JP4338681B2 - チョコレート粉末の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水に対する濡れ、溶解性が改良されたチョコレート粉末およびその製造方法に関する。
従来、チョコレート成分が粉末状態で存在する食品としてココア粉末がある。ココア粉末は、一般的に次のようにして作られる。即ち、カカオ豆を生のまま破砕し、破砕した破砕物から外皮や胚芽を取り除き、胚乳部であるカカオニブを得る。次いで、カカオニブを焙焼し、焙焼カカオニブを磨砕してカカオマスを得る。このカカオマスを圧搾などして脂肪分であるココアバターの一部を取り除いてココアケーキとし、このココアケーキを粗砕したキブルを粉砕してココア粉末とする。このとき、得られるココア粉末を好ましい色調とする目的で、カカオニブをアルカリ性溶液で処理することが行われている。
しかし、上記のようにして得られたココア粉末は、アルカリ処理によりチョコレートの独特のビター感や酸味が失われ、また搾油によるココアバターの除去により、チョコレート様の濃厚感や脂溶性香気成分に由来する風味が減少している。そのため、その風味は一般的にカカオマスを主原料とし、これにココアバター、砂糖、乳成分などを混合し、レファイナーで微粒化し、精錬工程でよく練り上げ、香りや風味の熟成がなされたチョコレート生地とは異質なものである。
そこで、チョコレートの風味や濃厚感を有するチョコレート粉末を得るための検討が以前からなされている。チョコレート粉末を得る方法としては、例えばカカオマス、全脂粉乳、粉糖、カカオ代用脂、レシチン、香料からなるチョコレート原料を溶融し、加圧噴霧型ノズルを用いて−20℃の塔内に噴霧し、顆粒状のチョコレートを得る方法(特許文献1参照)、比容積4ml/g 以上、11ml/g以下のデキストリン粉末を造粒機または混合機により転動させながら冷気により品温10〜−2℃に冷却し、融解したチョコレート原料の噴霧粒子に被覆する事を特徴とする粉末チョコレートの製造方法(特許文献2参照)、などが知られている。
しかし、これらの方法はチョコレート風味を有する粉末を得ることが目的であり、得られたチョコレート粉末の水に対する濡れ、溶解性についてはなんら考慮されていない。チョコレート粉末は脂肪(ココアバター)を高濃度に含有する粉末であるため、チョコレート粉末を水に溶解させようとしたとき、水濡れが悪く、容易に分散・溶解せず、“ままこ”や“だま”となり、粉末が水面に浮いたままであったり、逆に沈降して沈殿を生じたりして液中に均一に溶解しない欠点があった。
この問題を解決するため、例えば、ココアパウダー、ビターチョコレート、融点32℃の硬化油、デキストリン、カゼインナトリウム、蔗糖脂肪酸エステル、レシチン、水からなる混合物を乳化し、乳化液を噴霧乾燥して粉末を得る方法(特許文献3参照)、可溶性粉末チョコレートの製造方法において、油分25〜35%のチョコレート生地にHLBの高い界面活性剤を0.2〜1.0%添加、混合し、さらに水分が11〜25重量%になるように加水して乳化物とした後、品温90℃以下で乾燥、ついで粉砕し、比重0.35〜0.55、粒径5mm以下とすることを特徴とする可溶性粉末チョコレートの製造方法(特許文献4参照)、カカオマスと、乳原料とを含有する原料を温水または熱水に溶解し、スプレードライすることを特徴とするインスタントココアの製造法(特許文献5参照)、などがこれまで提案されている。
しかしながら、水に対する濡れ、溶解性が十分に満足できる程度のレベルに達したチョコレート粉末は未だ開発されるに到っていないのが実状である。
特開昭63−186799号公報、実施例1 特開2003−47407号公報、請求項5 特開平4−190743号公報、実施例1 特開平8−205773号公報 特開平11−103780号公報、請求項6
本発明は、水に対する濡れ、溶解性が改良されたチョコレート粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った結果、チョコレート成分、アラビアガム、たんぱく質、ジグリセリン脂肪酸エステルおよび水を含有する水中油型乳化組成物を噴霧乾燥することにより水に対する濡れおよび溶解性が改良されたチョコレート粉末が得られることを見いだし、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、
(1)チョコレート成分、アラビアガム、たんぱく質およびジグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とするチョコレート粉末、
(2)ジグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリンモノ脂肪酸エステルであり、該ジグリセリンモノ脂肪酸エステル中のモノエステル体含有量が70質量%以上であることを特徴とする前記(1)に記載のチョコレート粉末、
(3)前記(1)または(2)に記載のチョコレート粉末を含有することを特徴とする飲食品、
