JP7077301B2 - 乳化組成物 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1では、脱金属アラビアガムと、油性物質と、5~30質量%のエタノールを含有することを特徴とする乳化組成物が提案されている。また、特許文献2では、60℃以上で加熱処理又は乾燥処理することによって得られた改質アラビアガムを含有することを特徴とする乳化組成物が提案されている。
しかし、より乳化安定性に優れた組成物の開発が求められている。
このような飲料製品の曇りは、例えば、曇り剤を用いて、飲料にO/Wエマルションを含有させることにより実現される。
当該曇り剤によれば、油相の成分により、飲料に好ましい香り等の新たな性質を付与することも可能である。
例えば、公知の曇り剤として、特許文献3には、臭素化油と、低密度の香油又は植物との組合せに基づく曇り剤が提案されている。
当該曇りは、飲料の品質維持の観点から、長期的に、及び/又は厳しい条件下においても、保持されることが望ましい。
しかし、通常、エマルションは、2つの混和しない液体に分離する傾向を有する、熱力学的に不安定な2相系であるので、これが、長期的に、及び/又は厳しい条件下においても、保持されることは、本来的に困難である。
エマルションが壊れると、例えば、エマルションに含有されていた油相は、浮遊して、前記飲料製品を内封する容器の上部の内側に見苦しい環として現れるか、又は逆に沈降して見苦しい沈澱として現れる場合がある。
飲料等の液体製品に安定な曇りを付与できる(すなわち、不透明度を増強できる)曇り剤、特にそれ自体の安定性も高い曇り剤は有用である。
しかし、本発明者らは鋭意検討の結果、驚くべきことに、一定の分子量を有するアラビアガムに対して特定量の塩(例えば、塩化ナトリウム等)を添加することで、乳化組成物の安定性を向上させられることを見出した。
水、
油性成分、
分子量が100万以上であるアラビアガム、及び
塩
を含有し、且つ
前記塩の含有量が、前記アラビアガム100質量部に対し、90質量部以下である、
乳化組成物。
項A2.前記塩の含有量が、前記アラビアガム100質量部に対し、0.1~90質量部である、乳化組成物。
項A3.前記油性成分の含有量が、0.1~50質量%の範囲内である、
項A1又はA2に記載の乳化組成物。
項A4.前記油性成分の含有量が、前記水100質量部に対し、0.1~300質量部の範囲内である、
項A1~A3のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項A5.前記アラビアガムの含有量が、5~35質量%の範囲内である、
項A1~A4のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項A6.前記アラビアガムの含有量が、前記油性成分100質量部に対し、10~35000質量部の範囲内である、
項A1~A5のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項A7.前記塩が、周期表第1族又は第2属に属する元素の塩である、
項A1~A6のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項A8.前記塩の含有量が、0.01~10質量%の範囲内である
項A1~A7のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項A9.更に、多価アルコールを含有する、
項A1~A8のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項A10.前記多価アルコールが、プロピレングリコール、及びグリセリンからなる群より選択される1種以上である、項A9に記載の乳化組成物。
項A11.前記乳化組成物が、乳化香料製剤、乳化色素製剤、乳化栄養強化剤製剤、乳化機能性素材製剤又は曇り剤である、
項A1~A10のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項A12.項A1~A11のいずれか一項に記載の乳化組成物を含有する水性組成物。
項A13.項A1~A11のいずれか一項に記載の乳化組成物を含有する飲食品。
項A14.前記飲食品が飲料である、項A13に記載の飲食品。
項A15.
水、
油性成分、及び
分子量が100万以上であるアラビアガム、
を含有する乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法であって、
前記組成物に塩を含有させる工程を含み、且つ、
前記塩の含有量が、前記アラビアガム100質量部に対し、90質量部以下である、方法
項A16.
前記塩を含有させる工程が、
一部又は全て乳化粒子の形成前に実施される、
項A15に記載の乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法。
水、
油性成分、
非修飾又は修飾アラビアガム、及び
0.01質量%以上10質量%未満の塩
を含有する乳化組成物(カルナウバロウを含有するものを除く)。
項B2.
前記油性成分の含有量が、0.1~50質量%の範囲内である項B1に記載の乳化組成物。
項B3.
前記油性成分の含有量が、前記水100質量部に対し、0.1~300質量部の範囲内である項B1又はB2に記載の乳化組成物。
項B4.
前記アラビアガムの含有量が、5~35質量%の範囲内である
項B1~B3のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項B5.
前記アラビアガムの含有量が、前記油性成分100質量部に対し、10~35000質量部の範囲内である
項B1~B4のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項B6.
前記塩が、周期表第1族又は第2属に属する元素の塩である
項B1~B5のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項B7.
前記塩の含有量が、前記アラビアガム100質量部に対し、0.1~90質量部の範囲内である
項B1~6のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項B8.
更に、多価アルコールを含有する
項B1~B7のいずれか一項に記載の乳化組成物。
項B9.
前記多価アルコールが、プロピレングリコール、及びグリセリンからなる群より選択される1種以上である、項B8に記載の乳化組成物。
項B10.
項B1~B9のいずれか一項に記載の乳化組成物をそれぞれ含有する、乳化香料製剤、乳化色素製剤、乳化栄養強化剤製剤、乳化機能性素材製剤、又は曇り剤。
項B11.
項B1~B9のいずれか一項に記載の乳化組成物を含有する飲食品。
項B12.
項B1~B9のいずれか一項に記載の乳化組成物を含有する水性組成物。
項B13.
飲料の不透明度の増強方法であって、
飲料に、項B1~B9のいずれか一項に記載の乳化組成物を添加する方法。
項B14.
水、
油性成分、及び
非修飾又は修飾アラビアガム、
を含有する乳化組成物(カルナウバロウを含有するものを除く)の乳化安定性を向上させる方法であり、
前記組成物に、塩を、0.01質量%以上10質量%未満の含有量になる量で、添加する工程を有する方法。
本明細書中、語句「含有する」は、語句「から本質的になる」、及び語句「からなる」を包含することを意図して用いられる。
以下に、本発明の態様Aを説明する。
1.乳化組成物
本発明の乳化組成物は、
水、
油性成分、
分子量が100万以上であるアラビアガム、及び
塩
を含有し、
前記塩の含有量が、前記アラビアガム100質量部に対し、90質量部以下である、
乳化組成物
である。
本発明で用いられる水の例は、純水、イオン交換水、及び水道水を包含する。
本発明で用いられる油性成分(油相を構成する成分)は、油溶性素材(脂溶性素材を含む)、及び油性溶媒からなる群から選択される1種以上より構成される。
油溶性素材としては、制限はされないが、油溶性香料、油溶性色素、油溶性生理活性物質等を挙げることができる。
本発明で使用する油溶性香料(脂溶性香料を含む。以下、同じ。)は、香気成分を含有する油溶性または脂溶性の物質であればよく、その限りにおいて制限されない。好ましくは、飲食品に配合可能な可食性香料であるか、または化粧料として人体に適用可能な香料である。
本発明で使用する油溶性色素(脂溶性色素を含む。以下、同じ。)は、着色成分を含有する油溶性または脂溶性の物質であればよく、その限りにおいて制限されない。好ましくは、飲食品に配合可能な可食性色素であるか、または化粧料として人体に適用可能な色素である。
本発明で使用する油溶性生理活性物質(脂溶性生理活性物質を含む。以下、同じ。)は、生体に有用な油溶性または脂溶性の物質であればよく、その限りにおいて制限されない。
前記の記載から理解される通り、当該油溶性生理活性物質を含有する乳化組成物は、例えば、薬剤、栄養強化剤(例:ビタミン剤、アミノ酸剤)、又は機能性素材製剤等として利用することができる。
好ましくは、飲食品に配合可能な可食性物質であるか、または化粧料として人体に適用可能な物質である。
油性溶媒は、前記油溶性素材の溶媒として使用できるもの、具体的には前記油溶性素材と相溶可能なものであれば特に制限はされない。好ましくは、飲食品に配合可能な可食性物質であるか、または化粧料として人体に適用可能な物質である。
アラビアガムは、マメ科アカシア属(特にAcacia senegal及びAcacia seyal)の樹液(分泌液)に由来する多糖類である。当該樹液を乾燥して得られるアラビアガムの分子量は通常、100万未満(通常、20万~60万程度)であり、当該分子量を有するアラビアガムが一般に市場で流通している。
一方、本発明ではアラビアガムとして、分子量が100万以上であるアラビアガムを用いることを特徴とする。
本明細書中、「修飾アラビアガム」は、化学修飾されたアラビアガム、言い換えると、天然のアラビアガムが有さない置換基を有するアラビアガムを意味する。これから排除される「非修飾アラビアガム」は、化学修飾されていないアラビアガム、言い換えれば、天然のアラビアガムが有さない置換基を有さないアラビアガムを意味する。
前記修飾アラビアガムとしては、例えば、オクテニルコハク酸修飾アラビアガムが挙げられる。
本発明で用いられる「非修飾アラビアガム」は、実質的に化学修飾されていないアラビアガムであればよく、化学的修飾無しで変性されたアラビアガムを包含する。
本発明で用いられる「非修飾アラビアガム」は、実質的に化学修飾されていないアラビアガムを包含できる。当該「実質的に化学修飾されていないアラビアガム」とは、何らかの理由(例えば、意図しない化学物質との接触)で天然のアラビアガムが有さない置換基を少数有するものの、これによっては、本発明の趣旨に照らして、天然のアラビアガムが有さない置換基を有さないアラビアガムから性質が変化していないアラビアガムを意味する。
本発明では、アラビアガムとして、オクテニルコハク酸修飾アラビアガムが除かれることが望ましい。また、本発明では、好ましくは非修飾アラビアガムを用いる。
