JP3660271B2 - 冷菓ミックス調製時における乳清の分離を抑制する方法及び該ミックスにより製造された冷菓 - Google Patents
冷菓ミックス調製時における乳清の分離を抑制する方法及び該ミックスにより製造された冷菓 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は冷菓に関する。詳細には製造時、特に冷菓ミックスを調製する際に乳清が分離することなく、均一な冷菓を製造することに関する。
【0002】
【従来の技術】
冷菓を製造する際、原料を秤量・混合等を行い冷菓ミックスを調製するが、乳成分の多い原料を多く用いると、製造時、原料中の乳清成分が分離するという問題があった。乳清が分離すると、均一な製品を作ることが難しくなるので、なるべく乳清の分離が起こることなくミックスを調製する方法が求められている。
【0003】
また、寒天は、食品のゲル化剤或いは増粘剤として非常に有用な商材であり、その応用用途開発が広くなされている。冷菓への寒天の応用については、冷菓製品の食感改良の目的で添加されることは従来なされているが、製造中における冷菓ミックスの乳清の分離を抑制する効果については何ら知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑みて開発されたものであり、冷菓製造時におけるミックス中の乳清の分離を抑制し、均一な冷菓製品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、偶然にも、冷菓製造時、冷菓ミックス中に寒天を含むことにより、冷菓製造時におけるミックス中の乳清の分離を抑制することを見つけた。更に、寒天の添加量を一定量とすることで、更に乳清を分離抑制する効果が高まり、簡便に均一な冷菓製品を作成することができるようになったものである。
【0006】
すなわち本発明は、以下の態様を有する;
項1.寒天を添加することを特徴とする冷菓ミックス調製時における乳清の分離を抑制する方法。
項2.寒天の添加量が冷菓中0.001〜0.03重量%である項1記載の冷菓ミックス調製時における乳清の分離を抑制する方法。
項3.項1又は2の方法により調製された乳清の分離が抑制された冷菓ミックス。
項4.項3の冷菓ミックスにより製造された冷菓。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、寒天を添加することを特徴とする冷菓ミックス調製時における乳清の分離を抑制する方法に関するものである。
【0008】
寒天の添加量は、冷菓ミックス中に含まれる乳成分の量に応じて適宜調整することができるが、冷菓中0.001〜0.03重量%の範囲が好ましい。この範囲に設定することにより、製造時原料中の乳清成分の分離が見られず、また、その冷菓ミックスを用いて製造した冷菓製品の食感を変えることなく、なおかつ、均一な冷菓製品を製造できるようになったものである。添加量がこれ以下であると、乳清分離抑制効果が十分でなくなる場合があり、これより添加量が多いとミックスに粘度が付与されるため、製造上取り扱いがしづらくなり、また、この冷菓ミックスを用いて製造した冷菓の食感が変わってしまう場合がある。
【0009】
本発明の冷菓は、乳成分を含む冷菓であれば特に制限がなく、目的とする製品により、種々の構成をとることができる。例えば、アイスクリーム類(アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク);ソフトクリーム;アイスケーキ、クラッカーサンドアイス、不凍アイスケーキ、コーン入りアイス、カップ入りアイス、アイスもなか;シェイク等があげられる。中でも、乳成分を多く含むような系の製品、例えば、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス等のアイスクリーム類が特に適する。
【0010】
本発明の冷菓に含まれる乳成分としては、通常、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳、脱脂濃縮乳、濃縮乳或いは生クリームなどの乳由来のタンパク質が挙げられる。
【0011】
本発明の冷菓には、前述以外は、通常の冷菓と同様の構成をとることができ、本発明の効果を奏する限り、水、糖質、油脂、無脂乳固形分、着香料、着色料、乳化剤、安定剤等より選択された添加材料を、所定の割合で混合させ溶融したものが用いられる。
【0012】
糖質としては、例えば、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等を挙げることができる。
【0013】
油脂としては、バター、生クリーム等の乳脂肪分、植物油脂あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂等の中から一種又は二種以上を併用することができる。植物油脂の例としては、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油、パーム油、パーム核油及びヤシ油を挙げることができる。
