JP2017179349A - 樹脂組成物およびその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】剛性および靱性のバランスに優れた成形品を得ることのできる樹脂組成物を提供すること。【解決手段】少なくとも芳香族ポリエステル(A)、およびポリエステルからなるグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)を配合してなる樹脂組成物であって、前記芳香族ポリエステル(A)と前記ポリロタキサン(B)の合計100重量部に対して、前記芳香族ポリエステル(A)を90重量部以上99.9重量部以下、前記ポリロタキサン(B)を0.1重量部以上10重量部以下配合してなる樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリエステルおよび環状分子が修飾されたポリロタキサンを配合してなる、剛性および靱性のバランスに優れた成形品を得ることのできるポリエステル樹脂組成物およびそれを成形してなる成形品に関するものである。
ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂は成形性、耐熱性、機械特性および耐薬品性などに優れているため、エンジニアリングプラスチックとして自動車分野、電気・電子分野などで幅広く使用されている。
近年、各分野において、プラスチックの高性能化に対する要求がますます高まっており、例えば、自動車分野においては車内空間をできるだけ広くしたり、軽量化により燃費を向上させたりすることを目的として、自動車で用いられている部品の小型化および薄肉化が望まれている。これらの用途に用いるポリエステル樹脂は更なる小型化・薄肉化の要求に対し、さらなる高靱性化が求められている。ポリエステル樹脂の機械特性を改良する技術としては、例えばポリエステル樹脂に、ポリオルガノシロキサン/ポリアルキル(メタ)アクリレ−ト複合ゴムグラフト共重合体やゴム質重合体にビニル系単量体をグラフト重合したグラフト重合体を添加する方法が示されている(特許文献1、2参照)。また、高融点結晶性芳香族ポリエステルに、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメントを共重合することで得られるブロック共重合体は、芳香族ポリエステルのみからなる樹脂組成物と比較し、非常に柔軟であり、高い靱性を有する上、さらに架橋構造を有するスチレン系エラストマーとビニル系単量体をグラフト重合して得られたグラフト共重合体を添加することにより、さらなる機械特性の向上が図られている(特許文献3参照)。さらに、特許文献4には、ポリ乳酸に、グラフト鎖を有する環状分子の開口部が直鎖状分子によって包摂されたポリロタキサンを添加することにより、衝撃強度と靱性を改良できることが示されている。
特開2008−13750号公報 特開2004−285258号公報 特開2015−178596号公報 特開2014−84414号公報
特許文献1、2に開示される、特定のゴム成分を添加することでポリエステル樹脂の機械特性を改良する方法では、ポリエステル樹脂の靱性は向上するが、一定量以上の添加する必要があり、樹脂が柔軟化しすぎる上、ゴム成分の一部の架橋により、粘度が高くなり、流動性が低くなりやすい課題があった。また、特許文献3に記載の、ポリエーテル成分を共重合する方法では、靱性は向上するが、柔軟になりすぎ、剛性が大きく低下する課題があった。
本発明は、上記背景技術の課題に鑑み、剛性および靱性のバランスに優れた成形品を得ることのできるポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)少なくとも芳香族ポリエステル(A)、およびポリエステルを含むグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)を配合してなる樹脂組成物であって、前記芳香族ポリエステル(A)と前記ポリロタキサン(B)の合計100重量部に対して、前記芳香族ポリエステル(A)を90重量部以上99.9重量部以下、前記ポリロタキサン(B)を0.1重量部以上10重量部以下配合してなる樹脂組成物。
(2)前記芳香族ポリエステル(A)を主成分とする海相、前記ポリロタキサン(B)を主成分とする島相を有する(1)に記載の樹脂組成物。
(3)前記島相の平均直径が10μm以下である(2)に記載の樹脂組成物。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
本発明の樹脂組成物により、剛性および靱性のバランスに優れた成形品を得ることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリエステル(A)と、ポリエステルからなるグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)を配合してなる。芳香族ポリエステル(A)を配合することにより、剛性や耐熱性を向上させることができる。また、ポリロタキサン(B)を配合することにより、靱性を向上させることができる。さらに、ポリエステルからなるグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサンを配合することにより、ポリエステル(A)がポリロタキサン(B)のグラフト鎖であるポリエステルと相溶するため、剛性を損なうこと無く靱性を向上させることができる。このように芳香族ポリエステル(A)とポリロタキサン(B)が相溶した組成物は、高分子同士の複雑な相互作用により生成されたものであることから、その構造を特定することが実際的でない事情が存在するため、本発明は配合する成分の量で発明を特定するものである。
