェニルアラニンのN−アシル誘導体、好ましくは(S)−2−アシルアミノ−3−ビフェニルプロパン酸などのビフェニルアラニンの鏡像異性的に純粋なN−アシル誘導体を使用することによって調製される。
例えば、US5,217,996は、中性エンドペプチターゼ(NEP)阻害剤として、例えば哺乳動物におけるANF−分解酵素の阻害剤として有用なビアリール置換4−アミノ−酪酸アミド誘導体を記載している。US5,217,996は、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルの調製を開示している。前記化合物の調製において、N−t−ブトキシカルボニル−(4R)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2−メチル−2−ブテン酸エチルエステルは、パラジウムチャコールの存在下で水素化される。
WO2009/090251は、化合物のN−t−ブトキシカルボニル−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−2−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩を調製するための反応経路であって、代替の水素化ステップが、US5,217,996で得られるものと比較して改善されたジアステレオ選択性をもたらす反応経路に関する。
典型的に、鏡像異性的に純粋な形態の上述のビフェニルアラニン誘導体を調製するための合成方法は、非天然のD−チロシンなどの高価な出発物質を使用する。さらに、前記方法は、フェノール性水酸基を活性化させて、望ましいビフェニル構造につながるアリールカップリング反応を行うために、やはり高価なトリフルオロメタンスルホン酸無水物の使用を必要とする。このような合成手法の1つの例は、J. Med. Chem. 1995、38、1689-1700に記載されている。以下のスキーム1は、これらの方法の1つを例示している。
2−アセチルアミノ−3−ビフェニルプロパン酸を調製するための別の方法は、Chemical and Pharmaceutical Bulletin 1976、24、3149-3157で報告されている。前記方法は、以下で概説しているステップi)およびii)を含む。
ステップi)

ステップii)
この方法の欠点は、アセチル基が第1のステップの反応条件下で除去されるので、アセチル基を再導入するために、さらなる化学ステップが必要になることである。したがって、このような望ましくないアセチル除去が、この方法を魅力のないものにしている。さらに、この方法は、例えばキラルアミンによる塩の形成による、または酵素分割による、ラセミ体のさらなる分割のない鏡像異性的に純粋な2−アシルアミノ−3−ビフェニルプロパン酸を得るための手段をもたらさない。
WO2010/081410は、式(I)の鏡像異性的に純粋なキラル化合物

を得るための方法であって、
式(III)の化合物

を、式(V)のキラルアミン

と反応させるステップ、および
得られた式(II)の化合物のジアステレオマー混合物

を、結晶化を介して分割するステップを含む方法を記載している。
しかし、鏡像異性体の1つの直接不斉合成と比較した、ラセミ体のいずれかのキラル分割の1つの主な不利点は、収率が、最大でも50%超に達することができないことである。望ましくない鏡像異性体のエピマー化および再分割は、場合によっては可能であるが、これには、一般的に、追加的な処理ステップが必要となるので、それにより追加的な負荷を生じさせる。
N−アシルビフェニルアラニンを調製するための代替の方法が、WO2011/035569に記載されており、以下のスキーム3に表される。
しかし、スキーム3で要約されたとおりの合成方法は、接触水素化ステップを含む。水素化の欠点は、必要とされる触媒が、ほとんど常にパラジウムまたは白金などの貴金属であることである。非立体選択的な水素化反応において、金属は、活性炭中に微粒子として埋め込まれている(1〜5%の金属ローディングは、通常の範囲である)。次いで、この材料は、水素化反応に使用される。多くの有機化合物は、活性炭に付着し得るので、多くの場合、触媒は、貴金属の広範な再生利用、単離および処理なしで水素化に再利用することはできない。加えて、所望の生成物は、上記の非立体選択的な合成の関連した不利点を伴う、これらの条件下でラセミ混合物として得られる。キラル金属触媒を使用しながら立体選択的水素化を達成するために、非対象配位子を使用して選択性を誘導することが必要である。しかし、通常使用される非対象配位子は、複雑な合成経路によってのみ得られることが多く、および/または非常にコストがかかり、そのため、著しく全体の反応コストの一因となる。結果として、大規模での非立体選択的および立体選択的な水素化反応の両方は、経済的観点から不都合である。
したがって、商業規模で使用でき、上述の先行技術の方法の欠点を回避する、ビフェニルアラニンのN−アシル誘導体およびNEP阻害剤として作用するビアリール置換4−アミノ−酪酸アミド誘導体の調製に有用な関連する中間体の、好ましくはビフェニルアラニンの鏡像異性的に純粋なN−アシル誘導体および関連する中間体の代替の合成の開発の必要がある。したがって、本発明の目的は、NEP阻害剤の調製で有用な3−ビフェニル−2−アミノプロパン−1−オールおよびそのN−アシル誘導体などの、ビフェニルアラニンのN−アシル誘導体およびその関連する中間体、好ましくは、ビフェニルアラニンの鏡像異性的に純粋なN−アシル誘導体および関連する中間体を調製するための、商業規模に適した新規な方法を提供することである。
本発明は、3−ビフェニル−2−アミノプロパン−1−オールおよびそのN−アシル誘導体などのビフェニルアラニンのN−アシル誘導体および関連する中間体、好ましくはビフェニルアラニンの鏡像異性的に純粋なN−アシル誘導体および関連する中間体を調製するための、キラルエピハロヒドリンを用いた簡素で低コストの方法を使用して鏡像異性的に純粋な3−ビフェニル−2−アミノ−プロパン−1−オール誘導体を調製することによって商業規模に適した、新規な方法に関する。
鏡像異性的に純粋な3−ビフェニル−2−アミノ−プロパン−1−オールおよびそのN−アシル誘導体は、ビアリール置換4−アミノ−酪酸アミド誘導体などのNEP阻害剤の合成において有用な中間体である。鏡像異性的に純粋な3−ビフェニル−2−アミノ−プロパン−1−オールおよびそのN−アシル誘導体は、酸化して、それぞれの酸、すなわちビフェニルアラニンのN−アシル誘導体になり得る、または既知の方法によってNEP阻害剤の合成で直接使用できる。
本明細書に定義した式(1)による化合物またはその塩、式(1−a)の化合物またはその塩、式(1−b)の化合物またはその塩を生成するための本発明による新規な方法は、スキーム4、スキーム5およびスキーム6にそれぞれ要約されている。本発明による方法は、式(1)による化合物またはその塩、式(1−a)の化合物またはその塩、式(1−b)の化合物またはその塩、好ましくは式(1−a)の化合物を調製するために、エピハロヒドリン、好ましくはキラルエピハロヒドリンの使用によって、特徴づけられる。
本発明の方法の利点は、反応ステップの数が少ないこと、鏡像異性的に純粋な化合物の調製、比較的低いコストおよびその商業規模での適用性である。
スキーム4は、式(4)の化合物が、本明細書に記載したとおり、式(1)の化合物またはその塩に変換される本発明の実施形態に関し、ここで、Xは、ハロゲンまたはアルコキシであり、R1およびR2は、本明細書で以下に定義したとおり、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基であり、R3は、本明細書で以下に記載したとおり、イミジル基またはアジド基である。
1つの実施形態において、スキーム5によれば、式(4−a)の化合物は、本明細書に記載したとおり、式(1−a)の化合物またはその塩に変換され、ここで、Xは、ハロゲンまたはアルコキシであり、R1およびR2は、本明細書で以下に定義したとおり、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基であり、R3は、本明細書で以下に記載したとおり、イミジル基またはアジド基である。
別法として、スキーム6で表したとおり、式(4−b)の化合物は、本明細書に記載したとおり、式(1−b)の化合物またはその塩に変換され、ここで、Xは、ハロゲンまたはアルコキシであり、R1およびR2は、本明細書で以下に定義したとおり、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基であり、R3は、本明細書で以下に記載したとおり、イミジル基またはアジド基である。
上で述べた反応スキームにおいて、エピハロヒドリンとしても知られている式(4)の化合物は、エピフルオロヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンまたはエピヨードヒドリンからなる群から選択することができ、好ましくは、エピハロヒドリンは、エピクロロヒドリンである。
本発明の好ましい実施形態において、前記エピハロヒドリンは、それぞれ、一般式(4−a)または(4−b)の(S)−または(R)−配置、好ましくは式(4−a)の(S)−配置を有するキラルエピハロヒドリンである。
好ましい実施形態において、本発明は、スキーム5に示したとおり、式(1−a)の化合物またはその塩を調製するための方法に関し、ここで、式(4−a)の出発化合物は、(S)−エピフルオロヒドリン、(S)−エピクロロヒドリン、(S)−エピブロモヒドリンおよび(S)−エピヨードヒドリンからなる群から選択される、(S)−エピハロヒドリンである。最も好ましい(S)−エピハロヒドリンは、(S)−エピクロロヒドリンである。
以下のセクションは、上のスキーム4、5および6で提示した個別のプロセスステップを記載している。
I.式(3)の化合物またはその塩の調製
このセクションは、本明細書で定義したとおり、式(3)の化合物またはその塩、好ましくは式(3−a)の化合物またはその塩の製造のための方法に関し、ここで、本明細書で定義したとおり、式(4)の、好ましくは式(4−a)の化合物は、ビフェニル化合物と反応し、式(3)の化合物またはその塩、好ましくは式(3−a)の化合物またはその塩をもたらす。
したがって、1つの態様において、本発明の主題は、式(3)の化合物またはその塩

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、式(3)の化合物は、式(3−a)の化合物

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルである)]
を調製するための方法であって、
式(4)の化合物

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、式(4)の化合物は、式(4−a)の化合物

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルである)]
と、ビフェニル化合物を反応させて、式(3)の化合物またはその塩、好ましくは式(3−a)の化合物またはその塩を得ることを含む方法である。
本発明の別の実施形態において、式(4)の配置の化合物は、本明細書に上で記載したとおり、式(4−b)の化合物であり、式(3)の配置の化合物は、本明細書に上で記載したとおり、式(3−b)の化合物である。
好ましい実施形態において、ビフェニル化合物は活性化される。活性化のための適した方法は、ビフェニル配位子を含む有機金属錯体の調製である。好ましい活性化ビフェニル化合物として、ビフェニルマグネシウムハロゲン化物またはジ(ビフェニル)マグネシウム(グリニャール試薬)が挙げられるが、これらだけには限らない。適したハロゲン化物は、一般に、塩化物、臭化物およびヨウ化物であり、ここで、臭化物が特に好ましい。
活性化ビフェニル化合物のさらなる例は、ビフェニルリチウム、ビフェニルクプラート(低次および高次クプラート)およびビフェニル亜鉛である。
本発明の1つの実施形態において、活性化ビフェニル化合物は、ビフェニルマグネシウムブロミドである。
好ましくは、反応は、ビフェニル化合物としてビフェニルマグネシウムブロミドを使用して行われる。
好ましくは、ビフェニルマグネシウムブロミドは、4−ブロモビフェニルおよび金属マグネシウム、好ましくは金属マグネシウム粉末から生成される。マグネシウムは、例えば反応混合物に少量のヨウ素またはジブロモエタンを添加することによって活性化されることを必要とし得る。
これらの化合物は、個々に、または別の金属、例えば銅、亜鉛、パラジウム、白金、鉄、イリジウムまたはルテニウムの存在下で、使用することができる。
好ましくは、反応は、銅(I)、すなわちクプラートの存在下で、例えば、反応混合物にヨウ化銅を添加することによって、行われる。
好ましくは、反応は、ビフェニル化合物としてビフェニルマグネシウムブロミドを使用し、銅(I)イオンの存在下で行われる。
一般に、式(4)の化合物の量に対して、0.1〜0.5モル当量のビフェニル化合物、好ましくはビフェニルマグネシウムハロゲン化物またはジ(ビフェニル)マグネシウムが、使用される。好ましくは、式(4)の化合物の量に対して、0.2〜0.4、より好ましくは0.25、0.3、0.35または0.4モル当量のビフェニル化合物、好ましくはビフェニルマグネシウムハロゲン化物またはジ(ビフェニル)マグネシウムが、使用される。
好ましい実施形態において、式(3)の化合物またはその塩、好ましくは式(3−a)の化合物またはその塩をもたらすための式(4)の、好ましくは式(4−a)の化合物の反応は、ビフェニル化合物から調製されるグリニャール試薬を使用する、位置選択的なエポキシド開環として説明することができる。反応は、Bioorg. Med. Chem. Lett. 2008、18、5238-5241に記載され、Heterocycles、1989、29、1825-1828に開示の反応に基づく、ベルギー国特許BE667341に開示の、グリニャール付加に類似している。
本発明のこのステップを行うための1つの好ましい実施形態は、以下のスキーム7に表される。
スキーム7に表したとおり、式(3−a)の化合物は、テトラヒドロフラン中で4−ブロモビフェニルおよび金属マグネシウムを反応させ、次いで、得られた4−ビフェニルマグネシウムブロミドを、Xがクロロまたはtert−ブトキシである式(4−a)の化合物と、触媒としてのハロゲン化銅(I)、好ましくはヨウ化銅の存在下で反応させることを含むグリニャール反応によって得られる。
II.式(2)の化合物またはその塩の調製
さらなる態様において、本発明は、本明細書で定義したとおり、式(2)の化合物またはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物またはその塩の製造のための方法に関し、ここで、本明細書で定義したとおり、式(3)の化合物またはその塩、好ましくは式(3−a)の化合物またはその塩は、窒素求核試薬と反応して、式(2)の化合物またはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物またはその塩をもたらす。
したがって、1つの態様において、本発明の主題は、式(2)の化合物またはその塩

