上述したように、垂直方向又は水平方向の一次元走査(測角)以外にも、垂直方向及び水平方向の2次元におけるビーム走査を行う場合にも、仮想受信アレーを構成するMIMOレーダが適用可能である。
一例として、図1Aは、垂直方向(図1Aでは縦方向)に配置された4個の送信アンテナ(Tx#1~Tx#4)を含む送信アレーアンテナ、及び、水平方向(図1Aでは横方向)に配置された4個の受信アンテナ(Rx#1~Rx#4)を含む受信アレーアンテナを示す。図1Aにおいて、送信アンテナは、垂直方向に等間隔(dV)に配置され、受信アンテナは、水平方向に等間隔(dH)に配置されている(例えば、非特許文献4を参照)。
図1Bは、図1Aに示すアンテナ配置の送受信アレーアンテナを含む仮想受信アレーを示す。図1Bに示す仮想受信アレーは、水平方向に4アンテナ及び垂直方向に4アンテナが矩形状に配置された16素子の仮想受信アンテナ(VA#1~VA#16)から構成される。図1Bでは、仮想受信アレーの水平方向及び垂直方向の素子間隔は、それぞれ、dH、dVとなる。すなわち、仮想受信アレーの水平方向及び垂直方向の開口長DH、DVは、それぞれ、3dH、3dVとなる。
図2A及び図2Bは、図1A及び図1Bに示したMIMOレーダのアンテナ配置において、水平方向の素子間隔dH=0.5λとし、垂直方向の素子間隔dV=0.5λとした場合の水平0°及び垂直0°方向に向けたフーリエビームパターンを示す。なお、λはレーダ搬送波の波長を示す。
図2A及び図2Bに示すように、水平0°及び垂直0°方向にメインビーム(メインローブ)が形成される。ここで、メインビームのビーム幅が狭いほど、複数のターゲットに対する角度分離性能が向上する。例えば、図2A及び図2Bでは、電力値が3dBのビーム幅は13°程度である。また、図2A及び図2Bに示すように、メインビームの周辺には、サイドローブが発生している。レーダ装置において、サイドローブは虚像として誤検出の要因となる。このため、サイドローブのピークレベルが低いほど、レーダ装置において虚像として誤検出される確率が低減される。図2A及び図2Bでは、メインビームのピークレベルによって正規化したサイドローブのピークレベルに対する電力比(ピークサイドローブレベル比(PSLR:Peak Sidelobe Level Ratio))は約-13dBとなる。
レーダ装置において検出範囲を拡大するには、利得の高いアンテナを用いることが有効である。例えば、アンテナの指向性(ビーム幅)を狭くすることにより、アンテナ利得を向上できる。アンテナの指向性は、例えば、アンテナの開口面を広げるほど、狭くなる。よって、アンテナの指向性を狭くするには、アンテナサイズが大きくなる。
例えば、車両に搭載されるレーダ装置(例えば、車載レーダとも呼ぶ)等では、垂直方向の指向性を狭めるために、垂直方向に複数のアンテナ素子を並べて構成したサブアレーアンテナを用いる(例えば、非特許文献3を参照)。垂直方向の指向性を狭めることにより、垂直方向のアンテナ利得を向上でき、路面等の不要な方向の反射波を低減できる。
しかしながら、サブアレーアンテナを、送信アレーアンテナ又は受信アレーアンテナを構成するアンテナ素子に用いる場合、アレーアンテナの素子間隔は、サブアレーアンテナのサイズよりも狭い間隔には配置できない。例えば、サブアレーアンテナを構成するアンテナ素子を垂直方向に配置する場合、サブアレーアンテナのサイズが1波長以上になり得る。よって、例えば、図1Aに示すMIMOレーダにおいて垂直方向にサブアレーアンテナを用いる場合には、垂直方向の素子間隔dVを1波長以上に広げることになる。
図3A及び図3Bは、図1Aに示すMIMOレーダの送受信アンテナ配置において垂直方向の素子間隔dVを1波長(λ)以上とした場合に、水平0°及び垂直0°方向に向けたフーリエビームパターンの一例を示す。なお、図3A及び図3Bでは、垂直方向にサブアレー化したアンテナ素子単体の指向性は考慮していない。
また、図3Aでは、垂直方向の素子間隔dV=λ、水平方向の素子間隔dH=0.5λであり、図3Bでは、垂直方向の素子間隔dV=2λ、水平方向の素子間隔dH=0.5λである。
図3A及び図3Bに示すように、水平0°及び垂直0°方向にメインビーム(メインローブ)が向き、例えば、図2A及び図2Bのサイドローブと比較して、メインビームの周辺の垂直方向に高いレベルのグレーティングローブが発生している。図3A及び図3Bでは、メインローブのピークレベルに対するグレーティングローブのピークレベルの比は0dBとなる。また、図3B(dV=2λ)では、図3A(dV=λ)と比較して、垂直方向に高いレベルのグレーティングローブが発生する角度間隔が狭くなっている。すなわち、垂直方向の素子間隔dVが広くなるほど、グレーティングローブが発生する角度間隔が狭まる性質が確認できる。
このように、レーダ装置は、垂直方向のアンテナサイズが大きくなるほど、垂直方向の素子間隔が広がるため、メインビームに比較的近い角度にグレーティングローブが発生しやすくなる。このため、レーダ装置で想定する検知角範囲が、グレーティングローブの発生する角度以上に広い場合には、レーダ装置は、検知角度範囲内において、グレーティングローブに起因する偽のピークを誤ってターゲット(物標)として検出する確率が増加し、レーダ装置の検出性能が劣化し得る。
本開示に係る一実施例は、MIMOレーダを用いて垂直方向及び水平方向の2次元においてビーム走査を行う場合に、垂直方向又は水平方向のアンテナサイズ(又は素子サイズ)が1波長以上になる場合でも、グレーティングローブの発生を抑え、垂直又は水平方向の角度分解能の向上を可能とする。
以下、本開示の一実施例に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施の形態において、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は重複するので省略する。
なお、以下では、レーダ装置において、送信ブランチにおいて、複数の送信アンテナから符号分割多重された異なる送信信号を送出し、受信ブランチにおいて、各送信信号を分離して受信処理を行う構成について説明する。しかし、レーダ装置の構成は、これに限定されず、送信ブランチにおいて、複数の送信アンテナから周波数分割多重された異なる送信信号を送出し、受信ブランチにおいて、各送信信号を分離して受信処理を行う構成でもよい。また、同様に、レーダ装置の構成は、送信ブランチで複数の送信アンテナから時分割多重された送信信号を送出し、受信ブランチで、受信処理を行う構成でもよい。
[実施の形態1]
[レーダ装置の構成]
図4は、本実施の形態に係るレーダ装置10の構成を示すブロック図である。
レーダ装置10は、レーダ送信部(送信ブランチ)100と、レーダ受信部(受信ブランチ)200と、基準信号生成部300と、を有する。
レーダ送信部100は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号に基づいて高周波(無線周波数:Radio Frequency)のレーダ信号(レーダ送信信号)を生成する。そして、レーダ送信部100は、複数の送信アンテナ106-1~106-Ntによって構成される送信アレーアンテナを用いて、レーダ送信信号を所定の送信周期にて送信する。
レーダ受信部200は、レーダ送信信号がターゲット(図示せず)に反射した反射波信号を、複数の受信アンテナ202-1~202-Naを含む受信アレーアンテナを用いて受信する。レーダ受信部200は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を用いて、下記の処理動作を行うことで、レーダ送信部100と同期した処理を行う。すなわち、レーダ受信部200は、各受信アンテナ202において受信した反射波信号を信号処理し、ターゲットの有無検出及び方向推定の少なくとも一つの処理を行う。なお、ターゲットはレーダ装置10が検出する対象の物体であり、例えば、車両(4輪及び2輪を含む)又は人を含む。
基準信号生成部300は、レーダ送信部100及びレーダ受信部200のそれぞれに接続されている。基準信号生成部300は、基準信号としてのリファレンス信号をレーダ送信部100及びレーダ受信部200に供給し、レーダ送信部100及びレーダ受信部200の処理を同期させる。
[レーダ送信部100の構成]
レーダ送信部100は、レーダ送信信号生成部101-1~101-Ntと、送信無線部105-1~105-Ntと、送信アンテナ106-1~106-Ntと、を有する。すなわち、レーダ送信部100は、Nt個の送信アンテナ106を有し、各送信アンテナ106は、それぞれ個別のレーダ送信信号生成部101及び送信無線部105に接続されている。
レーダ送信信号生成部101は、基準信号生成部300から受け取るリファレンス信号を所定数倍したタイミングクロックを生成し、生成したタイミングクロックに基づいてレーダ送信信号を生成する。そして、レーダ送信信号生成部101は、所定のレーダ送信周期(Tr)にてレーダ送信信号を繰り返し出力する。レーダ送信信号は、rz(k, M)=Iz(k, M)+j Qz(k, M)で表される。ここで、zは各送信アンテナ106に対応する番号を表し、z=1,…,Ntである。また、jは虚数単位を表し、kは離散時刻を表し、Mはレーダ送信周期の序数を表す。
各レーダ送信信号生成部101は、符号生成部102と、変調部103と、LPF(Low Pass Filter)104とを含む。以下、第z番目(z=1,…,Nt)の送信アンテナ106に対応するレーダ送信信号生成部101-zにおける各構成部について説明する。
例えば、符号生成部102は、レーダ送信周期Tr毎に、符号長Lの符号系列の符号a(z)n(n=1,…,L)(パルス符号)を生成する。各符号生成部102-1~102-Ntにおいて生成される符号a(z)n(z=1,…,Nt)には、互いに低相関又は無相関となる符号が用いられる。符号系列としては、例えば、Walsh-Hadamard符号、M系列符号、Gold符号などが挙げられる。
変調部103は、符号生成部102から出力される符号系列(例えば、符号a(z)n)に対してパルス変調(振幅変調、ASK(Amplitude Shift Keying)、パルスシフトキーイング)又は位相変調(Phase Shift Keying)を行い、変調信号をLPF104へ出力する。
LPF104は、変調部103から出力される変調信号のうち、所定の制限帯域以下の信号成分を、ベースバンドのレーダ送信信号として送信無線部105へ出力する。
第z(z=1,…,Nt)番目の送信無線部105は、第z番目のレーダ送信信号生成部101から出力されるベースバンドのレーダ送信信号に対して周波数変換を施してキャリア周波数(Radio Frequency:RF)帯のレーダ送信信号を生成し、送信増幅器により所定の送信電力P[dB]に増幅して第z番目の送信アンテナ106へ出力する。
第z(z=1,…,Nt)番目の送信アンテナ106は、第z番目の送信無線部105から出力されるレーダ送信信号を空間に放射する。
図5は、レーダ送信部100のNt個の送信アンテナ106から送信されるレーダ送信信号を示す。符号送信区間Tw内には符号長Lのパルス符号系列が含まれる。各レーダ送信周期Trのうち、符号送信区間Twの間にパルス符号系列が送信され、残りの区間(Tr-Tw)は無信号区間となる。1つのパルス符号(a(z)n)あたり、No個のサンプルを用いたパルス変調が施されることにより、各符号送信区間Tw内には、Nr(=No×L)個のサンプルの信号が含まれる。すなわち、変調部103におけるサンプリングレートは、(No×L)/Twである。また、無信号区間(Tr-Tw)には、Nu個のサンプルが含まれる。
なお、レーダ送信部100は、レーダ送信信号生成部101の代わりに、図6に示すレーダ送信信号生成部101aを備えてもよい。レーダ送信信号生成部101aは、図4に示す符号生成部102、変調部103及びLPF104を有さず、代わりに符号記憶部111及びDA変換部112を備える。符号記憶部111は、符号生成部102(図4)において生成される符号系列を予め記憶し、記憶している符号系列を巡回的に順次読み出す。DA変換部112は、符号記憶部111から出力される符号系列(デジタル信号)をアナログ信号(ベースバンド信号)に変換する。
[レーダ受信部200の構成]
図4において、レーダ受信部200は、Na個の受信アンテナ202を備え、アレーアンテナを構成する。また、レーダ受信部200は、Na個のアンテナ系統処理部201-1~201-Naと、方向推定部214と、を有する。
各受信アンテナ202は、ターゲット(物体)に反射したレーダ送信信号である反射波信号を受信し、受信した反射波信号を、対応するアンテナ系統処理部201へ受信信号として出力する。
各アンテナ系統処理部201は、受信無線部203と、信号処理部207とを有する。
受信無線部203は、増幅部204と、周波数変換器205と、直交検波器206と、を有する。受信無線部203は、基準信号生成部300から出力されるリファレンス信号を所定数倍したタイミングクロックを生成し、生成したタイミングクロックに基づいて動作する。具体的には、増幅器204は、受信アンテナ202から出力される受信信号を所定レベルに増幅し、周波数変換器205は、高周波帯域の受信信号をベースバンド帯域に周波数変換し、直交検波器206は、ベースバンド帯域の受信信号を、I信号及びQ信号を含むベースバンド帯域の受信信号に変換する。
信号処理部207は、AD変換部208、209と、分離部210-1~210-Ntと、を有する。
AD変換部208には、直交検波器206からI信号が入力され、AD変換部209には、直交検波器206からQ信号が入力される。AD変換部208は、I信号を含むベースバンド信号に対して、離散時刻でのサンプリングを行うことにより、I信号をデジタルデータに変換する。AD変換部209は、Q信号を含むベースバンド信号に対して、離散時刻でのサンプリングを行うことにより、Q信号をデジタルデータに変換する。
ここで、AD変換部208,209のサンプリングでは、レーダ送信信号における1つのサブパルスの時間Tp(=Tw/L)あたり、Ns個の離散サンプルが行われる。すなわち、1サブパルスあたりのオーバーサンプル数はNsとなる。
以下の説明では、I信号Ir(k, M)及びQ信号Qr(k, M)を用いて、AD変換部208,209の出力としての第M番目のレーダ送信周期Tr[M]の離散時刻kにおけるベースバンドの受信信号を複素数信号x(k, M)=Ir(k, M)+j Qr(k, M)と表す。また、以下では、離散時刻kは、レーダ送信周期(Tr)の開始するタイミングを基準(k=1)とし、信号処理部207は、レーダ送信周期Trが終了する前までのサンプル点であるk=(Nr+Nu)Ns/Noまで周期的に動作する。すなわち、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noとなる。ここで、jは虚数単位である。
信号処理部207は、送信アンテナ106の個数分の系統数に等しいNt個の分離部210を含む。各分離部210は、相関演算部211と、加算部212と、ドップラー周波数解析部213と、を有する。以下、第z(z=1,…,Nt)番目の分離部210の構成について説明する。
相関演算部211は、レーダ送信周期Tr毎に、AD変換部208,209から受け取る離散サンプル値Ir(k, M)及びQr(k, M)を含む離散サンプル値x(k, M)と、レーダ送信部100において送信される符号長Lのパルス符号a(z)
