JP2020026356A - タンタル酸リチウム基板の製造方法 - Google Patents

タンタル酸リチウム基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】点状むら(還元むら)、縞状・年輪模様状色むら(還元むら)の各発生が抑制され、電気的特性に優れたタンタル酸リチウム(LT)基板の製造方法を提供する。【解決手段】チョクラルスキー法で育成されたLT結晶を用いてLT基板を製造する方法であって、基板の状態に加工されたLT結晶2と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔1とを交互に積層させて積層構造体10を構成し、該積層構造体10が収容されたステンレス容器3を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、LT結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してLT基板を製造することを特徴とする。LT結晶2とエッチドアルミニウム箔1とを交互に積層させて積層構造体10とすることで、エッチドアルミニウム箔1の酸化反応によりLT結晶2周辺に存在する不活性ガスの酸素分圧を低下させてLT結晶に酸素空孔を導入する条件が得られる。【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法に係り、特に、色むら(還元むら)の無い電気的特性に優れたタンタル酸リチウム基板の製造方法に関するものである。
タンタル酸リチウム(以下、LTと略称することがある)結晶は、融点が約1650℃、キュリー温度が約600℃の強誘電体であり、この結晶を用いて製造されるタンタル酸リチウム基板は、主に、携帯電話の送受信用デバイスに用いられる表面弾性波(SAW)フィルター材料として適用されている。
そして、携帯電話の高周波化、各種電子機器の無線LANによるBluetooth(登録商標)(2.45GHz)の普及等により、2GHz前後の周波数領域のSAWフィルターが今後急増すると予測されている。
上記SAWフィルターは、LT等の圧電材料で構成された基板上に、Al、Cu等の金属薄膜で一対の櫛型電極が形成された構造となっており、この櫛型電極がデバイスの特性を左右する重要な役割を担っている。また、上記櫛型電極は、圧電材料上にスパッタリングにより金属薄膜を成膜した後、一対の櫛型パターンを残し、フォトリソグラフ技術により不要な部分をエッチングにより除去することで形成される。
また、上記LT単結晶は、産業的には、主にチョクラルスキー法によって、酸素濃度が数%〜20%の窒素−酸素混合ガス雰囲気の電気炉中で育成されており、通常、高融点のイリジウム坩堝が用いられ、育成されたLT単結晶は電気炉内で所定の冷却速度で冷却された後、電気炉から取り出して得られている。
育成されたLT結晶は、無色透明若しくは透明度の高い淡黄色を呈している。育成後、結晶の熱応力による残留歪を取り除くため、融点に近い均熱下で熱処理を行い、更に単一分極とするためのポーリング処理、すなわち、LT結晶を室温からキュリー温度以上の所定温度まで昇温し、結晶に電圧を印加し、電圧を印加したままキュリー温度以下の所定温度まで降温した後、電圧印加を停止して室温まで冷却する一連の処理を行う。ポーリング処理後、結晶の外径を整えるために外周研削されたLT結晶(インゴットと称する)は、スライス、ラップ、ポリッシュ工程等の機械加工を経て基板となる。最終的に得られた基板はほぼ無色透明で、その体積抵抗率はおよそ1014〜1015Ω・cm程度である。
特許第4063191号公報(請求項1参照) 特許第4220997号公報(4頁30行〜5頁37行参照) 特許第5133279号公報(段落0013〜0016参照)
ところで、このような従来の方法で得られた基板では、表面弾性波素子(SAWフィルター)製造プロセスにおいて、LT結晶の特性である焦電性のため、プロセスで受ける温度変化によって電荷が基板表面にチャージアップし、これにより生じる放電が原因となって基板表面に形成した櫛型電極が破壊され、更には基板の割れ等を生じて素子製造プロセスでの歩留まり低下が起きている。
そこで、LT結晶の焦電性による不具合を解消するため、導電率を増大させる技術がいくつか提案されている。例えば、特許文献1には、基板の状態に加工されたLT結晶(以下「基板形状のLT結晶」とし、熱処理後のLT基板と区別する)をアルミニウム粉末(Al粉)と酸化アルミニウム粉末(Al23粉)との混合粉中に埋め込んで熱処理(還元処理)する方法が開示されている。尚、導電性を増大させたLT基板は、酸素空孔が導入されたことにより光吸収を起こすようになる。そして、観察されるLT基板の色調は、透過光では赤褐色系に、反射光では黒色に見えるため、導電性を増大させる還元処理は黒化処理とも呼ばれており、このような色調の変化現象を黒化と呼んでいる。
