JP7037120B2 - タンタル酸リチウム基板の製造方法 - Google Patents
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チョクラルスキー法で育成したタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶(以下、「基板形状のタンタル酸リチウム結晶」とし、熱処理後の「タンタル酸リチウム基板」と区別する)を埋め込み、かつ、大気圧雰囲気下の加熱炉内に上記容器を配置した後、上記加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排しながらタンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
上記混合粉中に複数枚埋め込まれる基板形状のタンタル酸リチウム結晶間の距離をL(mm)とし、基板形状のタンタル酸リチウム結晶外周縁部と上記容器の内壁間との距離をL1(mm)とした場合、L1/Lが、0.4~1.5の範囲を満たすことを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記L1/Lが0.75~1.25の範囲を満たすことを特徴とする。
第1の発明または第2の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記混合粉中に複数枚埋め込まれる基板形状のタンタル酸リチウム結晶間の距離Lが、0.5mm~10mmの範囲を満たすことを特徴とする。
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率を20重量%以下に設定すると共に、上記アルミニウム粉末の平均粒径をS(μm)とした場合、酸化アルミニウム粉末の平均粒径が0.9S(μm)~1.2S(μm)の範囲に設定されていることを特徴とする。
第4の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記アルミニウム粉末の平均粒径Sが100μmであることを特徴とする。
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率を20重量%未満に設定すると共に、大気圧雰囲気下の加熱炉内に酸素分圧が1×10-10atm以下である不活性ガスを連続的に給排することを特徴とする。
第1の発明~第6の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで、かつ、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5L/minであることを特徴とする。
上記混合粉中に複数枚埋め込まれる基板形状のタンタル酸リチウム結晶間の距離をL(mm)とし、基板形状のタンタル酸リチウム結晶外周縁部と上記容器の内壁間との距離をL1(mm)とした場合、L1/Lが、0.4~1.5の範囲を満たすことを特徴とするものである。
実施例1~13と比較例1~7で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられている。また、加熱炉内に配置されるステンレス製容器にはアルミニウム粉末(Al粉)と酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)との混合粉が充填され、かつ、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は2L/minに設定されている。
コングルエント組成の原料を用い、チョクラルスキー法により、直径4インチであるLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素-酸素混合ガスである。得られたLT結晶のインゴットは、透明な淡黄色であった。
内径が110mmφのステンレス製円筒容器に充填された10重量%のアルミニウム粉末(Al粉)と90重量%の酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)との混合粉中に、基板の状態に加工された直径100mmφのLT結晶を5mmの間隔で25枚埋め込み、かつ、LT結晶が埋め込まれたステンレス製容器を上記加熱炉内に配置した後、給気口を介し市販されている上記アルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)を加熱炉内に供給した。上記条件から、LT結晶間距離L(mm)は5.0mm、LT結晶外周縁部と容器内壁間距離L1(mm)は5.0mm、L1/L(比率)は1.00(表1参照)となる。
上記ステンレス製円筒容器の内径が108mmφである以外は、実施例1と同一条件によりLT結晶の熱処理(黒化処理)を行った。
ステンレス製円筒容器の内径(mm)、基板状LT結晶間の距離L(mm)、LT結晶外周縁部と容器内壁間距離L1(mm)、および、L1/L(比率)について、表1に記載した条件に変更した以外は、実施例1と同一条件で実施例3~実施例13、および、比較例1~7に係るLT結晶の熱処理(黒化処理)を行った。
(1)アルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に埋め込まれた基板状LT結晶間の距離L(mm)に対して基板状LT結晶外周縁部と容器内壁間距離L1(mm)が0.4L(mm)~1.5L(mm)、すなわち、L1/L(比率)が0.4~1.5の範囲となるようLT結晶を配置した実施例1~13では「外周部黒化不良」の判定が全て「良」(「外周部黒化不良」の発生率が2%以下)であることが確認される。
[加熱炉の構成]
実施例14で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられ、かつ、加熱炉の前段には加熱炉の給気口に接続された脱酸素炉が設置されていると共に、脱酸素炉を構成する管状炉内にはリボン状のアルミニウム(脱酸素剤)が充填されている。また、加熱炉内に配置されるステンレス製円筒容器にはアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉が充填され、かつ、上記脱酸素炉から酸素分圧を調整したアルゴンガス(不活性ガス)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下(アルゴンガスの封止条件下にはなっていない)に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は1L/minに設定されている。
実施例1と同様にして基板の状態に加工された下記LT結晶を製造した。
内径が110mmφのステンレス製円筒容器に充填された10重量%のアルミニウム粉末(Al粉)と90重量%の酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)との混合粉中に、基板の状態に加工された直径100mmφのLT結晶を5mmの間隔で25枚埋め込み、かつ、LT結晶が埋め込まれたステンレス製容器を加熱炉内に配置した後、給気口に接続された脱酸素炉からアルゴンガスを加熱炉内に供給した。
2 混合粉
3 基板形状のLT結晶
Claims (7)
- チョクラルスキー法で育成したタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶(以下、「基板形状のタンタル酸リチウム結晶」とし、熱処理後の「タンタル酸リチウム基板」と区別する)を埋め込み、かつ、大気圧雰囲気下の加熱炉内に上記容器を配置した後、上記加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排しながらタンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
上記混合粉中に複数枚埋め込まれる基板形状のタンタル酸リチウム結晶間の距離をL(mm)とし、基板形状のタンタル酸リチウム結晶外周縁部と上記容器の内壁間との距離をL1(mm)とした場合、L1/Lが、0.4~1.5の範囲を満たすことを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。 - 上記L1/Lが0.75~1.25の範囲を満たすことを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記混合粉中に複数枚埋め込まれる基板形状のタンタル酸リチウム結晶間の距離Lが、0.5mm~10mmの範囲を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率を20重量%以下に設定すると共に、上記アルミニウム粉末の平均粒径をS(μm)とした場合、酸化アルミニウム粉末の平均粒径が0.9S(μm)~1.2S(μm)の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記アルミニウム粉末の平均粒径Sが100μmであることを特徴とする請求項4に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率を20重量%未満に設定すると共に、大気圧雰囲気下の加熱炉内に酸素分圧が1×10-10atm以下である不活性ガスを連続的に給排することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記不活性ガスがアルゴンガスで、かつ、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5L/minであることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
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