JP2004041061A - 層状冷菓及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2層の層状冷菓の組み合わせからなり、各層の境界が明瞭でなく、次第に色調、風味、食感等が変化するようになった2層がグラデーション状態を有する層状冷菓を提供する。
【解決手段】2層の組み合わせであり、グラデーション状態を有する層状冷菓であり、(1)2層のうち、どちらか一方の冷菓ミックスが他方の冷菓ミックスよりも冷菓ミックス充填時の比重及び粘度が高い、(2)各層の比重差が0.02〜0.13である、(3)各層の粘度差が12〜350mPa・sである、の要件を満たす。また、当該冷菓の製造時、比重及び粘度が低い方の冷菓ミックスを充填し、次いで比重が及び粘度が高い方の冷菓ミックスを充填する。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な層状冷菓に関する。詳細には、2層の異なる味の冷菓の組み合わせからなる層状の層状冷菓で、層の境界が明瞭でなく、次第に色調、風味、食感等がグラデーション状に変化するようなグラデーション状態を有する層状冷菓に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、様々なバリエーションを有する冷菓について、種々検討がなされている。例えば、冷媒に浸漬したモールドに冷菓ミックスを充填し、最外層を凍らせたのち、内部を充填することにより、外層から内部に2層或いは複数層の層状を形成する冷菓(特公平3−75134号、特開平10−234307号)や、冷菓とソースとの組み合わせの二層冷菓(特開平2−265439)などが知られている。また、上下の2層からなる冷菓も知られているが、これは下層部を充填して硬化してから上層部を充填するものであり、鮮明な境界となる二層冷菓である。
【0003】
これらアイスクリームは、シェル部と内部が異なった層をなしているものや、冷菓と冷菓用ソースとの組み合わせのアイスクリームである。また、外観からみて2層を有する冷菓であっても、従来の層状冷菓は鮮明な境界を有する二層冷菓であり、今までの冷菓にはない新規な形態を有するものが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、新規な冷菓を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、今までにない全く新規な冷菓を開発するべく鋭意研究を重ねたところ、2層の組み合わせでグラデーション状態を有する層状冷菓であって、
(1)2層のうち、どちらか一方の冷菓ミックスが他方の冷菓ミックスよりも冷菓ミックス充填時の比重及び粘度が高い。
(2)各層の比重差が0.02〜0.13(20℃測定時)である。
(3)各層の粘度差が12〜350mPa・s(5℃測定時)である。
となるように設定することにより、あたかもアルコール飲料であるカクテル(例えばカシスオレンジ)のような、全く下層と上層の色が異なっており、下層部から上層部にかけて色調がグラデーションを帯びているような、2層がグラデーション状となる層状冷菓となることを見いだした。
【0006】
更に、かかる層状冷菓を調製する際、比重及び粘度が低い方の冷菓ミックスを充填し、次いで比重及び粘度が高い方の冷菓ミックスを充填することより、良好なグラデーション状態を有する層状冷菓を製造できることを見いだした。
すなわち本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の層状冷菓は、2層の組み合わせでグラデーション状態を有する層状冷菓であって、下記に掲げる、
(1)2層のうち、どちらか一方の冷菓ミックスが他方の冷菓ミックスよりも冷菓ミックス充填時の比重及び粘度が高い。
(2)各層の比重差が0.02〜0.13(20℃測定時)である。
(3)各層の粘度差が12〜350mPa・s(5℃測定時)である。
の要件を満たすことを特徴とする。
【0008】