を調製するための方法であって、
好ましくは、式(2)の化合物は、式(2−a)の化合物またはその塩

であり、
以下のステップを含む方法である:
(a)式(3)の化合物またはその塩を、光延条件下でイミドまたはアジドである窒素求核試薬と反応させるステップと;

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、式(3)の化合物は、式(3−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルである)];
(b)(i)得られた式(3−1)のイミド中間体化合物またはその塩を、加水分解またはヒドラジンを用いた処理によって変換して、式(2)の化合物またはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物またはその塩を得るステップ;

(式中、R3はイミドであり、
好ましくは、式(3−1)の化合物は、式(3−1−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、R3は、イミドである)、
あるいは
(ii)得られた式(3−1)の中間体アジド化合物またはその塩を還元して、式(2)の化合物またはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物またはその塩を得るステップ;

(式中、R3は、アジドであり、
好ましくは、式(3−1)の化合物は、式(3−1−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、R3は、アジドである)。
本発明の1つの実施形態において、式(3)の構造の化合物は、上で本明細書に記載したとおり、式(3−b)の化合物であり、式(3−1)の構造の化合物は、本明細書に記載したとおり、式(3−1−b)の化合物であり、式(2)の構造の化合物は、上で本明細書に記載したとおり、式(2−b)の化合物である。
光延反応は、1級または2級アルコールの求核試薬との立体特異的置換反応である。詳細には、この反応は、立体化学の完全なヴァルデン反転を用いた穏やかな条件下での酸化還元縮合である。光延反応は、リン(III)化合物およびアゾジカルボン酸ジアルキルの組合せによって仲介される。
適したリン(III)化合物は、ホスフィンまたはイリドである。本発明の方法に適したホスフィンとして、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ジフェニル(2−ピリジル)ホスフィン、(4−ジメチル−アミノフェニル)ジフェニルホスフィン、トリス−(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン、1,2−ジフェニルホスフィノエタンおよびジフェニル(p−フェロセニルフェニル)ホスフィンが挙げられるが、これらだけには限らない。本発明で使用するのに適したイリドとして、(シアノメチレン)トリブチルホスホラン(CMBP)および(シアノメチレン)トリメチルホスホラン(CMMP)が挙げられるが、これらだけには限らない。
本発明の好ましい実施形態において、リン(III)化合物は、ホスフィンである。1つの実施形態において、前記ホスフィンは、トリフェニルホスフィンまたはトリ−n−ブチルホスフィンから選択される。好ましくは、前記ホスフィンは、トリフェニルホスフィンである。
アゾジカルボン酸ジアルキルは、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)、アゾジカルボン酸ジ−tert−ブチル(DTBAD)、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)、4,7−ジメチル−3,5,7−ヘキサヒドロ−1,2,4,7−テトラゾシン−3,8−ジオン(DHTD)、アゾジカルボン酸ジ−p−クロロベンジル(DCAD)、N,N,N’,N’−テトラメチルアゾジカルボキサミド(TMAD)、N,N,N’,N’−テトライソプロピルアゾジカルボキサミド(TIPA)から選択することができるが、これらだけには限らない。
1つの実施形態において、アゾジカルボン酸ジアルキルは、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)から選択される。好ましくは、前記アゾジカルボン酸ジアルキルは、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)である。
窒素求核試薬は、pkaが<15、好ましくはpkaが<11のN−H基を含有する酸性化合物である。1つの実施形態において、窒素求核試薬は、イミドまたはアジドである。適したイミドは、任意に置換されたフタルイミド、任意に置換されたスクシンイミド、任意に置換されたナフタルイミドまたは任意に置換されたマレインイミドから選択されるが、これらだけには限らない。別法として、窒素求核試薬は、アジ化水素酸またはその代替源のいずれか、例えばトリメチルシリルアジド、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)もしくは亜鉛(II)アジド、アジ化ナトリウムもしくはニコチノイルアジドから選択されるアジドであるが、これらだけには限らない。
本発明の好ましい実施形態において、窒素求核試薬は、スクシンイミドである。
本発明の別の好ましい実施形態において、窒素求核試薬は、フタルイミドである。
光延反応の適した溶媒は、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、アセトニトリル、酢酸エチル、ジクロロメタンおよび1,4−ジオキサンから選択することができる。本発明の好ましい実施形態において、溶媒は、トルエンである。
光延反応は、典型的に、約0℃および約25℃の間の温度で実施される。
式(3−1)の中間体イミド化合物もしくはその塩、または式(3−1−a)の中間体イミド化合物もしくはその塩、または式(3−1−b)の中間体イミド化合物もしくはその塩は、加水分解、例えば水の存在下での酸の使用によって、式(2)の化合物もしくはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物もしくはその塩または式(2−b)の化合物もしくはその塩に変換され得る。適した酸は、例えば、塩酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、硫酸またはシュウ酸である。別法として、イミドの加水分解は、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウムまたは炭酸カリウムなどの塩基の使用によって行うことができる。好ましくは、前記無機酸は、塩酸および硫酸から選択され;前記無機塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選択される。
本発明の別の実施形態において、式(3−1)の中間体イミド化合物もしくはその塩、または式(3−1−a)の中間体イミド化合物もしくはその塩、または式(3−1−b)の中間体イミド化合物もしくはその塩は、ヒドラジンを用いた処理によって、式(2)の化合物もしくはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物もしくはその塩、または式(2−b)の化合物もしくはその塩に変換され得る。
式(3−1)の中間体アジド化合物もしくはその塩、または式(3−1−a)の中間体アジド化合物もしくはその塩、または式(3−1−b)の中間体アジド化合物もしくはその塩は、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、トリフェニルホスフィンおよびそれに続く加水分解、Hおよびパラジウムチャコール、塩化第一スズ、亜鉛および塩化アンモニウム、二ヨウ化サマリウムまたはジクロロインジウム水酸化物を用いた還元によって、式(2)の化合物もしくはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物もしくはその塩、または式(2−b)の化合物もしくはその塩に変換され得る。
本発明のこのステップを行うための1つの好ましい実施形態は、以下のスキーム8で表される。
スキーム8で表したように、第1のステップにおいて、Xがクロロまたはtert−ブトキシである式(3−a)の化合物(好ましくはスキーム7に提示した反応によって得られる)は、R3がスクシンイミジルまたはフタルイミジルである式(3−1−a)の化合物を生じさせるために、有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジアルキル化合物の存在下で、スクシンイミドおよびフタルイミドから選択される式R3−Hのイミド化合物と光延条件下で反応する。好ましくは、アゾジカルボン酸ジアルキル化合物は、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)である。好ましくは、有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびジクロロメタンから選択される。第2のステップにおいて、Xがクロロまたはtert−ブトキシであり、R3がスクシンイミジルまたはフタルイミジルである得られた式(3−1−a)の化合物は、無機酸または無機塩基の存在下で加水分解され、式(2−a)の化合物をもたらす。前記無機酸は、例えば、塩酸および硫酸から選択され;前記無機塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選択される。好ましくは、無機酸は塩酸であり、無機塩基は炭酸ナトリウムである。加水分解が塩基によって行われる場合、得られた生成物は、その後、式(2−a)の化合物の塩酸塩を得るために、塩酸で処理される。
III.式(1)の化合物またはその塩の調製
さらなる態様において、本発明は、本明細書で定義したとおり、式(1)の化合物またはその塩、好ましくは式(1−a)の化合物またはその塩の製造のための方法に関し、ここで、本明細書で定義したとおり、式(2)の化合物もしくはその塩、または式(2−a)の化合物もしくはその塩は、式(1)の化合物またはその塩、好ましくは式(1−a)の化合物またはその塩に変換され、ここで、R1およびR2は、互いに独立に、本明細書で以下に定義したとおり、水素または窒素保護基であり、ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である。
したがって、本発明の1つの態様において、式(2)の化合物またはその塩

(好ましくは、式(2)の化合物は、式(2−a)の化合物またはその塩である)

は、式(1)の化合物またはその塩

(式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基であり、好ましくは、式(1)の化合物は、式(1−a)の化合物

であり、
式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)
に変換され得る。
反応は、当技術分野で知られている有機化学の標準方法に従って行うことができ、詳細には、J. F. W. McOmie、「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、London and New York 1973、T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、Wiley、New York、2007ならびにRichard C. Larock、「Comprehensive Organic Transformations: A Guide to Functional Group Preparations」、第2版、Wiley-VCH Verlag GmbH、2000に記載されているとおり、窒素保護基を導入する従来の方法が参照される。
本発明の1つの実施形態において、式(2)の構造の化合物は、上で本明細書に記載したとおり、式(2−b)の化合物であり、式(1)の構造の化合物は、上で本明細書に記載したとおり、式(1−b)の化合物である。
その特定の実施形態において、式(2−a)の化合物の塩酸塩

は、二炭酸ジ−tert−ブチルとの反応によって、式(1−a)の化合物またはその塩

(式中、R1は、水素であり、R2は、tert−ブトキシカルボニル、すなわち以下の式(1−a)の(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート

である)
に、変換される。
上の方法の特定の実施形態において、式(2−a)の化合物の塩酸塩

は、塩酸による加水分解によって、式(3−1−a)の化合物

(式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシであり、R3は、スクシンイミジルまたはフタルイミジルである)
から得られる。
本発明のこのステップを行うための1つの好ましい実施形態は、以下のスキーム9で表される。
スキーム9で表されるとおり、式(2−a)の化合物(好ましくは、スキーム8で表されたとおりの反応によって得られる)は、二炭酸ジ−tert−ブチルとさらに反応して、式(1−a)の化合物、すなわち(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートをもたらす。
IV.式(1−a)の化合物の調製の完全な順序
1つの実施形態において、式(1−a)の化合物、すなわち(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートは、以下のスキーム10

(式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシであり、R3は、スクシンイミジルまたはフタルイミジルである)
で表されるとおりの反応順序によって得られる。
スキーム10で表されたとおり、最初の2つのステップの反応順序において、式(3−a)の化合物は、テトラヒドロフラン中での4−ブロモビフェニルおよび金属マグネシウムの反応、次いで、得られた4−ビフェニルマグネシウムブロミドを、Xがクロロまたはtert−ブトキシである式(4−a)の化合物と、触媒として、ハロゲン化銅(I)、好ましくはヨウ化銅の存在下で反応させることを含むグリニャール反応によって得られる。次いで、Xがクロロまたはtert−ブトキシである得られた式(3−a)の化合物は、有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジアルキル化合物の存在下で、スクシンイミドおよびフタルイミドから選択される式R3−Hのイミド化合物と光延条件下で反応し、R3がスクシンイミジルまたはフタルイミジルである式(3−1−a)の化合物を生じさせる。好ましくは、アゾジカルボン酸ジアルキル化合物は、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)である。好ましくは、有機溶媒は、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびジクロロメタンから選択される。次いで、Xがクロロまたはtert−ブトキシであり、R3がスクシンイミジルまたはフタルイミジルである得られた式(3−1−a)の化合物は、無機酸または無機塩基の存在下で、加水分解される。前記無機酸は、例えば、塩酸および硫酸から選択され;前記無機塩基は、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムから選択される。好ましくは、無機酸は塩酸であり、無機塩基は炭酸ナトリウムである。加水分解が、塩基によって行われる場合、得られた生成物は、その後、式(2−a)の化合物の塩酸塩を得るために、塩酸で処理される。最終的に、式(2−a)の化合物は、二炭酸ジ−tert−ブチルとの縮合反応においてさらに反応し、式(1−a)の化合物、すなわち式(1−a)の(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートをもたらす。
V.さらなる実施形態
別の実施形態において、本発明は、スキーム4、スキーム5またはスキーム6に記載した完全な反応順序、好ましくはスキーム5に記載した完全な反応順序に関する。
別の実施形態において、本発明は、詳細には、式(3)の化合物またはその塩の調製において記載したとおりの反応ステップに関する。
別の実施形態において、本発明は、詳細には、式(2)の化合物またはその塩の調製において記載したとおりの反応ステップに関する。
別の実施形態において、本発明は、詳細には、式(1)の化合物またはその塩の調製において記載したとおりの反応ステップに関する。
別の実施形態において、本発明は、詳細には、式(3)の化合物またはその塩の調製、さらに式(2)の化合物またはその塩の調製において記載したとおりの反応ステップに関する。
別の実施形態において、本発明は、詳細には、式(2)の化合物またはその塩の調製、さらに式(1)の化合物またはその塩の調製において記載したとおりの反応ステップに関する。
さらに別の実施形態において、本発明は、式(3)の、式(3−1)の、式(2)の中間体生成物、および式(1)の最終生成物に関する。
好ましい実施形態において、本発明は、実質的に光学的に純粋な形態の式(3−a)の化合物もしくはその塩