(4)チョコレート成分、アラビアガム、たんぱく質、ジグリセリン脂肪酸エステルおよび水を含有する水中油型乳化組成物を噴霧乾燥することを特徴とするチョコレート粉末の製造方法、
(5)ジグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリンモノ脂肪酸エステルであり、該ジグリセリンモノ脂肪酸エステル中のモノエステル体含有量が70質量%以上であることを特徴とする前記(4)に記載のチョコレート粉末の製造方法、および
(6)前記(4)または(5)に記載の製造方法で得られるチョコレート粉末を含有することを特徴とする飲食品、
からなっている。
本発明のチョコレート粉末は、チョコレートの風味や濃厚感を有し、且つ水に対する濡れおよび溶解性が優れている。本発明の方法に従うと、チョコレートの風味や濃厚感を有し、且つ水に対する濡れおよび溶解性が改良されたチョコレート粉末を得ることができる。
本発明では、先ずチョコレート成分、アラビアガム、たんぱく質、ジグリセリン脂肪酸エステルおよび水を含有する水中油型乳化組成物が調製される。
本発明で用いられるチョコレート成分とは、カカオマス、ココアバター、ココアバター代用脂およびチョコレート生地の群から選ばれる一種または二種以上の混合物が挙げられる。ココアケーキ、キブルあるいはココア粉末は、カカオマス、ココアバター、ココアバター代用脂およびチョコレート生地の群から選ばれる一種または二種以上と併用する限りにおいて、本発明で言うところのチョコレート成分に含まれる。
ココアバター代用脂としては、ココアバターに類似した分子構造と物性を有するトリアシルグリセロールと、物性のみがココアバターに類似したトリアシルグリセロールとが挙げられる。前者はシア脂、パーム油、サル脂、ボルネオ脂などの植物油脂を原料とし、溶剤分別により作られる。また後者はヤシ油、パーム核油などのラウリン酸系の植物油脂を原料とし、硬化、エステル交換反応、溶剤分別などにより作られたもの、および大豆油、綿実油などをトランス酸の多い硬化油とし、それを溶剤分別して作られたものの二種類がある。
チョコレート生地としては、カカオマス、ココアバター、ココアバター代用脂の群から選ばれる少なくとも一種以上と、一般的にチョコレート製造に用いられる副原料、例えば砂糖、乳成分、香料などとを混合したもの、該混合物を微粒化したもの、該微粒化したものを精錬したものなどが挙げられ、具体的には、例えばビターチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートなどが挙げられる。ココアケーキ、キブルあるいはココア粉末は、好みに応じて、該副原料として加えることができる。
本発明で用いられるアラビアガムとしては、マメ科アラビアゴムノキ(Acacia
senegal Willdenow)またはその他同属植物の分泌液から得られた多糖類を主成分とするものであれば特に制限はなく、例えば分泌液を乾燥したもの、分泌液を乾燥したものを粉砕したもの、分泌液を水に溶解して噴霧乾燥したもの、分泌液を水に溶解して脱塩し噴霧乾燥したものなどが挙げられる。商業的に販売されているものの例としては、QUICK GUM#8029(商品名;ALFRED L.WOLFF社製)、QUICK GUM#8074(商品名;ALFRED L.WOLFF社製)などが挙げられる。
本発明で用いられるたんぱく質としては、動植物を基原とし食用可能なものであれば特に制限はなく、例えば乳たんぱく質(α−カゼイン、β−カゼイン、κ−カゼイン)、ホエイたんぱく質(β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン)、卵白アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、分離大豆たんぱく質、小麦たんぱく質(グルテン)、小麦アルブミン、とうもろこしたんぱく質(ツェイン)、えんどうたんぱく質、シルクたんぱく質およびこれらたんぱく質の加水分解物、並びにそれらの塩(例えば、カゼインナトリウム)などが挙げられ、好ましくはカゼインナトリウムである。
本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。
本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられるジグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸またはアルカリを触媒として添加し、窒素または二酸化炭素などの任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られる、グリセリンの平均重合度が約1.5〜2.4、好ましくは平均重合度が約2.0のジグリセリン混合物が挙げられる。また、ジグリセリンは、グリシドールまたはエピクロルヒドリンなどを原料として得られるものであってもよい。反応終了後、必要であれば中和、脱塩、脱色などの処理を行ってよい。
