JP7099203B2 - タンタル酸リチウム基板の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)LT結晶の還元には、アルミニウム粉末による還元作用に加えて酸化アルミニウム粉末に含まれる水分も関与していること、
(2)酸化アルミニウム粉末に含まれる水分量は製造ロット毎に相違していること、
(3)使用する酸化アルミニウム粉末の製造ロットが異なる場合、LT結晶の還元に関与する水分量が相違するためLT基板の体積抵抗率が変動すること、
なる技術的知見を得るに至った。
チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込み、かつ、上記容器を加熱炉内に配置した後、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
上記酸化アルミニウム粉末が加湿処理されていることを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記酸化アルミニウム粉末が、加湿処理前に乾燥処理されていることを特徴とする。
第1の発明または第2の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
加湿処理された酸化アルミニウム粉末の水分量が0.08質量%~0.4質量%であることを特徴とする。
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率が20質量%未満であることを特徴とする。
第1の発明~第4の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
大気圧雰囲気下の上記加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排することを特徴とする。
第5の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5L/minであることを特徴とする。
酸化アルミニウム粉末が加湿処理されて酸化アルミニウム粉末に含まれる水分量が適宜調整されるため、使用する酸化アルミニウム粉末の製造ロットが異なる場合でもタンタル酸リチウム基板における体積抵抗率の変動を防止することが可能となる。従って、酸化アルミニウム粉末の製造ロットが異なる場合でも生産性を悪化させることなく電気的特性に優れたタンタル酸リチウム基板を安定して製造できる効果を有する。
(A)酸化アルミニウム粉末の乾燥処理工程
この工程は、酸化アルミニウム粉末中に存在する水分を除去する工程であり、酸化アルミニウム粉末をアルミナ製の容器内に入れ、電気炉により300℃~1100℃で10~40時間処理して、水分が除去された酸化アルミニウム粉末を調製する。
この工程は、乾燥処理により水分が除去された酸化アルミニウム粉末に対して意図的に水分を吸着させるか、あるいは乾燥処理がなされていない酸化アルミニウム粉末に対して意図的に水分を吸着させる工程である。この工程においては、乾燥処理がなされ、あるいは乾燥処理がなされていない酸化アルミニウム粉末をステンレス容器に入れ、恒湿槽等で所定の水分量になるよう調整する。例えば、恒湿槽において、温度30~60℃、湿度70~90%RHの状態で12~60時間処理し、酸化アルミニウム粉末に含まれる水分量を0.08質量%~0.4質量%に調整する。尚、温度、湿度、保持時間等は、酸化アルミニウム粉末の水分量が所定の範囲になるよう適宜設定すればよい。
この工程は、アルミニウム粉末(Al粉)と酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)を混合する工程である。この工程において、(A)乾燥処理工程により水分が除去された酸化アルミニウム粉末に対して、あるいは、水分を除去するための上記乾燥処理が施されていない酸化アルミニウム粉末に対して(B)加湿処理工程で水分を吸着させた酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)が、アルミニウム粉末(Al粉)と混合される。
この工程は、アルミニウム粉末(Al粉)と酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)の混合粉中に基板形状のLT結晶を埋め込んで熱処理する工程である。
2Al+6H2O→2Al(OH)3+3H2
実施例、比較例、参考例で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられ、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は2L/minに設定されている。
コングルエント組成の原料を用い、チョクラルスキー法により、直径4インチであるLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素-酸素混合ガスである。得られたLT結晶のインゴットは透明な淡黄色であった。
平均粒径52μmの酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)1kgを1000℃で20時間乾燥処理し、上記粉末に含まれる水分を除去したAl2O3粉を得た。尚、上記平均粒径は、酸化アルミニウム粉末をレーザー回折式粒度分布計で測定した値である。
乾燥処理されたAl2O3粉に対し、恒湿槽温度40℃、湿度85%RHで24時間加湿処理を行い、水分を吸着させたAl2O3粉の水分量を0.15質量%とした以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
乾燥処理されたAl2O3粉に対し、恒湿槽温度40℃、湿度85%RHで48時間加湿処理を行い、水分を吸着させたAl2O3粉の水分量を0.25質量%とした以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
乾燥処理されたAl2O3粉に対し、恒湿槽温度40℃、湿度85%RHで60時間加湿処理を行い、水分を吸着させたAl2O3粉の水分量を0.4質量%とした以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
水分を吸着させたAl2O3粉を95質量%とAl粉を5質量%の割合で混合した以外は実施例2と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
水分を吸着させたAl2O3粉を85質量%とAl粉を15質量%の割合で混合した以外は実施例2と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
乾燥処理されたAl2O3粉に対し、上記加湿処理が行われていない以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。尚、乾燥処理されたAl2O3粉の水分量は、カールフィッシャー水分率で0.04質量%であった。
Al2O3粉の乾燥処理と加湿処理を実施せず、かつ、Al2O3粉を80質量%と、Al粉を20質量%の割合で混合した以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
Al2O3粉の乾燥処理と加湿処理を実施しなかった以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
(1)混合粉中のアルミニウム粉末(Al粉)が10質量%である実施例1~4において実施例1(Al2O3粉の水分量:0.08質量%、体積抵抗率:1.6×109Ω・cm)、
実施例2(Al2O3粉の水分量:0.15質量%、体積抵抗率:8.3×108Ω・cm)、
実施例3(Al2O3粉の水分量:0.25質量%、体積抵抗率:6.3×108Ω・cm)、
実施例4(Al2O3粉の水分量:0.40質量%、体積抵抗率:3.2×108Ω・cm)なるデータからAl2O3粉に吸着された水分量が多い程、体積抵抗率は小さくなっている。
Claims (6)
- チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込み、かつ、上記容器を加熱炉内に配置した後、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
上記酸化アルミニウム粉末が、加湿処理されていることを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。 - 上記酸化アルミニウム粉末が、加湿処理前に乾燥処理されていることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 加湿処理された酸化アルミニウム粉末の水分量が0.08質量%~0.4質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率が20質量%未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 大気圧雰囲気下の上記加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5L/minであることを特徴とする請求項5に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
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