重量平均分子量は、光散乱(MALLS)検出器、屈折率(RI)検出器及び紫外線(UV)検出器の3つの検出器をオンラインで接続したゲル濾過クロマトグラフィーを使用することによって求めることができる。なお、本明細書において、当該ゲル濾過クロマトグラフィーの手法を「GPC-MALLS」と称する。GPC-MALLSによれば、分子量はMALLS検出器により、各成分の質量(組成比)はRI検出器により、及び蛋白質含量はUV検出器により測定することができ、分子量既知の標準のアラビアガムと対比することなく、分析成分の分子量並びに組成を求めることができる。GPC-MALLSの詳細な原理及び特徴は、非特許文献:Idris, O.H.M.,Williams, P.A., Phillips, G.O.,;Food Hydrocolloids, 12(1998) p.375-388に記載されている。
カラム:Superose(6HR) 10/30 (ファルマシア・バイオテック、スウェーデン)
流速:0.5ml/分
溶出溶媒:0.2M NaCl
試料の調製:分析試料を溶出溶媒(0.2M NaCl)にて希釈
試料濃度:0.4%(W/V)
試料液注入量:100μl
dn/dc :0.141
温度:室温
検出器:1. MALLS(multi angle laser light scattering)検出器、DAWN EOS(フィアットテクノロジー社製, 米国)、2.RI検出器、3.UV検出器(214nmでの吸収)。
分子量の上限は、アラビアガムが水溶性である限りにおいて特に制限されないが、例えば500万以下、好ましくは450万以下、及びより好ましくは400万以下であることが好ましい。
好ましい処理条件は、オーブンなどの恒温器又は加熱器を用いた加熱処理である。加熱温度及び加熱時間は特に制限されないが、加熱温度は例えば、110~130℃が挙げられ、加熱時間は例えば、10時間以上、好ましくは15時間以上、24時間以上、又は48時間以上が挙げられる。時間の上限は、目的とするアラビアガムの分子量にもよるが、例えば、110℃で加熱する場合、72時間程度を挙げることができる。
なお、本発明で規定する分子量を有する水溶性のアラビアガムが調製できる方法であれば、加熱温度、加熱時間、加熱手段及び加熱環境条件(例.相対湿度及び閉鎖系の有無)は任意に選択使用することができ、前記加熱条件に特に制限されるものではない。例えば、前記条件での加熱処理によって得られる本発明の効果は、110℃よりも低温で10時間よりも長時間加熱処理する方法、又は110℃よりも高温で短時間加熱処理する方法等によっても同様に得ることができる。具体的には、前者の例として80℃で3日~1週間以上かけて加熱する方法を挙げることができる。なお、前記オーブンによる加熱手段に代えてマイクロ波照射によれば、より短時間に同様な効果を得ることができる。その他、窒素置換条件下など、酸素のない条件下での加熱処理も、好ましい処理方法の一種である。
アラビノガラクタン蛋白質(以下、単に「AGP」ともいう)は、その他アラビノガラクタン(AG)及びグリコプロテイン(GP)と併せてアラビアガムに含まれる3つの主要な構成成分の一つである。分子量が100万未満であるアラビアガム(Acacia senegal
種)には、AGPが通常5~15質量%の割合で含まれている。
脱塩アラビアガムは、アラビアガムを脱塩処理(例:電気透析膜処理、イオン交換樹脂処理)することにより得られる。
これから理解される通り、脱塩アラビアガムは、金属原子又はそのイオンの一部又は全部が除去されたアラビアガムであることができる。
当該脱塩アラビアガムは、商業的に入手可能である。その製品の例は、サンアラビック(製品名)(三栄薬品貿易)、EFISTAB AA(製品名)(ネキシラ社)等の商品名で販売されているので、これらを利用してもよい。
脱塩アラビアガムは、好ましくは0~100ppmの範囲内、及びより好ましくは0~50ppmの範囲内の金属含有量を有するアラビアガムであることができる。
当該脱塩アラビアガムは、非脱塩アラビアガム及び脱塩アラビアガムを混合することにより、このような金属含有量を有するように金属含有量を調製されたアラビアガムであってもよい。
[粘度測定条件]
1)イオン交換水(20℃)70gにアラビアガム28gを添加、及び撹拌し、アラビアガム水溶液を調製する。
2)アラビアガム水溶液を静置(5℃、18時間)し、発生した泡を除去する。
3)前記アラビアガム水溶液のブリックス(Brix)が25度となるように、イオン交換水を適宜添加し、ブリックス25度のアラビアガム水溶液を調製する。当該水溶液を試料とする。
4)試料の粘度をB型粘度計(BM型、トキメック社製)で測定する。
ローター:No.2
回転数 :30rpm
回転時間:1分間
[b値測定方法]
1)イオン交換水(20℃)70gにアラビアガム28gを添加、及び撹拌し、アラビアガム水溶液を調製する。
2)アラビアガム水溶液を静置(5℃、18時間)し、発生した泡を除去する。
3)前記アラビアガム水溶液のブリックス(Brix)が10度となるように、イオン交換水を適宜添加し、ブリックス10度のアラビアガム水溶液を調製する。当該水溶液を試料とする。
4)試料のb値を、分光光度計を用いて測定する。
ブリックスの測定:デジタル糖度(濃度)計(PR-101α、アタゴ社製)
b値の測定 :紫外可視分光光度計(V-760DS、日本分光社製)
測定条件 石英セル(10mm×10mm)、透過度(%T)
好ましくは4~35質量%、より好ましくは5~35質量%、更に好ましくは6~30質量%、より更に好ましくは8~30質量%、特に好ましくは10~25質量%、及びより特に好ましくは12~25質量%である。
また、乳化組成物中の油性成分の総量100質量部に対する前記アラビアガム含量は
好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上、より更に好ましくは50質量部以上、特に好ましくは80質量部以上、より特に好ましくは100質量部以上、より更に特に好ましくは120質量部以上、及び最も好ましくは150質量部
以上であることが望ましい。乳化組成物中の油性成分の総量100質量部に対する前記アラビアガム含量の上限は特に制限されないが、例えば35000質量部以下、好ましくは10000質量部以下、より好ましくは5000質量部以下、更に好ましくは1000質量部以下、更により好ましくは600質量部以下、及び特に好ましくは500質量部以下が挙げられる。
本発明では、前記分子量のアラビアガム、および所定量の塩を併用することで、乳化組成物の乳化安定性を格段に向上することができる。
本発明で用いられる塩は、水溶性の塩であれば特に制限されず、無機塩及び/又は有機酸塩を用いることができる。本発明では可食性の無機塩及び/又は有機酸塩を用いることが好ましい。
また、本発明では無機塩を用いることが好ましい。かかる無機塩としては、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム等)、カリウム塩(例えば、塩化カリウム等)、カルシウム塩(例えば、乳酸カルシウム、塩化カルシウム等)、又はマグネシウム塩(例えば、塩化マグネシウム等)等を挙げることができる。
当該無機塩の好適な例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムを包含する。
当該無機塩のより好適な例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化マグネシウムを包含する。
当該無機塩の更に好適な例は、塩化ナトリウムを包含する。
これらの塩はそれぞれ単独で、または2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
また、本発明では有機酸塩を用いることもできる。
かかる有機酸塩としては、ナトリウム塩(例:クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等)、カリウム塩(例:クエン酸カリウム、リン酸カリウム等)、又はマグネシウム塩(例:炭酸マグネシウム)等を挙げることができる。
当該有機酸塩の好適な例は、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びリン酸カリウムを包含する。
であることを特徴とする。
乳化組成物における前記塩の含量(前記アラビアガム100質量部に対する塩の含量)の下限は、特に制限されないが、例えば0.05質量部以上であり、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは1質量部以上、より更に好ましくは2質量部以上、特に好ましくは3質量部以上、より特に好ましくは5質量部以上、及び最も好ましくは10質量部以上である。
乳化組成物における塩の含量の上限も特に制限されないが、例えば、15質量%以下、好ましくは12質量%以下、より好ましくは10質量%未満、更に好ましくは9質量%以下、更により好ましくは8質量%以下、及び特に好ましくは7質量%以下である。
本発明の乳化組成物は、多価アルコールを含有することができる。これにより、乳化組成物の保存安定性を向上させることができ、防腐効果が高い乳化組成物を提供できる。
本発明で使用できる多価アルコールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール(D-ソルビトール)、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、オリゴトース、果糖ブドウ糖液糖、シュクロースなどが挙げられる。これらの多価アルコールは、それぞれ単独で、または2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本発明において好ましい多価アルコールはプロピレングリコール又は/及びグリセリンである。
多価アルコールとしてプロピレングリコールを用いる場合、本発明の乳化組成物におけるプロピレングリコールの含量の上限は、例えば、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、又は35質量%であることができる。
本発明の乳化組成物における多価アルコールの含量は特に制限されないが、例えば、3~80質量%が挙げられ、好ましくは5~60質量%、より好ましくは6~50質量%、及び更に好ましくは8~45質量%である。
多価アルコールとしてプロピレングリコールを用いる場合、本発明の乳化組成物におけるプロピレングリコールの含量は3~40質量%の範囲であることができ、好ましい範囲は5~30質量%、より好ましい範囲は8~25質量%、及び更に好ましい範囲は10~20質量%である。
多価アルコールとしてグリセリンを用いる場合、本発明の乳化組成物におけるグリセリンの含量の上限は、例えば、80質量%、70質量%、60質量%、55質量%、50質量%、又は45質量%であることができる。
多価アルコールとしてグリセリンを用いる場合、本発明の乳化組成物におけるグリセリンの含量は5~80質量%の範囲であることができ、好ましい範囲は10~70質量%、より好ましい範囲は15~60質量%、更に好ましい範囲は20~50質量%、及び更により好ましい範囲は25~45質量%である。