本発明で言う2層がグラデーション状態を有する層状冷菓は、従来の二層冷菓のように層の間の境界が明瞭となっているものではなく、各層の間が、明瞭とならずグラデーション状態となっており、下層が次第に上層に変化しているような状態の層状冷菓である。例えば、上層或いは下層のどちらか一方に色素を添加するか、もしくは各層に異なる色調の色素を添加して、冷菓ミックス各層を違う色調としていた場合、下層から上層にかけての視覚的なグラデーション状態を有する層状冷菓となる。また、各層に異なる風味の香料や調味料といった風味に影響を与える原料を添加して、各冷菓ミックス層を異なる風味としていた場合は、味覚的に異なる風味を有するグラデーション状態の層状冷菓となる。更に、各層に異なる食感を付与する食感改良剤を適宜添加して、冷菓各層を異なる食感としていた場合は、食感のグラデーション状態を有する層状冷菓となる。このように、色調、風味、食感等様々なグラデーション状態を有する層状冷菓ができ、バリエーションに富んだ冷菓となるものである。
【0009】
本発明が対象とする層状冷菓は、目的とする製品により種々の構成をとることができ、例えば、アイスクリーム類(アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク)、一般食品(氷菓)等があげられる。また冷菓の形態について、アイスキャンデー、コーティングアイスクリーム、カップに内在させる等、どの様な形態を採っても良い。中でも、本発明の2層がグラデーション状態を有する層状冷菓の特徴を視覚的に表すことができるのはアイスキャンデーであり、本発明の層状冷菓は、オーバーランをかけないアイスキャンデータイプのものが最も適している。
【0010】
以下、本発明の2層がグラデーション状態を有する層状冷菓の要件を説明する。
まず、第1の要件は、2層のうち、どちらか一方の層が他方の層よりも冷菓ミックス充填時の比重及び粘度が高くすることが必要である。
次に、第2の要件は、各層の20℃における比重差が0.02〜0.13、更に好ましくは、0.04〜0.13である。これよりも比重差が小さくなると2層の冷菓液が完全に混ざってしまい、これよりも比重差が大きくなると、2層に明瞭に分かれてしまうので本発明の目的とする2層がグラデーション状態を有する層状冷菓とならない。
【0011】
第3の要件は、各層の5℃における粘度差が12〜350mPa・s、好ましくは、37〜350mPa・sとなるように調整することである。これよりも粘度差が小さくなると、2層の冷菓液が完全に混ざってしまい、これよりも粘度差が大きくなると、2層に明瞭に分かれてしまうので本発明の目的とする2層がグラデーション状態を有する層状冷菓とならない。
【0012】
なお、上記第1〜第3の要件を満たすことが必要であるが、冷菓の製造工程上、2層の冷菓ミックスを、粘度が2000mPa・sを超えず、かつ、全固形分が45%を超えないように調整することが好ましい。この範囲に2層の冷菓ミックスを調整することで、冷菓製造時作業が容易で、また、冷菓の「なき(冷菓表面のべとつき)」を防ぐことができる。
【0013】
また、本発明では、色調、風味、食感と様々なグラデーションを有する層状冷菓を調製できるが、そのグラデーションを付与するために、前記に挙げた成分以外に必要に応じて、色素、香料、調味料及び食感改良剤などを含有することができる。色素を添加する際、色流れが問題となる場合には、乳化色素や二重乳化色素を好適に使用することができる。
【0014】
また、冷菓の食感改良剤及び安定剤として、例えば、ジェランガム、ネイティブジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、ペクチン、寒天、脱アシル型ジェランガム、ゼラチン、アラビアガム、グルコマンナン、こんにゃく粉、タラガム、プルラン、ペクチン、タマリンド種子多糖類、トラガントガム、カラヤガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、マクロホモプシスガム、コーンスターチ、タピオカ澱粉等の澱粉及びデキストリンからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
【0015】
なお、各層の比重差を調整する方法としては、主に固形分の量を調節することにより行う。冷菓ミックスに添加する固形分の例として、糖類、澱粉、前述の食感改良剤、安定剤、ミネラル類、酸味料等の水溶性固形分や、バター、クリーム、植物油脂等の油溶性固形分を挙げることができる。なお、比重調整のために添加量を調整できる原料は糖類が一般的であり、本発明においても、糖類の添加量を調整して比重の調整を行うと良い。
【0016】
糖類として、例えば、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、還元水飴、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴(カップリングシュガー)を挙げることができる。
