JP2959387B2 - キャンデーの製造法 - Google Patents

キャンデーの製造法

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JP2959387B2
JP2959387B2 JP6057281A JP5728194A JP2959387B2 JP 2959387 B2 JP2959387 B2 JP 2959387B2 JP 6057281 A JP6057281 A JP 6057281A JP 5728194 A JP5728194 A JP 5728194A JP 2959387 B2 JP2959387 B2 JP 2959387B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャンデーの製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】キャンデーは、砂糖、水飴を主原料とし
てつくられる菓子の総称であり、砂糖と水飴を煮詰めた
糖液に練乳、油脂、香料、色素、酸味料、調味料、澱
粉、凝固剤等を加え、混合、成形、冷却等の工程を経て
製造される。これらのキャンデーは、糖液を煮詰める温
度が高く水分含量が比較的低いドロップ、タフィー等の
ハードキャンデーと糖液を煮詰める温度が低く水分含量
が比較的高いゼリー菓子、キャラメル、ヌガー等のソフ
トキャンデーとに大別される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の如きキャンデー
は主原料として砂糖を使用しているため組織が硬くひび
割れを起こすことががあり、またシットリとした滑らか
な組織、食感あるいは弾力性に富んだ食感を希望する近
年の消費者のニーズ動向を必ずしも満足するものではな
かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、如上の点
に鑑み鋭意研究した結果、キャンデーの原料中に水溶性
ヘミセルロースを使用することにより、キャンデーの物
性、組織ならびに食感などの品質を改良し得るという知
見を得た。本発明は、かかる知見に基づいて完成された
ものである。
【0005】即ち本発明は、砂糖、水飴を主原料として
キャンデーを製造するに際し、品質改良剤として酸性条
件下に加熱分解して得られる油糧種子由来の水溶性ヘミ
セルロースを使用することを特徴とするキャンデーの製
造法、である。
【0006】本発明におけるキャンデーとはハードキャ
ンデーおよびソフトキャンデーのいずれをも包含するも
のであって、それらのキャンデーは水溶性ヘミセルロー
スを使用すること以外は従来公知の方法に準じて製造す
ることができる。
【0007】例えば、ハードキャンデーの一種であるド
ロップは、通常、砂糖を主原料としこれに10〜20%の水
飴を加えて140 〜150 ℃、水分1〜2%になるまで煮詰
め、次いで酒石酸、クエン酸、乳酸などの有機酸あるい
は果汁、色素、香料などを添加し混合して冷却した後、
タブレットマシンにて所望の形状に打ち抜くなどして製
造される。
【0008】以上の如き方法に準じて製造される各種ハ
ードキャンデーの製造工程中に、本発明における水溶性
ヘミセルロースを添加使用することによって、キャンデ
ー組織をより滑らかにしひび割れを起こし難いハードキ
ャンデーを得ることができる。
【0009】また、ソフトキャンデーの一種であるゼリ
ー(jelly)菓子は、糖液を適当な凝固剤で固めたもので
あって、凝固剤としてペクチンを使用したペクチンゼリ
ー菓子、寒天を使用した寒天ゼリー菓子、ゼラチンを使
用したゼラチンゼリー菓子がある。この他に凝固剤とし
て澱粉を使用したものもある。これらのゼリー菓子は、
互いに他の凝固剤を補足凝固剤として適宜混合使用する
ことがある。
【0010】ペクチンには高メトキシルペクチンと低メ
トキシルペクチンとがあり、後者の低メトキシルペクチ
ンが凝固するにはカルシウムがあればよいが、前者の高
メトキシルペクチンが凝固するには砂糖と酸が必要であ
る。ペクチンの品質を評価するには、最適の条件下で標
準の固さに調製したときのペクチンに対する可溶性固形
分(通常は砂糖)の比で示され、例えば1gのペクチン
を標準の固さに調製するのに砂糖が150 g必要であった
とすれば、そのペクチンは150 グレードであるという。
通常、150 グレードのペクチンがゼリー菓子の製造に使
用されるようであるが、糖濃度が低いと貯蔵性が悪く、
高いと結晶を生じるようになる。
【0011】ペクチンゼリー菓子は、普通、ペクチン
(1〜1.5 %)を溶解させ易いように予め砂糖の一部と
混合しておき、ペクチンの約40倍量の沸騰水に徐々に加
え沸騰させた後、水飴および少量の酸を加えさらに沸騰
させる。次いで残りの砂糖を加え加熱を続けて約110 ℃
になったら加熱を止め、酸、色素および香料を加え冷却
板に流し固めることによって製造される。
【0012】寒天は、紅藻類(テングサ)を煮沸した濾
液を凝固させ、凍結乾燥させてつくられる。通常、寒天
ゼリー菓子は寒天(1〜1.5 %)を数時間水に浸漬した
後、徐々に加熱溶解して寒天溶液を調製し、この寒天溶
液に砂糖と水飴を加えて加熱溶解後冷却した後、少量の