しかし、基板形状のLT結晶をAl粉とAl23粉との混合粉中に埋め込んで熱処理する特許文献1の方法は、Al粉の混合比にもよるが、点状の還元むら(黒い点)が発生することがある。また、基板形状のLT結晶を上記混合粉中に埋め込んで熱処理する方法であるため、Al粉を混合粉中に均一に分散させかつ混合粉を平らに均しながら上記LT結晶を埋め込む必要があり作業性に難点があった。
これに対し、粉末を使用しない方法も開発されている。例えば、特許文献2には、温度T1(700℃以上)で還元処理された元材(LT結晶から成るスライスウェハ)を、温度T1より低い温度T2(300〜600℃)でかつ還元雰囲気中において単一分極化されたLT結晶素材(黒化処理の対象)に接触させてLT結晶素材の導電率を増加させる方法が開示されている。また、特許文献3には、塩化ナトリウムや塩化カリウム(金属のハロゲン化物)が含まれる溶液にLT結晶素材(黒化処理の対象)を浸漬した後、キュリー温度以下の温度(300〜600℃)でかつ還元雰囲気下において、還元剤(LT結晶をキュリー温度以上、950℃以下の温度で、かつ、還元雰囲気下で熱処理して得られた多分極LT)と上記LT結晶素材を重ね合わせて熱処理する方法が開示されている。特許文献2と特許文献3に開示された方法は、粉末を使用せず、かつ、還元処理された元材(LT結晶から成るスライスウェハ)や還元剤(多分極LT)として上記LT結晶素材(黒化処理の対象)と同一のLT結晶が適用されているため、製品となるLT結晶を汚染することがなく、作業性も良好で生産性は向上する。しかし、これ等方法では、LT結晶素材(黒化処理の対象)に上記元材や還元剤を直接接触させて還元処理するため、LT結晶素材と上記元材や還元剤の表面粗さが細か過ぎる場合、両者が密着してしまったり、接触度合いの不均一が生じて縞状あるいは年輪状の色むら(基板内で導電率のばらつきが生じる)が発生し易い欠点があった。また、これ等方法では、予め、還元処理された元材(LT結晶から成るスライスウェハ)や還元剤(多分極LT)を準備する必要があるため、その分、生産効率が悪かった。
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、焦電性による不具合の改善効果が均一で、色むら不良の発生を抑制でき、低コストで再現性と生産効率に優れたタンタル酸リチウム基板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者は、予め、還元処理された元材(LT結晶から成るスライスウェハ)や還元剤(多分極LT)を準備する必要のない特許文献1に記載された方法に着目し、この方法において直径1〜5mm程度の黒い点状の還元むら(点状色むら)が発生する原因について鋭意分析を行った。この結果、特許文献1の方法を実施する際、Al粉とAl23粉から成る混合粉中に不可避的に混入し、あるいは、基板形状のLT結晶表面に不可避的に吸着した衣類繊維等の浮遊ごみが上記還元むら(点状色むら)の原因であることを見出すに至った。
すなわち、衣類繊維の主な成分はセルロース[分子式(C6105)n]であるが、還元処理中の高温下において上記セルロースが自己分解し、下記反応式に示すようにカーボンガス(C)、水蒸気(H2O)等が生成される。
6105 → 6C + 5H2
そして、生成した水蒸気と混合粉中に含まれるAl粉が反応し、Al粉が急激に酸化することで局所的な発熱が起こり、この反応が基板形状のLT結晶近傍で起きることによりその部分が局所的に還元され、黒い点状の上記還元むら(点状色むら)が発生していると考えられる。
本発明はこのような技術的分析と発見により完成されたもので、基板形状のLT結晶に浮遊ごみ等が付き難く、かつ、Al粉とAl23粉との混合粉中に上記LT結晶を埋め込む煩雑な作業を要しないと共に、混合粉中に基板形状のLT結晶を埋め込む従前の処理方法(すなわち、特許文献1の方法)と同程度の体積抵抗率が得られるタンタル酸リチウム基板(LT基板)の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔とを交互に積層させて積層構造体を構成し、かつ、該積層構造体が収容された容器を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とする。
第2の発明は、