本発明の樹脂組成物における芳香族ポリエステル(A)としては、特に限定されるものではないが、融点が150℃以上300℃以下であることが好ましい。150℃以上とすることで、良好な耐熱性を有する樹脂組成物を得ることができる。また、300℃以下とすることで、成形加工が比較的容易となる。
芳香族ポリエステルの例としては、芳香族ジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合体および共重合体が挙げられる。
上記芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられ、かかる芳香族ジカルボン酸には、脂肪族ジカルボン酸や脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体を共重合することも可能である。かかる脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などが挙げられ、脂環式ジカルボン酸としては、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
上記ジオール成分としては炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどおよびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
これらの重合体および共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリプロピレン(テレフタレート/アジペート)、ポリプロピレン(テレフタレート/セバケート)、ポリプロピレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリプロピレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられる。
芳香族ポリエステルの分子量や分子量分布は、実質的に成形加工が可能であれば、特に限定されるものではないが、相構造を制御しやすくなり、靱性が向上するという点で、重量平均分子量(Mw)8000〜500000の範囲であることが好ましく、8000〜300000の範囲であることがより好ましく、8000〜250000の範囲であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、Shodex HFIP−806M(2本)+HFIP−LGをカラムとして用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定される、ポリメチルメタクリレート換算の値を指す。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリエステル(A)と、ポリエステルを含むグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)とを配合してなり、芳香族ポリエステル(A)と、ポリロタキサン(B)のグラフト鎖の相溶性を向上させ、溶融混練中に両者の間でエステル交換させ、一部の分子鎖を結合することで、ポリロタキサンの有する靱性向上効果を樹脂組成物全体に波及させることができる。
本発明の樹脂組成物における芳香族ポリエステル(A)の配合量は、芳香族ポリエステル(A)およびポリロタキサン(B)の合計100重量部に対して、90重量部以上99.9重量部以下である。芳香族ポリエステル(A)の配合量が90重量部未満であると、得られる成形品の剛性、耐熱性が低下する。芳香族ポリエステル(A)の配合量は95重量部以上が好ましく、97重量部以上がさらに好ましい。一方、芳香族ポリエステル(A)の配合量が99.9重量部を超えると、ポリロタキサン(B)の配合量が相対的に少なくなるため、成形品の靱性が低下する。芳香族ポリエステル(A)の配合量は99.5重量部以下が好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリエステルを含むグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)を配合してなる。ロタキサンとは、例えばHarada, A., Li, J. & Kamachi, M., Nature 356, 325-327に記載の通り、一般的に、ダンベル型の軸分子(両末端に嵩高いブロック基を有する直鎖分子。以下、「直鎖分子」と記載する)に環状の分子が貫通された形状の分子のことを言い、複数の環状分子が一つの直鎖分子に貫通されたものをポリロタキサンと呼ぶ。
