JP6857058B2 - 焼成油脂性菓子及び焼成油脂性菓子の製造方法 - Google Patents

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チョコレートに代表される油脂性菓子は、カカオマスや砂糖、ココアバター、粉乳等を原料として、これらの原料を混合し練り固めた食品である。油脂性菓子は、チョコレート生地だけで作る板チョコや、クッキーやパンといった他の食品のコーティング用チョコレート、また製菓材料としてショコラティエが仕上げに使うクーベルチュールチョコレートなど、その用途は多岐にわたる。
このようなチョコレートは、シャープメルトタイプの油脂を多く含有し、良好な口どけが特徴である一方で、高温下で溶けやすく、喫食する際に手が汚れてしまうといった問題があった。そのため、近年では、チョコレートを製造する際に、従来の本格的なチョコレートの製造工程にはなかった焼成工程を更に加えて製造した、表面をローストしたいわゆる焼成チョコレートが人気を集めている。焼成チョコレートは、口どけの良さをうたった本格的なチョコレートよりも、様々な場所で手軽にチョコレートを楽しみたいという現代のライフスタイルにもマッチし、その市場はますます広がる傾向にある。
市場の拡大につれて、焼成チョコレートの手軽さを損なうことなく、従来の焼成チョコレートとは異なる新しい食感を有する焼成チョコレートに対するニーズも高まっている。
焼成チョコレートに関する従来の検討としては、焼成方法に関するものが多く、アプローチは大きく分けて添加剤による方法(例えば特許文献1〜4)、チョコレート生地の状態による方法(例えば特許文献5,6)、配合比率による方法(例えば特許文献7)が開示されている。
一方、焼成チョコレートの食感に関する検討としては特許文献8及び9が挙げられる。
特許文献8には、チョコレート生地に気泡を含有させた後、成形し、焼成して固化することを特徴とする焼き菓子の製造法が開示さている。特許文献8には、同文献に記載の焼き菓子の製造法によれば、歯触りがよく軽い食感を有する焼き菓子を得られることが記載されている。
特許文献9には、澱粉性原料及び水を含有するチョコレート生地を成形し、これを直焼きするか、または高周波加熱するチョコレート菓子の製造法が開示されている。特許文献9には、同文献に記載の焼き菓子の製造法によれば、焼菓子様のサクサクした軽い食感を有するチョコレートが得られることが記載されている。
しかし、特許文献8及び9に記載の発明は、いずれも従来の焼成チョコレートの特徴であるサクサクとした軽い食感をより強調するものであり、新しい食感、例えば、濃厚な風味となめらかな食感に対しては、多くの課題が残されていた。
特開2000−270774号公報 特開2008−206458号公報 特開2010−207197号公報 特開2002−119215号公報 特開2003−250448号公報 特開2001−245594号公報 特開2004−222571号公報 特開平10−210934号公報 特開2000−189058号公報
よって本発明の目的は、従来特徴的であったサクサクとした歯切れの良さと異なる、新規な食感、具体的には、濃厚な風味となめらかな食感を有する焼成油脂性菓子を得ることにある。
本発明者らは、耐熱性を有しチョコレートの濃厚感がより強調されるような菓子を検討する過程で、キャンディ生地を含有させた含水チョコレート生地を焼成することにより、従来とは異なる濃厚な風味となめらかな食感を有する焼成油脂性菓子が得られることを知見した。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、キャンディ生地を含有する含水チョコレート生地が焼成されてなる焼成油脂性菓子に関する。
本発明によれば、濃厚な風味となめらかな食感を有する焼成油脂性菓子を得ることができる。
以下、本発明の焼成油脂性菓子について詳細に説明する。
本発明の焼成油脂性菓子は、キャンディ生地を含有する含水チョコレート生地が焼成されてなる。
はじめに、本発明に用いられるキャンディ生地について説明する。
キャンディは砂糖や水飴を主原料として作った菓子の総称であり、形状や固さによって「キャラメル」「ヌガー」「ドロップ」等の名称で親しまれている。本発明においてキャンディ生地は、冷却・成形によって各種キャンディ菓子となるものを指し、具体的には、水、水飴及び砂糖等の糖類、必要に応じて甘味料、その他成分を含有する糖液を加熱して水分を留去した、冷却によってキャンディとなるものを広く指すものとする。