n(ただし、z=1,…,Nt、n=1,…,L)との相関演算を行う。例えば、相関演算部211は、離散サンプル値x(k, M)と、パルス符号a(z)
nとのスライディング相関演算を行う。例えば、第M番目のレーダ送信周期Tr[M]における離散時刻kのスライディング相関演算の相関演算値AC
(z)(k, M)は、次式に基づき算出される。
上式において、アスタリスク(*)は複素共役演算子を表す。
相関演算部211は、例えば、式(1)に従って、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noの期間に渡って相関演算を行う。
なお、相関演算部211は、k=1,…,(Nr+Nu)Ns/Noに対して相関演算を行う場合に限定されず、レーダ装置10の測定対象となるターゲットの存在範囲に応じて、測定レンジ(すなわち、kの範囲)を限定してもよい。これにより、レーダ装置10では、相関演算部211の演算処理量の低減が可能となる。例えば、相関演算部211は、k=Ns(L+1),…,(Nr+Nu)Ns /No-NsLに測定レンジを限定してもよい。この場合、図7に示すように、レーダ装置10は、符号送信区間Twに相当する時間区間では測定を行わない。
これにより、レーダ装置10は、レーダ送信信号がレーダ受信部200に直接的に回り込むような場合でも、レーダ送信信号が回り込む期間(少なくともτ1未満の期間)では相関演算部211による処理が行われないので、回り込みの影響を排除した測定が可能となる。また、測定レンジ(kの範囲)を限定する場合、以下で説明する加算部212、ドップラー周波数解析部213及び方向推定部214の処理に対しても、同様に測定レンジ(kの範囲)を限定した処理を適用すればよい。これにより、各構成部での処理量を削減でき、レーダ受信部200における消費電力を低減できる。
加算部212は、第M番目のレーダ送信周期Trの離散時刻k毎に相関演算部211から出力される相関演算値AC
(z)(k, M)を用いて、所定回数(Np回)のレーダ送信周期Trの期間(Tr×Np)に渡って、相関演算値AC
(z)(k, M)を加算(コヒーレント積分)する。期間(Tr×Np)に渡る加算数Npの加算(コヒーレント積分)処理は次式で表される。
ここで、CI(z)(k, m)は相関演算値の加算値(以下、相関加算値と呼ぶ)を表し、Npは1以上の整数値であり、mは加算部212における加算回数Npを1個の単位とした場合における加算回数の序数を示す1以上の整数である。また、z=1,…,Ntである。
加算部212は、レーダ送信周期Trを単位として得られた相関演算部211の出力を一つの単位として、Np回の加算を行う。つまり、加算部212は、相関演算値AC(z)(k, Np(m-1)+1)~AC(z)(k, Np×m)を一単位として、離散時刻kのタイミングを揃えて加算した相関値CI(z)(k, m)を離散時刻k毎に算出する。これにより、加算部212は、相関演算値のNp回に渡る加算の効果により、ターゲットからの反射波信号が高い相関を有する範囲において、反射波信号のSNR(Signal to Noise Ratio)を向上できる。よって、レーダ受信部200は、ターゲットの到来距離の推定に関する測定性能を向上できる。
なお、理想的な加算利得を得るためには、相関演算値の加算回数Npの加算区間において、相関演算値の位相成分がある程度の範囲で揃う条件が必要である。つまり、加算回数Npは、測定対象となるターゲットの想定最大移動速度に基づいて設定されることが好ましい。これは、ターゲットの想定最大速度が大きいほど、ターゲットからの反射波に含まれるドップラー周波数の変動量が大きい。このため、高い相関を有する時間期間が短くなるため、加算回数Npは小さい値となり、加算部212での加算による利得向上効果が小さくなるためである。
ドップラー周波数解析部213は、離散時刻k毎に得られた加算部212のNc個の出力であるCI
(z)(k, Nc(w-1)+1)~CI
(z)(k,Nc×w)を一単位として、離散時刻kのタイミングを揃えてコヒーレント積分を行う。例えば、ドップラー周波数解析部213は、次式に示すように、2Nf個の異なるドップラー周波数fsΔΦに応じた位相変動Φ(fs)=2πfs(Tr×Np)ΔΦを補正した後に、コヒーレント積分を行う。
ここで、FT_CI(z)
Nant(k, fs, w)は、ドップラー周波数解析部213における第w番目の出力であり、第Nant番目のアンテナ系統処理部201における離散時刻kでのドップラー周波数fsΔΦのコヒーレント積分結果を示す。ただし、Nant=1~Naであり、fs=-Nf+1,…,0,…,Nfであり、k=1,…, (Nr+Nu)Ns/Noであり、wは1以上の整数であり、ΔΦは位相回転単位である。
これにより、各アンテナ系統処理部201は、離散時刻k毎の2Nf個のドップラー周波数成分に応じたコヒーレント積分結果であるFT_CI(z)
Nant(k, -Nf+1,w),…, FT_CI(z)
Nant(k, Nf-1, w)を、レーダ送信周期間Trの複数回Np×Ncの期間(Tr×Np×Nc)毎に得る。なお、jは虚数単位であり、z=1,…,Ntである。
ΔΦ=1/(Nc×Tr×Np)とした場合、上述したドップラー周波数解析部213の処理は、サンプリング間隔Tm=(Tr×Np)、サンプリング周波数fm=1/Tmで加算部212の出力を離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理していることと等価である。
また、Nfを2のべき乗の数に設定することで、ドップラー周波数解析部213では、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理を適用でき、演算処理量を削減できる。なお、Nf>Ncでは、q>Ncとなる領域においてCI(z)(k、Nc(w-1)+q)=0とするゼロ埋め処理を行うことで、同様にFFT処理を適用でき、演算処理量を削減できる。
また、ドップラー周波数解析部213において、FFT処理の代わりに、上式(3)に示す積和演算を逐次的に演算する処理を行ってもよい。つまり、ドップラー周波数解析部213は、離散時刻k毎に得られた加算部212のNc個の出力であるCI(z)(k, Nc(w-1)+q+1)に対して、fs=-Nf+1,…,0,…,Nf-1に対応する係数exp[-j2πfsTrNpqΔφ]を生成し、逐次的に積和演算処理してもよい。ここで、q=0~Nc-1である。
なお、以下の説明では、Na個のアンテナ系統処理部201の各々において同様の処理を施して得られた第w番目の出力FT_CI
(z)
1(k, fs, w), FT_CI
(z)
2(k, fs, w),…, FT_CI
(z)
Na(k, fs, w)を、次式のように仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)として表記する。仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)は、送信アンテナ数Ntと受信アンテナ数Naとの積であるNt×Na個の要素を含む。仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)は、後述する、ターゲットからの反射波信号に対して受信アンテナ202間の位相差に基づく方向推定を行う処理の説明に用いる。ここで、z=1,…,Ntであり、b=1, …, Naである。
以上、信号処理部207の各構成部における処理について説明した。
方向推定部214は、アンテナ系統処理部201-1~201-Naから出力されるw番目のドップラー周波数解析部213の仮想受信アレー相関ベクトルh(k, fs, w)に対してアレー補正値h_cal
[y]を用いてアンテナ系統処理部201間の位相偏差及び振幅偏差を補正した仮想受信アレー相関ベクトルh
_after_cal(k, fs, w)を算出する。仮想受信アレー相関ベクトルh
_after_cal(k, fs, w)は次式で表される。なお、y=1,…,(Nt×Na)である。
アンテナ間偏差を補正した仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)は、Na×Nr個の要素からなる列ベクトルである。以下では、仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k, fs, w)の各要素をh1(k, fs, w),…,hNa×Nr(k, fs, w)と表記して、方向推定処理の説明に用いる。
[レーダ装置10におけるアンテナ配置]
以上の構成を有するレーダ装置10におけるNt個の送信アンテナ106及びNa個の受信アンテナ202の配置について説明する。
<基本配置1>
図8は、基本配置1に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
なお、以下の説明において用いる水平方向(例えば、図8では横方向)の間隔DH、及び、垂直方向(例えば、図8では縦方向)の間隔DVは、例えば、同一とする。なお、間隔DH、及び間隔DVは、異なってもよい。
(1)送受信アンテナの配置
図8では、送信アレーアンテナにおける送信アンテナ106の個数Nt=4個(Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)とし、受信アレーアンテナにおける受信アンテナ202の個数Na=4個(Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)とする。
図8に示す送信アレーアンテナは、「第1の送信アンテナ群」(図8では、Tx#2、Tx#4)と、「第2の送信アンテナ群」(図8では、Tx#1、Tx#3)とから構成される。各送信アンテナ群は、それぞれ、垂直方向について位置が同一であり、水平方向(図8では横方向)についてアンテナ間隔が2DHである2つの送信アンテナ素子を含む。また、「第1の送信アンテナ群」と「第2の送信アンテナ群」の垂直方向(図8では縦方向)の間隔は、例えば、3DVとなる。
また、図8に示す受信アレーアンテナは、「第1の受信アンテナ群」(図8では、Rx#2、Rx#4)と、「第2の受信アンテナ群」(図8では、Rx#1、Rx#3)とから構成される。各受信アンテナ群は、それぞれ、垂直方向について位置が同一であり、水平方向についてアンテナ間隔が3DHである2つの受信アンテナ素子を含む。また、「第1の受信アンテナ群」と「第2の受信アンテナ群」の垂直方向の間隔は、例えば、2DVとなる。
換言すると、図8において、送信アンテナ群間の垂直方向の間隔(図8では3DV)と、各受信アンテナ群内の水平方向のアンテナ間隔(図8では3DH)とが同一である。また、図8において、各送信アンテナ群内の水平方向のアンテナ間隔(図8では2DH)と、受信アンテナ群間の垂直方向の間隔(図8では2DH)とが同一である。
また、図8において、送信アンテナ群間の間隔3DV(又は、受信アンテナ群内のアンテナ間隔3DH)と、送信アンテナ群内のアンテナ間隔2DH(又は、受信アンテナ群間の間隔2DV)との差は、DH又はDVである。
また、図8において、送信アンテナ群内のアンテナ間隔2DH(DHの整数倍の間隔)と受信アンテナ群内のアンテナ間隔3DH(DHの整数倍の間隔)との差はDHである。また、図8において、複数の送信アンテナ群が配置される間隔3DV(DVの整数倍の間隔)と複数の受信アンテナ群が配置される間隔2DV(DVの整数倍の間隔)との差はDVである。
(2)仮想受信アレーの配置
上述した図8に示す送受信アンテナ配置によって構成される仮想受信アレー(仮想アンテナVA#1~VA#16)の配置は以下のような特徴を有する。
ここで、仮想受信アレーの配置は、送信アレーアンテナを構成する送信アンテナの位置(給電点の位置)、及び、受信アレーアンテナを構成する受信アンテナの位置(給電点の位置)から、次式のように表すことができる。
なお、mod(x,y)は除算後の剰余(モジュロ演算)を算出する演算子であり、xをyで割ったときの余りを返す。また、ceil(x)はx以上の最も近い整数に丸めた値を返す演算子である。また、式(7)においてX軸は、図8に示す水平方向(横方向)に対応し、Y軸は、図8に示す垂直方向(縦方向)に対応する。
ここで、送信アレーアンテナを構成する送信アンテナ106の位置座標を(XT_#n,YT_#n)(ただし、n=1,..,, Nt)とし、受信アレーアンテナを構成する受信アンテナ202の位置座標を(XR_#m,YR_#m)(ただし、m=1,..,, Na)とし、仮想受信アレーを構成する仮想アンテナの位置座標を(XV_#k,YV_#k)(ただし、k=1,..,, Nt×Na)とする。なお、式(7)では、VA#1を仮想受信アレーの位置基準(0,0)として表している。
一例として、図8に示すアンテナ配置の場合について説明する。
送信アレーアンテナを構成する送信アンテナ106の位置座標は、送信アンテナTx#1の位置座標(XT_#1,YT_#1)を基準として、送信アンテナTx#2の位置座標(XT_#2,YT_#2)=(XT_#1,YT_#1+3DV)、送信アンテナTx#3の位置座標(XT_#3,YT_#3)=(XT_#1+2DH,YT_#1)、及び、送信アンテナTx#4の位置座標(XT_#4,YT_#4)=(XT_#1+2DH,YT_#1+3DV)と表される。
同様に、受信アレーアンテナを構成する受信アンテナ202の位置座標は、受信アンテナRx#1の位置座標(XR_#1,YR_#1)を基準として、受信アンテナRx#2の位置座標(XR_#2,YR_#2)=(XR_#1,YR_#1+2DV)、受信アンテナRx#3の位置座標(XR_#3,YR_#3)=(XR_#1+3DH,YR_#1)、及び、受信アンテナRx#4の位置座標(XR_#4,YR_#4)=(XR_#1+3DH,YR_#1+2DV)と表される。
このような送信アレーアンテナの配置及び受信アレーアンテナの配置により、仮想受信アレーVA#1~VA#16の位置座標(XV_#1,YV_#1)~(XV_#16,YV_#16)は、それぞれ以下のようになる。
(0,0), (0, 3DV), (2DH, 0), (2DH, 3DV), (0, 2DV), (0, 5DV), (2DH, 2DV), (2DH, 5DV), (3DH,0), (3DH, 3DV), (5DH, 0), (5DH, 3DV), (3DH, 2DV), (3DH, 5DV), (5DH, 2DV), (5DH, 5DV)
このように、図8に示す仮想受信アレーの配置では、各仮想受信アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置される。このため、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、メインローブが狭まり、角度分解能を向上できる。
また、図8に示すように、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子VA#4, VA#7, VA#10及びVA#13は、水平方向にDH間隔、垂直方向にDV間隔でそれぞれ密に配置される。一例として、図8において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、仮想アレー素子VA#4, VA#7, VA#10及びVA#13は、水平方向にDH=0.5λ間隔、垂直方向にDV=0.5λ間隔で配置される。これにより、グレーティングローブを低減できる。なお、グレーティングローブの低減効果については後述する。