本発明においては、上記ジグリセリン混合物を、例えば蒸留またはカラムクロマトグラフィーなど自体公知の方法を用いて精製し、グリセリン2分子からなるジグリセリンを約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、より好ましくは約90質量%以上に高濃度化した高純度のジグリセリンが、好ましく用いられる。
本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を基原とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸など)または不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸など)が挙げられ、好ましくはオレイン酸、リノール酸およびα−リノレン酸の群から選ばれる一種またはニ種以上の脂肪酸の混合物である。とりわけオレイン酸を約50質量%以上、より好ましくは約70質量%以上含有する脂肪酸混合物を用いるのが好ましい。
本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例として、モノエステル体を約70質量%以上含むジグリセリンモノ脂肪酸エステルが挙げられる。その製法の概略は以下の通りである。例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の反応容器に、ジグリセリンと脂肪酸をモル比で約1:0.8〜1:1.2、好ましくは約1:1で仕込み、触媒として水酸化ナトリウムを加えて攪拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、約180〜260℃の範囲、好ましくは約200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は減圧下または常圧下で、反応時間は約0.5〜15時間、好ましくは約1〜3時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、酸価約12以下を目安に決められる。得られた反応液は、未反応の脂肪酸、未反応のジグリセリン、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ジグリセリンジ脂肪酸エステル、ジグリセリントリ脂肪酸エステルまたはジグリセリンテトラ脂肪酸エステルなどを含む混合物である。反応終了後、得られた反応液を約120℃以上180℃未満、好ましくは約130〜150℃に冷却し、酸を加えて触媒を中和し、好ましくは約15分間〜1時間放置し、未反応のジグリセリンが下層に分離した場合はそれを除去し、ジグリセリン脂肪酸エステルを得ることができる。
更に、該ジグリセリン脂肪酸エステルを、例えば流下薄膜式分子蒸留装置または遠心式分子蒸留装置などを用いて分子蒸留するか、またはカラムクロマトグラフィーもしくは液液抽出など自体公知の方法を用いて精製することにより、モノエステル体を約70質量%以上含むジグリセリンモノ脂肪酸エステルを得ることができる。
本発明に係る水中油型乳化組成物100質量%中の固形分(チョコレート成分、アラビアガム、たんぱく質、ジグリセリン脂肪酸エステル、その他)と水分の比率に制限はないが、固形分濃度が約20〜60質量%、水分が約80〜40質量%となるよう調整するのが好ましい。
該固形分100質量%中には、チョコレート成分が約20〜85質量%、好ましくは約50〜80質量%、アラビアガムが約1.0〜30質量%、好ましくは約5〜15質量%、たんぱく質が約0.1〜5質量%、好ましくは約0.5〜3質量%、ジグリセリン脂肪酸エステルが0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%含まれ、更に必要であれば賦形剤が配合される。
該賦形剤としては、通常粉末油脂の製造に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば乳糖、加工澱粉、デキストリン、粉末水飴、マルトトリオース、マルトテトラオース、マルトペンタオースおよびマルトヘキサオースなどのマルトオリゴ糖類、トレハロースなどが挙げられる。
本発明に係る水中油型乳化組成物を製造するための装置としては特に限定されず、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板などを備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。装備する攪拌機としては、TKホモミクサー(特殊機化工業社)、クレアミックス(エムテクニック社)などの高速回転式分散・乳化機を使用することができる。また、これらの装置で予備乳化した液をさらに均質化するための装置としては、例えばAPVゴーリンホモジナイザー(APV社)、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイデックス社)、アルティマイザー(スギノマシン社)、ナノマイザー(大和製罐社)などの高圧式均質化処理機を使用することができる。さらに、上記均質化処理機以外にも、超音波乳化機などの均質化処理機を用いてもよい。