かかるところ本発明では、分子量が100万以上であるアラビアガム、及び、前記アラビアガム100質量部に対して90質量部以下の塩を含有させることで、多価アルコールを含有するにもかかわらず、乳化安定性に優れる乳化組成物を提供できる。
本観点からは、本発明の乳化組成物は保存料を実質的に含有しないことが望ましい。本発明によれば、実質的に保存料を含有せずとも、防腐効果及び乳化組成物に優れる乳化組成物を提供することができる。
本発明の乳化組成物は、pHが、好ましくは2~7の範囲内、より好ましくは2~6の範囲内、更に好ましくは2~4.5の範囲内、より更に好ましくは2~4の範囲内、特に好ましくは2.2~3.8の範囲内、及びより特に好ましくはpH2.5~3.5の範囲内であることが望ましい。本範囲のpHを有することで、乳化組成物の安定性がより向上し、また、防腐効果が高い乳化組成物を提供することができる。
乳化組成物のpHを上記範囲に調整するために、必要に応じて有機酸及び/又は無機酸を使用することができる。有機酸及び/又は無機酸の種類は特に制限されない。
かかる有機酸及び/又は無機酸の例としては、クエン酸、フィチン酸、アスコルビン酸、リン酸、乳酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、及びピロリン酸等が挙げられる。これらの有機酸及び/又は無機酸は、それぞれ単独で、または2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本発明において好ましい有機酸及び/又は無機酸は、クエン酸、フィチン酸、アスコルビン酸、リン酸、及び乳酸からなる群から選択される1種以上である。
本発明の乳化組成物は、乳化安定性に優れるという利点を有する。
本明細書において、「乳化安定性」とは、乳化性(乳化粒子の形成のしやすさ)、乳化保存安定性(保存時の乳化粒子の安定性)、及び乳化物理安定性(物理的外力に対する乳化粒子の安定性)を包含する。
本発明では、水、分子量が100万以上であるアラビアガム、及び前記所定量の塩を含有する水相と、油性成分とを混合することを含む方法により、本発明にかかる乳化組成物を調製することができる。
当該混合は、水、油性成分、分子量が100万以上であるアラビアガム、及び前記所定量の塩が混合される限りにおいて、その手段、又は方法、及び条件は限定されない。当該混合は、それ自体が乳化処理であってもよく、或いは乳化処理を伴ってもよい。
乳化組成物の成分の混合と乳化処理の順序は任意であり、例えば、当該乳化組成物の調製方法の操作としては、
(1)乳化組成物の成分の全部の種類及び/又は量を混合し、及び
その後乳化処理する方法;
(2)乳化組成物の成分の一部の種類及び/又は量を混合し、
その後乳化処理し、
その後乳化組成物の成分の残りを添加し、及び
その後更に乳化処理をする方法;
(3)乳化組成物の成分の全部の種類及び/又は量を乳化処理により混合する方法;或いは
(4)乳化組成物の成分の一部の種類及び/又は量を乳化処理により混合し、
その後乳化組成物の成分の残りの種類及び/又は量を添加し、及び
その後更に乳化処理により混合する方法
等を採用し得る。
本発明における乳化組成物の調製方法は、以下の好適な態様を包含する。
水、
油性成分、
分子量が100万以上であるアラビアガム、及び
塩を含有し、
前記塩の含有量が、前記アラビアガム100質量部に対し、90質量部以下である混合液を調製する工程、並びに、
前記混合液を乳化処理する工程
を含む、乳化組成物の調製方法。
(工程1)
水、分子量が100万以上であるアラビアガム、及び塩を含有し、前記塩の含有量が、
前記アラビアガム100質量部に対し、90質量部以下である水相を調製する工程、
(工程2)
前記水相と油性成分の混合液を調製する工程、並びに
(工程3)
前記混合液を乳化処理する工程、
を含有する、乳化組成物の調製方法。
本発明の一態様としては、乳化組成物の乳化粒子径が、メジアン径(体積基準)で3μm以下、好ましくは2.5μm以下、より好ましくは2μm以下、及び更に好ましくは1.5μm以下であることができる。このような乳化組成物は、例えば、飲料、デザート類、冷菓類、製菓類(例えば、ガム類、チョコレート類、キャンディー類、クッキー、ビスケット等)、製パン類、スープ類、調味料、ジャム類、果実酒、加工用果実、農産加工品、畜肉加工品、水産加工品、乳製品、製粉、麺類、流動食、健康食品、又はサプリメントに好適に使用できる。
また、本発明の好適な一態様としては、乳化組成物の乳化粒子径が、メジアン径(体積基準)で1.2μm以下、好ましくは1.1μm以下、より好ましくは1μm以下、及び更に好ましくは0.9μm以下である。このような乳化組成物は、例えば、飲料に好適に使用できる。
当該メジアン径(体積基準)の下限は特に制限されないが、例えば、0.1μm以上であり、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.3μm以上である。
本発明はまた、前記乳化組成物を含有する水性組成物に関する。
当該水性組成物の種類は特に制限されないが、例えば、飲食品、香粧品、医薬、又は医薬部外品であることができ、好ましくは飲食品、より好ましくは飲料である。
当該水性組成物における、本発明の乳化組成物の含量は当該組成物の種類及び用途等によって異なることができるが、例えば、0.001~5質量%の範囲内、又は0.01~1質量%の範囲内であることができる。
本発明はまた、前記乳化組成物を含有する飲食品にも関する。
飲食品の種類は特に制限されないが、具体的には、乳飲料、乳酸菌飲料、炭酸飲料、果実飲料(例:果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果汁入り炭酸飲料、果肉飲料)、野菜飲料、野菜及び果実飲料、リキュール類等のアルコール飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、スポーツ飲料、サプリメント飲料等の飲料類;
紅茶飲料、緑茶、ブレンド茶等の茶飲料類(なお、飲料類と茶飲料類は、「飲料」に包含される。);
カスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;
ミルクアイスクリーム、果汁入りアイスクリーム及びソフトクリーム、アイスキャンディー等の冷菓類;
ガム(例:板ガム、糖衣状粒ガム)、チョコレート(例:風味を付加したチョコレート、コーティングチョコレート等)、キャンディー類(例:ハードキャンディー、ソフトキャンディー、糖衣キャンディー、タフィ等)、クッキー、ビスケット、ドーナツ等の製菓類;製パン類;
コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類;
セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソースなどの液体調味料類;
ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ、シロップ等のジャム類;
赤ワイン等の果実酒;
シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ、桃等の加工用果実;
漬物等の農産加工品;
ハム、ソーセージ等の畜肉加工品;
魚肉ソーセージ、はんぺん、ちくわ、かまぼこ等の水産加工品;
乳製品;
製粉(例:お好み焼き粉、たこ焼き粉等);
麺類;
流動食;
健康食品;
サプリメント;
を挙げることができる。
なかでも好ましくは飲料、デザート類(特に好適にはゼリー)、キャンディー類、ジャム、漬物、液体調味料であり、より好ましくは飲料である。
本発明はまた、以下の態様を有する、乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法にも関する。
水、
油性成分、及び
分子量が100万以上であるアラビアガム、
を含有する乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法であり、
前記組成物に塩を含有させる工程を含み、且つ、
前記塩の含有量が、前記アラビアガム100質量部に対し、90質量部以下である、方法
水、分子量が100万以上であるアラビアガム、及び前記所定量の塩を含有する水相と、油性成分とを混合することを含む方法により、実施できる。
当該混合は、水、油性成分、分子量が100万以上であるアラビアガム、及び前記所定量の塩が混合される限りにおいて、その手段、又は方法、及び条件は限定されない。当該混合は、それ自体が乳化処理であってもよく、或いは乳化処理を伴ってもよい。
乳化組成物の成分の混合と乳化処理の順序は任意であり、例えば、当該乳化組成物の乳化判定性を向上させる方法の操作としては、
(1)乳化組成物の成分の全部の種類及び/又は量を混合し、及び
その後乳化処理する方法;
(2)乳化組成物の成分の一部の種類及び/又は量を混合し、
その後乳化処理し、
その後乳化組成物の成分の残りを添加し、及び
その後更に乳化処理をする方法;
(3)乳化組成物の成分の全部の種類及び/又は量を乳化処理により混合する方法;或いは
(4)乳化組成物の成分の一部の種類及び/又は量を乳化処理により混合し、
その後乳化組成物の成分の残りの種類及び/又は量を添加し、及び
その後更に乳化処理により混合する方法
等を採用し得る。
本発明における乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法は、前記塩を含有させる工程が、一部又は全て乳化粒子の形成前に実施される態様を包含する。
本発明における乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法は、以下の好適な態様を包含する。
前記アラビアガムを含有する乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法であって、
1)水、油性成分、前記アラビアガム、及び前記塩
を含有する混合液を調製する工程;並びに
2)前記混合液を乳化処理し、乳化組成物を調製する工程
を含む方法。
当該好適な態様のより具体的な例は、
A)当該工程1、及び2において、
前記水、前記油性成分、及び前記アラビアガムを含有する混合組成物に、更に前記塩を添加し、及び乳化処理し、前記乳化組成物を調製する具体例;
B)当該工程1、及び2において、
前記水、前記油性成分、及び前記塩を含有する混合組成物に、更に前記アラビアガムを添加し、及び乳化処理し、前記乳化組成物を調製する具体例;
C)当該工程1、及び2において、
前記水、前記アラビアガム、及び前記塩を含有する混合組成物に、更に前記油性成分を添加し、及び乳化処理し、前記乳化組成物を調製する具体例;並びに
D)当該工程1、及び2において、
前記油性成分、前記アラビアガム、及び前記塩を含有する混合組成物に、更に前記水を添加し、及び乳化処理し、前記乳化組成物を調製する具体例
を包含する。
念のために記載するに過ぎないが、これらの例(特に、例A、及び例B)において、前記乳化処理は、前記した各混合組成物に乳化処理が施されていてもよく、この場合、更なる成分の追加後は、更なる乳化処理、又は単なる混合処理を実施し得る。
これらの態様、及び例は、重複し得る。
以下に、本発明の態様Bを説明する。
