JPH06210759A - 蛇腹形状部品 - Google Patents

蛇腹形状部品

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JPH06210759A
JPH06210759A JP5026137A JP2613793A JPH06210759A JP H06210759 A JPH06210759 A JP H06210759A JP 5026137 A JP5026137 A JP 5026137A JP 2613793 A JP2613793 A JP 2613793A JP H06210759 A JPH06210759 A JP H06210759A
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JP
Japan
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acid
meth
elastomer
bellows
composition
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Application number
JP5026137A
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English (en)
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Kokichi Aonuma
光吉 青沼
Masaaki Sasamoto
公明 笹本
Kozo Ikegami
公造 池上
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)熱可塑性コポリエステルエラストマー
または熱可塑性コポリアミドエラストマー30〜90重
量%および(B)エポキシ基および/またはカルボキシ
ル基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム70〜10
重量%からなる熱可塑性エラストマー組成物を使用して
得られる蛇腹形状部品。 【効果】 本発明の蛇腹形状部品は、柔軟で優れた耐熱
性、耐熱老化性、耐油性、耐薬品性、耐オゾン性、耐圧
性、耐寒性等を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性コポリエステ
ルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラストマ
ーと(メタ)アクリレート共重合体ゴムとをベースとす
る組成物から製造される蛇腹形状部品に関する。本発明
の蛇腹形状部品は柔軟で優れた耐熱性、耐熱老化性、耐
油性、耐薬品性、耐オゾン性、耐圧性、耐寒性等を保有
している。
【0002】
【従来の技術】コポリエステルエラストマーは主として
ポリエステルとポリエーテルを繰り返し単位として成る
多重ブロック共重合体であり、また、コポリアミドエラ
ストマーは主としてポリアミドとポリエーテルを繰り返
し単位として成る多重ブロック共重合体であり、これら
はいずれも適度な柔軟性を有したエラストマーである。
コポリエステルエラストマーおよびコポリアミドエラス
トマーは、この適度な柔軟性を活かして各種の蛇腹形状
部品に使用されている。
【0003】しかしながら、これらのコポリエステルエ
ラストマーおよびコポリアミドエラストマーは、ゴム状
領域で利用するためにはエラストマーとしては硬度が高
く、それらを用いて得られる蛇腹形状部品は柔軟性に劣
る。これを改良するためには、これらコポリエラストマ
ー中の軟質セグメントの含有量を多くすることが一般に
おこなわれている。ところが、これらのコポリエラスト
マー中の軟質セグメントの含有量を多くすると融点が低
下するとともに、高温下での弾性率の低下が大きくな
り、高温可使用温度域が低くなるという欠点がある。柔
軟化する他の方法として可塑剤等の軟化剤を添加する方
法が知られている。しかしながら、この方法では、初期
に柔軟であった蛇腹形状部品も使用中にこの軟化剤が抽
出または揮散され、再び硬化するという欠点がある。
【0004】それ故、蛇腹形状部品分野では、柔軟でゴ
ム状弾性の必要な用途には所謂ゴムの蛇腹形状部品が使
用されており、樹脂状の特性が許容される限られた用途
にのみコポリエステルエラストマーおよびコポリアミド
エラストマーの蛇腹形状部品が使用されている現状にあ
る。
【0005】また、自動車、各種産業車両、各種工・鉱
業機械等の分野においては、油、薬品、ガス等の流体の
使用環境が厳しくなってきており、使用する蛇腹形状部
品への柔軟性、耐キンク性、耐熱性、耐熱老化性、耐油
性、耐薬品性、耐ガス透過性、耐水性等の性能の向上が
必要になってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、コポ
リエステルエラストマーまたはコポリアミドエラストマ
ーからなる蛇腹形状部品のかかる問題点を解決するとと
もに、更に広く樹脂系の蛇腹形状部品が抱える産業上の
要請に応えるために、柔軟で優れた耐熱性、耐熱老化
性、耐油性、耐薬品性、耐オゾン性、耐圧性、耐寒性等
を有するチューブおよびホースを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
(A)熱可塑性コポリエステルエラストマーまたは熱可
塑性コポリアミドエラストマー30〜70重量%および
(B)エポキシ基および/またはカルボキシル基含有
(メタ)アクリレート共重合体ゴム70〜10重量%か
らなる熱可塑性エラストマー組成物を使用して得られる
蛇腹形状部品によって達成される。
【0008】特に、次の要件の少なくとも一つが充足さ
れるとき、上記の目的は、より顕著に達成される。 (イ)熱可塑性エラストマー組成物がエラストマー成分
(A)とゴム成分(B)を溶融下に混合してなる組成物
である。 (ロ)ゴム成分(B)がエポキシ基含有(メタ)アクリ
レート共重合体ゴムであって、該ゴム成分(B)が分子
中に少なくとも2個のカルボキシル基および/または分
子中に少なくとも1個のカルボン酸無水物基を有する化
合物により架橋されて分散されている。
【0009】(ハ)ゴム成分(B)がエポキシ基含有
(メタ)アクリレート共重合体ゴムであって、該ゴム成
分(B)が分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を
有する化合物および/またはイソシアヌール酸化合物と
イミダゾール化合物とにより、特に分子中に少なくとも
2個のカルボキシル基を有する化合物および/またはイ
ソシアヌール酸化合物とイミダゾール化合物との複合塩
により架橋されて分散されている。 (ニ)上記(ロ),(ハ)において、架橋剤である分子
中に少なくとも2個のカルボキシル基および/または分
子中に少なくとも1個のカルボン酸無水物基を有する化
合物が脂肪族、脂環式および芳香族のポリカルボン酸、
その(部分)カルボン酸無水物、ならびにこれらの化合
物と(ポリ)アルキレングリコールとの(部分)エステ
ル化物の中から選ばれる。
【0010】(ホ)ゴム成分(B)が(B1)エポキシ
基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムと(B2)カ
ルボキシル基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムと
からなり、(B1)成分とが(B2)成分が相互に架橋
されて分散されている。特に、(B1)成分と(B2)
成分とが熱可塑性コポリエステルエラストマーまたは熱
可塑性コポリアミドエラストマーとともに溶融混合され
て、相互に架橋されている。 (ヘ)ゴム成分(B)が分子中にエポキシ基とカルボキ
シル基の二種の官能基を有する(メタ)アクリレート共
重合体ゴムであって、(B)成分中のエポキシ基とカル
ボキシル基が相互に架橋されている。特に、ゴム成分
(B)が熱可塑性エラストマー組成物とともに溶融混合
されて、架橋し分散されている。
【0011】(ト)熱可塑性コポリエステルエラストマ
ーがコポリエーテルエステルエラストマー、(ポリ)ラ
クトン変性コポリエーテルエステルエラストマーおよび
コポリエーテルイミドエステルエラストマーの中から選
ばれた少なくとも一種である。 (チ)熱可塑性コポリアミドエラストマーがコポリエー
テルエステルアミドエラストマーおよびコポリエステル
アミドエラストマーの中から選ばれた少なくとも一種で
ある。
【0012】(リ)エポキシ基含有(メタ)アクリレー
ト共重合体ゴムが、エポキシ基として、グリシジル(メ
タ)アクリレートおよびアリルグリシジルエーテルの中
から選ばれた少なくとも一種のエポキシ基含有単量体か
ら導かれる単位を含有している。 (ヌ)カルボキシル基含有(メタ)アクリレート共重合
体ゴムが、(メタ)アクリル酸から導かれる単位をカル
ボキシル基として含有している。 (ル)蛇腹形状部品がガス状および/または液状の流体
に接触しながら使用される。
【0013】(オ)蛇腹形状部品がダストカバーおよび
ブーツである。特に、ブーツが等速ジョイントブーツ、
ラックおよびピニオンステアリングブーツ、およびピン
ブーツである。 (ワ)蛇腹形状部品がエアーインテークホースおよびエ
アーダクトホースである。特に、エアーインテークホー
スおよびエアーダクトホースが、蛇腹形状部を曲げ弾性
率10〜100MPaの本発明の組成物で構成し、それ
以外の中間管状部を曲げ弾性率60〜300MPaの組
成物で構成した一体成形物である。
【0014】本発明の蛇腹形状部品に使用する熱可塑性
エラストマー組成物は、熱可塑性コポリエステルエラス
トマーまたは熱可塑性コポリアミドエラストマー30〜
90重量%、好ましくは40〜80重量%およびエポキ
シ基および/またはカルボキシル基含有(メタ)アクリ
レート共重合体ゴム70〜10重量%、好ましくは60
〜20重量%とからなり、好ましくは、この(メタ)ア
クリレート共重合体ゴムは架橋されて熱可塑性エラスト
マー中に分散していることを特徴としている。
【0015】より具体的に言えば、好ましくは、(メ
タ)アクリレート共重合体ゴムがエポキシ基含有ゴムで
あって、(1)分子中に少なくとも2個のカルボキシル
基および/または分子中に少なくとも1個のカルボン酸
無水物基を有する化合物、または(2)分子中に少なく
とも2個のカルボキシル基を有する化合物および/また
はイソシアヌール酸化合物とイミダゾール化合物によっ
て架橋されて分散しているか、または、(メタ)アクリ
レート共重合体ゴムが相互に架橋反応性を有したエポキ
シ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムとカルボキ
シル基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムとからな
り、両者が相互に架橋されて分散しているか、または、
(メタ)アクリレート共重合体ゴムがエポキシ基とカル
ボキシル基の両官能基を含有し、その両官能基が相互に
架橋されて、ゴムが分散している。
【0016】熱可塑性コポリエステルエラストマーまた
は熱可塑性コポリアミドエラストマーと(メタ)アクリ
レート共重合体ゴムとの割合が、上記を外れて、前者が
過少になると組成物の加工性が低下し、逆に、前者が過
多になるとゴム弾性付与効果が得られない。
【0017】本発明で使用する熱可塑性コポリエステル
エラストマーは、ポリエステルとポリエーテルの繰り返
し単位、ポリエステル、(ポリ)ラクトンとポリエーテ
ルの繰り返し単位またはポリエステルとポリイミドエー
テルの繰り返し単位からなるランダムおよびマルチブロ
ックコポリエステルであり、コポリエーテルエステルエ
ラストマー、(ポリ)ラクトン変性コポリエーテルエス
テルエラストマーおよびコポリエーテルイミドエステル
エラストマーが包含される。