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が給気口と排気口を有すると共に、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5〜5.0L/minであることを特徴とする。
第3の発明は、
第1の発明に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が密閉されていると共に、該加熱炉内のアルゴンガスにより炉内圧力が大気圧雰囲気となっていることを特徴とする。
また、第4の発明は、
第1の発明〜第3の発明のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法において、
表面内部に微細空孔を有する上記エッチドアルミニウム箔の還元能力が下記数式(1)で表されることを特徴とする。
エッチドアルミニウム箔の還元能力=r2×S (1)
[但し、数式(1)中、rはエッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径、Sはエッチドアルミニウム箔における単位面積当たりの比表面積とする]
本発明方法によれば、特許文献1で使用するAl粉とAl23粉との混合粉に代えてエッチドアルミニウム箔が適用されるため、基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶に浮遊ごみ等が付き難く、浮遊ごみ等に起因する還元むら(点状色むら)の発生を抑制することが可能となり、かつ、特許文献1における上記混合粉中に基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶を埋め込む煩雑な作業を行う必要もない。
このため、焦電性による不具合の改善効果が均一であるタンタル酸リチウム基板を効率よく製造することが可能となる。
基板形状のLT結晶2とエッチドアルミニウム箔1とを交互に積層させて成る積層構造体10が収容された容器3を大型容器4内に1個(図1ではステンレス容器3が1個の場合を示す)若しくは複数個収容した状態を示す説明図。
以下、本発明の実施形態について具体的に説明する。
LT結晶は、結晶内に存在する酸素空孔濃度によって電気伝導度と色が変化する。LT結晶中に酸素空孔が導入されると、チャージバランスをとる必要から一部のTaイオンの価数が5+から4+に変わり、電気伝導性を生じると同時に光吸収を起こす。電気伝導は、キャリアである電子がTa5+イオンとTa4+イオンの間を移動するために生ずると考えられる。結晶の電気伝導度は、単位体積当たりのキャリア数とキャリアの移動度の積で決まる。移動度が同じであれば、電気伝導度は酸素空孔数に比例する。また、光吸収による色変化は、酸素空孔により導入された電子レベルによるものと考えられる。
ところで、LT結晶の導電率を高くする場合、酸素分圧が充分に低い不活性ガス中において、基板形状のLT結晶をキュリー温度未満の温度で熱処理してLT結晶中に酸素空孔を導入する方法が考えられる。しかし、一般的に市販されている低酸素濃度の不活性ガスであっても不純物として数ppm以下の酸素が含まれるため、市販されている不活性ガスを用いた熱処理では充分にLT結晶の導電率を高くすることはできない。上記特許文献1では、基板形状のLT結晶を、Al粉とAl23粉との混合粉中に埋め込んで熱処理する方法を開示している。しかし、混合粉中におけるAl粉の比率が高くなるに従い、直径1〜5mm程度の黒い点の還元むら(点状色むら)が発生し易くなる。この還元むらは、上述したようにAl粉とAl23粉との混合粉中に不可避的に混入し、あるいは、上記LT結晶表面に不可避的に吸着した衣類繊維等の浮遊ごみに起因すると考えられる。
そこで、本発明方法においては、基板形状のLT結晶と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔とを交互に積層させて積層構造体とすることで、エッチドアルミニウム箔の酸化反応によりLT結晶周辺に存在する不活性ガスの酸素分圧を低下させてLT結晶に酸素空孔を導入する条件が得られ、更に、エッチドアルミニウム箔の適用により基板形状のLT結晶に浮遊ごみ等が付き難くなるため、該浮遊ごみ等に起因する上記還元むら(点状色むら)の発生も抑制される。