なお、仮想受信アレーの配置において、送信アレーアンテナと受信アレーアンテナとの位置関係に依存関係は無い。そのため、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの位置関係は、図8に示す配置に限定されず、任意に設定できる。以下に説明する他の配置構成においても同様である。
また、図8に示す送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの配置における水平方向及び垂直方向の配置を、垂直方向及び水平方向の配置(例えば、図8の配置を90度回転させた配置)として同様な効果が得られる。以下に説明する他の配置構成においても同様である。
また、図8に示すアンテナ配置において、送信アレーアンテナの配置と受信アレーアンテナの配置とを入れ替えてもよい。例えば、図8に示す受信アレーアンテナの配置を送信アレーアンテナの配置とし、図8に示す送信アレーアンテナの配置を受信アレーアンテナの配置として用いていもよい。送信アレーアンテナの配置と受信アレーアンテナの配置とを入れ替えても、仮想受信アレーの配置は同一配置となるため、同様な効果を得ることができる。以下に説明する他の配置構成においても同様である。
ここで、一例として、図8において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合について説明する。図8に示すように、送信アンテナアレー及び受信アンテナアレーの双方において、各アンテナ素子の間隔は、2DH、3DH、2DVおよび3DVの何れかである。換言すると、図8では、送信アンテナ群間の間隔3DV、受信アンテナ群内のアンテナ間隔3DH、送信アンテナ群内のアンテナ間隔2DH、及び、受信アンテナ群間の間隔2DVは、レーダ送信信号(例えば、レーダ搬送波)の1波長より長い間隔である。よって、図8では、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
これにより、例えば、図9Aに示すような、平面パッチアンテナを縦横に2素子ずつ並べた4素子をサブアレーに用いたアンテナを、図8に示す送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの少なくとも一つの各アンテナ素子に適用できる。ただし、図9Aでは、アンテナ幅WANT < 2DH、及び、アンテナ高HANT<2DVである。
また、図8の場合、送信アレーアンテナの垂直方向のアンテナ間隔は、3DVであり、水平方向のアンテナ間隔2DHよりも広い。そのため、例えば、図9Bに示すような、平面パッチアンテナを縦に3素子、横に2素子並べた6素子をサブアレーとして用いたアンテナを、図8に示す送信アレーアンテナの各アンテナ素子に適用できる。ただし、図9Bでは、アンテナ幅WANT < 2DH、及び、アンテナ高HANT< 3DVである。
また、図8の場合、受信アレーアンテナの水平方向のアンテナ間隔は、3DHであり、垂直方向のアンテナ間隔2DVよりも広い。そのため、例えば、図9Cに示すような、平面パッチアンテナを縦に2素子、横に3素子並べた6素子をサブアレーとして用いたアンテナを、図8に示す受信アレーアンテナの各アンテナ素子に適用できる。ただし、図9Cでは、アンテナ幅WANT < 3DH、及び、アンテナ高HANT<2DVである。
図8に示すアンテナ配置において、図9A、図9B又は図9Cに示すようなサブアレー構成のアンテナを用いることにより、アンテナの指向性利得を向上でき、レーダ装置10における検知性能(例えば、検知距離)を向上できる。なお、図8に示すアンテナ素子に適用するサブアレーの構成は、図9A、図9B及び図9Cに示す構成に限定されず、図8に示す位置をアンテナ素子(換言すると、アンテナ系統)の位相中心として配置可能なサブアレー構成であればよい。
一例として、図10は、図8に示す送信アレーアンテナの各アンテナ素子に、図9Bに示すサブアレーを適用した場合の例を示す。図10に示すように、送信アレーアンテナは、垂直方向のサイズ3DV、水平方向のサイズ2DHのサブアレー構成の各アンテナ素子によって構成される。
このように、基本配置1によれば、例えば、1λ以上のサイズ(例えば、DH=DV=0.5λの場合)のアンテナ素子を適用でき、仮想受信アレーにおいて、水平方向及び垂直方向において、仮想アンテナを密に(例えば、DH又はDV間隔で)配置できる。よって、グレーティングローブを低減(換言すると、抑圧)しつつ、アンテナの指向性利得を向上できる。
以上、レーダ装置10におけるアンテナ配置の一例について説明した。
方向推定部214は、上述した送受信アンテナの配置(例えば、図8を参照)から得られる仮想受信アレー(例えば、図8を参照)の受信信号を用いて、水平方向及び垂直方向の方向推定処理を以下のように行う。
上記仮想受信アレーの素子番号(VA#の番号)は、式(6)に示すアンテナ間偏差を補正した仮想受信アレー相関ベクトルh_after_cal(k、fs, w)の列ベクトルの要素番号に対応する。例えば、図8に示すVA#1はh_after_cal(k、fs, w)の列ベクトル要素の1番目の要素h1(k、fs, w)に対応する。図8に示す他のVA#2~VA#16についても同様である。
水平方向及び垂直方向の到来方向推定において、方向推定部214は、方向推定評価関数値P(θ、φ、k、fs、w)における方位方向θ及び仰角方向φを所定の角度範囲内で可変として空間プロファイルを算出する。方向推定部214は、算出した空間プロファイルの極大ピークを大きい順に所定数抽出し、極大ピークの方位方向及び仰角方向を到来方向推定値として出力する。
なお、評価関数値P(θ、φ、k、fs、w)は、到来方向推定アルゴリズムによって各種の方法がある。例えば参考非特許文献に開示されているアレーアンテナを用いた推定方法を用いてもよい。
(参考非特許文献)Direction-of-arrival estimation using signal subspace modeling Cadzow, J.A.; Aerospace and Electronic Systems, IEEE Transactions on Volume: 28 , Issue: 1 Publication Year: 1992 , Page(s): 64 - 79
例えばビームフォーマ法は次式のように表すことができる。他にも、Capon, MUSICといった手法も同様に適用可能である。
ここで、上付き添え字Hはエルミート転置演算子である。また、a(θu,φv)は、方位方向θ及び仰角方向φの到来波に対する仮想受信アレーの方向ベクトルを示す。
以上のように、方向推定部214は、算出した到来方向推定値とともに、到来方向推定値の算出時の離散時刻k、ドップラー周波数fsΔΦをレーダ測位結果として出力する。
また、方位方向θuは到来方向推定を行う方位範囲内を所定の方位間隔β1で変化させたベクトルである。例えば、θuは以下のように設定される。
θu=θmin + uβ1、u=0,…, NU
NU=floor[(θmax-θmin)/β1]+1
ここでfloor(x)は、実数xを超えない最大の整数値を返す関数である。
また、φvは到来方向推定を行う仰角範囲内を所定の方位間隔β2で変化させたものである。例えば、φvは以下のように設定される。
φv=φmin + vβ2、v=0,…, NV
NV=floor[(φmax-φmin)/β2]+1
なお、本実施の形態では、仮想受信アレー配置VA#1,…, VA#(Nt×Na)に基づいて仮想受信アレーの方向ベクトルa(θu,φv)が予め算出されている。ここで、方向ベクトルa(θu,φv)は、方位方向θ及び仰角方向φからレーダ反射波が到来した場合の仮想受信アレーの複素応答を要素とした(Nt×Na)次の列ベクトルである。また、仮想受信アレーの複素応答a(θu,φv)は、アンテナ間の素子間隔で幾何光学的に算出される位相差を表す。
また、上述した時刻情報kは、距離情報に変換して出力されてもよい。時刻情報kを距離情報R(k)に変換するには次式を用いればよい。ここで、Twは符号送信区間を表し、Lはパルス符号長を表し、C
0は光速度を表す。
また、ドップラー周波数情報(fsΔΦ)は相対速度成分に変換して出力されてもよい。ドップラー周波数fsΔΦを相対速度成分vd(fs)に変換するには、次式を用いてよい。ここで、λは送信無線部105から出力されるRF信号のキャリア周波数の波長である。
図11A及び図11Bは、方向推定部214の到来方向推定アルゴリズムにビームフォーマ法を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。図11A及び図11Bでは、ターゲット真値を水平0度、垂直0度とした場合の水平方向±90度範囲、及び、垂直方向±90度範囲における到来方向推定評価関数値の出力をプロットしている。なお、各アンテナの指向性は、無指向性として算出している。
図11Aは、図8に示す送受信アンテナ配置(例えば、MIMOアレー配置)(ただし、DH =0.5λ、DV =0.5λ)を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。すなわち、図11Aでは、送信アンテナ106の水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔が1λ以上となる条件であり、受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔も1λ以上となる条件である。
また、図11Bは、図11Aとの比較のために、一例として、図1に示すMIMOレーダのアンテナ配置において送信アンテナの垂直方向のアンテナ間隔をλとし、受信アンテナの水平方向のアンテナ間隔をλとした場合(すなわち、dV =λ、dH =λ)の方向推定結果を示す。
図11Bでは、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、グレーティングローブが水平方向および垂直方向に発生している。これに対して、図11Aでは、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、グレーティングローブが低減されていることが確認できる。例えば、図11Aでは、水平0度、垂直0度方向のメインローブのピーク電力値に対する、水平0度、垂直0度以外の方向のメインローブを除いた最も高いサイドローブのピーク電力値の比(PSLR)は0.44程度となっている。
以上のように、図8に示すMIMOアレー配置を用いることで、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナに用いるアンテナの縦方向又は横方向の素子サイズが1λ程度でも、仮想受信アレーにおける水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔を0.5λ程度となる素子間隔を含むように配置でき、グレーティングローブを低減できる。また、例えば、図8に示すように、仮想受信アレーの各仮想アレー素子は重なりなく配置されるため、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、送信アンテナ106及び受信アンテナ202に用いるアンテナ素子に、縦方向及び横方向の素子サイズが少なくとも1λ程度のサブアレー構成のアンテナを使用できる。よって、アンテナの指向性利得を向上でき、レーダ装置10の検知性能(例えば、検知距離)を向上できる。
なお、MIMOアレー配置は、図8に示す例に限定されない。例えば、図8に示すアンテナ配置の水平方向と垂直方向とを入れ替えた配置を用いてもよい。この場合、仮想受信アレー配置は、図8の配置の水平方向と垂直方向とを入れ替えた配置が得られる。これにより、図8及び図8の水平方向と垂直方向とを入れ替えた角度分離性能が得られる。以下の説明に係るMIMOアレー配置においても同様に、水平方向と垂直方向とを入れ替えた配置を用いてもよい。
<基本配置1の変形例1>
基本配置1(例えば、図8)では、送信アンテナ106の数を4素子(Nt=4)とし、受信アンテナ202の数を4素子(Nat=4)とする場合について説明した。しかし、送信アンテナ数Nt及び受信アンテナ数Naはこれらの数に限定されない。
基本配置1の変形例1では、送信アレーアンテナは、基本配置1と同様、例えば、垂直方向の間隔が3DVとなる、第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群とから構成される。また、各送信アンテナ群は、基本配置1と同様、それぞれ、垂直方向について位置が同一であり、水平方向についてアンテナ間隔が2DHである複数の送信アンテナ素子を含む。
また、基本配置1の変形例1では、受信アレーアンテナは、基本配置1と同様、例えば、垂直方向の間隔が2DVとなる複数の受信アンテナ群から構成される。また、各受信アンテナ群は、垂直方向について位置が同一であり、水平方向についてアンテナ間隔が3DHである複数の受信アンテナ素子を含む。
換言すると、基本配置1の変形例1では、基本配置1と同様、送信アンテナ群間の垂直方向の間隔(ここでは3DV)と、各受信アンテナ群内の水平方向のアンテナ間隔(ここでは、3DH)とが同一である。また、各送信アンテナ群内の水平方向のアンテナ間隔(ここでは、2DH)と、受信アンテナ群間の垂直方向の間隔(ここでは、2DH)とが同一である。
また、以下では、送信アンテナ群の数を「NTxGroup」と表し、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxGroup_ANT」と表す。また、受信アンテナ群の数を「NRxGroup」と表し、各受信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NRxGroup_ANT」と表す。
基本配置1の変形例1では、NTxGroup_ANT及びNRxGroupの値に応じて、MIMOアレーのアンテナ数を増加させた配置が可能となる。
図12は、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=2の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
図13は、NTxGroup_ANT=2、NRxGroup=3の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
図14は、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=3の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
なお、図12、図13及び図14において、NTxGroup=2であり、NRxGroup_ANT=2である。