【0018】適切な熱可塑性コポリエーテルエステルエ
ラストマーおよび(ポリ)ラクトン変性コポリエーテル
エステルエラストマーは、従来から採用されているエス
テル化/重縮合法により、(i)少くとも一種のジオー
ル、(ii)少くとも一種のジカルボン酸、(iii)少くと
も一種の長鎖エーテルグリコールおよび、必要に応じ
て、(iv)少くとも一種のラクトンまたはポリラクトン
から製造される。
【0019】コポリエーテルエステルエラストマーおよ
びその(ポリ)ラクトン変性物の製造に使用されるジオ
ール(i)は、飽和および不飽和の脂肪族および脂環式
ジヒドロキシ化合物ならびに芳香族ジヒドロキシ化合物
を包含する。これらのジオールは、好ましくは低分子
量、すなわち約300以下の分子量を有する。脂肪族お
よび脂環式ジオールの具体例としては、エチレングリコ
ール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、2−メチルプロパンジオール、2,2−ジメチ
ルプロパンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオー
ル、2−オクチルウンデカンジオール、1,2−、1,
3−および1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,
2−、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ブチンジオール、ヘキセンジオールなどの2ない
し15個の炭素原子をもつジオールが挙げられる。
【0020】特に好ましいジオールは1,4−ブタンジ
オール、および1,4−ブタンジオールとヘキサンジオ
ールまたはブチンジオールとの混合物である。芳香族ジ
オールの具体例としては、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、4,4′−ジ
ヒドロキシジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)メタンおよび2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンなどの6〜19個の炭素原子をもつジオー
ルが挙げられる。
【0021】特に好適なジオールは、2ないし8個の炭
素原子を有する飽和脂肪族ジオールおよびそのような飽
和脂肪族ジオールの混合物、ならびにそのような飽和脂
肪族ジオールと不飽和ジオールとの混合物である。二種
以上のジオールを使用する場合、ジオール全量を基準と
して少なくとも約60モル%、特に少なくとも80モル
%を同一のジオールが占めることが好ましい。最も好適
なジオール混合物は1,4−ブタンジオールが過半量を
占めるものである。
【0022】前記コポリエーテルエステルエラストマー
およびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いるのに
好適なジカルボン酸(ii)は脂肪族、脂環式および/ま
たは芳香族ジカルボン酸を包含する。これらのジカルボ
ン酸は低分子量のもの、すなわち、約350以下の分子
量を有するものが好ましいが、より高分子量のもの、と
りわけダイマー酸も使用することができる。
【0023】脂肪族および脂環式ジカルボン酸の代表例
としては、セバシン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、グルタル
酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、ジエチルマロ
ン酸、アリルマロン酸、4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸、2−エチルスベリン酸、テトラメチルコ
ハク酸、シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−
1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビシクロ
ヘキシルジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4−メチレンビス(シクロヘキサ
ンカルボン酸)、3,4−フランジカルボン酸、および
1,1−シクロブタンジカルボン酸、ならびにこれらの
ダイマー酸が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキ
サンジカルボン酸、セバシン酸、グルタル酸およびアジ
ピン酸が好ましい。
【0024】芳香族ジカルボン酸の代表例としては、テ
レフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ビー安息香酸、
例えばビス(p−カルボキシフェニル)メタン、オキシ
ビス(安息香酸)、エチレン−1,2−ビス(p−オキ
シ安息香酸)などの2個のベンゼン核を有する置換ジカ
ルボキシ化合物、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、アントラ
センジカルボン酸、4,4′−スルホニルジ安息香酸、
およびこれらのハロおよび炭素数1〜12のアルキル、
アルコキシ、およびアリール基置換誘導体を包含する。
なお、発明の目的達成が阻害されない限り、芳香族ジカ
ルボン酸に他の芳香族カルボン酸、例えば、p−(β−
ヒドロキシエトキシ)安息香酸のようなヒドロキシ酸を
併用することができる。
【0025】前記コポリエーテルエステルエラストマー
およびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いられる
ジカルボン酸の中では、芳香族ジカルボン酸および二種
以上の芳香族ジカルボン酸の混合物、ならびに芳香族ジ
カルボン酸と脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸
との混合物が好ましく、芳香族ジカルボン酸単独が特に
好ましい。芳香族ジカルボン酸の中でも、8〜16個の
炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、とりわけ、フタ
ル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のようなベンゼ
ンジカルボン酸ならびにこれらのジメチルエステルが好
適であって、テレフタル酸ジメチルが最良である。
【0026】ジカルボン酸またはそのエステルの混合物
を使用する場合、ジカルボン酸の全量に基づいて少くと
も約60モル%、特に少くとも約80モル%が同一のジ
カルボン酸であることが好ましい。とりわけ、テレフタ
ル酸ジメチルがジカルボン酸混合物の約60モル%以上
を占めるものが最良である。
【0027】熱可塑性コポリエーテルエステルエラスト
マーおよびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いる
長鎖エーテルグリコール(iii)は、好ましくは約400
〜約12,000の分子量を有するポリ(オキシアルキ
レン)グリコールおよびコポリ(オキシアルキレン)グ
リコールである。好適なポリ(オキシアルキレン)単位
は、約900〜約4,000の分子量を有し、そして側
鎖を除き約1.8〜約4.3の炭素対酸素比を有する長
鎖エーテルグリコールから誘導される。
【0028】適切なポリ(オキシアルキレン)グリコー
ルの代表例として、ポリ(エチレンエーテル)グリコー
ル、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テ
トラメチレンエーテル)グリコール、エチレンオキシド
末端キャップポリ(プロピレンエーテル)グリコールお
よび過半量がポリ(エチレンエーテル)骨格のコポリ
(プロピレンエーテル−エチレンエーテル)グリコール
を包含するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの
ランダムまたはブロック共重合体、および、テトラヒド
ロフランと、少量の、例えばエチレンオキシド、プロピ
レンオキシドまたはメチルテトラヒドロフラン等の第2
の単量体(炭素対酸素比が約4.3を超えない割合で使
用される)とのランダムまたはブロック共重合体を挙げ
ることができる。ホルムアルデヒドと、例えば1,4−
ブタンジオールおよび1,5−ペンタンジオールなどの
ジオールを反応させて製造されるポリホルマールグリコ
ールも有用である。特に好ましいポリ(オキシアルキレ
ン)グリコールはポリ(プロピレンエーテル)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールおよび
過半量がポリエチレンエーテル)骨格のコポリ(プロピ
レンエーテル−エチレンエーテル)グリコールである。
【0029】必要に応じてこれらのコポリエーテルエス
テルに一種または二種以上のラクトンまたはポリラクト
ン(iv)を配合することができる。この種のポリラクト
ン変性コポリエーテルエステルエラストマーは米国特許
第4,569,973号明細書に開示されている。
【0030】本発明で使用するのに適当なラクトン(i
v)としては、ε−カプロラクトンが特に好ましいが、
α,β,γ,δまたはε位でメチル基またはエチル基な
どの低級アルキル基で置換されている置換ラクトンを使
用することもできる。また、本発明で使用するコポリエ
ーテルエステルのブロック単位としてホモポリマーまた
はそのモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合
体およびヒドロキシ末端停止ポリラクトンを包含するポ
リラクトンを使用することができる。
【0031】一般的に、適切なコポリエーテルエステル
エラストマーおよびその(ポリ)ラクトン変性物は、該
コポリエーテルエステルまたは(ポリ)ラクトン変性物
中における(iii)長鎖エーテルグリコール成分の量また
は(iii)長鎖エーテルグリコール成分と(iv)ラクトン
成分との合計量が約5〜約80重量%のものである。よ
り好ましい組成物は(iii)長鎖エーテルグリコール成分
の量または該(iii)成分と(iv)ラクトン成分との合計
量が約10〜約50重量%のものである。
【0032】本発明において使用されるポリエーテルイ
ミドエステルエラストマーは一種または二種以上のジオ
ール、一種または二種以上のジカルボン酸および一種ま
たは二種以上の高分子量ポリオキシアルキレンジイミド
ジ酸から製造することができる。かかるポリエーテルイ
ミドエステルエラストマーの製造については米国特許第
4,556,705号明細書に記載されている。
【0033】本発明において使用されるポリエーテルイ
ミドエステルエラストマーは、ポリエステルの製造のた
めに慣用される方法、例えばエステル化および縮合反応
によってランダムまたはブロック共重合体を生成するよ
うな手法によって製造することができる。従って、ポリ
エーテルイミドエステルは一般にジオールおよび酸の反
応生成物として特徴づけることができる。
【0034】本発明において使用される好ましいポリエ
ーテルイミドエステルエラストマーは(i)一種または
二種以上の炭素数2〜15の脂肪族または脂環式ジオー
ル、(ii)一種または二種以上の脂肪族、脂環式または
芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル誘導体、お
よび(iii)一種または二種以上のポリオキシアルキレン
ジイミドジ酸から製造することができる。ポリオキシア
ルキレンジイミドジ酸の使用量は一般に得られるポリエ
ーテルイミドエステルの所望の性質によって左右され
る。一般に、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii)
対ジカルボン酸(ii)の重量比は約0.25〜約2.