すなわち、図1に示すように、基板形状のLT結晶2と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔1とを交互に積層させて積層構造体10を構成する。次いで、上記積層構造体10をステンレス容器3に収容し、かつ、1個(図1ではステンレス容器3が1個の場合を示す)若しくは複数個のステンレス容器3をアルミニウムで構成された大型容器4に収容し、この大型容器4を加熱炉(図示せず)内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理して基板形状のLT結晶2を還元している。尚、図1に示す上記容器3と大型容器4は蓋材で覆われているが密閉容器ではない。また、大型容器4を省略して上記容器1を加熱炉内に直接配置してもよい。
本発明方法では、特許文献1で使用するAl粉とAl23粉との混合粉に代えてエッチドアルミニウム箔が適用されるため、Al粉とAl23粉の混合粉に起因する浮遊ごみ等の混入を低減させることが可能となる。更に、シート形状のエッチドアルミニウム箔が適用されているため、アルミニウム箔の表面に付着した埃等をエアブロー等で事前に除去でき、浮遊ごみ等の混入を更に低減させることが可能となる。このため、浮遊ごみ等に起因する上記還元むら(点状色むら)の発生を抑制することができる。
また、本発明方法では、通常利用される平滑なアルミニウム箔でなく、表面内部にスポンジ状の微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔が適用されている。平滑なアルミニウム箔は通気性が無いため、平滑なアルミニウム箔を用いた場合、アルミニウム箔が基板形状のLT結晶に貼り付いてしまい、縞状模様の還元むらを引き起こす。更に、平滑なアルミニウム箔を用いた場合、通気性が無いため、基板形状のLT結晶周辺に存在する不活性ガスの対流も起こらないことから、LT基板の中心から外周方向へ向け年輪状模様の還元むらが発生し易い。これに対し、エッチドアルミニウム箔が適用された場合、表面の微細凹凸により、基板形状のLT結晶とエッチドアルミニウム箔が完全に貼り付いてしまうことがなく、また、エッチドアルミニウム箔の上記スポンジ状微細空孔の存在により、基板形状のLT結晶とエッチドアルミニウム箔との間に中心から外周方向へ向け(すなわち、LT結晶の表面に沿って該LT結晶中心から外周方向へ向け)通気性を与えることが可能となる。これにより、基板形状のLT結晶表面における不活性ガスの対流が起こるため、アルミニウム箔の貼り付きに起因する上記縞状模様の還元むらや、年輪状模様の還元むらの発生を抑制することが可能となる。
更に、Al粉とAl23粉の混合粉を用いる特許文献1の方法では、該混合粉を容器内で均す際に平坦化むらが起き易いため処理後のLT基板に年輪状の色むらが発生してしまう問題、また、還元処理された元材(LT結晶から成るスライスウェハ)を用いた特許文献2の方法では、該元材(LT結晶から成るスライスウェハ)とLT結晶素材(黒化処理の対象)の接触度合の不均一により縞状あるいは年輪状の色むらが発生してしまう問題、更に、還元剤(多分極LT)を用いた特許文献3の方法では、上記色むらの発生を抑えるため塩化ナトリウムや塩化カリウム(金属のハロゲン化物)が含まれる溶液にLT結晶素材(黒化処理の対象)を浸漬する煩雑な工程を必要とする問題が存在した。
しかし、表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔を使用する本発明方法においては、基板形状のLT結晶とエッチドアルミニウム箔が均一に接触し、エッチドアルミニウム箔の微細空孔による通気性によりLT結晶周辺に存在する不活性ガスの上記LT結晶中心部と外周部における酸素分圧が均一化されるため、特許文献3の煩雑な工程を必要とせず、年輪状の色むら発生率を大きく低減させることが可能となる。
以下、本発明方法について更に詳細に説明する。
チョクラルスキー法で育成されたLT結晶を用いてLT基板を製造する本発明方法は、
基板形状のLT結晶と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔とを交互に積層させて積層構造体を構成し、該積層構造体が収容された容器を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、LT結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理して上記LT基板を製造することを特徴とするものである。
(1)エッチドアルミニウム箔
エッチドアルミニウム箔は、アルミニウム箔のエッチング処理により表面内部にスポンジ状の微細空孔を有しており、本発明方法では市販品を用いることができる。
ところで、基板形状のLT結晶に対すエッチドアルミニウム箔の「還元能力」は、エッチドアルミニウム箔における上記微細空孔の半径が重要な因子となる。LT結晶から酸素が抜けて酸素空孔を生じることでLT結晶は還元されるわけであるが、LT結晶から抜けた酸素は、LT結晶とエッチドアルミニウム箔との間に滞留する不活性ガスを介して、アルミニウム箔と反応し、Al23となる。
