JP2002201183A - 窒素原子に置換基を有するアミノ酸−n−カルボキシ無水物 - Google Patents
窒素原子に置換基を有するアミノ酸−n−カルボキシ無水物Info
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Abstract
極めて有用とされる重要中間体であり、従来の製造技術
では得られなかった、窒素原子にN−アシル置換基を有
する新規なアミノ酸−N−カルボキシ無水物およびその
製造方法を、また該化合物を用いることによってラセミ
化等の問題の生じない、短工程で安価なジアミド化合物
の製造法を提供することである。 【解決手段】 本発明により、遊離アミノ酸、アルコー
ル類またはアニオン類等の求核試薬と容易に反応し、医
農薬分野を初めとする多方面において有用なアミノ酸誘
導体、光学活性化合物、ペプチド及びポリぺプチドなど
の高収率での製造に有用な中間体である式(1): 【化1】 で表わされるアミノ酸−N−カルボキシ無水物およびそ
の製造法、更には、この式(1)の化合物と、式
(7): 【化8】 で表されるアミン誘導体とを用いるジアミド製造法が提
供される。
Description
めとする多方面において有用な重要中間体である活性化
されたアミノ酸誘導体に関し、さらには窒素原子にN−
アシル型の置換基を有する新規なアミノ酸−N−カルボ
キシ無水物およびその製造法、また該化合物を用いた短
工程かつ安価なジアミド製造法に関するものである。
手可能であり、かつ多様な骨格と不斉炭素を有すること
から、以前よりペプチド類を始め、各種光学活性化合物
の原料等に幅広く応用されてきた。特にアミノ酸を原料
とするペプチド類の製造技術は、古くから医農薬分野を
はじめとする多方面において重要な基幹技術の一つであ
る。さらに、近年の分子生物学の進展によって、ベプチ
ド類の重要性がますます増大する傾向にあり、工業的な
大スケールに適した、かつ安価なペプチド類の製造方法
が求められている。
キシル基と、アミン誘導体(アミノ酸を含む)のアミノ
基とを脱水的に縮合させて、アミド結合を生成させる反
応である。実際には、遊離のアミノ酸は両性イオンにな
って分子内塩をつくり安定化しているため、上述の反応
は自発的には起こらない。仮に、反応が進行したとして
も、両反応基質が含むアミノ基が遊離しているため、多
数のジペプチドやジケトピペラジン誘導体等が副生し、
一定の目的物を収率よく得ることは望めない。
は、必要以外の官能基をあらかじめマスクして、希望し
ない反応の発生を防がなくてはならない。また、メチル
エステルなどでは反応速度が小さく非実用的なので、カ
ルボキシル成分を適当に活性化してやらねばならない。
マスクとして利用する保護基は、副反応を防止する役目
を持つばかりでなく、アミノ酸の極性を抑えて、有機溶
媒に溶けやすくする効果を持っている。
キシカルボニル(Boc)基、ベンジルオキシカルボニ
ル(Z)基等のウレタン型、トリチル基などのアルキル
型、ホルミル基、トシル基、アセチル基、ベンゾイル基
等のアシル型等が挙げられる。しかしながら、これら保
護基の内、ウレタン型はラセミ化し難いが(矢島治明、
有機合成協会誌、29、27 (1971)/矢内原昇、ファルマ
シア、 7、 721 (1972).)、アシル型、アルキル型で
は、ラセミ化を招きやすいという欠点がある。また、ア
ルキル型では、アミノ基の塩基性を十分にはマスクしな
いので、更なるアシル化を受ける可能性が残る。トリチ
ル基では、その立体障害により第二のアシル化は起こり
得ないが、逆にその為に導入自体が難しく、保護された
アミノ酸とアミン類との縮合反応も容易ではない。
は、高価な試薬による保護化や脱保護化の工程、またそ
れぞれに精製工程が必要となってくる為、多工程の製造
となり、費用が増大する。
くい場合、アミノ基を保護したアミノ酸誘導体のカルボ
キシル基を、電子吸引性の置換基で活性化させて、アミ
ン類のカルボニル炭素への求核攻撃を容易にさせる方法
がある。例えば、PCl5、PCl3、あるいは塩化チオ
ニル等を用いて誘導する酸塩化物法、アミノ酸のエステ
ル類からヒドラジドを経由して誘導するアジド化法、保
護化されたアミノ酸と他の酸とから誘導する混合酸無水
物法、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(D
CC)や1,1−カルボニルジイミダゾール(以下CD
Iと略記する。)等の一般的な縮合剤を用いた連結法等
である。しかしながら、酸塩化物法には副反応が多いこ
と、アジド化法にはアジドへの誘導が非常に煩雑である
こと、混合酸無水物法には温度が上がると不均化を起こ
しやすいこと等の問題点がある(泉屋信夫ら著「ペプチ
ド合成」)。縮合剤を用いる方法にも、いくつかの欠点
がある。例えば、DCCでは、カルボキシル基とDCC
が反応して出来る中間体アシルイソ尿素が、塩基存在下
で分子内転移してアシル尿素を生成することがあり、目
的物の収率が低くなったり、目的物との分離が困難にな
ったりする。また、DCCは、アスパラギンやグルタミ
ンのω−アミドを脱水し、ニトリルを生成する。またC
DIは高価な試薬であり、安価なペプチド製造方法とは
言えない。
討されてきた。しかし工業的に安定的な製造技術、また
は費用的に安価な製造技術として考えると、依然として
不充分であると言わざるを得ない。
たアミノ酸−N−カルボキシ無水物(略記する場合は
「NCA」と記載する。)は、ほとんどの遊離アミン類
と容易に反応する。NCAの主な利点は、それ自体が有
力なアシル化剤であること(「Peptides」、第9巻、第8
3頁)、さらには、一般的な、N,N−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミドや1,1−カルボニルジイミダゾール
等の縮合剤を用いた連結法、またはN−ヒドロキシコハ
ク酸イミドエステル連結法よりも、短工程で安価に製造
可能であること等が挙げられる。また、通常のペプチド
製造に用いる反応条件下では、アミノ酸のラセミ化等の
問題も生じない。そのため、古くから、ペプチド合成上
の重要な中間体に成り得るのではないかと期待されてき
た( Pheiol Chem., 147, 91 (1926).)。
N−無置換型NCA類を製造中間体として用いたペプチ
ド合成の場合、常に重合反応等の副反応の制御が困難で
あり、また基質の種類によって反応性や安定性が異なる
ことなど、多くの課題を有している。ゆえに、その潜在
的な有用性が認められているにもかかわらず、一般的な
ペプチド製造法として認められるまでに至っていなかっ
た。これらの課題を解決すべく、これまでにも数々の改
良が重ねられてきた。例えば、Baileyらは、有機溶媒
中、低温(−40℃)条件下、L−アラニン−NCAと
グリシンとの縮合反応例を報告している(J. Chem. So
c., 8461 (1950).)。また、Robert G.D.らは、水溶液
中(pH10前後)、0から5℃条件下、L−フェニル
アラニン−NCAを用いたジペプチドの製造例を報告し
ている(J. Am. Chem. Soc., 88, 3163 (1966).)。あ
るいはまた、Thomas J. B. らは、L−アラニン−NC
AとL−プロリンを使った縮合反応に工業化の可能性が
あることを報告している(J. Org. Chem., 53, 836 (19
88).)。
置換型NCA類では、副反応である重合反応やラセミ化
反応を防ぐ為の至適条件が非常に限られており、工業的
には不向きである。
またはN−スルフェニル型置換基を導入することによっ
て重合制御等の課題を解決しようとする努力がなされて
きた。例えばN−メチル−NCA、N−エチル−NC
A、N−ニトロフェニルスルフェニル−NCA(Kriche
ldorf et.al. Angew. Chem. Acta,85(1978)86)、N−
キサンチル−NCA(Halstroem and Kovacs et. al. Ac
ta Chemica Scandvnavia, Ser.B 1986, BYO(6), 462,
米国特許第4,267,344号明細書)、N−トリチル−NCA
(Block and Cox et. al. 「Peptides, Proc.of the 5t
h Europ.Symp.,Oxford,September 1962, Pergramon Pre
ss 1963, G.T.Young編, 第84頁」)等が文献および特許
に報告されている。しかしながら、これら化合物自体の
製造法に一般性が無く、また重合制御等の効果が十分で
