JP7271844B2 - タンタル酸リチウム基板の製造方法 - Google Patents
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チョクラルスキー法で育成したタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込み、上記容器を加熱炉内に配置した後、大気圧雰囲気下の加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排しながらタンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
適用する酸化アルミニウム粉末の通気性を計測し、かつ、上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率を設定すると共に、計測された酸化アルミニウム粉末の通気性とアルミニウム粉末の混合比により所望とする体積抵抗率のタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
計測された上記酸化アルミニウム粉末の通気性をX、アルミニウム粉末の上記混合比をYとした場合、タンタル酸リチウム基板の所望とする体積抵抗率Zが下記数式(1)を満たすことを特徴とする。
aX+bY+c=Z (1)
[但し、数式(1)のaは正の係数、bは負の係数、cは定数である。]
第2の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記酸化アルミニウム粉末の通気性Xは、ブレーン空気透過装置を使用して計測された酸化アルミニウム粉末の空気透過時間であることを特徴とする。
第2の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記酸化アルミニウム粉末の通気性Xは、パウダーレオメータを使用して計測された酸化アルミニウム粉末の圧力損出であることを特徴とする。
第2の発明または第3の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記酸化アルミニウム粉末の空気透過時間が5秒~15秒の範囲に設定されることを特徴とする。
第1の発明~第5の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
アルミニウム粉末の上記混合比が1~30重量%の範囲に設定されることを特徴とするものである。
以下、「ブレーン空気透過装置」を用いてAl2O3粉の通気性を計測する方法について説明する。まず、計測装置(ブレーン空気透過装置)における透過セルの内容積とAl2O3粉の軽装かさ密度の積から透過セルに投入されるAl2O3粉の重量を算出する。上記軽装かさ密度は「JIS9301-2-3」の方法で測定することが好ましい。
本発明に係るLT基板の製造方法において、基板の状態に加工されたLT結晶をAl粉とAl2O3粉との混合粉中に埋め込んで処理する。温度は、350℃~LT結晶のキュリー温度未満(約600℃未満)である。Al粉とAl2O3粉の混合粉は、処理後におけるLT基板の体積抵抗率に影響を与える。Al粉の比率を高くすることで、Alの酸化反応が促進されて体積抵抗率を小さくすることができる。例えば、体積抵抗率を1×109(Ω・cm)以下にする場合、特許文献3に係る方法では混合粉中におけるAl粉の比率が20重量%を超える量に設定する必要があった。しかし、混合粉中におけるAl粉の比率が20重量%を超えた場合、直径1~5mm程度の上述した黒い点(色むら)の発生が確認され、この色むらは、Al粉の比率に影響を受け、Al粉の比率が上昇するに従い色むらの発生率は高くなる。本発明に係るLT基板の製造方法において、上記色むらの発生を確実に抑制するにはAl粉の比率を20重量%以下にし、好ましくは15%重量以下、より好ましくは10重量%以下にするとよい。
本発明において、計測されたAl2O3粉の通気性をX(ブレーン空気透過装置を使用して計測された場合は「空気透過時間」、パウダーレオメータを使用して計測された場合は「圧力損失」)、Al粉の混合比(Al粉の比率)をYとした場合、LT基板の所望とする体積抵抗率Zを得ることが可能となる。
aX+bY+c=Z
で表されることが確認された。
aX+bY+c=Z (1)
[但し、数式(1)のaは正の係数、bは負の係数、cは定数である。]
で表される。
8.5×107×X-1.8×109×Y+1.8×108=Z
加熱炉内に給排する不活性ガスは、一般的に市販されている低酸素濃度のアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)や窒素ガス等を適用できる。
実施例で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられている。また、加熱炉内に配置されるステンレス製容器にはAl粉とAl2O3粉との混合粉が充填され、かつ、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下(アルゴンガスの封止条件下にはなっていない)に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は2L/minに設定されている。
コングルエント組成の原料を用い、チョクラルスキー法により、直径4インチであるLT結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素-酸素混合ガスである。得られたLT結晶のインゴットは、透明な淡黄色であった。