ポリロタキサンは、直鎖分子および複数の環状分子からなり、複数の環状分子の開口部に直鎖分子が貫通した構造を有し、かつ、直鎖分子の両末端には、環状分子が直鎖分子から脱離しないように嵩高いブロック基を有する。ポリロタキサンにおいて、環状分子は直鎖分子上を自由に移動することが可能であるが、ブロック基により直鎖分子から抜け出せない構造を有する。すなわち、直鎖分子および環状分子は、化学的な結合でなく、機械的な結合により形態を維持する構造を有する。このようなポリロタキサンは、環状分子の運動性が高いために、外部からの応力や内部に残留した応力を緩和する効果がある。さらに、グラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサンを芳香族ポリエステルに配合することにより、芳香族ポリエステルに同様の効果を波及させることが可能となる。
前記直鎖分子は、環状分子の開口部に貫通し、前記ブロック基と反応し得る官能基を有する分子であれば、特に限定されない。好ましく用いられる直鎖分子としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;ポリブタジエンジオール、ポリイソプレンジオール、ポリイソブチレンジオール、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)ジオール、水素化ポリブタジエンジオール、ポリエチレンジオール、ポリプロピレンジオールなどの末端水酸基ポリオレフィン類;ポリカプロラクトンジオール、ポリ乳酸、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類;末端シラノール型ポリジメチルシロキサンなどの末端官能性ポリシロキサン類;末端アミノ基ポリエチレングリコール、末端アミノ基ポリプロピレングリコール、末端アミノ基ポリブタジエンなどの末端アミノ基鎖状ポリマー類;上記官能基を一分子中に3つ以上有する3官能性以上の多官能性鎖状ポリマー類などが挙げられる。中でも、ポリロタキサンの合成が容易である点から、ポリエチレングリコールおよび/または末端アミノ基ポリエチレングリコールが好ましく用いられる。
直鎖分子の数平均分子量は、2,000以上が好ましく、剛性をより向上させることができる。10,000以上がより好ましい。一方、100,000以下が好ましく、ポリアミド(A)との相溶性を向上させることができ、相分離構造を微細化することができるため、靱性をより向上させることができる。50,000以下がより好ましい。ここで、直鎖分子の数平均分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、Shodex HFIP−806M(2本)+HFIP−LGをカラムとして用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定される、ポリメチルメタクリレート換算の値を指す。
前記ブロック基は、直鎖分子の末端官能基と結合し得るものであり、環状分子が直鎖分子から脱離しないために十分に嵩高い基であれば、特に限定されない。好ましく用いられるブロック基としては、ジニトロフェニル基、シクロデキストリン基、アダマンチル基、トリチル基、フルオレセイニル基、ピレニル基、アントラセニル基、数平均分子量1,000〜1,000,000の高分子の主鎖または側鎖等が挙げられる。これらを2種以上有してもよい。
前記環状分子は、開口部に直鎖分子が貫通し得るものであれば、特に限定されない。好ましく用いられる環状分子としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、クリプタンド類、大環状アミン類、カリックスアレーン類、シクロファン類などが挙げられる。シクロデキストリン類は、複数のグルコースがα−1,4−結合で環状に連なった化合物である。α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンがより好ましく用いられる。
前記グラフト鎖は、ポリエステルを含む。グラフト鎖がポリエステルを含むことで、溶融混練などの加熱プロセス中で芳香族ポリエステル(A)とエステル交換反応を生じ、ポリロタキサンの有する靱性向上効果を樹脂組成物全体に波及させやすくすることができる。グラフト鎖はポリエステルのみであることが好ましい。芳香族ポリエステル(A)との相溶性および有機溶剤への溶解性の点から、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ3−ヒドロキシブチレート、ポリ4−ヒドロキシブチレート、ポリ(3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリプロピレンテレフタレート、ポリプロピレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが好ましく用いられる。中でも、芳香族ポリエステル(A)との相溶性および有機溶剤への溶解性、合成が容易である点から、ポリ(ε−カプロラクトン)がより好ましい。
