JP6991609B2 - 移動体呼び寄せシステム及び呼び寄せ装置並びに呼び寄せ装置用プログラム - Google Patents

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Description

この発明は、移動体呼び寄せシステム及びこのシステムを構成する呼び寄せ装置並びに呼び寄せ装置用プログラムに関する。
例えばタクシーを利用したいときに、近くにタクシー乗り場がなく、また、流しているタクシーも見当たらない場合に、できるだけ早く、確実にタクシーを呼べるサービスを提供できる配車システムが、最近、登場してきている。この種の配車システムとして、従来、主として配車管理サーバと、例えば高機能携帯電話端末(スマートフォン)などの顧客端末と、タクシーに搭載される車載装置とからなるものが提案され、実際の運用が開始されているものもある(例えば、特許文献1や非特許文献1、2参照)。
例えば非特許文献1、2のサービスの従来の配車システムにおいては、利用者は、配車管理サーバに事前に利用者登録及び利用料金の支払いのためのクレジットカード登録をしておくようにする。そして、配車管理サーバは、配下のタクシーから送られてくる現在位置情報を収集して、各タクシーの現在位置を常時管理するようにする。
登録した利用者は、タクシーを呼び寄せたいときには、例えば高機能携帯電話端末(スマートフォン)などの通信端末を用いて配車管理サーバにアクセスし、専用のアプリケーションにより、タクシーの配車依頼をする。このとき、利用者の通信端末からの配車依頼には、利用者の現在位置情報が含まれる。
利用者からの配車依頼を受けた配車管理サーバは、利用者の現在位置近傍で空き(顧客利用中でない)のタクシーを探して、配車するタクシーを決定する。そして、配車管理サーバは、配車するタクシーの運転手に対して、顧客の現在位置、顧客のスマートフォンの電話番号などを通知し、顧客のもとに向かうように指示する。また、配車管理サーバは、顧客に対して、配車されるタクシーの車種などの特徴、運転手の特徴などを通知する。顧客は、タクシーが自分の現在位置の近傍に到着したら、当該タクシーを確認して乗車することができる。
以上のような配車システムによるタクシー配車サービスによれば、利用者は、スマートフォンで配車管理サーバにタクシーの配車依頼をするだけで、迅速、かつ確実にタクシーを呼ぶことができる。
特開2014-29580号公報
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2014/901 http://linecorp.com/en/pr/news/en/2015/904
しかしながら、上述の従来の配車システムでは、配車管理サーバが、利用者とタクシーとの間の仲介制御を行って配車サービスを実行するようにする構成であるので、システムが複雑化すると共に、配車管理サーバにおいて、配車サービスのための操作するオペレータが必要になる場合がある。このため、タクシー乗り場や流しのタクシーを捕まえて利用する場合よりも、配車管理サーバによるサービス分だけ、料金が高額になってしまう恐れがある。
また、この種のシステムにおいては、一般に配車管理サーバがサービスをカバーするエリアが広く、空車であるタクシーが顧客の近くに存在しないときには、顧客の現在位置に到達するまでの時間が長くなってしまうという問題もある。
この発明は、利用者が、タクシーなどの移動体を呼び寄せる処理を行うために、上記のような配車管理サーバを不要とすると共に、常に、利用者から所定の範囲内の移動体のみを効率良く呼び寄せることができるようにした移動体呼び寄せシステムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、
所定のサービスを提供する呼び寄せ対象の移動体が備え、相手先と通信路を生成するための前記サービス毎に異なる第1の無線接続用情報が記憶されている第1の無線通信装置と、
前記サービス毎に異なる複数の前記第1の無線接続用情報を提供可能に保持するサーバ装置と、
前記サーバ装置から、前記複数の前記第1の無線接続用情報の中から選択された前記第1の無線接続用情報を取得して、相手先と通信路を生成するための第2の無線接続用情報として記憶する第2の無線通信装置を備える呼び寄せ装置とからなり、
前記第2の無線通信装置は、
前記第2の無線接続用情報を含む接続要求信号を送信する接続要求手段と、
前記接続要求信号に応じて、前記第2の無線接続用情報と一致する前記第1の無線接続用情報を含む応答信号を送信してきた前記第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する第2の通信路生成手段と、
を備え、
前記第1の無線通信装置は、
前記接続要求信号の受信を待ち受けする接続待機手段と、
受信した前記接続要求信号に含まれる前記第2の無線接続用情報と、前記第1の無線接続用情報との一致を検知したときに、前記第1の無線接続用情報を含む前記応答信号を前記第2の無線通信装置に送信し、前記第2の無線通信装置との間で前記通信路を生成する第1の通信路生成手段と、
を備え、
前記呼び寄せ装置は、前記通信路を通じて、前記移動体に、前記移動体が提供するサービスの提供を依頼する
ことを特徴とする移動体呼び寄せシステムを提供する。
上述の構成の移動体呼び寄せシステムにおいては、移動体の第1の無線通信装置と、呼び寄せ装置の第2の無線通信装置とには、予め、限られた所定の通信範囲において、相手先と通信路を生成するための第1の無線接続用情報と第2の無線接続用情報とがそれぞれ設定されている。このため、呼び寄せ装置の第2の無線通信装置から上記の第2の無線接続用情報を含む接続要求が発せられたときに、前記所定の通信範囲内に移動体が存在していて、その第1の無線通信装置が、当該接続要求に対して応答すると、無線接続用情報を送出した呼び寄せ装置の第2の無線通信装置と、応答した移動体の第1の無線通信装置との間で、直接的な通信路が生成される。
上述の構成の移動体呼び寄せシステムにおいては、移動体の第1の無線通信装置が記憶する第1の無線接続用情報は、移動体が提供するサービス毎に異なるものとされている。このサービス毎に異なる移動体用の第1の無線接続用情報は、サーバ装置が提供可能に保持している。
呼び寄せ装置の利用者は、サーバ装置から、利用したいサービスについての第1の無線接続用情報を取得し、取得した第1の無線接続用情報を、第2の無線接続用情報として記憶する。そして、呼び寄せ装置は、記憶している第2の無線接続用情報を含む接続要求信号を送信し、この接続要求信号に応じて、第2の無線接続用情報と一致する第1の無線接続用情報を含む応答信号を送信してきた移動体の第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する。呼び寄せ装置は、この生成した通信路を通じて、移動体に対して、当該移動体によるサービスの提供を依頼する。
したがって、呼び寄せ装置の利用者は、複数のサービスの中から選択した希望するサービスについての第1の第1の無線接続用情報を、第2の無線接続用情報として記憶することで、その希望するサービスを提供する移動体を呼び寄せて、そのサービス提供を依頼することができる。
そして、この発明の移動体呼び寄せシステムにおいては、呼び寄せ装置の第2の無線通信装置と移動体の第1の無線通信装置とが直接的な通信路で接続されて、呼び寄せ装置による移動体の呼び寄せができるので、冒頭で説明したような配信管理サーバなどの仲介は不要となり、サービスを実現するためのコストは低減される。
また、呼び寄せられる移動体は、常に、呼び寄せ装置の第2の無線通信装置の所定の通信範囲内に存在するものであるので、呼び寄せに応じて、呼び寄せ装置の利用者が移動体を待ち受ける位置までの移動距離は、高々、前記所定の通信範囲の最大値間の移動距離となり、待ち時間が過度に長くなるのを防ぐことが可能である。
この発明によれば、呼び寄せ装置の利用者は、複数のサービスの中から選択した希望するサービスを提供する移動体を呼び寄せて、そのサービス提供を依頼することができる。
この発明による移動体呼び寄せシステムを構成する呼び寄せ装置の例としてのスマートフォンに、移動体との直接的な通信路を接続するための接続用情報を設定する方法の一例を説明するための構成図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態における移動体と呼び寄せ装置との間の通信の流れの一例を説明するためのシーケンス図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態における移動体と呼び寄せ装置との間の呼び寄せ態様の一例を説明するための模式図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態における呼び寄せ装置の一例としてのスマートフォンのハードウエア構成例を示すブロック図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態における移動体が有する第1の無線通信装置の一例としてのタクシー用専用装置のハードウエア構成例を示すブロック図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態における呼び寄せ装置の一例としてのスマートフォンへの接続用情報の設定方法の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態における呼び寄せ装置の一例としてのスマートフォンの呼び寄せサービス起動時の処理動作の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態における第1の無線通信装置の一例としてのタクシー用専用装置の呼び寄せサービス起動時の処理動作の一例を説明するためのフローチャートを示す図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第2の実施形態における移動体が有する第1の無線通信装置の一例としての自動運転車の電子制御回路部のハードウエア構成例を示すブロック図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第2の実施形態における移動体が有する第1の無線通信装置の一例としての自動運転車の電子制御回路部の呼び寄せサービス起動時の処理動作の一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第2の実施形態における移動体が有する第1の無線通信装置の一例としての自動運転車の電子制御回路部の呼び寄せサービス起動時の処理動作の一例を説明するためのフローチャートの一部を示す図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第3の実施形態を説明する他の図である。 この発明による移動体呼び寄せシステムの第3の実施形態を説明する他の図である。
[第1の実施形態]
以下、この発明による移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態を、図を参照しながら説明する。以下に説明する移動体呼び寄せシステムの第1の実施形態は、移動体はタクシーであると共に、呼び寄せ装置は利用者が携帯して持ち歩く携帯電話端末の構成とされた場合であり、利用者に提供されるサービスを、以下タクシー呼び寄せサービスと称する。そして、所定の通信規格の通信方式としては、この例では、IEEE802.11規格のWi-Fi(登録商標:Wireless Fidelity)による無線LAN通信を利用する。
この第1の実施形態の移動体呼び寄せシステムにおいては、移動体の例としてのタクシーには、第1の通信装置が搭載されると共に、当該第1の通信装置には上記の条件を満足する無線LANアダプタの機能が設けられている。また、利用者の呼び寄せ装置の例としての携帯電話端末、この実施形態では、高機能携帯電話端末(以下、スマートフォン)にも、第2の通信装置として上記の条件を満足する無線LANアダプタの機能が設けられている。
そして、この実施形態では、特に呼び寄せ装置と移動体との間の無線LANの通信形態としては、アクセスポイントを介さずに通信を直接的な通信路を通じて行うアドホック・モードの通信(以下、アドホック通信という)を用いるようにしている。なお、この実施形態のアドホック通信の通信範囲は、例えば300mとされる。ただし、この通信範囲は一例であり、この種の無線LANの進化は早く、半径2.4kmをカバーできる無線LAN用アクセスポイントも既に発売されていることを考慮すると、技術の進化により、アドホック通信の通信範囲は、1~2kmとすることができると期待される。
移動体の第1の通信装置の無線LANアダプタと、呼び寄せ装置の第2の通信装置の無線LANアダプタとの間でアドホック通信させるためには、無線LANアダプタに設定する無線接続用情報(以下、接続用情報と略称する)としてのネットワーク識別子を、両無線LANアダプタで一致させておく必要がある。IEEE802.11規格の無線LANにおいては、ネットワーク識別子は、SSID(Service Set Identifier)やESSID(Extended Service Set Identifier)と呼ばれている。この実施形態では、ESSIDを用いるが、それに限定されるものではないことは勿論である。
また、無線LANシステムにおいては、セキュリティ確保のために、通信データには暗号化を施すようにしており、この暗号化キーも予め前記ネットワーク識別子のESSIDに加えて設定するようにしている。IEEE802.11規格の無線LANにおいては、暗号化プロトコルには、例えばWEP(Wired Equivalent Privacy)方式が用いられる。これは、暗号化と復号化とに同じ鍵(暗号化キー)を用いる秘密鍵暗号方式(共通鍵暗号方式とも呼ばれる)である。以下の説明においては、WEP方式に用いる暗号化キーをWEPキーと称する。なお、暗号化プロトコルは、秘密鍵暗号方式に限らず、公開鍵暗号方式であってもよい。
