JP7271845B2 - タンタル酸リチウム基板の製造方法 - Google Patents
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タンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込み、上記容器を加熱炉内に配置した後、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
上記基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶をパラフィン系鉱物油の蒸気に曝して該タンタル酸リチウム結晶に上記パラフィン系鉱物油を吸着させた後、該パラフィン系鉱物油が吸着されたタンタル酸リチウム結晶を上記アルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に埋め込むことを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記パラフィン系鉱物油の40℃における動粘度が、10mm2/S@40℃以上32mm2/S@40℃以下であることを特徴とする。
第1の発明または第2の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶に吸着されたパラフィン系鉱物油の炭素量が、1×10-3mol/cm2~1×10-5mol/cm2であることを特徴とする。
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率が20質量%未満であることを特徴とする。
第1の発明~第4の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
大気圧雰囲気下の上記加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排することを特徴とする。
第5の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5L/minであることを特徴とする。
基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶にパラフィン系鉱物油を吸着させ、このタンタル酸リチウム結晶をアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に埋め込んでいるため、上記混合粉中に埋め込まれたタンタル酸リチウム結晶が熱処理される際、上記パラフィン系鉱物油が分解して炭素を生成する。
この工程は、基板形状のLT結晶をパラフィン系鉱物油の蒸気に曝して該LT結晶にパラフィン系鉱物油を吸着させる工程である。尚、鉱物油は、一般に、芳香族環、ナフテン環およびパラフィン鎖を含む混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系鉱物油と称している。
この工程は、アルミニウム粉末(Al粉)と酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)を混合する工程である。混合するAl粉の比率は20質量%未満が好ましく、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは5~15質量%の範囲である。
この工程は、アルミニウム粉末(Al粉)と酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)の混合粉中に基板形状のLT結晶を埋め込んで熱処理する工程である。
実施例と参考例で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられ、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は2L/minに設定されている。
コングルエント組成の原料を用い、チョクラルスキー法により、直径が4インチであるLT結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素-酸素混合ガスである。得られたLT結晶のインゴットは透明な淡黄色であった。
30cm四方を塩ビ板により囲んで形成した空間の底部にホットプレート(熱源)を設置し、40℃における動粘度が10mm2/S@40℃のパラフィン系鉱物油(コスモ石油ルブリカンツ製 コスモSP10)をホットプレートに収容し、かつ、基板形状のLT結晶をホットプレートの上方側空間に配置した。
LT結晶に吸着されたパラフィン系鉱物油(動粘度が10mm2/S@40℃のパラフィン系鉱物油)の吸着量について、該パラフィン系鉱物油に含まれる炭素量が1×10-4mol/cm2に相当する量とした以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
30cm四方を塩ビ板により囲んで形成した空間の底部にホットプレート(熱源)を設置し、40℃における動粘度が15mm2/S@40℃のパラフィン系鉱物油(コスモ石油ルブリカンツ製 コスモSP15)をホットプレートに収容し、かつ、基板形状のLT結晶をホットプレートの上方側空間に配置した。
LT結晶に吸着されたパラフィン系鉱物油(動粘度が15mm2/S@40℃のパラフィン系鉱物油)の吸着量について、該パラフィン系鉱物油に含まれる炭素量が1×10-4mol/cm2に相当する量とした以外は実施例3と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
30cm四方を塩ビ板により囲んで形成した空間の底部にホットプレート(熱源)を設置し、40℃における動粘度が22mm2/S@40℃のパラフィン系鉱物油(コスモ石油ルブリカンツ製 コスモSP22)をホットプレートに収容し、かつ、基板形状のLT結晶をホットプレートの上方側空間に配置した。
LT結晶に吸着されたパラフィン系鉱物油(動粘度が22mm2/S@40℃のパラフィン系鉱物油)の吸着量について、該パラフィン系鉱物油に含まれる炭素量が10-4mol/cm2に相当する量とした以外は実施例5と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
30cm四方を塩ビ板により囲んで形成した空間の底部にホットプレート(熱源)を設置し、40℃における動粘度が32mm2/S@40℃のパラフィン系鉱物油(コスモ石油ルブリカンツ製 コスモSP32)をホットプレートに収容し、かつ、基板形状のLT結晶をホットプレートの上方側空間に配置した。
LT結晶に吸着されたパラフィン系鉱物油(動粘度が32mm2/S@40℃のパラフィン系鉱物油)の吸着量について、該パラフィン系鉱物油に含まれる炭素量が10-4mol/cm2に相当する量とした以外は実施例7と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
平均粒径52μmの酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)を95質量%と平均粒径100μmのアルミニウム粉末(Al粉)を5質量%の割合で混合して混合粉を調製した以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
平均粒径52μmの酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)を85質量%と平均粒径100μmのアルミニウム粉末(Al粉)を15質量%の割合で混合して混合粉を調製した以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
基板形状のLT結晶にパラフィン系鉱物油を吸着させず、かつ、平均粒径52μmの酸化アルミニウム粉末(Al2O3粉)を80質量%と平均粒径100μmのアルミニウム粉末(Al粉)を20質量%の割合で混合して混合粉を調製した以外は実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
基板形状のLT結晶にパラフィン系鉱物油を吸着させていない点を除き実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
(1)基板形状のLT結晶にパラフィン系鉱物油を吸着させた実施例1~8において、
実施例1(炭素量:1×10-5mol/cm2、体積抵抗率:9.0×108Ω・cm)
実施例2(炭素量:1×10-4mol/cm2、体積抵抗率:5.0×108Ω・cm)
実施例3(炭素量:1×10-5mol/cm2、体積抵抗率:9.0×108Ω・cm)
実施例4(炭素量:1×10-4mol/cm2、体積抵抗率:5.0×108Ω・cm)
実施例5(炭素量:1×10-5mol/cm2、体積抵抗率:9.0×108Ω・cm)
実施例6(炭素量:1×10-4mol/cm2、体積抵抗率:5.0×108Ω・cm)
実施例7(炭素量:1×10-5mol/cm2、体積抵抗率:9.0×108Ω・cm)
実施例8(炭素量:1×10-4mol/cm2、体積抵抗率:5.0×108Ω・cm)
なるデータから、LT結晶に吸着されたパラフィン系鉱物油に含まれる炭素量が多い程、体積抵抗率は小さくなっている。
Claims (6)
- タンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法であって、容器内に充填されたアルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込み、上記容器を加熱炉内に配置した後、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
上記基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶をパラフィン系鉱物油の蒸気に曝して該タンタル酸リチウム結晶に上記パラフィン系鉱物油を吸着させた後、該パラフィン系鉱物油が吸着されたタンタル酸リチウム結晶を上記アルミニウム粉末と酸化アルミニウム粉末との混合粉中に埋め込むことを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。 - 上記パラフィン系鉱物油の40℃における動粘度が、10mm2/S@40℃以上32mm2/S@40℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶に吸着されたパラフィン系鉱物油の炭素量が、1×10-3mol/cm2~1×10-5mol/cm2であることを特徴とする請求項1または2に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記混合粉中におけるアルミニウム粉末の比率が20質量%未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 大気圧雰囲気下の上記加熱炉内に不活性ガスを連続的に給排することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5L/minであることを特徴とする請求項5に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
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