本発明に係る水中油型乳化組成物の製造方法に特に制限はないが、好ましくは、アラビアガム、たんぱく質、ジグリセリン脂肪酸エステルおよび必要に応じて賦形剤などを、約50〜80℃、好ましくは約60〜70℃に加温した水に分散または溶解し、これに溶融したチョコレート成分を徐々に加えながら、高速回転式分散・乳化機を用いて、回転数約8000〜20000rpm、攪拌時間約10〜60分間で乳化し、必要であれば更に高圧式均質化処理機で約19.6〜49.0MPaで約1〜3回処理し乳化・均質化する方法である。
得られる乳化組成物中の油分の平均粒子径には特に制限はないが、約10μm以下であることが好ましく、更に好ましくは約1μm以下である。
次に水中油型乳化組成物は乾燥され、粉末化される。乾燥方法としては、好ましくは噴霧乾燥である。本発明で使用される噴霧乾燥装置に特に制限はなく、噴射式噴霧乾燥装置または回転円盤式噴霧乾燥装置など、自体公知の装置を使用することができる。また、噴霧乾燥の操作条件に特に制限はなく、例えば、乳化組成物を加圧ノズル式噴霧乾燥装置に供給し、熱風入口温度約150〜270℃、排気温度約70〜130℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、流動性の良いチョコレート粉末を得ることができる。得られるチョコレート粉末の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば約20〜200μm、好ましくは約50〜100μmである。また得られたチョコレート粉末の乾燥減量は、特に限定されないが、例えば約10質量%以下、好ましくは約7質量%以下、更に好ましくは約5質量%以下である。
また、本発明のチョコレート粉末は水中油型乳化組成物を、例えばドラム乾燥、ベルト乾燥、真空乾燥あるいは真空凍結乾燥などにより乾燥し、その後乾燥したものを粉砕するなどして製造することもできる。
本発明に従うチョコレート粉末の好ましい実施態様の一例は、該粉末中、チョコレート成分を約20〜85質量%、好ましくは約50〜80質量%、アラビアガムを約1.0〜30質量%、好ましくは約5〜15質量%、たんぱく質を約0.1〜5質量%、好ましくは約0.5〜3質量%、ジグリセリン脂肪酸エステルを約0.05〜5質量%、好ましくは約0.1〜2質量%、および賦形剤を含む粉末である。更に、該粉末中のたんぱく質の配合量は、チョコレート成分100質量部に対して約0.1〜5質量部が好ましく、約0.3〜2質量部であることがより好ましい。
尚、本発明に従うチョコレート粉末中には、本発明の目的・効果を阻害しない範囲で、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルまたはレシチンなどの食品用乳化剤を加えることができる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル(ジグリセリン脂肪酸エステルを除く)またはポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなどが含まれる。またレシチンとしては、大豆レシチンおよび卵黄レシチンなど油分を含む液状レシチン、液状レシチンから油分を除き乾燥した粉末レシチン、液状レシチンを分別精製した分別レシチン並びにレシチンを酵素で処理した酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチンなどが挙げられる。
本発明により、水に対する濡れ、溶解性が改良されたチョコレート粉末が得られる。さらに、より溶解性を高めるために該チョコレート粉末を、例えば流動層造粒乾燥機、あるいは撹拌式混合・造粒機などを用い、例えば糖類の水溶液などを噴霧して造粒し、顆粒状とすることもできる。
本発明のチョコレート粉末は、そのまま、または他の食品材料などと混合などし、チョコレート粉末を含有する飲食品とすることができる。例えば、本発明のチョコレート粉末に、糖類、乳製品、または食塩あるいは香料などのその他の可食物を加え、ミキサーを用いて攪拌混合した後、この混合物を粉砕機を用いて粉砕し、粉末チョコレート飲料として製品化することができる。ここで、糖類としては、砂糖、粉糖、乳糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖、粉末水飴、オリゴ糖またはトレハロースなどの糖類の他、ソルビトール、マンニトール、パラチニット、マルチトール、ラフィノース、エリスリトール、ラクチトールまたはキシリトールなどの糖アルコールなどを用いることもできる。また、乳製品としては、全粉乳、脱脂粉乳、粉末生クリーム、練乳パウダー、または乳製品を利用したクリーミングパウダーなどが挙げられる。