上記の糖類としては、酵素糖化水飴、ショ糖結合水飴等の水飴、ブドウ糖、果糖、ショ糖(グラニュー糖)、麦芽糖、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、はちみつ、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられる。これらの糖類は単独で用いることができ、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるキャンディ生地における糖類の含有量は、固形分基準で、キャンディ生地中に、好ましくは50〜98質量%、更に好ましくは60〜95質量%である。糖類の含有量が上記の範囲であると、最終的に得られる焼成油脂性菓子がより濃厚な風味となめらかな食感を有するものとなる。
上記の甘味料としては、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、ソーマチン、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、甘草、羅漢果等があげられる。これらの甘味料は単独で用いることができ、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明においては、これらの糖類及び甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明に用いられるキャンディ生地は糖類を含有する。本発明で用いられるキャンディ生地は、糖類として、水飴を含有することが好ましく、より好ましくはキャンディ生地に含まれる糖類のうち15質量%(糖固形分基準)以上が水飴由来であり、さらに好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは35質量%以上、最も好ましくは40質量%以上が水飴由来である。キャンディ生地が水飴を含有すると、最終的に得られる焼成油脂性菓子がよりなめらかな食感となる。キャンディ生地に含まれる糖類のうち水飴の含有量の上限値は、好ましくは100質量%、より好ましくは90質量%でる。
水飴は、デンプンを酸や糖化酵素で糖化して作られた粘液状の甘味料であり、一般にブドウ糖、麦芽糖、オリゴ糖、デキストリン、異性化糖などの混合物であるが、本発明においては特定の成分含有量を高めたものも含むものとし、また水飴を還元処理した還元水飴も含むものとする。
本発明に用いられるキャンディ生地は、キャンディ生地の固形分基準で、油分を5〜30質量%含有することが好ましく、10〜20質量%含有することがより好ましい。キャンディ生地が油分を含有することにより、最終的に得られる油脂性菓子が滑らかな食感となり、且つ、べた付き難い(付着しにくい)物性となる。
本発明でいう油分とは、油脂類の他、油脂を含む材料に由来する油脂分の合計量を示すものである。上記油脂類としては、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂及び動物油脂、並びにこれらに水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂等が挙げられる。これらの油脂は、単独で用いることもでき、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
本発明に用いられるキャンディ生地は水を含有する。キャンディ生地の水分量は好ましくは5〜30質量%、より好ましくは8〜25質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。水としては、当該技術分野で用いられるものを特に制限なく使用することができる。
上記キャンディ生地は、必要に応じて、糖類、油分及び水以外のその他の成分を含有することができる。その他の成分としては、乳化剤、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、CMC、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン等の増粘安定剤、澱粉類、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、β―カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料類、調味料、アミノ酸、pH調整剤、カカオマス、ココアパウダー、コーヒー、紅茶、緑茶等の食品素材、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、着香料等を挙げることができる。
