JP7087867B2 - タンタル酸リチウム基板の製造方法 - Google Patents
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Description
タンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込み、かつ、上記容器を加熱炉内に配置した後、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
上記混合粉が、アルミニウム粉末とアルコールを吸着した酸化アルミニウム粉末とで構成されることを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
アルコールを吸着した酸化アルミニウム粉末に含まれる炭素量が0.1質量%~2.0質量%であることを特徴とする。
第1の発明または第2の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記アルコールが、炭素数2~18のアルコールで構成されることを特徴とする。
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率が20質量%未満であることを特徴とする。
第1の発明~第4の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
大気圧雰囲気下の上記加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排することを特徴とする。
第5の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5L/minであることを特徴とする。
アルミニウム粉末との混合粉に用いる酸化アルミニウム粉末にアルコールを吸着させているため、上記混合粉中に埋め込まれたタンタル酸リチウム結晶が熱処理される際、酸化アルミニウム粉末に吸着されたアルコールが分解して炭素を生成する。
この工程は、酸化アルミニウム粉末にアルコールを吸着させる工程である。この工程において、酸化アルミニウム粉末に吸着させるアルコールの種類は任意であり、メタノール、エタノール、プロパノール(n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール)、ブタノール(n-ブチルアルコール、イソブチルアルコール、第2ブチルアルコール、第3ブチルアルコール)、オレイルアルコール等の一価アルコール、エチレングリコール等の二価アルコール等、炭素数2~18のアルコールが例示される。
この工程は、アルミニウム粉末(Al粉)と酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)を混合する工程である。この工程において、上記(A)酸化アルミニウム粉末のアルコール吸着工程によりアルコールが吸着された酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)と、アルミニウム粉末(Al粉)を混合する。
この工程は、アルミニウム粉末(Al粉)と酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)の混合粉中に基板形状のLT結晶を埋め込んで熱処理する工程である。
実施例と参考例で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられ、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は2L/minに設定されている。
コングルエント組成の原料を用い、チョクラルスキー法により、直径4インチであるLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素-酸素混合ガスである。得られたLT結晶のインゴットは透明な淡黄色であった。
トレーに収容した平均粒径52μmのAl2O3粉(酸化アルミニウム粉末)に向け、噴霧器を用いてエタノールを噴霧し、Al2O3粉にエタノールを吸着させた。尚、噴霧器によるエタノールの噴霧量は、エタノールを吸着したAl2O3粉に含まれる炭素の量が0.1質量%に相当する量である。また、平均粒径は、Al2O3粉をレーザー回折式粒度分布計で測定した値である。
エタノールを吸着したAl2O3粉に含まれる炭素の量が1.0質量%に相当する量とした以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
トレーに収容した平均粒径52μmのAl2O3粉に向けてブタノールを噴霧し、ブタノールを吸着したAl2O3粉に含まれる炭素の量が0.1質量%に相当する量とした以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
ブタノールを吸着したAl2O3粉に含まれる炭素の量が1.0質量%に相当する量とした以外は実施例3と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
トレーに収容した平均粒径52μmのAl2O3粉に向けてオレイルアルコールを噴霧し、オレイルアルコールを吸着したAl2O3粉に含まれる炭素の量が0.1質量%に相当する量とした以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
オレイルアルコールを吸着したAl2O3粉に含まれる炭素の量が1.0質量%に相当する量とした以外は実施例5と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
炭素の量が1.0質量%に相当する量のエタノールが吸着されたAl2O3粉を95質量%と、Al粉を5質量%の割合で混合し以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
炭素の量が1.0質量%に相当する量のエタノールが吸着されたAl2O3粉を85質量%と、Al粉を15質量%の割合で混合し以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
炭素の量が2.0質量%に相当する量のエタノールが吸着されたAl2O3粉を90質量%と、Al粉を10質量%の割合で混合し以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
Al2O3粉にエタノールを吸着させず、かつ、Al2O3粉を80質量%とAl粉を20質量%の割合で混合した以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
Al2O3粉にエタノールが吸着されていない以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
(1)Al粉10質量%、エタノール吸着Al2O3粉適用の実施例1、2、9において
実施例1(Al2O3粉の炭素量:0.1質量%、体積抵抗率:9.0×108Ω・cm)、
実施例2(Al2O3粉の炭素量:1.0質量%、体積抵抗率:5.0×108Ω・cm)、
実施例9(Al2O3粉の炭素量:2.0質量%、体積抵抗率:1.0×108Ω・cm)
なるデータからAl2O3粉の炭素量が多い程、体積抵抗率は小さくなっている。
(1-2)Al粉10質量%、オレイルアルコール吸着Al2O3粉適用の実施例5~6においても同様である。
Claims (6)
- タンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込み、かつ、上記容器を加熱炉内に配置した後、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
上記混合粉が、アルミニウム粉末とアルコールを吸着した酸化アルミニウム粉末とで構成されることを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。 - アルコールを吸着した酸化アルミニウム粉末に含まれる炭素量が0.1質量%~2.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記アルコールが、炭素数2~18のアルコールで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率が20質量%未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 大気圧雰囲気下の上記加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5L/minであることを特徴とする請求項5に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
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JP2005206444A (ja) | 2003-04-08 | 2005-08-04 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | タンタル酸リチウム基板およびその製造方法 |
JP2008161812A (ja) | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Asahi Kasei Corp | 自動車排NOx浄化用触媒及び排NOx浄化方法 |
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