JP3755473B2 - 分散性の良いココアパウダー組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散性の改良されたココアパウダー組成物、特に温水のみならず冷水にも容易に溶解分散する、ココアパウダー組成物及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のココアパウダーは非常に溶け難く、温めた牛乳または温水に溶かして飲用する際には、ママコが生じないよう、まず少量の温水(温めた牛乳でもよい)で混練後、さらに適量に希釈し、混合分散する必要があった。この分散性を改良するため、これまで例えば特開昭61-212244には、ココアパウダー,蛋白質,糖質,油脂の分散液を均質化し、更に乾燥する事により分散性を上げる方法が開示されている。
【0003】
また、特開平07-087893にはココアパウダーにポリグリセリンエステルを噴霧して、分散性を上げる方法が開示されている。しかし糖類の添加程度では分散性向上の効果が弱く、また乳化剤の利用は好ましく無い風味を与える。特開平11-69945では、カカオ成分をバインダーとして顆粒状のココアパウダーを製造する方法が示されているが、バインダーの用途にカカオを用いるのは、コスト的に問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、分散性の良いココアパウダー組成物、詳しくは温水のみならず冷水にも容易に溶解分散する、分散性の良いココアパウダー組成物及びその製造法を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究の結果、カカオハスクから熱水抽出したカカオハスク抽出物がココアパウダーの溶解分散性の向上に効果があるという知見を得て、本発明を完成するに到った。
【0006】
即ち本発明はカカオハスクから熱水抽出したカカオハスク抽出物を、ココアパウダーに対し、乾物比0.2重量%から30重量%含有することを特徴とする、ココアパウダー組成物であり、またカカオハスク抽出物をココアパウダーに添加してココアパウダー組成物を製造する方法である。
【0007】
詳しくは、カカオハスクの抽出物を得るにおいて、好ましい抽出条件として抽出終了時の抽出液のpH条件がpH2.0以上、6.5未満の酸性であり、熱水抽出の温度が100℃より高温且つ130℃以下の条件で得られるカカオハスク抽出物を含有する、ココアパウダー組成物である。また、カカオハスク抽出物をココアパウダーに添加する方法として、カカオハスク抽出物とココアパウダーを粉体混合する方法であり、またカカオハスク抽出物をバインダー液に使用してココアパウダーの造粒を行う方法でありさらにカカオハスク抽出物とココアパウダーを懸濁させた上で乾燥する方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明においてカカオハスク抽出物の原料であるカカオ豆は一般に焙煎処理を施すが、原料の外皮は、脱皮の時期が焙煎前でも焙煎後でも構わない。また、抽出前のカカオハスクは未粉砕のままでも使用可能であるが、粉砕品の方がより好ましい。
【0009】
カカオハスクから熱水抽出する際の条件は、抽出後のpHがpH2.0〜pH6.5、好ましくはpH2.5〜pH6.0にて行うことが好ましい。このpH域から外れた範囲において抽出された熱水抽出物には、本発明が目的として期待する充分な機能は発現されない。pH7.0を超えるアルカリ域で抽出した抽出物は、いわゆる蛋白質の含量が高く、充分な機能が得られない。更に、糖質の蛋白質との反応により風味が悪化してしまう。一方pH2.0未満の強酸性域で抽出すると、抽出物が分解されて低分子化してしまい、機能が現れない。
【0010】