本発明に用いられるキャンディ生地は公知の方法に従って製造できる。例えば、砂糖、水飴等の糖類、必要に応じて油脂類、その他の成分を水に溶解及び混合し、常法に従って水分を留去して得られる糖液をキャンディ生地として用いることができる。水分の留去は、糖液のBrix値が75〜95となるように行うのが好ましく、77〜93がより好ましく、80〜90がさらに好ましく、80〜85が最も好ましい。糖液のBrix値が上述の範囲であると、最終的に得られる焼成油脂性菓子がより濃厚な風味となめらかな食感を有するものとなる。
なお、「Brix値」とは、屈折計などによって測定することができる。また、Brix値は、水分を留去する時間を調整することで調整することが可能である。通常、Brix値の単位は「%」又は「度」が用いられるが、本発明では数値表記のみで表す。
一般的なキャンディの製造では、煮詰めて得られる糖液をさらにニーダーによる混合やエージング等を行う場合もある。しかしながら、本発明においては、チョコレート生地と混合するため、煮詰めて得られる流動性のある糖液をそのままキャンディ生地としてチョコレート生地と混合することが好ましい。
水分を留去するための条件は、効率よく水分を留去できるものであれば特に限定されるものではないが、大気圧条件下であれば、115℃以下で留去することが好ましく、95〜115℃で留去することがより好ましく、98〜112℃で留去することが更に好ましく、100〜109℃で留去することが更により好ましい。大気圧条件下で115℃を超える温度で留去を行うと、最終的に得られる焼成油脂性菓子の食感が硬いものとなってしまう場合がある。
次に、本発明で用いられる含水チョコレート生地について説明する。
本発明において含水チョコレート生地とは、「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」で定義されるチョコレート生地に含水させたものに限定されるものではなく、固形分としてカカオ分及び糖類を主体とするものであって、上記キャンディ生地を含有するものであれば幅広く含むものとする。
本明細書中では、キャンディ生地を含有させたチョコレート生地を「含水チョコレート生地」、キャンディ生地を含有させる前のチョコレート生地を水分の有無を問わず「チョコレート生地」とする。
本発明で用いる含水チョコレート生地は上記キャンディ生地を含有する。本発明における含水チョコレート生地における上記キャンディ生地の好ましい含有量(固形分)は、最終的な含水チョコレート生地の固形分基準で50〜80質量%が好ましく、55〜75質量%がより好ましく、60〜70質量%がさらに好ましい。キャンディ生地の含有量が上述の範囲であると、本発明によって奏される効果が顕著に、特に、濃厚で良好な風味の焼成油脂性菓子を得ることができる。
本発明で用いられる含水チョコレート生地はカカオ分を含有する。本発明で用いられる含水チョコレート生地のカカオ分の含有量は、含水チョコレート生地中に、好ましくは固形分基準で10〜50質量%、より好ましくは13〜45質量%、さらに好ましくは15〜40質量%である。
上記カカオ成分としては、カカオに由来して得られた成分を広く含むものであり、カカオニブ、カカオマス、カカオリカー、ココアケーキ、ココアバター、ココアパウダー、カカオエキスパウダー等が挙げられる。
なお、キャンディ生地がカカオ分を含有する場合、キャンディ生地由来のカカオ分は、「含水チョコレート生地に含まれるカカオ分」に算入するものとする。
本発明で用いられる含水チョコレート生地は糖分を含有する。本発明の含水チョコレート生地における糖類は、キャンディ生地由来の糖類を含めて、固形分基準で、40〜80質量%含有することが好ましく、45〜75質量%含有することがより好ましく、50〜70質量%含有することがより好ましい。糖分の含有量が40質量%よりも少ないと硬くボソボソとした食感となり、80質量%よりも多いと最終的に得られる焼成油脂性菓子としての風味が乏しいものとなってしまう。
上記の糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、酵素糖化水飴、乳糖、還元澱粉糖化物、異性化液糖、ショ糖結合水飴、はちみつ、オリゴ糖、還元糖、ポリデキストロース、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ラフィノース、ラクチュロース、パラチノースオリゴ糖、還元乳糖、ソルビトール、キシロース、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、マンニトール、トレハロース等が挙げられる。これらの糖類は単独で用いることができ、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる含水チョコレート生地は甘味料を含有する場合がある。上記の甘味料としては、スクラロース、ステビア、アスパルテーム、ソーマチン、サッカリン、ネオテーム、アセスルファムカリウム、甘草、羅漢果等があげられる。これらの甘味料は単独で用いることができ、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明ではこれらの糖類・甘味料の中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。