なお、IEEE802.11規格の無線LANにおいては、WEP方式のセキュリティを強化した方式として、WPA(Wi-Fi(登録商標) Protected Access)方式、そしてWPAをさらに強化したWPA2(Wi-Fi(登録商標) Protected Access 2)方式も利用されている。WPA方式やWPA2方式では、暗号化プロトコルとして、TKIP(Temporary Key Integrity Protocol)やCCMP(Counter Mode with Cipher Block Chaining Message Authentication Code Protocol)が採用されている。CCMPは128ビットのブロック暗号AES(Advanced Encryption Standard)である。この実施形態では、WEP方式を例にしているが、WPA方式やWPA2方式でもよいし、他の方式でもよいことは勿論である。
この実施形態においては、アドホック通信のための接続用情報としては、ESSIDとWEPキーとが用いられ、移動体及び呼び寄せ装置の両者に設定されているESSIDとWEPキーの相互認証がなされることで、両者の間でセキュリティを確保したアドホック通信が可能となる。
この実施形態では、アドホック通信のための接続用情報は、移動体及び呼び寄せ装置に、仲介業者から有償または無償で供与される。タクシー呼び寄せサービスを例えばタクシー会社が行う場合には、当該タクシー会社が仲介業者を兼用することができる。また、個人タクシーの事業者や、1または複数のタクシー会社が共同で組合や会社として仲介業者を設立運用するようにしてもよい。さらには、この仲介業者は、タクシー呼び寄せサービスを実行するためのアドホック通信用の接続用情報を、移動体としてのタクシーと、利用者に供与するサービスを専門に行う業者とすることもできる。
この実施形態では、仲介業者は、図1に示すように、インターネットなどの通信ネットワーク2に接続されているタクシーアドホック通信設定サーバ1(以下、簡単のためサーバ1という)を管理運用する。サーバ1には、タクシーとのアドホック通信を行うための接続用情報として、所定のESSIDとWEPキーとが格納されている。
タクシー呼び寄せサービスの提供を受けたい利用者は、自分が所持する呼び寄せ装置の例としてのスマートフォン3から、通信ネットワーク2を通じてサーバ1にアクセスして、タクシー呼び寄せサービスの利用依頼をする。
サーバ1は、このスマートフォン3からのタクシー呼び寄せサービスの利用依頼を受け付けると、スマートフォン3がIEEE802.11規格の無線LAN機能が搭載されていることを、当該スマートフォン3の通信事業者名、メーカー(製造会社)名、機種名、または型番などを利用者から受けることで確認した後、タクシー呼び寄せサービスのためのアプリケーションプログラム及びタクシーとのアドホック通信を行うための接続用情報(この例では所定のESSIDとWEPキー)を、アドホック通信用情報として、スマートフォン3に送る。
スマートフォン3では、サーバ1から受け取ったアプリケーションプログラムをインストールすると共に、受け取ったアドホック通信を行うための接続用情報(この例では所定のESSIDとWEPキー)を、自端末の無線LAN機能部に対して設定する。なお、この接続用情報の設定は、この実施形態では、サーバ1から受け取ってインストールしたアプリケーションプログラムにより実行されるが、スマートフォン3の利用者が、サーバ1から受け取った接続用情報を用いて自ら自端末の無線LAN機能部に対して設定するようにしてもよい。
そして、この実施形態では、個人タクシーの事業者や、1または複数のタクシー会社には、上述したアドホック通信のための所定のESSID及びWEPキーが設定された無線LANアダプタを備えると共に、タクシー呼び寄せサービスを行うためのアプリケーションプログラムが格納されているタクシー用専用装置が、必要な数だけ、供与される。個人タクシーの事業者や、タクシー会社は、それぞれタクシー呼び寄せサービスを実行するタクシー車両に、そのタクシー用専用装置を、第1の通信装置として搭載させる。
なお、タクシー用専用装置には、予めアドホック通信のための所定のESSID及びWEPキーを設定するようにしたが、タクシーに搭載した後、当該タクシー用専用装置からサーバ1にアクセスして、サーバ1からアドホック通信のための所定のESSID及びWEPキーを取得して、設定するようにしても勿論よい。
以上のようにしてタクシーアドホック通信設定サーバ1から必要な情報の提供を受けたスマートフォン3と、タクシー用専用装置を搭載したタクシーとの間で通信が行われることにより実行されるタクシー呼び寄せサービスの流れを、図2のシーケンス図及び図3の模式図を参照しながら説明する。
スマートフォン3の利用者は、タクシーを呼び寄せたい場合には、タクシー呼び寄せサービス用のアドホック通信のアプリケーションを呼び出して、タクシー呼び寄せサービスの開始を指示する。
すると、図2に示すように、スマートフォン3は、アドホック通信オンの状態となり、図3において点線4で示すように、当該スマートフォン3を所持する利用者を中心とした所定の通信範囲(この例では、半径300mの範囲)に対して、前述した所定のESSID及びWEPキーを接続用情報として含むアドホック通信の接続要求を送出する。
図3において点線4で示す範囲内に存在するタクシー5Aの前述したタクシー用専用装置6は、接続要求に含まれる接続用情報をチェックして、自装置の接続用情報と一致する接続用情報であることを確認すると、図2に示すように、タクシー用専用装置6は、前述した所定のESSID及びWEPキーを接続用情報として含む応答情報を、スマートフォン3に返す。
スマートフォン3は、このタクシー用専用装置6からの応答情報に含まれる接続用情報をチェックして、自装置の接続用情報と一致する接続用情報であることを確認する。そして、以上の相互確認認証により、スマートフォン3とタクシー5Aのタクシー用専用装置6との間で直接的なアドホック通信路が生成され、相互にアドホック通信が可能となる。この場合において、複数のタクシー用専用装置6が、点線4で示す範囲内に存在している場合には、スマートフォン3が最も早く応答情報を受信したタクシー用専用装置6との間でアドホック通信路を生成する。なお、図3に示すように、点線4で示す範囲外に存在するタクシー5Bに搭載されているタクシー用専用装置6は、スマートフォン3からの接続要求が到達しないために、スマートフォン3とはアドホック通信路を形成することはできない。
以上のようにしてアドホック通信路が生成されると、この実施形態では、スマートフォン3からは、タクシーを待ち受ける場所(待ち受け場所)の位置情報として、この例では現在位置情報を含むタクシー呼び寄せ要求を、タクシー5Aのタクシー用専用装置6に送る。タクシー5Aのタクシー用専用装置6は、表示画面に表示されている地図上に、自車の位置と共に、受け取った現在位置情報(利用者の待ち受け場所の位置情報)に基づいて、スマートフォン3の位置を表示する。したがって、この実施形態では、タクシー5Aの運転手は、表示画面の地図上で、タクシーの呼び寄せ要求をしている利用者の位置を確認することができる。
タクシー運転手は、この表示画面に表示されている利用者(顧客)の待ち受け場所(この例では利用者の現在位置)を確認して、タクシー呼び寄せ要求に応答するかどうか判断し、応答すると判断したときには、応答の確認ボタンを操作する。すると、タクシー用専用装置6では、相手からのタクシー呼び寄せ要求に対する応答メッセージ(以下、タクシー呼び寄せ応答メッセージという)を生成して、相手であるスマートフォン3に送る。スマートフォン3では、受け取ったタクシー呼び寄せ応答メッセージを、その表示画面に表示する。利用者は、この表示画面のメッセージにより、タクシーの応答を確認する。
そして、この実施形態では、タクシー用専用装置6は、タクシー5Aの運転手が必要に応じてスマートフォン3の利用者とハンズフリー通話をすることができるように構成されており、通話の必要があると判断した運転手は、タクシー用専用装置6において、ハンズフリー通話ボタンの操作をする。すると、図2に示すように、タクシー用専用装置6は、アドホック通信路を通じて通話要求をスマートフォン3に送る。この通話要求を受け取ったスマートフォン3の利用者が、その応答操作をすると、タクシー用専用装置6とスマートフォン3との間では、アドホック通信路を通じて通話がなされる。
なお、利用者がスマートフォン3のアドホック通信路を通じて通話要求をすることで、タクシー用専用装置6とスマートフォン3との間のアドホック通信路を通じてタクシー運転手と通話ができるように構成しても勿論よい。
また、通話自体は、アドホック通信路ではなく、携帯電話網を利用してもよい。この場合、タクシー5A据付のスマートフォンなどの携帯端末またはタクシー運転手の利用するスマートフォンなどの携帯端末の携帯電話番号とスマートフォン3の携帯電話番号のどちらか、または両方が、通話の事前に、アドホック通信路を通じて送受される。
なお、携帯電話網を用いる場合、通話のみならず、電子メール、LINEなどの通信アプリケーションを用いて、情報の授受が可能である。通話もハンズフリー通話である必要はないが、その場合、タクシー5Aの走行を検出し、走行中の通話に対して、通話を禁止にしたり、アラームが鳴るなどして抑止するようにした方がよい。
その後、スマートフォン3の利用者あるいはタクシー用専用装置6の運転手のいずれか(図2の例では、スマートフォン3の利用者)が切断操作をすると、アドホック通信路の切断要求が相手側に送られ、相手側からの応答を待って、アドホック通信路が切断される。
その後、タクシー用専用装置6を通じてスマートフォン3から、タクシー呼び寄せ要求を受け取ったタクシー5Aの運転手は、表示画面の地図上に表示されているスマートフォン3の利用者がタクシーの待ち受け場所である利用者の現在位置までタクシー5Aを移動させる。この際に、タクシー運転手は、スマートフォン3の利用者の待ち受け場所までの経路が不明の場合には、タクシー用専用装置6に搭載されているカーナビ機能部を用いて、経路探索し、その案内ガイドに従ってスマートフォン3の利用者のところまで移動するようにする。
次に、以上のようなタクシー呼び寄せサービスを実現するスマートフォン3及びタクシー用専用装置6の構成例、さらには、それぞれの動作について説明する。
[スマートフォン3の構成例]
図4は、スマートフォン3のハードウエア構成例を示すブロック図である。すなわち、スマートフォン3は、制御部301に対して、システムバス300を介して、携帯電話通信部302、通話回路部303、メモリ304、表示部305、操作入力部306、現在位置検出部307、無線LAN通信部308、送受信処理部309のそれぞれが接続されて構成されている。
制御部301は、スマートフォン3の全体を制御するためのもので、コンピュータ(マイクロプロセッサ)で構成されている。携帯電話通信部302は、携帯電話の基地局と無線接続して、携帯電話網を通じて通信を行うためのものである。
通話回路部303には、受話器としてのスピーカ311が接続されると共に、送話器としてのマイクロフォン312が接続されている。
メモリ304には、スマートフォン3用の各種アプリケーションプログラムが格納されていると共に、それらのアプリケーションプログラムを実行するためのデータも格納されている。この実施形態では、メモリ304には、前述したサーバ1から取得するタクシー呼び寄せサービスのためのアプリケーションプログラム及びタクシーとのアドホック通信を行うための接続用情報(この例では所定のESSIDとWEPキー)を、アドホック通信用情報として記憶する。また、メモリ304には、携帯電話端末としての電話帳データや、インターネットを通じてお気に入りなどの所定のwebサイトにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)等も格納されている。
表示部305は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)からなる。この表示部305を構成するLCDに重畳して、タッチパネルが設けられて、操作入力部306が構成される。操作入力部306は、使用者により、表示部305の表示画面に表示されるアイコンボタンなどが操作されたときに、その操作情報をシステムバス300を通じて制御部301に伝達する。制御部301は、表示画面に表示されているアイコンボタンのいずれが、操作されたかを検知することで、使用者による操作入力部306を通じた操作入力を検知する。
現在位置検出部307は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波や携帯電話の基地局からの情報を受信して、スマートフォン3の現在位置を検知し、その検知した現在位置のデータ(緯度、経度、高さのデータ)を、制御部301に転送する。制御部301は、後述するように、必要に応じて、取得した現在位置のデータを、呼び寄せ対象の移動体(この例ではタクシー)の待ち受け場所の位置情報として、所定の相手先に送信したりするようにする。
無線LAN通信部308は、この例では、IEEE802.11規格の無線LAN機能の通信部とされている。送受信処理部309は、この実施形態では、携帯電話通信部302で送受信する通話音声以外のデータについての送受信時の処理機能と、無線LAN通信部308で送受信するデータの送受信時の処理機能とを備えている。送受信処理部309は、送信時には送信データを生成する機能を実行し、受信時には受信データを解析して制御部301の制御に応じた各部に転送したりする機能を実行する。
[タクシー用専用装置6のハードウエア構成例]
図5は、タクシー用専用装置6のハードウエア構成例を示すブロック図である。すなわち、タクシー用専用装置6は、制御部601に対して、システムバス600を介して、無線LAN通信部602、送受信処理部603、ハンズフリー通話処理部604、カーナビゲーション(以下、カーナビと略称する)機能部605、現在位置検出部606、メモリ607、表示部608、操作入力部609、のそれぞれが接続されて構成されている。
制御部601は、タクシー用専用装置6の全体を制御するためのもので、コンピュータ(マイクロプロセッサ)で構成されている。
無線LAN通信部602は、この例では、IEEE802.11規格の無線LAN機能の通信部とされている。送受信処理部603は、無線LAN通信部602で送受信するデータの送受信時の処理機能を備えており、送信時には送信データを生成する機能を実行し、受信時には受信データを解析して制御部601の制御に応じた各部に転送したりする機能を実行する。
