JP3021991B2 - ホイップクリーム - Google Patents
ホイップクリームInfo
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Description
し、詳しくは広範囲なpH領域において安定であり、高塩
濃度においてもホイップが可能な、ホイップクリームに
関する。
用をはじめ調理用など種々利用されてきているが、その
pH値は殆ど中性付近であるため乳化状態を安定にし易
く、またホイップ性、保形性も良好なホイップドクリー
ムが得られ易いが、反面、風味は天然の生クリームに類
似した画一的風味でしかなかった。
ベリー、オレンジ等の果実や果汁、或いはヨーグルト等
の酸味を帯びた材料を配合した清涼感のあるホイップク
リーム(耐酸性ホイップクリーム)が要望されてきてい
る。また、調理用として使用する場合には食塩を添加す
ることがあり、塩味を帯びたホイップクリーム(耐塩性
ホイップクリーム)も要望されている。
塩の添加は乳化破壊やホイップ機能の低下を招き、離水
や油分の分離を生じたり或いは充分なオーバーランが得
られず、また蛋白質の凝集を生じるなど、満足なホイッ
プクリームは得られていない。
するものとして、ペクチン、カルボキシメチルセルロー
ス、アルギン酸プロピレングリコールエステルなど耐酸
性の安定剤が挙げられるが、これらを使用してもホイッ
プクリームの乳化安定性が不充分であったり、オーバー
ランが低下するなど充分に満足できるホイップクリーム
は得られていない。
グリセリン脂肪酸エステルと安定剤(天然高分子多糖類
又は/及びセルロース誘導体)を併用する方法(特開昭
58-209947 号)、特定の蛋白質(ラクトアルブミン又は
酵素処理したラクトアルブミン)を使用する方法(特開
平2-215367号)、ポリグリセリン脂肪酸エステルとキト
サンを併用する方法(特開平4-144660号)等が提案され
ている。しかしながら、これらの方法では、ホイップク
リームが輸送中に凝固したり、またホイップすることは
できるものの保形性が不充分であったり、風味の点で充
分に満足できるものではない。
酵素処理したラクトアルブミンとポリグリセリン脂肪酸
エステルや有機酸モノグリを併用する方法(特開平2-21
5367号)が提案されているが、輸送中に凝固したり、風
味の点で満足できるものではない。
に鑑み鋭意研究した結果、水溶性ヘミセルロース、特に
豆類由来の水溶性ヘミセルロースを用いたとき、広範囲
なpH領域と高い食塩濃度において乳化状態が安定性な、
良好なホイップクリームが得られること、適度なオーバ
ーランを有し、きめの良好な、および保形性、風味等の
諸特性に優れたホイップドクリームが得られることなど
の知見を得た。本発明はかかる知見に基づいて、完成さ
れたものである。
するホイップクリームであって、必須成分として酸性条
件下に加熱分解して得られる大豆由来の水溶性ヘミセル
ロースを含有して成る表記クリーム、である。
ミセルロースは、大豆由来、特に子葉由来のものが好ま
しく、その分子量はどの様な値のものでも使用可能であ
るが、好ましくは平均分子量が数万〜数百万、具体的に
は5万〜100 万であるのが好ましい。なお、この水溶性
ヘミセルロースの平均分子量は標準プルラン(昭和電工
(株)販)を標準物質として0.1 MのNaNO3 溶液中の粘
度を測定する極限粘度法で求めた値である。また、ウロ
ン酸の測定は Blumenkrantz 法により、中性糖の測定は
アルジトールアセテート化した後にGLC法により、ま
たウロン酸のエステル化度(DE)はペクチンのDE測
定法に準じて行った。
を含む原料から酸性の条件下で加熱溶出させることによ
って得ることができ、製造法の一例を示すと以下のよう
である。
や豆乳、分離大豆蛋白を製造するときに副生するオカラ
を利用することができる。
は各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ましくは130 ℃
以下80℃以上、より好ましくは130 ℃以下100 ℃以上に
て加熱分解し、水溶性画分を分画した後、そのまま乾燥
するか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着処理或いはエ
タノール沈澱処理して疎水性物質あるいは低分子物質を
除去し乾燥することによって、水溶性ヘミセルロースを
得ることができる。
るウロン酸のメチル化されたカルボキシル基を脱メチル
化した方が、より乳化の安定性や食感が向上する場合も
ある。脱メチル化法として、酸、アルカリ、もしくは酵
素を使用してもよいが、簡便性やコストの点から酸もし
くはアルカリを用いることが好ましく、効率の点を考慮
すればアルカリを用いることが最も好ましい。この脱メ
チル化は水溶性ヘミセルロースの抽出前後に行うのが好
ましい。
あり、添加量はホイップクリーム全量に対し0.02〜5重
量%、好ましくは0.05〜3重量%、より好ましくは0.1
〜1重量%が好適である。なお、既存の安定剤である各
種ガム剤と併用することにより、より効果を増すことが
できる場合がある。
ーガム、タマリンド種子多糖、カラヤガム、トラガント
ガム、アラビヤガム、プルラン、ジェランガム、カラギ
ーナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ファ
ーセレラン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、CM
C、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセル
ロース(HEC)、アルギン酸プロピレングリコールエ
ステル、や可溶性澱粉に代表される化工澱粉等の多糖
類、等が挙げられる。