図12、図13及び図14に示す各MIMOアレー配置において、例えば、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図12、図13及び図14に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、図12、図13及び図14に示す各仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、NTxGroup_ANT及びNRxGroupに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では(NTxGroup_ANT×NRxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NRxGroup×NTxGroup)-2の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxGroup_ANT、NRxGroup_ANTが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、NRxGroup、NRxGroupが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
図15は、例えば、図14に示すように、送信アンテナ106の数Nt=8及び受信アンテナ202の数Na=6のMIMOアレー配置(NTxGroup_ANT=4、NTxGroup=2、NRxGroup=3、NRxGroup_ANT=2、DH=0.5λ、DV=0.5λ)を用いた場合に、方向推定部214の到来方向推定アルゴリズムとしてビームフォーマ法を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。なお、各アンテナの指向性は、無指向性として算出している。
図15では、ターゲット真値を水平0度、垂直0度とした場合の水平方向±90度範囲、及び、垂直方向±90度範囲における到来方向推定評価関数値の出力をプロットしている。
図15では、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、例えば、図11Aと比較して、グレーティングローブが低減されていることが確認できる。例えば、図15では、水平0度、垂直0度方向のメインローブのピーク電力値に対する、メインローブを除いた最も高いサイドローブのピーク電力値の比(PSLR)は0.22程度となっている。
これより、図14の場合(NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=3)には、図8(NTxGroup_ANT=2、NRxGroup=2)の場合(例えば、図11Aを参照)と比較して(両図の場合、ともにNTxGroup=2、NRxGroup_ANT=2)、NTxGroup_ANT及びNRxGroupを増加させることにより、サイドローブの低減効果の向上が確認できる。また、図15では、図11Aと比較して、メインローブのピークも鋭くなっており、NTxGroup_ANT及びNRxGroupの増加によって、角度分解能の向上が確認できる。
<基本配置1の変形例2>
以下、基本配置1の変形例2におけるアンテナ配置方法1-2A及び1-2Bについてそれぞれ説明する。
(配置方法1-2A)
基本配置1の変形例1では、受信アレーアンテナに含まれる受信アンテナ群の数NRxGroupを増加することにより、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大させる場合について説明した。ここで、NRxGroup≧3を満たせば、送信アレーアンテナにおいて、送信アンテナ群の数NTxGroupを増加することでも、仮想受信アレーにおいて垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大できる。
この場合、送信アンテナ群の垂直方向のアンテナ間隔を、例えば、一定の値(例えば、3DV)としてよいが、受信アンテナ群の数NRxGroupに依存して、仮想受信アレー配置は仮想アレー素子が重複する配置になり得る。
そこで、仮想受信アレー配置において重複する仮想アレー素子が含まれない配置とするには、例えば、送信アンテナ群の垂直方向のアンテナ間隔のうち、偶数番目のアンテナ間隔に、以下のような間隔D
TxGroupVを用いてよい。
例えば、NRxGroup=3の場合、DTxGroupV=3DVとなり、NRxGroup=4の場合、DTxGroupV=5DVとなる。
例えば、送信アンテナ群の数NTxGroup=3の場合、3個の送信アンテナ群の間隔は、{3DV、DTxGroupV}とする。また、送信アンテナ群の数NTxGroup=4の場合、4個の送信アンテナ群の間隔は、{3DV、DTxGroupV、3DV}とする。同様に、送信アンテナ群の数NRxGroup_ANT=5の場合、5個の送信アンテナ群の間隔は、{3DV、DTxGroupV、3DV、DTxGroupV}とする。
図16は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=3、NRxGroup_ANT=2の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図16では、式(11)のDTxGroupV=3DVとなる。
また、図17は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4、NRxGroup_ANT=2の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図17では、式(11)のDTxGroupV=5DVとなる。
なお、仮想受信アレーの中心付近に不等間隔(例えば、DH及びDVよりも大きい間隔)となる配置が含まれてよい場合、DTxGroupVは、式(11)の値よりも大きい値でもよい。
(配置方法1-2B)
基本配置1の変形1では、送信アレーアンテナの各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup_ANTを増加することにより、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大させる場合について説明した。ここで、NTxGroup_ANT≧3を満たせば、受信アレーアンテナにおいて、受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxGroup_ANTを増加することでも、仮想受信アレーにおいて水平方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大できる。
この場合、受信アンテナ群の水平方向のアンテナ間隔を、例えば、一定の値(例えば、3DH)としてもよいが、送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup_ANTに依存して、仮想受信アレー配置は仮想アレー素子が重複する配置になり得る。
そこで、仮想受信アレー配置において重複する仮想アレー素子が含まれない配置とするには、例えば、受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの水平方向のアンテナ間隔のうち、偶数番目のアンテナ間隔に、以下のような間隔D
RxAntHを用いてよい。
例えば、NTxGroup_ANT=3の場合、DRxAntH=3DHとなり、NTxGroup_ANT=4の場合、DRxAntH =5DHとなる。
例えば、受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxGroup_ANT=3の場合、3個の受信アンテナのアンテナ間隔は、{3DH、DRxAntH}とする。また、受信アンテナ数NRxGroup_ANT=4の場合、4個の受信アンテナのアンテナ間隔は、{3DH、DRxAntH、3DH}とする。同様に、受信アンテナ数NRxGroup_ANT=5の場合、5個の受信アンテナのアンテナ間隔は、{3DH、DRxAntH、3DH、DRxAntH}とする。
図18は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=3、NRxGroup=2、NRxGroup_ANT=4の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図18では、式(12)のDRxAntH=3DHとなる。
図19は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=2, NRxGroup_ANT=4の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図19では、式(12)のDRxAntH=5DHとなる。
なお、仮想受信アレーの中心付近に不等間隔(例えば、DH及びDVよりも大きい間隔)となる配置が含まれてよい場合、DRxAntHは、式(12)の値よりも大きい値でもよい。
以上、基本配置1の変形例2における配置方法1-2A及び1-2Bについてそれぞれ説明した。
例えば、図16~図19に示す送受信アンテナ配置(例えば、MIMOアレー配置)において、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図16~図19に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、例えば、図16~図19に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、NTxGroup、NTxGroup_ANT、NRxGroup及びNRxGroup_ANTに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では(NTxGroup_ANT×NRxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NRxGroup×NTxGroup)-2の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxGroup_ANT、NRxGroup_ANTが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、NTxGroup、NRxGroupが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
なお、基本配置1の変形2において、配置方法1-2A及び配置方法1-2Bを組み合わせた配置も可能である。図20は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4、NRxGroup_ANT=4の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図20では、式(11)のDTxGroupV=5DHとなり、式(12)のDRxAntH=5DHとなる。これにより、配置方法1-2A及び配置方法1-2Bを組み合わせた効果が得られる。
<基本配置1の変形例3>
以下、基本配置1の変形例3におけるアンテナ配置方法1-3A、1-3B及び1-3Cについてそれぞれ説明する。
(配置方法1-3A)
基本配置1では、送信アレーアンテナにおいて、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナの水平方向の位置が同一の場合について説明した。しかし、これに限らず、各送信アンテナ群の間において、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナの水平方向の配置位置は異なってもよい。
例えば、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群及び第2の送信アンテナ群にそれぞれ含まれる各送信アンテナは、水平方向の位置をDHずらして(換言すると、シフトして)配置されてよい。
水平方向にDHずらす方向は、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナを右方向または左方向の何れの方向でもよい。
図21は、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3)をそれぞれ右方向にDHずらした場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
図21では、Tx#1及びTx#2の水平方向の位置がDH異なる。また、Tx#3及びTx#4の水平方向の位置がDH異なる。
(配置方法1-3B)
基本配置1では、受信アレーアンテナにおいて、各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの水平方向の位置が同一の場合について説明した。しかし、これに限らず、各受信アンテナ群の間において、各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの水平方向の配置位置は異なってもよい。
例えば、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群及び第2のアンテナ群にそれぞれ含まれる各受信アンテナは、水平方向の位置をDHずらして配置されてよい。
水平方向にDHずらす方向は、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナを右方向または左方向の何れの方向でもよい。
図22は、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#4)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#3)をそれぞれ右方向にDHずらした場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
図22では、Rx#1及びRx#2の水平方向の位置がDH異なる。また、Rx#3及びRx#4の水平方向の位置がDH異なる。
(配置方法1-3C)
配置方法1-3Cは、配置方法1-3A及び配置方法1-3Bを組み合わせた方法である。
例えば、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群との間で送信アンテナは、水平方向の位置をDHずらして配置される。同様に、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群と第2のアンテナ群との間で受信アンテナは、水平方向の位置をDHずらして配置される。
なお、水平方向にDHずらす方向は、例えば、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナを右方向又は左方向の何れの方向でもよい。また、水平方向にDHずらす方向は、例えば、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナを右方向又は左方向の何れの方向でもよい。
図23は、配置方法1-3Cに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図23では、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3)はそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図23では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#4)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#3)はそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