ハンズフリー通話処理部604は、無線LAN通信部602でスマートフォン3などの相手先との間で生成されたアドホック通信路を通じて通話を行う際に、安全のために運転者が送話器や受話器を手に取ることなく通話ができるようにするための処理部で、これには受話器としてのスピーカ611が接続されていると共に、送話器としてのマイクロフォン612が接続されている。
カーナビ機能部605は、国内の地図(世界の地図であってもよい)及び経路案内データが、予め格納されているカーナビ用データベースを備え、このカーナビ用データベースに記憶されている地図や、経路案内データに基づいて、タクシー5が、タクシー呼び寄せサービスの要求をした顧客の現在位置などの指定された位置を目的地として移動するのを補助するように案内するための機能部である。
すなわち、カーナビ機能部605は、表示部608の表示画面上において、目的地までの経路(ルート)を明示的に表示する地図上に、現在位置検出部606で検出確認されている自車位置を重畳表示した画像を表示すると共に、自車の移動に伴い、地図上の自車位置(現在位置)を移動させ、かつ、ルート上の交差点や分岐点など、経路案内が必要な箇所で音声案内をするようにする。なお、目的地としてのタクシー呼び寄せサービスの要求をした顧客の待ち受け場所の位置は、この実施形態では、後述するように、顧客のスマートフォン3とのアドホック通信路を通じた通信により、スマートフォン3から自動的に取得して設定される。
また、この例では、カーナビ機能部605は、自車の現在位置から、タクシー呼び寄せサービスの要求をした顧客の待ち受け位置までの移動距離や移動するのに要する時間(顧客のタクシー待ち時間)を計算する機能を備えている。そして、この例のタクシー用専用装置6に格納されているタクシー呼び寄せサービスのためのアプリケーションプログラムは、タクシー呼び寄せ要求に対する応答メッセージに、カーナビ機能部605が計算した顧客のタクシー待ち時間を含めるように構成されている。もちろん、移動距離を含めるように構成してもよい。なお、迎車料金をチャージする場合は、迎車料金を計算する機能を備え、タクシー呼び寄せ要求に対する応答メッセージに、迎車料金を含めるように構成する。
現在位置検出部606は、GPS衛星からの電波からの情報を受信して、自車(タクシー5)の現在位置を検知し、その検知した現在位置のデータ(緯度、経度、高さのデータ)を、制御部601に転送する。制御部601は、取得した現在位置のデータに基づいて、表示部608の表示画面に表示されている地図上に、自車位置を表示するようにする。
メモリ607には、タクシー用専用装置6の各種アプリケーションプログラムが格納されていると共に、それらのアプリケーションプログラムを実行するためのデータも格納されている。この実施形態では、メモリ607には、タクシー呼び寄せサービスにおけるタクシー側での処理のためのアプリケーションプログラム及び呼び寄せ装置の例としてのスマートフォン3とのアドホック通信を行うための接続用情報(この例では所定のESSIDとWEPキー)を記憶する。
表示部608は、例えばLCDからなる。この表示部608を構成するLCDに重畳して、タッチパネルが設けられて、操作入力部609が構成される。操作入力部609は、使用者(運転手)により、表示部608の表示画面に表示されるアイコンボタンなどが操作されたときに、その操作情報をシステムバス600を通じて制御部601に伝達する。制御部601は、表示画面に表示されているアイコンボタンのいずれが、操作されたかを検知することで、使用者による操作入力部609を通じた操作入力を検知する。
[スマートフォン3におけるサーバ1へのサービス享受のための登録]
前述したように、呼び寄せ装置の例としてのスマートフォン3は、サーバ1にアクセスして、タクシー呼び寄せサービス享受のための登録を行うことで、タクシーアドホック通信のためのアプリケーションプログラム及び接続用情報を取得するようにする。図6は、スマートフォン3におけるタクシー呼び寄せサービス享受のための登録処理時の動作の流れを説明するためのフローチャートである。このフローチャートの各ステップの処理は、制御部301の制御に基づいて、必要な各部が連携することで実行される。
先ず、制御部301は、携帯電話通信部302あるいは無線LAN通信部308を用いて、インターネットを通じてサーバ1にアクセスして、サーバ1に接続する(ステップS101)。次に、制御部301は、サーバ1に、タクシー呼び寄せサービスの利用依頼を送る(ステップS102)。
サーバ1は、この利用依頼に対して、当該利用依頼をしてきた利用者の個人認証のための個人情報、例えば氏名、年齢、生年月日、住所、連絡先電話番号などを、会員情報として要求する。この会員情報の要求は、例えばタクシーを呼ぶだけで利用しないなどの悪意のサービス利用者をできるだけ排除するようにすることを企図したものであり、この実施形態のサービスシステムの必須要件ではなく、省略するようにしてもよい。
ただし、この実施形態では、後述するように、アドホック通信路を通じて、スマートフォン3からタクシー呼び寄せ要求を送る際には、当該タクシー呼び寄せ要求には、スマートフォン3の現在位置情報に加えて、サーバ1に登録した利用者の氏名や年齢や生年月日の個人情報を含めて送るようにしている。この個人情報は、タクシー用専用装置6の表示画面に表示されて、利用者がタクシー5に乗車しようとする際の確認情報として、タクシー運転手が利用することができる。
スマートフォン3では、このサーバ1からの会員情報の要求を表示画面を通じて利用者に通知し、利用者が入力した個人情報を会員情報としてサーバ1に送る(ステップS103)。
この例では、サーバ1は、この会員情報を受け取ると、タクシー呼び寄せサービスの、利用者用のアプリケーションプログラムを、サービス利用依頼してきた利用者のスマートフォン3に送る。スマートフォン3は、このアプリケーションプログラムをサーバ1から受信して、メモリ304に格納し、スマートフォン3にインストールする(ステップS104)。このとき、タクシー呼び寄せサービスのアイコンを併せて作成してスマートフォン3のアプリケーションメニューに含めるようにする。
次に、サーバ1からは、タクシー呼び寄せサービスにおいて必要となるアドホック通信路の生成のための接続用情報(ESSIDとWEPキー)とが送られてくるので、制御部301は、その接続用情報を受信して、メモリ304に、タクシー呼び寄せサービスのアプリケーションプログラムと対応付けて記憶する(ステップS105)。
その後、制御部301は、サーバ1との接続を切断して(ステップS106)、この登録処理を終了する。
以上のようにして、利用者は、自分のスマートフォン3からサーバ1にアクセスし、タクシー呼び寄せサービスのためのアプリケーションプログラムと、アドホック通信路の生成用の接続用情報を取得することで、タクシー用専用装置6を搭載しているタクシー5を呼び寄せて利用することができるようになる。
[タクシー呼び寄せサービスの処理の流れの例]
図2のシーケンス例を参照して説明したタクシー呼び寄せサービスが実行される場合におけるスマートフォン3及びタクシー用専用装置6のそれぞれにおける処理動作について、以下に説明する。
<スマートフォン3におけるタクシー呼び寄せサービス時の処理の流れ>
図7は、スマートフォン3におけるタクシー呼び寄せサービス時の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、スマートフォン3において、利用者により、アプリケーションメニューにおいてタクシー呼び寄せサービスのアイコンがクリックされて起動されることにより開始する。
制御部301は、まず、メモリ304からアドホック通信のための接続用情報を読み出して、無線LAN通信部308によりアドホック通信を行う相手をサーチするように、接続要求を送出する(ステップS111)。
この接続要求に対しては、前述したように、接続要求に含まれる接続用情報と同一の接続用情報が設定されているタクシー用専用装置6を搭載するタクシー5が、無線LAN通信部308の通信範囲内に存在する場合には、当該タクシー用専用装置6から接続応答情報が送られてくる。
そこで、制御部301は、接続応答情報を受信したか否か判別する(ステップS112)。このステップS112で、接続応答情報を受信してはいないと判別したときには、制御部301は、利用者によりサービス享受の断念操作がなされたか否か判別し(ステップS113)、断念操作されていないと判別したときには、処理をステップS111に戻して、相手サーチを継続し、断念操作がなされたと判別したときには、タクシー呼び寄せサービスのアプリケーションプログラムを終了する。
また、ステップS112で、接続応答情報を受信したと判別したときには、制御部301は、受信した接続応答情報に含まれる接続用情報を確認して、自端末の接続用情報と一致していることを確認した上で、接続応答情報を送ってきた相手との間に直接的な通信路であるアドホック通信路を生成する(ステップS114)。
次に、制御部301は、生成したアドホック通信路を通じて相手に、現在位置検出部307で検出した自端末の現在位置情報を、待ち受け場所の位置情報として含むと共に、サーバ1に登録した個人情報を含むタクシー呼び寄せ要求を送る(ステップS115)。そして、制御部301は、相手からの当該タクシー呼び寄せ要求に対するタクシー呼び寄せ応答メッセージを受信したか否か判別する(ステップS116)。
このステップS116で、タクシー呼び寄せ応答メッセージを受信してはいないと判別したときには、制御部301は、利用者によりサービス享受の断念操作がなされたか否か判別し(ステップS117)、断念操作がなされていないと判別したときには、処理をステップS116に戻して、タクシー呼び寄せ応答メッセージの受信を監視する。そして、ステップS117で、利用者によりサービス享受の断念操作がなされたと判別したときには、制御部301は、タクシー呼び寄せサービスのアプリケーションプログラムを終了する。この場合、アプリケーションプログラムを終了せず、処理をステップS111に戻して、別のアドホック通信の相手をサーチするようにしてもよい。
ステップS116で、タクシー呼び寄せ応答メッセージを受信したと判別したときには、制御部301は、表示部305の表示画面に当該タクシー呼び寄せ応答メッセージを表示する(ステップS118)。前述したように、タクシー呼び寄せ応答メッセージには、顧客待ち時間の情報も含まれているので、この表示により、スマートフォン3の利用者は、タクシー運転手と通話をしなくても、タクシー呼び寄せ要求に応じて待ち受け場所である現在位置に来てくれるタクシーがあること、及び、その到着までの時間をおおよそ知ることができる。もちろん、前述したように、来てくれるタクシーの現在位置までの移動距離や、迎車料金の有無、有りの場合の迎車料金を知ることもできる。
次に、制御部301は、相手(タクシー運転者)からの通話要求を受信したか否か判別する(ステップS119)。このステップS119で通話要求を受信したと判別したときには、制御部301は、相手との通話の処理を行う(ステップS120)。この通話において、利用者は、来てくれるタクシーの車種や車体色、年式や車両型式(型式)、走行距離、排気量、最高速度などの性能、大型・中型・小型の種別、乗車可能人数、ナンバープレートの表示などの特徴や、タクシー運転手の国籍や性別、年齢、眼鏡着用の有無、タクシー乗務年数などの特徴をタクシー運転手から聴取することができ、また、タクシー運転手は、顧客が待機している場所を特定するために有益な周辺の建物などの情報や、顧客は一人かグループか、グループの場合は、その人数と人数構成、また、顧客の性別、体型、髪の長さ、眼鏡着用の有無、服装、持ち物などの、顧客を視認するための情報を聴取することができる。さらに、顧客が障碍者であるか否か、車椅子の利用の有無の情報を聴取することができる。
なお、タクシーの特徴やタクシー運転手の特徴を、タクシー呼び寄せ応答メッセージに含ませるようにしてもよい。その場合、利用者は、タクシーの特徴やタクシー運転手の特徴を、ステップS120の通話処理でタクシー運転手から聴取しなくても、タクシー呼び寄せ応答メッセージを受信することで入手できる。また、利用者は自らの特徴を、タクシー呼び寄せ要求に含ませるようにしてもよい。その場合、タクシー運転手は、顧客(利用者)の特徴を、ステップS120の通話処理で顧客から聴取しなくても、タクシー呼び寄せ要求を受信することで入手できる。なお、利用者が自らの特徴を、タクシー呼び寄せ要求に含ませる方法として、スマートフォン3のタクシー呼び寄せサービスのアプリケーションプログラムを利用して、利用者の特徴を選択用のアイコンや、文字入力、音声入力などで入力できるように構成することができる。
なお、利用者は、タクシーの特徴やタクシー運転手の特徴などにより当該タクシーの乗車が不適当と判断した場合は、通話処理で当該タクシーを利用しないことを通知することができる。また、通話処理ではなく、利用者が再応答メッセージとして送信することもできる。再応答メッセージは、スマートフォン3のタクシー呼び寄せサービスのアプリケーションプログラムを利用して、「利用する」、「利用しない」、「〇人乗車する」などのメッセージを選択用のアイコンや、文字入力、音声入力などで入力できるように構成することができる。もちろん、利用者の特徴を再応答メッセージで送信するようにしてもよい。
もちろん、利用者はタクシー呼び寄せ要求に、呼び寄せるタクシーへのリクエストを含ませることができる。リクエストは、上述したタクシーの特徴やタクシー運転手の特徴に限定されることなく、例えば、法人タクシーか個人タクシーか、贔屓にしている法人タクシーがあるならそのタクシー会社名、タクシー料金の支払方法(現金、クレジットカード、電子マネー他)、タクシーチケットの利用などをタクシー呼び寄せ要求に含ませるようにしてもよい。これによって、利用者は自分の気に入っているタクシー会社や、好みの車種や車体色のタクシーや、乗務年数20年以上のベテランの個人タクシー運転手など、各種特徴をリクエストでき、当該リクエストに従って、呼び寄せるタクシーを選択的に探すことができ、また、支払方法も選ぶことができる。