酸と所望の色素、香料を添加し、モールドに注入して十
数時間保持することにより製造される。
【0013】ゼラチンは、動物の骨や皮に含まれるコラ
ーゲンからつくられ、そのゲル強度は一般にブルーム
(bloom)で示されブルームが大きい程ゲル強度は強い。
ゼラチンゼリー菓子をつくるには、一般にゼラチン(普
通170 ブルーム以上)5〜12.5%を約倍量の温水に徐々
に加えてゼラチン溶液を調製しておく。一方、砂糖およ
び水飴(砂糖/水飴=67/33〜50/50)を両者合計量の
約4分の1の水に加えて114 〜116 ℃に加熱した後70℃
まで冷却してから、先に調製したゼラチン溶液を加え、
適宜色素、香料などを添加し混合して製造される。
【0014】以上の如くして製造される各種ゼリー菓子
の製造工程中に、本発明における水溶性ヘミセルロース
を添加使用することによって、一段と弾力性に富んだ食
感を有するゼリー菓子を得ることができ、従来のゼリー
菓子の品質を改良することができる。
【0015】また、キャラメルは主原料が砂糖、水飴、
蛋白成分(練乳、牛乳などの乳蛋白含有物、大豆蛋白)
および油脂(バター、硬化油など)であり、蛋白と糖と
の、いわゆるメイラード反応により着色し、特有の風味
(香味)とチューイング性を有している。砂糖と水飴と
の比率は1:1(固形分比)が標準で、砂糖が多いと結
晶し易くザラついた組織となりチューイング性を失う。
逆に水飴が多いと硬くなる。蛋白成分は蛋白分として4
〜5%が標準で、少ないと保形性が悪化する。油脂分は
キャラメルの粘着性を抑え組織を滑らかにする効果があ
る。油脂分は多いほど美味であるが多すぎると保存中に
油脂分が浸み出してくるので余り多く配合することはで
きず、通常は10%前後が標準であって、油脂分を均一に
分散させるために乳化剤を使用する場合がある。キャラ
メルには、以上の主原料の他に小麦粉、澱粉その他種々
の原料と香料などを配合してつくられる場合があり、上
記の各原料の標準が適宜変更される場合がある。
【0016】一般的に、キャラメルは水飴と砂糖および
蛋白成分を混合して攪拌しながら加熱し、次いで油脂分
を加え十分混合した後、約125 ℃になるまで煮詰め、香
料などを添加混合してから冷却盤に流し適度に冷却した
後、適当な大きさに分割切断し成形、包装されるという
工程を経て製造される。
【0017】一般的には以上の如くして製造されるキャ
ラメルの製造工程中に、本発明における水溶性ヘミセル
ロースを添加使用することによって、キャラメルの保形
性が良好となり、特に保存中の油脂分の浸み出しを抑制
し得ることができる等、従来のキャラメルの品質を改良
することができる。
【0018】本発明におけるキャンデーとはハードキャ
ンデーおよびソフトキャンデーのいずれをも包含するも
のであるが、特にソフトキャンデー、なかでも糖液を凝
固剤で固めたグミ、ゼリービーンズ等のゼリー菓子、お
よび蛋白成分と油脂分を使用して製造されるキャラメル
に対して優れた効果を有する。
【0019】本発明において、以上のような効果を有す
る水溶性ヘミセルロースは豆類由来、特に大豆、なかで
も子葉由来のものが好ましい。
【0020】水溶性ヘミセルロースは、その分子量がど
の様な値のものでも使用可能であるが、好ましくは平均
分子量が数千〜数百万、具体的には5千〜100 万である
のが好ましい。なお、この水溶性ヘミセルロースの平均
分子量は標準プルラン(昭和電工(株)販)を標準物質
として0.1 MのNaNO3 溶液中の粘度を測定する極限粘度
法で求めた値である。
【0021】水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロース
を含む原料から酸性条件下で加熱溶出させるか、酵素に
より分解溶出させることができる。水溶性ヘミセルロー
ス製造法の一例を示すと以下のようである。
【0022】油糧種子、例えば大豆、パーム、ヤシ、コ
ーン、綿実などの油脂や蛋白質を除いた殻、あるいは穀
類、例えば米、小麦などの澱粉等を除いた粕等の植物を
原料とすることができる。原料が大豆であれば、豆腐や
豆乳、分離大豆蛋白を製造するときに副生するオカラを
利用することができる。
【0023】これらの原料を酸性の条件下、好ましくは
各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ましくは130 ℃以
下80℃以上、より好ましくは130 ℃以下100 ℃以上にて
加熱分解し、水溶性画分を分離した後、そのまま乾燥す
るか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着処理或いはエタ
ノール沈殿処理して疎水性物質或いは低分子物質を除去
し乾燥することによって、水溶性ヘミセルロースを得る
ことができる。
【0024】また、粘度が高過ぎると、キャンディー製
造時の作業性が悪くなる場合がある。そこで、水溶性ヘ
ミセルロースの分子量が大きく、粘度が高過ぎる時に
は、脱色・脱臭や乾燥する以前に、更に低分子化する処
理が有効な場合が多い。
【0025】低分子化処理は、加熱分解する時に加熱条
件を強くする事によっても可能であるが、ヘミセルロー
スの分解抽出溶液をアルカリ・酸・熱・酵素等の処理に