0、好ましくは約0.4〜約1.4の範囲である。
【0035】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
使用するジオール(i)は飽和および不飽和の脂肪族お
よび脂環式ジヒドロキシ化合物ならびに芳香族ジヒドロ
キシ化合物を包含する。これらのジオールは低分子量、
すなわち約250またはそれ以下の分子量をもつものが
好ましい。
【0036】特に好ましいジオールは飽和脂肪族ジオー
ル、それらの混合物および一種または二種以上の飽和脂
肪族ジオールと一種または二種以上の不飽和脂肪族ジオ
ールとの混合物(ただし、各ジオールは2〜8個の炭素
原子を有する)である。二種以上のジオールを使用する
場合には、全ジオール含量に基づいて少なくとも約60
モル%、より好ましくは少なくとも80モル%が同一の
ジオールであることが好ましい。特に好ましいジオール
は1,4−ブタンジオールを主成分とするものであっ
て、最も好ましいジオールは1,4−ブタンジオール単
独である。
【0037】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
使用するジカルボン酸(ii)は脂肪族、脂環式および芳
香族ジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体の中か
ら選ばれる。好ましいジカルボン酸は約300より低い
分子量をもつもの、または、炭素数4〜18のものが好
ましい。しかしながら、より高分子量のジカルボン酸、
特にダイマー酸も使用することができる。
【0038】ポリエーテルイミドエステルの製造に用い
る脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸の中では芳
香族ジカルボン酸および二種以上の芳香族ジカルボン酸
の混合物、ならびに芳香族ジカルボン酸と脂肪族および
/または脂環式ジカルボン酸との混合物が好ましく、芳
香族ジカルボン酸単独が特に好ましい。芳香族ジカルボ
ン酸の中でも、8〜16個の炭素原子を有する芳香族ジ
カルボン酸、とりわけ、フタル酸、テレフタル酸および
イソフタル酸のようなベンゼンジカルボン酸ならびにこ
れらのジメチルエステルが好適であって、テレフタル酸
ジメチルが最良である。
【0039】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
用いるポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii )は平
均分子量が約700より大、好ましくは約900より大
である高分子量のジ酸である。これらのジ酸は2個の隣
接するカルボキシル基または酸無水物基、さらに別のカ
ルボキシル基(この別のカルボキシル基はエステル化し
得るものでなければならず、かつ、好ましくはイミド化
し得ないものである)を含有する一種または二種以上の
トリカルボン酸化合物を高分子量ポリオキシアルキレン
ジアミンでイミド化することによって製造される。
【0040】一般に、ポリエーテルイミドエステルの製
造に有用なポリオキシアルキレンジイミドジ酸は次式で
表わされる。
【化1】
【0041】(式中、各Rは三価の有機基、好ましくは
炭素数2〜20の脂肪族、脂環式または芳香族三価有機
基であって、各Rは同一でも相違してもよく、各R′は
水素または一価有機基、好ましくは炭素数1〜8の脂肪
族基および脂環式基ならびに炭素数6〜12の芳香族基
の中から選ばれた一価有機基、例えばフェニル基であ
り、最も好ましくはR′は水素である。各R′は同一で
あっても互に相違してもよい。Gは約600〜約12,
000、好ましくは約900〜約4,000の平均分子
量および約1.8〜約4.3の炭素/酸素比をもつ長鎖
エーテルグリコールの両末端(またはできる限り末端に
近い)ヒドロキシ基の除去後に残留する基である。)
【0042】上記ポリオキシアルキレンジイミドジ酸の
製造に用いるポリオキシアルキレンジアミンは長鎖エー
テルグリコールから製造される。代表的な長鎖エーテル
グリコールはポリ(エチレンエーテル)グリコール、ポ
リ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テトラメ
チレンエーテル)グリコール、ポリエチレンオキシドお
よびプロピレンオキシドのランダムまたはブロック共重
合体、例えばプロピレンオキシド末端ポリ(エチレンエ
ーテル)グリコール、およびテトラヒドロフラン(グリ
コール中の炭素/酸素のモル比が約4.3を超えない範
囲で使用される)と少量のメチルテトラヒドロフランの
ような第二の単量体とのランダムまたはブロック共重合
体を包含する。特に好ましいポリ(アルキレンエーテ
ル)グリコールはポリ(プロピレンエーテル)グリコー
ルおよびポリ(プロピレンエーテル)グリコールまたは
プロピレンオキシドで末端閉止されたポリ(エチレンエ
ーテル)グリコールである。
【0043】一般に、有用なポリオキシアルキレンジア
ミンは約500〜約12,000、好ましくは約900
〜約4,000の平均分子量を有する。
【0044】ポリオキシアルキレンジイミドジ酸の製造
に用いるトリカルボン酸化合物は、さらに追加の別のカ
ルボキシル基を含むほぼ任意のカルボン酸無水物または
酸無水物基の代りに2個の隣接するイミド形成性カルボ
キシル基を含む対応する酸であり得る。これらの酸は単
独または混合物のいずれであってもよい。追加の別のカ
ルボキシル基はエステル化し得るものでなければなら
ず、かつ好ましくは実質的にイミド化し得ないものであ
る。
【0045】トリカルボン酸化合物は次式で表わされ
る。
【化2】
【0046】(式中、各Rは三価の有機基、好ましくは
炭素数2〜20の脂肪族、脂環式または芳香族三価有機
基であって、各Rは同一でも相違してもよく、各R′は
水素または一価有機基、好ましくは炭素数1〜8の脂肪
族基および脂環式基ならびに炭素数6〜12の芳香族基
の中から選ばれた一価有機基、例えばフェニル基であ
り、最も好ましくはR′は水素である。各R′は同一で
あっても互に相違してもよい。最も好ましいトリカルボ
ン酸化合物は無水トリメリト酸である。
【0047】ポリエーテルイミドエステルの製造に用い
る各成分の割合は格別限定されないが、ジオール(i)
はジカルボン酸(ii)およびポリオキシアルキレンジイ
ミドジ酸(iii )の合計モル数に基づいて、好ましくは
少くともモル当量、より好ましくはモル過剰、最も好ま
しくは少くとも150%使用する。酸成分〔(ii)+
(iii )〕に対してモル過剰のジオールを用いることに
よってエステル化/縮合中に生ずるジオールの損失を補
償して最良の収率が得られる。
【0048】ジカルボン酸(ii)とポリオキシアルキレ
ンジイミドジ酸(iii )との割合も格別限定されない
が、(ii)/(iii )重量比は、好ましくは約0.25
〜約2、より好ましくは約0.4〜約1.4である。特
に好ましい両者の割合は、使用するポリオキシアルキレ
ンジイミドジ酸の種類および得られるポリエーテルイミ
ドエステルに所望される物理的および化学的性質に依存
して決定される。一般に、ポリオキシアルキレンジイミ
ドジ酸(iii )/ジカルボン酸(ii)の重量比が低いほ
ど、得られる重合体の強度、結晶性および加熱撓み性能
は優れたものとなる。逆に、(iii )/(ii)重量比が
高いほど、得られる重合体の可撓性、引張歪および低温
耐衝撃性能が優れたものとなる。
【0049】本発明で用いる好ましいポリエーテルイミ
ドエステルは、随意に40モル%までの他のジカルボン
酸を含んでいてもよいジメチルテレフタレート、随意に
40モル%までの他の飽和または不飽和脂肪酸または脂
環式ジオールを含んでいてもよい1,4−ブタンジオー
ル、ならびに約600〜約12,000、好ましくは約
900〜約4,000の分子量をもつポリオキシアルキ
レンジアミンおよび無水トリメリト酸から製造されたポ
リオキシアルキレンジイミドジ酸の反応生成物からな
る。最も好ましいポリエーテルイミドエステルは、上記
のようにして得られる反応生成物において、ジオールと
して1,4−ブタンジオールのみ、ジカルボン酸として
ジメチルテレフタレートのみをそれぞれ用いて得られ
る。
【0050】本発明で使用される熱可塑性コポリアミド
エラストマーは、ポリエステルとポリアミドの繰り返し
単位からなるランダムまたはマルチブロック共重合体で
あるコポリエステルアミドエラストマーと、ポリエーテ
ルエステルとポリアミドの繰り返し単位からなるランダ
ムまたはマルチブロック共重合体であるコポリエーテル
エステルアミドエラストマーとに大別される。
【0051】本発明で使用されるコポリエステルアミド
エラストマーは、(1)(イ)炭素数6〜12のアミノ
カルボン酸、(ロ)炭素数6〜12のラクタムおよび
(ハ)炭素数4〜12のジカルボン酸と炭素数4〜12
のジアミンとからなるナイロン塩から選ばれた少くとも
一種のポリアミド形成性化合物と(2)炭素数4〜54
のジカルボン酸と(3)ポリカプロラクトンポリオール
とを反応させて得られる。
【0052】上記炭素数6〜12のアミノカルボン酸と
しては、6−アミノカプロン酸、7−アミノカプリル
酸、8−アミノカプリン酸、ω−アミノエナント酸、ω
−アミノペラルゴン酸、11−アミノウンデカン酸、1
2−アミノドデカン酸などが挙げられるが、特に6−ア
ミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−ア
ミノドデカン酸が好ましい。炭素数6〜12のラクタム
としては、カプロラクタム、エナントラクタム、カプリ