このステップS120の通話処理に次には、制御部301は、利用者による切断操作の入力を検知したか、あるいは、相手からの切断要求を受けたかによりアドホック通信路を切断するか否か判別し(ステップS121)、切断しないと判別したときには、処理をステップS120に戻して、通話を継続する。ステップS121で切断すると判別したときには、制御部301は、アドホック通信路を切断処理して(ステップS123)、この処理ルーチンを終了する。
なお、利用者がグループを構成し、その構成人数が多く(例えば7人)、1台の利用で足りない場合は、当該タクシーとのアドホック通信路の切断処理を完了した後、あらためてステップS111からの処理を行う。つまり、無線LAN通信部308によりアドホック通信を行う他のタクシーをサーチするように接続要求を送出するようにする。
また、ステップS119で通話要求を受信してはいないと判別したときには、制御部301は、利用者による切断操作の入力を検知したか、あるいは、相手からの切断要求を受けたか否かによりアドホック通信路を切断するか否か判別し(ステップS122)、切断しないと判別したときには、処理をステップS119に戻して、通話要求を受信したか否か判別する。ステップS122で切断すると判別したときには、制御部301は、アドホック通信路を切断処理して(ステップS123)、この処理ルーチンを終了する。
<タクシー用専用装置6におけるタクシー呼び寄せサービス時の処理の流れの例>
図8は、タクシー用専用装置6におけるタクシー呼び寄せサービス時の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、タクシー用専用装置6に電源が投入されているときには、常に実行される。
制御部601は、呼び寄せ装置の例としてのスマートフォン3から、自装置に記憶されている接続用情報と一致する接続用情報を含む接続要求の受信を常時監視し(ステップS131)、当該接続要求を受信したと判別したときには、自装置に記憶されている接続用情報を含めた接続応答情報を、接続要求をしてきた相手に送出する(ステップS132)。そして、当該相手装置(スマートフォン3)との間に直接的なアドホック通信路を生成する(ステップS133)。
次に、制御部601は、生成したアドホック通信路を通じて送られてくる相手装置からのタクシー呼び寄せ要求を受信し、当該タクシー呼び寄せ要求に含まれる相手(顧客)の待ち受け場所の位置情報(この例では利用者の現在位置の位置情報)及び個人情報を抽出して、相手の待ち受け場所の位置を、表示部608の表示画面に表示されている地図上に表示すると共に、受信した相手の個人情報、例えば氏名や年齢などを表示画面に表示する(ステップS134)。
タクシー運転手は、この表示部608の表示画面に表示されている相手(実際は相手装置)の待ち受け場所の位置を確認して、タクシー呼び寄せ要求に応答するかどうか判断し、応答すると判断したときには、応答の確認ボタンを操作(タップ操作等)し、応答しないと判断したときには、何の操作も行わない、あるいは生成したアドホック通信路を切断する操作をする。
そこで、制御部601は、タクシー運転手により応答の確認ボタンが操作されたか否か判別し(ステップS135)、確認ボタンが操作されていないと判別したときには、タクシー運転手による切断操作の入力を検知したか、あるいは、相手からの切断要求を受けたか否かによりアドホック通信路を切断するか否か判別し(ステップS136)、切断しないと判別したときには、処理をステップS135に戻して、確認ボタンが操作されたか否かを判別する。ステップS136で切断すると判別したときには、制御部601は、アドホック通信路を切断処理して(ステップS142)、処理をステップS131に戻し、このステップS131以降の処理を繰り返す。
ステップS135で、タクシー運転手により応答の確認ボタンが操作されたと判別したときには、制御部601は、タクシー呼び寄せ応答メッセージを生成して、アドホック通信路を通じて相手に送信する(ステップS137)。このとき、タクシー呼び寄せ応答メッセージには、前述したように、カーナビ機能部605で計算したタクシー5の現在位置から相手(顧客)の現在位置にまで移動するのに要する時間が含められる。
次に、制御部601は、タクシー運転手により通話ボタンが操作されたか否か判別する(ステップS138)。このステップS138で、通話ボタンが操作されていないと判別したときには、タクシー運転手による切断操作の入力を検知したか、あるいは、相手からの切断要求を受けたか否かによりアドホック通信路を切断するか否か判別し(ステップS139)、切断しないと判別したときには、処理をステップS138に戻して、通話ボタンが操作されたか否かを判別する。ステップS139で切断すると判別したときには、制御部601は、アドホック通信路を切断処理して(ステップS142)、処理をステップS131に戻し、このステップS131以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS138で、タクシー運転手により通話ボタンが操作されたと判別したときには、制御部601は、アドホック通信路を通じて通話要求を相手(顧客)に送り、顧客との間でのハンズフリー通話を行う(ステップS140)。
なお、ハンズフリー通話で、利用者(顧客)の人数や、車椅子の利用の有無などの利用者の特徴や待ち受け場所により、タクシー運転手は、受け入れ可能か否かを判断し、利用者に対して、当該タクシーが利用できるか、できないかを通知することができる。また、この情報が、タクシー呼び寄せ応答メッセージに含まれている場合は、ステップS135の確認ボタンの操作で対応することができる。また、この情報が、再応答メッセージに含まれている場合は、図示は省略するが、再応答メッセージに対して、利用OK/利用NGなどの判断をするようにしてもよい。なお、利用者(顧客)がグループで人数が多い場合(例えば7人)、タクシー用専用装置6は、例えば「4人までなら可能」という再応答メッセージを返すことができる。もちろん、タクシー用専用装置6の送信する再応答メッセージは種々可能であり、タクシー運転手がタクシー用専用装置6の画面などから選択入力や直接入力できる。もちろん、タクシー呼び寄せ応答メッセージも同様に、タクシー運転手がタクシー用専用装置6の画面などから選択入力や直接入力できる。
このステップS140の次には、制御部601は、タクシー運転手による切断操作の入力を検知したか、あるいは、相手からの切断要求を受けたか否かによりアドホック通信路を切断するか否か判別し(ステップS141)、切断しないと判別したときには、処理をステップS140に戻して、顧客との間でのハンズフリー通話を継続する。ステップS141で切断すると判別したときには、制御部601は、アドホック通信路を切断処理して(ステップS142)、処理をステップS131に戻し、このステップS131以降の処理を繰り返す。もちろん、アドホック通信路を切断処理し、タクシー5が顧客の待ち受け場所に向かう場合は、ステップS131の接続要求の受信は必要ないため、タクシー用専用装置6の電源をオフ、または、電源オンのまま、無線LAN通信部602の無線LAN通信機能をオフとしてもよい。
なお、タクシー5が顧客の待ち受け場所に向かう場合、顧客が乗車するまで、アドホック通信路を切断処理せず、接続したままにし、タクシー運転手と顧客が通信可能とすることができる。これにより、利用者(顧客)は、タクシー5を呼び寄せた後、急に状況が変わり、タクシー5をキャンセルせざるを得なくなった場合、タクシー5にキャンセルを通知することができる。また、タクシー5が渋滞や事故など不測の事態に遭遇した場合は、既に顧客に伝えている到着時刻が大幅に狂うことが予想されるため、タクシー運転手ないしタクシー用専用装置6は、そのことを利用者(顧客)に通知することができる。この場合、もちろん、タクシー用専用装置6の電源はオン、無線LAN通信部602の無線LAN通信機能もオンとなっている。なお、上述のように到着時刻が大幅に遅れる場合、利用者にキャンセルするか否かを問い合わせるようにしてもよい。
また、アドホック通信路を切断処理したとしても、切断処理前に、タクシー用専用装置6は、利用者の呼び寄せ装置であるスマートフォン3のESSIDやWEPキーなどの接続情報を記憶しておくことで、また、利用者のスマートフォン3は、タクシー用専用装置6のESSIDやWEPキーなどの接続情報を記憶しておくことで、アドホック通信路を切断処理後も、両者間でアドホック通信路を接続できる。これにより、アドホック通信路を切断しても、上述のキャンセルや渋滞・事故などの問題に対応できるために、タクシー5と利用者間のトラブルを防ぐことができる。また、これにより、電波障害などで、アドホック通信路が途中で切断されてしまった場合でも、再度接続し、対処することができる。
なお、図8のフローチャートにおいては省略したが、タクシー運転手は、顧客がタクシー5に乗車したときには、タクシー用専用装置6の電源または無線LAN通信機能をオフとして、上述の処理動作が行われないようにしている。顧客が乗車しているときには、タクシー呼び寄せサービスには対応すべきではないからである。さらに、図示は省略するが、車内を撮影するカメラや、座席に装着した重量センサや圧力センサなどで、顧客の乗車を検知し、タクシー運転手が操作しなくても、タクシー用専用装置6の電源または無線LAN通信機能を自動的にオフとすることもできる。
また、タクシー5に顧客の乗車がなくても、高速道路走行中は、タクシー用専用装置6の電源または無線LAN通信機能をオフとして、上述の処理動作が行われないようにしてもよい。高速道路では、SA(Service Area)やPA(Parking Area)以外、顧客の乗車は禁止されているし、また、顧客が一般道にいる場合、直線距離は近くても、高速を降りて一般道に出るまでに時間がかかるため、高速道路走行中は、タクシー呼び寄せサービスに対応することは困難だからである。なお、タクシー5が高速道路走行中か否かは、カーナビ機能部605が自動的に検出できる。
なお、タクシーに設置が義務付けられているタクシーメーターと、タクシー用専用装置6を連動させるように構成することもできる。タクシーメーターは、タクシー事業者やメーター事業者によって異なるが、「空車」「実車(または賃走)」「回送」「迎車」「予約」「高速」などが、ボタン操作でできるようになっている。タクシー呼び寄せサービスに対応するのは「空車」の時のみであり、「実車(または賃走)」「回送」「迎車」「予約」「高速」のボタンが押された場合は、タクシー用専用装置6はそれを認識して、タクシー呼び寄せサービスを中止して、電源オフまたは無線LAN通信機能をオフとすることができる。また、タクシー用専用装置6は、「空車」のボタンが押されたことを認識して、タクシー呼び寄せサービスをスタートするようにしてもよい。
以上のようにして、スマートフォン3の利用者は、タクシーアドホック通信設定サーバ1から取得した無線LAN用の接続用情報を用いた接続要求をすることで、無線LANの通信範囲内に存在するタクシーのタクシー用専用装置6との間でアドホック通信路を生成することができて、当該タクシーを呼び寄せることができる。このため、利用者は、タクシーを利用したいときに、周囲にタクシーが見当たらなくても、すぐにタクシーを呼ぶことができる。
しかも、上述の実施形態によれば、タクシーの呼び寄せシステムの構成としては、サーバを介することなく、利用者が携帯するスマートフォン3などの呼び寄せ装置と、タクシー5に搭載するタクシー用専用装置6などの移動体との間で、直接的なアドホック通信路を生成する構成であるので、システムの構築が容易であると共に、サービスを実現するためのコストを低減することができるという効果がある。
また、呼び寄せられるタクシーは、常に、タクシー呼び寄せ要求を出したときの利用者の現在位置を中心とした無線LANの通信範囲内に存在するものであるので、呼び寄せに応じて、呼び寄せ装置の現在位置(待ち受け場所)までの移動距離は、高々、前記無線LANの通信範囲の最大値間の移動距離となり、待ち時間が過度に長くなるのを防ぐことが可能であるという効果もある。
また、上述の実施形態では、タクシー用専用装置6の表示画面には、タクシー呼び寄せ要求をした利用者の氏名、年齢などの個人情報を表示するようにしたので、タクシーの運転手は、呼び寄せた利用者を、その個人情報に基づいて確認(認証)することができるという効果がある。
なお、上述の説明では、利用者は、無線LANのアドホック通信用の接続用情報を取得する際に個人情報をサーバ1に登録するようにした。しかし、前述したように、この実施形態の移動体呼び寄せシステムにおいては、移動体の呼び寄せサービスを実行する際には、サーバの介在を必要としないので、サーバ1への会員登録は必須ではない。そして、移動体の呼び寄せサービスを実行する際にサーバが介在しないことから、タクシーと利用者との間の利用契約関係は、従来と同様に、個々のタクシーと利用者との直接的な契約関係となり、料金の支払いに関しても、従来と全く同様にすることができる。
[第2の実施形態]
以上説明した第1の実施形態における移動体は、タクシー運転手が運転するタクシーであったが、最近、運転者による運転操作を必要とせず、無人運転も可能な自動運転車が注目されており、タクシーも、この種の自動運転車とすることができると期待されている。
第2の実施形態は、タクシー車両が自動運転車で構成される場合である。この第2の実施形態の場合には、前述した第1の実施形態のタクシー用専用装置の機能は、自動運転車の電子制御回路部の一部として、搭載されるものである。すなわち、第2の実施形態では、移動体の第1の無線通信装置は、自動運転車の電子制御回路部の一部として構成される。
なお、第1の実施形態では、タクシー運転手が存在するので、タクシー呼び寄せ要求をした利用者の確認は、タクシー運転手がすることができた。この第2の実施形態でも、自動運転車に運転手を乗車させてもよいが、以下の説明では無人運転の場合を想定する。このため、第2の実施形態では、自動運転車の電子制御回路部において、顧客の認証が取れるように構成する。
利用者側の呼び寄せ装置は、第1の実施形態と同様に、スマートフォン3を用いることができる。そして、このスマートフォン3の構成及びサーバ1からダウンロードされるアプリケーションプログラムや、接続用情報は、第1の実施形態と同様とされている。そのため、以下の説明では、スマートフォン3の構成例や処理動作等についての説明は省略する。