本発明の樹脂組成物におけるポリロタキサン(B)の重量平均分子量は、10万以上が好ましく、剛性および靱性をより向上させることができる。一方、100万以下が好ましく、芳香族ポリエステル(A)との相溶性が向上し、靱性をより向上させることができる。ここで、ポリロタキサン(B)の重量平均分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、Shodex HFIP−806M(2本)+HFIP−LGをカラムとして用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定される、ポリメチルメタクリレート換算の値を指す。
本発明の樹脂組成物におけるポリロタキサン(B)の配合量は、芳香族ポリエステル(A)およびポリロタキサン(B)の合計100重量部に対して、0.1重量部以上10重量部以下である。ポリロタキサン(B)の配合量が0.1重量部未満であると、ポリロタキサン(B)の応力緩和効果が十分に奏されず、成形品の靱性が低下する。ポリロタキサン(B)の配合量は0.5重量部以上が好ましい。一方、ポリロタキサン(B)の配合量が10重量部を超えると、相対的に芳香族ポリエステル(A)配合量が少なくなるため、得られる成形品の剛性、耐熱性が低下する。7重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物は、芳香族ポリエステル(A)を主成分とする海相、ポリロタキサン(B)を主成分とする島相を有することが好ましい。ここで、「主成分」とは、当該相において、80重量%以上を占める成分を指す。樹脂組成物の特性は、相分離構造やその相サイズにも影響を受けることが知られている。2種以上の成分からなり、相分離構造を有する樹脂組成物は、それぞれの成分の長所を引き出し、短所を補い合うことにより、各成分単独の場合に比べて優れた特性を発現する。本発明の樹脂組成物は、このような海島構造を有することにより、破壊時のクラック進展が抑制され、靱性をより向上させることができる。すなわち、応力集中により形成されたクラックは、芳香族ポリエステル(A)を主成分とする海相を伝播するが、ポリロタキサン(B)を主成分とする島相が存在することにより、クラックが比較的柔軟な島相に誘導され、ここで応力が分散されるため、クラックの伝播が抑制される。
海島構造において、島相の平均直径は0.01μm以上が好ましく、0.05μm以上がより好ましい。島相の平均直径が0.01μm以上であると、相分離構造に由来する特性がより効果的に発揮され、靱性をより向上させることができる。また、島相の平均直径は、10μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、1μm以下がさらに好ましい。島相の平均直径が10μm以下であると、破壊時のクラック進展の抑制効果がより効果的に発現し、靱性をより向上させることができる。また、柔軟なポリロタキサンの相を小さくすることにより、剛性をより向上させることができる。
本発明の樹脂組成物における海島構造の島相の平均直径は、電子顕微鏡観察により、以下の方法により求めることができる。一般的な成形条件において、樹脂組成物の相分離構造および各相の大きさは変化しないことから、本発明においては、樹脂組成物を成形して得られる試験片を用いて相分離構造を観察する。まず、射出成形により得られるJIS−1号短冊型試験片(長さ80mm×幅10mm×厚さ4mm)の断面方向中心部を1〜2mm角に切削し、リンタングステン酸/オスミウムでポリアミド(A)を染色した後、0.1μm以下(約80nm)の超薄切片をウルトラミクロトームにより−196℃で切削し、透過型電子顕微鏡用サンプルを得る。海島構造の島相の平均直径を求める場合、前述の透過型電子顕微鏡用サンプルについて、正方形の電子顕微鏡観察写真に島相が50個以上100個未満存在するように、倍率を調整する。かかる倍率において、観察像に存在する島相から無作為に50個の島相を選択し、それぞれの島相について長径と短径を測定する。その長径と短径の平均値を各島相の直径とし、測定した全ての島相の直径の平均値を島相の直径とする。なお、島相の長径および短径とは、それぞれ島相の最も長い直径および最も短い直径を示す。
島相の平均直径が前述の好ましい範囲にある海島構造は、例えば、芳香族ポリエステル(A)とポリロタキサン(B)の配合量を前述の好ましい範囲にすることにより得ることができる。ポリロタキサン(B)の配合量が少ないほど島相の平均直径は小さくなる傾向にあり、ポリロタキサン(B)の配合量が多いほど島相の平均直径は大きくなる傾向にある。
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、さらに充填材、芳香族ポリエステル以外の熱可塑性樹脂、各種添加剤などを配合することができる。
充填材を配合することにより、得られる成形品の強度、剛性をより向上させることができる。充填材としては、有機充填材、無機充填材のいずれでもよいし、繊維状充填材、非繊維状充填材のいずれでもよい。これらを2種以上配合してもよい。