ルラクタム、ラウリルラクタムなどが挙げられるが、特
にカプロラクタム、ラウリルラクタムが好ましい。炭素
数4〜12のジカルボン酸と炭素数4〜12のジアミン
からなるナイロン塩としては、アジピン酸−ヘキサメチ
レンジアミン塩、セバシン酸−ヘキサメチレンジアミン
塩、イソフタル酸−ヘキサメチレンジアミン塩、テレフ
タル酸−トリメチルヘキサメチレンジアミン塩などが挙
げられる。
【0053】炭素数が4〜54のジカルボン酸として
は、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレ
ン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカ
ルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジカルボン酸、ジフ
ェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シ
クロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,
4′−ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、および
コハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカ
ン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ならびにこれらのダイ
マー酸が挙げられる。特に、テレフタル酸、イソフタル
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン
酸、セバシン酸、ドデカン酸、およびこれらのダイマー
酸が好ましい。
【0054】ポリアミド形成性化合物およびジカルボン
酸とともに用いるポリカプロラクトンポリオールとして
は、平均分子量200〜10,000のポリカプロラク
トンポリオールが好ましい。ポリカプロラクトンポリオ
ールの分子量が10,000より大きいと、ポリカプロ
ラクトンポリオールの欠点が露呈する。一つの好ましい
ポリカプロラクトンポリオールとしては、平均分子量が
200〜10,000のポリカプロラクトンジオール7
0〜99.9重量%と平均分子量200〜10,000
の3以上の官能基を有するポリカプロラクトンポリオー
ル0.1〜30重量%との混合物が挙げられる。3以上
の官能基を有するポリカプロラクトンポリオールの割合
が0.1重量%未満ではその効果が発現せず、また、3
0重量%を超えると製造時にゲル化し易い。
【0055】上記のコポリエステルアミドエラストマー
は、開始剤、ε−カプロラクトンまたは6−オキシカプ
ロン酸、ポリアミド形成性化合物およびジカルボン酸の
反応によって製造される。その製造方法としては、次の
方法が挙げられる。 (A)開始剤にε−カプロラクトンを開環付加してポリ
カプロラクトンジオールとし、このポリカプロラクトン
ジオール、ポリアミド形成性化合物およびジカルボン酸
との重縮合反応により製造する方法。 (B)ポリアミド形成性化合物とジカルボン酸とを反応
させてジカルボン酸ポリアミドとし、このジカルボン酸
ポリアミドと上記(A)のポリカプロラクトンジオール
との重縮合反応により製造する方法。
【0056】(C)上記(B)のジカルボン酸ポリアミ
ドと開始剤およびε−カプロラクトンとの開環−重縮合
反応により製造する方法。 (D)開始剤、ε−カプロラクトン、ポリアミド形成性
化合物およびジカルボン酸との開環−重縮合反応により
製造する方法。 ポリカプロラクトンポリオール混合物を用いる場合は上
記の製造方法において、ジオールの代わりにポリオール
混合物を用いればよい。
【0057】開始剤の例としては一般式HO・R・OH
で示されるジオールが挙げられる。但し、Rは1〜2個
の芳香環を有する芳香族炭化水素基、4〜37の炭素数
を有する脂環式炭化水素基、1〜30の炭素数を有する
飽和または不飽和脂肪族基、平均分子量200〜6,0
00のポリエステルポリオール残基または平均分子量2
00〜6,000のポリアルキレングリコール残基であ
る。
【0058】本発明で使用されるコポリエーテルエステ
ルアミドエラストマーは連鎖末端に水酸基を有するポリ
エーテルとポリアミドとの縮合反応により合成される。
連鎖末端に水酸基を有するポリエーテルとしては、連鎖
または分岐ポリオキシアルキレングリコール、例えばポ
リオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシテトラメチレングリコールまたは
これらの混合物、あるいはこれらの化合物から誘導体さ
れたコポリエーテルである。上記ポリエーテルの平均分
子量は一般に200〜6,000、好ましくは400〜
3,000である。全成分重量に基づくポリオキシアル
キレングリコールの重量の割合は、通常5〜85%、好
ましくは10〜50%である。
【0059】コポリエーテルエステルアミドエラストマ
ーの合成に用いるポリアミドとしては、炭化水素連鎖の
炭素数が4〜14であるラクタムまたはアミノ酸、例え
ばカプロラクタム、エナントラクタム、ドデカラクタ
ム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタム、11−ア
ミノ−ウンデカン酸または12−アミノドデカン酸を出
発物質とするもの、ジカルボン酸とジアミンとの縮合生
成物、例えばヘキサメチレンジアミンとアジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸および1,12−ドデカン二酸
との縮合生成物およびノナメチレンジアミンとアジピン
酸との縮合生成物であるナイロン6−6,6−9,6−
10,6−12および9−6などがある。
【0060】ポリアミドの合成反応において連鎖制限剤
として使用される二酸は、同様にカルボン酸を末端に有
するポリアミドの生成を可能にするが、二酸としては、
ジカルボン酸、好ましくは炭素数4〜20の脂肪族ジカ
ルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカンジ酸およびドデ
カンジ酸が挙げられる。脂環式または芳香族二酸も使用
可能である。これらの二酸は、現在重縮合反応の分野に
おいて用いられている公知の計算方法に従って所望の平
均分子量を有するポリアミドを得るのに必要な量よりも
過剰となる量である。ジカルボン酸ポリアミドの平均分
子量は通常300〜15,000、好ましくは800〜
5,000である。
【0061】コポリエーテルエステルアミドエラストマ
ーを製造するための重縮合反応は、触媒の存在下におい
て攪拌しながら、0.05〜5mmHg程度の高真空下、使
用した成分の融点よりも高い温度で行う。この温度は、
反応成分が流動状態に維持されるように選択する。すな
わち、一般に100〜400℃、好ましくは200〜3
00℃である。
【0062】反応時間はポリオキシアルキレングリコー
ルに依存するが、一般に10分〜10時間の範囲、好ま
しくは1〜7時間である。反応時間は、成形可能なおよ
び/または押出し可能なプラスチック材料に要求される
所望性質を有する生成物を得るのに必要な最終的な粘度
が得られるように十分長くなければならない。所望の生
成物を得るために、最適条件下で重縮合反応が起るよう
に、カルボン酸基と水酸基とは実質的に等モルでなけれ
ばならない。
【0063】本発明で用いられるエポキシ基含有(メ
タ)アクリレート共重合体ゴム、カルボキシル基含有
(メタ)アクリレート共重合体ゴム、および分子中にエ
ポキシ基とカルボキシル基の二種の官能基を有する(メ
タ)アクリレート共重合体ゴムは、(メタ)アクリレー
ト共重合体ゴムの骨格組成が、(1)(メタ)アクリル
酸アルキルエステルおよび/または(メタ)アクリル酸
アルコキシ置換アルキルエステルからなり、反応性基と
してそれぞれ(2)エポキシ基含有エチレン性不飽和単
量体およびカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量
体、さらに必要に応じて(3)これら(1)、(2)と
共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体を重合してな
る多元共重合体ゴムである。
【0064】上記の各(メタ)アクリレート共重合体ゴ
ムの製造に用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(1)は下記式:
【化3】
【0065】(式中、R1 は炭素数1〜18のアルキル
基であり、R2 は水素またはメチル基を示す)で表され
る。かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体
例としては、メチル(メタ)アクリレート,エチル(メ
タ)アクリレート,n−プロピル(メタ)アクリレー
ト,n−ブチル(メタ)アクリレート,イソブチル(メ
タ)アクリレート,n−ペンチル(メタ)アクリレー
ト,イソアミル(メタ)アクリレート,n−ヘキシル
(メタ)アクリレート,2−メチルペンチル(メタ)ア
クリレート,n−オクチル(メタ)アクリレート,2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート,n−デシル(メ
タ)アクリレート,n−ドデシル(メタ)アクリレー
ト,n−オクタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げ
られ、中でも、エチル(メタ)アクリレート,n−プロ