また、上記のpH範囲におけるカカオハスク抽出物の抽出温度は、加圧下に100℃より高い温度にて行うのが好ましい。100℃以下の温度で抽出を行った場合には、カカオハスク抽出物の溶出に時間がかかり経済的に不利である。一方、温度が高温になるに従って抽出は短時間で済むが、通常の加熱法で余りに高温にし過ぎると風味、色調に悪影響を及ぼすと共に、カカオハスク抽出物の低分子化が進み機能の発現効果が低下するので、130℃以下、好ましくは120℃以下で行うのが好ましい。この温度範囲での抽出時間は数分〜数十時間、好ましくは数十分〜数時間が適当である。但し、瞬時に所定の温度まで昇温させ、合計加熱時間も極く短時間で済ませる加熱法の場合は、130℃以上の高温でも良い。
【0011】
抽出の際に、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ、アミラーゼ等の酵素により処理して抽出し易くすることができる。また、抽出後の水溶性画分を分画した後、そのまま乾燥しても使用は可能だが、電気透析、イオン交換樹脂処理等によってミネラル成分を除去(脱塩)しても良く、また活性炭処理或いは樹脂処理或いはエタノール沈澱処理をして疎水性物質或いは低分子物質を除去(精製)し乾燥することによって、より品質の良好なカカオハスク抽出物を得ることができる。更に、UF膜やセラミックフィルター分離で低分子の着色物質や悪風味成分を除去(精製)することによって、より品質の良好なカカオハスク抽出物を得ることができる。
【0012】
また、抽出する際に、各種ミネラル類、及びクエン酸,乳酸等の有機酸、リン酸,ポリリン酸,ヘキサメタリン酸等の酸及びそれらの塩類、或いはショ糖脂肪酸エステル,モノグリセリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤を併用することによって、品質の良好な水溶性画分を抽出することができる。更に抽出後に水酸化ナトリウム等のアルカリ剤を加え、抽出液を中性乃至弱アルカリ性に調整する事で、最終的なココア製品の品質低下を下げる方法も有効である。
【0013】
本発明におけるカカオハスク由来のカカオハスク抽出物は、その分子量がどの様な値のものでも使用可能であるが、好ましくは平均分子量が数万〜数百万、より好ましくは数万から数十万で、具体的には2万〜30万であるのが好ましい。なお、この明細書において平均分子量は標準物質プルラン(昭和電工(株)製)を標準物質として、TSK-GEL G-5000PWXLカラムを用いたゲル濾過HPLCで測定した値である。また、当該カカオハスク抽出物の粘度は特に制限されるものではないが、10%濃度の水溶液において20℃で10〜500cPs、好ましくは30〜300cPs、より好ましくは40〜200cPsの粘度を与える。
【0014】
このカカオハスク抽出物は、ガラクツロン酸,ガラクトース,ラムノース,アラビノース,キシロース,フコース,マンノース,及びグルコースを含む。なお、ウロン酸の測定はBlumenkrantz法により、中性糖の測定はアルジトールアセテート化した後GLCにより測定されたものである。
【0015】
次にココアパウダーは、前述したカカオ豆を脱皮焙煎後に搾油をし更に粉砕した、公知のココアパウダーを用いることが出来る。通常、実用的には、ココアバター含有率約10重量%〜12重量%の低脂肪タイプのものと、ココアバター含有率約20重量%〜24重量%の高脂肪タイプのものが一般的に知られているが、本発明に用いるココアパウダーは特に油分を限定しない。また、カカオマス,ココアバター,ココアバター代用脂から選ばれた一種又は二種以上をココアパウダーの代りにもしくは混合して用いることもできる。
【0016】
カカオハスク抽出物をココアパウダーに添加する方法は、以下の3つの方法から選ばれた一種または二種以上の方法により行う事ができる。(1)ココアパウダーとカカオハスク抽出物を粉体混合する方法。(2)カカオハスク抽出物の溶液をバインダーに用いてココアパウダーの造粒を行う方法。(3)懸濁したココアパウダーを乾燥する方法。
【0017】
先ず(1)の粉体混合の方法について説明する。ココアパウダー、またはココアパウダーに乳製品や甘味料,香料,乳化剤,各種糖類等の可食物を共存させた調整ココア、もしくは後述する(2)、(3)の方法により得られた易分散ココアパウダーに、乾燥したカカオハスク抽出物を混合することで、ココアパウダーに溶解懸濁性を付与する事ができる。乳製品としては、通常の製品であれば如何なるものでも良く、牛乳,全脂粉乳,脱脂粉乳,クリーム,バター,全脂練乳,脱脂練乳,調製粉乳等を具体例として挙げることが出来る。