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルである)]
または
実質的に光学的に純粋な形態の式(3−b)の化合物もしくはその塩

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルである)]
に関する。
別の好ましい実施形態において、本発明は、実質的に光学的に純粋な形態の式(3−1−a)の化合物もしくはその塩

(式中、R3は、イミドまたはアジド、好ましくはスクシンイミドまたはフタルイミドである)、
または実質的に光学的に純粋な形態の式(3−1−b)の化合物もしくはその塩

(式中、R3は、イミドまたはアジド、好ましくはスクシンイミドまたはフタルイミドである)
に関する。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明は、実質的に光学的に純粋な形態の式(2−a)の化合物もしくはその塩

または実質的に光学的に純粋な形態の式(2−b)の化合物もしくはその塩

に関する。
さらに別の好ましい実施形態において、本発明は、実質的に光学的に純粋な形態の式(1−a)の化合物もしくはその塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]、
または
実質的に光学的に純粋な形態の式(1−b)の化合物もしくはその塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]
に関する。
1つの実施形態において、本発明は、以下の式(1−a)の(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート

に関する。
V.NEP阻害剤を生成するための式(1)の化合物の後続の反応
本発明の別の実施形態において、本発明の方法の生成物は、NEP阻害剤またはその塩もしくはプロドラッグの合成で使用することができ、詳細にはγ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸または酸エステルの主鎖を含むNEP阻害剤の合成で使用することができる。γ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸または酸エステルの主鎖を含む、NEP阻害剤またはそのプロドラッグとして、例えば、NEP阻害剤プロドラッグであるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルおよび対応するNEP阻害剤であるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸が挙げられる。
用語「NEP阻害剤」は、酵素である中性エンドペプチターゼ(NEP、EC 3.4.24.11)の活性を阻害する化合物を表している。
式(1)の化合物またはその塩、好ましくは式(1−a)の化合物またはその塩は、上で本明細書に記載したとおり、例えばWO2008/138561に記載されているとおり、酸化されて、対応するアルデヒドになることができ、次いで、さらに反応して、NEP阻害剤またはその塩もしくはプロドラッグ、詳細には、J. Med. Chem. 1995、38、1689-1700でKsanderらによって記載されているとおり、またはWO2008/31567に記載されているとおり、NEP阻害剤プロドラッグであるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルまたは対応するNEP阻害剤であるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸になることができる。
本発明の好ましい実施形態において、式(1−a)による化合物またはその塩は、さらに反応して、NEP阻害剤プロドラッグであるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステル(AHU377として当技術分野で知られている)またはその塩をもたらす。
NEP阻害剤プロドラッグであるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルは、任意に、さらに反応して、NEP阻害剤であるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸をもたらす。
対応するアルデヒドへの酸化のための、例えばWO2008/138561またはWO2008/31567に記載されているとおりの手順に従って、tert−ブトキシカルボニル基を窒素保護基として有する式(1−a)の化合物から出発して、J. Med. Chem. 1995、38、1689-1700でKsanderらによって記載されたとおり、またはWO2008/31567に表されているとおり、アルデヒドのさらなる反応によって、NEP阻害剤プロドラッグであるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルおよびNEP阻害剤であるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸を得るための全反応順序は、以下のスキーム11および12にそれぞれ要約されている。
一般に、式(1)の化合物、またはさらに具体的には式(1−a)の化合物は、TEMPO媒介酸化(WO2008/031567)を用いて、またはデス・マーチン・ペルヨージナン(例えばWO2008/136561を参照)による酸化などの代替の反応条件を用いて、酸化されて対応するアルデヒドになる。アルデヒドは、次いで、カルベトキシエチリデン−トリフェニルホスホランを用いるウィッティヒ反応にかけられ、(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチルペンタ−2−エン酸エチルエステルを生じさせる。エステル(スキーム11)または(エステルの鹸化後)対応する遊離酸である(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチルペンタ−2−エン酸(スキーム12)は、次いで、好ましくは高い選択性を有する好ましいジアステレオ異性体を生成しながら、触媒の存在下で水素化される。窒素官能基の脱保護、すなわちBoc基の除去(必要であれば)、エチルエステル基の再導入およびそれに続く無水コハク酸とのカップリングは、所望のNEP阻害剤プロドラッグ化合物を生じさせる。任意に、エステルは、鹸化して、NEP阻害剤薬剤化合物をもたらす遊離酸になり得る。
TEMPO酸化は、例えば、G. Tojo GおよびM. I. Fernandez 「Oxidation of Primary Alcohols to Carboxylic Acids. A guide to current common practice」、2007、第6章「TEMPO mediated oxidations」、ならびにJanssenら「Towards greener solvents for the bleach oxidation of alcohols catalysed by stable N-oxy radicals」 Green Chem. 2011、13、905-912に記載されているとおり、当技術分野で知られている手順に従って、行われる。
1モル当量のアルコールである(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートおよび0.5〜3、好ましくは1〜2、より好ましくは約1、1.25、1.5、1.9または2モル当量のNaBrおよび0.5〜3、好ましくは1〜2、より好ましくは1.0、1.25または1.5、詳細には1.5当量のNaHCOならびに二相緩衝溶媒系(例えばモル比が約2:1または約3:1V/Vの比の、水および酢酸イソプロピルの混合物)が、一緒に添加され、激しく混合されて、溶解するまで撹拌される。混合物は、0〜5℃に冷却された後、約0.002〜0.1、好ましくは0.01〜0.05、より好ましくは約0.02当量のTEMPO触媒、および1〜8、好ましくは1〜5、より好ましくは約1〜2、最も好ましくは約1.0、1.25、または1.5、詳細には1.45当量の酸化剤であるNaClOの、好ましくは2〜20%w/wの(活性塩素の)溶液の形態で、より好ましくは4〜15%w/wの(活性塩素の)溶液の形態で、最も好ましくは8〜12%w/wの(活性塩素の)溶液の形態で添加する。混合物は、すべての出発アルコールを使い切るまで、0〜5℃で温度を維持しながら撹拌される。次いで、反応混合物は、温度を20〜25℃に温めながら、チオ硫酸ナトリウムの水溶液の添加によってクエンチされる。相は、分離され、アルデヒドである(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−オキソプロパン−2−イル)カルバメートを含む回収した有機相は、それに続くウィッティヒ反応で直接使用される。任意に、有機層は、NaHCO水溶液および/またはNaCl水溶液で洗浄することによって、後処理することができる。
したがって、別の実施形態において、本発明は、式(5)の化合物またはその塩

(式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基であり、
好ましくは、式(5)の化合物は、式(5−a)の化合物

であり、
より好ましくは、式(5−a)の化合物は、式(5−a)の化合物

である)
を調製するための方法であって、式(1)の化合物またはその塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]、
好ましくは式(1−a)の化合物または塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]、
より好ましくは、式(1−a)の化合物(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート

