JP2005119907A - タンタル酸リチウム基板およびその製造方法 - Google Patents

タンタル酸リチウム基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板の焦電性に起因した素子製造プロセスでの歩留まり低下等の問題が解消されると共に圧電材料としての特性も充分に具備するタンタル酸リチウム(LT)基板とその製造方法を提供する。
【解決手段】 チョコラスキー法で育成したタンタル酸リチウム結晶を基板の状態に加工して得たLT基板をAlとAl23の混合粉末に埋め込み、350〜600℃の保持温度で熱処理して、体積抵抗率が1010〜1013Ω・cmの範囲に制御されたタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とする。好ましくは、上記熱処理を不活性ガスの減圧雰囲気下で行うことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、表面弾性波素子等に用いられるタンタル酸リチウム(LT)基板に係り、特に、素子製造プロセスでの歩留まり低下が起こり難くしかも圧電材料としての特性も具備するLT基板とその製造方法の改良に関するものである。
タンタル酸リチウム(LT)結晶は、融点が約1650℃、キュリー温度が約600℃の強誘電体である。そして、LT基板の用途は、主に携帯電話の信号ノイズ除去用の表面弾性波(SAW)フィルター用材料である。
そして、携帯電話の高周波化、各種電子機器の無線LANであるBluetooth(2.45GHz)の普及等により、2GHz前後の周波数領域のSAWフィルターが今後急増すると予測されている。
上記SAWフィルターは、LT等の圧電材料で構成された基板上に、AlCu合金等の金属薄膜で一対の櫛形電極を形成した構造となっており、この櫛形電極がデバイスの極性を左右する重要な役割を担っている。また、上記櫛形電極は、スパッタにより圧電材料上に金属薄膜を成膜した後、一対の櫛形パターンを残し、フォトリソグラフ技術により不要な部分をエッチング除去することにより形成される。
そして、より高周波に対応するためには、上記櫛形パターンを微細に、かつ、薄くする必要があり、2GHz前後のデバイスでは、現在の主力である800MHz前後に比べ、電極間距離が約1/3の0.3〜0.4μm、膜厚が同じく1/5以下の200nm以下程度となる。
また、上記LT単結晶は、産業的には、主にチョコラルスキー法で、通常、高融点のイリジウムるつぼを用い、酸素濃度が数〜10%程度の窒素−酸素混合ガス雰囲気の電気炉中で育成され、電気炉内で所定の冷却速度で冷却された後、電気炉から取り出されて得られる(非特許文献1参照)。
育成されたLT結晶は、無色透明若しくは透明感の高い淡黄色を呈している。育成後、結晶の熱応力による残留歪みを取り除くため、融点に近い均熱下で熱処理を行い、さらに単一分極とするためのポーリング処理、すなわち、LT結晶を室温からキュリー温度以上の所定温度まで昇温し、結晶に電圧を印加し、電圧を印加したままキュリー温度以下の所定温度まで降温した後、電圧印加を停止して室温まで冷却する一連の処理を行う。ポーリング処理後、結晶の外形を整えるために外周研削されたLT結晶(インゴット)はスライス、ラップ、ポリッシュ工程等の機械加工を経てLT基板となる。最終的に得られたLT基板はほぼ無色透明であり、体積抵抗率はおよそ1014〜1015 Ω・cm程度である。
ところで、このような従来の方法で得られたLT基板では、表面弾性波素子製造プロセスにおいて、LT結晶の特性である焦電性のために、プロセスで受ける温度変化によって電荷が基板表面にチャージアップして発生するスパークにより、基板表面に形成したパターンが破壊され、さらには基板の割れ等が発生し、素子製造プロセスでの歩留まり低下が起きている。
また、LT基板の高い光透過率は、デバイス製造プロセスの1つであるフォトリソグラフ工程で基板内を透過した光が基板裏面で反射されて表面に戻り、形成パターンの解像度を悪化させるという問題も生じさせている。