は無く、根本的な課題の解決に至っていない。
の窒素原子上にトリメチルシリル基を導入し反応性を制
御する試みがなされ、グリシン−NCAで実施された
(Bayer AG, DE 1768871)。これにより、深刻な副反応
の一つとされていた重合反応が抑えられる可能性が示唆
されたが、安定性の問題や製造費用増大の問題もあり、
その後その他のアミノ酸への応用はなされていない。ま
た窒素原子上に置換基を導入するというアイデアは、そ
の後Palomo C. らによって、窒素原子がベンジル基で保
護されたNCAを用いた非天然型のアミノ酸とアミン類
との縮合反応に応用されている(Chem. Commun., 7, 69
1 (1997).,Tetrahedron Lett., 38(17),3093(199
7).)。しかしこれら方法もまた目的とするNCAの合
成が多工程を必要とし、安価には製造が出来ず、加えて
合成可能なアミノ酸が制限される等の課題を有してい
た。
型の置換基の例が報告された。まずKricheldolf らが、
N−メトキシカルボニルグリシン−NCAとN−エトキ
シカルボニルグリシン−NCAの製造法を報告した(Ma
cromol. Chem., 178, 905 (1977).)。その後Fullerら
は、グリシン以外のアミノ酸でN−ウレタン置換型NC
AおよびN−ウレタン置換型チオカルボン酸無水物の製
造を報告した(Bio research Inc., 日本国特許公報第
2875834号明細書)。彼等は、これらN−ウレタ
ン置換型NCAを用いることで重合制御等の問題をみご
とに解決した。しかし彼等は高価なN−ウレタン基をア
ミノ基の保護基として使用したため、本来NCA類が有
している保護基を用いないで短工程かつ安価にアミド化
合物の製造ができるという利点を生かしきれていない。
また彼らは、N-ウレタン型のNCA以外の検討はまった
く行っておらず、N−アシル型のNCAに関しては、一
切記載していない。
アミド構造を置換基としてNCAに利用することで、重
合などの副反応を抑え、保護、脱保護の必要が無く、短
工程かつ安価なアミノ酸の誘導体化方法として期待され
るものである。例えば、所望のアミンと反応させること
で、アミノ基の保護基の着脱等の工程無しにジアミド化
合物を安価に合成できる可能性を有している。
合成報告例は極めて限られており、さらにいずれも一般
性の無い方法であった。例えば、Kricheldo等は前出の
論文(Macromol. Chem., 178, 905 (1977).)の中で、
3−(3,5−ジニトロベンゾイル)−4,4−ジメチ
ル−2,5−オキサゾリンジンジオンを報告している
が、N−アシル型NCAに関する彼らの報告例は、本一
例のみである。しかも、ここで使用されたアミノ酸は、
α位が2置換型で不斉炭素を有しておらず、他のアシル
基での例も無く汎用性に乏しい。
N−(3−オキソブタノイル)型置換基を有するNCA
が報告されている。窒素原子上の置換基に関しては、製
造方法としてジケテンを用いたN−(3−オキソブタノ
イル)基のみに限定されており、、広く一般的なアシル
基導入は出来ない。また式(2)、式(3)で示した化
合物については合成法の記載が無く(M. Wakselman et.
al. Amino Acids(1994)7:67-77, Reibel Leonard et. a
l. Bull.Soc.Chim.Fr.(1972),(3), 1025-319)、また論
文中には化合物の構造のみの記載であり、文献に従って
合成することは出来ない。
やウレタン置換型のNCAであり、更に有用性が高いと
期待されるN−アシル置換型のNCA類の製造およびそ
の利用については、未だ非常に困難あるいは不可能とさ
れている(「Peptides, Proc. of the 5th Europ. Sym
p., Oxford, September 1962」, Per gamon Press 196
3, G.T.Young編, 第84〜87頁/Yonezawa et al,「有機
合成化学」, 第47巻, 第9号, 782〜794頁(1989).)。
およびそれらを用いたアミド化反応によって製造される
各種アミノ酸誘導体は、医農薬をはじめとする多方面に
おいて有用な化合物または製造方法と成り得るものと期
待されるが、これまで、N−アシル置換型NCA類の一
般的な製造方法、およびそれらを用いた汎用性の高い、
工業的に優れたペプチド製造法は、ほとんど知られてい
なかった。
薬分野をはじめとする多方面において、極めて有用とさ
れる重要中間体であり、従来の製造技術では得られなか
った、窒素原子にN−アシル置換基を有する新規なアミ
ノ酸−N−カルボキシ無水物およびその製造方法を、ま
た該化合物を用いることによってラセミ化等の問題の生
じない、短工程で安価なジアミド化合物の製造法を提供
することである。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、窒素原子にN
−アシル型置換基を有する新規なアミノ酸−N−カルボ
キシ無水物を得ることに成功し、かつ該化合物を用いラ
セミ化等の問題を生じない新規なアミド化反応を見い出
し、本発明を完成するに至った。
基を有するアミノ酸−N−カルボキシ無水物は、下記式
(1)で示される構造を有する。
て置換されていてもよいアルキル基、置換されていても
よいシクロアルキル基、置換されていてもよいアラルキ
ル基、置換されていてもよいアリール基、置換されてい
てもよいヘテロ環または置換されていてもよいヘテロ環
アルキル基を表す。)。
合物としては、以下のものを挙げることができる。 1.上記式(1)で表される化合物のうち、以下のA及
びBのいずれにも該当しない化合物。
ピル基である化合物。
もよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキ
ル基または置換されていてもよいアラルキル基である化
合物。 3.上記式(1)のR2が置換されていてもよいアルキ
ル基、置換されていてもよいシクロアルキル基または置
換されていてもよいアラルキル基である化合物(但し、
上記A及びBである場合を除く)。 4.上記式(1)のR2が置換されていてもよいアリー
ル基である化合物。 5.上記式(1)のR2が置換されていてもよいアリー
ル基である化合物(但し、上記Bである場合を除く)。 6.上記式(1)のR2が置換されていてもよいヘテロ
環または置換されていてもよいヘテロ環アルキル基であ
る化合物。 7.上記式(1)におけるR1が保護または無保護アミ
ノ酸のα−炭素原子上の側鎖である化合物。 8.上記1〜6の構造を有し、かつR1が保護または無
保護アミノ酸のα−炭素原子上の側鎖である化合物。
の製造方法の第1の態様は、下記式(4):
で表わされるアミノ酸−N−カルボキシ無水物と、下記
式(5):
で表わされる化合物とを不活性希釈剤中、かつ縮合剤の
存在下で反応させる工程を有する。
の製造方法の第2の態様は、下記式(4):
で表されるアミノ酸−N−アルボキシ無水物と、下記式
(6):
はハロゲン原子を表す。)で表わされる化合物と、を不
活性希釈剤中で、かつアミン塩基の存在下で反応させる
工程を有する。
記と同義である。)で表わされるアミド誘導体の製造法
は、上記式(1)で表される化合物、例えば、上記1〜
8に例示した化合物と、下記式(7):
素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されて
いてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいア
ラルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換さ
れていてもよいヘテロ環または置換されていてもよいヘ
テロ環アルキル基を表す。)で表わされるアミン誘導体
と、を反応させる工程を有する。
合物の製造方法の他の態様は、上記式(1)で表される
化合物、例えば、上記1〜8に例示した化合物と、保護
または無保護アミノ酸と、を反応させる工程を有する。
詳細に説明する。
(7)および(8)のR1、R2、R3およびR4が表
す「置換されていてもよいアルキル基」とは、アルキル
基の任意の一部が置換されていてもよいアルキル基を意
味する。アルキル基としては、メチル基、エチル基、メ
トキシエチル基、フェノキシメチル基、ベンジルオキシ
メチル基、メチルチオメチル基、フェニルチオメチル
基、フルオレニルメチル基、フルオロエチル基、n−プ
ロピル基、クロロプロピル基、イソプロピル基、n−ブ