よって行う事も出来る。
【0026】水溶性ヘミセルロース溶液の粘度は、例え
ば10%水溶液の場合 200センチポイズ以下が良く、より
好ましくは 100センチポイズ以下が良い。
【0027】本発明において水溶性ヘミセルロースの使
用量は、キャンデーが副原料配合の変化も伴って数千種
類にも及ぶことにより、一該に規定することはできない
が、下限は数%から上限は数十%まで任意の割合で使用
することにより効果が得られるので、実際の生産に当た
っては予め実験的に確かめた上で実施するのが好まし
い。
【0028】以上の如く、本発明における水溶性ヘミセ
ルロースをキャンデーの品質改良剤として使用した場
合、ゼリー菓子ではより弾力性を持つ食感となり、ソフ
トキャンデーでは組織が滑らかでシットリした食感とな
り、特に油脂分を比較的多量使用したキャラメルでも油
の浸み出しが抑制され、またハードキャンデーでは組織
が滑らかになりひび割れ難くなる等の効果が得られる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、これは例示であって本願発明の精神がこれらの
例示によって制限されるものではない。なお、例中、部
および%は何れも重量基準を意味する。
【0030】○ 水溶性大豆ヘミセルロースの調製 分離大豆蛋白製造工程において得られた生オカラに2倍
量の水を加え、塩酸にてpHを4.5 に調製し、120 ℃で1.
5 時間加水分解した。冷却後遠心分離し(10000 G ×30
分)、上澄と沈澱部に分離した。こうして分離した沈澱
部を更に等重量の水で水洗し、遠心分離し、上澄を先の
上澄と一緒にしてイオン交換樹脂を用いて脱塩し、活性
炭カラム処理した後、乾燥して水溶性大豆ヘミセルロー
ス(イ)を得た。
【0031】前記加水分解の方法を 125℃で2.5 時間と
した以外は同様にして水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)
を得た。更に、この水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)を
0.5 %食塩水に溶解し、エタノール濃度が50%となるよ
うにして再沈澱を3回繰り返し、UF膜を用いて脱塩し
て水溶性ヘミセルロース(ハ)を得た。
【0032】得られた水溶性大豆ヘミセルロース
(イ)、(ロ)、(ハ)の成分を常法により、粘度をB
M型粘度計(ローターNo1,60rpm )により、平均分子量
を極限粘度法により測定した結果を以下にまとめる。
【0033】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 成 分(%) (イ) (ロ) (ハ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水 分 5.71 7.75 5.10 粗蛋白 2.64 5.05 0.53 粗灰分 0.13 0.18 0.07 多糖類 90.80 85.92 94.00 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 粘 度 55.0cP 35.5cP 72.0cP −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平均分子量 230,000 180,000 325,000 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0034】次に、(イ)、(ロ)及び(ハ)の水溶性
大豆ヘミセルロースの糖組成を次の方法で分析した。ウ
ロン酸の測定は Blumenkrantz 法により、また中性糖は
アルジトールアセテート法によりGLCを用いて測定し
た。
【0035】結果は以下のとおり。 糖組成(重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 糖の種類 (イ) (ロ) (ハ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ウロン酸 20.4 16.9 23.1 ラムノース 2.4 2.7 2.1 フコース 2.7 5.2 3.9 アラビノース 19.9 19.2 19.4 キシロース 6.4 8.4 5.8 ガラクトース 47.3 45.9 45.2 グルコース 0.9 1.7 0.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0036】実施例1 砂糖50部と水溶性大豆ヘミセルロース(イ)5部を混合
し、ここに水飴(DE=42)40部、水20部を加え糖度85%に
なるまで煮詰めて糖液を調製した。一方、ゼラチン2部
を温水10.5部に溶解したゼラチン液、クエン酸1部、黄
色色素0.1 部、水溶性オレンジフレーバー0.4 部を水1
部に溶解させた酸液を調製しておき、上記の糖液に加
え、よく攪拌混合したのち脱泡してスターチモールド
(20mm×20mm×10mm)内にデポジットした。デポジット
後室温にて15時間冷却乾燥させゼリー菓子を得た。この
ゼリー菓子は、手にベトつかず、さらに、弾力性に富む
良好な食感を有している、商品価値の高いものであっ
た。