そこで、この問題を解決するため、特許文献1〜2においては、ニオブ酸リチウム(LN)結晶を500〜1140℃の範囲内で還元性雰囲気(具体的には、アルゴン、水、水素、窒素、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、これ等組合せから選択されたガス雰囲気)に晒してLN結晶のウェーハを黒化させることにより、基板の高い光透過率を抑制すると共に、電気伝導度を高くし、もって基板裏面からの戻り光を抑制し、同時に焦電性を低減することが述べられている。
但し、特許文献1〜2に記載された発明は、LN結晶のみならず、タンタル酸リチウム(LT)結晶をも対象としているが、特許文献1〜2にはLT結晶について実質的に何らの開示がない。そして、本発明者の実験によれば、これらの方法は、1250℃程度と融点が低いニオブ酸リチウム結晶に対しては有効ではあったが、1650℃と融点が高いLT結晶に対しては効果がないことが確認された。
この様な技術的背景の下、本発明者は、LT結晶を、Ca、Al、Ti、Siからなる群より選択される1つの金属粉末(いわゆる還元剤)に埋め込み、350〜600℃の保持温度で熱処理してタンタル酸リチウム(LT)基板を製造する特許文献1〜2に記載された方法とは全く別異の方法を既に提案している(特許文献3参照)。
そして、この方法により製造されたLT基板は、特許文献1〜2に記載されたニオブ酸リチウム(LN)基板と同様、高い光透過率が抑制されかつ電気伝導度も高くなることから、タンタル酸リチウム(LT)基板においても上述した素子製造プロセスでの歩留まり低下や形成パターンの解像度を悪化させる問題を解消させることを可能としている。
しかし、特許文献3記載の発明においては、タンタル酸リチウム(LT)基板に対する還元条件が強すぎると、得られるLT基板の焦電性が著しく低減するため上記チャージアップに起因した問題は改善されるがLT基板の圧電性も同様に低減するため圧電材料としての特性が低下してしまう問題があり、反対に、タンタル酸リチウム(LT)基板に対する還元条件が弱いと得られるLT基板の焦電性が低減し難い問題があり、未だ改善の余地を有していた。
特開平11−92147号公報 特開平11−236298号公報 特願2003−104176号明細書 Albert A. Ballman:Journal of American Ceramic Society, Vol.48 (1965)
本発明はこの様な問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、基板の上記チャージアップに起因した問題が解消されると共に圧電材料としての特性も充分に具備するタンタル酸リチウム(LT)基板とその製造方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため本発明者等が鋭意研究を継続したところ、タンタル酸リチウム(LT)基板の体積抵抗率が以下の範囲内に制御された場合、このLT基板においては上記チャージアップに起因した問題が解消されしかも圧電材料としての特性も充分に具備していることを見出すに至り、このLT基板は、LT結晶をAlとAl23の混合粉末に埋め込み、350〜600℃の保持温度で熱処理することにより得られることを見出すに至った。
すなわち、請求項1に係る発明は、
タンタル酸リチウム(LT)基板を前提とし、
体積抵抗率が1010〜1013Ω・cmの範囲に制御されたことを特徴とし、
請求項2に係る発明は、
請求項1記載の発明に係るタンタル酸リチウム基板を前提とし、
AlとAl23の混合粉末に埋め込まれて、350〜600℃の保持温度で熱処理された熱履歴を有することを特徴とするものである。
また、請求項3に係る発明は、
チョコラスキー法で育成したタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法を前提とし、
基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶をAlとAl23の混合粉末に埋め込み、350〜600℃の保持温度で熱処理して、体積抵抗率が1010〜1013Ω・cmの範囲に制御されたタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とし、