チル基、置換アミノ−n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基またはデ
シル基等を挙げることができる。
基」とは、シクロアルキル基の任意の一部が置換されて
いてもよいシクロアルキル基を意味する。シクロアルキ
ル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シ
クロペンチル基、エトキシシクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、tert−ブトキシシクロヘキシル基、ベン
ジルオキシシクロヘキシル基、ニトロシクロヘキシル
基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニ
ル基またはシクロデシル基等を挙げることができる。
は、アラルキル基の任意の一部が置換されていてもよい
アラルキル基を意味する。アラルキル基としては、ベン
ジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル
基、シンナミル基、ナフチルメチル基、3−クロロベン
ジル基、4−アミノベンジル基、2−ニトロベンジル
基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジヒドロキシベ
ンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基等を挙げるこ
とができる。
は、アリール基の任意の一部が置換されていてもよいア
リール基を意味する。アリール基としては、フェニル
基、トリル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル
基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ニトロフ
ェニル基、アミドフェニル基、フルオレニル基、ナフチ
ル基、ヒドロキシルナフチル基、アントラセニル基、フ
ェナントレニル基またはベンゾフェナントレニル基等が
挙げられる。
ヘテロ環の任意の一部が置換されていてもよいヘテロ環
を意味する。ヘテロ環としては、テトラヒドロピラニル
基、テトラヒドロフラニル基、アルキルテトラヒドロフ
ラニル基、テトラヒドロチエニル基、メチルスルホニル
テトラヒドロチエニル基、ピリジル基、ピラジル基、ピ
リミジル基、チエニル基、ヒドロキシピリジル基、イミ
ダゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、ピラゾロン
基、イソキサゾール基、イソチアゾール基、ピロール
基、フラン基、ナフチリジニル基、キノリル基、スルフ
ァモイルキノリル基またはシドノン基等を挙げることが
できる。
基」とは、ヘテロ環アルキル基の任意の一部が置換され
ていてもよいヘテロ環アルキル基を意味する。ヘテロ環
アルキル基としては、3−ピリジルメチル基、4−ピリ
ジルメチル基、6−メトキシ−3−ピリジルメチル基、
3−キノリルメチル基、N−メチル−4−イミダゾール
メチル基、2−アミノ−4−チアゾールメチル基、モル
ホリノメチル基等が挙げられる。
上の側鎖とは、例えばアラニンまたはバリン、ロイシ
ン、イソロイシン、tert−ロイシン、セリン、スレ
オニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギ
ン、グルタミン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニ
ン、システイン、シスチン、メチオニン、フェニルアラ
ニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、ホモセ
リンまたはオルニチン等のアミノ酸のα−炭素原子上の
側鎖である。代表的な前記側鎖としては次の式(9)〜
(29)に示すものが挙げられる。
慣用の方法及び保護基、例えば、通常使用されているア
ミノ保護基、チオール保護基及びカルボキシ保護基を用
いて保護されていてもよい。
化合物の製造方法の第1及び第2の態様において用い得
る不活性希釈剤としては、塩化メチレン、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロエタンまたはテトラクロロエ
タン等の含塩素有機溶媒、酢酸メチル、酢酸エチルまた
は酢酸ブチル等のエステル類、ジエチルエーテル、ジフ
ェニルエーテル、ジオキサンまたはテトラヒドロフラン
等のエーテル類の他、ヘキサン、液体二酸化硫黄、二硫
化炭素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロメタ
ン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドまたは1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン等を挙げることが出来る。これ
らは、必要に応じて1種を、あるいはこれらの2種以上
を組み合せて用いることができる。
オニルブロマイド、N,N−ジシクロヘキシルカルボジ
イミドまたは1,1−カルボニルジイミダゾール等を挙
げることが出来る。これらは、必要に応じて1種を、あ
るいはこれらの2種以上を組み合せて用いることができ
る。
は、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等を示す。
トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピル
エチルアミン、ピリジン、ルチジン、N,N−ジメチル
アニリン、N,N−ジメチルトルイジン、4−ジメチル
アミノピリジン、N−メチルモルホリン、ジアザビシク
ロウンデセンまたは1,8−ビス(ジメチルアミノ)ナ
フタレン等を挙げることが出来る。
用い得るアミン類である保護または無保護アミノ酸とし
ては、例えばアラニンまたはバリン、ロイシン、イソロ
イシン、tert−ロイシン、セリン、スレオニン、ア
スパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミ
ン、リジン、ヒドロキシリジン、アルギニン、システイ
ン、シスチン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシ
ン、トリプトファン、ヒスチジン、ホモセリンまたはオ
ルニチン等を挙げることができる。これらは、必要に応
じて1種を、あるいはこれらの2種以上を組み合せて用
いることができる。
が一つ以上の不斉炭素を有する場合には、当該誘導体は
異なった立体異性形態またはラセミ形態を含む立体形態
の混合物の形態で存在する事が出来る。
表46に例示する。ただし、これは本願発明化合物を制
限するものではない。なお、表中「Ph」はフェニル基
またはフェニレン基を表す。
に記載の化合物番号に一致する。
説明する。 [式(1)で示される窒素原子に置換基を有するアミノ
酸−N−カルボキシ無水物の製造法]式(1)で示され
る化合物は、式(4)で表わされるアミノ酸−N−カル
ボキシ無水物を、式(5)もしくは(6)と反応させる
ことにより製造できる。
物の製造において、原料として用いる式(4)に示すア
ミノ酸−N−カルボキシ無水物は、対応する入手可能な
アミノ酸をホスゲンと反応させることによって、或い
は、窒素原子がウレタン保護されたアミノ酸に三塩化リ
ン、塩化チオニル等を作用させることによって製造する
ことが出来る。
る化合物は、市販あるいは公知の方法による合成によっ
て容易に入手可能である。
は−50〜50℃である。また、反応時間は数分〜72
時間、好ましくは数分〜24時間である。
法]本発明のアミド化反応は、不活性希釈剤(例えば酢
酸エチル)中にN−置換型NCAを溶解させ、生成溶液
をを攪拌しながら冷却することにより製造し得る。ある
いは無希釈剤下でもよい。次いで所望のアミン類(保護
または無保護のアミノ酸類を含む)を不活性希釈剤(例
えば酢酸エチル)中に溶解させた溶液を滴下装入する。
アミン類の反応系内への装入も、無希釈剤下でもよい。
この混合物に、塩基(例えばN−メチルモルホリン、4
−ジメチルアミノピリジン等)を加える。塩基は必ずし
も加える必要はないが、該塩基は縮合反応を促進し且つ
該反応の間に生成した炭酸を除去し得る。
て、所望のアミン類1〜20当量、好ましくは、1〜5
当量であり、加える場合における塩基は0.1〜20当
量、好ましくは、0.1〜5当量である。
CAの濃度は、0.01〜50mol/l、好ましくは、0.