以下に本発明を実施例および試験例に基づいて、より具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1、2、比較例1〜5]チョコレート粉末の作製
(1)チョコレート粉末作製用原材料
1)カカオマス(製品名:カカオマス;不二製油社製)
2)ビターチョコレート(製品名:クーベルチュールエクストラビター80;不二製油社製)
組成:カカオマス、砂糖、ココアバター、レシチン、香料を含む。
3)アラビアガム(製品名:QUICK GUM #8029;Alfred
L.Wolff社製)
4)カゼインナトリウム(製品名:ALANATE 180;フォンテラ社製)
5)ジグリセリンモノオレート(製品名:ポエムDO−100V;理研ビタミン社製,モノエステル含量約80質量%)
6)テトラグリセリンモノオレート(製品名:SYグリスターMO−310;阪本薬品工業社製)
7)デカグリセリンモノオレート(製品名:ポエムJ−0381V;理研ビタミン社製)
8)乳糖(製品名:乳糖(ラクトーゼ);NZMP社製)
9)デキストリン(製品名:パインデックス#3;松谷化学工業社製)
(2)チョコレート粉末の配合
上記原材料を種々の配合割合にて配合して種々のチョコレート粉末を作製した(実施例1、2および比較例1〜5)。実施例1および2にて作製したチョコレート粉末の配合組成を表1、さらに比較例1〜5にて作製したチョコレート粉末の配合組成を表2に示した。
Figure 0004338681
Figure 0004338681
(3)チョコレート粉末の作製
1)3L容ステンレス製ビーカーに精製水1000mLを入れ60℃に加温する。
2)前記1)で加温した精製水をTKホモミクサー(型式:MARK2.5;特殊機化工業社製)で低速で攪拌しながら、カカオマスまたはチョコレート以外の原材料(アラビアガム、カゼインナトリウム、各種ポリグリセリン脂肪酸エステル、乳糖、デキストリン)を加えて溶解する。
3)前記2)で調製した溶解液に、約60℃に加温したカカオマスまたはチョコレートを徐々に加え、その後10000rpmで15分間攪拌・乳化し、水中油型乳化液を得た。なお、水以外の原材料の総量は1000gとした。
4)前記3)で得られた乳化液を高圧ホモジナイザー(型式:LAB1000;APV社製)にて39.2MPaで1回パスさせ、均質化処理を行い均質化液とした。
5)前記4)で得られた均質化液を、加圧ノズル式噴霧乾燥装置(型式:L−8i;大川原化工機社製)にて、熱風入口温度175℃、排気温度90℃の条件下で噴霧乾燥し、乾燥物をサイクロンで捕集することにより、チョコレート粉末を得た。
尚、乾燥減量は第7版食品添加物公定書「9.乾燥減量試験法」に準じて測定した。すなわち得られたチョコレート粉末1gを精密に量り、105℃で2時間乾燥し、乾燥後の重量を測定し、乾燥による減量を質量%で求めた。得られた各チョコレート粉末の収量、乾燥減量および粉質を表3に示した。
Figure 0004338681
〔試験例〕
[実施例1、2、比較例1〜5]チョコレート粉末の濡れおよび溶解性試験
(1)試料の調製
実施例1、2、比較例1〜5で得たチョコレート粉末10gと粉糖10gを均一に混合し、試料とした。
(2)試験方法
300mLビーカーに20℃の精製水200mLを入れ、スリーワンモーター(型式:FBL−600;HEIDON社)で400rpmで攪拌しながら試料20gを水面に静かに投入し、濡れ(試料が完全に水面から没するまでの時間(秒数))および溶解性(試料が完全に分散・溶解するまでの時間(秒数))を測定した。結果を表4に示した。
Figure 0004338681
表4の結果から明らかなように、実施例のチョコレート粉末を含む試料はおよそ1分間で完全に分散・溶解した。一方、比較例のチョコレート粉末を含む試料は、いずれも完全に分散・溶解するのにおよそ3分間あるいはそれ以上を要し、本発明に従うチョコレート粉末の製造方法および得られるチョコレート粉末の優れていることが証明された。
本発明に従うチョコレート粉末およびそれを加工した製品は、水、湯あるいは牛乳などに分散・溶解してチョコレート飲料として飲用される外、ケーキ表面への振りかけ材料などとしても用いられる。またケーキ生地、ビスケット生地などに添加することにより、チョコレートの風味や濃厚感を付与することができる。

Claims (2)

  1. チョコレート生地、アラビアガム、たんぱく質、ジグリセリン脂肪酸エステルおよび水を含有する水中油型乳化組成物を噴霧乾燥することを特徴とするチョコレート粉末の製造方法。
  2. ジグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリンモノ脂肪酸エステルであり、該ジグリセリンモノ脂肪酸エステル中のモノエステル体含有量が70質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載のチョコレート粉末の製造方法。
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