本発明で用いられる含水チョコレート生地は油分を含有することが好ましい。本発明で用いられる含水チョコレート生地は、固形分基準で、油分を5〜30質量%含有することが好ましく、7〜25質量%含有することがより好ましく、10〜20質量%含有することがさらに好ましい。本発明でいう油分とは、油脂類の他、油脂を含む材料に由来する油脂分の合計量を示すものである。
上記油脂類としては、カカオ脂、パーム油、サル脂、シア脂、イリッペ脂、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、菜種油、米油、ひまわり油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、魚油及び鯨油等の各種動植物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1または2以上の処理を施した加工油脂から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
本発明で用いられる含水チョコレート生地は水を含有する。キャンディ生地に由来する水分を含有するのであれば、本発明で用いられる含水チョコレート生地における水の含有量は特に制限されないが、3〜20質量%が好ましい。水としては、当該技術分野で用いられるものを特に制限なく使用することができる。
本発明で用いられる含水チョコレート生地は、上述した原料の他に、一般にチョコレートに使用するその他の原料を含有する場合がある。その他の原料としては、例えば澱粉類、乳タンパク質等をはじめ、各種粉末食品、乳化剤、香料、色素、水性成分等のその他の原料が挙げられる。本発明で用いられる含水チョコレート生地においては、これらのうち1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記澱粉類としては、例えば、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム粉、全粒粉などの小麦粉類、ライ麦粉、大麦粉、米粉などのその他の穀粉類、アーモンド粉、へーゼルナッツ粉、カシュ―ナッツ粉、オーナッツ粉、松実粉などの堅果粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、サゴ澱粉、米澱粉などの澱粉や、これらの澱粉をアミラーゼなどの酵素で処理したものや、α化処理、分解処理、エーテル化処理、エステル化処理、架橋処理、グラフト化処理などの中から選ばれた1種又は2種以上の処理を施した化工澱粉等が挙げられる。
上記乳タンパク質等としては、例えば、ホエイプロテイン濃縮物、ミルクプロテイン濃縮物、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、カゼイン等の乳タンパク質や、全粉乳、脱脂粉乳、バターミルクパウダー、ホエーパウダー、チーズ等の乳タンパク質を含有する乳や乳製品を挙げることができる。
上記キャンディ生地を含有する含水チョコレート生地を得る方法としては、あらかじめキャンディ生地とチョコレート生地を調製した後に混合する方法、キャンディ生地へチョコレート生地原料を添加・混合する方法、キャンディ生地とチョコレート生地原料の一部を混合した後、残りのチョコレート生地原料を混ぜ合わせる方法等が挙げられ、いずれの方法を利用してもよい。
上記含水チョコレート生地を製造するにあたっては、必要に応じて通常含水チョコレート生地を製造するのに必要な工程を組み合わせることができ、例えば「原料の混合工程」、「微細化工程(リファイニング)」、「コンチング工程」等が挙げられる。
次に、本発明の焼成油脂性菓子について説明する。
本発明の焼成油脂性菓子は、上記含水チョコレート生地が焼成されてなるものである。