を、TEMPO媒介酸化反応において酸化することによって、式(5)の化合物またはその塩、好ましくは式(5−a)の化合物またはその塩、より好ましくは式(5−a)の化合物を得る方法に関する。
1つの実施形態において、式(5)の化合物を生じさせるこのステップは、本明細書に記載した方法の後で行われ、それによって式(1)の化合物が生成される。
その好ましい実施形態において、TEMPO媒介酸化は、二相緩衝溶媒系中で、NaBr、NaHCO、NaClOおよび触媒量のTEMPO触媒の存在下で行われる。好ましくは、二層溶媒系は、好ましくはモル比が約2:1または約3:1V/Vの比で、水および酢酸イソプロピルを含む。好ましくは、試薬は、まずNaBrおよびNaHCO、次に触媒量のTEMPO触媒、最後にNaClO溶液を添加することによって、段階的に添加される。
1つの実施形態において、試薬のモル比は以下のとおりである:
・1当量の、式(1)、式(1−a)または式(1−a)の化合物、
・0.5〜3、好ましくは1〜2、より好ましくは約1、1.25、1.5、1.9または2モル当量のNaBr、
・0.5〜3、好ましくは1〜2、より好ましくは1.0、1.25または1.5当量のNaHCO
・0.002〜0.1、好ましくは0.01〜0.05、より好ましくは約0.02当量のTEMPO触媒、および
・好ましくは2〜20%w/wの(活性塩素の)溶液の形態、より好ましくは4〜15%w/wの(活性塩素の)溶液の形態、最も好ましくは8〜12%w/wの(活性塩素の)溶液の形態、詳細には12%w/wの(活性塩素の)溶液の形態の、1〜8、好ましくは1〜5、より好ましくは約1〜2、最も好ましくは約1.0、1.25または1.5、詳細には1.45当量の酸化剤であるNaClO。
一般用語:
上および以下で使用される一般的な定義は、異なる定義がない限り、以下の意味を有する。
用語「窒素保護基」は、窒素官能基、好ましくはアミンおよび/またはアミド官能基を可逆的に保護することができるいずれかの基を含む。好ましくは、窒素保護基は、アミン保護基および/またはアミド保護基である。適した窒素保護基は、例えばペプチド化学において慣例的に使用され、例えばJ. F. W. McOmie、「Protective Groups in Organic Chemistry」、Plenum Press、London and New York 1973、P. G. M. WutsおよびT. W. Greene、「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis」、第4版、Wiley、New Jersey、2007、および「The Peptides」;第3巻(編集者: E. GrossおよびJ. Meienhofer)、Academic Press、London and New York 1981、および「Methoden der organischen Chemie」(Methods of Organic Chemistry)、Houben Weyl、第4版、第15巻/I、Georg Thieme Verlag、Stuttgart 1974などの、標準参考文献の関連する章に記載されている。
好ましい窒素保護基は、一般に以下を含む:非置換または置換のC〜C−アルキル(好ましくはC〜C−アルキル、より好ましくはC〜C−アルキル、最も好ましくはC−アルキル)、非置換または置換のC2〜4−アルケニル(ここで、C〜C−アルキルおよびC2〜4−アルケニルは、任意に、トリアルキルシリル−C〜C−アルコキシ(例えばトリメチルシリルエトキシ)、シクロアルキル、アリール(好ましくはフェニル)、または複素環基(好ましくはピロリジニル)によって一置換、二置換または三置換されており、ここで、シクロアルキル基、アリール環または複素環基は、非置換である、または例えばC〜C−アルキル、ヒドロキシ、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルカノイル−オキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノおよびCFからなる群から選択される1つ以上、例えば2つまたは3つの残基によって置換されている);アリール−C〜C−アルコキシカルボニル(好ましくはフェニル−C〜C−アルコキシカルボニル、例えばベンジルオキシカルボニル);C1〜10−アルケニルオキシカルボニル;C1〜6−アルキルカルボニル(例えばアセチルまたはピバロイル);C6〜10−アリールカルボニル;C1〜6−アルコキシカルボニル(例えばtert−ブトキシカルボニル);C6〜10−アリール−C1〜6−アルコキシカルボニル;アリルまたはシンナミル;スルホニルまたはスルフェニル;スクシンイミジル基、シリル、例えばトリアリールシリルまたはトリアルキルシリル(例えばトリエチルシリル)。
好ましい窒素保護基の例は、アセチル、ベンジル、クミル、ベンズヒドリル、トリチル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、ベンジルオキシメチル(BOM)、ピバロイル−オキシ−メチル(POM)、トリクロロエトキシカルボニル(Troc)、1−アダマンチルオキシカルボニル(Adoc)、アリル、アリルオキシカルボニル、トリメチルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル(TBDMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、tert−ブチル、1−メチル−1,1−ジメチルベンジル、(フェニル)メチルベンゼン、ピリジニルおよびピバロイルである。最も好ましい窒素保護基は、アセチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、トリエチルシリル(TES)、トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、ピロリジニルメチルおよびピバロイルである。
より好ましい窒素保護基の例は、tert−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンゾイル、スチリル、1−ブテニル、ベンジル、p−メトキシベンジル(PMB)およびピロリジニルメチルである。
本明細書で使用されるシリルは、R11、R12およびR13が、互いに独立に、アルキルまたはアリールである式−SiR11R12R13による基を指す。R11、R12およびR13の好ましい例は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、フェニルまたはフェニル−C1〜4−アルキルである。
アルキルは、直鎖または分枝(1回または、所望であり可能であれば、それ以上)の炭素鎖としてラジカルまたはラジカルの一部として定義され、特にC〜C−アルキル、好ましくはC〜C−アルキルである。
用語「C〜C−」は、最大7個以下の、特に最大4個以下の炭素原子を有する部分を定義し、前記部分は、分枝(1回以上)または直鎖であり、末端または非末端の炭素を介して結合している。
シクロアルキルは、例えば、C〜C−シクロアルキルであり、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルである。シクロペンチルおよびシクロヘキシルが、好ましい。
アルコキシは、例えば、C〜C−アルコキシであり、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n−ブチルオキシ、イソブチルオキシ、sec−ブチルオキシ、tert−ブチルオキシであり、対応するペンチルオキシ、ヘキシルオキシおよびヘプチルオキシラジカルも含む。C〜C−アルコキシが、好ましい。
アルカノイルは、例えば、C〜C−アルカノイルであり、例えば、アセチル[−C(=O)Me]、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルまたはピバロイルである。C〜C−アルカノイルは、特にアセチルが好ましい。
ハロまたはハロゲンは、好ましくはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、最も好ましくはクロロ、ブロモまたはヨードである。
ハロ−アルキルは、例えば、ハロ−C〜C−アルキルであり、詳細にはハロ−C〜C−アルキル、例えばトリフルオロメチル、1,1,2−トリフルオロ−2−クロロエチルまたはクロロメチルである。好ましいハロ−C〜C−アルキルは、トリフルオロメチルである。
アルケニルは、二重結合を含有し、好ましくは2〜12個の炭素原子を含む直鎖または分枝のアルキルとすることができ、2〜10個の炭素原子が特に好ましい。とりわけ好ましいのは、直鎖のC2〜4−アルケニルである。アルキル基のいくつかの例は、エチル、ならびにプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタシルおよびエイコシルの、そのそれぞれが二重結合を含有する、異性体である。特に好ましいのは、アリルである。
アルキレンは、C1〜7−アルキル由来の二価のラジカルであり、特にC〜C−アルキレンまたはC〜C−アルキレンであり、任意に、1個以上、例えば最大3個の酸素、NR14または硫黄(ここで、R14は、アルキルであり、そのそれぞれは、非置換であってもよい、または例えば、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルまたはC〜C−アルコキシから独立に選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい)が挿入され得る。
アルケニレンは、C2〜7−アルケニル由来の二価のラジカルであり、1個以上、例えば最大3個の酸素、NR14または硫黄(ここで、R14は、アルキルであり、非置換である、またはアルキレンに対して上述の置換基から好ましくは独立に選択される、1つ以上、例えば最大3つの置換基で置換されている)が挿入され得る。
ラジカルまたはラジカルの一部であるアリールは、例えば、C6〜10−アリールであり、好ましくは、単環式または多環式の、特に単環式、二環式または三環式の、6〜10個の炭素原子を有するアリール部分、好ましくはフェニルであり、非置換であってもよい、または例えば、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキルまたはC〜C−アルコキシから独立に選択される1つ以上の置換基によって、置換されていてもよい。
用語、アリールアルキルは、アリール−C〜C−アルキルを指し、ここで、アリールは、本明細書で定義したとおりであり、例えばベンジルである。
用語、カルボキシルは、−COHを指す。
アリールオキシは、アリール−O−を指し、ここで、アリールは、上で定義したとおりである。
非置換または置換のヘテロシクリルは、好ましくは3〜14個(より好ましくは5〜14個)の環原子、および窒素、酸素、硫黄、S(=O)−またはS−(=O)から独立に選択される1個以上の、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を有する、単環式または多環式の、好ましくは単環式、二環式または三環式の、最も好ましくは単環式の、不飽和、部分飽和、飽和または芳香環系であり、非置換である、または好ましくはハロ、C〜C−アルキル、ハロ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロ−C〜C−アルコキシ、例えば、トリフルオロメトキシおよびC〜C−アルコキシ−C〜C−アルコキシからなる群から独立に選択される、1つ以上の、例えば最大3つの置換基によって置換されている。ヘテロシクリルが芳香環系である場合、ヘテロアリールとも称される。
アセチルは、−C(=O)C〜C−アルキルであり、好ましくは−C(=O)Meである。
スルホニルは、メチルスルホニルなどの(非置換または置換の)C〜C−アルキルスルホニル、フェニルメタンスルホニルなどの(非置換または置換の)フェニル−もしくはナフチル−C〜C−アルキルスルホニル、または(非置換または置換の)フェニル−もしくはナフチル−スルホニルであり;ここで、1つ以上の置換基、例えば1〜3つの置換基が存在する場合、置換基は、シアノ、ハロ、ハロ−C〜C−アルキル、ハロ−C〜C−アルキルオキシ−およびC〜C−アルキルオキシから独立に選択される。特に好ましいのは、メチルスルホニルなどのC〜C−アルキルスルホニルであり、フェニルメタンスルホニルなどの(フェニル−またはナフチル)−C〜C−アルキルスルホニルである。
スルフェニルは、(非置換または置換の)C6〜10−アリール−C〜C−アルキルスルフェニルまたは(非置換または置換の)C6〜10−アリールスルフェニルであり、ここで、1つ以上の置換基、例えば1〜4つの置換基が存在する場合、置換基は、ニトロ、ハロ、ハロ−C〜C−アルキルおよびC〜C−アルキルオキシから独立に選択される。
イミドは、窒素に結合した2つのアシル基、好ましくはジカルボン酸由来の環状基からなる(非置換または置換の)官能基を指す。特に好ましいのは、コハク酸由来のスクシンイミジル、またはフタル酸由来のフタルイミジルである。イミジル基は、例えばC〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ−C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシまたはハロから独立に選択される1つ以上の置換基によって置換されていてもよい。
アジドは、−N=N=Nの基を指す。
用語「キラル」は、その鏡像パートナーと重なり合わない特性を有する分子を指し、一方、用語「アキラル」は、その鏡像パートナーと重なり合う可能性のある分子を指す。
本出願の式において、用語、C−sp上の

は、共有結合を表し、ここで、結合の立体化学は、定義しない。このことは、用語、C−sp上の

が、それぞれのキラル中心の(S)配置ならびに(R)配置を含むことを意味する。さらに、混合物、例えばラセミ体などの鏡像異性体の混合物も、本発明によって包含される。
本出願の式において、用語、C−sp上の

は、共有結合を表し、ここで、結合の立体化学または幾何学的配置は定義しない。このことは、用語、C−sp上の

が、それぞれの二重結合の(Z)配置ならびに(E)配置を含むことを意味する。さらに、混合物、例えば二重結合の異性体の混合物も、本発明によって包含される。
本発明の化合物は、1つ以上の不斉中心を有することができる。好ましい絶対配置は、本明細書で具体的に示されているとおりである。
本出願の式において、用語、C−sp上の

は、絶対立体化学の(R)または(S)を指す。
本出願の式において、用語、C−sp上の

は、絶対立体化学の(R)または(S)を指す。
本出願の式において、用語、

は、C−sp−C−sp結合またはC−sp−C−sp結合を指す。
用語「実質的に光学的に純粋な」化合物は、本明細書で定義したとおり、本発明による方法によって得られる化合物を指し、ここで、化合物は、少なくとも70%(ee=鏡像体過剰率)、より好ましくは少なくとも90%(e.e.)、最も好ましくは少なくとも95%(ee)以上、例えば、100%(ee)の光学純度を有する。
塩は、当業者が直ちに理解するであろう化学的理由によって排除される場合を除いて、特に、薬学的に許容される塩または一般に本明細書で言及されるいずれかの中間体の塩である。塩は、例えば水溶液で4〜10のpHの範囲で少なくとも部分的に解離形態で存在できる、または特に固形、特に結晶の形態で、単離することができる、塩基性基または酸性基などの塩形成基が存在する場合に、形成され得る。
このような塩は、例えば、塩基性窒素原子(例えばイミノまたはアミノ)を有する本明細書で言及した化合物またはその中間体のいずれかから、好ましくは有機酸または無機酸と共に、酸付加塩として、特に薬学的に許容される塩として、形成される。適した無機酸は、例えば、塩酸、硫酸またはリン酸などのハロゲン酸である。適した有機酸は、例えば、カルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸またはスルファミン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、グルタミン酸またはアスパラギン酸などのアミノ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、メチルマレイン酸、安息香酸、メタン−またはエタン−スルホン酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、ベンゼン−スルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、1,5−ナフタレン−ジスルホン酸、N−シクロヘキシルスルファミン酸、N−メチル−、N−エチル−もしくはN−プロピル−スルファミン酸、またはアスコルビン酸などのその他の有機プロトン酸である。
カルボキシまたはスルホなどの負に帯電したラジカルの存在下で、塩は、塩基、例えば金属塩またはアンモニウム塩、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウムもしくはカルシウムの塩など、またはアンモニアまたは三級モノアミン、例えばトリエチルアミンまたはトリ(2−ヒドロキシエチル)アミンなどの適した有機アミンを含むアンモニウム塩、または複素環塩基、例えばN−エチル−ピペリジンもしくはN,N’−ジメチル−ピペラジンによっても形成され得る。
塩基性基および酸性基が、同じ分子において存在する場合、本明細書で言及した中間体のいずれかが、分子内塩を形成することもできる。
本明細書で言及した中間体のいずれかの単離または精製の目的のために、薬学的に許容できない塩、例えばピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。
例えば、化合物またはその塩の精製または同定において中間体として使用できるこれらの塩を含めた、遊離形態およびそれらの塩の形態での化合物および中間体の間の近い関係性を考慮して、これまでおよび今後、「化合物」、「出発物質」および「中間体」のいずれかへの言及は、1つ以上のその塩または対応する遊離化合物、中間体または出発物質および1つ以上のその塩の混合物も指すと理解されるべきであり、そのそれぞれは、必要に応じて、好都合に、および明確な指示がない場合、いずれかの溶媒和物またはそれらのいずれかの1つ以上の塩も含むことを意図する。異なる結晶形態が得られることもあり、その場合これらも含まれる。
化合物、出発物質、中間体、塩、医薬品、疾病、疾患などに複数形が使用される場合、このことは、1つ(好ましい)以上の、単数の化合物、塩、医薬品、疾病、疾患などを意味することを意図し、単数形または不定冠詞(「a」、「an」)が使用される場合、これは、複数を除外することを意図するのではなく、単に「1つ」が好ましいという意味である。
本明細書で使用される用語「プロドラッグ」は、詳細には、例えばT. HiguchiおよびV. Stella、ACS Symposium Seriesの「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻; Edward B. Roche編、「Bioreversible Carriers in Drug Design」、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987; H Bundgaard編、「Design of Prodrugs」、Elsevier、1985; Judkinsら、Synthetic Communications 1996、26、4351-4367、ならびに「The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action」、第2版、R. B. Silverman (特に第8章、497-557頁)、Elsevier Academic Press、2004に記載されているとおりの、例えば、血液中の加水分解によって、親化合物にインビボで変換される化合物を表す。
プロドラッグは、そのため、その可逆性誘導体に変換されている官能基を有する薬剤を含む。典型的に、このようなプロドラッグは、加水分解によって活性薬剤に変換される。例として、以下を挙げることができる:
官能基 可逆性誘導体
カルボン酸 例えばアルキルエステルを含めたエステル
アルコール 例えば硫酸エステルおよびリン酸エステルならびにカルボン酸エステルを含めたエステル
アミン アミド、カルバメート、イミン、エナミン
カルボニル(アルデヒド、ケトン) イミン、オキシム、アセタール/ケタール、エノールエステル、オキサゾリジンおよびチアゾオキソリジン(thiazoxolidines)
プロドラッグは、酸化反応または還元反応によって活性薬剤に変換できる化合物も含む。例として、以下を挙げることができる:
酸化的活性化
・N−およびO−脱アルキル化
・酸化的脱アミノ反応
・N−酸化
・エポキシ化
還元活性化
・アゾ還元
・スルホキシド還元
・ジスルフィド還元
・生体還元性アルキル化
・ニトロ還元
上記の反応および/または反応ステップのそれぞれは、γ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸または酸エステルの、例えばアルキルエステルの主鎖を含むNEP阻害剤またはそのプロドラッグなど、NEP阻害剤またはそのプロドラッグを調製するための方法において、個々にまたは組み合わせて使用できる。詳細には、NEP阻害剤は、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸もしくはその塩またはそれらのプロドラッグである。
以下の実施例は、その範囲を限定することなく、本発明を例示する役割を果たすが、その一方で、これらは、本発明の反応ステップ、中間体および/または方法の好ましい実施形態を表す。
略称
δ 化学シフト
μl マイクロリットル
Ac アセチル
Bn ベンジル
Boc tert−ブトキシカルボニル
BOCO 炭酸ジ−tert−ブチル
Cbz カルバミン酸ベンジル
Cbz−Cl クロロギ酸ベンジル
DCM ジクロロメタン/メチレンクロリド
de ジアステレオマー過剰率
DMAP 4−(ジメチルアミノ)ピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMPU 1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン
DMSO ジメチルスルホキシド
ee 鏡像体過剰率
ES エレクトロスプレー
ESI エレクトロスプレーイオン化
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
h 時間
HNMR プロトン核磁気共鳴
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
i−Pr イソプロピル
iPrOAc 酢酸イソプロピル
IR 赤外線
KHMDS カリウムビス(トリメチルシリル)アミド
L リットル
LC−MS 液体クロマトグラフィー質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
M モル濃度
m/e 質量電荷比
Me メチル
mg ミリグラム
min 分
mL ミリリットル
mmol(s) ミリモル
mol(s) モル
MS 質量分析
NaHMDS ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド
nm ナノメートル
NMR 核磁気共鳴
Pd/C パラジウム炭素
Ph フェニル
Piv ピバロイル
Piv−Cl 塩化ピバロイル
ppm 百万分率
psi ポンド毎平方インチ
RT 室温
SEM 2−(トリメチルシリル)エトキシメチル
SEM−Cl (2−クロロメトキシエチル)−トリメチルシラン
TEMPO (2,2,6,6−テトラメチル−ピペリジン−1−イル)
オキシダニル
TES トリエチルシリル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMEDA N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン
保持時間
Ts トシル
TsO トシレート
NMRデータの引用において、以下の略称が使用される:s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;quint.、五重線;m、多重線。
実施例1:
以下の実施例は、以下の一般的な反応による一般式(3)