05〜20mol/lである。
は−50〜50℃である。また、反応時間は数分〜72
時間、好ましくは数分〜24時間である。
えば塩酸水溶液、硫酸水素カリウム水溶液)で洗浄する
ことによって未反応のアミン類を除く、或いはアルカリ
性水溶液(例えば水酸化ナトリウム水溶液、炭酸水素ナ
トリウム水溶液)で洗浄することによって分解などによ
る副反応生成物を除く、或いは適当な溶媒を用いた再結
晶等の操作により精製できる。本精製操作により得られ
たアミド誘導体は、極めて均質であり、これ以上の精製
をほとんど必要としない。さらに副生成物の混成が非常
に低いことから、収率は極めて高く、精製は容易であ
る。
ル型置換基を有するアミノ酸−N−カルボキシ無水物の
ラセミ化に関して説明する。該化合物は、光学活性なア
ミンと反応させることで容易に対応するジアステレオマ
ー化合物(ジアミド化合物)に導くことができる。導か
れたジアステレオマー化合物は、例えば高速液体クロマ
トグラフィーによる分析、または核磁気共鳴スペクトル
による分析等によってジアステレオマー過剰率が容易に
決定できることから、該化合物のラセミ化を確認するこ
とが可能である。本特許記載の化合物および製造方法で
は、適切な反応条件下に反応させることで、いずれの場
合も単一のジアステレオマー化合物(ジアミド化合物)
のみが得られることから、ラセミ化の問題は生じないこ
とが分かった.。
物の製造において、原料として用いる式(7)に示すR
3、R4で置換されたアミン類は、市販あるいは公知の
方法による合成によって容易に入手可能である。
するが、本発明はこれらによって制限されるものではな
い。 [実施例1] (S)−3−ベンゾイル−4−メチル−
2,5−オキサゾリジンジオン(L−N−ベンゾイルア
ラニン−NCA)の合成:例示化合物(1017)
ジンジオン(L−アラニン−NCA)(230mg, 2.0mmol)
を酢酸エチル(23ml)に溶解し、氷冷下にてベンゾイルク
ロライド(365mg, 2.6mmol)を加えた。さらに氷冷下にて
4−ジメチルアミノピリジン(318mg, 2.6mmol)を酢酸エ
チル(11ml)に溶解した溶液を、20分かけて滴下した。
そのまま0℃にて3時間攪拌した後、析出した塩を濾別
し、濾液を減圧濃縮した。濃縮残査を酢酸エチル(5ml)
とヘキサン(5ml)の混合溶媒に再溶解し、不溶物を濾別
した。濾液を減圧濃縮し、表題の目的物を白色結晶(351
mg, 80%)として得た。 融点:104.2〜105. 1℃(dec.) 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ1.74(3H, d, J=6.8Hz),
5.13(1H, q, J=6.8Hz), 7.44-7.54(2H, m), 7.61-7.65
(1H, m), 7.72-7.75(2H, m). IR(KBr)νmax 3379, 3074, 2991, 1865, 1822, 1698 cm
-1。
−メチル−2,5−オキサゾリジンジオン(L−N−ベ
ンゾイルアラニン−NCA)の合成:例示化合物(10
17) 4−ジメチルアミノピリジン(61mg, 0.5mmol)とN−メ
チルモルホリン(152mg,1.5mmol)を酢酸エチル(15 ml)に
溶解し、氷冷下にて(S)−4−メチル−2,5−オキ
サゾリジンジオン(L−アラニン−NCA)(230mg, 2.