本発明の乳化組成物は、
水、
油性成分、
非修飾又は修飾アラビアガム、及び
0.01質量%以上10質量%未満の塩
を含有する乳化組成物(カルナウバロウを含有するものを除く)。である。
より説明的に述べると、本発明の乳化組成物は、好適に、
水を媒体として含有する連続相である水相、及び
油溶性生理活性物質及び/又は油性溶媒を含有する粒子形態の油相(本明細書中、これを油含有粒子と称する場合がある)を含有することができる。
本発明で用いられる水の例は、純水、イオン交換水、及び水道水を包含する。
本発明で用いられる油性成分(すなわち、油相を構成する成分)は、油溶性素材(これは、脂溶性素材を包含する)、及び油性溶媒からなる群から選択される1種以上より構成される。
本発明で使用される油溶性素材の例は、油溶性香料、油溶性色素、及び油溶性生理活性物質等を包含する。
本発明で用いられる油溶性香料(これは、脂溶性香料を包含する。)は、香気成分を含有する油溶性又は脂溶性の物質であればよく、その限りにおいて制限されない。
本発明で使用する油溶性香料は、好ましくは、飲食品に添加可能な可食性香料であるか、又は香粧品として人体に適用可能な香料である。
動物性又は植物性の天然原料から、不揮発性溶剤抽出、揮発性溶剤抽出、又は超臨界抽出等、或いはこれらの組合せ等により得られる抽出物;
水蒸気蒸留、又は圧搾法等により得られる精油、及び回収フレーバー等の天然香料;
化学的手法で合成された香料である、合成香料;
これらの香料を油脂及び/又は溶媒に、添加した、及び/又は溶解させた香料ベース
を包含する。
前記天然香料の形態の例は、
アブソリュート、エッセンス、及びオレオレジン等の抽出物;
コールドプレス等により得られる搾液;並びに
アルコールによる抽出物、又は、水及びアルコールの混合液による抽出物、(これら抽出物として、いわゆる、チンキ)
を包含する。
オレンジ油、レモン油、グレープフルーツ油、ライム油、及びマンダリン油等の柑橘系精油類;
ラベンダー油等の花精油類(又はアブソリュート類);
ペパーミント油、スペアミント油、及びシナモン油等の精油類;
オールスパイス、アニスシード、バジル、ローレル、カルダモン、セロリ、クローブ、ガーリック、ジンジャー、マスタード、オニオン、パプリカ、パセリ、及びブラックペパー等のスパイス類の精油類(又はオレオレジン類);
リモネン、リナロール、ゲラニオール、メントール、オイゲノール、及びバニリン等の合成香料類;
コーヒー、カカオ、バニラ、及びローストピーナッツ等の豆由来の抽出油;
紅茶、緑茶、及びウーロン茶等の茶由来のエッセンシャル類;並びに
合成香料化合物
を包含できる。
これらの香料は1種単独で使用することもできるが、通常は2種以上を任意に組み合わせて調合香料として用いられる。
本発明でいう「香料」は、単一化合物からなる香料のみならず、かかる調合香料をも包含する概念として定義される。
本発明で用いられる油溶性色素(これは、脂溶性色素を包含する。)は、着色成分を含有する油溶性又は脂溶性の物質であればよく、その限りにおいて制限されない。
本発明で使用する油溶性色素は、好ましくは、飲食品に添加可能な可食性色素であるか、又は香粧品として人体に適用可能な色素である。
これらの油溶性色素は、それぞれ単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる油溶性生理活性物質(これは、脂溶性生理活性物質を包含する。)は、生体に有用な油溶性又は脂溶性の物質であればよく、その限りにおいて制限されない。
前記の記載から理解される通り、当該油溶性生理活性物質を含有する乳化組成物は、例えば、薬剤、栄養強化剤(例:ビタミン剤、アミノ酸剤)、又は機能性素材製剤等として利用することができる。
本発明で使用する油溶性生理活性物質は、好ましくは、飲食品に添加可能な可食性物質であるか、又は香粧品として人体に適用可能な物質である。
油溶性薬剤;
肝油、ビタミンA(例:レチノール等)、ビタミンA油、ビタミンD(例:エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等)、ビタミンB2酪酸エステル、アスコルビン酸脂肪酸エステル、ビタミンE(例:トコフェロール、トコトリエノール、トコフェロール酢酸エステル等)、及びビタミンK(例:フィロキノン、メナキノン等)等の脂溶性ビタミン類;
リモネン、リナロール、ネロール、シトロネロール、ゲラニオール、シトラール、l-メントール、オイゲノール、シンナミックアルデヒド、アネトール、ペリラアルデヒド、バニリン、及びγ-ウンデカラクトン等の植物精油類;
レスベラトロール、油溶性ポリフェノール、グリコシルセラミド、セサミン、ホスファチジルセリン、コエンザイムQ10、s、クルクミン、アスタキサンチン、ルテイン、及びα-リポ酸;
α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸等のΩ-3系脂肪酸;並びに
リノール酸、及びγ-リノレン酸等のΩ-6系脂肪酸;植物ステロール等の機能性素材等が挙げられる。
なかでも、その好適な例は、脂溶性ビタミン、コエンザイムQ10、及びα-リポ酸;並びに
α-リノレン酸、エイコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸等のΩ-3系脂肪酸
を包含する。
本発明で用いられる油性溶媒は、好適に、前記油溶性素材の溶媒として使用できるもの、具体的には前記油溶性素材と相溶可能なものであることができる。
本発明で用いられる油性溶媒は、好ましくは、飲食品に添加可能な可食性物質であるか、又は香粧品として人体に適用可能な物質である。
菜種油、コーン油、パーム油、大豆油、オリーブ油、ホホバ油、ヤシ油、エレミ樹脂、及びマスティック樹脂等の植物性油脂類;
牛脂、及び豚脂等の動物性油脂類;
ショ糖酢酸イソ酪酸エステル(SAIB)、ロジン、ダンマル樹脂、エステルガム、グリセリン脂肪酸エステル、及び中鎖トリグリセリド(MCT)(中鎖脂肪酸油)等
を包含する。
これらはそれぞれ単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリド、ショ糖酢酸イソ酪酸エステル、及び植物性油脂類からなる群より選択される1種以上であり、及び
より好ましくは、グリセリン脂肪酸エステル、及びトリグリセリド(より好ましくは中鎖トリグリセリド)からなる群より選択される1種以上である。
当該中鎖トリグリセリド(MCT)の具体例は、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、カプリル酸、及びカプリン酸混合トリグリセリド等、並びにこれらの混合物を包含できる。
本発明の好適な一態様は、ロウを実質的に含有しない態様であることができる。
油性成分の含有量の上限もまた特に制限されないが、当該含有量は、例えば、50質量%以下、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、及び更に好ましくは35質量%以下であることができる。
アラビアガムは、マメ科アカシア属(特にAcacia senegal及びAcacia seyal)の樹液(分泌液)に由来する多糖類である。当該樹液を乾燥して得られるアラビアガムの分子量は通常、100万(1.0百万(1.0×106))未満[より詳細には、通常、20万(0.2百万)~60万(0.6百万)程度]であり、及び当該分子量を有するアラビアガムが一般に市場で流通している。
アラビアガムは、通常、3つの主要な構成成分として、アラビノガラクタン-タンパク質(AGP)、アラビノガラクタン(AG)、及びグリコプロテイン(GP)を含有する。
一方、本発明ではアラビアガムとして、前記一般に市場で流通しているアラビアガムに加えて、分子量が100万(1.0百万)以上であるアラビアガムを用いることができる。
本発明では、好適に、分子量が100万(1.0百万)以上であるアラビアガムが用いられ得る。
本明細書中、「修飾アラビアガム」は、化学修飾されたアラビアガム、言い換えると、天然のアラビアガムが有さない置換基を有するアラビアガムを意味する。これから排除される「非修飾アラビアガム」は、化学修飾されていないアラビアガム、言い換えれば、天然のアラビアガムが有さない置換基を有さないアラビアガムを意味する。
前記修飾アラビアガムの例は、オクテニルコハク酸修飾アラビアガムを包含する。
本発明で用いられる「非修飾アラビアガム」は、実質的に化学修飾されていないアラビアガムであればよく、及び化学的修飾無しで変性されたアラビアガムを包含する。
当該「実質的に化学修飾されていないアラビアガム」とは、何らかの理由(例えば、意図しない化学物質との接触)で天然のアラビアガムが有さない置換基を少数有するが、しかし、これによっては、本発明の趣旨に照らして、“天然のアラビアガムが有さない置換基を有さないアラビアガムから性質が変化していないアラビアガム”(すなわち、本発明の趣旨に照らして、“天然のアラビアガムが有さない置換基を有さないアラビアガムから性質が変化していないアラビアガム”と、同じ性質を有するアラビアガム)を意味する。
本発明では、アラビアガムとして、オクテニルコハク酸修飾アラビアガムが除かれることが望ましい。すなわち、本発明で用いられるアラビアガムは、好ましくは、“アラビアガム(但し、オクテニルコハク酸修飾アラビアガムを除く)”である。
本発明では、好ましくは、非修飾アラビアガムが用いられる。
重量平均分子量は、光散乱(MALLS)検出器、屈折率(RI)検出器、及び紫外線(UV)検出器の3つの検出器をオンラインで接続したゲル濾過クロマトグラフィーを使用することによって求めることができる。
なお、本明細書において、当該ゲル濾過クロマトグラフィーの手法を「GPC-MALLS」と称する。
当業者が通常理解する通り、GPC-MALLSによれば、
(1)分子量はMALLS検出器により、
(2)各成分の質量(組成比)はRI検出器により、及び
(3)タンパク質含有量はUV検出器により、
それぞれ測定できるので、分子量既知の標準のアラビアガムと対比することなく、アラビアガムの分子量、及び並びにその構成成分組成を求めることができる。
GPC-MALLSの詳細な原理及び特徴は、公知であり、例えば、非特許文献:Idris, O.H.M.,Williams, P.A., Phillips, G.O.,;Food Hydrocolloids, 12(1998) p.375-388に記載されている。
カラム:Superose(6HR) 10/30 (ファルマシア・バイオテック、スウェーデン)
流速:0.5ml/分
溶出溶媒:0.2M NaCl
試料の調製:分析試料を溶出溶媒(0.2M NaCl)にて希釈
試料濃度:0.4%(W/V)
試料液注入量:100μl
dn/dc :0.141
温度:室温
検出器:
1.MALLS(multi angle laser light scattering)検出器、DAWN EOS(フィアットテクノロジー社,米国)
2.RI検出器
3.UV検出器(214nmでの吸収)。
当該分子量の上限は、アラビアガムが水溶性である限りにおいて特に制限されないが、当該分子量は、例えば、500万以下、好ましくは450万以下、及びより好ましくは400万以下であることができる。