[自動運転車の電子制御回路部のハードウエア構成例]
図9は、この第2の実施形態の自動運転車からなるタクシー車両に搭載される電子制御回路部のハードウエア構成例を示すブロック図である。なお、この実施形態の自動運転車は、電気自動車の場合の例である。ただし、バッテリーは、図9では図示を省略した。
そして、この実施形態の自動運転車は、運転者がアクセル操作やブレーキ操作及びステアリング操作をしなくても、自動運転車自身が自動的に障害物を回避しながら進路変更をする走行モードである自動運転モードで走行するように制御される構成とされている。
図9に示すように、電子制御回路部10は、コンピュータを搭載して構成されている制御部201に対して、システムバス200を通じて、無線LAN通信部202、レーダー203、各種センサ群204、カメラ群205、GPS(Global Positioning System)受信部206、現在地確認部207、周囲移動体把握部208、音声入出力部209、モータ駆動制御部210、ステアリング駆動制御部211、タッチパネル付表示部212、カーナビ機能部213、メッセージ生成部214、送受信処理部215、顧客認証部216、のそれぞれが接続されている。
そして、音声入出力部209には、スピーカ221とマイクロフォン222が接続されている。モータ駆動制御部210には、モータ駆動部223が接続されている。ステアリング駆動制御部211には、ステアリング駆動部224が接続されている。
無線LAN通信部202は、この例では、IEEE802.11規格の無線LAN機能の通信部とされている。送受信処理部215は、無線LAN通信部202で送受信するデータの送受信時の処理機能を備えており、送信時には送信データを生成する機能を実行し、受信時には受信データを解析して制御部201の制御に応じた各部に転送したりする機能を実行する。この無線LAN通信部202には、予め、前述の第1の実施形態において説明したサーバ1から利用者の呼び寄せ装置の例としてのスマートフォン3の無線LAN通信部のアドホック通信のための接続用情報と同一の接続用情報が記憶されている。
レーダー203は、自動運転車の車両の周囲に存在する車両や歩行者、障害物などとの距離を測るためのもので、レーザー・レーダーやミリ波レーダーなどからなる。レーザー・レーダーは、例えば天井やバンパー付近に埋め込まれ、ミリ波レーダーは、例えば車両の前部及び後部に設けられている。レーザー・レーダーとミリ波レーダーの両方を備えてもよいし、一方のみであってもよい。また、準ミリ波レーダーやマイクロ波レーダーなど、その他のレーダーを用いてもよい。さらに、レーダーと同様の目的でソナー(図示せず)を用いることができる。
各種センサ群204は、ドアの開閉や窓の開閉を検知する開閉検知センサ、シートベルト着用を検出するためのセンサ、運転席や助手席などの座席に乗車者が着座したことを検知する着座センサなどの他、自動運転のための補助となる情報を取得するための各種センサからなる。自動運転のための補助となる情報を取得するための各種センサとしては、例えば車両やタイヤの振動を検出するための振動センサ、タイヤの回転数を検出する回転数センサ、方位を検出するための地磁気センサ、加速度を検出するための加速度センサ、角度や角速度を検出するためのジャイロセンサ(ジャイロスコープ)、などが含まれる。なお、各種センサ群204には、自車内の乗車者の音声や、自動運転車の周囲の音を収音する音センサ(マイクロフォン)も含まれる。
カメラ群205は、自動運転車の車内を撮影する1~複数個のカメラと、自動運転車の周囲を撮影する複数個のカメラとを含む。車内を撮影するカメラは、運転席、助手席、後部座席に座った乗車者(顧客)の顔画像を撮影するためのカメラを含む。また、自動運転車の周囲を撮影するカメラは、例えばバックミラーの左側方及び右側方に取り付けられて、自動運転車の左前方及び右前方を主として撮影する2台のカメラ(ステレオカメラ)の他、自動運転車の例えばドアミラーまたはフェンダーミラーに取り付けられて左右の側方を撮影するカメラ、自動運転車の後方を撮影するカメラ、さらに、ルーフに取り付けられ、広角で周囲を撮影する全方位カメラ(360度カメラ)や魚眼カメラ、などを含む。
GPS受信部206は、GPS衛星からの電波を受信して、自車の現在位置を検出し、その検出した現在位置の情報を現在地確認部207に供給する。
現在地確認部207は、GPS衛星からの電波により検出された位置の精度は悪いので、GPS受信部206で検出された現在位置の情報のみではなく、各種センサ群204に含まれる1~複数個のセンサ及びレーダー203、カメラ群205の撮像画像などをも用いると共に、例えばベイズ理論に基づいた処理を行うことで、より精度の高い現在位置を検出確認するようにしている。
周囲移動体把握部208は、レーダー203や、カメラ群205の撮像画像を用いて、自車の周囲の移動体を把握するようにする。周囲移動体把握部208も、例えばベイズ理論に基づいた処理を行うことで、周囲の障害物や移動体を把握するようにする。
自動運転車は、現在地確認部207や周囲移動体把握部208において、レーダー203、各種センサ群204、カメラ群205、GPS受信部206で取得した各種情報、つまり、人間の目や耳から得る情報に対応する情報をベイズ理論などにより処理し、これに基づき、制御部201は、自車の進路変更や障害物の回避など知的な情報処理(人工知能)及び制御(人工知能)を行う。
音声入出力部209は、図示は省略するが、外部に(顧客に対して)放音する音声メッセージデータを記憶するメモリを内蔵すると共に、そのメモリから読み出された音声メッセージデータを、アナログ音声信号に変換してスピーカ221に出力するD-A変換器を内蔵している。そして、音声入出力部209は、制御部201の制御により選択された音声メッセージを、スピーカ221に供給して、音声として外部に放音するようにする。
また、音声入出力部209は、マイクロフォン222で収音した音声(顧客の音声)のアナログ信号をデジタル信号に変換するA-D変換器を内蔵しており、取得したデジタル音声信号は、後述するように例えば顧客認証部216に供給して、顧客の認証用として用いるようにする。
モータ駆動制御部210は、制御部201の制御の下に、この実施形態の電気自動車で構成される自動運転車のモータ駆動部223への駆動信号の供給を制御して、自動運転車の走行開始、走行速度制御、走行停止などを制御するようにする。
ステアリング駆動制御部211は、制御部201の制御の下に、この実施形態の自動運転車のステアリング駆動部224への駆動制御信号の供給を制御して、自動運転車の進路変更の制御をするようにする。
タッチパネル付表示部212は、例えばLCDからなる表示パネルの上に、指によるタッチ入力が可能なタッチパネルが重畳されて配設されたものである。LCDの表示画面には、制御部201の制御に基づき、ソフトウエアボタン(キーボードの文字入力用ボタンを含む)を含む表示画像が表示される。そして、タッチパネル付表示部212のタッチパネルは、表示画面に表示されているソフトウエアボタン上の指によるタッチを検出すると、そのタッチを制御部201に伝達する。これを受けた制御部201は、ソフトウエアボタンに対応する制御処理を実行するように構成されている。
カーナビ機能部213は、国内の地図(世界の地図であってもよい)及び経路案内データが、予め格納されているカーナビ用データベースを備え、このカーナビ用データベースに記憶されている地図や、経路案内データに基づいて、自動運転車が指定された目的地まで移動するのを補助するように案内するための機能部である。
このカーナビ機能部213は、自動運転モードにおいて、自車の現在位置が目的地までのルート上から離れているときには、その離間方向及び距離の情報を制御部201に通知すると共に、自車の現在位置が目的地までのルート上に在るときには、自車の移動に伴い、ルート上の交差点や分岐点などの手前で、ルートに沿った進路方向の変更指示情報を制御部201に通知するようにする。制御部201は、このカーナビ機能部213からの通知された情報と、現在地確認部207の確認結果及び周囲移動体把握部208の把握結果とに基づいて、自車がルート上を指示された通りの進路をとって移動するように、モータ駆動制御部210を通じてモータ駆動部223を制御すると共に、ステアリング駆動制御部211を通じてステアリング駆動部224を制御する。したがって、自動運転モードにおけるカーナビ機能部213及び制御部201による目的地までの経路案内により、乗車者が無人の状態においても、自動運転車は、目的地まで移動することができる。
メッセージ生成部214は、呼び寄せ装置の例としてのスマートフォン3との間で生成したアドホック通信路を通じて、情報要求をしたり、応答したりする場合のメッセージを生成する処理部である。
顧客認証部216は、タクシー呼び寄せサービスを実行した利用者が、自動運転車であるタクシーに乗車する際の顧客認証を行う処理部である。この例では、顧客認証は、タクシー呼び寄せサービスの要求及び応答において、当該自動運転車の電子制御回路部10と利用者のスマートフォン3との間で生成されたアドホック通信路を通じてやり取りされた認証用情報を用いて行う。
例えば認証用情報が、前記アドホック通信路を通じて利用者のスマートフォン3から自動運転車の電子制御回路部10に伝送されたパスワードとすることができる。その場合には、自動運転車の電子制御回路部10の顧客認証部216は、伝送されてきたパスワードを保持しておく。そして、利用者が自動運転車への乗車時に、利用者によりタッチパネル付表示部212を通じて、当該パスワードを入力してもらう。顧客認証部216は、保持しているパスワードと、タッチパネル付表示部212を通じて入力されたパスワードとを比較して両者が一致したときには、顧客認証がOKであると判別するようにする。この場合のパスワードは、利用者の氏名や、ニックネームなどであってもよいし、生年月日、電話番号、メールアドレス、暗証番号などであってもよい。また、スマートフォン3のアプリケーションが生成するバーコードやQRコード(登録商標)であってもよい。なお、パスワードは、利用終了時に削除するようにしてもよいし、保持しておいてもよい。また、削除するか保持するかを利用者が選択できるようにしてもよい。
また、認証用情報として、利用者(顧客)の顔画像を用いることもできる。その場合には、顧客認証部216は、画像認識部の構成とされ、スマートフォン3から送られてくる利用者(顧客)の顔画像を記憶保持するようにする。そして、利用者が自動運転車に乗車したときに、カメラ群205の一部のカメラで利用者の顔画像を撮影する。そして、顧客認証部216は、保持している顔画像とカメラで撮影した顔画像とを比較して、両顔画像が同一人の顔画像であることを確認することで顧客認証するようにする。
また、認証用情報は、利用者(顧客)の声を用いることもできる。その場合には、顧客認証部216は、音声認識部の構成とされ、スマートフォン3から送られてくる利用者(顧客)の声のデータを記憶保持する。そして、利用者が自動運転車に乗車したときに、マイクロフォン222で利用者の声を収音し、顧客認証部216において、その収音した声と、記憶保持している声とを比較して、同一人の声であることを確認することで顧客認証するようにする。
顔画像、音声以外にも、利用者(顧客)の指紋、手などの静脈パターン、虹彩などの生体情報を用いることもできるし、これらを組み合わせて用いることもできる。
なお、認証用情報は、上述のように、利用者側が発行してもよいし、タクシー5側が発行してもよい。また、両者が発行してダブルチェックし、なりすまし乗車をより厳しく防ぐようにしてもよい。
以上のように、自動運転車の電子制御回路部10は構成されるが、図9に示した各ブロックのうち、現在地確認部207、周囲移動体把握部208、音声入出力部209、モータ駆動制御部210、ステアリング駆動制御部211、カーナビ機能部213、メッセージ生成部214、送受信処理部215、顧客認証部216、の各処理機能は、制御部201が、ソフトウエア処理として実現することができる。
[自動運転車におけるタクシー呼び寄せサービス時の処理の流れの例]
図10は、この第2の実施形態の自動運転車からなるタクシーの電子制御回路部10におけるタクシー呼び寄せサービス時の処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
制御部201は、呼び寄せ装置の例としてのスマートフォン3から、自車の電子制御回路部10に記憶されている接続用情報と一致する接続用情報を含む接続要求の受信を常時監視し(ステップS201)、当該接続要求を受信したと判別したときには、自車の電子制御回路部10に記憶されている接続用情報を含めた接続応答情報を、接続要求をしてきた相手に送出する(ステップS202)。そして、当該相手(スマートフォン3)との間に直接的なアドホック通信路を生成する(ステップS203)。
次に、制御部201は、生成したアドホック通信路を通じて送られてくる相手からのタクシー呼び寄せ要求を受信し、当該タクシー呼び寄せ要求に含まれる相手の待ち受け場所の位置情報(この例では、現在位置の位置情報)及び顧客認証用の情報(個人情報や顔画像、パスワードなどの情報)を抽出して、顧客の待ち受け場所の位置情報を記憶保持すると共に、受信した顧客認証用の情報(例えば氏名や年齢などの個人情報、顔画像、パスワードなど)を記憶保持する(ステップS204)。なお、顧客から顧客の待ち受け場所周辺の画像を送ってもらい、それを画像認識に利用することで、待ち受け場所の確認に用いることができる。
そして、制御部201は、カーナビ機能部213に指示して、現在地確認部207で確認している自車の現在地から、受信した顧客の待ち受け場所までの移動にかかる時間、すなわち、顧客の待ち時間を計算させる(ステップS205)。そして、制御部201は、ステップS205で計算して得られた顧客の待ち時間を含めた、タクシー呼び寄せ応答メッセージを生成して、アドホック通信路を通じて相手に送信する(ステップS206)。
なお、ステップS205では、顧客の待ち時間以外に、自車の現在地から、受信した顧客の待ち受け場所までの移動距離や必要な場合は迎車料金を計算することができる。さらにステップS206では、移動距離や迎車料金を含めて、タクシー呼び寄せ応答メッセージを生成して、アドホック通信路を通じて相手に送信することもできる。