図24は、配置方法1-3Cに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図24では、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3)はそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図24では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#4)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#3)はそれぞれ右方向にDHずらして配置される。
例えば、受信アンテナ群と送信アンテナ群とで水平方向にDHずらす方向を異なる方向とした配置(例えば、図24)と比較して、受信アンテナ群と送信アンテナ群とで水平方向にDHずらす方向を同一とした配置(例えば、図23)の方が、仮想受信アレー配置の中心付近において仮想受信アレー素子がより密に配置されるため、より好適となる。
以上、配置方法1-3A~1-3Cについてそれぞれ説明した。
例えば、図21~図24に示す送受信アンテナ配置(例えば、MIMOアレー配置)において、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度のサイズに設計できる。
これにより、基本配置1の変形例3では、例えば、図9Aに示すような平面パッチアンテナを縦横2素子並べた4素子をサブアレーに用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 2DH,アンテナ高HANT<2DV)を適用できる(図示せず)。
また、送信アンテナ群間の垂直方向の間隔は3DVであり、各送信アンテナ群内の送信アンテナ間の水平方向の間隔は2DHであり、送信アレーアンテナは、水平方向の間隔よりも垂直方向の間隔が広い。このため、基本配置1の変形例3では、例えば、図9Bのような、平面パッチアンテナを縦3素子、横2素子並べた6素子をサブアレーとして用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 2DH,アンテナ高HANT<3DV)を適用できる。
また、基本配置1の変形例3では、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの少なくとも一つにおいて、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ又は各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの水平方向の位置が互いに異なる。このため、基本配置1の変形例3では、サブアレーの横方向WANTの素子サイズがDHよりも小さければ、サブアレーの縦方向の素子サイズは任意サイズでよい。
例えば、図25Aは、平面パッチアンテナを縦8素子、横1素子並べたサブアレーの一例を示す。なお、サブアレーの構成は図25Aに示す構成に限定されない。
また、図25Bは、図23又は図24に示す送信アンテナアレーに対して、図25Aに示すサブアレーを適用した場合の例を示す。なお、図25Bに示す送信アレーアンテナに加え、図25Cに示すように、無給電素子(ダミー素子)が配置されてよい。無給電素子により、隣接するアンテナによるアンテナ間結合の影響を各アンテナで均一化でき、各送信アンテナ(Tx#1~#4)の指向特性を均一化できる。また、無給電素子を設置することによって、アンテナの放射、インピーダンス整合、又は、アイソレーション等の電気的特性の影響を一様化できる。なお、無給電素子の配置は、図25Cに限らず、各アンテナと物理的に干渉しない位置、サイズで配置されてよい。
このように、基本配置1の変形例3に係るアンテナ配置において、サブアレー構成のアンテナを用いることにより、アンテナの指向性利得を向上でき、レーダ装置10における検知性能(例えば、検知距離)を向上できる。
また、基本配置1の変形例3では、仮想受信アレーの各仮想アレー素子は重なりなく配置されるため、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
(変形例3と変形例1との組み合わせ)
なお、基本配置1の変形例3は、基本配置1の変形例1と組み合わせてもよい。
例えば、基本配置1の変形例1に係る送信アレーアンテナの配置に対して、更に、送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置を、送信アンテナ群間でDHずらした配置としてよい。
同様に、例えば、基本配置1の変形例1に係る受信アレーアンテナの配置に対して、更に、受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置を、受信アンテナ群間でDHずらした配置としてよい。
図26~図30は、変形例3と変形例1との組み合わせにおけるアンテナ配置の一例を示す。
図26は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=3, NRxGroup_ANT=2とし、送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
また、図27は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=3, NRxGroup_ANT=2とし、受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
また、図28は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=3, NRxGroup_ANT=2とし、送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置をDHずらし、受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図28では、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図28では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#3,Rx#6)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#5)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図28では、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#4)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
また、図29は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=3, NRxGroup_ANT=2とし、送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置をDHずらし、受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図29では、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図29では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#3,Rx#6)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#5)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図29では、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#4)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
例えば、図26~図29に示す各MIMOアレー配置において、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図26~図29に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
なお、送信アレーアンテナにおける第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群との間で各送信アンテナの水平方向の位置をDHずらして配置した場合、又は、受信アレーアンテナにおける第1の受信アンテナ群と第2の受信アンテナ群との間で各受信アンテナの水平方向の位置をDHずらして配置した場合でも、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、例えば、NTxGroup_ANT及びNRxGroupに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では(NTxGroup_ANT×NRxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NRxGroup×NTxGroup)-2の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxGroup_ANTが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、NRxGroupが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
なお、図28及び図29では、受信アンテナ群の数NRxGroupが3以上の場合、各受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置を一定方向(右あるいは左方向)にずらして配置する場合を示す。しかし、受信アンテナの水平方向の位置をずらす方向はこれに限定されない。例えば、受信アンテナ群の数NRxGroupが3以上の場合、各受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置を右方向又は左方向にずらず方向を、受信アンテナ群毎に可変にしてもよい。
図30は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=3, NRxGroup_ANT=2とし、送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置をDHずらし、受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図30では、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図30では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#3,Rx#6)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#5)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図30では、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#4)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。
図30のアンテナ配置でも、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、例えば、NTxGroup_ANT及びNRxGroupに依存して増える。例えば、水平方向では、(NTxGroup_ANT×NRxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NRxGroup×NTxGroup)-2の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
(変形例3と変形例2との組み合わせ)
また、基本配置1の変形例3は、基本配置1の変形例2と組み合わせてもよい。
例えば、基本配置1の変形例2に係る送信アレーアンテナの配置に対して、更に、送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置を、送信アンテナ群間でDHずらした配置としてよい。
同様に、例えば、基本配置1の変形例2に係る受信アレーアンテナの配置に対して、更に、受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置を、受信アンテナ群間でDHずらした配置としてよい。
なお、送信アンテナ群の数NTxGroupが3以上の場合、各送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置を一定方向(右あるいは左方向)にずらして配置してもよく各送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置を右方向又は左方向にずらず方向を、送信アンテナ群毎に可変にしてもよい。
図31及び図32は、変形例3と変形例2との組み合わせにおけるアンテナ配置の一例を示す。
図31は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4, NRxGroup_ANT=2とし、送信アンテナ群及び受信アンテナ群に含まれる各アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図31では、式(11)のDTxGroupV=5DVとなる。
図31では、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#4,Tx#8,Tx#12,Tx#16)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx3,Tx#7,Tx#11,Tx#15)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図31では、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第3の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx2,Tx#6,Tx#10,Tx#14)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図31では、第3の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第4の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx1,Tx#5,Tx#9,Tx#13)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