当該「水溶性」とは、大過剰量の水に完全に、又は実質的に完全に溶解できる性質をいう。
当該水は、純水、イオン交換水、及びイオンを含有する水等、任意の種類の水であることができ、及びその温度もアラビアガムが溶解する温度を適宜選択し得る。
すなわち、水の種類又は温度を適宜設定することで、水に溶解させることができるアラビアガムであれば、本発明に、好適に使用できる。
本発明で用いられるアラビアガムは、好ましくは、前記分子量を有し、且つ3質量以上の水に、室温(ここで、具体的には、25℃)で、完全に、又は実質的に溶解するアラビアガムである。
当該調製は、公知の方法、例えば、特開2000-166489、WO2003/093324、及びWO2005/026213のそれぞれに記載の方法により実施できる。
当該改質処理は、好適に、オーブン等の恒温器又は加熱器を用いた加熱処理であることができる。
当該加熱処理の温度及び時間は、特に制限されないが、
加熱温度は、例えば、110~130℃であることができ、及び
加熱時間は、例えば、10時間以上、好ましくは15時間以上、24時間以上、又は48時間以上であることができる。
加熱時間の上限は、目的とするアラビアガムの分子量によって異なり得るが、例えば、110℃で加熱する場合、72時間程度であることができる。
例えば、前記条件での加熱処理によって得られる本発明の効果は、
(1)110℃よりも低温で10時間よりも長時間加熱処理する方法、又は
(2)110℃よりも高温で短時間加熱処理する方法等によっても同様に得ることができる。
具体的には、前者の例として80℃で3日~1週間以上かけて加熱する方法を挙げることができる。なお、前記オーブンによる加熱手段に代えてマイクロ波照射によれば、より短時間に同様な効果を得ることができる。その他、窒素置換条件下等、酸素のない条件下での加熱処理も、好ましい処理方法の一種である。
一般に通常のものとして市場で流通しているものである、分子量が100万未満であるアラビアガム(Acacia senegal種)には、AGPが通常5~15質量%の割合で含まれている。
具体的には、RI検出器によって求められたクロマトグラム上のRIチャートを、初めに溶出する部分を示すピーク1(高分子溶出画分)とそれ以降に溶出する部分を示すピーク2(低分子溶出画分)の2つに分けて、ASTRA Version4.5(フィアット・テクノロジー)ソフトウェアにてデータ処理した場合、ピーク1の回収率(% Mass)は、GPC-MALLSに供したアラビアガム中に含まれるAGP含有割合(質量%)に相当する。
より具体的に、未改質アラビアガム(Acacia senegal種)をGPC-MALLS法で分析した結果を示すクロマトグラム(図1)に基づいて説明すると、RIチャートのベースラインを基線として、RIチャートの立ち上がり部を「起点」、RIチャートが降下して基線と交わった部分を「終点」とした場合に、当該起点から終点までの間でRI強度が極小となった点を境とすると、当該境と「起点」の間の領域がピーク1であり、境と「終点」の間の領域がピーク2である。
脱塩アラビアガムは、アラビアガムを脱塩処理(例:電気透析膜処理、イオン交換樹脂処理)することにより得られる。
これから理解される通り、脱塩アラビアガムは、金属原子又はそのイオンの一部又は全部が除去されたアラビアガムであることができる。
当該脱塩アラビアガムは、商業的に入手可能である。その製品の例は、サンアラビック(製品名)(三栄薬品貿易)、EFISTAB AA(製品名)(ネキシラ社)等の商品名で販売されているので、これらを利用してもよい。
脱塩アラビアガムは、好ましくは0~100ppmの範囲内、及びより好ましくは0~50ppmの範囲内の金属含有量を有するアラビアガムであることができる。
当該脱塩アラビアガムは、非脱塩アラビアガム及び脱塩アラビアガムを混合することにより、このような金属含有量を有するように金属含有量を調製されたアラビアガムであってもよい。
アラビアガム水溶液(ブリックス25度)の粘度の上限は、特に制限されないが、例えば、300mPa・sであることができる。
[粘度測定条件]
1)イオン交換水(20℃)70gにアラビアガム28gを添加、及び撹拌し、アラビアガム水溶液を調製する。
2)アラビアガム水溶液を静置(5℃、18時間)し、発生した泡を除去する。
3)前記アラビアガム水溶液のブリックス(Brix)が25度となるように、イオン交換水を適宜添加し、ブリックス25度のアラビアガム水溶液を調製する。当該水溶液を試料とする。
4)試料の粘度を、以下の条件で、B型粘度計(BM型、トキメック社)で測定する。
<条件>
ローター:No.2
回転数 :30rpm
回転時間:1分間
b値の上限は特に制限されないが、例えば、30、及び好ましくは24であることができる。
[b値測定方法]
1)イオン交換水(20℃)70gにアラビアガム28gを添加、及び撹拌し、アラビアガム水溶液を調製する。
2)アラビアガム水溶液を静置(5℃、18時間)し、発生した泡を除去する。
3)前記アラビアガム水溶液のブリックス(Brix)が10度となるように、イオン交換水を適宜添加し、ブリックス10度のアラビアガム水溶液を調製する。当該水溶液を試料とする。
4)試料のb値を、分光光度計を用いて測定する。
ブリックスの測定:デジタル糖度(濃度)計(PR-101α、アタゴ社)
b値の測定 :紫外可視分光光度計(V-760DS、日本分光社)
測定条件 石英セル(10mm×10mm)、透過度(%T)
好ましくは4~35質量%、より好ましくは5~35質量%、更に好ましくは6~30質量%、より更に好ましくは8~30質量%、特に好ましくは10~25質量%、及び更に好ましくは12~25質量%の範囲内であることができる。
また、乳化組成物中の油性成分の総量100質量部に対する前記アラビアガム含有量は好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上、より更に好ましくは50質量部以上、特に好ましくは80質量部以上、より特に好ましくは100質量部以上、より更に特に好ましくは120質量部以上、及び最も好ましくは150質量部以上であることが望ましい。乳化組成物中の油性成分の総量100質量部に対する前記アラビアガム含有量の上限は特に制限されないが、当該含有量は、例えば、35000質量部以下、好ましくは10000質量部以下、より好ましくは5000質量部以下、更に好ましくは1000質量部以下、更により好ましくは600質量部以下、及び特に好ましくは500質量部以下であることができる。
本発明では、前記アラビアガム、および0.01質量%以上10質量未満の塩を併用することで、乳化安定性が高い乳化組成物を提供することができる。
本発明で用いられる塩は、水溶性の塩であれば特に制限されず、無機塩及び/又は有機酸塩を用いることができる。本発明では可食性の無機塩及び/又は有機酸塩を用いることが好ましい。
また、本発明では無機塩を用いることが好ましい。
かかる無機塩としては、ナトリウム塩(例:塩化ナトリウム)、カリウム塩(例:塩化カリウム)、カルシウム塩(例:乳酸カルシウム、塩化カルシウム)、又はマグネシウム塩(例:塩化マグネシウム)等を挙げることができる。
当該無機塩の好適な例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムを包含する。
当該無機塩のより好適な例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及び塩化マグネシウムを包含する、
当該無機塩の更に好適な例は、塩化ナトリウムを包含する。
これらの塩はそれぞれ単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
また、本発明では有機酸塩を用いることもできる。
かかる有機酸塩としては、ナトリウム塩(例:クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等)、カリウム塩(例:クエン酸カリウム、リン酸カリウム等)、又はマグネシウム塩(例:炭酸マグネシウム)等を挙げることができる。
当該有機酸塩の好適な例は、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びリン酸カリウムを包含する。
乳化組成物における塩の含有量の上限は、好ましくは9質量%以下、より好ましくは8質量%以下、及び更に好ましくは7質量%以下であることができる。
本発明の乳化組成物における塩の含有量は、アラビアガム100質量部に対し、例えば、90質量部以下、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、及び更に好ましくは60質量部以下であることができる。
本発明の乳化組成物は、多価アルコールを含有することができる。
これにより、乳化組成物の保存安定性を向上させることができ、及び防腐効果が高い乳化組成物を提供できる。
本発明で使用できる多価アルコールの例としては、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール(D-ソルビトール)、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、オリゴトース、果糖ブドウ糖液糖、及びシュクロース等が挙げられる。
これらの多価アルコールは、それぞれ単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本発明において多価アルコールは、好ましくは、プロピレングリコール、若しくはグリセリン、又はこれらの組合せである。
多価アルコールとしてプロピレングリコールを用いる場合、本発明の乳化組成物におけるプロピレングリコールの含量の上限は、例えば、65質量%、60質量%、55質量%、50質量%、45質量%、40質量%、又は35質量%であることができる。
本発明の乳化組成物における多価アルコールの含有量は、特に制限されないが、例えば、3~80質量%、好ましくは5~60質量%、より好ましくは6~50質量%、及び更に好ましくは8~45質量%の範囲内であることができる。
多価アルコールとしてプロピレングリコールを用いる場合、本発明の乳化組成物におけるプロピレングリコールの含有量は、例えば、3~40質量%、好ましくは5~30質量%、より好ましくは8~25質量%、及び更に好ましくは10~20質量%の範囲内であることができる。
多価アルコールとしてグリセリンを用いる場合、本発明の乳化組成物におけるグリセリンの含量の上限は、例えば、80質量%、70質量%、60質量%、55質量%、50質量%、又は45質量%であることができる。
多価アルコールとしてグリセリンを用いる場合、本発明の乳化組成物におけるグリセリンの含有量は、例えば、5~80質量%、好ましくは10~70質量%、より好ましくは15~60質量%、更に好ましくは20~50質量%、及びより更に好ましくは25~45質量%の範囲内であることができる。
しかしその一方で、多価アルコールの使用は、不都合に、乳化組成物の乳化安定性の低下を引き起こし得る。
この問題に関し、本発明では、アラビアガム、及び、0.01質量%以上10質量%未満の塩を含有させることで、多価アルコールを含有するにもかかわらず、乳化安定性が高い乳化組成物を提供できる。