【0017】
なお、比重を低く設定する際に、糖類の添加量を少なくすることで、甘味が低く抑えられ甘味不足になることがあるが、高甘味度甘味料を添加することで甘味を付与することができる。かかる高甘味度甘味料として、スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア抽出物、ステビア末、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、アリテーム、ネオテーム等の高甘味を有する甘味成分が挙げられる。
【0018】
更に、ミネラル類として、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、炭酸カルシウム等のカルシウム、鉄、マグネシウム、リン、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。酸味料として、クエン酸及びその塩、ソルビン酸、酢酸及びその塩、酒石酸及びその塩、乳酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、果汁等が挙げられる。
【0019】
更に、本発明では、粘度の付与を、増粘剤を添加することにより行うのが好ましい。増粘剤としては、前記食感改良剤に記載したものを挙げることができるが、好ましくは、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンド種子多糖類から選ばれる1種以上である。これらを0.05〜0.5重量%の添加量を添加することを例示することができる。本発明に使用する増粘剤は商業上入手することができ、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のビストップD−20等を例示することができる。
【0020】
更に、本発明の2層がグラデーション状態を有する層状冷菓は、各層の冷菓ミックスの配合比を任意に設定することができる。比重が及び粘度が低い方の冷菓ミックスの配合量を増やすほど、グラデーションの変化が下部に現れ、比重及び粘度が高い方の冷菓ミックスの配合量を増やすほどグラデーションの変化が上部に現れる。
【0021】
本発明の2層がグラデーション状態を有する層状冷菓の製造方法であるが、次の方法を挙げることができる。即ち、前述の通りに設定された各層の冷菓ミックスを別々に調製し、各層を同時或いは別々に充填し、凍結する方法を例示できる。冷菓ミックスの氷管等への充填する際の温度は、冷媒の温度(−20〜−30℃)〜室温(0〜25℃)のような広範囲の温度を例示できるが、充填時に、各層が硬化しないうちにもう一方の冷菓ミックスを充填する必要があることより、好ましくは、0〜10℃、更に好ましくは5℃付近の温度で充填してから後、冷媒に入れて凍結するのが好ましい。
【0022】
更に、比重及び粘度が低い方の冷菓ミックスを充填した後、比重及び粘度が高い方の冷菓ミックスを充填することが好ましい。この順番で容器充填を行うことで、よりグラデーション状態が良好な冷菓を調製することができる。
【0023】
その他の工程は、常法に従い製造することができる。例えば、アイスキャンデーの場合は、各層の冷菓ミックス原料を加熱攪拌溶解し、高温短時間殺菌法(HTST法)にて殺菌後、1〜6℃程度まで冷却し、そのまま保温してエージングを行い、必要に応じて香料及び色素を添加し各冷菓ミックスを作成する。これを前述の方法で氷管等に充填し、凍結(−25〜−35℃程度)したのち、氷管からアイスキャンデーを取り出し、必要に応じて、液体窒素(−200℃付近温度)等で急速凍結して、アイスキャンデーを製造することができるが、本方法に限定されない。また、乳成分や蛋白成分を含むアイスキャンデーを調製する場合は、加熱攪拌溶解後、予備乳化し、次いで均質化(乳化)する工程を加える必要がある。
【0024】
本発明の2層がグラデーション状態を有する層状冷菓には、前記以外にも必要に応じて、酸化防止剤、酒類、ビタミン類、牛乳、脱脂粉乳、ヨーグルト、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳等の乳成分などを添加してもよい。また、冷菓のグラデーション状態を呈するのに影響を与えない範囲で、果実、ゼリー等の粒状食品を添加しても良い。
【0025】
