JP7061030B2 - 状態監視装置と状態監視方法 - Google Patents
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そして、二多段式駐車装置は、パレットを駐車スペースに昇降または横行させることにより、同一の設置スペースに2段以上の駐車スペースを設け、車両を駐車している。
かかる二多段式駐車装置は、例えば特許文献1に開示されている。
そこで、パレット(搬器)の傾きを検出する手段が提案されている(例えば特許文献2、3)。
一方、特許文献3の装置では、パレット毎に傾斜センサと送信機が必要となる。また、パレットに傾斜センサと送信機を取り付けるには、複数のパレットの交換、又は改造が必要となる。
また、既設の機械式駐車装置へ適用する場合、索状体やパレットの交換や改造が必要となり、改造期間が長期間となる。
前記パレットの昇降範囲の外側の静止箇所に固定され、姿勢が保持された前記パレットを同時に検出するように前記パレットの長さ方向又は幅方向に間隔を隔てて位置する第1光電センサ及び第2光電センサと、
前記パレットの昇降時に、前記第1光電センサと前記第2光電センサの検出信号の第1時間差を算出し、該第1時間差が第1閾値を超える場合に異常信号を出力する監視制御器と、を備える状態監視装置が提供される。
前記パレットの昇降範囲の外側の静止箇所に、第1光電センサ及び第2光電センサを、姿勢が保持された前記パレットを同時に検出するように前記パレットの長さ方向又は幅方向に間隔を隔てて固定し、
前記パレットの昇降時に、前記第1光電センサと前記第2光電センサの検出信号の第1時間差を算出し、該第1時間差が第1閾値を超える場合に異常信号を出力する、状態監視方法が提供される。
この構成により、パレットが姿勢(例えば水平)を保持したまま昇降する場合には、第1光電センサと第2光電センサの検出信号の第1時間差は小さい(ほとんど生じない)が、パレットが傾斜して昇降すると検出信号の第1時間差が大きくなる。
従って、監視制御器により、パレットの昇降時に第1光電センサと第2光電センサの検出信号の第1時間差が閾値を超えた場合に、パレットの姿勢異常として異常信号を出力して、パレットの傾きを含む昇降機構の異常を検出することができる。
この例において、機械式駐車装置100は、地上3段昇降横行式の二多段式駐車装置10であり、同一の設置スペースに3段(1F,2F,3F)の駐車スペースが設けられている。以下、この二多段式駐車装置10を単に「装置10」と呼ぶ。
従って、この例において、車両1の収容台数は、パレット12の昇降に1台分のスペースが必要となるため、1Fに2台、2Fに2台、3Fに3台で計7台である。
以下、パレット12a~12cを特に区別しない場合には、単に「パレット12」と呼ぶ。
なお、本実施形態の3Fには、横行枠15が設置されていないが、横行枠15を設置し、横行可能に構成しても良い。
昇降駆動装置16は、車両1と干渉しない位置で鉛直に延びる可撓性のある紐状体17と、紐状体17を巻き上げ又は巻き戻しして、その一端17a(この例で下端)を昇降させる吊り駆動装置18とを有する。
この例において、紐状体17はチェーン(又はワイヤ)であり、吊り駆動装置18はチェーン駆動装置(又はウインチ)である。
また、昇降駆動装置16の形態はこれに限らず、ウインチを吊り駆動装置18として使用し、紐状体17の他端17bをウインチのドラムに巻き付けて、ドラムを回転駆動してもよい。
3F用の吊り駆動装置18は、本体フレーム2に固定され、本体フレーム2から3つのパレット12をそれぞれ独立に昇降させるようになっている。
ここで「パレット12の姿勢」とは、この例では水平を意味するが、厳密な水平でなく、例えば水抜き用の勾配を有してもよい。
例えば、駐車スペースの段数は、二段以上であれば何段であってもよい。また、同一段の収容台数も3台に限定されず、2台以上であれば何台でもよい。また、地上式の二多段式駐車装置10に限定されず、ピット式であってもよい。
以下、第1光電センサ22Aと第2光電センサ22Bを区別しない場合、単に「光電センサ22」と呼ぶ。
また、この例で2対の第1光電センサ22A及び第2光電センサ22Bは、それぞれの検出光23が定位置のパレット12の下端に近接する位置に取付けられている。
「定位置」とは、パレット12が2F又は3Fの駐車スペースに位置する車両格納時のパレット12の停止位置である。また、「近接する位置」とは、定位置のパレット12がその下の検出光23を遮光しない限りで近い位置を意味する。
また、定位置からパレット12が下降すると下降開始直後に第1光電センサ22Aと第2光電センサ22Bの検出光23をそれぞれ遮光するので、パレット12の下降開始直後の姿勢を監視することができる。