しかし、これらの合成保存料には、
(1)その使用が、乳化組成物の風味に悪影響を与える場合があること、及び
(2)所定の菌に効果を奏する一方で、効果を奏し難い菌が存在すること
等の問題が存在する。
更に、近年の消費者の健康志向により、合成保存料が忌避される傾向にある。
本観点からは、本発明の乳化組成物は合成保存料を実質的に含有しないことが望ましい。
これらの点に関し、本発明によれば、実質的に合成保存料の使用を抑制しても、又はこれを使用せずとも、防腐性及び乳化安定性に優れる乳化組成物を提供することができる。
本発明の乳化組成物のpHは、通常2~7の範囲内、好ましくは2~6の範囲内、より好ましくは2~4.5の範囲内、更に好ましくは2~4の範囲内、特に好ましくは2.2~3.8の範囲内、及びより更に好ましくは2.5~3.5の範囲内である。
本範囲のpHを有することで、乳化安定性がより向上し、且つ防腐性が高い乳化組成物を提供することができる。
乳化組成物のpHを前記範囲に調整するために、必要に応じて有機酸及び/又は無機酸を使用することができる。有機酸及び/又は無機酸の種類は特に制限されない。
かかる有機酸及び/又は無機酸の例としては、クエン酸、フィチン酸、アスコルビン酸、リン酸、乳酸、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸、及びピロリン酸等が挙げられる。これらの有機酸及び/又は無機酸は、それぞれ単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本発明において好ましい有機酸及び/又は無機酸は、クエン酸、フィチン酸、アスコルビン酸、リン酸、及び乳酸からなる群から選択される1種以上である。
本発明の乳化組成物は、乳化安定性に優れるという利点を有する。
本明細書において、「乳化安定性」とは、乳化性(乳化粒子の形成のしやすさ)、乳化保存安定性(保存時の乳化粒子の安定性)、及び乳化物理安定性(物理的外力に対する乳化粒子の安定性)を包含する。
具体的には、本発明の乳化組成物は、後記で実施例について記載する基準で評価した場合に、高い安定性を示すことができる。
本発明では、水、アラビアガム、及び前記所定量の塩を含有する水相と、油性成分とを混合することにより、本発明にかかる乳化組成物を調製することができる。
当該混合は、水、油性成分、アラビアガム、及び前記所定量の塩が混合されれば、その手段、又は方法、及び条件は限定されない。当該混合は、それ自体が乳化処理であってもよく、或いは乳化処理を伴ってもよい。
本発明における乳化組成物の調製方法は、以下の好適な態様を包含する。
水、
油性成分、
アラビアガム(非修飾アラビアガム又は修飾アラビアガム)、及び
0.01質量%以上10質量%未満の塩を含有する乳化組成物(カルナウバロウを含有するものを除く)の調製方法であり、
前記水、前記油性成分、前記アラビアガム及び前記塩を含有する混合液を調製する工程、並びに、
前記混合液を乳化処理する工程
を含む、乳化組成物の調製方法。
水、
油性成分、
アラビアガム(非修飾アラビアガム又は修飾アラビアガム)、及び
0.01質量%以上10質量%未満の塩を含有する乳化組成物(カルナウバロウを含有するものを除く)の調製方法であり、
(工程1)
前記水、前記アラビアガム、及び前記塩を含有する水相を調製する工程、
(工程2)
前記水相と油性成分の混合液を調製する工程、並びに
(工程3)
前記混合液を乳化処理する工程、
を含有する、乳化組成物の調製方法。
例えば、本発明の乳化組成物は、液体形態であってもよく、又は、粉末化手段によって粉末化された形態であってもよい。
当該粉末化は、常法によって実施でき、例えば、噴霧乾燥又は凍結乾燥等の粉末化手段を採用できる。当該粉末化の際には、適当な担体等を添加してもよい。
本発明の一態様としては、乳化組成物の乳化粒子径が、メジアン径(体積基準)で3μm以下、好ましくは2.5μm以下、より好ましくは2μm以下、及び更に好ましくは1.5μm以下であることができる。このような乳化組成物は、例えば、飲料、デザート類、冷菓類、製菓類(例えば、ガム類、チョコレート類、キャンディー類、クッキー、ビスケット等)、製パン類、スープ類、調味料、ジャム類、果実酒、加工用果実、農産加工品、畜肉加工品、水産加工品、乳製品、製粉、麺類、流動食、健康食品、又はサプリメントに好適に使用できる。
本発明の好適な一態様としては、乳化組成物の乳化粒子径が、メジアン径(体積基準)で1.2μm以下、好ましくは1.1μm以下、より好ましくは1μm以下、及び更に好ましくは0.9μm以下である。このような乳化組成物は、例えば、飲料に好適に使用できる。
当該メジアン径(体積基準)の下限は特に制限されないが、例えば、0.08μmであり、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.12μm以上、更に好ましくは0.15μm以上、更により好ましくは0.2μm以上、特に好ましくは0.3μm以上である。
本発明はまた、前記乳化組成物を含有する水性組成物に関する。
当該水性組成物の種類は、特に制限されないが、例えば、飲食品、香粧品(これは化粧料を含む)、医薬、又は医薬部外品、好ましくは飲食品、及びより好ましくは飲料であることができる。
当該水性組成物における、本発明の乳化組成物の含有量は当該組成物の種類及び用途等によって異なることができるが、例えば、0.001~5質量%の範囲内、又は0.01~1質量%の範囲内であることができる。
本発明はまた、前記乳化組成物を含有する飲食品にも関する。
飲食品の種類は特に制限されないが、具体的には、当該飲食品の例は、
乳飲料、乳酸菌飲料、炭酸飲料、果実飲料(例:果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果汁入り炭酸飲料、果肉飲料)、野菜飲料、野菜及び果実飲料、リキュール類等のアルコール飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、スポーツ飲料、サプリメント飲料等の飲料類;
紅茶飲料、緑茶、ブレンド茶等の茶飲料類(なお、飲料類と茶飲料類は、「飲料」に包含される。);
カスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;
ミルクアイスクリーム、果汁入りアイスクリーム及びソフトクリーム、アイスキャンディー等の冷菓類;
ガム(例:板ガム、糖衣状粒ガム)、チョコレート(例:風味を付加したチョコレート、コーティングチョコレート等)、キャンディー類(例:ハードキャンディー、ソフトキャンディー、糖衣キャンディー、タフィ等)、クッキー、ビスケット、ドーナツ等の製菓類;製パン類;
コンソメスープ、ポタージュスープ等のスープ類;
セパレートドレッシング、ノンオイルドレッシング、ケチャップ、たれ、ソース等の液体調味料類;
ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ、シロップ等のジャム類;
赤ワイン等の果実酒;及び
シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ、桃等の加工用果実;
漬物等の農産加工品;
ハム、ソーセージ等の畜肉加工品;
魚肉ソーセージ、はんぺん、ちくわ、かまぼこ等の水産加工品;
乳製品;
製粉(例:お好み焼き粉、たこ焼き粉等);
麺類;
流動食;
健康食品;
サプリメント;
を包含する。
当該飲食品の種類は、なかでも好ましくは飲料、デザート類(特に好適にはゼリー)、キャンディー類、ジャム、漬物、又は液体調味料であり、及びより好ましくは飲料である。
当該飲食品の例は、これらの製品の半製品、及び中間製品等も包含する。
本発明はまた、以下の態様を有する、乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法にも関する。
水、
油性成分、及び
非修飾又は修飾アラビアガム、
を含有する乳化組成物(カルナウバロウを含有するものを除く)の乳化安定性を向上させる方法であり、
前記組成物に、塩を、0.01質量%以上10質量%未満の含有量になる量で、添加する工程を有する方法。
本発明における乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法は、以下の好適な態様を包含する。
前記アラビアガムを含有する乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法であって、
1)水、油性成分、前記アラビアガム、及び前記塩
を含有する混合液を調製する工程;並びに
2)前記混合液を乳化処理し、乳化組成物を調製する工程
を含む方法。
当該好適な態様のより具体的な例は、
A)当該工程1、及び2において、
前記水、前記油性成分、及び前記アラビアガムを含有する混合組成物に、更に前記塩を添加し、及び乳化処理し、前記乳化組成物を調製する具体例;
B)当該工程1、及び2において、
前記水、前記油性成分、及び前記塩を含有する混合組成物に、更に前記アラビアガムを添加し、及び乳化処理し、前記乳化組成物を調製する具体例;
C)当該工程1、及び2において、
前記水、前記アラビアガム、及び前記塩を含有する混合組成物に、更に前記油性成分を添加し、及び乳化処理し、前記乳化組成物を調製する具体例;並びに
D)当該工程1、及び2において、
前記油性成分、前記アラビアガム、及び前記塩を含有する混合組成物に、更に前記水を添加し、及び乳化処理し、前記乳化組成物を調製する具体例
を包含する。
念のために記載するに過ぎないが、これらの例(特に、例A、及び例B)において、前記乳化処理は、前記した各混合組成物に乳化処理が施されていてもよく、この場合、更なる成分の追加後は、更なる乳化処理、又は単なる混合処理を実施し得る。
これらの態様、及び例は、重複し得る。
GumA:非修飾アラビアガム
DGFE:デカグリセリン脂肪酸エステル
アラビアガム:分子量が異なるアラビアガム(分子量80万、110万、150万、及び400万)を用意した。分子量は明細書記載のGPC-MALLS法によって算出された値である。
中鎖脂肪酸トリグリセリド(ODO):カプリル酸/カプリン酸=3/1、日清オイリオ社
[乳化性の評価]
飲料モデルとして、調製した乳化組成物について、以下の項目を評価した。
・D50μm、又は粒子径D50:メジアン径
・1.3μm↑又は1.3μ↑ :粒子径が1.3μm以上の粒子径の頻度
・0.1%E(720nm) :試料(乳化組成物)の0.1%水希釈液の720nmにおける濁度
粒度分布測定装置:Microtrac MT3000EX-II(マイクロトラック・ベル社)
測定方法 :屈折率1.81、測定範囲0.021~2000μm、体積基準
分光光度計:分光光度計V-660DS、日本分光社製
測定条件 :石英セル、10mm×10mm、吸光度(Abs)
調製した乳化組成物を30mLガラス瓶に充填し、60℃の恒温槽で保存し、保存3日後、及び7日後の乳化組成物について、以下の項目を評価した。
・D50μm、又は粒子径D50:メジアン径、表中の数字の単位はμmである
・1.3μm↑ :粒子径が1.3μm以上の粒子径の頻度
表中の単位は(%)である