次に、制御部201は、相手からの切断要求を受けたか否かを判別し(ステップS207)、切断要求をうけていないと判別したときには、相手からの切断要求を待つ。このステップS207で、相手からの切断要求を受けたと判別したときには、制御部201は、アドホック通信路を切断処理する(ステップS208)。そして、制御部201は、無線LAN通信部202の通信機能をオフにする(ステップS209)。
その後、制御部201は、顧客の待ち受け場所に向けて移動を開始するように電子制御回路部10の各部を制御する(図11のステップS211)。フローチャートでは省略したが、この移動に先立ち、制御部201は、カーナビ機能部213に、自車の現在位置から顧客の待ち受け場所までの経路を探索するように指示する。カーナビ機能部213は、この指示に応じて、その経路を探索し、ステップS211では、経路案内を開始するようにする。
そして、制御部201は、自車が顧客の待ち受け場所に到着したか否か判別し(ステップS212)、顧客の待ち受け場所に到着したと判別したときには、顧客の乗車のために自車を停止し、乗車しようとする顧客の認証処理を行う(ステップS213)。
すなわち、前述したように、タクシー呼び寄せ要求の際に送られてきて記憶している認証用情報がパスワードであれば、顧客に、タッチパネル付表示部212からのパスワードの入力を促して、その入力されたパスワードと、記憶しているパスワードとを照合して、一致の確認が取れたか否かにより認証する。
また、タクシー呼び寄せ要求の際に送られてきて記憶している認証用情報が顧客の顔画像であれば、カメラ群205の一部のカメラにより顧客の顔画像を撮影し、その撮影して得た顔画像と記憶している顔画像との照合をして、顧客の認証を行う。
さらに、タクシー呼び寄せ要求の際に送られてきて記憶している認証用情報が顧客の声であれば、顧客に発声を促すメッセージをスピーカ221から放音し、そのメッセージに応じた顧客が発声した声をマイクロフォン222で収音する。そして、収音した顧客の声と、記憶している顧客の声との照合をして、顧客の認証を行う。
なお、顧客の認証に用いた顧客の氏名、電話番号、顔画像や顧客の声などの個人情報は、利用終了時に削除するようにしてもよいし、保持しておいてもよい。また、削除するか保持するかを利用者が選択できるようにしてもよい。
次に、制御部201は、ステップS213での認証処理の結果、認証がOKであるか否か判別し(ステップS214)、認証がOKであるときには、顧客の乗車を受け入れ、顧客による目的地の入力を受け付ける(ステップS215)。この場合に、顧客は、例えばタッチパネル付表示部212において表示されている地図上において、目的地をタッチ指示して目的地の入力をすることもできるし、目的地を発声して指示するようにすることもできる。発声により指示された目的地は、電子制御回路部10に搭載されている音声認識部(図示は省略)で音声認識される。なお、目的地を発声して指示した後に、「急ぎめ」「急いで」「ゆっくりめ」などの走行態様を指示することもできる。発声により指示された走行態様は、目的地と同様に、電子制御回路部10に搭載されている音声認識部(図示は省略)で音声認識され、その音声認識結果がモータ駆動制御部210などに送られる。もちろん、上述の走行態様をタッチ指示やボタン指示で行うようにしてもよい。
制御部201は、受け付けた目的地までの経路の探索及び案内をカーナビ機能部213に指示し、電子制御回路部10の各部を制御して、自車を、顧客が指定した目的地まで移動して停止するようにする(ステップS216)。そして、図11のフローチャートでは省略したが、制御部201は、顧客のタクシー料金の支払いを受け付けて、その完了を確認した後、顧客が降車したか否か確認判別するようにする(ステップS217)。
ここで、顧客のタクシー料金の支払いは、現金投入支払機に現金を投入することで、つり銭を返すことを含めて行うことができると共に、クレジットカードやプリペイドカード、電子マネーでの支払いをすることも可能に構成することができる。また、タクシーチケットの利用を可能に構成することもできる。なお、当該タクシーのサービスに対して、タクシー料金とは別に、チップを支払えるように構成することもできる。
ステップS217で顧客の降車を確認したときには、制御部201は、オフにしていた無線LAN通信部202のオンに復帰させ(ステップS218)、自車をタクシーとして移動させるように電子制御回路部10を制御する(ステップS219)。そして、制御部201は、このステップS219の次には、処理をステップS201に戻し、このステップS201以降の処理を繰り返す。
また、ステップS214で、認証がOKではないときには、制御部201は、乗車してタクシーを利用しようとしている者に対して、「お客様の認証が取れなかったので、このタクシーの利用はできません」というメッセージをスピーカ221から放音して、乗車を拒否する(ステップS220)。そして、制御部201は、処理をステップS218に進め、このステップS218以降の処理を実行する。
以上のようにして、この第2の実施形態においては、移動体の例としてのタクシーを自動運転車にすることができる。この第2の実施形態においても、上述した第1の実施形態と全く同様の効果を得られることは言うまでもない。
第2の実施形態の移動体は、自律走行する自動運転車に限らず、自律航行するモーターボートや潜水艦などの船舶、自律飛行する航空機やクアッドコプターなどの飛行体、その他の移動体であってもよい。また、第1の実施形態の移動体は、自動車に限らず、自動2輪、自動3輪、船舶、飛行体、その他の移動体であってもよい。船舶でタクシーサービスを行えば、水上タクシーや水中タクシー、飛行体でタクシーサービスを行えば、航空タクシーや空中タクシーとなる。
なお、第2の実施形態の自動運転車は、電気自動車に限らず、ガソリンエンジン車、燃料電池車、ハイブリッド車などであっても勿論よい。また、補助エネルギーとして、ルーフなどに太陽光パネルを設置することで、太陽光発電を用いることもできる。これらの車、駆動方式やエネルギーの種類は、第1の実施形態の移動体でも、同様に適用できる。
なお、利用者は、第1の実施形態の手動運転のタクシーと第2の実施形態の自動運転のタクシーを選択して、タクシー呼び寄せ要求を出せるようにしてもよい。
また、第1の実施形態の手動運転のタクシーと第2の実施形態の自動運転のタクシーの一形態として、ハイヤーが含まれる。ハイヤーはタクシーのうち、流しで利用されることはなく、営業所からの出庫、帰庫となるものである。したがって、営業所にいる時以外にアドホック通信の待機状態はない。
さらに、タクシーも一般的な4人乗り車両に限らず、1人乗り車両、2人乗り車両、あるいはワゴンタクシーのように6人乗り車両や9人乗り車両等であってもよい。
以上の第1の実施形態及び第2の実施形態において、利用者がアドホック通信でタクシーをサーチする際に、優先順位をつけられるようにしてもよい。例えば、タクシーの特徴やタクシー運転手の特徴などから好みのタクシーを最初にサーチし(第1優先順位)、その好みのタクシーが見つからない場合、好みでないタクシーも含め、アドホック通信可能なすべてのタクシーをサーチする(第2優先順位)ようにしてもよい。もちろん、優先順位は3つ以上であってもよい。これにより、利用者にとって、好みのタクシーが通信範囲内にいる場合は好みのタクシーが利用でき、好みのタクシーが通信範囲内にいない場合でも、タクシー移動という初期の目的は達成でき、便利である。
[第3の実施形態]
以上の第1の実施形態及び第2の実施形態では、呼び寄せ対象の移動体はタクシーのみの場合であった。しかし、タクシーに限らず、レンタカー、カーシェアリングにも利用できる。さらに、呼び寄せ対象の移動体が有する第1の無線通信装置に設定する接続用情報を、移動体毎に変えることにより、複数種の移動体を呼び寄せ対象とすることが可能である。
例えば図1に示したサーバ1には、図12に示すように、サービス毎に、接続用情報の例としてのネットワーク識別子であるESSIDが、異なるものが用意されている。ESSIDに加えてWEPキーも、接続用情報に加えてもよいことは言うまでもない。この場合に、WEPキーは、サービス毎に異なるようにしてもよいし、同じものを用いてもよい。各サービスを実行する移動体は、それぞれの接続用情報が設定された第1の無線通信装置を有している。
利用者は、呼び寄せ装置の例としてのスマートフォン3により、サーバ1にアクセスして、自分が利用したいサービス名を、一つのみではなく、複数個を指定することができる。すると、サーバ1からは、指定したそれぞれのサービス名に対応する識別情報と対応付けたESSID(WEPキーが接続用情報に含まれているWEPキーも含む)が送られてくるので、スマートフォン3では、それを受信して、それぞれのサービス名に対応する識別情報と、対応付けてESSIDを保存する。したがって、スマートフォン3のメモリ304にも、図12に示したものと同様の状態で接続用情報が記憶保持される。
そして、この第3の実施形態の場合には、スマートフォン3で呼び寄せサービスを起動すると、表示部305の表示画面305Dには、図13に示すように、呼び寄せサービスを実行できるサービス名の一覧が表示される。利用者は、この一覧から、呼び寄せサービスを実行したいサービスを、1個または複数個、選択して開始ボタン(アイコンボタン)3051を操作する。
すると、スマートフォン3は、選択されたサービスが1個であるときには、第1の実施形態で説明したのと同様にして、その選択されたサービスに対応付けられてメモリ304に記憶されている接続用情報を用いて、無線LAN通信部308から、接続要求を送出する。したがって、選択されたサービスを提供する移動体が、通信範囲内に居れば、当該移動体の第1の通信装置が接続応答を行うことで、アドホック通信路が生成され、前述と同様にして、移動体は、利用者の待ち受け場所に移動するようにすることができる。
また、スマートフォン3は、選択されたサービスが複数個であるときには、その選択された複数個のサービスに対応付けられてメモリ304に記憶されている接続用情報を時分割で順次に選択することで用いて、無線LAN通信部308から、各サービス用の接続要求を時分割で送出する。したがって、選択されたサービスを提供する移動体の一つでも、通信範囲内に居れば、その移動体の第1の通信装置が接続応答を行うことで、アドホック通信路が生成され、前述と同様にして、移動体は、利用者の待ち受け場所に移動するようにすることができる。この場合には、スマートフォン3と移動体の第1の通信装置との間のアドホック通信路は、同時には一つしか生成できないので、選択されたサービスを提供する移動体の内で、最も早く接続応答した移動体が利用者の下に呼び寄せられることになる。
そして、利用者は、呼び寄せたサービス名を、表示画面305Dのメニューで選択して、終了ボタン(アイコンボタン)3052を操作することで、そのサービスの呼び寄せ動作を終了させることができる。したがって、その後は、呼び寄せられていないサービスを提供する移動体が、呼び寄せ対象となる。
また、第3の実施形態では、1個または複数個のサービスの起動時間を、タイマーを用いて設定することもできる。例えば、図13の2の家電製品等回収を14時、3のクリーニング集配を15時15分、1のタクシー呼び寄せを17時30分、というように設定し、3つのサービスを流れ作業のように享受することができる。
この第3の実施形態によれば、利用者は、自分が欲するサービスを提供する移動体を、自分が希望するタイミングで呼び寄せるように選択することができ、非常に便利である。この第3の実施形態では、利用者が自宅や勤務先に居て、呼び寄せサービスを依頼することも想定することができる。そのため、呼び寄せ装置は、スマートフォンではなく、タブレット型端末やパーソナルコンピュータ
(通話機能を有するものが好適)であってもよい。
なお、図12及び図13の一覧表は、文字表示であったが、サービスをイメージさせるアイコンなどを用いた画像表示であってもよいことは勿論である。
[その他の実施形態又は変形例]
なお、以上の実施形態では、スマートフォン3の利用者は、自分が必要な時に、タクシーなどの移動体呼び寄せサービスを享受するための操作をするようにしたが、予め所定の地域範囲に入った時には、自動的に移動体呼び寄せサービスを享受する状態を開始するように、アプリケーションプログラムを作成することもできる。例えば、タクシー呼び寄せサービスを提供しているタクシーなどの移動体が存在するエリアが、例えばオリンピック村やイベント会場などの特別地域などとして予め定められている場合であって、当該エリア内をタクシーなどの移動体で移動したいという要求を持つ利用者の場合に好適である。また、この場合、特別地域移動専用の特別車両が準備されていてもよい。
また、テーマパークやアミューズメントパークのエリアに入ったら、自動的に移動体呼び寄せ要求のための無線接続要求を送出開始することで、テーマパークやアミューズメントパークで種々の商品を移動販売している車や人などを呼び寄せるようにすることもできる。その場合に、前述した図12及び図13の例のように、利用者は、自分が購入を希望する商品を選択して、その商品を移動販売している車や人のそれぞれを選択的に呼び寄せることもできる。この場合に、移動体は、自動車に限られるものではなく、自転車、自動二輪車などであってもよいし、また、歩行で移動する販売員やあるいは自転車、自動二輪車などで移動する販売員などであってもよい。
以上説明した第1~第3の実施形態では、いずれも、移動体が有する第1の通信装置は、呼び寄せ装置が備える第2の通信装置が送出する接続要求を待ち受けするようにして、呼び寄せ装置の第2の通信装置が接続要求を出したときに、両者の間でアドホック通信路を生成するようにした。
しかし、これとは逆に、移動体が有する第1の通信装置から接続要求を出し、呼び寄せ装置の第2の通信装置が、第1の通信装置からの接続要求に応答することで、両者の間でアドホック通信路を生成するようにしてもよい。すなわち、いわゆる御用聞きスタイルで、移動体が有する第1の通信装置が接続要求を継続的に送出し、呼び寄せ装置の利用者が必要な時に呼び寄せサービスのアプリケーションを立ち上げることで、第1の通信装置からの接続要求に対する応答をする。