本発明により、2層の冷菓の組み合わせからなり、各層間の境界が明瞭でなく、次第に色調、風味、食感が変化するような2層がグラデーション状態を有する、今までにない全く新規な層状冷菓を提供できるようになった。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。尚、本発明において特に記載しない限り、「%」とは「重量%」、「部」とは「重量部」、文中「*」印は「三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製」を意味するものとする。
【0027】
実験例1:2層がグラデーション状態を有する層状冷菓の粘度・比重調整試験
2層がグラデーション状態を有する層状冷菓の調製時、2層の比重差、粘度差を変えて、グラデーションの状態を観察する試験を行った。
下記上層(赤色)部処方のうち、水の入った容器に砂糖と安定剤の粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解し、冷却した後、色素を添加して攪拌、全量補正して、上層(赤色)部冷菓ミックスを調製した。
【0028】
上層(赤色)部処方           部
砂糖                12
安定剤(サンナイスYK−500*)  0.2
色素(サンレッドNO.2771*)  0.15
水にて               100
【0029】
また、下記下層(黄色)部処方のうち、水の入った容器に砂糖、粉末水飴、安定剤及び増粘剤の粉体混合物を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解し、冷却した後、色素を添加し攪拌後、全量補正して、下層(黄色)部冷菓ミックスを調製した。
【0030】
Figure 2004041061
【0031】
5℃にて上層(赤色)部冷菓ミックスを氷管充填後、直ちに上部から下層(黄色)部冷菓ミックスを充填し(上層(赤色)部:下層(黄色)部=50:50)、ブライン槽(−25〜−30℃程度)にて急速凍結した後、氷管からアイスキャンデーを取り出し、赤色−黄色の2層がグラデーション状態を有するアイスキャンデーを調製し、そのグラデーションの状態を見た。
更に、充填時の上層(赤色)部、下層(黄色)部の比重、粘度を測定した。結果を表1に記す。なお、比重は、デジタル密度計DMA48(震動式、アントンパール株式会社製)、粘度は、B型粘度計型式B(株式会社東京計器製)を使用して測定した。
【0032】
【表1】
Figure 2004041061
【0033】
表1中、2層の状態の記号は、以下の状態であることを示す。
◎:非常にきれいなグラデーションの状態
○:「◎」ほどでないが、2層の境界が明瞭でないグラデーションの状態
△:2層に明瞭に分離した状態
×:2層が混ざった状態
【0034】
表1より、実−3〜実−5と実−7〜実−14のものがグラデーションの状態を示し、更には、実−4〜実−5,実−8〜実−12,実−14がよりきれいなグラデーション状態となることが判った。
【0035】
実施例1:カクテル冷菓(カシスオレンジ)
下記カシス部処方のうち、水の入った容器に砂糖と安定剤の粉体混合物とスクラロースを加え、80℃10分間加熱攪拌溶解、ろ過、冷却を行い、色素、香料、クエン酸及び果汁を添加して攪拌、全量補正して、カシス部(上層)冷菓ミックスを調製した。
【0036】
Figure 2004041061
【0037】
また、下記オレンジ部処方のうち、水と水あめの入った容器に砂糖、粉末水飴、安定剤及び増粘剤の粉体混合物と色素を添加し、80℃10分間加熱攪拌溶解、ろ過、冷却を行い、香料、クエン酸及び果汁を添加し攪拌後、全量補正し、オレンジ部(下層)冷菓ミックスを調製した。
【0038】
Figure 2004041061
【0039】
5℃にてカシス部冷菓ミックスを氷管充填後、直ちに上部からオレンジ部冷菓ミックスを充填し(カシス部:オレンジ部=50:50)、ブライン槽(−25〜−30℃程度)にて急速凍結した後、氷管からアイスキャンデーを取り出し、アイスキャンデーを調製した。氷管内では、オレンジ部が下部にカシス部が上部に配置される。
【0040】
冷菓ミックス充填時の比重と粘度を実験例1と同様の方法で測定した。
オレンジ部充填時の比重 1.1243g/ml
カシス部  充填時の比重 1.0520g/ml
オレンジ部充填時の粘度  320mPa・s
カシス部 充填時の粘度     25mPa・s
各層の比重差 0.0723g/ml
各層の粘度差 295mPa・s
【0041】