・0.1%E(720nm) :試料(乳化組成物)の0.1%水希釈液の
720nmにおける濁度
曇り剤として好適な濁度の目安は0.2~0.8の範囲内
乳化物理安定性の指標の一つとして、高温条件下で乳化組成物を撹拌した場合の乳化粒子の変化を評価する虐待試験を行った。模式図を図2に示す。
使用器具:200mLビーカー(ガラス製、直径65mm、高さ90mm)
撹拌羽根(直径5mmの金属棒の先端部に直径32mmの3枚羽根を備える)
測定方法:1)200mLビーカーに、試料(乳化組成物)200gをはかりとる。
2)試料を60℃で20分間静置する。
3)200mLビーカー底部からの高さ15mmに羽根を設置する。
4)回転数1300rpmの条件で、撹拌羽根で試料を撹拌する。
5)所定時間(0分、3分、6分)で乳化組成物をサンプリングし、
粒度分布を測定する。
粒度分布測定装置:Microtrac MT3000EX- II(マイクロトラック・ベル社)
測定方法 :屈折率1.81、測定範囲0.021~2000μm、体積基準
各実施例における乳化安定性の評価基準は後記表A1及び表A2のとおりである。
「評価(経時変化)」は、乳化組成物(飲料モデル)の調製直後(初発)の「乳化状態(評価点)」と、評価時(乳化保存安定性の試験後、又は乳化物理安定性の試験後)の前記乳化組成物の「乳化状態(評価点)」との差(点差)を指標として、評価した。
また、「評価(経時変化)」は、初発の評価点が3以上(普通以上)のものを、××、×、○、及び◎の4段階で判断し、初発の評価点が3未満ものは「-」と判断した。
乳化組成物(飲料モデル)は、各表に示す処方に従って製造した。処方に示す素材を3000rpmで5分間撹拌し、混合液を調製した。次いで、当該混合液を高圧ホモジナイザー(ホモジナイザー15MR-8TA、MANTON-GAULIN社製)で均質化処理し(条件350kg/cm2、5回)、乳化組成物を製造した。
(乳化組成物の調製)
表A3の処方に従い、乳化組成物(飲料モデル)を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表A4及び表A5に、並びに、乳化物理安定性試験の結果を表A6、図3及び図4に示す。
表A4及び表A5より、分子量が110×104、150×104及び400×104のアラビアガムと特定量の塩化ナトリウムを併用した乳化組成物は、塩化ナトリウムを含有しない乳化組成物と比較して、乳化安定性が向上することが確認された。乳化性では、塩化ナトリウムの添加により粒子径が小さくなる傾向を示し、又は乳化保存安定性では、塩化ナトリウム無添加区に比べて乳化粒子の変動(D50、1.3μm↑)が小さくなる傾向を示した。
一方、分子量が80×104のアラビアガムを用いた乳化組成物は、分子量が110×104以上であるアラビアガムを用いた乳化組成物と比較して、乳化安定性が十分なものとは認められなかった。
一方、分子量が80×104のアラビアガムを用いた乳化組成物は、一定量の塩化ナトリウムを含有するにもかかわらず、乳化組成物の粒度分布が変動し、乳化粒子径が大きくなることが示された。
(乳化組成物の調製)
表A7の処方に従い、乳化組成物を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表A8及び表A9に、並びに、乳化物理安定性試験の結果を表A10、図5に示す。
(乳化組成物の調製)
表A11の処方に従い、乳化組成物を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表A12及び表A13に示す。
(乳化組成物の調製)
表A14の処方に従い、乳化組成物を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表A15及び表A16に示す。
乳化剤として、一般的に使用されるデカグリセリン脂肪酸エステルを含有し、且つ塩化ナトリウムを含有しない乳化組成物(D-5)は、乳化粒子径(D50)が0.13μmと小さく、曇り剤として好適な濁りを示さなかった。D-5の濁度(0.1%E(720nm))を測定したところ、その値は0.095であり、0.1%水溶液は透明であった。
デカグリセリン脂肪酸エステルを含有し、且つ塩化ナトリウムを含有する乳化組成物(D-6)は均質化処理後、油相が一部分離し、均一な乳化組成物を調製できなかった。当該乳化組成物の乳化部分について粒度分布を測定したところ、乳化粒子径(D50)は16.54と極めて大きい値を示した。
本結果より、従来の技術常識のとおり、通常は、塩化ナトリウムの添加は乳化組成物の乳化を阻害する方向に働くことが示された。
一方、プロピレングリコール添加区に更に塩化ナトリウムを用いることで、当該乳化性及び乳化保存安定性が向上することが示された(D-4)。
(乳化組成物の調製)
表A17の処方に従い、乳化組成物を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験(乳化物理安定性試験)を行った。結果を図6に示す。
(乳化組成物の調製)
表A18の処方に従い、乳化組成物を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表A19及び表A20に、並びに乳化物理安定性試験の結果を表A21、及び図7に示す。
F-1~F-2の乳化組成物の濁度(0.1%E(720nm))は、初発から60℃7日間保存を通して0.45~0.49の範囲内であった。
(乳化組成物の調製)
表A22の処方に従い、乳化組成物を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性の結果を表A23及び表A24に示す。また、乳化物理安定性試験の結果を表A25及び図8に示す。
(乳化組成物の調製)
表A26の処方に従い、乳化組成物を調製した。
調製した乳化組成物について、以下に従って防腐効果を試験した。結果を図9に示す。
日本薬局方(米国薬局方USO39(2016))保存効力試験 第17改正(最新版)の方法に準じて、乳化組成物の防腐効果を試験した。
(手順)
試験菌を試料(乳化組成物)に植菌し、25℃で保管した。初発、7日、14日及び28日経過後の菌数を測定する。
(試験菌)
大腸菌:Escherichia coli
緑膿菌:Pseudomonas aeruginosa
黄色ブドウ球菌:Staphyloccous aures
酵母:Candida albicans
クロコウジカビ:Aspergillus brasiliensis
本結果より、本発明によれば、安息香酸ナトリウム等の保存料を使用せずとも、防腐効果に優れる乳化組成物を提供することができる。
非修飾アラビアガム:分子量が異なるアラビアガム(分子量 0.80百万、1.10百万、1.50百万、及び4.00百万)を用意した。当該分子量は本明細書記載のGPC-MALLS法によって算出された値である。以下、Gum Aと略記する場合がある。
中鎖脂肪酸トリグリセリド(ODO):カプリル酸/カプリン酸=3/1、日清オイリオ社
デカグリセリン脂肪酸エステル:DGFE
プロピレングリコール:PG
塩化ナトリウム:NaCl
測定不能:ND
[乳化性の評価]
調製した乳化組成物(飲料モデル)について、以下の項目を評価した。
・D50μm、又は粒子径D50:メジアン径
・1.3μm↑(又は1.3μ↑) :粒子径が1.3μm以上の粒子径の頻度
・0.1%E(720nm) :試料(乳化組成物)の0.1%水希釈液の720nmにおける濁度
<条件>
粒度分布測定装置:Microtrac MT3000EX-II(マイクロトラック・ベル社)
測定方法 :屈折率1.81、測定範囲0.021~2000μm、体積基準
<条件>
分光光度計:分光光度計V-660DS、日本分光社
測定条件 :石英セル、10mm×10mm、吸光度(Abs)
調製した乳化組成物(飲料モデル)を30mLガラス瓶に充填し、60℃の恒温槽で保存し、保存3日後、及び7日後の乳化組成物について、以下の項目を評価した。
<評価項目>
・D50μm、又は粒子径D50:メジアン径。
各表中の数値の単位はμmである。
・1.3μm↑(又は、1.3u<):粒子径が1.3μm以上の粒子径の頻度。
各表中の数値は全粒子数に対する割合であり、単位は%である。
・0.1%E(720nm):試料(乳化組成物)の0.1%水希釈液の720nmにおける濁度。
曇り剤として好適な濁度の目安は、0.2以上である。上限は特に制限されないが、例えば1以下、好ましくは0.8以下である。
乳化物理安定性の指標の一つとして、高温条件下で乳化組成物(飲料モデル)を撹拌した場合の乳化粒子の変化を評価する虐待試験を行った。模式図を図11に示す。
使用器具:200mLビーカー(ガラス製、直径65mm、高さ90mm)
撹拌羽根(直径5mmの金属棒の先端部に直径32mmの3枚羽根を備える)
測定方法:1)200mLビーカーに、試料(乳化組成物)200gをはかりとる。
2)試料を60℃で20分間静置する。
3)200mLビーカー底部からの高さ15mmに羽根を設置する。
4)回転数1300rpmの条件で、撹拌羽根で試料を撹拌する。
5)所定時間(0分、3分、6分)で乳化組成物をサンプリングし、
粒度分布を以下の測定条件で測定する。
<測定条件>
粒度分布測定装置:Microtrac MT3000EX- II(マイクロトラック・ベル社)
測定方法 :屈折率1.81、測定範囲0.021~2000μm、体積基準
各実施例における乳化安定性の評価基準は、以下の表B1及び表B2のとおりである。
「評価(経時変化)」は、乳化組成物(飲料モデル)の調製直後(初発)の「乳化状態(評価点)」と、評価時(乳化保存安定性の試験後、又は乳化物理安定性の試験後)の前記乳化組成物の「乳化状態(評価点)」との差(点差)を指標として、評価した。
また、「評価(経時変化)」は、初発の評価点が3以上(普通以上)のものについて、良い方から、表B2に従って、A、B、C、及びDの4段階で評価し、一方、初発の評価点が3未満ものは、そもそもの乳化状態が悪い、と評価し、経時変化の評価を実施しなかった(これを、当該表中、「-」で示した)。
乳化組成物(飲料モデル)は各表に示す処方に従って製造した。処方に示す素材を3000rpmで5分間撹拌し、混合液を調製した。次いで、当該混合液を高圧ホモジナイザー(ホモジナイザー15MR-8TA、MANTON-GAULIN社)で均質化処理し(条件350kg/cm2、5回)、乳化組成物を製造した。
(乳化組成物(飲料モデル)の調製)
表B3の処方に従い、乳化組成物(飲料モデル)A-1~A-12を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表B4及び表B5に、並びに、乳化物理安定性試験の結果を表B6、図12及び図13に示す。
その乳化安定性は、アラビアガムの分子量が大きくになるにつれ、より高くなる傾向があった。
(乳化組成物の調製)
表B7の処方に従い、乳化組成物B-1~B-11を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表B8及び表B9に、並びに、乳化物理安定性試験の結果を表B10、図14に示す。