この場合には、アドホック通信路を生成した後には、呼び寄せ装置が、利用者側の待ち受け場所(上述の例では現在位置情報)を含む呼び寄せ要求をアドホック通信路を通じて移動体の第1の通信装置に送信し、その呼び寄せ要求に対して、移動体が有する第2の通信装置が応答して応答メッセージを返すようにするなど、図2に示した第1の実施形態の場合と同様の処理動作とすることができる。
また、呼び寄せ装置が、利用者側の待ち受け場所の位置情報を含む呼び寄せ要求をアドホック通信路を通じて移動体の第1の通信装置に送信するのではなく、アドホック通信路を生成した後に、移動体が有する第1の通信装置から、アドホック通信路を通じて、サービスの問い合わせ要求をして、その問い合わせ要求に対して、利用者側の待ち受け場所の位置情報を含む呼び寄せ応答を、アドホック通信路を通じて移動体の第1の通信装置に返信するようにしてもよい。
この例の場合には、例えばタクシーは、第1の通信装置からの接続要求を出すことで、空車であることを触れ回って走行し、その走行中に、利用者の第2の通信装置からの応答情報を受信することで、アドホック通信路を通じて、利用者の呼び寄せ要求に応答することができる。
また、第3の実施形態の家電製品等回収や、クリーニング集配のサービスにおいては、いわゆる御用聞きスタイルで地域を回りながら、利用者の第2の通信装置からの応答情報を受信することで、アドホック通信路を通じて、利用者の呼び寄せ要求に応答することができる。なお、すぐには対応できないが、少し待てば対応できる場合に、例えば「ただいま別件対応中です。終わり次第参りますので、10分ほどお待ちいただけますでしょうか?」という応答メッセージを返すようにしてもよい。利用者は、それに対して、OKまたはNGを応答することができる。
なお、以上説明した第1~第3の実施形態では、いずれも、呼び寄せ装置が利用者側の現在位置情報を待ち受け場所の位置情報として、呼び寄せ要求と共に、アドホック通信路を通じて移動体が有する第1の通信装置に送っていた。しかし、呼び寄せ装置から移動体が有する第1の通信装置に送る位置情報は、呼び寄せ要求時の現在位置に限るものではなく、また、呼び寄せ要求と共に送る必要もない。
すなわち、利用者が移動体を呼び寄せたい場所が、呼び寄せ要求時の現在位置ではない所定の場所である場合は、呼び寄せ装置は、利用者がその所定の場所に移動した後、その所定の場所の位置情報を、アドホック通信路を通じて移動体が有する第1の通信装置に送るようにすることができる。もちろん、その所定の場所に移動する前に、その所定の場所の位置情報を、アドホック通信路を通じて移動体が有する第1の通信装置に送るようにしてもよい。
こうすることで、例えば、利用者が屋外にいて、突然雨に降られ、タクシーを呼びたくなった場合、利用者は呼び寄せ装置を使って呼び寄せ要求を送信した後、現在位置から屋根のある濡れない場所に移動して、その位置情報を待ち受け場所の位置情報として、アドホック通信路を通じてタクシーに通知し、そこでタクシーを待つことができる。利用者がタクシーを待つ間、近くのコンビニなどのお店で、時間をつぶしたい場合にも、お店の位置情報を待ち受け場所の位置情報としてタクシーに通知し、そこでタクシーを待つことができるので便利である。また、利用者が自宅からタクシーを呼びたいが、自宅の場所は秘匿しておきたい場合、近所の適当な場所を、タクシーを呼び寄せて待ち受ける場所に指定できるので有用である。
また、利用者が呼び寄せ要求をした場所から移動するのではなく、例えば、呼び寄せ装置の表示画面に地図を表示し、利用者が、その地図上で、呼び寄せた移動体を待ち受ける待ち受け場所を指定し、その指定した待ち受け場所の位置情報を呼び寄せ装置が地図から認識して、アドホック通信路を通じてタクシーなどの移動体に通知するようにしてもよい。
また、第3の実施形態の場合、複数個のサービスを受ける場合には、サービス毎に異なる待ち受け場所の位置情報を、アドホック通信路を通じて、各サービスの移動体が有する第1の通信装置に送るようにしてもよい。利用者は、サービス毎に呼び寄せた移動体を待ち受ける場所を選ぶことができ、便利である。
さらに、利用者側ではなく、移動体側が位置情報を設定できてもよい。例えば、呼び寄せ要求時の利用者の現在位置の近傍で、駐車に好適な位置(場所)や利用者を乗車させやすい位置(場所)がある場合などに、移動体側がそこを指定するようにすれば、移動体が、利用者をスムーズに乗車させることができる。また、利用者に、進入禁止や一方通行、道幅の狭い路地などの乗車に適さない位置(場所)を指定されて困るという状況を回避することができる。第2の実施形態の自動運転車の場合、自ら利用者の待ち受け場所を指定できれば、自動運転が一層スムーズにできることが期待できる。
また、移動体と利用者の距離が所定距離(例えば100m)以内になった場合や、待ち時間が所定時間(例えば1分)以内になった場合に、利用者の携帯端末にアラームやメッセージ、画面表示などで報知するようにしてもよい。これにより、利用者は乗車すべき移動体の把握が容易となる。
また、移動体も、迎車を表示するライト(ランプ)を点滅させたり、ルーフに設置したライト(ランプ)を点灯させたりして、利用者に報知することもできる。点灯させるライトの色を予め利用者に伝えることで、利用者が呼び寄せた移動体の把握がさらに容易になる。なお、ライト(ランプ)は、視認性向上のため、サイドミラーやドアに取り付けてもよい。
また、以上の実施形態では、呼び寄せ装置は携帯端末であるスマートフォンとしたが、上述もしたように、スマートフォンなどの携帯端末に限らないことは言うまでもない。例えば、呼び寄せ装置は、無線LANの機能を備えるパッド型端末や、いわゆるタブレット型端末などの携帯端末であってもよいし、ノート型PC(パーソナルコンピュータ) や、据置型のデスクトップPCであってもよい。また、腕時計型端末や眼鏡型端末、その他の端末であってもよい。さらに、呼び寄せ装置は、パーキングメーターのように固定的に設置される装置であってもよい。
また、移動体に搭載される第1の通信装置は、タクシー用専用装置6に限られるものではなく、スマートフォンなどの携帯電話端末や上述のようなパッド型端末やタブレット型端末などの携帯端末を利用することもできる。さらに、移動体に搭載されるカーナビ装置に内蔵されるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、呼び寄せ装置への接続用情報の設定は、所定のサーバにアクセスすることで行うようにしたが、利用者が、接続用情報を知得して、呼び寄せ装置に手動で設定してもよいことは言うまでもない。
また、上述の実施形態では、Wi-Fi(登録商標)規格の無線LANを、この発明で用いる通信規格としたが、第1及び第2の無線通信装置で用いることができる通信規格は、これに限られるものではなく、所定の通信範囲を備えること、アクセスポイントなどの中継装置を経由しない直接的な通信路の生成ができること、などのこの発明に適合する要件を備える通信規格、通信方式であれば、どのような通信規格、通信方式のものでも、この発明に適用できることは言うまでもない。
1…タクシーアドホック通信設定サーバ、2…通信ネットワーク、3…スマートフォン、4…通信エリア、5A,5B…タクシー、6…タクシー用専用装置、301…制御部、307…現在位置検出部、308…無線LAN通信部、601…制御部、602…無線LAN通信部、605…カーナビ機能部、606…現在位置検出部

Claims (42)

  1. 所定のサービスを提供する呼び寄せ対象の移動体が備え、相手先と通信路を生成するための前記サービス毎に異なる第1の無線接続用情報が記憶されている第1の無線通信装置と、
    前記サービス毎に異なる複数の前記第1の無線接続用情報を提供可能に保持するサーバ装置と、
    前記サーバ装置から、前記複数の前記第1の無線接続用情報の中から選択された前記第1の無線接続用情報を取得して、相手先と通信路を生成するための第2の無線接続用情報として記憶する第2の無線通信装置を備える呼び寄せ装置とからなり、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記第2の無線接続用情報を含む接続要求信号を送信する接続要求手段と、
    前記接続要求信号に応じて、前記第2の無線接続用情報と一致する前記第1の無線接続用情報を含む応答信号を送信してきた前記第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する第2の通信路生成手段と、
    を備え、
    前記第1の無線通信装置は、
    前記接続要求信号の受信を待ち受けする接続待機手段と、
    受信した前記接続要求信号に含まれる前記第2の無線接続用情報と、前記第1の無線接続用情報との一致を検知したときに、前記第1の無線接続用情報を含む前記応答信号を前記第2の無線通信装置に送信し、前記第2の無線通信装置との間で前記通信路を生成する第1の通信路生成手段と、
    を備え、
    前記呼び寄せ装置は、前記通信路を通じて、前記移動体に、前記移動体が提供するサービスの提供を依頼する
    ことを特徴とする移動体呼び寄せシステム。
  2. 前記呼び寄せ装置は、前記第2の無線通信装置に複数個の前記第2の無線接続用情報を記憶している場合には、前記呼び寄せ装置の利用者に前記複数個の前記第2の無線接続用情報を、対応するサービス名と共に提示し、前記利用者により選択された前記第2の無線接続用情報を前記接続要求手段に含めて送信する
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動体呼び寄せシステム。
  3. 前記接続要求手段は、複数個の前記第2の無線接続用情報のそれぞれを含む接続要求信号を時分割で送信する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体呼び寄せシステム。
  4. 前記第2の無線通信装置は、最も早く前記応答信号を送信してきた前記第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の移動体呼び寄せシステム。
  5. 前記第2の無線通信装置は、前記第1の無線通信装置が提供するサービスの呼び寄せ動作の終了指示があったときには、前記終了指示があった前記サービス以外のサービスについての前記第1の無線接続用情報を含む接続要求信号を送出する
    ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  6. 前記接続要求手段は、前記接続要求信号を設定された時刻から送信する機能を備える
    ことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  7. 前記接続要求信号を送信する時刻は、前記サービス毎に設定可能とされる
    ことを特徴とする請求項6に記載の移動体呼び寄せシステム。
  8. 前記呼び寄せ装置は、自装置の現在位置を測定する位置測定手段を備え、
    前記接続要求手段は、前記現在位置が予め定められた地域内にあるときに、前記地域内にある前記第1の無線通信装置に対して前記接続要求信号を送信する
    ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  9. 所定のサービスを提供する呼び寄せ対象の移動体が備え、相手先と通信路を生成するための前記サービス毎に異なる第1の無線接続用情報が記憶されている第1の無線通信装置と、
    前記サービス毎に異なる複数の前記第1の無線接続用情報を提供可能に保持するサーバ装置と、
    前記サーバ装置から、前記複数の前記第1の無線接続用情報の中から選択された前記第1の無線接続用情報を取得して、相手先と通信路を生成するための第2の無線接続用情報として記憶する第2の無線通信装置を備える呼び寄せ装置とからなり、
    前記第1の無線通信装置は、
    前記第1の無線接続用情報を含む接続要求信号を送信する接続要求手段と、
    前記接続要求信号に応じて、前記第1の無線接続用情報と一致する前記第2の無線接続用情報を含む応答信号を送信してきた前記第2の無線通信装置との間で前記通信路を生成する第1の通信路生成手段と、
    を備え、
    前記第2の無線通信装置は、
    受信した前記接続要求信号に含まれる前記第1の無線接続用情報と、前記第2の無線接続用情報との一致を検知したときに、前記第2の無線接続用情報を含む前記応答信号を前記第1の無線通信装置に送信し、前記第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する第2の通信路生成手段を備え、
    前記呼び寄せ装置は、前記通信路を通じて、前記移動体に、前記移動体が提供するサービスの提供を依頼する
    ことを特徴とする移動体呼び寄せシステム。
  10. 前記サーバ装置は、前記移動体が提供するサービスの一覧を、前記呼び寄せ装置の利用者に提示し、前記呼び寄せ装置の利用者により前記一覧から選択された1個又は複数個のサービスに対応する前記第1の無線接続用情報を前記移動体に提供し、
    前記呼び寄せ装置は、前記サーバ装置から取得した前記第1の無線接続用情報を前記第2の無線接続用情報として前記第2の無線通信装置に記憶する
    ことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  11. 前記移動体が提供するサービスは、タクシーサービス、レンタカーサービス、カーシェアリングサービスのいずれかを含む
    ことを特徴とする請求項1~請求項10のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  12. 前記移動体は、前記呼び寄せ装置の利用者の乗車を検出する手段を備え、
    前記呼び寄せ装置の利用者の乗車を検出した後に、前記通信路を切断すると共に、前記第1の無線通信装置の動作を停止する
    ことを特徴とする請求項11に記載の移動体呼び寄せシステム。
  13. 前記第1の無線通信装置は、ハンズフリー通話が可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1~請求項12のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  14. 前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の通信は、無線LAN通信であって、前記第1の無線接続用情報及び前記第2の無線接続用情報は、ネットワーク識別子及びWEP(Wired Equivalent Privacy)キーを含み、前記WEPキーは前記サービス毎に異なる、あるいは、前記サービスに関係なく同じとされる