(式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロまたは−O−R5であり、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルであり、ここで、式(4)の化合物は、ビフェニル化合物、好ましくは活性化ビフェニル化合物と反応する)
に該当する化合物の合成を説明している。
実施例1A:(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−オール
実施例1A−1:(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−オール(実験室規模)
THF88g中のマグネシウム粉末4.94gを、500mlの四つ口フラスコに添加して、撹拌した。平行して、4−ブロモビフェニル46.6gのTHF88g中溶液を調製した。反応系を、真空下およびN雰囲気下で、35〜45℃に加熱した。マグネシウム/THF混合物に、少量のヨウ素およびTHF中の4−ブロモビフェニルの溶液25mlを、撹拌しながら添加した。次いで、THF中の4−ブロモビフェニル溶液の残りを、温度を保持しながら35〜45℃で添加した。混合物を冷却した後、ヨウ化銅3.81gを添加して、混合物を、さらに冷却した。次いで、(S)−エピクロロヒドリン22.2gのTHF30g中溶液を、温度を保持しながら−15〜−20℃で添加した。次いで、混合物を、4Mの塩酸120.4gに滴下し、撹拌した。次いで、混合物を放置して相に分離させた。有機相を収集し、水相をTHFで抽出した。合わせた有機相を、NaClの飽和溶液で洗浄し、減圧下で、約35〜40℃の内部温度で濃縮した。濾過によって固体を単離し、濾過ケークを精製水で洗浄し、真空下で約55〜60℃で乾燥させて、45.4gの表題化合物を得た。
[α] 25+9.334.(c=0.01g/ml、CHCl
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 2.26 (dd, J = 5.2, 0.8 Hz, 1 H, OH), 2.97 (d, J = 6.6 Hz, 2 H, CH2), 3.57 (dd, J= 11.2, 6.4 Hz, 1 H, CH2), 3.69 (dd, J = 10.8, 4.0 Hz, 1 H, CH2), 4.11-4.15 (m, 1 H, CH), 7.33-7.45 (m, 3 H, Ar-H), 7.47 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H), 7.57-7.62 (m, 4 H, Ar-H).
実施例1A−1と同様の反応を、ヨウ化銅3.81gの代わりに、臭化銅3.81gおよび塩化銅3.81gを使用して行い、それぞれ47.6gおよび47.0gの表題化合物を生じさせた。
実施例1A−2:(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−オール(工業規模)
マグネシウム粉末5.3kgのTHF95kg中混合物を、約45〜50℃に加熱した。平行して、4−ブロモビフェニル50kgのTHF95kg中溶液を調製した。マグネシウム/THF混合物に、ヨウ素0.2kgおよび4−ブロモビフェニル約10%の溶液を添加した。約45〜50℃で、4−ブロモビフェニルの溶液の残りを、約2〜2.5hかけてゆっくり添加した。この温度でさらに2.5〜3h後、混合物を、約0〜5℃に冷却した。次いで、ヨウ化銅4kgを添加し、混合物を、約−15〜−20℃に冷却した。30分後、(S)−エピクロロヒドリン56kgのTHF100kg中溶液を、約−15〜−20℃で添加した。温度を、約4h保持した。次いで、混合物を、HO310kg中の36%の塩酸32.6kgに、約10℃で滴下した。次いで、約10℃で30分後、混合物を約20〜25℃に温め、相を分離する。混合物に粘り気が出るまで、有機相を、減圧下で、内部温度約35〜40℃で濃縮した。次いで、さらなるHO210kgを添加し、さらなる蒸留液が出なくなるまで、有機層の濃縮を続けた。得られた懸濁液を、約10〜15℃に冷却し、1h撹拌した。濾過によって固体を単離し、濾過ケークを2×100kgのHOで2回洗浄し、真空下で約50〜60℃で乾燥させて、48.7kgの(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−オールを得た(HPLCによる純度90〜95%、99%ee)。
融点:136〜137℃。
MS(ESI、m/e)246.73。
[α] 25+9.334(c=0.01g/ml、CHCl
1H-NMR (600 MHz, CDCl3) δ 2.26 (dd, J = 5.2, 0.8 Hz, 1 H, OH), 2.97 (d, J = 6.6 Hz, 2 H, CH2), 3.57 (dd, J = 11.2, 6.4 Hz, 1 H, CH2), 3.69 (dd, J = 10.8, 4.0 Hz, 1 H, CH2), 4.11-4.15 (m, 1 H, CH), 7.33-7.45 (m, 3 H, Ar-H), 7.47 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H), 7.57-7.62 (m, 4 H, Ar-H).
実施例1B:(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−tert−ブトキシプロパン−2−オール

THF88g中のマグネシウム粉末4.94gを、500mlの四つ口フラスコに添加して、撹拌した。平行して、4−ブロモビフェニル46.6gのTHF88g中溶液を調製した。反応系を、真空下およびN雰囲気下で35〜45℃に加熱した。マグネシウム/THF混合物に、少量のヨウ素およびTHF中の4−ブロモビフェニルの溶液25mlを、撹拌しながら添加した。次いで、THF中の4−ブロモビフェニルの溶液の残りを、温度を保持しながら35〜45℃で添加した。混合物を冷却した後、ヨウ化銅3.81gを添加して、混合物を、さらに冷却した。次いで、(S)−エポキシ−tert−ブチルエーテル22.2gのTHF30g中溶液を、温度を保持しながら、−15〜−20℃で添加した。次いで、混合物を、4Mの塩酸120.4gに滴下し、撹拌した。次いで、混合物を放置して相に分離させた。有機相を収集し、水相を、THFで抽出した。合わせた有機相を、NaClの飽和溶液で洗浄し、減圧下で、内部温度約35〜40℃で濃縮した。濾過によって固体を単離し、濾過ケークを精製水で洗浄し、真空下で約55〜60℃で乾燥させて、51.7gの表題化合物を得た。
[α] 25+10.933(c=0.01g/ml、CHCl
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.22 (s, 9 H, CH3), 2.55 (s, 1 H, OH), 2.80-2.90 (m, 2 H, CH2), 3.28 (dd, J = 8.8, 7.2 Hz, 1 H, CH2), 3.43 (dd, J = 8.8, 3.6 Hz, 1 H, CH2), 3.97-4.03 (m, 1 H, CH), 7.31-7.36 (m, 3 H, Ar-H), 7.42-7.46 (m, 2 H, Ar-H), 7.5 4 (d, J = 8.0 Hz, 2 H, Ar-H), 7.59-7.61 (m, 2 H, Ar-H).
実施例2:
以下の実施例は、以下の一般的な反応スキームによる式(2)の化合物またはその塩

(式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり、R5は、C〜C−アルキル、好ましくはtert−ブチルであり、R3は、イミドまたはアジドである)
の合成を説明している。詳細には、以下の実施例は、(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩の合成を説明している。
実施例2A−1:(R)−1−(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−イル)ピロリジン−2,5−ジオンを介した(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩(実験室規模)
ステップ1:(R)−1−(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−イル)ピロリジン−2,5−ジオン

トルエン600g中の(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−オール49.3gを、1000mlの四つ口フラスコに約70〜80℃で添加して、溶解するまで撹拌した。混合物を濾過し、別の反応器に移した。窒素保護下で、溶液を、約0〜5℃に冷却し、次いでトリフェニルホスフィン57.64gおよびスクシンイミド20.79gを添加した。混合物を撹拌した後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)40.02gのトルエン40g中溶液を、約0〜5℃で添加した。その後、トルエンを、減圧蒸留下で除去した。表題化合物を回収し、次のステップで直接使用した。
[α] 25+98.159(c=0.01g/ml、CHCl
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.55-2.66 (m, 4 H, CH2), 3.17-3.30 (m, 2 H, CH2), 3.76 (dd, J = 11.2, 4.8 Hz, 1 H, CH2), 4.23 (d, J = 10.8 Hz, 1 H, CH2), 4.67-4.44 (m, 1 H, CH), 7.26 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.34-7.38 (m, 1 H, Ar-H), 7.43-7.47 (m, 2 H, Ar-H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.58-7.60 (m, 2 H, Ar-H)
ステップ2:(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩

水300gを、ステップ1で得られた残渣に添加した。混合物を加熱還流させ、それに続いて60〜65℃に冷却した後、塩酸102.8gを、混合物に滴下した。次いで、混合物を、加熱還流させ、遊離体の量が≦0.1%(HPLCによって確認)になるまで、温度を保持した。次いで、混合物を、約80〜90℃に冷却した。トルエン433gの添加後、混合物を、加熱還流させ、次いで、約80〜90℃に冷却した。相を分離し、有機相を回収した。水相を、水酸化ナトリウムの添加によって、pH約8〜9に調整した。次いで、さらなるトルエン433gを添加し、混合物を加熱還流させ、還流で維持し、次いで、約75〜80℃に冷却した。相を再度分離し、有機相を回収し、水層を、トルエンで抽出した。混合物を再度加熱還流させ、還流で維持し、冷却した後、相を分離して、有機相を回収し、トルエンで抽出した2つの有機相を合わせた。合わせた相を、冷却した。次いで、塩酸のエタノール中溶液を、混合物に添加して、撹拌した。冷却した後、固体を濾別し、濾過ケークを、トルエンで洗浄し、真空下で、約45〜55℃で乾燥させて、41.9gの表題化合物を得た。
[α] 25+16.059(c=0.01g/ml、HO)
1H-NMR (400 MHz, DMSO) δ 1.32 (s, 9 H, CH3), 2.60 (dd, J = 13.6 8.4 Hz, 1 H, CH2), 2.86 (dd, J = 13.6, 5.2 Hz, 1 H, CH2),2.28-3.32 (m, 1 H, CH2), 3.35-3.39 (m, 1 H, CH2), 3.61-3.62 (m, 1 H, CH), 4.72 (d, J = 5.4 Hz, 1 H, OH), 6.62 (d, J = 8.6 Hz, 1 H, NH), 7.28 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.30 (d, J = 16.0 Hz, 1 H, Ar-H), 7.45 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H), 7.56 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.63 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H).
実施例2A−1、ステップ1と同じ反応を、溶媒を交換し、それに応じて反応温度を調整することによって行った。以下の概説は、使用した溶媒および反応条件を要約している:
・トルエン600g、70〜80℃、トルエン40gに溶解したDEAD(上記実施例を参照)
・酢酸エチル530g、60〜70℃、酢酸エチル35gに溶解したDEAD
・テトラヒドロフラン550g、50〜60℃、テトラヒドロフラン40gに溶解したDEAD
・ジクロロメタン600g、30〜35℃、ジクロロメタン50gに溶解したDEAD
実施例2A−2:(R)−1−(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−イル)ピロリジン−2,5−ジオンを介した(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩(商業規模)