ピル(メタ)アクリレート,n−ブチル(メタ)アクリ
レート,n−ペンチル(メタ)アクリレート,n−ヘキ
シル(メタ)アクリレート,2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート,n−オクチル(メタ)アクリレート
が好ましい。
【0066】また、(メタ)アクリル酸アルコキシ置換
アルキルエステル(1)は、下記式:
【化4】
【0067】(式中、R3 は水素またはメチル基、R4
は炭素数1〜18のアルキレン基、R5 は炭素数1〜1
8のアルキル基を示す)で表される。かかる(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルの具体例としては、2−メト
キシエチル(メタ)アクリレート,2−エトキシエチル
(メタ)アクリレート,2−(n−プロポキシ)エチル
(メタ)アクリレート,2−(n−ブトキシ)エチル
(メタ)アクリレート,3−メトキシプロピル(メタ)
アクリレート,3−エトキシプロピル(メタ)アクリレ
ート,2−(n−プロポキシ)プロピル(メタ)アクリ
レート,2−(n−ブトキシ)プロピル(メタ)アクリ
レートなどが挙げられる。
【0068】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重
合体ゴムの製造に用いるエポキシ基含有単量体として
は、アリルグリシジルエーテル,グリシジルメタクリレ
ート,グリシジルアクリレート、および下記に示す化合
物などが挙げられる(下記各式において、式中のR6
水素またはメチル基を表わす)。 3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル(メタ)アクリ
レート
【化5】 4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルベンジル(メ
タ)アクリレート
【化6】
【0069】2−(4′−グリシジルオキシフェニル)
−2−〔4′−(メタ)アクリロキシエチルオキシフェ
ニル〕プロパン
【化7】 2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸グリシ
ジルエステル
【化8】 2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸グリシ
ジルエステル
【化9】
【0070】2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘ
キサヒドロフタル酸グリシジルエステル
【化10】 2−(メタ)アクリロイルオキシエチルテレフタル酸グ
リシジルエステル
【化11】 2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロテ
レフタル酸グリシジルエステル
【化12】
【0071】3,4−エポキシヘキサヒドロベンジル
(メタ)アクリルアミド
【化13】 4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルベンジル(メ
タ)アクリルアミド
【化14】
【0072】(メタ)アクリレート共重合体ゴムの製造
に用いるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と
しては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−
ペンチン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの
他、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの二塩基酸
のモノアルキルエステルが挙げられる。
【0073】必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルまたは(メタ)アクリル酸アルコキシ置換ア
ルキルエステル(1)およびエポキシ基含有エチレン性
不飽和単量体および/またはカルボキシル基含有エチレ
ン性不飽和単量体と共重合せしめる単量体としては、2
−シアノエチル(メタ)アクリレート,3−シアノプロ
ピル(メタ)アクリレート,4−シアノブチル(メタ)
アクリレートなどのシアノ置換アルキル(メタ)アクリ
レート,ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートの
ようなアミノ置換アルキル(メタ)アクリレート,1,
1,1−トリフルオロエチル(メタ)アクリレートのよ
うな含フッ素系(メタ)アクリレート,ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレートのような水酸基置換アルキル
(メタ)アクリレート,メチルビニルケトンのようなア
ルキルビニルケトン,ビニルエチルエーテル,アリルメ
チルエーテルなどのビニルまたはアリルエーテル,スチ
レン,α−メチルスチレン,クロロスチレン,ビニルト
ルエンなどのビニル芳香族化合物,アクリロニトリル,
メタアクリロニトリルなどのビニルニトリル,アクリル
アミド,メタアクリルアミド,N−メチロールアクリル
アミドなどのビニルアミドおよびエチレン,プロピレ
ン,酢酸ビニルなどが挙げられる。
【0074】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重
合体ゴム、カルボキシル基含有(メタ)アクリレート共
重合体ゴムおよび分子中にエポキシ基とカルボキシル基
の二種の官能基を有する(メタ)アクリレート共重合体
ゴムの製造に用いる(1)(メタ)アクリル酸アルキル
エステルまたは(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アル
キルエステル、(2)エポキシ基含有エチレン性不飽和
単量体および/またはカルボキシル基含有エチレン性不
飽和単量体,および(3)他のエチレン性不飽和単量体
の割合は格別限定されるものではないが、(1)35〜
99重量%,(2)1〜15重量%,(3)0〜50重
量%が好ましい。より好ましくは、(1)40〜98.
5重量%,(2)1.5〜10重量%,(3)0〜50
重量%である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルま
たは(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエステ
ルの量が、上記範囲より多くなると十分な架橋効果が得
られず、逆に、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体
またはカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の量
が上記範囲より多くなるとゴム弾性がかなり低下する。
【0075】特に好ましいエポキシ基含有(メタ)アク
リレート共重合体ゴムは、エポキシ基としてグリシジル
(メタ)アクリレートから導かれる単位を2重量%以上
含むものである。また、特に好ましいカルボキシル基含
有(メタ)アクリレート共重合体ゴムはカルボキシル基
として(メタ)アクリル酸から導かれる単位を2重量%
以上含むものである。
【0076】本発明の蛇腹形状部品に使用する組成物に
おいて、(メタ)アクリレート共重合体ゴムは熱可塑性
コポリエステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミ
ドエラストマーと混合された組成物を形成しており、好
ましくは、上記(メタ)アクリレート共重合体ゴムは架
橋されて該組成物中に分散されている。
【0077】上記(メタ)アクリレート共重合体ゴムを
架橋させる分子中に少なくとも2個のカルボキシル基お
よび/または分子中に少なくとも1個のカルボン酸無水
物基を有する化合物からなる架橋剤、(2)分子中に少
なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物および/
またはイソシアヌール酸化合物とイミダゾール化合物か
らなる架橋剤、(3)分子中に少なくとも2個のカルボ
キシル基を有する化合物および/またはイソシアヌール
酸化合物とイミダゾール化合物との複合塩である架橋剤
は、通常エポキシ基含有アクリルゴムの架橋剤として使
用されることはない。ゴムの通常の架橋温度である15
0〜180℃の範囲では、前記の化合物とアクリルゴム
のエポキシ基の架橋反応が遅く、通常のゴムの成形サイ
クルには適合しないからである。
【0078】しかしながら、本発明の蛇腹形状部品の製
造に使用する組成物においては、通常の調製温度である
200℃以上では剪断下に迅速に架橋反応は完了する。
また、本発明で使用される架橋剤は、通常のアクリルゴ
ム用の架橋剤で容易に劣化を起こすコポリエステルエラ
ストマーへの影響が極めて小さく、組成物の調製時、成
形時に性質の変化がほとんど生じないという特徴をもっ
ている。このことは、成形品の使用時の耐久性の向上に
も役立つ。
【0079】本発明において、架橋剤としては、分子中
に少なくとも2個のカルボキシル基および/または少な
くとも1個のカルボン酸無水物基を有する化合物を使用
できる。好ましくは、脂肪族、脂環式および芳香族のポ
リカルボン酸、その(部分)カルボン酸無水物、ならび
に、これらの化合物と(ポリ)アルキレングリコールと
の(部分)エステル化物が用いられる。架橋剤としては
分子量5,000以下のものが好ましい。
【0080】本発明において、架橋剤として、分子中に