ここで、上記微細空孔の直径が小さ過ぎる場合、微細空孔内における酸素の拡散が悪くなるため「還元能力」が低下する。
この現象を簡略化するため、流量(Q)・管径(d)・流速(V)の下記関係式を元に説明する。 Q=(d/2)2×π×V×(3600×10-6
尚、流量(Q)の単位はm3/h、管径(d)はmm、流速(V)はm/sである。
ここで、基板形状のLT結晶とエッチドアルミニウム箔が交互に積層された積層構造体を前提にして上記流量(Q)・管径(d)・流速(V)を以下のように読み替える。
流量(Q)はアルミニウム箔に拡散する酸素のmol数、
管径(d/2)はエッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径r
流速(V)はLT結晶から抜けた酸素の移動速度
LT結晶から抜けた酸素の移動速度Vは、エッチドアルミニウム箔表面におけるアルミニウム箔の酸化反応により与えられる酸素分圧と、LT結晶表面におけるLT結晶の還元反応により与えられる酸素分圧の差により与えられるため、一定の値となる。
従って、アルミニウム箔に拡散する酸素のmol数(Q)は、エッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径rの二乗に比例すると考えられる。
他方、エッチドアルミニウム箔の表面積が小さ過ぎる場合、酸素と結合するアルミニウム原子の量が少なくなるため上記「還元能力」が低下する。
エッチドアルミニウム箔の表面積は、上記微細空孔の大きさにより決まっており、微細空孔の密度によりバラつきもあるが、微細空孔の直径が小さいほど表面積は大きくなる傾向にある。
以上から、エッチドアルミニウム箔の「還元能力」は、「微細空孔の半径rの二乗」と「単位面積当たりの比表面積S」の積によって簡略的に表すことができる。
すなわち、 エッチドアルミニウム箔の還元能力=r2×S (1)
[但し、数式(1)中、rはエッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径、Sはエッチドアルミニウム箔における単位面積当たりの比表面積とする]
そして、エッチドアルミニウム箔の還元能力を大きくすることで、還元処理後のLT結晶(すなわち、LT基板)の体積抵抗率を小さくすることができる。
エッチドアルミニウム箔の還元能力は、数式(1)より、「微細空孔の半径rの二乗」と「単位面積当たりの比表面積S」の積によって簡略的に表すことができるため、エッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径rが大きい方が有利であり、エッチドアルミニウム箔の還元能力は10〜120が好ましい。このとき、エッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径rは0.1μm以上、1μm以下であり、好ましくは、0.4μm以上、0.9μm以下である。また、エッチドアルミニウム箔における単位面積当たりの比表面積は、100以上1200以下が好ましい。エッチドアルミニウム箔の微細空孔と単位面積当たりの比表面積を上記範囲内に設定することで、LT基板の体積抵抗率を所定の範囲内に設定することが可能となる。
各エッチドアルミニウム箔の形状は交互に積層するLT結晶の形状と略同一形状とし、かつ、エッチドアルミニウム箔の大きさはLT結晶の大きさと同等若しくは大きくし、LT結晶の外周端側から外方へ食み出るエッチドアルミニウム箔の外周側が0mm〜2mm大きく設定する。LT結晶より小さいとLT結晶の外周部が還元されない可能性があるからである。また、LT結晶の外周端側から外方へ食み出るエッチドアルミニウム箔の外周側が2mmを超えた大きさに設定した場合、LT結晶の外周部が過度に還元されて外周部色むらが発生することがある。
また、エッチドアルミニウム箔の厚さに関しては特に限定されないが、表面をエッチングして表面内部にスポンジ状の微細空孔を有する必要があるため、エッチドアルミニウム箔の厚さは0.05mm以上、好ましくは0.05mm以上2.0mm以下である。
(2)熱処理条件
図1に示すように、基板形状のLT結晶2と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔1とを交互に積層させて積層構造体10を構成し、該積層構造体10をステンレス容器3に収容し、かつ、該ステンレス容器3をアルミニウムで構成された大型容器4に収容した後、この大型容器4を加熱炉(図示せず)内に配置し、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度(約600℃)未満の温度で熱処理してLT基板を製造する。また、上述したようにアルミニウム製の大型容器4を省略してステンレス容器3を加熱炉内に直接配置してもよい。