肪及び蛋白質成分等の固形分が乳固形分からなる、天然
のホイップクリームのみでなく、植物油脂或いは大豆蛋
白等を用いたフィルド又はイミテーションクリーム等、
広くホイップ性を有する水中油型乳化物、およびそれら
をホイップしたホイップドクリームを包含するものであ
る。
しては、大豆油、コーン油、綿実油、ヤシ油、パーム
油、パーム核油、ナタネ油、落花生油、米糠油、乳脂
肪、牛脂、ラード、バター等の動植物性油脂及びそれら
の硬化、エステル交換、分別等の処理を施して得られる
加工油脂等があげられる。
給源としては、全脂粉乳、脱脂粉乳、卵白蛋白質、大豆
蛋白質等があげられる。これらの蛋白質の、1種または
2種以上を適宜選択し、かつ当該クリームの蛋白質含量
が1〜10重量%、好ましくは1.5 〜7重量%の範囲にな
るように上記物質の添加量を選定する。
カリ性域から酸性域に到る広いpH領域において使用可能
である。ホイップクリームのpH値を酸性域に至らしめる
酸性物質としては、化学合成等によって得られた乳酸、
クエン酸、リン酸、酒石酸、アスコビル酸、酢酸等の有
機酸、又は果汁、ジャム、ピューレ、又は醗酵乳、チー
ズ、サワークリーム等の酸性乳製品、又は別途調整した
乳酸菌醗酵液等のうち1種又は2種以上が使用される。
酸性物質の使用量はクリームのpH値が3.5 以上になる範
囲で用いる。pH値が3.5 未満では酸味が強すぎ、5.5 以
上では酸味が弱すぎ、サワー風味の特徴がなくなると共
に清涼感にかける。また、塩類としては食塩の他、食品
に使用可能な塩であれば何でもよく、クリーム全量に対
し10重量%以下の濃度で使用することができる。
チン、酵素処理レシチン、脂肪酸とグリセリンのエステ
ル及びその誘導体(グリセリン脂肪酸エステル、酢酸モ
ノグリセリド、乳酸モノグリセリド、クエン酸モノグリ
セリド、コハク酸モノグリセリド、ジアセチル酒石酸モ
ノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル等)、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸
エステル、蔗糖脂肪酸エステル(シュガーエステル)の
うち1種又は2種以上組み合わせたものが使用される。
するが、これは例示であって本願発明の精神がこれらの
例示によって制限されるものではない。なお、例中、部
および%は何れも重量基準を意味する。
量の水を加え、塩酸にてpHを4.5 に調製し、120 ℃で1.
5 時間加水分解した。冷却後遠心分離し(10000 G ×30
分)、上澄と沈澱部に分離した。こうして分離した沈澱
部を更に等重量の水で水洗し、遠心分離し、上澄を先の
上澄と一緒にして活性炭カラム処理した後、乾燥して水
溶性ヘミセルロース(イ)を得た。
食塩水に溶解し、エタノール濃度が50%となるように再
沈澱を3回繰り返し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)
製「アンバーライトIR−120 B」)を用いて脱塩して
水溶性ヘミセルロース(ロ)を得た。
をしないで同様に水溶性ヘミセルロース(ハ)を得た。
12の水酸化ナトリウム溶液に溶解し、90℃で30分間加熱
した。加熱により生じた沈澱を取り除き、塩酸を用いて
中和した(pH7)。これを乾燥し、水溶性ヘミセルロース
(ニ)を得た。
(ニ)の水溶性ヘミセルロースの糖組成を次の方法で分
析した。ウロン酸の測定は Blumenkrantz 法により、中
性糖はアルジトールアセテート化しGLCを用いて測定
した、またウロン酸のエステル化度(DE)はペクチン
のDE測定法に準じて行った。。
分予備乳化した後70kg/cm2 で均質化処理し、5分間殺
菌したのち、再度60kg/cm2 で均質化処理し、次に5℃
まで冷却し、一晩冷蔵でエージング後、粘度600cP /5
℃のクリームを得た。
えた。この混合物をケンウッドミキサーでホイップした
ところ、ポイップ時間2分30秒で最適なホイップ状態に
達し、オーバーラン130 %のホイップドクリームが得ら
れた。このクリームは風味が良く、15℃で型崩れせず保
形性良好であった。
水溶液6部、グラニュー糖10部を加えた。この混合物の
pHは3.9 で、ケンウッドミキサーでホイップしたとこ
ろ、ホイップ時間1分36秒で最適起泡状態に達し、オー
バーラン150 %の酸性ホイップドクリームが得られた。
このクリームは風味が良く、15℃で型崩れせず保形性良
好であった。
用いる代わりに、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を使
用した以外は実施例1と全く同様にしてクリームを調製
した。砂糖だけ加え中性でホイップした場合も、クエン
酸溶液を使用しpH値3.9 でホイップした場合のどちら
も、風味、口溶け、保形性は極めて良好であった。
用いる代わりに、水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)を使
用した以外は実施例1と全く同様にしてクリームを調製
した。砂糖だけ加え中性でホイップした場合も、クエン
酸溶液を使用しpH値3.9 でホイップした場合のどちら
も、風味、口溶け、保形性は極めて良好であった。
用いる代わりに、水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)を使
用した以外は実施例1と全く同様にしてクリームを調製
した。砂糖だけ加え中性でホイップした場合も、クエン
酸溶液を使用しpH値3.9 でホイップした場合のどちら
も、風味、口溶け、保形性は極めて良好であった。
にクランベリーピューレ30部、グラニュー糖10部、チェ
リーブランデー3部を加えた。この混合物はpH値4.3
で、ケンウッドミキサーでホイップしたところ、ホイッ