このカクテル冷菓は、スティックを手に持つと、スティックに近い側の色調が赤色(カシス色)で、先端に移行するに従い、徐々にオレンジ色を呈するようなカクテルのカシスオレンジのような色調の層状冷菓となった。
【0042】
実施例2:イチゴミルクバー(アイスミルク)の調製
下記イチゴ部処方のうち、牛乳、バターと水の入った容器に脱脂粉乳、砂糖、安定剤及び乳化剤の粉体混合物、スクラロース、色素を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解、全量補正、ろ過を行った後、均質化し(14700kgf/cm)、1〜6℃程度まで冷却し、そのまま保温してエージングを行い、香料を添加してイチゴ部冷菓ミックスを作成した。
【0043】
Figure 2004041061
【0044】
下記ミルク部処方のうち、牛乳、バターと水の入った容器に脱脂粉乳、砂糖、粉末水飴、安定剤、増粘剤及び乳化剤の粉体混合物を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解、全量補正、ろ過を行った後、均質化し(14700kgf/cm)、1〜6℃程度まで冷却し、そのまま保温してエージングを行い、香料を添加してミルク部冷菓ミックスを作成した。
【0045】
Figure 2004041061
【0046】
5℃にてイチゴ部を氷管に充填したのち、直ちにミルク部を充填し(イチゴ部:ミルク部=40:60)、凍結(−25〜−35℃程度)したのち、氷管からアイスキャンデーを取り出し、ドライアイス(−78.5℃程度)で急速凍結し、イチゴミルクバーを製造した。このイチゴミルクバーは、スティックを手に持つとスティックに近い側がイチゴ色であり、先端部に移行するに従って徐々にミルク色にグラデーション状態を呈していた。
【0047】
冷菓ミックス充填時の比重と粘度を実験例1と同様の方法で測定した。
イチゴ部充填時の比重  1.0674g/ml
ミルク部  充填時の比重 1.1117g/ml
イチゴ部充填時の粘度     35mPa・s
ミルク部 充填時の粘度  235mPa・s
各層の比重差 0.00443g/ml
各層の粘度差 200mPa・s
【0048】
実施例3:オレンジ−イチゴバーの調製
下記イチゴ部処方に従い、実施例2のイチゴ部と同様の方法でイチゴ部冷菓ミックスを調製した。
【0049】
Figure 2004041061
【0050】
下記オレンジ部処方のうち、水飴と水の入った容器に砂糖、粉末水飴、安定剤及び増粘剤の粉体混合物と色素を加え、80℃10分間加熱攪拌溶解、ろ過、冷却後、1〜6℃程度まで冷却し、そのまま保温してエージングを行い、クエン酸及び香料を添加してオレンジ部冷菓ミックスを作成した。
【0051】
Figure 2004041061
【0052】
5℃にてイチゴ部を氷管に充填したのち、直ちにオレンジ部を充填し(イチゴ部:オレンジ部=50:50)、凍結(−25〜−35℃程度)したのち、氷管からアイスキャンデーを取り出し、急速凍結庫(−30〜−35℃程度)で急速凍結してオレンジ−イチゴバーを試作した。このオレンジ−イチゴバーは、スティックに近い側の色調がイチゴ色であり、先端に移行するにしたがって徐々にオレンジ色になり、グラデーション状態を呈していた。
【0053】
冷菓ミックス液充填時の比重と粘度を実験例1と同様の方法で測定した。
イチゴ部  充填時の比重 1.0674g/ml
オレンジ部充填時の比重 1.1352g/ml
イチゴ部 充填時の粘度      35mPa・s
オレンジ部充填時の粘度  152.5mPa・s
各層の比重差 0.0678g/ml
各層の粘度差 117.5mPa・s

Claims (2)

  1. 2層の組み合わせであり、下記の要件を満たすことを特徴とする、2層がグラデーション状態を有することを特徴とする層状冷菓。
    (1)2層のうち、どちらか一方の冷菓ミックスが他方の冷菓ミックスよりも冷菓ミックス充填時の比重及び粘度が高い。
    (2)各層の比重差が0.02〜0.13(20℃測定時)である。
    (3)各層の粘度差が12〜350mPa・s(5℃測定時)である。
  2. 2層の組み合わせであり、2層がグラデーション状態を有する層状冷菓を製造するに当たり、比重及び粘度が低い方の冷菓ミックスを充填し、次いで比重及び粘度が高い方の冷菓ミックスを充填する、請求項1に記載の層状冷菓の製造方法。
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