上記不活性ガスについては、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)や窒素ガス等を適用できる。また、上記加熱炉内の雰囲気は、給気口と排気口を有し、不活性ガスが加熱炉内に連続的に給排されて加熱炉内の圧力が大気圧雰囲気に設定され、あるいは、上記加熱炉が密閉され、加熱炉内に封入された不活性ガスにより加熱炉内の圧力が大気圧雰囲気に設定されている条件が例示される。
そして、前者(すなわち、不活性ガスが連続的に給排される加熱炉)の場合、加熱炉内に連続的に給排される不活性ガスの流量については、不活性ガスがアルゴンガスである場合、0.5〜5L/minであることが好ましい。尚、不活性ガスが連続的に給排される上記加熱炉が適用された場合、加熱炉内を減圧あるいは真空に設定することが無く、密閉容器や減圧処理装置を要しないため設備コストの削減が図れる。
本発明方法により、LT基板の体積抵抗率を1×108〜1×1010(Ω・cm)程度に設定することができる。尚、LT基板の体積抵抗率は、エッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径、エッチドアルミニウム箔における単位面積当たりの比表面積等により適宜調整することができる。
また、本発明方法では、Al粉とAl23粉の混合粉に起因する浮遊ごみ等の混入を低減でき、かつ、アルミニウム箔表面に付着した埃等もエアブロー等で事前に除去できるため、浮遊ごみ等の混入を著しく低減させることが可能となる。このため、浮遊ごみ等に起因した水蒸気とアルミニウムの発熱反応がLT結晶近傍で起きることを防止でき、還元むら(点状色むら)の発生を抑制することが可能となる。
更に、本発明方法では、特許文献1におけるAl粉とAl23粉との混合粉中に基板形状のLT結晶を埋め込む煩雑な作業を行う必要もないため、LT基板の生産性を著しく向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施例について比較例も挙げて具体的に説明するが、本発明の技術範囲は下記実施例によって何ら限定されるものではない。
[加熱炉の構成]
実施例1〜4と比較例1〜2で用いられる加熱炉には給気口と排気口が設けられ、一般的に市販されているアルゴンガス(酸素分圧は1×10-6atm程度)が給気口を介し加熱炉内に連続的に供給されると共に、排気口を介してアルゴンガス(不活性ガス)が加熱炉外へ連続的に排気されて、加熱炉内は大気圧雰囲気下に調整されている。尚、加熱炉内に給排されるアルゴンガスの流量は2L/minに設定されている。
[LT結晶の育成とインゴットの加工等]
コングルエント組成の原料を用い、チョクラルスキー法により、直径4インチであるLT単結晶の育成を行った。育成雰囲気は、酸素濃度約3%の窒素−酸素混合ガスである。得られたLT結晶のインゴットは透明な淡黄色であった。
LT結晶のインゴットに対し、熱歪み除去のための熱処理と単一分極とするためのポーリング処理を行った後、外周研削、スライス、および研磨を行って42゜RY(Rotated Y axis)の基板形状に加工されたLT結晶とした。
得られた42゜RYのLT結晶は、無色透明で、体積抵抗率は1×1015Ω・cm、キュリー温度は603℃であった。
[エッチドアルミニウム箔における各物性の測定]
エッチドアルミニウム箔の厚みについては、エッチング処理前の基材となるアルミニウム箔の厚みをマイクロメーターにより測定した。
エッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径は、エッチドアルミニウム箔を裁断し、端面加工でエッチドアルミニウム箔の断面を露出させてSEM観察により行った。
エッチドアルミニウム箔の比表面積は、窒素ガスの吸着によるBET流動法により測定した。更に、基板形状のLT結晶と近接するアルミニウム箔の面積が重要と考えられるため、アルミニウム箔の単位面積(cm2)当たりの比表面積(cm2)に換算して表記する(表1参照)。
[実施例1]