この構成により、パレット12の下降中の任意の位置でパレット12の姿勢を監視することができる。例えば、パレット下降中、部分的にパレット12が固定部分(フレームや昇降ガイドなど)に近接するため、接触又は干渉によるパレット12の傾きを監視することがきる。
また、光電センサ22はそれぞれ、装置10の全幅より大きい検出距離(例えば30~70m)を有することが好ましい。この構成により、複数の入出庫部(この例ではA,B,C)で昇降する複数のパレット12の姿勢を各対の光電センサ22(第1光電センサ22A及び第2光電センサ22B)で監視することができる。
さらに、光電センサ22による最小検出物体の大きさがパレット12の全高よりも小さい(例えば直径15~30mm)ことが好ましい。この構成により、最小検出物体の大きさ以下の誤差範囲で、パレット12の昇降位置を検出することができる。
また、第1光電センサ22A及び第2光電センサ22Bは、姿勢が保持されたパレット12を同時に検出するようにパレット12の長さ方向に間隔を隔てて位置する。
すなわち、第1光電センサ22A及び第2光電センサ22Bのパレット12の長さ方向の間隔は、パレット12に載る車両1の全長よりも大きく設定されており、パレット12の昇降時に車両自体が検出光23を遮光しないようになっている。
上述した構成により、パレット12の昇降時に車両1の有無にかかわらず、車両1の影響を受けずにパレット12の一部で光電センサ22の検出光23を遮光することができる。
この構成により、パレット12の上昇時と下降時で、後述する検出信号25の第1時間差Δt1の誤差発生を防止することができる。
なおこの構成は必須ではなく、検出光23を遮光する部分のパレット12の全高さは、第1光電センサ22Aと第2光電センサ22Bとで相違してもよい。
すなわち、パレット12が、長さ方向に勾配を有している場合、第1光電センサ22Aと第2光電センサ22Bは、パレット12の勾配に相当する高低差(例えば20~40mm)を有するのがよい。
この構成により、パレット12が水平でなく緩やかな勾配を有している場合でも、第1光電センサ22A及び第2光電センサ22Bにより姿勢が保持されたパレット12を同時に検出することができる。
監視制御器30は、パレット12の昇降時に、各対の光電センサ22の検出信号25の第1時間差Δt1を検出し、第1時間差Δt1が第1閾値K1を超える場合に異常信号(例えば姿勢異常信号)を出力する。第1閾値K1は、パレット12の姿勢(例えば水平)が実質的に保持され、装置10の作動に支障が生じない長さ、例えば1~2秒間、好ましくは1.5秒間に設定するのがよい。
パレット12の昇降速度は予め既知であり、パレット12がそれぞれの光電センサ22の位置を通過するまでの予定検出時間Ea,Ebも予め既知である。
この予定検出時間Ea,Ebは、各パレット12の上昇時と下降時に関し、各段の各光電センサ毎に予め設定され、監視制御器30の記憶装置に記憶されていることが好ましい。
以下、図3と図4に基づき、本発明の状態監視方法を説明する。
図4において、監視制御器30は、「昇降開始指令」と同時に時間の経過をカウントし、2対の光電センサ22(第1光電センサ22Aと第2光電センサ22B)の検出信号25をそれぞれ検出する。以下、経過時間taは第1光電センサ22Aに関する経過時間、経過時間tbは第2光電センサ22Bによる経過時間とする。
なお、この例で、第1時間差Δt1は、検出信号25の立上り時点(OFFからONに変化する時点)を用いているが、立下り時点(ONからOFFに変化する時点)を用いてもよい。
従って、3F(3段目)のパレット12が姿勢を保持したまま下降する場合、3Fと2Fにおける第1時間差Δt1は、それぞれ第1閾値K1(例えば1~2秒間)以下であり、異常信号は出力されない。
本発明による状態監視方法では、この場合にステップS9で昇降の出力指令を停止し、ステップS10で異常信号を発報(出力)する。すなわち、例えば、装置10の作動を停止し、「姿勢異常信号」を出力する。また、この姿勢異常信号によりアラームを発することが好ましい。
3Fの光電センサ22を通過し、2Fの第1光電センサ22Aと第2光電センサ22Bの検出時間ta2,tb2の第1時間差Δt1が第1閾値K1を超える場合も同様である。
この場合、検出されないセンサに対応するパレット12の前側又は後側の昇降速度が正常より遅くなっている可能性がある。
この例において、機械式駐車装置100は、エレベータパーキング(エレベータ式駐車装置)である。
この図において、機械式駐車装置100は、ケージ6、昇降駆動装置7、及び、昇降制御装置8を備える。
ケージ6は、複数の吊ロープ5に吊下げられ昇降路9を昇降する。吊ロープ5は、ワイヤロープ又はチェーンである。また昇降路9は上述した昇降範囲に相当する。