0mmol)を加えた。さらに氷冷下にてベンゾイルクロライ
ド(281mg, 2.0mmol)を酢酸エチル(7ml)に溶解した溶液
を、20分かけて滴下した。そのまま0℃にて2時間攪
拌した後、析出した塩を濾別し、濾液を減圧濃縮した。
濃縮残査を酢酸エチル(5ml)とヘキサン(5ml)の混合溶媒
に再溶解し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮し、表
題の目的物を白色結晶(324mg, 74%)として得た。
−イソプロピル−2,5−オキサゾリジンジオン(L−
N−ベンゾイルバリン−NCA)の合成:例示化合物
(3017)
酢酸エチル(21ml)に溶解し、氷冷下にて(S)−4−イ
ソプロピル−2,5−オキサゾリジンジオン(L−バリ
ン−NCA)(286mg, 2.0mmol)を加えた。さらに氷冷下
にて4−ジメチルアミノピリジン(257mg, 2.1mmol)を酢
酸エチル(11ml)に溶解した溶液を、20分かけて滴下し
た。そのまま0℃から自然昇温させ、室温にて2時間攪
拌した後、析出した塩を濾別し、濾液を減圧濃縮した。
濃縮残査を酢酸エチル(5ml)とヘキサン(5ml)の混合溶媒
に再溶解し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮し、表
題の目的物を白色結晶(351mg, 80%)として得た。 融点:124.8〜125.9℃(dec.) 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ1.09(3H, d, J=6.8Hz),
1.26(3H, d, J=7.1Hz), 2.51(1H, m), 5.09( 1H, d, J=
3.7Hz), 7.47-7.52(2H, m), 7.62-7.66(1H, m), 7.74-
7.77(2H, m). IR(KBr)νmax 2969, 2937, 2879, 1862, 1816, 1694 cm
-1。
−tert−ブチル−2,5−オキサゾリジンジオン
(L−N−ベンゾイル−tert−ロイシン−NCA)
の合成:例示化合物(9017)
イド(295mg, 2.1mmol)、(S)−4−tert−ブチル
−2,5−オキサゾリジンジオン(L−tert−ロイ
シン−NCA)(314mg, 2.0mmol)、4−ジメチルアミノ
ピリジン(257mg, 2.1mmol)、酢酸エチル(32ml)を用い、
表題の目的物を白色結晶(341mg, 65%)として得た。 融点:127.8〜128.9℃(dec.) 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ1.15(9H, s), 5.10(1H,
s), 7.52(2H, t, J=8.1Hz), 7.67(1H,t, J=7.3Hz), 7.8
6(2H, dd,J=1.2,8.3Hz). IR(KBr)νmax 2983, 2963, 2876, 1860, 1808, 1704 cm
-1。
−フェニル−2,5−オキサゾリジンジオン(L−N−
ベンゾイルフェニルアラニン−NCA)の合成:例示化
合物(35017)
イド(295mg, 2.1mmol)、(S)−4−フェニル−2,5
−オキサゾリジンジオン(L−フェニルアラニン−NC
A)(382mg , 2.0mmol)、4−ジメチルアミノピリジン
(257mg, 2.1mmol) 、酢酸エチル(32ml)を用い、表題の
目的物を白色結晶(476mg, 81%)として得た。 125.8〜126.4℃(dec.) 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ3.50(1H, d, J=2.9Hz),
3.51(1H, d, J=5.6Hz), 5.36(1H, dd, J=2.9, 5.6Hz),
7.09-7.11(2H, m), 7.31-7.36(3H, m), 7.39-7.45(4H,
m) , 7.57-7.60(1H, m). IR(KBr)νmax 3070, 3031, 1867, 1786, 1708 cm-1。
−ベンジルオキシカルボニルエチル−2,5−オキサゾ
リジンジオン(L−N−ベンゾイル−O−ベンジルグル
タミン酸−NCA)の合成:例示化合物(17017)
イド(295mg, 2.1mmol)、(S)−4−ベンジルオキシカ
ルボニルエチル−2,5−オキサゾリジンジオン(L−
N−ベンゾイル−O−ベンジルグルタミン酸−NCA)
(527mg, 2.0mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(257m
g, 2.1mmol) 、酢酸エチル(32ml)を用い、表題の目的物
を白色結晶(573mg, 78%)として得た。 融点:94.5〜94.9℃(dec.) 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ2.47-2.50(2H, m), 2.53-
2.63(2H, m), 5.09(1H,d, J=12.0Hz), 5.14(1H, d, J=1
2.2Hz), 5.21(1H, t, J=5. 5Hz), 7.32-7.39(5H, m),
7.43-7.47(2H, m), 7.61(1H, t, J=7.6Hz), 7.69(2H, d
d, J=1.2, 8.1Hz). IR(KBr)νmax 3258, 3065, 2964, 1869, 1805, 1731, 1
701 cm-1。
ンゾイル)−4−メチル−2,5−オキサゾリジンジオ
ン(L−N−(p−メチルベンゾイル)−アラニン−N
CA)の合成:例示化合物(1026)
2.0mmol)を酢酸エチル(5ml)に溶解し、氷冷下にて
(S)−4−メチル−2,5−オキサゾリジンジオン
(L−アラニン−NCA)(230mg, 2.0mmol)を加えた。
さらに氷冷下にて4−ジメチルアミノピリジン(244mg,
2.0mmol)を酢酸エチル(10ml)に溶解した溶液を、20分
かけて滴下した。そのまま0℃にて2時間攪拌した後、
析出した塩を濾別し、濾液を減圧濃縮した。濃縮残査を
酢酸エチル(5ml)とヘキサン(5ml)の混合溶媒に再溶解
し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮し、表題の目的
物 (152mg, 33%)を無色透明シロップとして得た。 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ1.72(3H, d, J=7.1Hz),
2.44(3H, s), 5.14(1H, q, J=7.1Hz), 7.29(2H, d, J=
8.1Hz), 7.65(2H, d, J=8.3Hz). IR(KBr)νmax 3278, 2998, 2942, 1853, 1835, 1694 cm
-1。
ゾイル)−4−メチル−2,5−オキサゾリジンジオン
(L−N−(p−ブロモベンゾイル)−アラニン−NC
A)の合成:例示化合物(1035)[化22]
イルクロライド(439mg, 2.0mmol)、(S)−4−メチル
−2,5−オキサゾリジンジオン(L−アラニン−NC
A)(230mg, 2.0mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(2
44mg, 2.0mmol) 、酢酸エチル(15ml)を用い、表題の目
的物(238mg, 40%)を無色透明シロップとして得た。 1H-N.M .R.(CDCl3, 400MHz) δ1.74(3H, d, J=6.8Hz),
5.13(1H, q, J=6.8Hz),7.61(2H, d, J=2.3Hz), 7.63(2
H, d, J=2.3Hz). IR(KBr)νmax 3350, 2998, 2942, 1855, 1840, 1698 cm
-1。
メチル−2,5−オキサゾリジンジオン(L−N−アセ
チルアラニン−NCA)の合成:例示化合物(100
1)
ジンジオン(L−アラニン−NCA)(345mg, 3mmol)を
酢酸エチル(20ml)に溶解し、氷冷下にてアセチルクロラ
イド(306mg, 3.9mmol)を加えた。さらに氷冷下にてN−
メチルモルホリン(394mg, 3.9mmol)を酢酸エチル(10ml)
に溶解した溶液を、20分かけて滴下した。そのまま0
℃にて2時間攪拌した後、析出した塩を濾別し、濾液を
減圧濃縮した。濃縮残査をクロロホルム(5ml)に再溶解