少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物および
/またはイソシアヌール酸化合物とイミダゾール化合物
とを組合わせ使用することができる。好ましくは、分子
中に少なくとも2個のカルボキシル基を有する化合物お
よび/またはイソシアヌール化合物とイミダゾール化合
物との複合塩が使用される。
【0081】分子中に少なくとも2個のカルボキシル基
を有する化合物としては脂肪族、脂環式および芳香族ポ
リカルボン酸およびそれらの(部分)カルボン酸無水物
を挙げることができる。脂肪族ポリカルボン酸の具体例
としては、コハク酸,グルタル酸,ピメリン酸,アゼラ
イン酸,セバシン酸,ドデカンジカルボン酸,オクタデ
カンジカルボン酸,ドデセニルコハク酸,ブタンテトラ
カルボン酸が挙げられる。脂環式ポリカルボン酸の具体
例としては、シクロペンタンジカルボン酸,シクロペン
タントリカルボン酸,シクロペンタンテトラカルボン
酸,シクロヘキサンジカルボン酸,シクロヘキサントリ
カルボン酸,メチルシクロヘキサンジカルボン酸,テト
ラヒドロフタル酸,エンドメチレンテトラヒドロフタル
酸,メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸が挙げ
られる。芳香族ポリカルボン酸の具体例としては、フタ
ル酸,イソフタル酸,テレフタル酸,トリメリット酸,
トリメシン酸,ピロメリット酸が挙げられる。(部分)
カルボン酸無水物の具体例としては、これらのポリカル
ボン酸の(部分)カルボン酸無水物が挙げられる。
【0082】架橋剤として、イミダゾール化合物と組合
わせて、または複合塩の形で使用されるイソシアヌール
酸化合物としてはイソシアヌール酸およびN−エチルイ
ソシアヌール酸,2−カルボキシエチルイソシアヌール
酸などのイソシアヌール酸誘導体が挙げられる。
【0083】イミダゾール化合物としてはイミダゾール
および2−メチルイミダゾール,2−ウンデシルイミダ
ゾヘル,2−ヘプタデシルイミダゾール,2−フェニル
イミダゾール,1−シアノエチル−2−メチルイミダゾ
ールなどのイミダゾール誘導体が挙げられる。
【0084】架橋剤として、単独またはイミダゾール化
合物との組合わせまたは複合塩の形で使用される分子中
に少くとも2個のカルボキシル基および/または分子中
に少くとも1個のカルボン酸無水物基を有する化合物の
使用量は、カルボキシル基(酸無水物基はカルボキシル
基2個と等価とする)/エポキシ基含有(メタ)アクリ
レート共重合体ゴム中のエポキシ基(モル比)が0.0
5〜5の範囲となるように設定することが好ましい。こ
のモル比が0.05未満では(メタ)アクリレート共重
合体ゴムの架橋密度が低く、応力および圧縮永久歪が改
善されず、逆に、5を超えた場合も同様に架橋密度が低
く、応力および圧縮永久歪が改善されない。より好まし
いカルボキシル基/エポキシ基(モル比)は0.1〜
1.5の範囲である。
【0085】架橋剤として、イミダゾール化合物との組
合わせまたは複合塩の形で使用されるイソシアヌール酸
化合物の使用量は、イソシアヌール酸化合物中の酸基/
エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム中の
エポキシ基(モル比)が0.05〜5の範囲となるよう
に設定することが好ましい。このモル比が0.05未満
では(メタ)アクリレート共重合体ゴムの架橋密度が低
く、応力および圧縮永久歪が改善されず、逆に、5を超
えた場合も同様に架橋密度が低く、応力および圧縮永久
歪が改善されない。より好ましいイソシアヌール酸化合
物中の酸基/エポキシ基(モル比)は0.1〜1.5の
範囲である。
【0086】分子中に少くとも2個のカルボキシル基を
有する化合物および/またはイソシアヌール酸化合物と
イミダゾール化合物との比率は、カルボキシル基および
イソシアヌール酸化合物中の酸基1モルに対してイミダ
ゾール化合物0.2〜2モルの範囲であることが望まし
い。イミダゾール化合物の割合が過多になるとコポリエ
ステルが劣化する。
【0087】本発明において架橋剤を使用せずに(1)
エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体とカルボ
キシル基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムとを相
互架橋させる場合、(2)分子中にエポキシ基とカルボ
キシル基の2種の官能基を有する(メタ)アクリレート
共重合体ゴムを使用しその官能基を相互架橋させる場合
のエポキシ基/カルボキシル基(モル比)は1/10な
いし5/1の範囲、特に1/5ないし3/1の範囲とな
るようにすることが好ましい。この範囲を外れると架橋
密度が低く、応力および永久圧縮歪が改善されない。
【0088】本発明の蛇腹形状部品に使用する組成物
は、熱可塑性コポリエステルエラストマーまたは熱可塑
性コポリアミドエラストマーとエポキシ基および/また
はカルボキシル基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴ
ムとを軟化温度以上ないし溶融下に混練、混合して調製
される。(メタ)アクリレート共重合体ゴムを添加する
とき、分散不良を生じる早期架橋(スコーチ)に注意し
つつ且つゴムを溶融下、混練中に架橋するに十分な温度
に維持する。混練は、一般に100〜280℃、好まし
くは140〜250℃において約1〜30分間行う。
【0089】本発明の組成物には、下記の添加剤を添加
することができる。そのような添加剤の例としては、充
填剤,補強剤,単繊維,顔料,可塑剤,老化防止剤,加
工助剤等を挙げることができる。架橋剤及び添加剤は、
予めコポリエステルエラストマーもしくはコポリアミド
エラストマーまたはエポキシ基および/またはカルボキ
ルシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム中にブレ
ンドしておくか、これらの重合体の混練下に添加するか
または調製後の組成物に混合して入れることもできる。
上記架橋剤の好ましい添加法は、充分な分散と架橋反応
を制御するためにポリマーの混練下に添加する方法であ
る。混練は充分な剪断力下で実施することが好ましく、
適した混練装置として単軸押出機、二軸押出機、ブス
(Buss)型コニーダー、バンバリーミキサー、ファ
ーレル(Farrell)型連続ミキサー、KCK型ミ
キサー等が挙げられる。
【0090】組成物の成分重合体の混練装置への添加
は、予め両重合体をブレンドして投入または各々の重合
体を別々に計量して同時に投入しても良く、あるいは混
練装置に一方もしくは両方の重合体を分割して添加また
は逐次に添加してもよい。好ましい実施態様は、熱可塑
性コポリエステルエラストマーまたは熱可塑性コポリア
ミドエラストマーと、(メタ)アクリレート共重合体ゴ
ムとを適度に分散させた後でゴケの架橋を起こさせるよ
うにする。
【0091】本発明の蛇腹形状部品は、熱可塑性コポリ
エステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラ
ストマー30〜90重量%とエポキシ基および/または
カルボキシル基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム
70〜10重量%からなる熱可塑性エラストマー組成物
を成形して得られる。好ましくは、該コポリエラストマ
ー中に該(メタ)アクリレート共重合体ゴムを架橋させ
て分散してなる組成物を成形して得られる。
【0092】本発明の蛇腹形状部品は、ブロー成形また
は射出成形などにより成形することができる。ブロー成
形は、通常、本発明で使用する熱可塑性エラストマー組
成物を溶融して押出等であらかじめパリソンを成形し、
室温〜150℃の金型に空気圧等で膨らませて密着して
成形する。ブロー成形機は、市販されているアキュムレ
ーター式、射出式、多段式等のいずれも適用できる。射
出成形では、通常、本発明で使用する熱可塑性エラスト
マー組成物を溶融し、室温〜150℃、好ましくは室温
〜100℃に設定した金型に射出して成形する。射出成
形機は、市販されているプランジャー式、スクリュー式
または予備可塑化装置をもったプリプラ式等のいずれで
も適用できる。
【0093】本発明の蛇腹形状部品は、熱可塑性コポリ
エステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラ
ストマーと、エポキシ基および/またはカルボキシル基
含有(メタ)アクリレート共重合体ゴムとからなる熱可
塑性エラストマー組成物から成形することができるが、
さらに、用途によっては他の熱可塑性プラスチック、熱
可塑性エラストマーおよび/またはゴムと積層成形して
多層構造、多次元構造の蛇腹形状部品とすることができ
る。
【0094】本発明の蛇腹形状部品に使用される他の熱
可塑性プラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、塩化ビニル樹脂、HIPS樹脂、ABS樹脂、
EVA樹脂、EVA樹脂のケン化樹脂、ポリアミド6、
66、6/66、610、612、11、12、121
2等の結晶性ポリアミド、非晶性ポリアミド、ポリカー
ボネート、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル、ポリアセタール、ポ
リフェニレンオキシド、ポリメチルペンテン、ポリ塩化
ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリ
(エチレン・テトラフルオロエチレン)共重合体、ポリ
(プロピレン、テトラフルオロエチレン)共重合体、ポ
リウレタン、シリコーン樹脂、これらの樹脂にゴム成分
を入れて衝撃強度を改良した樹脂等を例示することがで
きる。
【0095】本発明の蛇腹形状部品に使用される他の熱
可塑性エラストマーとしては、スチレン・ブタジエン・
スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・ス
チレンブロック共重合体、およびこれらの水素化物、ス
チレン・イソブチレン・スチレンブロック共重合体、エ
チレン・プロピレンのブロックまたはランダム共重合
体、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂とエチレン・プロピレン・ジエンゴム、ブチルゴム
等とのブレンドまたはゴム成分を完全または部分架橋し
たエラストマー、ポリプロピレンとアクリロニトリル・
フダジエン共重合体ゴムとのブレンドまたはゴム成分を
完全または部分架橋したエラストマー、塩化ビニル樹脂
またはポリ塩化ビニリデンとアクリロニトリル・ブタジ
エン共重合体ゴムまたはエチレン・酢酸ビニル共重合体
とのブレンドまたはゴム成分を完全または部分架橋した
エラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、ポリエステルまたはフッ素系樹脂とゴム成分から
なるブレンドまたはゴム成分を完全または部分架橋した
エラストマー、ブロックまたはランダムのコポリエステ
ル、ブロックまたはランダムのコポリアミド、ポリウレ
タン、塩素化ポリエチレン、1,2−ポリブタジエン等
を例示することができる。
【0096】本発明の蛇腹形状部品に使用される他のゴ
ムとしては、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、天然ゴム、エチレン・プ
ロピレン・ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニ
トリル・ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル・
ブタジエン共重合体ゴムと塩化ビニル樹脂とのブレンド
ゴム、水素化アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴ
ム、ブチルゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン
化ポリエチレン、アクリルゴム、エチレン・アクリルゴ
ム、エピクロロヒドリンゴム、ポリノルボルネン、シリ
コーンゴム、フッ素ゴム等を例示することができる。
【0097】本発明の蛇腹形状部品としては、自動車、
建設機械車両・農業機械車両・鉄道車両等の各種産業車
両、工作機械・建設機械・農業機械・鉱業機械・産業ロ
ボット・化学プラント・塗装機・薬品移送機械・食品工
業機械・油圧工具等の各種工・鉱業機械、船舶等の部品
として使用される。
【0098】本発明の蛇腹形状部品の具体例を示すとダ
ストカバー、等速ジョイントブーツ、ラック&ピニオン
ステアリングブーツ、ピンブーツ、ピストンブーツ、エ
アーインテークホース、エアーダクトホース、エアーコ
ンディショニングホース等の自動車用ブーツ・ホース、
産業車輛用ブーツ・ホース、農業機械用ホース、建設機
械用ホース、油圧機械用ホース、空圧機械用ホース、集
中潤滑機用ホース、溶剤・薬液移送用ホース、消防用ホ
ース、各種液化ガス移送用ホースなどの各種産業用ホー
ス等を挙げることができる。
【0099】
【発明の効果】従来技術によるコポリエステルエラスト
マーまたはコポリアミドエラストマーを使用した蛇腹形
状部品は、熱変形性が大きいために高温下での使用が困
難であり、通常100℃以下の温度下で使われている。
また、耐油性、耐薬品性が油の種類や薬品の種類に依存
するため、蛇腹形状部品としての適用範囲が限定されて
いる。さらに、耐熱老化性、耐水性が不足し、蛇腹形状
部品としての長寿命化を困難にしている。加えて、自動
車や産業機械に使用される蛇腹形状部品のように小型高
性能化の進んだ用途では、蛇腹形状部品を狭い空間内に
曲げて使用することが増えてきており、かつ、振動を吸
収するためにもゴム状の柔軟性を有した高性能で安価な
蛇腹形状部品が要請されているが、製造コストの高価な
ゴムホースを除いて、コポリエステルエラストマーやコ
ポリアミドエラストマーではこれらの課題を達成できな
いのが現状である。
【0100】本発明の蛇腹形状部品は、熱可塑性コポリ
エステルエラストマーまたは熱可塑性コポリアミドエラ
ストマーとエポキシ基および/またはカルボキシル基含
有(メタ)アクリレート重合体ゴムからなる熱可塑性エ
ラストマー組成物を使用することにより、好ましくは、
該(メタ)アクリレート共重合体ゴムを分子中に少なく
とも2個のカルボキシル基および/または分子中に少な
くとも1個のカルボン酸無水物基を有する化合物からな
る架橋剤または分子中に少なくとも2個のカルボキシル
基を有する化合物および/またはイソシアヌール酸化合
物とイミダゾール化合物からなる架橋剤による架橋、あ
るいは(メタ)アクリレート共重合体ゴム中のエポキシ
基とカルボキシル基による相互の架橋により、分散され
てなる組成物とすることにより、前記の課題を解決した
柔軟で優れた耐熱性、耐熱老化性、耐油性、耐薬品性を
示す蛇腹形状部品を得ることができる。
【0101】
【実施例】以下に参考例および実施例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。なお、参考例および比較参考
例は熱可塑性エラストマー組成物の調製および評価を示
し、実施例および比較例は蛇腹ホースの製造および評価
を示している。また、実施例および比較例中の部および
%は、特に断りのない限り重量基準である。使用した材
料は各実施例および各比較例において略号で表したが、
それぞれの詳細は以下のとおりである。
【0102】コポリエステルエラストマー COPE−1:ジェネラル・エレクトリック(GE)社
製ローモド(Lomod)XB0125 COPE−2:ジェネラル・エレクトリック(GE)社
製ローモド(Lomod)XJ006 COPE−3:デュポン(Du Pont)社製ハイト
レル(Hytrel)5557 COPE−4:デュポン(Du Pont)社製ハイト
レル(Hytrel)4057コポリアミドエラストマー COPA−1:アトケム(Atochem)社製ペバッ
クス(Pebax)5533SA00
【0103】エポキシ基カルボキシル基含有(メタ)
アクリレート共重合体ゴム ACM−1:エチルアクリレート(EA)とグリシジル
メタクリレート(GMA)との共重合体ゴム、GMA含
有量2.4phr、乳化重合法により製造。 ACM−2:EAとGMAとの共重合体ゴム、GMA含
有量5.7phr、乳化重合法により製造。 ACM−3:EAとGMAとの共重合体ゴム、GMA含
有量7.9phr、乳化重合法により製造。 ACM−4:EAとメタクリル酸(MA)との共重合体
ゴム、MA含有量3.5phr、乳化重合法により製
造。 ACM−5:EA,GMAおよびMAの三元共重合体ゴ
ム、GMA含有量2.5phr、MA含有量1.2ph
r、乳化重合法により製造。
【0104】架橋剤 架橋剤−1:三井東圧ファイン(株)製、ブタンテトラ
カルボン酸。 架橋剤−2:新日本理化(株)製TMEG、エチレング
リコールの無水トリメリット酸のジエステル。 架橋剤−3:四国化成(株)製キュアゾール2MZ−O
K、イソシアヌール酸と2−メチルイミダゾールとの複
合塩。 以下の実施例および比較例において材料試験はJIS
K 6301に準じて実施した。
【0105】参考例1および2 36mmφ、3条ネジ、L/D:48の二軸押出機に、
COPE−1とACM−1、3のいずれかのゴムを表1
の割合で投入し、溶融、混合し、二軸押出機のL/D:
30相当位置から架橋剤を添加し、押出機中で混練下に
ACMを架橋せしめた。押出量は10kg/時、スクリ
ュー回転数は250rpmとし、押出ダイ中の樹脂温度
が260±10℃の範囲に入る条件下で運転した。混練
した組成物はペレットにし、乾燥後に230℃でプレス
成形し、1mm厚のシートを得て評価に供した。評価結
果を表1に示す。 参考例3 参考例3においては、架橋剤を添加しない他は参考例1
および2と全く同様に組成物を調製した。評価結果を表
1に示す。
【0106】参考例4および5 36mmφ、3条ネジ、L/D:48の二軸押出機に、
COPE−1とACM−1、3のいずれかのゴムを表1
の割合で投入し、溶融、混合し、二軸押出機のL/D:
30相当位置から架橋剤を添加し、押出機中で混練下に
ACMを架橋せしめた。押出量は10kg/時、スクリ
ュー回転数は270rpmとし、押出ダイ中の樹脂温度
が260±10℃の範囲に入る条件下で運転した。混練
した組成物はペレットにし、乾燥後に230℃でプレス
成形し、1mm厚のシートを得て評価に供した。評価結
果を表1に示す。 比較参考例1 比較参考例1においては、市販のCOPE−1を乾燥し
て直接プレス成形した。評価結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】表1に示すとおり、本発明の蛇腹形状部品
に使用する熱可塑性エラストマー組成物は、オリジナル
物性に示されるように比較参考例のCOPEに比べて、
柔軟であり、伸びに対する50%応力と引張強さの比に
示されるように応力−歪み曲線が立ち上がっており、引
張永久伸びも小さく、改良されたゴム的弾性挙動を発現