昇降駆動装置7は、吊ロープ5を昇降駆動する。昇降制御装置8は、昇降駆動装置7を制御する。昇降駆動装置7は上述した昇降駆動装置16に相当する。
この構成により、パレット12(又はケージ6)の長さ方向の傾きと、幅方向の傾きの両方を検出することができる。なお、長さ方向と幅方向の両方の検出は必須ではなく、一方のみでもよい。
この構成により、パレット12が姿勢(例えば水平)を保持したまま昇降する場合には、各対の光電センサ22の検出信号25の第1時間差Δt1は小さい(ほとんど生じない)。一方、パレット12が傾斜して昇降すると、各対の光電センサ22の検出信号25の第1時間差Δt1が大きくなる。
従って、監視制御器30により、パレット12の昇降時に対の光電センサ22の検出信号25の第1時間差Δt1が閾値を超えた場合に、パレット12の姿勢異常として異常信号を出力して、パレット12の傾きを含む昇降機構の異常を検出することができる。
これにより、第1光電センサ22A又は第2光電センサ22Bの一方の検出信号25のみを検出する場合に、パレット12の前側又は後側の昇降速度が正常より遅くなっている速度異常を検出することができる。
K1 第1閾値、K2 第2閾値、ta,tb 経過時間、
ta1,tb1,ta2,tb2 検出時間、
Δt1 第1時間差、Δt2 第2時間差、1 車両、2 本体フレーム、
5 吊ロープ、6 ケージ、7 昇降駆動装置、8 昇降制御装置、9 昇降路、
10 二多段式駐車装置(装置)、12,12a,12b,12c パレット、
13a,13b 車輪、14a,14b 水平レール、15 横行枠、
16 昇降駆動装置、17 紐状体(チェーン又はワイヤ)、17a 一端(下端)、
17b 他端、18 吊り駆動装置(チェーン駆動装置又はウインチ)、
19 紐状無端リング(チェーン又はワイヤ)、20 状態監視装置、
22 光電センサ、22A 第1光電センサ、22B 第2光電センサ、
23 検出光、24a 投光器、24b 受光器、25 検出信号、
30 監視制御器、100 機械式駐車装置
Claims (8)
- 車両を載せるパレットの姿勢を保持したまま前記パレットを昇降する機械式駐車装置の状態監視装置であって、
前記パレットの昇降範囲の外側の静止箇所に固定され、姿勢が保持された前記パレットを同時に検出するように前記パレットの長さ方向又は幅方向に間隔を隔てて位置する第1光電センサ及び第2光電センサと、
前記パレットの昇降時に、前記第1光電センサと前記第2光電センサの検出信号の第1時間差を算出し、該第1時間差が第1閾値を超える場合に異常信号を出力する監視制御器と、を備える状態監視装置。 - 前記第1光電センサ及び前記第2光電センサはそれぞれ、前記昇降範囲を水平に貫通する検出光を投光し受光する投光器と受光器とを有する、請求項1に記載の状態監視装置。
- 前記第1光電センサ及び前記第2光電センサはそれぞれ、前記パレットに載る前記車両の長さ方向外側であり、かつ前記パレットにより検出光が遮光される位置に取付けられている、請求項1に記載の状態監視装置。
- 前記第1光電センサ及び前記第2光電センサはそれぞれ、検出光が定位置の前記パレットの下端に近接する位置、あるいは前記下端から下方の位置に取付けられている、請求項1に記載の状態監視装置。
- 前記パレットは、前記長さ方向に水抜き用の勾配を有しており、
前記第1光電センサと前記第2光電センサは、前記勾配に相当する高低差を有する、請求項1に記載の状態監視装置。 - 車両を載せるパレットの姿勢を保持したまま前記パレットを昇降する機械式駐車装置の状態監視方法であって、
前記パレットの昇降範囲の外側の静止箇所に、第1光電センサ及び第2光電センサを、姿勢が保持された前記パレットを同時に検出するように前記パレットの長さ方向又は幅方向に間隔を隔てて固定し、
前記パレットの昇降時に、前記第1光電センサと前記第2光電センサの検出信号の第1時間差を算出し、該第1時間差が第1閾値を超える場合に異常信号を出力する、状態監視方法。 - 前記パレットの前記昇降時に、昇降開始からの経過時間を前記第1光電センサ及び前記第2光電センサに関しそれぞれ監視し、
前記第1光電センサ又は前記第2光電センサの一方の検出信号のみを検出する場合、前記検出信号と他方の経過時間との時間差を前記第1時間差として算出する、請求項6に記載の状態監視方法。 - 前記パレットの前記昇降時に、昇降開始からの経過時間を前記第1光電センサ及び前記第2光電センサに関しそれぞれ監視し、
前記第1光電センサ又は前記第2光電センサによる前記検出の予定検出時間と前記経過時間との第2時間差をそれぞれ算出し、前記第2時間差の一方又は両方が第2閾値を超える場合に前記異常信号を出力する、請求項6に記載の状態監視方法。
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