【0037】実施例2 実施例1において水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を使
用する代わりに水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)を使用
した他は実施例1と同様にしてゼリー菓子を得た。この
ゼリー菓子も同様に手にベトつかず、良好な食感を有し
ている、商品価値の高いものであった。
【0038】実施例3 実施例1において水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を使
用する代わりに水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)を使用
した以外は実施例1と同様にしてゼリー菓子を得た。こ
のゼリー菓子は、実施例1および2で得たゼリー菓子と
比べ、弾力性が更に強く、チューイング性を有するゼリ
ー菓子であった。
【0039】実施例4 砂糖50部と水飴(DE=42)40部、水10部を加え糖度85%に
なるまで煮詰めて糖液を調製した。一方、水溶性大豆ヘ
ミセルロース(イ)5部を50℃の温水16.5部に溶解し、
ここにオレンジオイル0.4 部を加えホモミキサーにて乳
化混合し乳化液を調製した。この乳化液と、ゼラチン2
部を温水4部で溶解したゼラチン液、クエン酸1部、黄
色色素0.1 部を水1部に溶解した酸液を上記の糖液に加
え、よく攪拌混合したのち脱泡してスターチモールド
(20mm×20mm×10mm)内にデポジットした。デポジット
後室温にて15時間冷却乾燥させゼリー菓子を得た。この
ゼリー菓子は、フレーバーを乳化させて添加しているた
め製造時の熱によるフレーバーの消失がなく、実施例
1、2および3で得たゼリー菓子に比べ、フレーバーの
保持性が更に良く、非常に商品価値の高いものであっ
た。
【0040】実施例5 砂糖50部と水飴(DE=42)40部、水10部を加え糖度85%に
なるまで煮詰めて糖液を調製した。一方、水溶性大豆ヘ
ミセルロース(イ)5部を50℃の温水18部に溶解し、こ
こにチョコレート(油分含量35%)10部を加えホモミキ
サーにて乳化混合し乳化液を調製した。この乳化液と、
ゼラチン2部を温水4部で溶解したゼラチン液を上記の
糖液に加え、よく攪拌混合したのち脱泡してスターチモ
ールド(20mm×20mm×10mm)内にデポジットした。デポ
ジット後室温にて15時間冷却乾燥させてゼリー菓子を得
た。このゼリー菓子は、チョコレートの風味を有する弾
力性に富んだ食感の菓子であった。
【0041】実施例6 水溶性大豆ヘミセルロース(イ)25部と砂糖30部に水11
0 部を加え糖度60%になるまで煮詰めて糖液を調製し、
さらに水飴45部を加え品温が117 ℃となるまで煮詰め
た。一方、ゼラチン5部を温水15部で溶解したゼラチン
液、クエン酸1部、ステビオサイド0.13部、オレンジフ
レーバー0.4 部、黄色色素0.1 部を水1部に溶解した酸
液を調製しておき、上記糖液に加え、よく攪拌混合した
のちに70℃程度まで冷却してスターチモールドにデポジ
ットした。デポジット後、冷却乾燥させ水溶性ヘミセル
ロース入りゼリー菓子を調製した。このゼリー菓子は弾
力性に富んだ良好な食感を有していた。
【0042】比較例1 実施例1において水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を使
用する代わりに砂糖を使用した他は実施例1と同様にし
てゼリー菓子を得た。このゼリー菓子は、乾燥後も表面
がベトベトしており、ゼリー菓子同士が結着し易いだけ
でなく、手に粘稠な糖液が付着する商品価値の低いもの
であった。
【0043】比較例2 実施例1において水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を使
用する代わりにアラビアガムを使用した他は実施例1と
同様にしてゼリー菓子を得た。このゼリー菓子は、乾燥
後にゼリー菓子表面のひび割れが多く認められる商品価
値の低いものであった。
【0044】比較例3 実施例1において水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を使
用する代わりにプルランを使用した他は実施例1と同様
にしてゼリー菓子を得た。このゼリー菓子は、製造時に
糖液の粘度が上昇し、煮詰め作業が困難になった他、出
来上がったゼリー菓子は硬くなり、食感の悪いものであ
った。
【0045】比較例4 実施例1において水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を使
用する代わりにペクチンを使用した他は実施例1と同様
にしてゼリー菓子を得た。このゼリー菓子は、製造時に
糖液の粘度が著しく上昇し、糖度80%までしか煮詰めら
れなかった他、出来上がったゼリー菓子は硬く、アメ状
の製品となった。
【0046】比較例5 砂糖55部に水110 部を加え糖度60%になるまで煮詰めて
糖液を調製し、さらに水飴45部を加え品温が117 ℃とな
るまで煮詰めた。一方、ゼラチン5部を温水15部で溶解
したゼラチン液、クエン酸1部、オレンジフレーバー0.