【0018】
甘味料としては、公知の何れのものでも使用可能であるが、例えば、砂糖,ぶどう糖,麦芽糖,果糖,乳糖,異性化糖,水飴,トレハロース,マルチトール,ソルビトールなどの糖類やアスパルテーム,ステビア,スクラロール,グリチルリチン,ソーマチン,エリスリトール,マンニトール,キシリトール,マルチトール等などから選ばれた一種又は二種以上が適当である。
【0019】
乳化剤は公知の何れの物でも使用可能であり、具体的には、ショ糖脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,プロピレングリコール脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,レシチン,リゾレシチンから選ばれた一種または二種以上が適当である。
【0020】
各種糖類には、カラギーナン,ファーセラン,タマリンド種子多糖類,タラガム,カラヤガム,大豆ヘミセルロース,ペクチン,キサンタンガム,アルギン酸ナトリウム,トラガントガム,グアーガム,ローカストビーンガム,プルラン,ジェランガム,アラビアガム,デキストリン,トレハロース,各種澱粉,各種オリゴ糖,各種セルロース等が挙げられる。またゼラチン,大豆蛋白質,カゼインナトリウム等の蛋白質を混合する事もできる。
【0021】
最終的にカカオハスク抽出物がココアパウダーに対し、乾物比0.2重量%から30重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%、更に好ましくは1重量%から15重量%含まれる事が必要となる。0.2重量%未満では目的とする機能が得られず、また30重量%以上ではココアパウダーとは風味が明らかに異なってしまう。
【0022】
次に(2)のバインダーとして用いて造粒する方法について述べる。(1)で用いた材料である、ココアパウダーや調整ココア,(1)で調製した易分散ココアパウダー,(3)にて後述する易分散ココアパウダーに対して、カカオハスク抽出物をバインダーとして造粒することで、ココアパウダーにより高い溶解懸濁性を付与する事ができる。具体的には、カカオハスク抽出物の0.5重量%〜30重量%溶液、好ましくは1重量%〜20重量%溶液を、例えば流動層造粒機中でココアパウダーに対し噴霧し、造粒する事ができる。この際カカオハスク抽出物は、乾燥工程を経ずに抽出した溶液もしくは抽出後に濃縮した溶液をそのまま用いても良い。この造粒によりココアパウダーの溶解分散性が向上する。
【0023】
最終的にカカオハスク抽出物がココアパウダーに対し、乾物比0.2重量%から30重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%、更に好ましくは1重量%から15重量%含まれる事が必要となる。0.2重量%未満では目的とする機能が得られず、また30重量%以上ではココアパウダーとは風味が明らかに異なってしまう。
【0024】
バインダーにはカカオハスク抽出物に加えて、例えばプルラン,水溶性ヘミセルロース,キサンタンガム,アラビアガム,グアガム,カラギーナン,ローカストビーンガム,アラビノガラクタン,ガッティガム,ガム類の加水分解物,化工澱粉等の水溶性多糖類やソルビトール,エリスリトール,マンニトール,キシリトール,マルチトール等の糖アルコールを併用しても効果的である。併用するこれらバインダーの溶液濃度は0.5重量%〜20重量%が適当であり、その使用量は粉体に対して0.1重量%〜20重量%が適当である。
【0025】
最後に(3)の懸濁したココアパウダーを乾燥する方法を説明する。溶解懸濁したココアパウダーとカカオハスク抽出物を混合後に乾燥させると、更に溶解分散性を向上させる事ができる。
【0026】