含水チョコレート生地の焼成手段としては、直火による焼成、オーブンによる焼成、電子レンジによる焼成等の他、蒸し焼き等が挙げられる。含水チョコレート生地の焼成温度は、一般的には180〜210℃程度、1〜10分間程度の焼成時間が汎用されるが、焼成中のチョコレートのコゲ、風味劣化を抑制するため、または求める食感や素材によって適宜設定することができる。例えば、150℃付近や120℃付近での焼成する場合があり、又は100℃付近で乾燥焼きする場合がある。
上記含水チョコレート生地を焼成する前に、必要に応じて含水チョコレート生地を成形することが好ましい。
含水チョコレート生地の成形方法は通常のチョコレートの成形方法と同じものを利用することができ、例えば各種の型に流し込んだり、口金を通して平板に絞り出したりする方法を挙げることができる。そして、その後定法にしたがい、必要に応じ離型、成型する。
次に、本発明の焼成油脂性菓子の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、キャンディ生地をチョコレート生地中に含有させ含水チョコレート生地を得、さらに得られた含水チョコレート生地を焼成するものである。本製造方法における原料、手順及び条件については、上記焼成油脂性菓子の説明と同様である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例により何ら制限されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は、特に説明がない限り質量基準である。
[実施例1]
水飴(群栄化学工業社製、水分25%)50質量部、グラニュー糖40質量部、水10質量部、カカオマス(油分55%)5質量部、ショートニング10質量部を混合し、105℃で水分を留去しキャンディ生地Aを得た(Brix値:81)。加熱を停止したあと、キャンディ生地Aにココアパウダー(油分11%)40質量部及び粉糖10質量部を加えて混合し、厚さ9mmに圧延して含水チョコレート生地Aを得た。
含水チョコレート生地Aを10mm×10mmにカットし、100℃で20分焼成し、焼成油脂性菓子Aを得た。
(キャンディ生地Aに占める糖類の割合(固形分基準):84%、キャンディ生地Aの糖類に占める水飴の割合(固形分基準):48%、キャンディ生地Aに占める油分の割合(固形分基準):14%、含水チョコレート生地Aに占めるキャンディ生地Aの割合(固形分基準):65%、含水チョコレート生地Aに占めるカカオ分の割合(固形分基準):32%、含水チョコレート生地Aに占める糖類の割合(固形分基準):61%、含水チョコレート生地Aに占める油分の割合(固形分基準):12%)
焼成油脂性菓子Aは、濃厚なカカオの風味と非常になめらかな食感を有するものであった。
[実施例2]
水飴(群栄化学工業社製、水分25%)50質量部、グラニュー糖40質量部、水10質量部、カカオマス5質量部、ショートニング10質量部を混合し、120℃で水分を留去しキャンディ生地Bを得た(Brix値:88)。加熱を停止したあと、キャンディ生地Bにココアパウダー(油分11%)40質量部及び粉糖10質量部を加えて混合し、厚さ9mmに圧延して含水チョコレート生地Bを得た。
含水チョコレート生地Bを10mm×10mmにカットし、100℃で20分焼成し、焼成油脂性菓子Bを得た。
(キャンディ生地Bに占める糖類の割合(固形分基準):84%、キャンディ生地Bの糖類に占める水飴の割合(固形分基準):48%、キャンディ生地Bに占める油分の割合(固形分基準):14%、含水チョコレート生地Bに占めるキャンディ生地Bの割合(固形分基準):65%、含水チョコレート生地Bに占めるカカオ分の割合(固形分基準):32%、含水チョコレート生地Bに占める糖類の割合(固形分基準):61%、含水チョコレート生地Bに占める油分の割合(固形分基準):12%)
焼成油脂性菓子Bは、やや硬さが感じられたものの、なめらかな食感と濃厚なカカオの風味を有するものであった。
[実施例3]
水飴(群栄化学工業社製、水分25%)50質量部、グラニュー糖40質量部、水10質量部、ショートニング3質量部を混合し、105℃で水を留去しキャンディ生地Cを得た(Brix値:81)。加熱を停止したあと、キャンディ生地Cにチョコレートパウダー(組成:カカオマス50質量部、ココアパウダー20質量部、砂糖30質量部)50質量部を加えて混合し、厚さ9mmに圧延して含水チョコレート生地Cを得た。
含水チョコレート生地Cを10mm×10mmにカットし、100℃で20分焼成し、焼成油脂性菓子Cを得た。なお、上記チョコレートパウダーとは、原料(カカオマス50質量部、ココアパウダー20質量部、砂糖30質量部)を混合し、微細化(リファイニング)したものである(油分29.9%)。以下でチョコレートパウダーという場合、同様の製造方法で製造されたものをいう。