実施例では、平均粒径が50μmのAl2O3粉(A)と平均粒径が95μmのAl2O3粉(B)を用いた。尚、平均粒径は、各粉末をレーザー回折式粒度分布計で測定した値とした。
パウダーレオメータのシリンダーにAl2O3粉を詰め、タッピングとスクリュー撹拌により粉体の詰まり具合を調整した。このときの詰まり具合は、実際混合粉中に基板の状態に加工されたLT結晶を埋め込み熱処理するときにポッド内に投入されたときの混合粉のかさ密度と同程度になるように調整した。
各Al2O3粉の軽装かさ密度は、JIS9301-2-3に記載の方法で測定した。
パウダーレオメータで計測した「圧力損失」とブレーン空気透過装置で計測した「空気透過時間」との関係を確認した。
ステンレス製容器に充填された5.0重量%のAl粉と95重量%のAl2O3粉(A)との混合粉中に、基板の状態に加工されたLT結晶を埋め込み、かつ、LT結晶が埋め込まれたステンレス製容器を上記加熱炉内に配置した後、給気口を介し上記アルゴンガスを加熱炉内に供給した。
Al粉の混合比が15.0重量%(実施例2)および30.0重量%(実施例3)に変更された以外は実施例1と同一の条件で熱処理を行い、処理後のLT基板の体積抵抗率を測定し、かつ、色むらの発生率を調査した。
Al2O3粉(A)に代えてAl2O3粉(B)が適用された以外は実施例1~3と同一の条件で熱処理を行い、処理後のLT基板の体積抵抗率を測定し、かつ、色むらの発生率を調査した。すなわち、Al粉の混合比は、5.0重量%(実施例4)、15.0重量%(実施例5)および30.0重量%(実施例6)である。
aX+bY+c=Z (1)
実施例1~6の実測データを重回帰分析し、上記数式(1)の係数a、b、cの算出を行った結果、次式の通りとなった。
8.5×107×X-1.8×109×Y+1.8×108=Z
上記関係式の精度を確認するため、Al粉の混合比を変えた複数の条件で熱処理を行った後に体積抵抗率を測定し、上記関係式より得られた計算値と実測値の比較を行った。
Al2O3粉(A)を適用し、かつ、Al粉の混合比が7.5重量%(実施例7)、10.0重量%(実施例8)、12.5重量%(実施例9)、20.0重量%(実施例10)、および、25.0重量%(実施例11)とした以外は実施例1と同一の条件で熱処理を行い、処理後のLT基板の体積抵抗率を測定し、かつ、色むらの発生率を調査した。
Al2O3粉(B)を適用し、かつ、Al粉の混合比が7.5重量%(実施例12)、10.0重量%(実施例13)、12.5重量%(実施例14)、20.0重量%(実施例15)、および、25.0重量%(実施例16)とした以外は実施例1と同一の条件で熱処理を行い、処理後のLT基板の体積抵抗率を測定し、かつ、色むらの発生率を調査した。
計算値と実測値のばらつきを求めるため、実測値を計算値で割り百分率で表した。ばらつきの計算結果を表1に記載した。
Al2O3粉(B)の「圧力損失」は1.18mBar、Al2O3粉(B)の「空気透過時間」は5.3秒であり、「空気透過時間」/「圧力損失」=4.5の関係を有する。
8.5×107×X-1.8×109×Y+1.8×108=Z
Claims (6)
- チョクラルスキー法で育成したタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込み、上記容器を加熱炉内に配置した後、大気圧雰囲気下の加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排しながらタンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
適用する酸化アルミニウム粉末の通気性を計測し、かつ、上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率を設定すると共に、計測された酸化アルミニウム粉末の通気性とアルミニウム粉末の混合比により所望とする体積抵抗率のタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。 - 計測された上記酸化アルミニウム粉末の通気性をX、アルミニウム粉末の上記混合比をYとした場合、タンタル酸リチウム基板の所望とする体積抵抗率Zが下記数式(1)を満たすことを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
aX+bY+c=Z (1)
[但し、数式(1)のaは正の係数、bは負の係数、cは定数である。] - 上記酸化アルミニウム粉末の通気性Xは、ブレーン空気透過装置を使用して計測された酸化アルミニウム粉末の空気透過時間であることを特徴とする請求項2に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記酸化アルミニウム粉末の通気性Xは、パウダーレオメータを使用して計測された酸化アルミニウム粉末の圧力損出であることを特徴とする請求項2に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記酸化アルミニウム粉末の空気透過時間が5秒~15秒の範囲に設定されることを特徴とする請求項2または3に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- アルミニウム粉末の上記混合比が1~30重量%の範囲に設定されることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
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