なお、塩化ナトリウム含有量を12質量%に変更する以外は上記乳化組成物と同様の方法を用いて、乳化組成物を調製した(試料B-10)。しかし、当該乳化組成物は、一部、塩化ナトリウムの析出が確認された。
(乳化組成物の調製)
表B11の処方に従い、乳化組成物C-1~C-4を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表B12及び表B13に示す。
(乳化組成物の調製)
表B14の処方に従い、乳化組成物D-1~D-6を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表B15及び表B16に示す。
乳化剤として、一般的に使用されるデカグリセリン脂肪酸エステルを含有し、且つ塩化ナトリウムを含有しない乳化組成物(D-5)は、乳化粒子径(D50)が0.13μmと小さく、曇り剤の用途において要求される性質である濁りが不十分だった。D-5の濁度(0.1%E(720nm))を測定したところ、その値は0.095であり、0.1%水溶液は透明であった。
デカグリセリン脂肪酸エステルを含有し、且つ塩化ナトリウムを含有する乳化組成物(D-6)は均質化処理後、油相が一部分離し、均一な乳化組成物を調製できなかった。当該乳化組成物の乳化部分について粒度分布を測定したところ、乳化粒子径(D50)は16.54μmと極めて大きい値を示した。
本結果より、従来の技術常識のとおり、通常は、塩化ナトリウムの添加は乳化組成物の乳化を阻害する方向に働くことが示された。
一方、プロピレングリコール添加区に更に塩化ナトリウムを用いることで、当該乳化性及び乳化保存安定性が向上することが示された(D-4)。
(乳化組成物の調製)
表B17の処方に従い、乳化組成物E-1を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験(乳化物理安定性試験)を行った。結果を図15に示す。
(乳化組成物の調製)
表B18の処方に従い、乳化組成物F-1~F-4を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表B19及び表B20に、並びに乳化物理安定性試験の結果を表B21、及び図16に示す。
F-1~F-4の乳化組成物の濁度(0.1%E(720nm))は、0.45~0.52の範囲内であった。
また、表B21及び図16に示すように、塩化カルシウムを用いた場合においても、乳化組成物の乳化安定性が向上した。
(乳化組成物の調製)
表B22の処方に従い、乳化組成物G-1~G-3を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性の結果を表B23及び表B24に示す。また、乳化物理安定性試験の結果を表B25及び図17に示す。
(乳化組成物の調製)
表B26の処方に従い、乳化組成物H-1を調製した。
調製した乳化組成物について、以下に従って防腐効果を試験した。結果を図18に示す。
日本薬局方(米国薬局方USO39(2016))保存効力試験 第17改正(最新版)の方法に準じて、乳化組成物の防腐効果を試験した。
(手順)
試験菌を試料(乳化組成物)に植菌し、25℃で保管した。初発、7日、14日及び28日経過後の菌数を測定する。
(試験菌)
大腸菌:Escherichia coli
緑膿菌:Pseudomonas aeruginosa
黄色ブドウ球菌:Staphyloccous aures
酵母:Candida albicans
クロコウジカビ:Aspergillus brasiliensis
本結果より、本発明によれば、安息香酸ナトリウム等の保存料を使用せずとも、防腐効果に優れる乳化組成物を提供することができる。
試験例I[油脂含量の検討]
(乳化組成物の調製)
表I1の処方に従い、乳化組成物I-1~I-10を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表I2及び表I3に、並びに、乳化物理安定性試験の結果を図19に示す。
乳化組成物I-1~I-10のpHは、2.5~3.5の範囲内であった。
表I2及びI3、並びに図19より、様々な油脂含量において、塩化ナトリウムを添加することで乳化組成物の乳化安定性が向上することが示された。
試料No.I-7~I-10は、通常は乳化粒子のメジアン径の減少が困難な、油脂含量が多い系である。しかし、表I2に示すように、塩化ナトリウムを含有することで、乳化粒子のメジアン径が大幅に減少した。また、図19より、塩化ナトリウムを添加することで、乳化物理安定性が向上することが示された。
(乳化組成物の調製)
表J1の処方に従い、乳化組成物J-1~J-5を調製した。
塩の含有量は、陽イオン濃度が0.5mol/kgとなるように添加した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化物理安定性試験の結果を図20に示す。
(脱塩アラビアガムの調製)
35質量%アラビアガム水溶液200gに、イオン交換樹脂(強酸性陽イオン交換樹脂「ダイヤイオンSK-1B」三菱化学製)100mLを添加、及び60分間振とうした。振とう後の混合液を、100メッシュのろ紙に通液し、イオン交換樹脂を取り除き、脱塩アラビアガム水溶液を調製した。
イオン交換樹脂による処理前後のイオン濃度の分析結果(ICP分析結果)を表K1に示す。
表K2の処方に従い、乳化組成物K-1~K-4を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化組成物K-1及びK-2については、乳化性及び乳化保存安定性試験を、乳化組成物K-3及びK-4については乳化物理安定性試験を実施した。各々の結果を表K3、及び図21に示す。
乳化組成物K-1~K-4のpHは、2~3の範囲内であった。
(乳化組成物の調製)
表L1の処方に従い、乳化組成物L-1~L-6を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表L2及び表L3に、並びに、乳化物理安定性試験の結果を図22に示す。
乳化組成物L-1~L-6のpHは、2.5~3.5の範囲内であった。
(乳化組成物の調製)
表M1の処方に従い、乳化組成物M-1~M-2を調製した。
乳化物理安定性試験の結果を図23に示す。
図23より、塩化ナトリウムを添加することで、乳化組成物の乳化安定性が向上することが示された。
試験例N[多価アルコール含量(1)]
(乳化組成物の調製)
表N1の処方に従い、乳化組成物N-1~N-3を調製した。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表N2及び表N3に、並びに、乳化物理安定性試験の結果を図24に示す。
乳化組成物N-1~N-3のpHは、2.5~3.5の範囲内であった。
(乳化組成物の調製)
表O1の処方に従い、乳化組成物O-1~O-6を調製した。
イオン交換水に、処方に示す素材(1)を3000rpmで5分間攪拌し、混合液を調製した。ついで、当該混合液を高圧ホモジナイザー(ホモジナイザー15MR-8TA、MANTON-GAULIN社)で均質化処理した(条件350kg/cm2、4回)。当該処理液に素材(2)を添加、及び700rpmで1分間攪拌し、次いで、前記高圧ホモジナイザーで均質化処理し(条件350kg/cm2、1回)、乳化組成物を製造した。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表O2及び表O3に、並びに、乳化物理安定性試験の結果を図25に示す。
乳化組成物O-1~O-6のpHは、2.5~3.5の範囲内であった。
乳化物理安定性試験の結果を図26に示す。
乳化組成物P-1~P-4のpHは、2.5~3.5の範囲内であった。
図26より、様々なグリセリン含量において、塩化ナトリウムを添加することで、乳化安定性に優れる乳化組成物を調製できることが示された。
(乳化組成物の調製)
表Q1の処方に従い、乳化組成物Q-1~Q-5を調製した。
乳化組成物のpHが、表Q2に示すpHとなるよう、HCl又はNaOHを用いてpHを調整した。
(乳化組成物の調製)
表Rの処方に従い、乳化組成物R-1~R-2を調製した。当該乳化組成物のpHは2.5~3.5の範囲内であった。
調製した乳化組成物を、噴霧乾燥機[スプレードライヤー、APV Nordic Anhydro社]を用いて入口温度:160℃、出口温度85-90℃、20000rpmの条件で噴霧乾燥し、粉末状の乳化組成物を得た。
粉末状の乳化組成物の最終処方を表R2に示す。
(乳化安定性試験)
粉末状乳化組成物をイオン交換水で希釈したあ水溶液を調製し、当該水溶液の乳化安定性を試験した。結果を表R3に示す。
表R3中、「初発」は、調製直後の粉末状乳化組成物の結果を示す。
「粉末(ポリ袋)」は、粉末状乳化組成物をポリエチレン袋(「製品名「ユニパック E-8」生産日本社製、容量20g」)に充填し、60℃で7日間保存後の結果を示す。
「粉末(アルミニウム蒸着)」は、粉末状乳化組成物をアルミ/PETラミネートフィルムのジッパー付袋(「製品名「ラミジップ AL-10」、生産日本社製、容量20g」)に充填及び密封し、60℃で7日間保存後の結果を示す。
(乳化組成物の調製)
表S1の処方に従い、乳化組成物を調製した。
調製した乳化組成物について、乳化安定性試験を行った。
乳化性及び乳化保存安定性試験の結果を表S2に、及び、乳化物理安定性試験の結果を図27に示す。
Claims (7)
- 水、油性成分、分子量が100万以上であるアラビアガム、並びに
ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩よりなる群から選択される少なくとも1種の無機塩を含有する乳化組成物であって、
前記無機塩の含有量が、
乳化組成物の1~10質量%であり、且つ前記アラビアガム100質量部に対して90質量部以下である、
乳化組成物。 - 請求項1に記載の乳化組成物であって、カルナウバロウを含有するものを除く、乳化組成物。
- 乳化香料製剤、乳化色素製剤、乳化栄養強化剤製剤、乳化機能性素材製剤、又は曇り剤である、請求項1又は2に記載する乳化組成物。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載する乳化組成物を含有する水性組成物。
- 請求項1~3のいずれか一項に記載する乳化組成物を0.001~5質量%の割合で含有する水性組成物であって、当該水性組成物が飲食品、香粧品、医薬品、又は医薬部外品である、請求項4に記載する水性組成物。
- 水、油性成分、及び分子量が100万以上であるアラビアガムを含有する乳化組成物の乳化安定性を向上させる方法であって、
前記乳化組成物にナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、及びマグネシウム塩からなる群より選択される少なくとも1種の無機塩を含有させる工程を含み、
前記無機塩の含有量が、
乳化組成物の1~10質量%であって、且つ、前記アラビアガム100質量部に対して90質量部以下である、
方法 。 - 飲料の不透明度の増強方法であって、飲料製造において請求項2に記載の乳化組成物を添加する工程を有する、前記方法。
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