繊維状充填材としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維などが挙げられる。これらは、エチレン/酢酸ビニルなどの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂により、被覆または集束されていてもよい。繊維状充填材の断面形状としては、円形、扁平状、まゆ形、長円形、楕円形、矩形などが挙げられる。
非繊維状充填材としては、例えば、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、カオリン、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシリケート、珪酸カルシウムなどの非膨潤性珪酸塩、Li型フッ素テニオライト、Na型フッ素テニオライト、Na型四珪素フッ素雲母、Li型四珪素フッ素雲母の膨潤性雲母などの膨潤性層状珪酸塩、酸化珪素、酸化マグネシウム、アルミナ、シリカ、珪藻土、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドロマイト、ハイドロタルサイトなどの金属炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムなどの金属水酸化物、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物やバーミキュライト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム、燐酸チタニウムなどの各種粘土鉱物、ガラスビーズ、ガラスフレーク、セラミックビーズ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化珪素、燐酸カルシウム、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。上記の膨潤性層状珪酸塩は、層間に存在する交換性陽イオンが有機オニウムイオンで交換されていてもよい。有機オニウムイオンとしては、例えば、アンモニウムイオンやホスホニウムイオン、スルホニウムイオンなどが挙げられる。
芳香族ポリエステル以外の樹脂の具体例としては、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
各種添加剤の具体例としては、銅化合物以外の熱安定剤、イソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤、ポリアルキレンオキサイドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル系化合物、有機リン系化合物などの可塑剤、有機リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核剤、モンタン酸ワックス類、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸アルミ等の金属石鹸、エチレンジアミン・ステアリン酸・セバシン酸重縮合物、シリコーン系化合物などの離型剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤、発泡剤などを挙げることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量は、芳香族ポリエステルの特徴を十分に活かすため、芳香族ポリエステル(A)100重量部に対して10重量部以下が好ましく、1重量部以下がより好ましい。
銅化合物以外の熱安定剤としては、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナミド)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系化合物、リン系化合物、メルカプトベンゾイミダゾール系化合物、ジチオカルバミン酸系化合物、有機チオ酸系化合物などの硫黄系化合物、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなどのアミン系化合物などが挙げられる。これらを2種以上配合してもよい。
本発明の芳香族ポリエステル樹脂組成物の製造方法としては、特に制限はないが、溶融状態で混練する方法や、溶液状態で混合する方法等が挙げられる。相溶性向上の点から、溶融状態で混練する方法が好ましい。溶融状態で混練する溶融混練装置としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、四軸押出機などの多軸押出機、二軸単軸複合押出機などの押出機や、ニーダーなどが挙げられる。生産性の点から、連続的に製造可能な押出機が好ましく、混練性、反応性、生産性の向上の点から、二軸押出機がより好ましい。
以下、二軸押出機を用いて本発明の樹脂組成物を製造する場合を例に説明する。ポリロタキサン(B)の熱劣化を抑制し、靱性をより向上させる観点から、最高樹脂温度は、300℃以下が好ましい。一方、最高樹脂温度は、芳香族ポリエステル(A)の融点以上が好ましい。ここで、最高樹脂温度とは、押出機の複数ヶ所に均等に設置された樹脂温度計により測定した中で最も高い温度を指す。