する。また、100℃物性および圧縮永久歪に示される
ように、ACM中のエポキシ基含有量が増加すると応力
の保持率および永久歪が改良され、高温物性に優れるこ
とがわかる。さらに、耐油性および耐熱老化性も改良さ
れる。このように、本発明の蛇腹形状部品に使用する熱
可塑性エラストマー組成物は、ゴム的弾性挙動を示し、
高温下での物性の低下が小さく、耐油性および耐熱老化
性に優れることから、この組成物は蛇腹形状部品用材料
として適した性質を有することが明らかである。
【0109】参考例6 バッチ式混練機である東洋精機(株)製ラボプラストミ
ル(内容量約600cc)を用い、あらかじめ220℃
に加熱したミキサー中に、表2に示すCOPE−2とA
CM−2を投入し、約3分間混練した後、ACM−4を
添加し、さらに10分間混練した後に取り出し、約18
0℃に予熱したロールでシート状にした。次いで、21
0℃に予熱したプレスにより1mm厚シートに成形し、
評価に供した。評価結果を表2に示す。
【0110】参考例7 参考例6と同様な混練機を用い、あらかじめ220℃に
加熱したミキサー中に、表2に示すCOPE−2とAC
M−5を投入し、約15分間混練した。その後、参考例
6と同様に成形し、評価に供した。評価結果を表2に示
す。 比較参考例2 比較参考例2においては、市販のCOPE−2を乾燥し
て直接プレス成形した。評価結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
【0112】参考例6は、エポキシ基を含有したACM
−2とカルボキシル基を含有したACM−4との相互架
橋による架橋システムを用いた熱可塑性エラストマー組
成物であり、また参考例7は、分子中にエポキシ基とカ
ルボキシル基の両官能基を含有したACM−5の分子内
架橋による架橋システムを用いた熱可塑性エラストマー
組成物である。この例でも改良されたゴム的弾性挙動を
発現し、圧縮永久歪に示されるように、高温下でのゴム
的弾性挙動に優れ、耐油性も改良され、耐熱老化性も改
良されており、この組成物は本発明の蛇腹形状部品用材
料として適した性質を有することが明らかである。
【0113】参考例8〜10 57mmφ、2条ネジ、L/D:41の二軸押出機に、
COPE−1とACM−3を表3の割合で投入し、溶
融、混練しつつ、途中から架橋剤を添加し、混練下にA
CMを架橋せしめた。押出量は130kg/時、スクリ
ュー回転数は270rpmとし、この時の押出ダイ中の
樹脂温度が285℃であった。調製した組成物はペレッ
トにし、乾燥後に、235℃に調製した40mmφ単軸
押出機で、1.0mm厚のシートに成形し、打ち抜いて
評価に供した。評価結果を表3に示す。 比較参考例3および4 市販のCOPE−3および4を、40mmφ単軸押出機
を用いて、参考例8〜10と同様にして1.0mm厚の
シートに成形し、打ち抜いて評価に供した。評価結果を
表3に示す。
【0114】
【表3】
【0115】表1〜3に示すとおり、本発明の蛇腹形状
部品に使用する熱可塑性エラストマー組成物は、オリジ
ナル物性に示されるように、典型的な蛇腹形状部品用の
グレードである比較参考例3のCOPEに比べて柔軟で
ある。且つ、120℃物性に示すように高温下での物性
の保持率が高く、耐空気熱老化性、耐油性に優れること
が明らかである。参考例9と比較参考例4は、良く似た
柔軟性を有するが、コポリエステル中の軟質セグメント
含有量を増やして柔軟化した比較例4に比べて、参考例
9は高温物性、耐空気熱老化性、耐油性に格段に優れる
ことが明らかである。このように、本発明の蛇腹形状部
品に使用する熱可塑性エラストマー組成物は、蛇腹形状
部品に重要な特性である柔軟性、高温物性、耐空気熱老
化性、耐油性に格段に優れることが明らかであり、優れ
た性能の蛇腹形状部品を与えることがわかる。
【0116】実施例1 参考例1で調製した組成物を押出機温度240℃に設定
した押出ブロー成形機を使用し、パリソンを成形し、エ
アーを吹き込みブロー成形した。成形した蛇腹ホース
は、大内径35mm、小内径25mm、波幅7mm、肉
厚1mm、長さ140mmのホースである。この蛇腹ホ
ースの最小曲げ半径は25mmであった。結果を表4に
示す。 比較例1 COPE−3を実施例1と同様に押出して、蛇腹ホース
を成形し、評価した。この蛇腹ホースの最小曲げ半径は
35mmであった。この結果から本発明の蛇腹形状部品
は、蛇腹ホースとして優れた柔軟性を有していることが
明らかである。
【0117】実施例2 3機の間欠押出機および3相アキュムレーターヘッドを
有した二層ブロー成形機を使用し、230℃に設定した
押出機により参考例8の組成物、参考例10の組成物、
参考例8の組成物を、その順番に押出して、3相が端
部、中間部、端部からなるパリソンを成形し、エアーを
吹き込みブロー成形した。成形したホースは、両端部が
大内径170mm、小内径150mm、波幅10mm、
肉厚2mm、長さ50mmの蛇腹形状、中間部が内径1
50mm、肉厚2mm、長さ650mmのホースで、中
間部は65度角に曲げてある。
【0118】本発明の蛇腹ホースは、端部が柔軟であ
り、中間部の剛性が高いホースであった。端部が柔軟で
あることから、パイプへの挿入が容易である特徴を有す
る。剛性の異なる端部と中間部は、目視および折り曲げ
による判定では、均質であり、融合不良はみられなかっ
た。また、端部と中間部の融合部分周辺を切り取り、引
張試験を実施したが、融合部分周辺での引張亀裂の発生
は認められなく、充分に融着していることが明らかであ
る。さらに、端部および中間部を円周方向に切り取り、
JIS K 6301に準じて、50pphmのオゾン
濃度、40%伸長で70時間のオゾン性試験を実施した
が、全く異常なかった。同様に、低温脆化試験では、脆
化温度は−45℃以下であり、優れた耐寒性を示した。
このように、本発明の蛇腹ホースは、多層および多色成
形が可能であり、ホースの必要な部位に必要な剛性を付
与したホースとすることができる。特に、実施例2に示
すように、エアーダクトホース等の形状が複雑で軽量化
の必要なホースとしててきしていることがわかる。
【0119】実施例3 参考例1の組成物を使用し、240℃に設定した押出ブ
ロー成形機により肉厚2mmのブーツを成形した。成形
したブーツは定荷重試験により柔軟性を評価した。結果
を表4に示す。
【0120】比較例2、3 COPE−3、4を実施例3と同様にブロー成形して、
評価に供した。それぞれの結果を比較例2、3として表
4に示す。
【0121】
【表4】
【0122】表4に示すように、本発明のブーツは、典
型的なCOPEで成形した比較例2のブーツに比べて柔
軟であり、かつ100℃、120℃でのデータが示すと
おり高温下での物性の保持率が高い。一方、柔軟なCO
PE−4を使用した比較例3の場合は高温下での物性の
保持率が非常に低い。このように、本発明のブーツは柔
軟で、高温下での物性の保持率および耐寒性にすぐれて
いる。
【0123】実施例4 COPA−1を60部、ACM−3を40部および架橋
剤−2を1.6部使用し、参考例8〜10と同一の条件
で組成物を調製した。得られた組成物の1.0mm厚の
押出シートの物性は、硬さ90(JIS A),50%
応力6.0MPa,引張強さ18.6MPa,伸び17
0%および引張弾性率60MPaであった。この組成物
を使用し、実施例3と同一方法でブーツを成形し、表4
に示す結果を得た。この結果からブーツとして優れた特
性をもつことは明かである。
【0124】実施例5 実施例4の組成物を参考例8の組成物に代えて使用し、
さらに、参考例10の組成物に代えてCOPA−1を使
用して、実施例2と全く同様にブロー成形して蛇腹ホー
スを得た。このホースは、ホース端部が柔軟な本実施例
の組成物からなり、中間部は剛性の高いCOPA−1か
らなるホースである。このホースを実施例2と同様に評
価した結果、端部と中間部の融着性が良好であり、耐オ
ゾン性,耐寒性に優れることが判明した。この特性か
ら、エアーダクト等の蛇腹ホースとして有望である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性コポリエステルエラスト
    マーまたは熱可塑性コポリアミドエラストマー30〜9
    0重量%、および(B)エポキシ基および/またはカル
    ボキシル基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム70
    〜10重量%からなる熱可塑性エラストマー組成物を使
    用して得られる蛇腹形状部品。
  2. 【請求項2】 熱可塑性エラストマー組成物がエラスト
    マー成分(A)とゴム成分(B)を溶融下に混合してな
    る組成物である請求項1記載の蛇腹形状部品。
  3. 【請求項3】 ガス状および/または液状の流体に接触
    しながら使用される。請求項1または2に記載の蛇腹形
    状部品。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物からなり、且つエアーインテークホース
    またはエアーダクトホースの形態である蛇腹形状部品。
  5. 【請求項5】 蛇腹形状部が、曲げ弾性率10〜100
    MPaを有する請求項1または2に記載の組成物で構成
    され、それ以外の中間管状部が曲げ弾性率60〜300
    MPaの組成物で構成される一体成形物である請求項4
    記載の蛇腹形状部品。
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