請求項4に係る発明は、
請求項3記載の発明に係るタンタル酸リチウム基板の製造方法を前提とし、
上記熱処理を不活性ガスの減圧雰囲気下で行うことを特徴とするものである。
本発明により、プロセスで受ける温度変化によって、電荷が基板表面にチャージアップして生ずるスパークにより基板表面に形成したパターンが破壊されたり、さらには基板の割れ等が発生したりすることがなく、また、フォトリソグラフ工程で基板内を透過した光が基板裏面で反射されて表面に戻り、形成パターンの解像度を悪化させることのない、LT基板が得られる。
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、LT結晶は、結晶内に存在する酸素空孔濃度によって電気伝導度と色が変化する。LT結晶中に酸素空孔が導入されると、チャージバランスをとる必要から、一部のTaイオンの価数が5+から4+に変わり、電気伝導性を生じると同時に光吸収を起こす。
電気伝導は、キャリアである電子がTa5+イオンとTa4+イオンの間を移動するために生ずると考えられる。結晶の電気伝導度は、単位体積あたりのキャリア数とキャリアの移動度の積で決まる。移動度が同じであれば、電気伝導度は酸素空孔数に比例する。光吸収による色変化は、酸素空孔により導入された電子レベルによるものと考えられる。
上記酸素空孔数の制御は固体と固体の平衡を利用した、いわゆる還元剤を用いた熱処理により行うことができる。そして、本発明においてLT結晶の上記還元剤としては、Al(アルミニウム)が適用され、具体的にはAlとAl23の混合粉末中にLT基板を埋め込んで熱処理を行う。
また、上記熱処理は、粉末を構成しているAl(アルミニウム)そのものの過剰な酸化による劣化を防ぐため、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス、真空等の雰囲気の中で行うことが望ましい。また、熱処理温度は高温が望ましいが、上限温度はポーリング処理により単一分極化済みのLT基板が多分極化しないようにLT結晶のキュリー温度に制限される。
そして、処理工程の制御性、最終的に得られる基板の特性、同特性の均一性、再現性等を考慮した最も好ましい条件としては、試料としてポーリング後のLT結晶インゴットから切り出されたウエーハ(LT基板)を用い、該LT基板をAlとAl23の混合粉末中に埋め込み、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス、真空等の雰囲気中で、LT結晶のキュリー温度以下で熱処理することが有効である。尚、真空雰囲気とすると還元条件が強すぎてしまう場合があり、また、不活性ガスの大気圧雰囲気下とすると還元に要する時間が長くなるため、不活性ガス(窒素ガスやアルゴンガス等)の減圧雰囲気であることがより望ましい。
また、LT結晶は、結合イオン性が強いので空孔の拡散速度は比較的速い。しかし、酸素空孔濃度の変化には酸素の結晶内拡散を要するので、一定時間、結晶を雰囲気中に保持する必要がある。この拡散速度は、温度に大きく依存し、室温近傍では現実的な時間での酸素空孔濃度の変化は起きない。従って、短時間で所望とする特性を有するLT基板を得るには、十分な酸素拡散速度を得られる高温で、低酸素濃度雰囲気中にLT基板を保持する必要がある。
高温で処理した後、LT基板を速やかに冷却すれば、高温で導入された酸素空孔濃度を保ったままの結晶を室温で得ることができる。処理時間の下限は、経済性を考慮し、実験によって、上記熱処理方法での処理温度に応じて容易に決定できる。
ところで、焦電効果(焦電性)は、結晶温度が変化することによって生ずる格子の変形に起因する。電気双極子を持つ結晶では、双極子間の距離が温度で変化するために生じると理解できる。焦電効果は、電気抵抗の高い材料のみで生じる。イオンの変位により、結晶表面には双極子方向(LT結晶ではZ方向)に電荷を生じるが、電気抵抗の低い材料では、この電荷は結晶自身の持つ電気伝導性のために中和されてしまう。そして、通常の透明なLT結晶は、上述したようにその体積抵抗率が1015 Ω・cmのレベルであるために焦電効果が顕著に現れる。