また、樹脂組成物の押出量は、芳香族ポリエステル(A)およびポリロタキサン(B)の熱劣化をより抑制する観点から、スクリュー回転1rpm当たり0.01kg/h以上が好ましく、0.05kg/h以上がより好ましい。一方、芳香族ポリエステル(A)とポリロタキサン(B)樹脂の反応をより促進し、前述の海島湖構造をより容易に形成する観点から、スクリュー回転1rpm当たり1kg/h以下が好ましい。ここで、押出量とは、押出機から1時間あたりに吐出される樹脂組成物の重量(kg)を指す。
このようにして樹脂組成物は、通常公知の方法で成形することができ、シート、フィルムなどの各種成形品を得ることができる。成形方法としては、例えば、射出成形、射出圧縮成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、プレス成形などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物およびその成形品は、その優れた特性を活かし、自動車部品、電気・電子部品、建築部材、各種容器、日用品、生活雑貨および衛生用品など各種用途に利用することができる。とりわけ、靱性および剛性が要求される自動車外装部品や、自動車電装部品、自動車アンダーフード部品、自動車ギア部品、筐体やコネクタ、リフレクタなどの電気、電子部品用途に特に好ましく用いられる。具体的には、エンジンカバー、エアインテークパイプ、タイミングベルトカバー、インテークマニホールド、フィラーキャップ、スロットルボディ、クーリングファンなどの自動車エンジン周辺部品、クーリングファン、ラジエータータンクのトップおよびベース、シリンダーヘッドカバー、オイルパン、ブレーキ配管、燃料配管用チューブ、廃ガス系統部品などの自動車アンダーフード部品、ギア、アクチュエーター、ベアリングリテーナー、ベアリングケージ、チェーンガイド、チェーンテンショナなどの自動車ギア部品、シフトレバーブラケット、ステアリングロックブラケット、キーシリンダー、ドアインナーハンドル、ドアハンドルカウル、室内ミラーブラケット、エアコンスイッチ、インストルメンタルパネル、コンソールボックス、グローブボックス、ステアリングホイール、トリムなどの自動車内装部品、フロントフェンダー、リアフェンダー、フューエルリッド、ドアパネル、シリンダーヘッドカバー、ドアミラーステイ、テールゲートパネル、ライセンスガーニッシュ、ルーフレール、エンジンマウントブラケット、リアガーニッシュ、リアスポイラー、トランクリッド、ロッカーモール、モール、ランプハウジング、フロントグリル、マッドガード、サイドバンパーなどの自動車外装部品、エアインテークマニホールド、インタークーラーインレット、エキゾーストパイプカバー、インナーブッシュ、ベアリングリテーナー、エンジンマウント、エンジンヘッドカバー、リゾネーター、及びスロットルボディなどの吸排気系部品、チェーンカバー、サーモスタットハウジング、アウトレットパイプ、ラジエータータンク、オイルネーター、及びデリバリーパイプなどのエンジン冷却水系部品、コネクタやワイヤーハーネスコネクタ、モーター部品、ランプソケット、センサー車載スイッチ、コンビネーションスイッチなどの自動車電装部品、SMT対応のコネクタ、ソケット、カードコネクタ、ジャック、電源部品、スイッチ、センサー、コンデンサー座板、リレー、抵抗器、ヒューズホルダー、コイルボビン、ICやLED対応ハウジング、リフレクタなどの電気、電子部品を好適に挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。各実施例の樹脂組成物を得るため下記原料を用いた。
<芳香族ポリエステル>
(A−1):ポリブチレンテレフタレート樹脂 PBT1(東レ(株)製、融点223℃、重量平均分子量20.9万)。
(A−2):ポリブチレンテレフタレート樹脂 PBT2(東レ(株)製、融点221℃、重量平均分子23.6万)。
ここで、融点は、示差走査熱量計を用いて、不活性ガス雰囲気下、ポリブチレンテレフタレートを溶融状態から20℃/分の降温速度で30℃まで降温した後、20℃/分の昇温速度で融点+40℃まで昇温した場合に現れる吸熱ピークの温度とした。ただし、吸熱ピークが2つ以上検出される場合には、ピーク強度の最も大きい吸熱ピークの温度を融点とした。
<ポリロタキサン>
(B−1):ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアル(株)製“セルム”(登録商標)スーパーポリマーSH3400P)。直鎖分子であるポリエチレングリコールの数平均分子量は3.5万、全体の重量平均分子量は70万である。
(B−2):ポリロタキサン(アドバンスト・ソフトマテリアル(株)製“セルム”(登録商標)スーパーポリマーSH2400P)。直鎖分子であるポリエチレングリコールの数平均分子量は2万、全体の重量平均分子量は40万である。
(B−1)〜(B−3)において原料として用いた“セルム(登録商標)”スーパーポリマーはいずれも、環状分子がポリ(ε−カプロラクトン)からなるグラフト鎖により修飾されたα−シクロデキストリン、直鎖分子がポリエチレングリコール、ブロック基がアダマンタン基であるポリロタキサンである。
