JP7082317B2 - タンタル酸リチウム基板の製造方法 - Google Patents
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C6H10O5 → 6C + 5H2O
チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔とを交互に積層させて積層構造体を構成し、かつ、該積層構造体が収容された容器を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が給気口と排気口を有すると共に、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5.0L/minであることを特徴とする。
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が密閉されていると共に、該加熱炉内のアルゴンガスにより炉内圧力が大気圧雰囲気となっていることを特徴とする。
第1の発明~第3の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
表面内部に微細空孔を有する上記エッチドアルミニウム箔の還元能力が下記数式(1)で表されることを特徴とする。
エッチドアルミニウム箔の還元能力=r2×S (1)
[但し、数式(1)中、rはエッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径、Sはエッチドアルミニウム箔における単位面積当たりの比表面積とする]
基板形状のLT結晶と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔とを交互に積層させて積層構造体を構成し、該積層構造体が収容された容器を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、LT結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理して上記LT基板を製造することを特徴とするものである。
エッチドアルミニウム箔は、アルミニウム箔のエッチング処理により表面内部にスポンジ状の微細空孔を有しており、本発明方法では市販品を用いることができる。
尚、流量(Q)の単位はm3/h、管径(d)はmm、流速(V)はm/sである。
流量(Q)はアルミニウム箔に拡散する酸素のmol数、
管径(d/2)はエッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径r
流速(V)はLT結晶から抜けた酸素の移動速度
[但し、数式(1)中、rはエッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径、Sはエッチドアルミニウム箔における単位面積当たりの比表面積とする]
図1に示すように、基板形状のLT結晶2と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔1とを交互に積層させて積層構造体10を構成し、該積層構造体10をステンレス容器3に収容し、かつ、該ステンレス容器3をアルミニウムで構成された大型容器4に収容した後、この大型容器4を加熱炉(図示せず)内に配置し、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度(約600℃)未満の温度で熱処理してLT基板を製造する。また、上述したようにアルミニウム製の大型容器4を省略してステンレス容器3を加熱炉内に直接配置してもよい。
実施例1~4と比較例1~2で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられ、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は2L/minに設定されている。
コングルエント組成の原料を用い、チョクラルスキー法により、直径4インチであるLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素-酸素混合ガスである。得られたLT結晶のインゴットは透明な淡黄色であった。
エッチドアルミニウム箔の厚みについては、エッチング処理前の基材となるアルミニウム箔の厚みをマイクロメーターにより測定した。
基板形状に加工されたLT結晶2と、エッチングにより表面に微細凹凸および表面内部に微細空孔が形成されたエッチドアルミニウム箔1を交互に積層させて積層構造体10とした。尚、エッチドアルミニウム箔は、直径が100mmの円板状に裁断されており、アルミニウム箔の厚さは120μm、エッチングはアルミニウム箔両面に施されており、エッチング層の深さは40μmであった。また、エッチドアルミニウム箔の単位面積当たりの比表面積(S)は1073cm2/cm2、エッチングにより表面内部に形成された微細空孔の半径(r)は0.15μm、これ等データを上記数式(1)に代入して求めたエッチドアルミニウム箔の「還元能力」は24.1であった。
上記エッチドアルミニウム箔について、エッチング条件を変え、エッチング層の深さが40μm、単位面積当たりの比表面積(S)が1140cm2/cm2、微細空孔の半径(r)が0.16μm、上記数式(1)に代入して求めたエッチドアルミニウム箔の還元能力が29.2のものに変更した以外は、実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
上記エッチドアルミニウム箔について、エッチング条件を変え、エッチング層の深さが40μm、単位面積当たりの比表面積(S)、微細空孔の半径(r)、上記数式(1)に代入して求めたエッチドアルミニウム箔の還元能力が表1に記載されたものに変更した以外は、実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
上記エッチドアルミニウム箔について、市販されている表面が平滑なアルミニウム箔に変えた以外は、実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。尚、平滑なアルミニウム箔の厚さは15μm、単位面積当たりの比表面積(S)は1.0cm2/cm2であった。
Al粉とAl2O3粉との混合粉中にLT結晶を埋め込んで熱処理する特許文献1に係る方法にて還元処理を行った。尚、Al粉の混合比は20%とし、熱処理中、2L/minの流量でアルゴンガスを大気圧雰囲気下の加熱炉内に連続的に給排した。
(1)実施例1~4と比較例1の比較を行った。
(2-1)まず、エッチドアルミニウム箔の「単位面積当たりの比表面積S」とLT基板の「体積抵抗率」との関係は、表1における「単位面積当たりの比表面積S」と「体積抵抗率」欄のデータから、一見、「正の相関」があるように見える。
2 基板形状のLT結晶
3 ステンレス容器
4 大型容器
10 積層構造体
Claims (4)
- チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔とを交互に積層させて積層構造体を構成し、かつ、該積層構造体が収容された容器を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。 - 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が給気口と排気口を有すると共に、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5~5.0L/minであることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が密閉されていると共に、該加熱炉内のアルゴンガスにより炉内圧力が大気圧雰囲気となっていることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
- 表面内部に微細空孔を有する上記エッチドアルミニウム箔の還元能力が下記数式(1)で表されることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
エッチドアルミニウム箔の還元能力=r2×S (1)
[但し、数式(1)中、rはエッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径、Sはエッチドアルミニウム箔における単位面積当たりの比表面積とする]
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WO2004079061A1 (ja) | 2003-03-06 | 2004-09-16 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | タンタル酸リチウム結晶の製造方法 |
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