    ことを特徴とする請求項1~請求項13のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  15. 前記移動体は、自動運転車である
    ことを特徴とする請求項1~請求項14のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  16. 前記第2の無線通信装置は、前記生成された前記通信路を通じて、前記移動体に対して呼び寄せ要求を送る呼び寄せ要求送信手段を備え、
    前記第1の無線通信装置は、前記通信路を通じて受信した前記呼び寄せ要求に応じるか否かを前記移動体の利用者による指示入力に基づいて判別する呼び寄せ要求応答判別手段と、前記呼び寄せ要求応答判別手段で、前記呼び寄せ要求に応じると判別したときに、前記呼び寄せ要求に対する呼び寄せ応答を前記通信路を通じて送出する呼び寄せ応答送出手段とを備える
    ことを特徴とする請求項1~請求項15のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  17. 前記呼び寄せ装置から、断せずに維持している前記通信路を通じて、前記呼び寄せ要求のキャンセルを通知することが可能である
    ことを特徴とする請求項16に記載の移動体呼び寄せシステム。
  18. 前記移動体の前記第1の無線通信装置は、前記呼び寄せ応答を前記通信路を通じて送出した後に、断せずに維持している前記通信路を通じて、前記呼び寄せ要求をキャンセルするか否かの問い合わせを行うことが可能である
    ことを特徴とする請求項16又は請求項17に記載の移動体呼び寄せシステム。
  19. 前記呼び寄せ装置からの前記呼び寄せ要求には、前記呼び寄せ要求をした利用者の認証用情報が含まれており、
    前記移動体は、前記認証用情報に基づいて、前記呼び寄せ要求をした利用者の認証を行うようにする
    ことを特徴とする請求項16~請求項18のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  20. 前記認証用情報は、前記呼び寄せ要求をした利用者の個人情報であり、
    前記移動体は、前記個人情報を表示画面に表示する表示手段を備え、前記移動体の運転者は、前記表示画面に表示されている個人情報に基づいて、前記呼び寄せ要求をした利用者の認証を行うことが可能である
    ことを特徴とする請求項19に記載の移動体呼び寄せシステム。
  21. 前記移動体は、認証部を備え、前記認証部により、前記呼び寄せ装置から前記通信路を通じて取得した前記認証用情報を用いて前記呼び寄せ要求をした利用者の認証を行う
    ことを特徴とする請求項19に記載の移動体呼び寄せシステム。
  22. 前記認証は、前記呼び寄せ要求をした利用者の顔画像、音声、指紋、静脈パターン、虹彩などを用いた生体認証である
    ことを特徴とする請求項19~請求項21のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  23. 前記認証は、パスワードの照合により行う
    ことを特徴とする請求項19又は請求項21に記載の移動体呼び寄せシステム。
  24. 前記移動体は、高速道路を走行中であるか否かを検出する高速道路走行中検出手段を備え、
    前記移動体の前記第1の無線通信装置は、前記高速道路走行中検出手段の検出結果に基づいて、高速道路を走行中であるときには、電源がオフ、あるいは、無線通信機能がオフとされる
    ことを特徴とする請求項1~請求項23のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  25. 前記生成された通信路が切断処理されたときに、前記切断処理前に、前記第1の無線通信装置は、前記通信路で接続されている前記呼び寄せ装置の前記第2の無線通信装置の前記第2の無線接続用情報を記憶すると共に、前記第2の無線通信装置は、前記通信路で接続されている前記移動体の第1の無線通信装置の前記第1の無線接続用情報を記憶し、前記通信路を再度接続することを可能とした
    ことを特徴とする請求項1~請求項24のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  26. 前記呼び寄せ装置は、スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、腕時計型端末、眼鏡型端末又はパッド型端末のいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項1~請求項25のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  27. 前記第2の無線通信装置は、
    前記通信路を通じて前記呼び寄せ装置の利用者が前記移動体を待ち受けるべき待機位置の情報を前記第1の無線通信装置に送信する第1の位置情報送信手段、または、前記通信路を通じて前記第1の無線通信装置から前記呼び寄せ装置の利用者が前記移動体を待ち受けるべき待機位置の情報を受信する第1の位置情報受信手段と、
    を備え、
    前記第1の無線通信装置は、
    前記通信路を通じて前記第2の無線通信装置から前記待機位置の情報を受信する第2の位置情報受信手段、または、前記通信路を通じて前記待機位置の情報を前記第2の無線通信装置に送信する第2の位置情報送信手段と、
    を備える
    ことを特徴とする請求項1~請求項26のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  28. 前記呼び寄せ装置は、利用者による表示画面に表示した地図上における前記待機位置の指定を受け付ける手段を備え、前記第2の無線通信装置は、前記地図上で指定された前記待機位置の情報を前記第1の無線通信装置に送信する
    ことを特徴とする請求項27に記載の移動体呼び寄せシステム。
  29. 前記第2の無線通信装置は、サービス毎に異なる前記待機位置の情報を前記第1の無線通信装置に送信する
    ことを特徴とする請求項27又は請求項28に記載の移動体呼び寄せシステム。
  30. 前記呼び寄せ装置は、前記移動体との距離が所定距離以内になったことを利用者に報知する報知手段を備える
    ことを特徴とする請求項1~請求項29のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  31. 前記移動体は、前記呼び寄せ装置の利用者に自身を報知するための報知手段を備える
    ことを特徴とする請求項1~請求項30のいずれかに記載の移動体呼び寄せシステム。
  32. 相手先と直接的な通信路を生成するための第1の無線接続用情報が記憶されている第1の無線通信装置を備える移動体を呼び寄せるために、相手先と通信路を生成するための第2の無線接続用情報が記憶されている第2の無線通信装置を備える呼び寄せ装置であって、
    前記移動体は、所定のサービスを提供するものであり、前記第1の無線接続用情報は、前記サービス毎に異なるものであり、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記サービス毎に異なる複数の前記第1の無線接続用情報を提供可能に保持するサーバ装置から、前記複数の前記第1の無線接続用情報の中から選択された前記第1の無線接続用情報を取得して、前記第2の無線接続用情報として記憶する記憶手段と、
    前記第2の無線接続用情報を含む接続要求信号を送信する接続要求手段と、
    前記接続要求信号に応じて、前記第2の無線接続用情報と一致する前記第1の無線接続用情報を含む応答信号を送信してきた前記第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する通信路生成手段と、
    を備え、
    前記通信路生成手段で生成された前記通信路を通じて、前記移動体に、前記移動体が提供するサービスの提供を依頼する
    ことを特徴とする呼び寄せ装置。
  33. 前記第2の無線通信装置に複数個の前記第2の無線接続用情報を記憶している場合には、前記呼び寄せ装置の利用者に前記複数個の前記第2の無線接続用情報を、対応するサービス名と共に提示し、前記利用者により選択された前記第2の無線接続用情報を前記接続要求手段に含めて送信する
    ことを特徴とする請求項32に記載の呼び寄せ装置。
  34. 前記接続要求手段は、複数個の前記第2の無線接続用情報のそれぞれを含む接続要求信号を時分割で送信する
    ことを特徴とする請求項32又は請求項33に記載の呼び寄せ装置。
  35. 前記接続要求手段は、前記接続要求信号を設定された時刻から送信する機能を備える
    ことを特徴とする請求項32~請求項34のいずれかに記載の呼び寄せ装置。
  36. 自装置の現在位置を測定する位置測定手段を備え、
    前記接続要求手段は、前記現在位置が予め定められた地域内にあるときに、前記地域内にある前記第1の無線通信装置に対して前記接続要求信号を送信する
    ことを特徴とする請求項32~請求項35のいずれかに記載の呼び寄せ装置。
  37. 相手先と直接的な通信路を生成するための第1の無線接続用情報が記憶されている第1の無線通信装置を備える移動体を呼び寄せるために、相手先と通信路を生成するための第2の無線接続用情報が記憶されている第2の無線通信装置を備える呼び寄せ装置であって、
    前記移動体は、所定のサービスを提供するものであり、前記第1の無線接続用情報は、前記サービス毎に異なるものであって、前記第1の無線接続用情報を含む接続要求信号を送信し、
    前記第2の無線通信装置は、
    前記サービス毎に異なる複数の前記第1の無線接続用情報を提供可能に保持するサーバ装置から、前記複数の前記第1の無線接続用情報の中から選択された前記第1の無線接続用情報を取得して、前記第2の無線接続用情報として記憶する記憶手段と、
    受信した前記接続要求信号に含まれる前記第1の無線接続用情報と、前記第2の無線接続用情報との一致を検知したときに、前記第2の無線接続用情報を含む応答信号を前記第1の無線通信装置に送信し、前記第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する第2の通信路生成手段を備え、
    前記呼び寄せ装置は、前記通信路を通じて、前記移動体に、前記移動体が提供するサービスの提供を依頼する
    ことを特徴とする呼び寄せ装置。
  38. 前記サーバ装置から、前記移動体が提供するサービスの一覧を取得して利用者に提示し、前記利用者により前記一覧から選択された1個又は複数個のサービスに対応する前記第1の無線接続用情報を前記第2の無線接続用情報として前記第2の無線通信装置に記憶する
    ことを特徴とする請求項32~請求項37のいずれかに記載の呼び寄せ装置。
  39. スマートフォン、タブレット型端末、パーソナルコンピュータ、腕時計型端末、眼鏡型端末又はパッド型端末のいずれかからなる
    ことを特徴とする請求項32~請求項37のいずれかに記載の呼び寄せ装置。
  40. 前記移動体との距離が所定距離以内になったことを利用者に報知する報知手段を備える
    ことを特徴とする請求項32~請求項38のいずれかに記載の呼び寄せ装置。
  41. 所定のサービスを提供するものであって相手先と通信路を生成するための前記サービス毎に異なる第1の無線接続用情報が記憶されている第1の無線通信装置を備える移動体を呼び寄せるために、相手先と通信路を生成するための第2の無線接続用情報が記憶されている第2の無線通信装置を備える呼び寄せ装置の前記第2の無線通信装置が備えるコンピュータを、
    前記サービス毎に異なる複数の前記第1の無線接続用情報を提供可能に保持するサーバ装置から、前記複数の前記第1の無線接続用情報の中から選択された前記第1の無線接続用情報を取得して、前記第2の無線接続用情報として記憶する記憶手段、
    前記第2の無線接続用情報を含む接続要求信号を送信する接続要求手段、
    前記接続要求信号に応じて、前記第2の無線接続用情報と一致する前記第1の無線接続用情報を含む応答信号を送信してきた前記第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する通信路生成手段、
    前記通信路生成手段で生成された前記通信路を通じて、前記移動体に、前記移動体が提供するサービスの提供を依頼する手段、
    として機能させるための呼び寄せ装置用プログラム。
  42. 所定のサービスを提供するものであって相手先と通信路を生成するための前記サービス毎に異なる第1の無線接続用情報が記憶されている第1の無線通信装置を備える移動体を呼び寄せるために、相手先と通信路を生成するための第2の無線接続用情報が記憶されている第2の無線通信装置を備える呼び寄せ装置の前記第2の無線通信装置が備えるコンピュータを、
    前記サービス毎に異なる複数の前記第1の無線接続用情報を提供可能に保持するサーバ装置から、前記複数の前記第1の無線接続用情報の中から選択された前記第1の無線接続用情報を取得して、前記第2の無線接続用情報として記憶する記憶手段、
    前記移動体から受信した前記第1の無線接続用情報を含む接続要求信号に含まれる前記第1の無線接続用情報と、前記第2の無線接続用情報との一致を検知したときに、前記第2の無線接続用情報を含む応答信号を前記第1の無線通信装置に送信し、前記第1の無線通信装置との間で前記通信路を生成する第2の通信路生成手段を備え、
    前記呼び寄せ装置は、前記通信路を通じて、前記移動体に、前記移動体が提供するサービスの提供を依頼する手段、
    として機能させるための呼び寄せ装置用プログラム。

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