(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−オール50kgを、約70〜80℃でトルエン650kgに溶解した。この温度で約1h後、混合物を濾過し、フィルターを、トルエン20kgですすぎ、溶液を、別の反応器に移した。窒素保護下で、溶液を、約0〜5℃に冷却し、トリフェニルホスフィン58.5kgおよびスクシンイミド21kgを添加した。混合物を、20分間撹拌した後、アゾジカルボン酸ジエチル81.1kgおよびトルエン65kgからあらかじめ調製しておいたアゾジカルボン酸ジエチルの溶液を、約2〜2.5h、約0〜5℃で添加した。温度を、約3h保持し、次いで、さらなるトルエンが留去されなくなるまで、トルエンを、真空下で、約60〜70℃で除去した。水100kgの添加後、さらなるトルエンが留去されなくなるまで、混合物を還流させた。トルエンおよび水を収集し、分離し、水を添加して、反応器に戻した。反応物を、約70〜80℃に冷却し、次いで、36%の塩酸103kgを、混合物に滴下した。次いで、混合物を、約20〜25℃/hの速度で加熱し、還流させた。約15h、または(R)−1−(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−yl)ピロリジン−2,5−ジオンの量が≦0.2%になるまで、温度を保持した。次いで、混合物を、約75〜80℃に冷却した。トルエン433kgの添加後、混合物を、加熱還流させ、還流で約30分間維持し、次いで、約75〜80℃に冷却した。相を分離して、有機相を回収した。水相を、30%の水酸化ナトリウム溶液186.7kgの添加によって、pH約8〜9に調整した。次いで、トルエン433kgを添加し、混合物を加熱還流させ、還流で約30分間維持し、次いで、約75〜80℃に冷却した。相を再度分離して、水層を、トルエン216kgで抽出した。混合物を、加熱還流させ、還流で約30分間維持し、次いで、約75〜80℃に冷却した。相の分離後、水層を、30%の水酸化ナトリウム溶液約27kgの添加によって、pH>10に調整した。約75〜80℃でトルエン108kgを添加した後、混合物を、加熱還流させ、還流でさらに30分間維持し、次いで、75〜80℃に冷却した。相を分離して、合わせた有機相を、約55〜65℃に冷却した。次いで、34%の塩酸のエタノール中溶液21.8kgを、約30分かけて添加した。混合物を、約55〜65℃で約1h撹拌し、次いで約25〜35℃に冷却した。25〜35℃で1h後、固体を濾別し、濾過ケークを、トルエン44kgで洗浄し、真空下で、約50〜60℃で乾燥させて、47.0kgの(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩(HPLCによる純度96〜99%、98%ee)を得た。
融点:264〜272°C。
MS(ESI、m/e)263.76
[α] 25+98.159(c=0.01g/ml、HO)
1H-NMR (400 MHz, DMSO) δ 1.32 (s, 9 H, CH3), 2.60 (dd, J = 13.6, 8.4 Hz, 1 H, CH2), 2.86 (dd, J = 13.6, 5.2 Hz, 1 H, CH2), 2.28-3.32 (m, 1 H, CH2), 3.35-3.39 (m, 1 H, CH2),3.61-3.62 (m, 1 H, CH), 4.72 (d, J = 5.4 Hz, 1 H, OH), 6.62 (d, J = 8.6 Hz, 1 H, NH), 7.28 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.30 (d, J = 16.0 Hz, 1 H, Ar-H), 7.45 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H), 7.56 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.63 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H).
実施例2B:(R)−1−(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−tert−ブトキシプロパン−2−イル)ピロリジン−2,5−ジオンを介した(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩(実験室規模)
ステップ1:(R)−1−(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−tert−ブトキシプロパン−2−イル)ピロリジン−2,5−ジオン

出発物質としての(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−tert−ブトキシプロパン−2−オール50g、トリフェニルホスフィン50.91g、スクシンイミド18.36gおよびトルエン40g中のDEAD35.35gを使用して、実施例2A−1で説明したとおりに反応を行った。表題化合物を回収し、次のステップで直接使用した。
[α] 25+53.304(c=0.01g/ml、HO)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.16 (s, 9 H, CH3), 2.45-2.58 (m, 4 H, CH2), 3.12 (dd, J = 14.0, 6.0 Hz, 1 H, CH2), 3.27 (dd, J = 14.0, 10.8 Hz, 1 H, CH2), 3.64 (dd, J = 9.2, 5.6 Hz, 1 H, CH2), 3.88 (d, J = 9.0 Hz, 1 H, CH2), 4.60-4.65 (m, 1 H, CH), 7.26 (d, J = 8.2 Hz, 2 H, Ar-H), 7.35 (d, J = 7.4 Hz, 1 H, Ar-H), 7.44 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H), 7.51 (d, J = 8.0 Hz, 2 H, Ar-H), 7.59 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H).
ステップ2:(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩

水500gおよび炭酸ナトリウム67.84gを、ステップ1で得られた残渣に添加した。次いで、混合物を、加熱還流させ、遊離体の量が≦0.1%(HPLCによって確認)になるまで、温度を保持した。次いで、混合物を、約80〜90℃に冷却した。トルエン433gの添加後、混合物を、加熱還流させ、次いで、約80〜90℃に冷却した。相を分離して、有機相を回収した。水相を、水酸化ナトリウムの添加によって、pH約8〜9に調整した。次いで、さらなるトルエン433gを添加し、混合物を、加熱還流させ、還流で維持した。相を再度分離して、有機相を回収し、水層をトルエンで抽出した。混合物を再度加熱還流させ、還流で維持した。次いで、相を分離して、有機相を回収し、トルエンで抽出した2つの有機相を合わせた。合わせた相を、冷却した。次いで、塩酸のエタノール中溶液を、混合物に添加して、撹拌し、25〜35℃に冷却した。冷却した後、固体を濾別し、濾過ケークをトルエンで洗浄し、真空下で、約45〜55℃で乾燥させて、47.5gの表題化合物を得た。
実施例2C:(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−フタロイル−クロロプロパンを介した(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩(実験室規模)
ステップ1:(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−フタロイル−クロロプロパン

トルエン600g中の(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−クロロプロパン−2−オール49.3gを、1000mlの四つ口フラスコに、約70〜80℃で添加し、溶解するまで撹拌した。混合物を濾過し、冷却した。次いで、トリフェニルホスフィン57.64gおよびフタルイミド30.66gを、添加した。混合物を撹拌した後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)40.02gのトルエン40g中溶液を、約0〜5℃で添加した。その後、トルエンを、減圧蒸留下で除去した。表題化合物を回収し、次のステップで直接使用した。
[α] 25+176.95(c=0.01g/ml、HO)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 3.17-3.32 (m, 2 H, CH2), 3.76 (dd, J = 11.2, 4.8 Hz, 1 H, CH2), 4.15-4.20 (m, 1 H, CH2), 4.70-4.77 (m, 1 H, CH), 7.17-7.19 (m, 2 H, Ar-H), 7.21-7.25 (m, 1 H, Ar-H), 7.25-7.34 (m, 2 H, Ar-H), 7.39 (d, J = 8.0 Hz, 2 H, Ar-H), 7.43-7.45 (m, 2 H, Ar-H), 7.60-7.70 (m, 2 H, Ar-H), 7.70-7.72 (m, 2 H, Ar-H).
ステップ2:(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩

水300gを、ステップ1で得られた残渣に添加した。混合物を加熱還流させ、次いで、60〜65℃に冷却した。次いで、塩酸102.8gを、混合物に滴下した。次いで、混合物を、再度加熱還流させ、遊離体の量が≦0.1%(HPLCによって確認)になるまで、温度を保持した。次いで、混合物を、約80〜90℃に冷却した。トルエン433gの添加後、混合物を、加熱還流させ、次いで、約80〜90℃に冷却した。相を分離して、有機相を回収した。水相を、水酸化ナトリウムの添加によってpH約8〜9に調整した。次いで、さらなるトルエン433gを添加し、混合物を加熱還流させ、還流で維持した。相を再度分離して、有機相を回収し、水層を、トルエンで抽出した。混合物を、再度加熱還流させ、還流で維持した。次いで、相を分離して、有機相を回収し、トルエンで抽出した2つの有機相を合わせた。合わせた相を、冷却した。次いで、塩酸のエタノール中溶液を、混合物に添加し、撹拌して、25〜35℃に冷却した。冷却した後、固体を濾別し、濾過ケークを、トルエンで洗浄し、真空下で、約45〜55℃で乾燥させて、47.5gの表題化合物を得た。
実施例2D:(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−フタロイル−tert−ブトキシプロパンを介した(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩(実験室規模)
ステップ1:(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−フタロイル−tert−ブトキシプロパン

トルエン600g中(S)−1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−tert−ブトキシプロパン−2−オール50gを、1000mlの四つ口フラスコに、約70〜80℃で添加し、溶解するまで撹拌した。混合物を濾過し、冷却した。次いで、トリフェニルホスフィン50.91gおよびフタルイミド27.29gを添加した。混合物を撹拌した後、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)35.35gのトルエン40g中溶液を、約0〜5℃で添加した。その後、トルエンを、減圧蒸留下で除去した。表題化合物を回収し、次のステップで直接使用した。
[α] 25+53.304(c=0.01g/ml、CHCl
1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 1.19 (s, 9 H), 2.75-3 (m, 2 H), 3.54-3.79 (m, 2 H), 4.27-4.33 (m, 1 H), 7.35-7.40 (m, 5 H), 7.51-7.52 (m, 4 H), 7.84-7.90 (m, 4 H).
ステップ2:(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩

水500gおよび炭酸ナトリウム67.84gを、ステップ1で得られた残渣に添加した。混合物を、加熱還流させ、遊離体の量が≦0.1%(HPLCによって確認)になるまで、温度を保持した。次いで、混合物を、約80〜90℃に冷却した。以下の反応ステップを、実施例2Cのステップ2で説明したのと全く同様に行う。真空下で、約45〜55℃で乾燥させた後、45.5gの表題化合物を得た。
実施例3−A:
以下の実施例は、以下の一般的な反応による一般式(1)

(式中、R1およびR2は、本明細書で以下に定義したとおり、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)
に該当する化合物の合成を説明している。
実施例3A:(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート(実験室規模)

(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩52.7g、水231gおよびエタノール168gを、1000mlの四つ口フラスコに添加し、溶解するまで撹拌した。次いで、水酸化ナトリウムを添加し、混合物を、約55〜60℃に加熱した。次いで、二炭酸ジ−tert−ブチル48.4gを添加し、温度を、1.5h保持した。最終的に、水75gを添加し、次いで、すべてのエタノールが除去されるまで、真空蒸留下で、内部温度45〜50℃で、混合物を濃縮した。次いで、混合物を冷却し、沈殿物を濾過し、濾過ケークを水で洗浄し、約65〜75℃のエアーオーブンで乾燥させて、62.7gの表題化合物を得た。
[α] 25+21.780(c=0.01g/ml、CHCl
1H-NMR (400 MHz, DMSO) δ 1.32 (s, 9 H, CH3), 2.60 (dd, J = 13.6, 8.4 Hz, 1 H, CH2), 2.86 (dd, J = 13.6, 5.2 Hz, 1 H, CH2), 2.28-3.32 (m, 1 H, CH2), 3.35-3.39 (m, 1 H, CH2), 3.61-3.62 (m, 1 H, CH), 4.72 (d, J = 5.4 Hz, 1 H, OH), 6.62 (d, J = 8.6 Hz, 1 H, NH), 7.28 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.30 (d, J = 16.0 Hz, 1 H, Ar-H), 7.45 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H), 7.56 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.63 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H).
実施例3B:(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート(1−a)(工業規模)

