JP7021580B2 - 樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents
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Description
(1)少なくとも芳香族ポリエステル単位、ならびに脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位を含む熱可塑性エラストマー(A)、およびポリエステルを含むグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)を配合してなる樹脂組成物であって、前記熱可塑性エラストマー(A)と、前記ポリロタキサン(B)の合計100重量部に対して、前記熱可塑性エラストマー(A)を70重量部以上99.9重量部以下、前記ポリロタキサン(B)を0.1重量部以上30重量部以下配合してなる樹脂組成物。
(2)前記ポリエステルを含むグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)におけるポリエステルが、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基およびアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を末端に有することを特徴とする(1)に記載の樹脂組成物
(3)23℃での動的粘弾性測定において、周波数50Hzにおけるtanδが0.5以上であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の樹脂組成物。
(4)23℃での動的粘弾性測定において、周波数50Hzにおける貯蔵弾性率が500MPa以下であることを特徴とする、(1)~(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)(1)~(4)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
以下、二軸押出機を用いて本発明の樹脂組成物を製造する場合を例に説明する。ポリロタキサン(B)の熱劣化を抑制し、靱性をより向上させる観点から、製造時の最高樹脂温度は、300℃以下が好ましい。一方、最高樹脂温度は、芳香族ポリエステルを構造単位に含む熱可塑性エラストマー(A)の融点以上が好ましい。ここで、最高樹脂温度とは、押出機の複数ヶ所に均等に設置された樹脂温度計により測定した中で最も高い温度を指す。
(A-1):ハイトレル(登録商標)4047N(東レ・デュポン社製、融点182℃、ガラス転移温度-42℃、重量平均分子量4.7万)
芳香族ポリエステルおよび脂肪族ポリエーテルを構造単位に含む熱可塑性エラストマーである。ここで、融点は、示差走査熱量計を用いて、不活性ガス雰囲気下、ハイトレル(登録商標)を溶融状態から20℃/分の降温速度で10℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で融点+40℃まで昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度とした。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークの温度を融点とした。
(B-1):ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアル(株)製“セルム”(登録商標)スーパーポリマーSH2400P)の。直鎖分子であるポリエチレングリコールの数平均分子量は2万、全体の重量平均分子量は40万である。
50gの“セルム”(登録商標)スーパーポリマーSH2400P(B-1)を500mlのトルエン溶液に溶解し、無水コハク酸を0.35g加え、窒素フロー下90℃で6時間加熱した。エバポレーターでポリマー濃度が50%程度になるまで濃縮した後、ポリマー溶液を大過剰のメタノール溶液に加え、沈殿物を回収した。得られた沈殿物を真空乾燥機中で80℃、8時間乾燥させて、ポリマーを得た。得られたポリマーをベンジルアルコールに溶解し、濃度既知の水酸化カリウム溶液により滴定したところ、グラフト鎖末端のカルボキシル基濃度は5.05×10-5mol/gであることがわかった。
無水コハク酸添加量を1.4gとした以外は参考例1と同様の操作を行い、グラフト鎖の末端をカルボン酸変性したポリロタキサンを調製した。得られたポリマーをベンジルアルコールに溶解し、濃度既知の水酸化カリウム溶液により滴定したところ、グラフト鎖末端のカルボキシル基濃度は1.4×10-4mol/gであることがわかった。
無水コハク酸添加量を2.8gとした以外は参考例1と同様の操作を行いグラフト鎖の末端をカルボン酸変性したポリロタキサンを調製した。得られたポリマーをベンジルアルコールに溶解し、濃度既知の水酸化カリウム溶液により滴定したところ、グラフト鎖末端のカルボキシル基濃度は2.7×10-4mol/gであることがわかった。
各実施例および比較例における評価方法を説明する。
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形機(Haake製“ミニジェット”)を用いて、シリンダー温度:220℃、金型温度:50℃の条件で射出成形することにより、厚さ2mmのISO527-2-5Aダンベルを作製した。本ダンベル試験片について、動的粘弾性測定装置(アントンパール社製MCR501)にて、測定治具として“SRF12-SN18708”を用い、温度23℃、偏向角21.5mrad、周波数1~100Hzの範囲において、振動測定を行った。測定で得られた貯蔵弾性率と損失弾性率の比(損失弾性率/貯蔵弾性率)からtanδを算出した。
各実施例および比較例により得られたペレットを80℃で12時間真空乾燥に処し、射出成形機(Haake製“ミニジェット”)を用いて、シリンダー温度:220℃、金型温度:50℃の条件で射出成形することにより、厚さ2.0mmのISO527-2-5Aダンベルを作製した。このダンベル試験片について、ISO-527に準拠して引張試験機オートグラフAG20kNX(島津製作所製)により、クロスヘッド速度100mm/分で引張試験を行い、引張破断伸度を測定した。
ハイトレル(登録商標)と参考例1~3にて化学修飾を施したポリロタキサン、セルムスーパーポリマーSH2400P(B-1)を、表1、2に示す組成となるように配合して、必要に応じてプリブレンドし、シリンダー温度:190℃、スクリュー回転数:200rpmに設定した小型二軸混練機(Haake製“ミニラボ”)へ供給し、5分間溶融混練した。押出されたガットをペレタイズした。得られたペレットを用いて前記方法により評価した結果を表1、2に示す。なお、比較例2は、ペレットを得ることができたものの、粘度が低すぎるため射出成形をすることができず、動的粘弾性測定および引張破断伸度測定のための試験片成形が不可であった。
Claims (5)
- 少なくとも芳香族ポリエステル単位、ならびに脂肪族ポリエーテル単位および/または脂肪族ポリエステル単位を含む熱可塑性エラストマー(A)、およびポリエステルを含むグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)を配合してなる樹脂組成物であって、前記熱可塑性エラストマー(A)と、前記ポリロタキサン(B)の合計100重量部に対して、前記熱可塑性エラストマー(A)を70重量部以上99.9重量部以下、前記ポリロタキサン(B)を0.1重量部以上30重量部以下配合してなる樹脂組成物。
- 前記ポリエステルを含むグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)におけるポリエステルが、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基およびアミノ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を末端に有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
- 23℃での動的粘弾性測定において、周波数50Hzにおけるtanδが0.5以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 23℃での動的粘弾性測定において、周波数50Hzにおける貯蔵弾性率が500MPa以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
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