【0014】
安定剤としては、例えば、ローカストビーンガム、トラガントガム、タマリンドガム、タラガム、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、グァーガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム等のガム質、カラギナン、ゼラチン、ペクチン、カードラン、グルコマンナン、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、ペクチン等のゲル化剤、CMC、微結晶セルロース、大豆多糖類等を挙げることができる。
【0015】
乳化剤としては、例えば、クエン酸あるいは乳酸等の有機酸モノグリセリド類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、レシチン等などを挙げることができる。また、乳化や風味付けの目的で、卵由来のタンパク質を用いることもできる。
また、着香料や着色料は、公知のアイスクリーム生地に添加されるものが選択されて用いられる。
【0016】
本発明に係る冷菓の製造方法であるが、一般的な冷菓の製造工程を採ればよい。一般的な冷菓の製造方法は、原料の秤量混合→加温(30〜70℃)→溶解・混合→濾過→ホモジナイズ→殺菌(68℃、30分以上またはHTST殺菌やUHT殺菌)→冷却(5℃以下)→熟成(殺菌冷却したミックスを0〜5℃に保持し、水和をはかる)→フレーバー添加→フリージング→充填の工程を経て製造する。
本発明により、冷菓製造時において、ミックス中の乳清の分離を抑制する効果が高まり、簡便に均一な冷菓製品を作成することができるようになった。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、処方中、特に記載のない限り単位は重量部とし、文中*印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を示す。
【0018】
実施例1・比較例1:バニラアイスクリーム(ラクトアイス)の調製
下記処方の通り、使用する安定剤を変えてバニラアイスクリームを作成する。香料を除く下記処方例の原料を80℃まで加温し、溶解させてパドルミキサーを使用して10分間混合予備乳化を行った。その後、高圧ホモゲナイザー(三和機械(株)製)を用いて1.47×107Paの条件で乳化を行った。得られた乳化物を85℃まで加温し、殺菌した後、5℃まで冷却し、そのまま保温して一昼夜エージングを行った。その後、得られたアイスクリームミックスに香料を添加し、最大オーバーランに達するまで攪拌し、その後急速凍結(−35℃)することにより、本発明に係るバニラアイスクリーム(ラクトアイス)を調製した。
【0019】
【0020】
安定剤処方
実施例1 部
グァーガム 50
ローカストビーンガム 20
タマリンド種子多糖類 9
寒天 4
ブドウ糖 17
計 100
【0021】
比較例1 部
グァーガム 50
ローカストビーンガム 20
タマリンド種子多糖類 9
ブドウ糖 21
計 100
【0022】
製造工程中のエージングの際に、実施例1及び比較例1のラクトアイスミックスの状態を観察したところ、実施例1のミックスは乳成分の分離が見られず均一なミックスであった。それに対して、比較例1のミックスは、全体の約30%が乳清が分離し沈殿しており、均一なミックスの状態ではなかった。
【0023】
実施例2:バニラアイスクリーム(アイスミルク)の調製
下記処方の通り、実施例1の安定剤を使用してバニララクトアイスを作成する。香料を除く下記処方例の原料を80℃まで加温し、溶解させてパドルミキサーを使用して10分間混合予備乳化を行った。その後、高圧ホモゲナイザー(三和機械(株)製)を用いて1.47×107Paの条件で乳化を行った。得られた乳化物を85℃まで加温し、殺菌した後、5℃まで冷却し、そのまま保温して一昼夜エージングを行った。その後、得られたアイスクリームミックスに香料を添加し、最大オーバーランに達するまで攪拌し、その後急速凍結(−35℃)することにより、本発明に係るバニラアイスクリーム(アイスミルク)を調製した。本発明により、製造時のアイスクリームミックスは乳成分の分離が見られず、製造が容易であった。また、出来上がったバニラアイスクリームの食感も良好で、均一な製品であった。
【0024】
Claims (3)
- 寒天を冷菓中0.001〜0.03重量%添加することを特徴とする冷菓ミックス調製時における乳清の分離を抑制する方法。
- 請求項1の方法により調製された乳清の分離が抑制された冷菓ミックス。
- 請求項2の冷菓ミックスにより製造された冷菓。
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