また、図31では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#4,Rx#8)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#3,Rx#7)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図31では、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#6)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図31では、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第4の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#5)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
次に、図32は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=2, NRxGroup_ANT=4とし、送信アンテナ群及び受信アンテナ群に含まれる各アンテナの水平方向の位置をDHずらした場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図32では、式(12)のDRxGroupH=5DHとなる。
図32では、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図32では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#4,Rx#6,Rx#8)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#3,Rx#5,Rx#7)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
例えば、図31及び図32に示す各MIMOアレー配置において、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ以上にできる。
また、例えば、図31及び図32に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、図31及び図32に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、例えば、NTxGroup、NTxGroup_ANT、NRxGroup及びNRxGroup_ANTに依存して増加する。
例えば、水平方向では(NTxGroup_ANT×NRxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では、(NRxGroup×NTxGroup)-2の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxGroup_ANT及びNRxGroup_ANTが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、NTxGroup、NRxGroupが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
なお、基本配置1の変形例3は、例えば、図20に示す基本配置1の変形例2における配置方法A及びBの組み合わせた配置に対して、更に、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナにおいて、各アンテナの水平方向の位置を、送信アンテナ群間及び受信アンテナ群間でDHずらした配置としてよい。
図33は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4, NRxGroup_ANT=4とし、送信アンテナ群及び受信アンテナ群に含まれる各アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図33では、式(11)のDTxGroupV=5DVとなり、式(12)のDRxGroupH=5DHとなる。
図33では、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#4,Tx#8,Tx#12,Tx#16)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx3,Tx#7,Tx#11,Tx#15)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図33では、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第3の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx2,Tx#6,Tx#10,Tx#14)がそれぞれ水平方向に同一位置に配置される。また、図33では、第3の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第4の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx1,Tx#5,Tx#9,Tx#13)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
また、図33では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#4,Rx#8,Rx#12,Rx#16)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#3,Rx#7,Rx#11,Rx#15)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図33では、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#6,Rx#10,Rx#14)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図33では、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第4の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#5,Rx#9,Rx#13)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
これにより、基本配置1の変形例3で得られる効果に加え、基本配置1の変形例2における配置方法1-2A及び1-2Bを組み合わせた効果が得られる。
<基本配置2>
図34は、基本配置2に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
(1)送受信アンテナの配置
図34では、送信アレーアンテナにおける送信アンテナ106の個数Nt=4個(Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)とし、受信アレーアンテナにおける受信アンテナ202の個数Na=4個(Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)とする。
図34に示す送信アレーアンテナは、「第1の送信アンテナ群」(図34では、Tx#2、Tx#4)と、「第2の送信アンテナ群」(図34では、Tx#1、Tx#3)とから構成される。各送信アンテナ群は、それぞれ、垂直方向について位置が同一であり、水平方向(図34では横方向)についてアンテナ間隔が3DHである2つの送信アンテナ素子を含む。また、「第1の送信アンテナ群」と「第2の送信アンテナ群」の垂直方向(図34では縦方向)の間隔は、例えば、3DVとなる。
また、図34に示す受信アレーアンテナは、「第1の受信アンテナ群」(図34では、Rx#2、Rx#4)と、「第2の受信アンテナ群」(図34では、Rx#1、Rx#3)とから構成される。各受信アンテナ群は、垂直方向について位置が同一であり、水平方向についてアンテナ間隔が2DHである2つの受信アンテナ素子を含む。また、「第1の受信アンテナ群」と「第2の受信アンテナ群」の垂直方向の間隔は、例えば、2DVとなる。
このように、図34に示す送受信アンテナ配置において、送信アレーアンテナは、複数の送信アンテナ群から構成され、複数の送信アンテナ群の各々は、例えば、水平方向にDHの整数倍の間隔(ここでは、3DH)で配置される複数の送信アンテナを含む。また、複数の送信アンテナ群は、垂直方向において3DVの間隔で配置される。換言すると、送信アンテナ群間の垂直方向のアンテナ間隔(図34では3DV)と、各送信アンテナ群内の水平方向のアンテナ間隔(図34では3DH)とが同一である。
また、図34に示す送受信アンテナ配置において、受信アレーアンテナは、複数の受信アンテナ群から構成され、複数の受信アンテナ群の各々は、例えば、水平方向にDHの整数倍の間隔(ここでは、2DH)の間隔で配置される複数の受信アンテナを含む。また、複数の受信アンテナ群は、垂直方向において2DVの間隔で配置される。換言すると、各受信アンテナ群内の水平方向のアンテナ間隔(図34では2DH)と、受信アンテナ群間の垂直方向のアンテナ間隔(図34では2DH)とが同一である。
また、図34では、送信アンテナ106におけるアンテナ間隔(図34では3DH)と、受信アンテナ202におけるアンテナ間隔(図34では2DH)とは異なり、例えば、差はDHである。また、図34では、複数の送信アンテナ群が配置される間隔3DV(DVの整数倍の間隔)と複数の受信アンテナ群が配置される間隔2DV(DVの整数倍の間隔)との差はDVである。
例えば、図34に示す水平方向(横方向)がX軸に対応し、図34に示す垂直方向(縦方向)がY軸方向に対応することを仮定する。
図34に示すアンテナ配置の場合、送信アレーアンテナを構成する送信アンテナ106の位置座標は、送信アンテナTx#1の位置座標(XT_#1,YT_#1)を基準として、送信アンテナTx#2の位置座標(XT_#2,YT_#2)=(XT_#1,YT_#1+3DV)、送信アンテナTx#3の位置座標(XT_#3,YT_#3)=(XT_#1+3DH,YT_#1)、及び、送信アンテナTx#4の位置座標(XT_#4,YT_#4)=(XT_#1+3DH,YT_#1+3DV)と表される。
同様に、受信アレーアンテナを構成する受信アンテナ202の位置座標は、受信アンテナRx#1の位置座標(XR_#1,YR_#1)を基準として、受信アンテナRx#2の位置座標(XR_#2,YR_#2)=(XR_#1,YR_#1+2DV)、受信アンテナRx#3の位置座標(XR_#3,YR_#3)=(XR_#1+2DH,YR_#1)、及び、受信アンテナRx#4の位置座標(XR_#4,YR_#4)=(XR_#1+2DH,YR_#1+2DV)と表される。
(2)仮想受信アレーの配置
上述した図34に示す送受信アンテナ配置によって構成される仮想受信アレー(仮想アンテナVA#1~VA#16)の配置は以下のような特徴を有する。
例えば、図34に示す送信アレーアンテナの配置及び受信アレーアンテナの配置により、仮想受信アレーVA#1~VA#16の位置座標(XV_#1,YV_#1)~(XV_#16,YV_#16)は、それぞれ以下のようになる。なお、ここでは、VA#1を仮想受信アレーの位置基準(0,0)として表している。
(0,0), (0, 3DV), (3DH, 0), (3DH, 3DV), (0, 2DV), (0, 5DV), (3DH, 2DV), (3DH, 5DV), (2DH,0), (2DH, 3DV), (5DH, 0), (5DH, 3DV), (2DH, 2DV), (2DH, 5DV), (5DH, 2DV), (5DH, 5DV)
このように、図34に示す仮想受信アレーの配置では、各仮想受信アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置される。このため、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、メインローブが狭まり、角度分解能を向上できる。
また、図34に示すように、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子VA#4, VA#7, VA#10及びVA#13は、水平方向にDH間隔、垂直方向にDV間隔でそれぞれ密に配置される。一例として、図34において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、仮想アレー素子VA#4, VA#7, VA#10及びVA#13は、水平方向にDH=0.5λ間隔、垂直方向にDV=0.5λ間隔で配置される。これにより、基本配置1(例えば、図8を参照)と同様、グレーティングローブを低減できる。
また、例えば、図34に示すMIMOアレー配置において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ以上のサイズに設計できる。
これにより、例えば、図9Aに示すような、平面パッチアンテナを縦横に2素子ずつ並べた4素子をサブアレーに用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 2DH,アンテナ高HANT<2DV)を、図34に示す送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの少なくとも一つの各アンテナ素子に適用できる。
図34では、送信アレーアンテナにおいて、水平方向のアンテナ間隔は3DHであり、垂直方向のアンテナ間隔は3DVである。つまり、図34に示す送信アレーアンテナのアンテナ間隔(3DH及び3DV)は、受信アレーアンテナのアンテナ間隔(2DH及び2DV)より広い。また、図34に示す送信アレーアンテナの水平方向のアンテナ間隔(3DH)は、基本配置1における送信アレーアンテナの水平方向のアンテナ間隔(例えば、図8では2DH)より広い。
よって、図34に示す送信アレーアンテナには、例えば、図9Aに示す4素子のサブアレーよりも縦方向及び横方向の間隔が広い、図35に示すように平面パッチアンテナを縦3素子、横3素子ずつ並べた9素子をサブアレーに用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 3DH,アンテナ高HANT<3DV)を適用できる。
方向推定部214は、上述した送受信アンテナ配置(例えば、図34を参照)から得られる仮想受信アレーの受信信号を用いて、水平方向及び垂直方向の方向推定処理を行う。例えば、図34に示す基本配置2の仮想受信アレーは、基本配置1(例えば、図8を参照)の仮想受信アレーと同様な構成であるため、同様な性能を得ることができる。