プ時間1分49秒で最適起泡状態に達し、オーバーラン14
0 %の酸性ホイップドクリームが得られた。このクリー
ムは風味が良く、15℃で型崩れせず保形性良好であっ
た。
にホワイトピーチピューレ30部、グラニュー糖10部、ホ
ワイトピーチリキュール3部を加えた。この混合物はpH
値5.5 で、ケンウッドミキサーでホイップしたところ、
ホイップ時間3分17秒で最適起泡状態に達し、オーバー
ラン140 %の酸性ホイップドクリームが得られた。この
クリームは風味が良く、15℃で型崩れせず保形性良好で
あった。
に食塩5部を加え、ケンウッドミキサーでホイップした
ところ、ホイップ時間2分40秒で最適起泡状態に達し、
オーバーラン150 %の塩味ホイップドクリームが得られ
た。このクリームは風味が良く、口溶け保形性は極めて
良好であった。
しない以外は実施例1と同様にして、粘度200cP /5℃
のクリームを得た。実施例1と同様に10%クエン酸水溶
液、グラニュー糖を加えたところ、瞬時に酸変性を起こ
しボテを生じた。
りにペクチンを使用する以外は実施例1と同様にして、
粘度820cP /5℃のクリームを得た。実施例1と同様に
ホイップしたところ、ホイップ時間36秒で凝固し、オー
バーランも出ず、満足なホイップドクリームは得られな
かった。
りにカルボキシメチルセルロースを使用する以外は実施
例1と同様にして、粘度760cP /5℃のクリームを得
た。実施例1と同様にホイップしたところ、ホイップ時
間25秒で凝固し、オーバーランも出ず、満足なホイップ
ドクリームは得られなかった。
しない以外は実施例1と同様にして、粘度200cP /5℃
のクリームを得た。このクリーム100 部に食塩5部を加
え、実施例7と同様にホイップしたところ、ホイップ時
間55秒で凝固し、充分なオーバーランが得られなかっ
た。
いてホイップクリームを製造すると、広範囲なpH領域ま
たは高い塩濃度でホイップしても、適度なオーバーラン
を有し、きめが良好で、保形性、風味等の諸特性が優れ
たホイップドクリームが得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】蛋白質1〜10重量%を含有するホイップク
リームであって、必須成分として酸性条件下に加熱分解
して得られる大豆由来の水溶性ヘミセルロースを含有し
て成る、表記クリーム。 - 【請求項2】水溶性ヘミセルロースが大豆子葉由来であ
る、請求項1に記載のクリーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4257220A JP3021991B2 (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | ホイップクリーム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4257220A JP3021991B2 (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | ホイップクリーム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0678704A JPH0678704A (ja) | 1994-03-22 |
JP3021991B2 true JP3021991B2 (ja) | 2000-03-15 |
Family
ID=17303337
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4257220A Expired - Lifetime JP3021991B2 (ja) | 1992-08-31 | 1992-08-31 | ホイップクリーム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3021991B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
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---|---|---|---|---|
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JP2000050827A (ja) * | 1998-08-07 | 2000-02-22 | Yoshikawa Kagaku Kogyosho:Kk | 豆腐類の製造法及びその乳化型凝固剤 |
JP4196525B2 (ja) * | 2000-07-26 | 2008-12-17 | 株式会社カネカ | 起泡性水中油型組成物 |
KR100811653B1 (ko) * | 2004-04-13 | 2008-03-11 | 삼성전자주식회사 | 벽걸이형 전자레인지 |
KR100766223B1 (ko) * | 2006-12-26 | 2007-10-10 | 린나이코리아 주식회사 | 가스레인지의 전면판넬 디스플레이부 조립구조 |
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CN115530242B (zh) * | 2022-09-26 | 2023-06-06 | 立高食品股份有限公司 | 一种增益奶油稳定性的复配剂及其制备方法和应用 |
-
1992
- 1992-08-31 JP JP4257220A patent/JP3021991B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0678704A (ja) | 1994-03-22 |
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