JP7087765B2 - タンタル酸リチウム基板の製造方法 - Google Patents
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C6H10O5 → 6C + 5H2O
チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶の両面に多孔質アルミナ板を重ね合わせて積層構造体を構成し、かつ、アルミニウム板を介して複数の上記積層構造体を重ね合わせて積層集合体を構成すると共に、該積層集合体が収容された容器を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記タンタル酸リチウム結晶の両面に重ね合わせる多孔質アルミナ板の厚さが0.5mm以上5mm以下であることを特徴とする。
第1の発明または第2の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記タンタル酸リチウム結晶の両面に重ね合わせる多孔質アルミナ板の気孔率が10%以上80%以下であることを特徴とする。
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記アルミニウム板がエッチングにより表面積を増大させたエッチドアルミニウム板で構成されていることを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が給気口と排気口を有すると共に、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5.0L/minであることを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が密閉されていると共に、該加熱炉内のアルゴンガスにより炉内圧力が大気圧雰囲気となっていることを特徴とする。
本発明方法においては多孔質アルミナ板を使用する。多孔質アルミナ板を使用することで通気性がよくなり、アルミニウム板の還元性が促進される。
好ましくは、LT結晶の外周端側から外方へ食み出るアルミナ板の外周側が、LT結晶の厚み分だけ大きく、かつ、アルミナ板の厚さ以下に設定するとよい。LT結晶の外周端側から外方へ食み出るアルミナ板の外周側がアルミナ板の厚さ以下に設定することで、LT結晶の外周縁部が濃い黒色となる周辺黒化不良(LT結晶の外周縁部が強く還元されることに起因する黒化不良)等を防止することができる。そして、LT結晶の外周端側から外方へ食み出るアルミナ板の外周側が、LT結晶の厚み分だけ大きく、かつ、アルミナ板の厚さ以下に設定することで、上記LT結晶の外周縁部を含め均一に還元処理することが可能となる。
アルミニウム板としては、表面が平滑なアルミニウム板若しくは表裏面が粗面化されたアルミニウム板を使用することができる。また、アルミニウム板の大きさについては、上記アルミナ板と同様、LT結晶の外周端側から外方へ食み出るアルミニウム板の外周側が、LT結晶の厚み分だけ大きく、かつアルミナ板の厚さ以下に設定するとよい。また、アルミニウム板の厚さについては特に限定はなく、0.005mm~1mmとするとよい。
図1に示すように、基板形状のLT結晶4の両面に多孔質アルミナ板2、2を重ね合わせて積層構造体10とし、かつ、アルミニウム板3を介して複数の積層構造体10を重ね合わせて積層集合体100を構成すると共に、該積層集合体100が収容されたステンレス容器1をアルミニウム製の大型容器5内に収容した後、加熱炉(図示せず)内に配置し、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度(約600℃)未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する。また、上述したようにアルミニウム製の大型容器5を省略してステンレス容器1を加熱炉内に直接配置してもよい。
実施例と比較例で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられ、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は2L/minに設定されている。
コングルエント組成の原料を用い、チョクラルスキー法により、直径4インチであるLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素-酸素混合ガスである。得られたLT結晶のインゴットは透明な淡黄色であった。
基板形状に加工した上記LT結晶4の両面に多孔質アルミナ板2、2を重ね合わせて積層構造体10を構成し、アルミニウム板3を介して4つの積層構造体10を重ね合わせて図1に示す積層集合体100を構成した後、該積層集合体100をステンレス製容器に収容した。尚、積層集合体100の最上面と最下面は図1に示すようにアルミニウム板3で構成されている。また、上記多孔質アルミナ板2には、直径が102mm、気孔率が70%、厚みが1mmのものを使用した。また、平滑なアルミニウム板(箔)3は、直径が102mm、厚みが15μm、BET流動法により測定した比表面積は0.025m2/gであった。
上記多孔質アルミナ板の気孔率が60%である以外は、実施例1と同一条件によりLT結晶の熱処理(黒化処理)を行った。
上記多孔質アルミナ板の気孔率、厚みについて、表1に記載した条件に変更した以外は、実施例1と同一条件によりLT結晶の熱処理(黒化処理)を行った。
上記多孔質アルミナ板を、厚みが1mmで緻密質のアルミナ板に変更した以外は、実施例1と同一条件によりLT結晶の熱処理(黒化処理)を行った。
平滑なアルミニウム板(箔)に代えて、エッチングにより微細凹凸が表面に形成されたエッチドアルミニウム板(箔)を適用した以外は実施例1と同一条件によりLT結晶の熱処理(黒化処理)を行った。尚、上記エッチドAl板(箔)は、厚みが100μm前後、BET流動法により測定した比表面積は0.694m2/gであった。
Al粉とAl2O3粉との混合粉中にLT結晶を埋め込んで熱処理する特許文献1に係る方法にて還元処理を行った。尚、Al粉の混合比は20%とし、熱処理中、2L/minの流量でアルゴンガスを大気圧雰囲気下の加熱炉内に連続的に給排した。
(1)アルミナ板の厚みが全て1mmで、アルミナ板の気孔率が異なる実施例1~5と比較例1について、得られたLT基板の体積抵抗率を比較した。
気孔率60%の実施例2(5.0×109Ω・cm)、
気孔率50%の実施例3(7.0×109Ω・cm)、
気孔率30%の実施例4(1.0×1010Ω・cm)、
気孔率10%の実施例5(1.5×1010Ω・cm)
緻密質のアルミナ板が適用された比較例1(測定上限)、
これ等の比較からアルミナ板の気孔率が重要であり、アルミナ板の気孔率を上げる程、熱処理後におけるLT基板の体積抵抗率がより低下されることが確認された。
アルミナ板の厚さが2mmの実施例6(2.2×1010Ω・cm)、
アルミナ板の厚さが5mmの実施例11(3.0×1011Ω・cm)、
これ等の比較から、アルミナ板の厚みが大きくなる程、低酸素分圧となったArガスがLT結晶周辺まで到達し難くなるため、LT基板の体積抵抗率が低下され難くなることが確認された。
エッチドアルミニウム板(箔)を適用した実施例13(1.5×109Ω・cm)、
平滑アルミニウム板(箔)が適用された実施例1との比較から、エッチドアルミニウム板(箔)を用いてアルミニウム板の表面積を増大させることで、LT基板の体積抵抗率がより低下されることが確認された。
2 多孔質アルミナ板
3 アルミニウム板
4 基板形状のタンタル酸リチウム結晶
5 アルミニウム製の大型容器
10 積層構造体
100 積層集合体
Claims (6)
- チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶の両面に多孔質アルミナ板を重ね合わせて積層構造体を構成し、かつ、アルミニウム板を介して複数の上記積層構造体を重ね合わせて積層集合体を構成すると共に、該積層集合体が収容された容器を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。 - 上記タンタル酸リチウム結晶の両面に重ね合わせる多孔質アルミナ板の厚さが0.5mm以上5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記タンタル酸リチウム結晶の両面に重ね合わせる多孔質アルミナ板の気孔率が10%以上80%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記アルミニウム板がエッチングにより表面積を増大させたエッチドアルミニウム板で構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が給気口と排気口を有すると共に、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5.0L/minであることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が密閉されていると共に、該加熱炉内のアルゴンガスにより炉内圧力が大気圧雰囲気となっていることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
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