しかし、本発明に係るタンタル酸リチウム(LT)基板は、その体積抵抗率が1010〜1013Ω・cmの範囲に制御されるため、焦電性は見られなくなり、かつ、無色透明から有色不透明化すると共に、圧電材料としての特性も充分に具備している。また、本発明に係るタンタル酸リチウム(LT)基板における有色不透明の色調は、透過光では赤褐色系に、反射光では黒色に見えるため、この有色不透明化現象をここでは黒化と呼ぶ。
そして、上記熱処理の効果であるタンタル酸リチウム(LT)基板の焦電性が見られなくなったか否かを判定する実用的な方法として、実際の表面弾性波素子製造プロセスにおいて、LT基板が受ける温度変化を模して行う熱サイクル試験がある。すなわち、LT基板に、室温から200℃まで10℃/分で昇温し、その後10℃/分で室温まで冷却する熱サイクルを与えた場合、従来法によるLT基板では基板表面でスパークが観察される。一方、黒化したLT基板では基板表面でのスパークは観察されない。従って、黒化の有無の判定が、LT基板の実用的な判定方法としては有用である。
尚、熱処理は4時間以上行うことで黒化が明らかに観察されるが、熱処理の雰囲気を真空雰囲気とするよりも不活性ガス(窒素ガスやアルゴンガス等)とした方が、体積抵抗率が同じであっても透過光で見た場合の黒化の着色度合いは薄い。真空雰囲気で処理した基板は基板の表面近傍の着色が強く、表面近傍の酸素空孔濃度が高いものと推定される。酸素空孔は結晶欠陥の一種でもあるため、基板の機械的強度の面からは、比較的薄い着色で所望の体積抵抗率が得られた方が望ましい。
次に、本発明の実施例について詳細に説明する。
コングルエント組成の原料を用いて、チョコラルスキー法で、直径4インチのLT単結晶育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素−酸素混合ガスである。得られた結晶のインゴットは、透明な淡黄色であた。
この結晶のインゴットに対して熱歪み除去のための熱処理と単一分極とするためのポーリング処理を行った後、外周研削、スライス、研磨を行って36゜RY基板とした。得られた基板は、無色透明で、体積抵抗率は1015Ω・cm、キュリー温度は603℃、表面弾性波速度は4150m/秒であった。
得られた基板を、25重量%のAlと75重量%のAl23の混合粉末中に埋め込み、窒素ガス雰囲気、500Torrの減圧条件中で、350℃、20時間の熱処理を行った。
熱処理後の基板は、不透明な赤褐色(基板における波長365nmの光透過率は68%)で、体積抵抗率は7.50×1012Ω・cmであった。
尚、上記光透過率は、日立製作所(株)社製の分光光度計(U−3400)を用いて測定し、上記体積抵抗率は、JIS K−6911に準拠した3端子法により測定している。
次に、熱処理後の基板に対して、室温から200℃まで10℃/分で昇温し、その後10℃/分で室温まで冷却する熱サイクル試験を行った。その結果、表面電位は発生せず、スパークする現象は全く見られなかった。
さらに、得られた基板のキュリー温度は603℃、表面弾性波速度は4150m/秒であり、表面弾性波素子特性に影響する物性値は従来品の36゜RY基板と異なるところはなかった。
熱処理温度が550℃である点を除き、実施例1と略同一の条件で熱処理を施し、不透明な赤褐色(基板における波長365nmの光透過率は65%)で、体積抵抗率が1.80×1011Ω・cmである基板を得た。
そして、この基板は、実施例1と同様の熱サイクル試験結果を示し、かつ、キュリー温度等の特性も実施例1と同様であった。
熱処理温度が600℃である点を除き、実施例1と略同一の条件で熱処理を施し、不透明な赤褐色(基板における波長365nmの光透過率は63%)で、体積抵抗率が1.40×1010Ω・cmである基板を得た。
そして、この基板も、実施例1と同様の熱サイクル試験結果を示し、かつ、キュリー温度等の特性も実施例1と同様であった。
上記熱処理を、10重量%のAlと90重量%のAl23の混合粉末中に埋め込んで行った以外は実施例1と同様な処理を行った。
得られた基板は、不透明な赤褐色(基板における波長365nmの光透過率は68%)で、体積抵抗率は8.50×1012Ω・cmであった。
また、この基板も、実施例1と同様の熱サイクル試験結果を示し、かつ、キュリー温度等の特性も実施例1と同様であった。