まずココアパウダーとカカオハスク抽出物を混合した溶解分散液を調製する。粉体混合後に溶解分散しても、各々を溶解分散した物を混ぜ合わせても、一方の溶解分散液に他方粉末を添加しても構わない。また、カカオハスク抽出物は、乾燥工程を経ずに抽出したもしくは抽出後に濃縮した溶液をそのまま用いても良い。溶解分散させる溶媒は水や温水だけでなく、乳製品や甘味料,香料,乳化剤,各種糖類等の可食物を共存させた溶液を用いる事もできる。飲食時に甘味料等の添加の手間が必要ないだけでなく、粉体の溶解分散性を向上させる効果もある。乳製品や甘味料,乳化剤,各種糖類,各種蛋白質は(1)で例示した素材を用いる事ができる。
【0027】
最終的にカカオハスク抽出物がココアパウダーに対し、乾物比0.2重量%から30重量%、好ましくは0.5重量%から20重量%、更に好ましくは1重量%から15重量%含まれる事が必要となる。0.2重量%未満では目的とする機能が得られず、また30重量%を超えるとココアパウダーとは風味が明らかに異なってしまう。
【0028】
この際の溶解分散液の濃度は特に問わないが、濃度が高過ぎるとココアパウダーの分散が損なわれ、また濃度が低いと次に行なう乾燥の効率が低下する。この溶解分散液はその後にホモゲナイザー等の装置を用いて均質化処理を行う事が好ましい。
【0029】
ココアパウダーの溶解分散液は、直接もしくは濃縮した上で乾燥を行なう。乾燥方法は流動層乾燥機や凍結乾燥機など種々の方法から選択できるが、その後の分散性を確保する点から、造粒効果のあるスプレードライヤーが好ましい。例えば、熱風温度150℃〜250℃、排風温度70℃〜120℃で乾燥する事で良好なココアパウダーを得ることが出来るが、これ以外の乾燥条件でも同等の品質の物は調製可能である。乾燥後に(2)で例示したバインダー素材を用い、造粒条件に従って造粒する事もできる。造粒により溶解分散性を更に向上させる事ができる。この様にして得られたココアパウダーは温水のみならず冷水にも容易に溶解分散するものであり、風味的にも問題の無いものである。
【0030】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例示によって制限されるものではない。なお、例中の部及び%は何れも重量基準を意味する。
【0031】
【実施例1】
カカオハスク50部を水400部に分散した後に、pHを2.5に調整後、110℃、90分間加熱して、カカオハスク抽出物を抽出した。なお、抽出終了時のpHは2.5であった。冷却後、遠心分離(10,000g×30分間)を行い上澄画分と沈殿画分に分離した。分離した沈殿部は等重量の水を加えて再度遠心分離を行い、上澄を先の水溶性画分と混合した後に抽出液を中和し、凍結乾燥してカカオハスク抽出物(A)を得た。流動層造粒機にココアパウダー100部を入れ、カカオハスク抽出物(A)5部を水50部に溶解した液を噴霧し、ココアパウダー組成物に相当する、造粒ココアパウダー(a)を調製した。
【0032】
【実施例2】
実施例1と同様にしてカカオハスク抽出物(B)を得た。但し、抽出する前のpHを5.0に調整し、抽出終了時のpHは4.9であった。ココアパウダーを造粒し、ココアパウダー組成物に相当する、造粒ココアパウダー(b)を調製した。
【0033】
【実施例3】
実施例1と同様にしてカカオハスク抽出物(C)を得た。但し、抽出する前のpHを8.0に調整し、抽出終了時のpHは6.2であった。ココアパウダーを造粒し、ココアパウダー組成物に相当する、造粒ココアパウダー(c)を調製した。
【0034】
【比較例1】
実施例1と同様にしてカカオハスク抽出物(D)を得た。但し、抽出する前のpHを1.0に調整し、抽出終了時のpHは1.9であった。ココアパウダーを造粒し、ココアパウダー組成物に相当する、造粒ココアパウダー(d)を調製した。
【0035】
【比較例2】
実施例1と同様にしてカカオハスク抽出物(E)を得た。但し、抽出する前のpHを10.0に調整し、抽出終了時のpHは7.6であった。ココアパウダーを造粒し、ココアパウダー組成物に相当する、造粒ココアパウダー(e)を調製した。
【0036】