以上のように、図34に示すMIMOアレー配置を用いることで、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナに用いるアンテナの縦方向又は横方向の素子サイズが1λ程度でも、仮想受信アレーにおける水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔を0.5λ程度となる素子間隔を含むように配置でき、グレーティングローブを低減できる。また、例えば、図34に示すように、仮想受信アレーの各仮想アレー素子は重なりなく配置されるため、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、送信アンテナ106及び受信アンテナ202に用いるアンテナ素子に、縦方向及び横方向の素子サイズが少なくとも1λ程度のサブアレー構成のアンテナを使用できる。よって、アンテナの指向性利得を向上でき、レーダ装置10の検知性能(例えば、検知距離)を向上できる。
また、基本配置2では、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの何れか一方(図34では送信アレーアンテナ)において、他方よりもアンテナ間隔を広く設定できる。これにより、一方のアレーアンテナにおいて、より大きなサイズのサブアレーを適用でき、アンテナの指向性利得を向上できる。
<基本配置2の変形例1>
基本配置2(例えば、図34)では、送信アンテナ106の数を4素子(Nt=4)とし、受信アンテナ202の数を4素子(Na=4)とする場合について説明した。しかし、送信アンテナ数Nt及び受信アンテナ数Naはこれらの数に限定されない。
基本配置2の変形例1では、送信アレーアンテナは、基本配置2(例えば、図34)と同様、例えば、垂直方向の間隔が3DVとなる第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群とから構成される。また、各送信アンテナ群は、基本配置2と同様、垂直方向について位置が同一であり、水平方向についてアンテナ間隔が3DHである2つの送信アンテナ素子を含む。
また、基本配置2の変形例1では、受信アレーアンテナは、基本配置2と同様、例えば、垂直方向の間隔が2DVとなるNRxGroup個の受信アンテナ群(例えば、第1から第NRxGroupの受信アンテナ群)から構成される。また、各受信アンテナ群は、垂直方向について位置が同一であり、水平方向についてアンテナ間隔が2DHであるNRxGroup_ANT個の受信アンテナ素子を含む。
基本配置2の変形例1では、NRxGroup及びNRxGroup_ANTの値に応じて、MIMOアレーのアンテナ数(例えば、受信アンテナ数Na)を増加させた配置が可能となる。
図36は、NRxGroup=3、NRxGroup_ANT=2の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
図37は、NRxGroup=2、NRxGroup_ANT=3の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
図38は、NRxGroup=3、NRxGroup_ANT=4の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
なお、図36、図37及び図38において、NTxGroup=2であり、NTxGroup_ANT=2である。
図36、図37及び図38に示す各MIMOアレー配置において、例えば、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図36、図37及び図38に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、図36、図37及び図38に示す各仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、NRxGroup及びNRxGroup_ANTに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では(NRxGroup_ANT×NTxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NRxGroup×NTxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NRxGroup_ANTが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、NRxGroupが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
<基本配置2の変形例2>
以下、基本配置2の変形例2におけるアンテナ配置方法2-2A及び2-2Bについてそれぞれ説明する。
(配置方法2-2A)
基本配置2の変形例1では、受信アレーアンテナに含まれる受信アンテナ群の数NRxGroupを増加することにより、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大させる場合について説明した。ここで、NRxGroup≧3を満たせば、送信アレーアンテナにおいて、送信アンテナ群の数NTxGroupを増加することでも、仮想受信アレーにおいて垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大できる。
この場合、送信アンテナ群の垂直方向のアンテナ間隔を、例えば、一定の値(例えば、3DV)としてよいが、受信アンテナ群の数NRxGroupに依存して、仮想受信アレー配置は仮想アレー素子が重複する配置になり得る。
そこで、仮想受信アレー配置において重複する仮想アレー素子が含まれない配置とするには、例えば、送信アンテナ群の垂直方向のアンテナ間隔のうち、偶数番目のアンテナ間隔に、以下のような間隔D
TxGroupV2を用いてよい。
例えば、NRxGroup=3の場合、DTxGroupV2=3DVとなり、NRxGroup=4の場合、DTxGroupV2=5DHとなる。
例えば、送信アンテナ群の数NTxGroup=3の場合、3個の送信アンテナ群の間隔は、{3DV、DTxGroupV2}とする。また、送信アンテナ群の数NTxGroup=4の場合、4個の送信アンテナ群の間隔は、{3DV、DTxGroupV2、3DV}とする。また、送信アンテナ群の数NRxGroup_ANT=5の場合、5個の送信アンテナ群の間隔は、{3DV、DTxGroupV2、3DV、DTxGroupV2}とする。
図39は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=2、NRxGroup=3、NRxGroup_ANT=2の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図39では、式(13)のDTxGroupV2=3DVとなる。
また、図40は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=2、NRxGroup=4, NRxGroup_ANT=2の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図40では、式(13)のDTxGroupV2=5DVとなる。
なお、仮想受信アレーの中心付近に不等間隔(例えば、DH及びDVよりも大きい間隔)となる配置が含まれてよい場合、DTxGroupV2は、式(13)の値よりも大きい値でもよい。
<配置方法2-2B>
記法配置2の変形例1では、受信アレーアンテナの各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxGroup_ANTを増加することにより、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大させる場合について説明した。ここで、NRxGroup_ANT≧3を満たせば、送信アレーアンテナにおいて、送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup_ANTを増加することでも、仮想受信アレーにおいて水平方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大できる。
この場合、受信アンテナ群の水平方向のアンテナ間隔を、例えば、一定の値(例えば、3DH)としてもよいが、受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxGroup_ANTに依存して、仮想アレー配置は仮想アレー素子が重複する配置になり得る。
そこで、仮想受信アレー配置において重複する仮想アレー素子が含まれない配置とするには、例えば、送信アンテナ群に含まれる送信アンテナの水平方向のアンテナ間隔のうち、偶数番目のアンテナ間隔に、以下のような間隔を用いてよい。
例えば、NRxGroup_ANT=3の場合、DTxAntH=3DHとなり、NRxGroup_ANT=4の場合、DTxAntH =5DHとなる。
例えば、送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup_ANT=3の場合、3個の送信アンテナのアンテナ間隔は、{3DH、DTxAntH}とする。また、送信アンテナ数NTxGroup_ANT=4の場合、4個の送信アンテナのアンテナ間隔は、{3DH、DTxAntH、3DH}とする。同様に、送信アンテナ数NTxGroup_ANT=5の場合、5個の送信アンテナのアンテナ間隔は、{3DH、DTxAntH、3DH、DTxAntH}とする。
図41は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=2、NRxGroup_ANT=3の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図41では、式(14)のDTxAntH=3DHとなる。
図42は、NTxGroup=2、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=2、NRxGroup_ANT=4の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図41では、式(14)のDTxAntH=5DHとなる。
なお、仮想受信アレーの中心付近に不等間隔(例えば、DH及びDVよりも大きい間隔)となる配置が含まれてよい場合、DTxAntHは、式(14)の値よりも大きい値でもよい。
以上、基本配置2の変形例2における配置方法2-2A及び2-2Bについてそれぞれ説明した。
例えば、図39~図42に示す送受信アンテナ配置(例えば、MIMOアレー配置)において、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図39~図42に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、例えば、図39~図42に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、NTxGroup、NTxGroup_ANT、NRxGroup及びNRxGroup_ANTに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では(NRxGroup_ANT×NTxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NRxGroup×NTxGroup)-2の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxGroup_ANT、NRxGroup_ANTが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、NTxGroup、NRxGroupが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
なお、基本配置2の変形例2において、配置方法2-2A及び配置方法2-2Bを組み合わせた配置も可能である。図43は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4、NRxGroup_ANT=4の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図43では、式(13)のDTxGroupV2=5DHとなり、式(14)のDTxAntH=5DHとなる。これにより、配置方法2-2A及び配置方法2-2Bを組み合わせた効果が得られる。
<基本配置2の変形例3>
以下、基本配置2の変形例3におけるアンテナ配置方法2-3A、2-3B及び2-3Cについてそれぞれ説明する。
(配置方法2-3A)
基本配置2では、送信アレーアンテナにおいて、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナの水平方向の位置が同一の場合について説明した。しかし、これに限らず、各送信アンテナ群の間において、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナの水平方向の配置位置は異なってもよい。
例えば、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群及び第2の送信アンテナ群にそれぞれ含まれる各送信アンテナは、水平方向の位置をDHずらして(換言すると、シフトして)配置されてよい。
水平方向にDHずらす方向は、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナを右方向または左方向の何れの方向でもよい。
図44は、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3)をそれぞれ右方向にDHずらした場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
図44では、Tx#1及びTx#2の水平方向の位置がDH異なる。また、Tx#3及びTx#4の水平方向の位置がDH異なる。
(配置方法2-3B)
基本配置2では、受信アレーアンテナにおいて、各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの水平方向の位置が同一の場合について説明した。しかし、これに限らず、各受信アンテナ群の間において、各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの水平方向の配置位置は異なってもよい。
例えば、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群及び第2のアンテナ群にそれぞれ含まれる各受信アンテナは、水平方向の位置をDHずらして配置されてよい。
水平方向にDHずらす方向は、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナを右方向または左方向の何れの方向でもよい。
図45は、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#4)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#3)をそれぞれ左方向にDHずらした場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
図45では、Rx#1及びRx#2の水平方向の位置がDH異なる。また、Rx#3及びRx#4の水平方向の位置がDH異なる。
(配置方法2-3C)
配置方法2-3Cは、配置方法2-3A及び配置方法2-3Bを組み合わせた方法である。