上記熱処理を、10重量%のAlと90重量%のAl23の混合粉末中に埋め込んで行い、かつ、熱処理温度を550℃とした以外は実施例1と同様な処理を行った。
得られた基板は、不透明な赤褐色(基板における波長365nmの光透過率は65%)で、体積抵抗率は2.00×1011Ω・cmであった。
また、この基板も、実施例1と同様の熱サイクル試験結果を示し、かつ、キュリー温度等の特性も実施例1と同様であった。
上記熱処理を、10重量%のAlと90重量%のAl23の混合粉末中に埋め込んで行い、かつ、熱処理温度を600℃とした以外は実施例1と同様な処理を行った。
得られた基板は、不透明な赤褐色(基板における波長365nmの光透過率は63%)で、体積抵抗率は2.30×1010Ω・cmであった。
また、この基板も、実施例1と同様の熱サイクル試験結果を示し、かつ、キュリー温度等の特性も実施例1と同様であった。
上記熱処理を、50重量%のAlと50重量%のAl23の混合粉末中に埋め込み、窒素ガス雰囲気、大気圧条件中、550℃、40時間とした以外は実施例1と同様な処理を行った。
得られた基板は、不透明な赤褐色(基板における波長365nmの光透過率は68%)で、体積抵抗率は2.30×1012Ω・cmであった。
また、この基板も、実施例1と同様の熱サイクル試験結果を示し、かつ、キュリー温度等の特性も実施例1と同様であった。
上記熱処理を、真空条件中で、550℃、10時間とした以外は実施例1と同様な処理を行った。
得られた基板は、不透明な赤褐色(基板における波長365nmの光透過率は58%)で、体積抵抗率は1.70×1011Ω・cmであった。
また、この基板も、実施例1と同様の熱サイクル試験結果を示し、かつ、キュリー温度等の特性も実施例1と同様であった。
(比較例1)
上記熱処理を、AlとAl23の混合粉末中に基板を埋め込むことなく、窒素ガス雰囲気、大気圧条件中、1000℃、40時間とした以外は実施例1と同様な処理を行った。
得られた基板は、無色透明で黒化は見られず(基板における波長365nmの光透過率は71%)、かつ、体積抵抗率は1〜2×1015Ω・cmであった。
処理済みの基板に対して、室温から200℃まで10℃/分で昇温し、その後10℃/分で室温まで冷却する熱サイクル試験を行ったところ、基板表面で激しくスパークする現象が見られた。
(比較例2〜3)
上記熱処理を、AlとAl23の混合粉末中に基板を埋め込むことなく、窒素ガス雰囲気、大気圧条件中、800℃(比較例2)、480℃(比較例3)、40時間とした以外は実施例1と同様な処理を行った。
得られた各基板は、無色透明で黒化は見られず(基板における波長365nmの光透過率は72%)、かつ、体積抵抗率は1〜2×1015Ω・cmであった。
また、処理済みの各基板に対して、室温から200℃まで10℃/分で昇温し、その後10℃/分で室温まで冷却する熱サイクル試験を行ったところ、基板表面で激しくスパークする現象が見られた。

Claims (4)

  1. 体積抵抗率が1010〜1013Ω・cmの範囲に制御されたことを特徴とするタンタル酸リチウム基板。
  2. AlとAl23の混合粉末に埋め込まれて、350〜600℃の保持温度で熱処理された熱履歴を有することを特徴とする請求項1記載のタンタル酸リチウム基板。
  3. チョコラスキー法で育成したタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
    基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶をAlとAl23の混合粉末に埋め込み、350〜600℃の保持温度で熱処理して、体積抵抗率が1010〜1013Ω・cmの範囲に制御されたタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。
  4. 上記熱処理を不活性ガスの減圧雰囲気下で行うことを特徴とする請求項3記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
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