基板形状に加工されたLT結晶2と、エッチングにより表面に微細凹凸および表面内部に微細空孔が形成されたエッチドアルミニウム箔1を交互に積層させて積層構造体10とした。尚、エッチドアルミニウム箔は、直径が100mmの円板状に裁断されており、アルミニウム箔の厚さは120μm、エッチングはアルミニウム箔両面に施されており、エッチング層の深さは40μmであった。また、エッチドアルミニウム箔の単位面積当たりの比表面積(S)は1073cm2/cm2、エッチングにより表面内部に形成された微細空孔の半径(r)は0.15μm、これ等データを上記数式(1)に代入して求めたエッチドアルミニウム箔の「還元能力」は24.1であった。
次に、LT結晶2とエッチドアルミニウム箔1との積層構造体10をステンレス製容器3に収容し、かつ、該ステンレス製容器3を図示外の加熱炉内に配置した後、吸気口を介し市販されているアルゴンガスを加熱炉内に供給した。
そして、2L/minの流量で上記アルゴンガスを大気圧雰囲気下の加熱炉内に連続的に吸排し、580℃、20時間の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
熱処理を行った合計200枚のLT結晶について、処理後のLT基板の体積抵抗率を測定し、かつ、目視検査により縞状・年輪模様状の色むら(還元むら)と点状色むら(還元むら)の各発生率を調査した。尚、体積抵抗率は、JIS K−6911に準拠した3端子法により測定している。
熱処理(還元処理、黒化処理)後におけるLT基板の体積抵抗率は1.0×1010Ω・cm程度で(200枚の基板の平均値)、かつ、LT基板表面における縞状・年輪模様状色むら(還元むら)発生率は0.0%、点状色むら(還元むら)発生率は0.5%であった。これ等結果を表1に示す。
[実施例2]
上記エッチドアルミニウム箔について、エッチング条件を変え、エッチング層の深さが40μm、単位面積当たりの比表面積(S)が1140cm2/cm2、微細空孔の半径(r)が0.16μm、上記数式(1)に代入して求めたエッチドアルミニウム箔の還元能力が29.2のものに変更した以外は、実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
熱処理(還元処理、黒化処理)後におけるLT基板の体積抵抗率は5.0×109Ω・cm程度であり、かつ、LT基板表面における縞状・年輪模様状色むら(還元むら)発生率は0.0%、点状色むら(還元むら)発生率は0.0%であった。
これ等結果を表1に示す。
[実施例3、4]
上記エッチドアルミニウム箔について、エッチング条件を変え、エッチング層の深さが40μm、単位面積当たりの比表面積(S)、微細空孔の半径(r)、上記数式(1)に代入して求めたエッチドアルミニウム箔の還元能力が表1に記載されたものに変更した以外は、実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。
熱処理(還元処理、黒化処理)後における実施例3、4に係るLT基板の各体積抵抗率は2×108Ω・cm、1×108Ω・cmであり、かつ、LT基板表面における縞状・年輪模様状色むら(還元むら)の各発生率は0.0%、点状色むら(還元むら)の発生率は0.5%(実施例3)、0.0%(実施例4)であった。これ等結果を表1に示す。
[比較例1]
上記エッチドアルミニウム箔について、市販されている表面が平滑なアルミニウム箔に変えた以外は、実施例1と同様の条件によりLT結晶の熱処理(還元処理、黒化処理)を行った。尚、平滑なアルミニウム箔の厚さは15μm、単位面積当たりの比表面積(S)は1.0cm2/cm2であった。
熱処理(還元処理、黒化処理)後におけるLT基板の体積抵抗率は8.0×108Ω・cmであったが、LT基板表面における縞状・年輪模様状色むら(還元むら)の発生率は100.0%、点状色むら(還元むら)の発生率は0.5%であった。
これ等結果を表1に示す。
[比較例2]
Al粉とAl23粉との混合粉中にLT結晶を埋め込んで熱処理する特許文献1に係る方法にて還元処理を行った。尚、Al粉の混合比は20%とし、熱処理中、2L/minの流量でアルゴンガスを大気圧雰囲気下の加熱炉内に連続的に給排した。
熱処理(還元処理、黒化処理)後、実施例1と同一の方法により体積抵抗率の測定と、LT基板表面における縞状・年輪模様状色むら(還元むら)と点状色むら(還元むら)の各発生率を調査した。
熱処理(還元処理、黒化処理)後におけるLT基板の体積抵抗率は7.0×108Ω・cm、縞状・年輪模様状色むら(還元むら)の発生率は0.0%と良好であったが、点状色むら(還元むら)の発生率は15.0%で、実施例1〜4および比較例1より高かった。結果を表2に示す。
Figure 2020026356
Figure 2020026356
[確 認]
(1)実施例1〜4と比較例1の比較を行った。
すなわち、アルミニウム箔に対するエッチングの有無(表面微細凹凸の有無)による効果の違いを比較した。