上記の5種類のココアパウダー各3部を水100部に対して添加した。スプーンにて撹拌し、その分散の様子を評価した。結果を表1に示す。尚、◎は非常に良好、○は良好、△はやや劣る、×は劣るを示す。実施例2は軽く撹拌しただけで分散溶解したのに対し、比較例1と比較例2ではココアパウダーはママコ状となり、撹拌を続けても分散性させることはやや困難だった。
【0037】
【0038】
【実施例4】
ココアパウダー100部にカカオハスク抽出物(B)0.1部〜50部を添加し、水1,000部に混合し、ホモミキサーにて撹拌しながら80℃になるまで加熱して予備乳化した後、ホモゲナイザーにて150kgf/cm2の圧力下で均質化した。熱風温度220℃,排風温度100℃のスプレードライヤーで乾燥して易分散ココアパウダーを調製した。各々のココアパウダー3部を水100部に対して懸濁し、その分散の様子を評価した。結果は表2に示す。評価は実施例1に従った。カカオハスク抽出物は0.2重量%以上の添加で分散性を向上させるが、50%と多量に添加すると明らかに風味に違和感が感じられた。
【0039】
【0040】
【実施例5】
ココアパウダー20部、カカオハスク抽出物(B)2部、乳糖10部、乳化剤0.1部を牛乳200部に混合し、ホモミキサーにて撹拌しながら80℃になるまで加熱して予備乳化した後、ホモゲナイザーにて150kgf/cm2の圧力下で均質化した。熱風温220℃,排風温100℃のスプレードライヤーで乾燥して調整ココアパウダーを調製した。調整ココアパウダー8部を水100部に対して懸濁した所、分散性は非常に良好であった。
【0041】
【比較例3】
カカオハスク抽出物の添加をしないで、他は実施例5と同様に調整ココアパウダーを調製した。調整ココアパウダー8部を水100部に対して懸濁したが、粉がママコ状となり分散させる事が困難だった。
【0042】
【実施例6】
ココアパウダー40部、全脂粉乳40部、乳糖20部、乳化剤0.2部を混合し、流動層造粒機に入れた。カカオハスク抽出物(B)4部を水40部に溶解させた液を噴霧し、調整ココアパウダーを調製した。調整ココアパウダー8部を水100部に対して懸濁した所、非常に良く分散した。
【0043】
【比較例4】
カカオハスク抽出物の添加をしないで、他は実施例6と同様に調整ココアパウダーを調製した。調整ココアパウダー8部を水100部に対して懸濁したが、粉がママコ状となり分散させる事が困難だった。
【0044】
【実施例7】
ココアパウダー100部とカカオハスク抽出物(B)10部とを粉体で混合した。混合粉末3部を水100部に対して懸濁した所、非常に良く分散した。
【0045】
【比較例5】
ココアパウダー3部を水100部に対して懸濁したが、粉がママコ状となり分散させる事が困難だった。
【0046】
カカオハスク抽出物の組成について、代表的な例として実施例2で得られたカカオハスク抽出物(B)の分析値を以下の表3に示す。
【0047】
【発明の効果】
本発明により、温水のみならず冷水にも容易に溶解分散するココアパウダーが得られるようになった。
Claims (6)
- カカオハスクから、抽出終了時のpH条件がpH2.0以上、6.5未満で熱水抽出したカカオハスク抽出物を、ココアパウダーに対し、乾物比0.2重量%から30重量%含有することを特徴とする、ココアパウダー組成物。
- カカオハスク抽出物が、熱水抽出の温度が100℃より高温で抽出された物である、請求項1記載のココアパウダー組成物。
- カカオハスクから、抽出終了時のpH条件がpH2.0以上、6.5未満で熱水抽出したカカオハスク抽出物を、ココアパウダーに対し、乾物比0.2重量%から30重量%添加することを特徴とするココアパウダー組成物の製造方法。
- 乾燥したカカオハスク抽出物とココアパウダーとを粉体混合する、請求項3の製造方法。
- カカオハスク抽出物の溶液をバインダーに用いてココアパウダーの造粒を行う、請求項3の製造方法。
- カカオハスク抽出物の溶液にココアパウダーを懸濁した上で乾燥する、請求項3の製造方法。
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