ここで、ポリロタキサンの重量平均分子量は、ヘキサフルオロイソプロパノールを溶媒とし、Shodex HFIP−806M(2本)+HFIP−LGをカラムとして用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定した、ポリメチルメタクリレート換算の値である。
<その他成分>
(C−1):グリシジルメタクリレート変性ポリエチレン共重合体(EGMA)(住友化学(株)製“ボンドファースト”(登録商標)BF−7L)。
<評価方法>
各実施例および比較例における評価方法を説明する。評価n数は、特に断らない限り、n=5とし平均値を求めた。
(1)相分離構造の形態および島相の平均直径
各実施例および比較例により得られたペレットを110℃で12時間減圧乾燥し、アルミシートスペーサーを用いて120μmの厚みになるよう設定した金型を用いて、加熱プレスすることにより、120μm厚の樹脂組成物のフィルムを作製した。本フィルムから一部を切り出し、ライカ製ウルトラミクロトーム(EM UC7)を用い、ダイヤモンドナイフにより約2mm×約1mmの断面観察用サンプルを作製した。作製したサンプルを、モルホロジーに十分なコントラストが付くよう、リンタングステン酸/オスミウムを用いて染色後、透過型電子顕微鏡((株)日立製作所製H−7100)により、加速電圧100kVとして、観察用サンプルの断面の相構造を観察し、相分離構造の形態を確認した。片方の成分を主成分とする相が粒子状に形成した島相と、もう片方の成分を主成分とする海相とが存在し、その海相の中に粒子が点在した構造を海島構造とし、島相の中にさらに粒子状構造を有する構造を海島湖構造とした。
前記海島構造を形成しているサンプルにつき、それぞれ島構造の平均直径を以下の方法で求めた。正方形の電子顕微鏡観察写真に島構造が50個以上100個未満存在するよう、適切な倍率に調整した。かかる倍率において、観察像に存在する島構造から無作為に50個の島構造を選択し、それぞれの島構造について長径と短径を測定した。長径と短径の平均値を各島構造の直径とし、測定した全ての島構造の直径の平均値を島構造の直径とした。
(2)伸度および弾性率
各実施例および比較例により得られたペレットを110℃で12時間減圧乾燥し、アルミシートスペーサーを用いて120μmの厚みになるよう設定した金型を用いて、加熱プレスすることにより、120μm厚の樹脂組成物のフィルムを作製した。得られたフィルムからダンベル型試験片(長さ50mm(有効測定長さ20mm)×端部幅12mm(有効測定幅5mm)×厚さ200μm)を作製し、引張特性評価サンプルとした。得られたサンプルについて、引張試験機(オリエンテック製テンシロンUTA−2.5T)を用いて、初期引張チャック間距離を25mmとし、引張速度を10mm/分として引張試験を行い、破断点伸度を測定した。なお、破断点伸度は、有効測定長さ20mmを基準とした伸度(%)とした。
(実施例1〜12、比較例1〜6)
ポリブチレンテレフタレートとポリロタキサンまたはグリシジルメタクリレート変性ポリエチレン共重合体を、表1に示す組成となるように配合して、プリブレンドし、シリンダー温度:240℃、スクリュー回転数:200rpmに設定した小型二軸混練機機(Haake製“ミニラボ”)へ供給し溶融混練した。押出されたガットをペレタイズした。得られたペレットを用いて前記方法により評価した結果を表1、2に示す。
Figure 2017179349
Figure 2017179349
実施例1〜12と比較例1〜3、5の比較から、ポリブチレンテレフタレートにポリロタキサンを特定量配合することで、剛性と靱性のバランスに優れた樹脂組成物を得ることができることがわかる。また、実施例2,4、12と比較例4、6を比較することで、ポリロタキサンの替わりにグリシジルメタクリレート変性ポリエチレン共重合体を添加すると、靱性は向上するが、剛性が低下することがわかる。さらに実施例1〜4から、ポリロタキサンの直鎖分子量および全体分子量によらず、同様の効果が得られることが分かる。また、実施例1、2、5、6と実施例9〜12からポリブチレンテレフタレートの重量平均分子量によらず、同様の効果が得られることが分かる。

Claims (4)

  1. 少なくとも芳香族ポリエステル(A)、およびポリエステルを含むグラフト鎖により環状分子が修飾されたポリロタキサン(B)を配合してなる樹脂組成物であって、前記芳香族ポリエステル(A)と前記ポリロタキサン(B)の合計100重量部に対して、前記芳香族ポリエステル(A)を90重量部以上99.9重量部以下、前記ポリロタキサン(B)を0.1重量部以上10重量部以下配合してなる樹脂組成物。
  2. 前記芳香族ポリエステル(A)を主成分とする海相、前記ポリロタキサン(B)を主成分とする島相を有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記島相の平均直径が10μm以下である請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物からなる成形品。
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