実施例1〜4ではいずれも「縞状・年輪模様状色むら」は発生しなかったが、比較例1ではすべて「縞状・年輪模様状色むら」が発生した。
熱処理(還元処理、黒化処理)後に取り出したLT基板を観察すると、比較例1では表面平滑なアルミニウム箔がLT基板に縞状に貼り付いていたが、実施例1〜4ではこのような様子は観察されず、エッチドアルミニウム箔の表面内部に有する「微細空孔」による通気性が効果的であることが確認される。
(2)実施例1〜4の比較を行った。
(2-1)まず、エッチドアルミニウム箔の「単位面積当たりの比表面積S」とLT基板の「体積抵抗率」との関係は、表1における「単位面積当たりの比表面積S」と「体積抵抗率」欄のデータから、一見、「正の相関」があるように見える。
しかし、エッチドアルミニウム箔の比表面積が大きいほど酸素と反応するアルミニウム原子数が増加するため、エッチドアルミニウム箔の比表面積が大きいほど、本来、LT結晶は還元され易く、LT結晶の体積抵抗率は小さくなるはずである。すなわち、エッチドアルミニウム箔の「単位面積当たりの比表面積S」とLT基板の「体積抵抗率」との関係は「負の相関」となるはずである。
このことから、エッチドアルミニウム箔の「単位面積当たりの比表面積S」とLT基板の「体積抵抗率」間には相関が無いことが確認される。
(2-2)他方、エッチドアルミニウム箔の「還元能力」とLT基板の「体積抵抗率」との関係は、表1における「還元能力」と「体積抵抗率」欄のデータから、きれいな「負の相関」関係があり、エッチドアルミニウム箔の「還元能力」が高いほど、LT結晶は還元され易いことから、LT基板の「体積抵抗率」が小さいことが確認される。
(2-3)また、「縞状の色むら」を除く「年輪模様状色むら」の発生率は、表1に記載されていないが、通気性が高いほど、すなわち、エッチドアルミニウム箔の「微細空孔の半径」が大きいほど、改善する傾向が確認されている。
(3)本発明方法を適用した実施例1〜4と、Al粉とAl23粉との混合粉中にLT結晶を埋め込んで熱処理する特許文献1の方法を適用した比較例2の比較から、本発明方法は、特許文献1の方法と同等までLT基板の体積抵抗率を低下させることができ、かつ、特許文献1で問題とされた点状むら(色むら)の発生を防止できることも確認された。
本発明方法によれば、点状むら(還元むら)に加えて縞状・年輪模様状色むら(還元むら)の発生も抑制され、かつ、電気的特性に優れたタンタル酸リチウム基板を製造できるため、表面弾性波素子(SAWフィルター)用の基板材料に用いられる産業上の利用可能性を有している。
1 エッチドアルミニウム箔
2 基板形状のLT結晶
3 ステンレス容器
4 大型容器
10 積層構造体

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法で育成されたタンタル酸リチウム結晶を用いてタンタル酸リチウム基板を製造する方法において、
    基板の状態に加工されたタンタル酸リチウム結晶と表面内部に微細空孔を有するエッチドアルミニウム箔とを交互に積層させて積層構造体を構成し、かつ、該積層構造体が収容された容器を加熱炉内に配置した後、不活性ガス雰囲気下、350℃以上、タンタル酸リチウム結晶のキュリー温度未満の温度で熱処理してタンタル酸リチウム基板を製造することを特徴とするタンタル酸リチウム基板の製造方法。
  2. 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が給気口と排気口を有すると共に、加熱炉内に連続的に給排されるアルゴンガスの流量が0.5〜5.0L/minであることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
  3. 上記不活性ガスがアルゴンガスで構成され、上記加熱炉が密閉されていると共に、該加熱炉内のアルゴンガスにより炉内圧力が大気圧雰囲気となっていることを特徴とする請求項1に記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
  4. 表面内部に微細空孔を有する上記エッチドアルミニウム箔の還元能力が下記数式(1)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタンタル酸リチウム基板の製造方法。
    エッチドアルミニウム箔の還元能力=r2×S (1)
    [但し、数式(1)中、rはエッチドアルミニウム箔における微細空孔の半径、Sはエッチドアルミニウム箔における単位面積当たりの比表面積とする]
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