(R)−3−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−アミノプロパン−1−オール塩酸塩50kg、エタノール120kgおよび水50kgの混合物を、20分間撹拌する。次いで、30%の水酸化ナトリウム溶液27.8kgの溶液を、約20〜25℃で添加する。混合物を、約55〜60℃に加熱し、二炭酸ジ−tert−ブチル45.5kgを、ゆっくり添加する。混合物をさらに1h撹拌した後、水75kgを添加し、次いで、エタノールが除去されるまで、内部温度≦50℃で、混合物を、真空蒸留下で濃縮する。混合物を約25〜30℃に冷却した後、沈殿物を濾過し、濾過ケークを、水50kgで洗浄し、約70〜75℃のエアーオーブンで乾燥させて、59.6kgの(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート(HPLCによる純度97〜99%、>99%ee)を得る。
融点:114〜116℃
MS(ESI、m/e)327.42
[α] 25+21.780(c=0.01g/ml、CHCl
1H-NMR (400 MHz, DMSO) δ 1.32 (s, 9 H, CH3), 2.60 (dd, J = 13.6, 8.4 Hz, 1 H, CH2), 2.86 (dd, J = 13.6, 5.2 Hz, 1 H, CH2), 2.28-3.32 (m, 1 H, CH2), 3.35-3.39 (m, 1 H, CH2),3.61-3.62 (m, 1 H, CH), 4.72 (d, J = 5.4 Hz, 1 H, OH), 6.62 (d, J = 8.6 Hz, 1 H, NH), 7.28 (d, J = 8.4Hz, 2 H, Ar-H), 7.30 (d, J = 16.0 Hz, 1 H, Ar-H), 7.45 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H), 7.56 (d, J = 8.4 Hz, 2 H, Ar-H), 7.63 (d, J = 7.6 Hz, 2 H, Ar-H).
実施例4−A:(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチルペンタ−2−エン酸(実験室規模)

水240g、酢酸イソプロピル700g、NaBr23.6g、NaHCO15.6gおよび(R)−tert−ブチル−(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート40gを、2Lの四つ口フラスコに添加し、混合物を、溶解するまで撹拌した。混合物を、0〜5℃に冷却した。次いで、TEMPO試薬0.39gを添加し、NaClO(活性塩素含有量12%w/w)溶液105gを、温度を0〜5℃で保ちながら、一滴ずつ添加した。すべての出発物質を使い切るまで(TLCで制御)、混合物を、その温度で撹拌した。次いで、チオ硫酸ナトリウムの水溶液を、温度を20〜25℃に温めながら、添加した。混合物を撹拌し、相を分離した。有機相を回収した。温度を20〜25℃で維持しながら、リンイリドカルベトキシエチリデン−トリフェニルホスホラン51.3gを添加し、反応が完了するまで(TLCで制御)、反応混合物を撹拌した。次いで、酢酸イソプロピルを、60〜70℃の温度の水浴中で、減圧下での蒸留を介して完全に除去した。次いで、工業用エタノール150gを添加し、混合物に、再度減圧蒸留を行い、すべての溶媒を除去した。次いで、水212.5g、工業用エタノール385gおよび水酸化リチウム9gを、残渣に添加した。混合物を、加熱還流させた。残っている原料がなくなった時に(TLCで制御)、混合物を、約70℃に冷却した。次いで、酢酸45gおよび水165gを混合することによって得られた希酢酸の溶液を、ゆっくり添加した。次いで、混合物を、再度加熱還流させた。混合物を約8〜12℃に冷却した後、沈殿物を濾過し、濾過ケークを水で洗浄し、65〜70℃で乾燥させて、表題化合物を得た(44.6g、収率91.1%)。
融点:197℃
MS(ESI、m/e)381.0
1H-NMR (600 MHz, DMSO) δ 1.33 (s, 9 H, CH3), 1.61 (s, 3 H, CH3), 2.71 (m, 1 H, CH2), 2.88 (m, 1 H, CH2), 4.84 (m, 1 H, CH), 6.55 (d, 1 H, CH=C), 7.16 (m, 1 H, N-H), 7.29 (m, 2 H, Ar-H), 7.33 (m, 1 H, Ar-H), 7.44 (m, 2 H, Ar-H), 7.56 (m, 2 H, Ar-H), 7.62 (m, 2 H, Ar-H), 12.30 (s, 1 H, CO2H).
実施例4−B:(R)−5−ビフェニル−4−イル−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メチルペンタ−2−エン酸(商業規模)
水480kg、酢酸イソプロピル1400kg、NaBr47.2kg、NaHCO31.2kgおよび(R)−tert−ブチル−(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート80kgを、3000Lの反応器に添加して、混合物を30分間撹拌した。混合物を、0〜5℃に冷却した。次いで、TEMPO試薬0.78kgを添加し、温度を0〜5℃で保ちながら、NaClO(活性塩素含有量12%w/w)溶液210kgを、30分かけて添加した。混合物を、30〜45分間、その温度で撹拌した。次いで、チオ硫酸ナトリウム24kgの水200kg中水溶液を、添加した。反応混合物を、20〜25℃の温度に温め、15分間撹拌した。次いで、相を分離した。有機相を、回収した。温度を20〜25℃で維持しながら、リンイリドカルベトキシエチリデン−トリフェニルホスホラン102.6kgをゆっくり添加して、反応混合物を1.5h撹拌した。次いで、およそ1300kgの酢酸イソプロピルを、60〜70℃の温度で、減圧下での蒸留を介して除去した。次いで、エタノール300kgを添加し、混合物に再度減圧蒸留を行い、溶媒を除去した。次いで、水425kg、エタノール770kgおよび水酸化リチウム18kgを、残渣に添加した。混合物を、1h、加熱還流させた。次いで、混合物を、約70℃に冷却し、希酢酸の溶液(水330kg中、酢酸90kg)を添加した。次いで、混合物を、再度、0.5h、加熱還流させた。その後、混合物を、約8〜12℃に冷却し、さらに0.5h撹拌する。沈殿物を濾過し、濾過ケークを、8〜12℃のエタノール90kgおよび水115kgの混合物で、洗浄する。濾過ケークの乾燥によって、粗表題化合物を得る(80kg、収率81.7%)。
2000Lの反応器に、エタノール540kgおよび粗表題化合物80kgを装入した;次いで、活性化チャコール4kgを添加し、混合物を、30分間、加熱還流させた。その後、混合物を、濾過して、別の2000Lの反応器に入れ、チャコールを、熱エタノール100kgで洗浄した。合わせた濾物を、精製水640kgと混合し、30分間、加熱還流させ、次いで、混合物を8〜12℃にゆっくり冷却し、さらに1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、濾過ケークを、8〜12℃で、エタノール64kgおよび精製水64kgの混合物で洗浄した。濾過ケークを、65〜70℃で乾燥させ、表題化合物を得た(収率70.2〜74.9%、純度>99.5%)。

以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 式(3)の化合物またはその塩

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、前記式(3)の化合物は、式(3−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)];
を調製するための方法であって、
式(4)の化合物

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、前記式(4)の化合物は、式(4−a)の化合物

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)];
と、ビフェニル化合物、好ましくは活性化ビフェニル化合物を反応させて、式(3)の化合物またはその塩、好ましくは式(3−a)の化合物またはその塩を得ることを含む、方法。
[2] 前記活性化ビフェニル化合物が、ビフェニルマグネシウムハロゲン化物、ジ(ビフェニル)マグネシウム、ビフェニルリチウム、ビフェニルクプラート(低次および高次クプラート)およびビフェニル亜鉛からなる群から選択される、[1]に記載の方法。
[3] 前記活性化ビフェニル化合物が、ビフェニルマグネシウムハロゲン化物、好ましくはビフェニルマグネシウムブロミドである、[1]または[2]に記載の方法。
[4] 前記反応が、クプラート(I)イオンの存在下で、好ましくはハロゲン化銅、好ましくはヨウ化銅の存在下で行われる、[1]から[3]のいずれかに記載の方法。
[5] 式(2)の化合物またはその塩

を調製するための方法であって、
好ましくは、前記式(2)の化合物が、式(2−a)の化合物またはその塩

であり、
以下のステップを含む方法:
(a)式(3)の化合物またはその塩を、光延条件下でイミドまたはアジド窒素求核試薬と反応させるステップと;

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、前記式(3)の化合物は、式(3−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)];
(b)(i)得られた式(3−1)のイミド中間体化合物またはその塩を、加水分解またはヒドラジンによる処理によって変換して、式(2)の化合物またはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物またはその塩を得るステップ;

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)、R3は、イミドであり、
好ましくは、前記式(3−1)の化合物は、式(3−1−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)、R3は、イミドである];あるいは
(ii)得られた式(3−1)の中間体アジド化合物またはその塩を還元して、式(2)の化合物またはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物またはその塩を得るステップ

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)、R3は、アジドであり、
好ましくは、前記式(3−1)の化合物は、式(3−1−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)、R3はアジドである]。
[6] 前記光延条件下でのイミドまたはアジド窒素求核試薬との反応が、リン(III)化合物、好ましくはホスフィンまたはイリド、より好ましくはトリフェニルホスフィンまたはトリ−n−ブチルホスフィン、ならびにアゾジカルボン酸ジアルキル、好ましくはアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)またはアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)の存在下で行われる、[5]に記載の方法。
[7] 前記イミド窒素求核試薬が、スクシンイミド、フタルイミド、置換スクシンイミド、置換フタルイミド、ナフタルイミド、置換ナフタルイミド、マレインイミドおよび置換マレインイミド、好ましくはスクシンイミドおよびフタルイミドからなる群から選択される、[5]または[6]に記載の方法。
[8] 式(3)の化合物またはその塩が、[1]から[4]のいずれかに開示の方法によって調製される、[5]から[7]のいずれかに記載の方法:

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、前記式(3)の化合物は、式(3−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)]。
[9] 式(1)の化合物またはその塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)、
好ましくは、前記式(1)の化合物は、式(1−a)の化合物

である]
を調製するための方法であって、
式(2)の化合物またはその塩

(好ましくは、前記式(2)の化合物は、式(2−a)の化合物またはその塩

である)
を、窒素保護基の導入によって、式(1)の化合物またはその塩(好ましくは、前記式(1)の化合物は式(1−a)の化合物である)に変換することを含む、方法。
[10] 前記式(1−a)の化合物が、式(2−a)の化合物の塩酸塩を二炭酸ジ−tert−ブチルと反応させることによって得られる、以下の式(1−a) の(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートである、[9]に記載の方法。

[11] 前記式(2−a)の化合物の塩酸塩

が、無機酸または無機塩基による加水分解、および任意にそれに続く塩酸処理によって、式(3−1−a)の化合物から得られる、[10]に記載の方法:

(式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシであり、R3は、スクシンイミジルまたはフタルイミジルである)。
[12] 前記式(3−1−a)の化合物

(式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシであり、R3は、スクシンイミジルまたはフタルイミジルである)
が、有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジアルキル化合物の存在下で、スクシンイミドおよびフタルイミドから選択されるイミドとの光延条件下での反応によって、式(3−a)の化合物

(式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシである)
から得られる、[11]に記載の方法。
[13] 前記アゾジカルボン酸ジアルキル化合物が、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)であり、前記有機溶媒が、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびジクロロメタンから選択される、[12]に記載の方法。
[14] 前記式(3−a)の化合物

(式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシである)
が、テトラヒドロフラン中で4−ブロモビフェニルおよび金属マグネシウムを反応させ、次いで、得られた4−ビフェニルマグネシウムブロミドを式(4−a)の化合物

(式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシである)
と、ハロゲン化銅(I)、好ましくはヨウ化銅の存在下で反応させることを含むグリニャール反応によって得られる、[12]に記載の方法。
[15] 式(1)の化合物またはその塩

(式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基であり、
好ましくは、前記式(1)の化合物は、式(1−a)の化合物

である)
を調製するための方法であって、以下のステップを含む方法:
a)式(4)の化合物と、ビフェニル化合物、好ましくは活性化ビフェニル化合物を反応させるステップと;

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、前記式(4)の化合物は、式(4−a)の化合物

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)];
b)得られた式(3)の化合物またはその塩を、光延条件下でイミドまたはアジド窒素求核試薬と反応させるステップと;