(キャンディ生地Cに占める糖類の割合(固形分基準):96%、キャンディ生地Cの糖類に占める水飴の割合(固形分基準):48%、キャンディ生地Cに占める油分の割合(固形分基準):4%、含水チョコレート生地Cに占めるキャンディ生地Cの割合(固形分基準):62%、含水チョコレート生地Cに占めるカカオ分の割合(固形分基準):38%、含水チョコレート生地Cに占める糖類の割合(固形分基準):71%、含水チョコレート生地Cに占める油分の割合(固形分基準):14%)
焼成油脂性菓子Cは、濃厚なカカオの風味となめらかな食感を有するものであった。
[実施例4]
水飴(群栄化学工業社製、水分25%)20質量部、グラニュー糖62.5質量部、水17.5質量部、ショートニング3質量部を混合し、105℃で水を留去しキャンディ生地Dを得た(Brix値:81)。加熱を停止したあと、キャンディ生地Dにチョコレートパウダー(組成:カカオマス50質量部、ココアパウダー20質量部、砂糖30質量部)50質量部を加えて混合し、厚さ9mmに圧延して含水チョコレート生地Dを得た。
含水チョコレート生地Dを10mm×10mmにカットし、100℃で20分焼成し、焼成油脂性菓子Dを得た。
(キャンディ生地Dに占める糖類の割合(固形分基準):96%、キャンディ生地Dの糖類に占める水飴の割合(固形分基準):19%、キャンディ生地Dに占める油分の割合(固形分基準):4%、含水チョコレート生地Dに占めるキャンディ生地Dの割合(固形分基準):62%、含水チョコレート生地Dに占めるカカオ分の割合(固形分基準):38%、含水チョコレート生地Dに占める糖類の割合(固形分基準):71%、含水チョコレート生地Dに占める油分の割合(固形分基準):14%)
焼成油脂性菓子Dは、濃厚なカカオの風味となめらかな食感を有するものであった。
[実施例5]
グラニュー糖77.5質量部、水22.5質量部、油脂3質量部を混合し、105℃で水を留去しキャンディ生地Eを得た(Brix値:81)。加熱を停止したあと、キャンディ生地Eにチョコレートパウダー(組成:カカオマス50質量部、ココアパウダー20質量部、砂糖30質量部)50質量部を加えて混合し、厚さ9mmに圧延して含水チョコレート生地Eを得た。
含水チョコレート生地Eを10mm×10mmにカットし、100℃で20分焼成し、焼成油脂性菓子Eを得た。
(キャンディ生地Eに占める糖類の割合(固形分基準):96%、キャンディ生地Eの糖類に占める水飴の割合(固形分基準):0%、キャンディ生地Eに占める油分の割合(固形分基準):4%、含水チョコレート生地Eに占めるキャンディ生地Eの割合(固形分基準):62%、含水チョコレート生地Eに占めるカカオ分の割合(固形分基準):38%、含水チョコレート生地Eに占める糖類の割合(固形分基準):71%、含水チョコレート生地Eに占める油分の割合(固形分基準):14%)
焼成油脂性菓子Eは、ややぼそぼそとした食感ではあったものの、なめらかで濃厚なカカオの風味を有するものであった。
[比較例1]
水飴(群栄化学工業社製、水分25%)50質量部、粉糖40質量部、水10質量部、油脂3質量部を混合したあと、チョコレートパウダー(組成:カカオマス50質量部、ココアパウダー20質量部、砂糖30質量部)50質量部を加えて混合し、厚さ9mmに圧延して含水チョコレート生地Fを得た。
含水チョコレート生地Fを10mm×10mmにカットし、100℃で20分焼成し、焼成油脂性菓子Fを得た。
焼成油脂性菓子Fは、耐熱性が弱く成形および焼成時にダレが生じた。また、粉糖に由来すると思われる粉っぽさの残る食感であった。カカオ風味はやや物足りないものであった。
[比較例2]
カカオマス36質量部、砂糖56質量部、ココアバター8質量部、レシチン0.3質量部を常法に従いチョコレート生地を得た。これに水3質量部を加え含水チョコレート生地Gを得た。
含水チョコレート生地Gを10mm×10mmにカットし、100℃で20分焼成し、焼成油脂性菓子Gを得た。
焼成油脂性菓子Gは、耐熱性が弱く成形及び焼成時にダレが生じた。また、表面が硬い食感であった。カカオ風味はやや物足りないものであった。

Claims (3)

  1. キャンディ生地を含有する含水チョコレート生地が焼成されてなる焼成油脂性菓子。
  2. キャンディ生地をチョコレート生地中に含有させて含水チョコレート生地を得、得られた含水チョコレート生地を成形してから焼成する、焼成油脂性菓子の製造方法。
  3. 前記キャンディ生地は、水飴を含有する糖液を115℃以下で濃縮して得られるキャンディ生地である、請求項2記載の焼成油脂性菓子の製造方法。
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