し、不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮し、表題の目的
物(350mg, 7 4%)を無色透明シロップとして得た。 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ1.69(3H, d, J=6.9Hz),
2.59(3H, s), 4.80(1H, q, J=6.9Hz). IR(neat)νmax 3405, 2945, 1864, 1794, 1720 cm-1。
−メチル−2,5−オキサゾリジンジオン(L−N−ア
セチルアラニン−NCA)の合成:例示化合物(100
1) (S)−4−メチル−2,5−オキサゾリジンジオン
(L−アラニン−NCA)(345mg, 3mmol)を酢酸エチル
(20ml)に溶解し、氷冷下にてアセチルクロライド(306m
g, 3.9mmol)を加えた。さらに氷冷下にて4−ジメチル
アミノピリジン(476mg,3.9mmol)を酢酸エチル(15ml)に
溶解した溶液を、20分かけて滴下した。そのまま0℃
にて2時間攪拌した後、析出した塩を濾別し、濾液を減
圧濃縮した。濃縮残査を酢酸エチル(5ml)に再溶解し、
不溶物を濾別した。濾液を減圧濃縮し、表題の目的物(1
18mg, 25%)を無色透明シロップとして得た。
4−メチル−2,5−オキサゾリジンジオン(L−N−
デカノイルアラニン−NCA)の合成:例示化合物(1
013)
ジンジオン(L−アラニン−NCA)(345mg, 3mmol)を
酢酸エチル(20ml)に溶解し、氷冷下にてデカノイルクロ
ライド(744mg, 3.9mmol)を加えた。さらに氷冷下にてN
−メチルモルホリン(394mg,3.9mmol)を酢酸エチル(10m
l)に溶解した溶液を、20分かけて滴下し後、そのまま
の温度で2時間攪拌した。反応液を実施例8の合成法5
と同様に処理し、表題の目的物(525mg, 65%)を無色透明
シロップとして得た。さらに、得られたシロップの一部
をヘキサンから結晶化を行い、白色結晶(280mg)を得
た。 融点:61〜63℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ0.88(3H, t, J=6.9Hz),
1.27(12H, bs), 1.68(3H,d, J=7.3Hz), 1.73-1.60(2H,
m), 2.93(2H, t, J=7.6Hz), 4.81(1H, q, J=7.3Hz). IR(KBr)νmax 2926, 2857, 1868, 1801, 1715 cm-1。
ルプロパノイル)−4−メチル−2,5−オキサゾリジ
ンジオン(L−N−(3−フェニルプロパノイル)−ア
ラニン−NCA)の合成:例示化合物(1019)
ジンジオン(L−アラニン−NCA)(345mg, 3mmol)を
酢酸エチル(20ml)に溶解し、氷冷下にて3−フェニルプ
ロパノイルクロライド(658mg, 3.9mmol)を加えた。さら
に氷冷下にてN−メチルモルホリン(394mg, 3.9mmol)を
酢酸エチル(10ml)に溶解した溶液を、20分かけて滴下
し後、そのままの温度で2時間攪拌した。反応液を実施
例8の合成法5と同様に処理し、表題の目的物(408mg,
55%)を無色透明シロップとして得た。 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ1.64(3H, d, J=6.8Hz),
3.03-2.99(2H, m), 3.29-3.19(2H, m), 4.78(1H, q, J=
6.8Hz), 7.32-7.18(5H, m). IR(neat)νmax 3405, 2910, 2850, 1860, 1803, 1720 c
m-1。
ル−L−フェニルアラニン メチルエステル(30)の
合成
塩酸塩(518mg, 2.4mmol)をテトラヒドロフラン(12ml)に
懸濁し、0℃にてN−メチルモルホリン(242mg, 2.4mmo
l)を加え20分間攪拌を行った。0℃にて(S)−3−ベ
ンゾイル−4−メチル−2,5−オキサゾリジンジオン
(N−ベンゾイル−L−アラニン−NCA)(438mg,2mm
ol)を結晶として加え、15分間攪拌した後、室温まで昇
温し15分間攪拌した。反応液を1N−塩酸(25ml)に注加
し、酢酸エチル(25ml)で目的物を抽出した。有機層を飽
和重曹水(25ml)、飽和食塩水(25ml)で順次洗浄し、無水
硫酸マグネシウムにて乾燥を行った。有機層を減圧濃縮
し得られた白色固体を、ヘキサン−酢酸エチルで洗浄
し、目的の表題化合物(462mg,65%)を白色結晶として得
た。 融点=134〜135℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 1.45(3H, d, J=7.0Hz),
3.05(1H, dd, J=13.9, 6.8Hz), 3.16(1H, dd, J=13.9,
5.6Hz), 3.74(3H, s,), 4.71(1H, quintet, J=7.0Hz),
4.88-4.85(1H, m), 6.78-6.74(2H, m), 7.16-7.06(5H,
m), 7.53-7.42(3H, m), 7.77(2H, d, J=7.0Hz). IR(KBr)νmax 3298, 3062, 3025, 2976, 2932, 1741, 1
661, 1630, 1536, 1451cm-1。
ニン−(S)−1−(p−トリル)エチルアミド(3
1)の合成
2,5−オキサゾリジンジオン(N−ベンゾイル−L−
アラニン−NCA)(110mg, 0.50mmol)を酢酸エチル(2.
5ml)に溶解し、0℃にて、酢酸エチル(2.5ml)に溶解さ
せた(S)−1−(p−トリル)エチルアミン(68mg,
0.50mmol)を加えた。次いで、酢酸エチル(3.0ml)に溶解
させたN−メチルモルホリン(61mg, 0.6mmol)を加え、
30分間攪拌した。反応液を1N−塩酸(10ml)に注加
し、酢酸エチル(10ml)で目的物を抽出した。有機層を飽
和重曹水(10ml)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄し、無水
硫酸マグネシウムにて乾燥を行った。有機層を減圧濃
縮、目的の表題化合物(149mg, 97%)を白色結晶として得
た。 融点=158.6〜160.1℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 1.46(3H, d, J=7.2Hz),
1.48(3H, d, J=6.8Hz),2.33(3H, s), 4.80 (1H, quinte
t, J=7.1Hz), 5.06(1H, quintet, J=7.1Hz), 7.15(2H,
d, J=8.1Hz), 7.25(2H, d, J=8.1Hz), 7.40-7.43(1H,
m), 7.43(2H, d,J=7.6Hz), 7.79(2H, d, J=7.6Hz). IR(KBr)νmax 3308, 2978, 2935, 1660, 1639, 1603, 1
580, 1527, 1490 cm-1。
ン−(S)−1−(p−トリル)エチルアミド(32)
の合成
ル−2,5−オキサゾリジンジオン(N−ベンゾイル−
L−バリン−NCA)(100mg, 0.40mmol)を酢酸エチル
(2.0ml)に溶解し、0℃にて、酢酸エチル(2.0ml)に溶解
させた(S)−1−(p−トリル)エチルアミン(55mg,
0.40mmol)、N−メチルモルホリン(61mg, 0.60mmol)を
加え、30分間攪拌した。反応液を1N−塩酸(10ml)に
注加し、酢酸エチル(10ml)で目的物を抽出した。有機層
を飽和重曹水(10ml)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄し、
無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行った。有機層を減圧
濃縮、目的の表題化合物(134mg, 98%)を白色結晶として
得た。 融点=214.4〜215.3℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 0.95(3H, d, J=6.6Hz),
0.96(3H, d, J=6.8Hz),1.42(3H, d, J=6.8Hz), 2.13-2.