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである);
好ましくは、前記式(3)の化合物は、式(3−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)];
c)(i)得られた式(3−1)のイミド中間体化合物またはその塩を、加水分解またはヒドラジン処理によって変換して、式(2)の化合物またはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物またはその塩を得るステップ;

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)、R3は、イミドであり、
好ましくは、前記式(3−1)の化合物は、式(3−1−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルであり、R3は、イミドである];あるいは
(ii)得られた式(3−1)の中間体アジド化合物またはその塩を還元して、式(2)の化合物またはその塩、好ましくは式(2−a)の化合物またはその塩を得るステップと;

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)、R3は、アジドであり、
好ましくは、前記式(3−1)の化合物は、式(3−1−a)の化合物またはその塩

であり、
式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5であり(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)、R3は、アジドである];
d)得られた式(2)の化合物またはその塩を、窒素保護基の導入によって、式(1)の化合物またはその塩(好ましくは、前記式(1)の化合物は式(1−a)の化合物である)に変換するステップ;

(好ましくは、前記式(2)の化合物は、式(2−a)の化合物またはその塩

である)。
[16] 前記窒素保護基がtert−ブトキシ−カルボニルである、[9]または[15]に記載の方法。
[17] 実質的に光学的に純粋な形態の式(3−a)の化合物またはその塩:

[式中、Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、または−O−R5である(ここで、R5は、C 〜C −アルキル、好ましくはtert−ブチルである)]。
[18] 実質的に光学的に純粋な形態の式(3−1−a)の化合物またはその塩:

(式中、R3は、イミドまたはアジド、好ましくはスクシンイミドまたはフタルイミドである)。
[19] 実質的に光学的に純粋な形態の、式(2−a)の化合物またはその塩。

[20] 実質的に光学的に純粋な形態の、式(1−a)の化合物またはその塩:

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]。
[21] 以下の式:

の(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートである、[20]に記載の化合物。
[22] γ−アミノ−δ−ビフェニル−α−メチルアルカン酸または酸エステルの主鎖を含むNEP阻害剤またはそのプロドラッグのような、NEP阻害剤またはそのプロドラッグの合成における、[17]から[21]のいずれかに記載の化合物の使用。
[23] 前記NEP阻害剤が、N−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸もしくはその塩またはそれらのプロドラッグである、[22]に記載の使用。
[24] 前記NEP阻害剤プロドラッグが、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩である、[22]に記載の使用。
[25] N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩を調製するための方法であって、
i.[17]に記載の式(3−a)の化合物もしくはその塩の製造、または
ii.[18]に記載の式(3−1−a)の化合物もしくはその塩の製造、または
iii.[19]に記載の式(2−a)の化合物もしくはその塩の製造、または
iv.[20]に記載の式(1−a)の化合物もしくはその塩の製造
を含む方法。
[26] 式(5)の化合物またはその塩

(式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基であり、
好ましくは、前記式(5)の化合物は、式(5−a)の化合物

であり、
より好ましくは、前記式(5−a)の化合物は、式(5−a) の化合物

である)
を調製するための方法であって、式(1)の化合物またはその塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]、
好ましくは、式(1−a)の化合物またはその塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]、
より好ましくは、式(1−a) の化合物(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート

をTEMPO媒介酸化反応において酸化することによって、式(5)の化合物またはその塩、好ましくは式(5−a)の化合物またはその塩、より好ましくは式(5−a) の化合物を得る方法。
[27] 前記式(1)、(1−a)または(1−a) の化合物またはそれらの塩が、[9]から[15]のいずれかに記載の方法によって得られる、[26]に記載の方法。
[28] 得られた式(1)の化合物またはその塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]、
好ましくは、式(1−a)の化合物またはその塩

[式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]、
より好ましくは、式(1−a) の化合物(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート

をTEMPO媒介酸化反応に供して、式(5)の化合物またはその塩

(式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)、
好ましくは、式(5−a)の化合物、

より好ましくは、式(5−a) の化合物

を得る、[9]から[15]のいずれかに記載の方法。

Claims (30)

  1. 式(2)の化合物またはその塩

    を調製するための方法であって、以下のステップを含む方法:
    (a)式(3)の化合物またはその塩を、光延条件下でイミドまたはアジド窒素求核試薬と反応させるステップと;

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)];
    (b)(i)得られた式(3−1)のイミド中間体化合物またはその塩を、加水分解またはヒドラジンによる処理によって変換して、式(2)の化合物またはその塩を得るステップ;

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)、R3は、イミドである];あるいは
    (ii)得られた式(3−1)の中間体アジド化合物またはその塩を還元して、式(2)の化合物またはその塩を得るステップ

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)、R3は、アジドである]。
  2. 前記式(2)の化合物が、式(2−a)の化合物またはその塩であり、

    前記式(3)の化合物が、式(3−a)の化合物またはその塩であり、

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)]
    前記式(3−1)の化合物が、式(3−1−a)の化合物またはその塩である、

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)、R3は、イミドである]
    請求項1に記載の方法。
  3. 前記光延条件下でのイミドまたはアジド窒素求核試薬との反応が、ホスフィンまたはイリドから選択されるリン(III)化合物、ならびにアゾジカルボン酸ジアルキルの存在下で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記イミド窒素求核試薬が、スクシンイミド、フタルイミド、置換スクシンイミド、置換フタルイミド、ナフタルイミド、置換ナフタルイミド、マレインイミドおよび置換マレインイミドからなる群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、式(3)の化合物またはその塩が、

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)];
    式(4)の化合物

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)];
    と、活性化ビフェニル化合物を反応させて、式(3)の化合物またはその塩を得ることを含むプロセスによって調製される、
    方法。
  6. 前記式(3)の化合物が、式(3−a)の化合物またはその塩であり、

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)]
    前記式(4)の化合物が、式(4−a)の化合物である

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)]
    請求項5に記載の方法。
  7. 前記活性化ビフェニル化合物が、ビフェニルマグネシウムハロゲン化物、ジ(ビフェニル)マグネシウム、ビフェニルリチウム、ビフェニルクプラート(低次および高次クプラート)およびビフェニル亜鉛からなる群から選択される、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記式(4)の化合物と活性化ビフェニル化合物との反応が、クプラート(I)イオンの存在下で行われる、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記Xがクロロまたは−O−R5である(ここで、R5はtert−ブチルである)、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 得られた式(2)の化合物またはその塩

    が、窒素保護基の導入によって、式(1)の化合物またはその塩

    [式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]
    に変換される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記得られた式(2)の化合物が、式(2−a)の化合物またはその塩

    であり、
    前記式(1)の化合物が、式(1−a)の化合物

    である]
    請求項10に記載の方法。
  12. 前記式(1−a)の化合物が、式(2−a)の化合物の塩酸塩を二炭酸ジ−tert−ブチルと反応させることによって得られる、以下の式(1−a)の(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートである、請求項11に記載の方法。
  13. 式(3−1−a)の化合物を、無機酸または無機塩基による加水分解、および任意にそれに続く塩酸処理に供することによって、

    (式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシであり、R3は、スクシンイミジルまたはフタルイミジルである)
    式(2−a)の化合物の塩酸塩

    を調製する方法。
  14. 得られた式(2−a)の化合物の塩酸塩を、

    二炭酸ジ−tert−ブチルと反応させて、以下の式(1−a)の(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートを得る、請求項13に記載の方法。
  15. 前記式(3−1−a)の化合物

    (式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシであり、R3は、スクシンイミジルまたはフタルイミジルである)
    が、有機溶媒中、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジアルキル化合物の存在下で、スクシンイミドおよびフタルイミドから選択されるイミドとの光延条件下での反応によって、式(3−a)の化合物

    (式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシである)
    から得られる、請求項14に記載の方法。
  16. 前記アゾジカルボン酸ジアルキル化合物が、アゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)であり、前記有機溶媒が、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロフランおよびジクロロメタンから選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記式(3−a)の化合物

    (式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシである)
    が、テトラヒドロフラン中で4−ブロモビフェニルおよび金属マグネシウムを反応させ、次いで、得られた4−ビフェニルマグネシウムブロミドを式(4−a)の化合物

    (式中、Xは、クロロまたはtert−ブトキシである)
    と、ハロゲン化銅(I)の存在下で反応させることを含むグリニャール反応によって得られる、請求項15に記載の方法。
  18. 式(1)の化合物またはその塩

    (式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)
    を調製するための方法であって、以下のステップを含む方法:
    a)式(4)の化合物と、活性化ビフェニル化合物を反応させるステップと;

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)];
    b)得られた式(3)の化合物またはその塩を、光延条件下でイミドまたはアジド窒素求核試薬と反応させるステップと;

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)];
    c)(i)得られた式(3−1)のイミド中間体化合物またはその塩を、加水分解またはヒドラジン処理によって変換して、式(2)の化合物またはその塩を得るステップ;

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)、R3は、イミドである];あるいは
    (ii)得られた式(3−1)の中間体アジド化合物またはその塩を還元して、式(2)の化合物またはその塩を得るステップと;

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)、R3は、アジドである];
    d)得られた式(2)の化合物またはその塩を、窒素保護基の導入によって、式(1)の化合物またはその塩に変換するステップ。
  19. 前記式(1)の化合物が、式(1−a)の化合物であり、

    (式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)
    前記式(4)の化合物が、式(4−a)の化合物であり、

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)]
    前記式(3)の化合物が、式(3−a)の化合物またはその塩であり、

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)]
    前記ステップc(i)において、前記式(3−1)の化合物が、式(3−1−a)の化合物またはその塩であり、

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)、R3は、イミドである]
    前記ステップc(ii)において、前記式(3−1)の化合物が、式(3−1−a)の化合物またはその塩であり、

    [式中、Xは、ハロゲンまたは−O−R5であり(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)、R3は、アジドである]
    前記式(2)の化合物は、式(2−a)の化合物またはその塩である、

    請求項18に記載の方法。
  20. 前記Xがクロロまたは−O−R5であり(ここで、R5は、tert−ブチルである)、前記窒素保護基がtert−ブトキシ−カルボニルである、請求項18または19に記載の方法。
  21. 実質的に光学的に純粋な形態の式(3−1−a)の化合物またはその塩:

    [式中、R3は、イミドまたはアジドであり、Xは、ハロゲンまたは−O−R5である(ここで、R5は、C〜C−アルキルである)]。
  22. R3がスクシンイミドまたはフタルイミドであり、Xがクロロまたは−O−R5である(ここで、R5は、tert−ブチルである)、請求項21に記載の実質的に光学的に純粋な形態の式(3−1−a)の化合物またはその塩。
  23. NEP阻害剤であるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸もしくはその塩、またはNEP阻害剤のプロドラッグであるN−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルもしくはその塩の合成における、請求項21または22に記載の化合物の使用。
  24. 請求項21または22に記載の式(3−1−a)の化合物もしくはその塩の製造を含む、N−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルまたはその塩を調製するための方法。
  25. 得られた式(1)の化合物またはその塩

    [式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)]
    をTEMPO媒介酸化反応に供して、式(5)の化合物またはその塩

    (式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)
    を得る、請求項10〜12および18〜20のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記得られた式(5)の化合物またはその塩を

    (式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基であり、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)
    さらに反応させて、NEP阻害剤であるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸もしくはその塩、またはNEP阻害剤のプロドラッグであるN−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルもしくはその塩を得る、請求項25に記載の方法。
  27. 前記式(1)の化合物が、式(1−a)の化合物またはその塩であり、

    [式中、R1およびR2は、互いに独立に、水素または窒素保護基である(ここで、R1またはR2の少なくとも1つは、窒素保護基である)];
    前記式(5)の化合物が、式(5−a)の化合物である、

    請求項25または26に記載の方法。
  28. 前記式(1)の化合物が、式(1−a)の化合物(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメートであり、

    前記式(5)の化合物が、式(5−a)の化合物である、

    請求項25または26に記載の方法。
  29. 前記得られた式(1−a)の化合物(R)−tert−ブチル(1−([1,1’−ビフェニル]−4−イル)−3−ヒドロキシプロパン−2−イル)カルバメート

    をTEMPO媒介酸化反応に供して、式(5−a)の化合物を得る、請求項14〜17のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記得られた式(5−a)の化合物を、

    さらに反応させて、NEP阻害剤であるN−(3−カルボキシ−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸もしくはその塩、またはNEP阻害剤のプロドラッグであるN−(3−カルボキシル−1−オキソプロピル)−(4S)−(p−フェニルフェニルメチル)−4−アミノ−(2R)−メチルブタン酸エチルエステルもしくはその塩を得る、請求項29に記載の方法。
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