4 部、黄色色素0.1 部を水1部に溶解した酸液を調製し
ておき、上記糖液に加え、よく攪拌混合したのちに70℃
程度まで冷却してスターチモールドにデポジットした。
デポジット後、冷却乾燥させゼリー菓子を調製した。こ
のゼリー菓子は組織が硬く、弾力性を有する食感が得ら
れなかった。
【0047】実施例7 水飴32部と砂糖6部に全脂加糖練乳(糖度60%)24部、
乳化剤0.3 部とナタネ硬化油20部および水溶性大豆ヘミ
セルロース(ハ)2部とを加え品温が122 ℃となるまで
煮詰めた。ここに、品温115 ℃のフォンダント(砂糖7
5.5部、水飴5.6部、水18.9部)15.7部を添加し、よく攪
拌混合した後、70℃まで冷却し、ローラーで圧延、カッ
ターにて切断して一つの大きさが20mm×20mm×10mmのキ
ャラメルを調製した。このキャラメルは油分を多量使用
したものであって非常に美味であった。このキャラメル
を東洋濾紙(No.1)の上に置き、35℃に2日間放置したと
ころ、油分の浸み出しは全くなかったのに対し、比較の
ため水溶性大豆ヘミセルロースを添加しないで同様に調
製したキャラメルは、かなり油分の浸み出しが観察され
た。
【0048】実施例8 水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)10部と砂糖5部に水35
部を加え糖度60%になるまで煮詰めて糖液を調製し、さ
らに水飴45部、加糖練乳35部を加え品温が122℃となる
まで煮詰めた。ここに、バター5部、乳化剤0.3 部、ス
テビオサイド0.05部を加え、よく攪拌混合したのち70℃
程度まで冷却してフォンダント(砂糖75部、水飴7部、
水18部)を10部添加し、冷却エージング後ローラーで圧
延、カッターにて切断し、キャラメルを調製した。この
キャラメルは噛み出しが軟らかく、非常に滑らかな食感
であった。
【0049】比較例6 砂糖15部に水35部を加え糖度60%になるまで煮詰めて糖
液を調製し、さらに水飴45部、練乳35部を加え品温が12
2 ℃となるまで煮詰めた。ここに、バター5部、乳化剤
0.3 部を加え、よく攪拌混合したのち70℃程度まで冷却
してフォンダント(砂糖75部、水飴7部、水18部)を10
部添加し、冷却エージング後ローラーで圧延、カッター
にて切断し、ソフトキャンディーを調製した。このソフ
トキャンディーは噛み出しが硬く、また一部の砂糖結晶
が粗大化し、若干ザラザラとした食感となった。
【0050】実施例9 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)5部と砂糖60部に水15
0 部を加え糖度60%になるまで煮詰めて糖液を調製し、
さらに水飴35部を加え品温が140 ℃となるまで煮詰め
た。ここに、クエン酸1部、ステビオサイド0.03部、黄
色色素0.1 部、オレンジフレーバー0.4 部を水1部に溶
解した酸液を加え、よく攪拌混合したのち70℃程度まで
冷却し、タブレットマシンで円形に打抜き、ハードキャ
ンデーを調製した。このハードキャンデーは組織が滑ら
かで、ひび割れの認められる物は殆どなかった。
【0051】実施例10 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)20部と砂糖45部に水15
0 部を加え糖度60%になるまで煮詰めて糖液を調製し、
さらに水飴35部を加え品温が140 ℃となるまで煮詰め
た。ここに、クエン酸1部、ステビオサイド0.1 部、黄
色色素0.1 部、オレンジフレーバー0.4 部を水1部に溶
解した酸液を加え、よく攪拌混合したのち70℃程度まで
冷却し、タブレットマシンで円形に打抜きハードキャン
デーを調製した。このハードキャンデーも前例で得たも
のと同様に組織が滑らかで、ひび割れの認められる物は
全くなかった。
【0052】実施例11 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)35部と砂糖30部に水15
0 部を加え糖度60%になるまで煮詰めて糖液を調製し、
さらに水飴35部を加え品温が140 ℃となるまで煮詰め
た。ここに、クエン酸1部、ステビオサイド0.18部、黄
色色素0.1 部、オレンジフレーバー0.4 部を水1部に溶
解した酸液を加え、よく攪拌混合したのち70℃程度まで
冷却し、タブレットマシンで円形に打抜きハードキャン
デーを調製した。このハードキャンデーは実施例10およ
び11で得たものより更に組織のシットリ感が強く、より