21(1H, m), 2.33(3H, s), 4.53(1H, dd, J=8.5,7.3Hz),
5.06(1H, quintet, J=7.3Hz), 6.70(1H, brd, J=7.8H
z), 6.98(1H, brd, J=8.8Hz), 7.14(2H, d, J=7.8Hz),
7.21(2H, d, J=8.3Hz), 7.41(2H, t, J=8.1Hz), 7.50(1
H, t, J=7.5Hz), 7.79(2H, dd, J=8.1, 1.5Hz). IR(KBr)νmax 3284, 3059, 2970, 2927, 2871, 1654, 1
633, 1579, 1541, 1490cm-1。
rt−ロイシン−(S)−1−(p−トリル)エチルア
ミド(33)の合成
ブチル−2,5−オキサゾリジンジオン(N−ベンゾイ
ル−L−tert−ロイシン−NCA)(100mg, 0.38mm
ol)を酢酸エチル(2.0ml)に溶解し、0℃にて、酢酸エチ
ル(2.0ml)に溶解させた(S)−1−(p−トリル)エ
チルアミン(52mg, 0.38mmol)を加え、30分間攪拌し
た。反応液を1N−塩酸(10ml)に注加し、酢酸エチル(1
0ml)で目的物を抽出した。有機層を飽和重曹水(10ml)、
飽和食塩水(10ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウム
にて乾燥を行った。有機層を減圧濃縮、目的の表題化合
物(66mg, 49%)を白色結晶として得た。 融点=144.0〜144.8℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 1.00(9H, s), 1.43(3H,
d, J=6.8Hz), 2.34(3H,s), 4.51(1H, d, J=9.3Hz), 5.0
7(1H, quintet, J=7.3Hz), 6.38(1H, brd, J=7.6Hz),
6.96(1H, brd, J=7.0Hz), 7.14(2H, d, J=7.8Hz), 7.21
(2H, d, J=8.1Hz), 7.43(2H, t, J=7.8Hz), 7.51(1H,
t, J=7.3Hz), 7.79(2H, dd, J=8.3, 1.2Hz). IR(KBr)νmax 3274, 3065, 2968, 2872, 1636, 1579, 1
525 cm-1。
ニルアラニン−(S)−1−(p−トリル)エチルアミ
ド(34)の合成
5−オキサゾリジンジオン(N−ベンゾイル−L−フェ
ニルアラニン−NCA)(100mg, 0.34mmol)を酢酸エチ
ル(2.0ml)に溶解し、0℃にて、酢酸エチル(2.0ml)に溶
解させた(S)−1−(p−トリル)エチルアミン(46m
g, 0.34mmol)を加え、30分間攪拌した。反応液を1N
−塩酸(10ml)に注加し、酢酸エチル(10ml)で目的物を抽
出した。有機層を飽和重曹水(10ml)、飽和食塩水(10ml)
で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行っ
た。有機層を減圧濃縮、目的の表題化合物(110mg, 84%)
を白色結晶として得た。 融点=214.2〜214.9℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 1.38(3H, d, J=7.1Hz),
2.34(3H, s,), 3.05(1H,dd, J=13.4, 8.5Hz), 3.20(1H,
dd, J=13.4, 5.6Hz), 4.82(1H, dt, J=8.3, 5.6Hz),
4.99(1H, quintet, J=7.2Hz), 6.03(1H, brd, J=7.8H
z), 6.96(1H, brd,J=5.9Hz), 6.98(1H, d, J=8.1Hz),
7.09(1H, d, J=7.8Hz), 7.14-7.17(1H, m),7.18(4H,
m), 7.42(2H, dt, J=7.8, 1.2Hz), 7.50(1H, t, J=7.3H
z), 7.74(2H,dd, J=8.3, 1.2Hz). IR(KBr)νmax 3289, 3063, 3030, 2974, 2926, 1653, 1
632, 1604, 1579, 1541cm-1。
ジル−L−グルタミン酸−(S)−1−(p−トリル)
エチルアミド(35)の合成
キシカルボニルエチル−2,5−オキサゾリジンジオン
(L−N−ベンゾイル−O−ベンジルグルタミン酸−N
CA)(100mg, 0.27mmol)を酢酸エチル(2.0ml)に溶解
し、0℃にて、酢酸エチル(2.0ml)に溶解させた(S)
−1−(p−トリル)エチルアミン(37mg,0.27mmol)、
N−メチルモルホリン(28mg, 0.27mmol)を加え、30分
間攪拌した。反応液を1N−塩酸(10ml)に注加し、酢酸
エチル(10ml)で目的物を抽出した。有機層を飽和重曹水
(10ml)、飽和食塩水(10ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムにて乾燥を行った。有機層を減圧濃縮、目的の
表題化合物(106mg, 85%)を白色結晶として得た。 融点=123.4〜124.9℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 1.43(3H, d, J=7.1Hz),
2.04-2.23(2H, m), 2.32(3H, s), 2.34-2.67(2H, m),
4.69-4.74(1H, m), 5.00-5.07(1H, m), 5.10(2H,s), 6.
85-6.94(1H, m), 7.12(2H, d, J=8.2Hz), 7.19(2H, d,
J=8.2Hz), 7.29-7.36(6H, m), 7.40-7.45(2H, m), 7.49
-7.52(1H, m), 7.80(2H, dd, J=8.3, 1.2Hz). IR(KBr)νmax 3289, 3060, 3032, 2974, 2931, 1726, 1
630, 1579, 1534 cm-1。
ン−(S)−1−(p−トリル)エチルアミド(36)
の合成
5−オキサゾリジンジオン(N−アセチル−L−アラニ
ン−NCA)(424mg, 2.7mmol)を酢酸エチル(10ml)に溶
解し、0℃にて(S)−1−(p−トリル)エチルアミ
ン(406mg, 3mmol)を加え、30分間攪拌した。反応液を
1N−塩酸(25ml)に注加し、酢酸エチル(25ml)で目的物
を抽出した。有機層を飽和重曹水(25ml)、飽和食塩水(2
5ml)で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥を行
った。有機層を減圧濃縮し得られた白色固体を、ヘキサ
ン−酢酸エチルで洗浄し、目的の表題化合物(380mg, 57
%)を白色結晶として得た。 融点=201〜203℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 1.32(3H, d, J=7.9Hz),
1.44(3H, d, J=7.9Hz),1.98(3H, s), 2.32(3H, s), 4.5
4(1H, quintet, J=7.9Hz), 5.01(1H, quintet,J=7.9H
z), 6.48(1H, brd, J=7.9Hz), 6.88(1H, brd, J=7.9H
z), 7.20-7.10(4H,m). IR(KBr)νmax 3292, 1633, 1546, 1444 cm-1。
ニル−L−フェニルアラニン メチルエステル(37)
の合成
塩酸塩(259mg, 1.2mmol)をテトラヒドロフラン(6ml)に
懸濁し、0℃にてN−メチルモルホリン(121mg, 1.2mmo
l)を加え20分間攪拌を行った。0℃にて(S)−3−デ
カノイル−4−メチル−2,5−オキサゾリジンジオン
(N−デカノイル−L−アラニン−NCA)(270mg,1mm
ol)を結晶として加え、5分間攪拌した後、室温まで昇
温し30分間攪拌した。反応液を実施例19と同様に処
理し、目的の表題化合物(289mg, 71 %)を白色結晶とし
て得た。 融点=120〜122℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 0.88(3H, t, J=6.8Hz),
1.30-1.25(12H, m), 1.32(3H, d, J=7.1Hz), 1.61-1.58
(2H, m), 2.15(2H, t, J=7.8Hz), 3.06(1H, dd,J=6.6,
13.9Hz), 3.14(1H, dd, J=5.6, 13.9Hz), 3.72(3H, s),
4.50-4.44(1H,m), 4.85-4.80(1H, m), 6.00(1H, brd,
J=7.8Hz), 6.57(1H, brd, J=7.8Hz), 7.11-7.09(2H,
m), 7.30-7.23(3H, m). IR(KBr)νmax 3298, 3061, 2923, 2852, 1750, 1644, 1
541, 1453 cm-1。
ニン−(S)−1−(p−トリル)エチルアミド(3
8)の合成
2,5−オキサゾリジンジオン(N−デカノイル−L−
アラニン−NCA)(100mg, 0.37mmol)をテトラヒドロ
フラン(3ml)に溶解し、0℃にて(S)−1−(p−ト
リル)エチルアミン(49mg, 0.36mmol)およびN−メチル
モルホリン(37mg, 0.36mmol)を加え、30分間攪拌し
た。反応液を実施例19と同様に処理し、目的の表題化
合(103mg, 77 %)を白色結晶として得た。 融点=153〜154℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 0.88(3H, t, J=6.8Hz),
1.33-1.20(12H, m), 1.33(3H, d, J=6.8Hz), 1.44(3H,
d, J=6.8Hz), 1.71-1.59(2H, m), 2.18(2H, t, J=7.2H
z), 2.33(3H, s), 4.53(1H, quintet, J=6.8Hz), 5.02
(1H, quintet, J=6.8Hz), 6.28(1H, brs), 6.84(1H, br
s), 7.13(2H, d, J=8.1Hz), 7.20(2H, d, J=8.1Hz). IR(KBr)νmax 3297, 2920, 2852, 1638, 1556, 1452 cm
-1。
ニンブチルアミド(39)の合成
2,5−オキサゾリジンジオン(N−デカノイル−L−
アラニン−NCA)(270mg, 1mmol)をテトラヒドロフラ
ン(6ml)に溶解し、0℃にてブチルアミン(146mg, 2mmo
l)を加え、30分間攪拌した。反応液を実施例19と同
様に処理し、目的の表題化合物(217mg, 73 %)を白色結
晶として得た。 融点=128〜130℃ 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 0.88(3H, t, J=6.8Hz),
0.92(3H, t, J=7.3Hz),1.36-1.26(14H, m), 1.36(3H,
d, J=7.6Hz), 1.52-1.45(2H, m), 1.63-1.57(2H,m), 2.