滑らかな組織を有していた。
【0053】実施例12 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)50部と砂糖15部に水15
0 部を加え糖度60%になるまで煮詰めて糖液を調製し、
さらに水飴35部を加え品温が140 ℃となるまで煮詰め
た。ここに、クエン酸1部、ステビオサイド0.25部、黄
色色素0.1 部、オレンジフレーバー0.4 部を水1部に溶
解した酸液を加え、よく攪拌混合したのち70℃程度まで
冷却し、タブレットマシンで円形に打抜きハードキャン
デーを調製した。このハードキャンデーは組織が滑らか
で、若干の弾力性が感じられた。
【0054】比較例7 砂糖65部に水150 部を加え糖度60%になるまで煮詰めて
糖液を調製し、さらに水飴35部を加え品温が140 ℃とな
るまで煮詰めた。ここに、クエン酸1部、黄色色素0.1
部、オレンジフレーバー0.4 部を水1部に溶解した酸液
を加え、よく攪拌混合したのち70℃程度まで冷却し、タ
ブレットマシンで円形に打抜き、ハードキャンデーを調
製した。このハードキャンデーの組織は非常に硬く、ほ
とんどの物にひび割れが認められた。
【0055】実施例6,8〜12、比較例5〜7で得られ
たキャンデーを、それぞれゼリー菓子、キャラメル、ハ
ードキャンデーに分け20名のパネラーによる試食評価を
行った結果を以下に示す。
【0056】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例の方が良い 比較例の方が良い と答えた人 と答えた人 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ゼリー菓子 15 5 (実施例6) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− キャラメル 19 1 (実施例8) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ハードキャンデー 12 8 (実施例9) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ハードキャンデー 14 6 (実施例10) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ハードキャンデー 15 5 (実施例11) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ハードキャンデー 14 6 (実施例12) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0057】
【発明の効果】以上のように、キャンデーを製造するに
際し、本発明における水溶性ヘミセルロースを用いる
と、一段と弾力性に富む食感を有したゼリー菓子、油の
浸み出しを起こし難いキャラメルなど品質の改善された
ソフトキャンデー、さらに滑らかな組織を有しひび割れ
を起こし難いハードキャンデーを得ることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−304893(JP,A) 特開 平4−311370(JP,A) 特開 平2−276801(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23G 3/00 101 A23L 1/308 JICSTファイル(JOIS) JAFICファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】砂糖、水飴を主原料としてキャンデーを製
    造するに際し、品質改良剤として酸性条件下に加熱分解
    して得られる油糧種子由来の水溶性ヘミセルロースを使
    用することを特徴とする、キャンデーの製造法。
  2. 【請求項2】水溶性ヘミセルロースが大豆子葉由来の水
    溶性ヘミセルロースである、請求項1記載の製造法
  3. 【請求項3】キャンデーがソフトキャンデーである、請
    求項1または2記載の製造法
  4. 【請求項4】ソフトキャンデーが糖液を凝固剤で固めた
    ゼリー菓子である、請求項3に記載の製造法
  5. 【請求項5】ソフトキャンデーが蛋白成分および油脂分
    を使用したキャラメルである、請求項3に記載の製造
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