23-2.15(2H, m), 3.27-3.21(2H, m), 4.51(1H, quinte
t, J=7.6Hz), 6.34(1H, brd, J=7.6Hz), 6.61(1H, br
s). IR(KBr)νmax 3295, 3096, 2959, 2925, 2853, 1634, 1
545, 1468 cm-1。
ニンモルホリノアミド(40)の合成
2,5−オキサゾリジンジオン(N−デカノイル−L−
アラニン−NCA)(100mg, 0.37mmol)をテトラヒドロ
フラン(3ml)に溶解し、0℃にてモルホリン(52mg, 0.6m
mol)を加え、30分間攪拌した。反応液を実施例19と
同様に処理し、目的の表題化合物(112mg, 97 %)を無色
透明シロップとして得た。 1H-N.M.R.(CDCl3, 400MHz) δ 0.88(3H, t, J=6.9Hz),
1.32-1.19(12H, m), 1.31(3H, d, J=7.8Hz), 1.64-1.59
(2H, m), 2.20(2H, t, J=7.6Hz), 3.61-3.47(4H,m), 3.
73-3.66(4H, m), 4.89(1H, quintet, J=7.8Hz), 6.60-
6.55(1H, m). IR(neat)νmax 3308, 2926, 2856, 1637, 1535, 1466 c
m-1。
遊離アミン類等の求核試薬と容易に反応し、この化合物
を用いることで、アミノ酸誘導体、光学活性化合物、ペ
プチドあるいはポリペプチド等をラセミ化すること無
く、高収率で、大量かつ安価に製造可能である。よって
本発明の新規化合物および新規製造法は、医農薬分野を
はじめとする多方面において極めて有用であり、工業的
に優れた方法と成り得る。
Claims (10)
- 【請求項1】 式(1): 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して置換されて
いてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロア
ルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテ
ロ環または置換されていてもよいヘテロ環アルキル基を
表す。)で表される窒素原子に置換基を有するアミノ酸
−N−カルボキシ無水物。 - 【請求項2】 式(1): 【化2】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して置換されて
いてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロア
ルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換さ
れていてもよいアリール基、置換されていてもよいヘテ
ロ環または置換されていてもよいヘテロ環アルキル基を
表す。但し、R2が2−オキソプロピル基である化合
物、下記式(2)の化合物及び下記式(3)の化合物を
除く。) 【化3】 で表される窒素原子に置換基を有するアミノ酸−N−カ
ルボキシ無水物。 - 【請求項3】 R2が置換されていてもよいアルキル
基、置換されていてもよいシクロアルキル基または置換
されていてもよいアラルキル基である請求項1または2
に記載のアミノ酸−N−カルボキシ無水物。 - 【請求項4】 R2が置換されていてもよいアリール基
である請求項1または2に記載のアミノ酸−N−カルボ
キシ無水物。 - 【請求項5】 R2が置換されていてもよいヘテロ環ま
たは置換されていてもよいヘテロ環アルキル基である請
求項1または2に記載のアミノ酸−N−カルボキシ無水
物。 - 【請求項6】 R1が保護または無保護アミノ酸のα−
炭素原子上の側鎖である請求項1から5のいずれかに記
載のアミノ酸−N−カルボキシ無水物。 - 【請求項7】 式(4) 【化4】 (式中、R1は請求項1と同義である。)で表わされる
アミノ酸−N−カルボキシ無水物と、式(5): 【化5】 (式中、R2は請求項1と同義である。)で表わされる
化合物とを不活性希釈剤中、かつ縮合剤の存在下で反応
させることを特徴とする、式(1)で表わされる窒素原
子に置換基を有するアミノ酸−N−カルボキシ無水物の
製造法。 - 【請求項8】 式(4): 【化6】 (式中、R1は請求項1と同義である。)で表わされる
アミノ酸−N−カルボキシ無水物と、式(6): 【化7】 (式中、R2は請求項1と同義であり、Yはハロゲン原
子を表す。)で表わされる化合物と、を不活性希釈剤中
で、かつアミン塩基の存在下で反応させる工程を有する
請求項1に記載のアミノ酸−N−カルボキシ無水物の製
造法。 - 【請求項9】 請求項1から7のいずれかに記載の窒素
原子に置換基を有するアミノ酸−N−カルボキシ無水物
と、式(7): 【化8】 (式中、R3、R4はそれぞれ独立して水素原子、置換
されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシ
クロアルキル基、置換されていてもよいアラルキル基、
置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよ
いヘテロ環または置換されていてもよいヘテロ環アルキ
ル基を表す。)で表わされるアミン誘導体と、を反応さ
せる工程を有する式(8): 【化9】 (式中、R1、R2、R3およびR4は前記と同義であ
る。)で表わされるアミド誘導体の製造法。 - 【請求項10】 請求項1から6のいずれかに記載の窒
素原子に置換基を有するアミノ酸−N−カルボキシ無水
物と、保護または無保護アミノ酸と、を反応させる工程
を有する請求項9記載のアミド誘導体の製造法。
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JP2020083882A (ja) * | 2018-11-15 | 2020-06-04 | 国立大学法人神戸大学 | アミノ酸−n−カルボン酸無水物の製造方法 |
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- 2001-07-04 JP JP2001203971A patent/JP3868230B2/ja not_active Expired - Fee Related
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