例えば、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群との間で送信アンテナは、水平方向の位置をDHずらして配置される。同様に、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群と第2のアンテナ群との間で受信アンテナは、水平方向の位置をDHずらして配置される。
なお、水平方向にDHずらす方向は、例えば、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナを右方向又は左方向の何れの方向でもよい。また、水平方向にDHずらす方向は、例えば、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナを右方向又は左方向の何れの方向でもよい。
図46は、配置方法2-3Cに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図46では、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3)はそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図46では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#4)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#3)はそれぞれ右方向にDHずらして配置される。
図47は、配置方法2-3Cに係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図47では、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#2,Tx#4)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#1,Tx#3)はそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図47では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#4)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#3)はそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
例えば、受信アンテナ群と送信アンテナ群とで水平方向にDHずらす方向を異なる方向とした配置(例えば、図47)と比較して、受信アンテナ群と送信アンテナ群とで水平方向にDHずらす方向を同一とした配置(例えば、図46)の方が、仮想受信アレー配置の中心付近において仮想受信アレー素子がより密に配置されるため、より好適となる。
以上、配置方法2-3A~2-3Cについてそれぞれ説明した。
例えば、図45~図47に示す送受信アンテナ配置(例えば、MIMOアレー配置)において、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度のサイズに設計できる。
これにより、基本配置1の変形例3では、例えば、図9Aに示すような平面パッチアンテナを縦横2素子並べた4素子をサブアレーに用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 2DH,アンテナ高HANT<2DV)を適用できる(図示せず)。
また、図45~図47に示す送信アレーアンテナには、例えば、図9Aに示す4素子のサブアレーよりも縦方向及び横方向の間隔が広い、平面パッチアンテナを縦3素子、横3素子ずつ並べた9素子をサブアレーに用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 3DH,アンテナ高HANT<3DV)を適用できる。
また、基本配置2の変形例3では、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの少なくとも一つにおいて、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ又は各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの水平方向の位置が互いに異なる。このため、基本配置2の変形例3では、サブアレーの横方向WANTの素子サイズがDHよりも小さければ、サブアレーの縦方向の素子サイズは任意サイズでよい。例えば、図45~図47の各送信アレーアンテナにおいて、図25Aに示す平面パッチアンテナを縦8素子、横1素子並べたサブアレーを用いてもよい。
(変形例3と変形例1又は変形例2との組み合わせ)
なお、基本配置2の変形例3は、基本配置2の変形例1又は変形例2と組み合わせてもよい。
例えば、基本配置2の変形例1又は変形例2に係る送信アレーアンテナの配置に対して、更に、送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置を、送信アンテナ群間でDHずらした配置としてよい。
同様に、例えば、基本配置2の変形例1又は変形例2に係る受信アレーアンテナの配置に対して、更に、受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置を、受信アンテナ群間でDHずらした配置としてよい。
図48、図49、図50A、図50B、図51A及び図51Bは、変形例3と、変形例2との組み合わせにおけるアンテナ配置の一例を示す。
図48は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4, NRxGroup_ANT=4とし、送信アンテナ群に含まれる各アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図48では、式(13)のDTxGroupV2=5DHとなり、式(14)のDTxAntH=5DHとなる。
図49は、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4, NRxGroup_ANT=4とし、受信アンテナ群に含まれる各アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。図49では、式(13)のDTxGroupV2=5DHとなり、式(14)のDTxAntH=5DHとなる。
図49では、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#4,Rx#8,Rx#12,Rx#16)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx3,Rx#7,Rx#11,Rx#15)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図49では、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx2,Rx#6,Rx#10,Rx#14)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図49では、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第4の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx1,Rx#5,Rx#9,Rx#13)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
図50Aは、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4, NRxGroup_ANT=4とし、送信アンテナ群及び受信アンテナ群に含まれる各アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示し、図50Bは、仮想受信アレーの配置例を示す。図50Aでは、式(13)のDTxGroupV2=5DHとなり、式(14)のDTxAntH=5DHとなる。
図50Aでは、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#4,Tx#8,Tx#12,Tx#16)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx3,Tx#7,Tx#11,Tx#15)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図50Aでは、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第3の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx2,Tx#6,Tx#10,Tx#14)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図50Aでは、第3の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第4の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx1,Tx#5,Tx#9,Tx#13)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
また、図50Aでは、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#4,Rx#8,Rx#12,Rx#16)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#3,Rx#7,Rx#11,Rx#15)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図50Aでは、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#6,Rx#10,Rx#14)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図50Aでは、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第4の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#5,Rx#9,Rx#13)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。
図51Aは、NTxGroup=4、NTxGroup_ANT=4、NRxGroup=4, NRxGroup_ANT=4とし、送信アンテナ群及び受信アンテナ群に含まれる各アンテナの水平方向の位置をDHずらした配置の場合の送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例を示し、図51Bは、仮想受信アレーの配置例を示す。図50Aでは、式(13)のDTxGroupV2=5DHとなり、式(14)のDTxAntH=5DHとなる。
図51Aでは、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx#4,Tx#8,Tx#12,Tx#16)に対して、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx3,Tx#7,Tx#11,Tx#15)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図51Aでは、第1の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第3の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx2,Tx#6,Tx#10,Tx#14)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図51Aでは、第3の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナに対して、第4の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナ(例えば、Tx1,Tx#5,Tx#9,Tx#13)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
また、図51Aでは、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#4,Rx#8,Rx#12,Rx#16)に対して、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#3,Rx#7,Rx#11,Rx#15)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。また、図51Aでは、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#2,Rx#6,Rx#10,Rx#14)がそれぞれ右方向にDHずらして配置される。また、図51Aでは、第3の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナに対して、第4の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナ(例えば、Rx#1,Rx#5,Rx#9,Rx#13)がそれぞれ左方向にDHずらして配置される。
例えば、図48、図49、図50A及び図51Aに示す各MIMOアレー配置において、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図48、図49、図50B及び図51Bに示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
なお、送信アンテナ群の数NTxGroupが3以上の場合、各送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置を一定方向(右あるいは左方向)にずらして配置でもよく、各送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置を右方向又は左方向にずらず方向を、送信アンテナ群毎に可変にしてもよい。同様に、受信アンテナ群の数NRxGroupが3以上の場合、各受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置を一定方向(右あるいは左方向)にずらして配置でもよく、各受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの水平方向の位置を右方向又は左方向にずらず方向を、受信アンテナ群毎に可変にしてもよい。
何れのアンテナ配置でも、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、例えば、NTxGroup、NTxGroup_ANT、NRxGroup及びNRxGroup_ANTに依存して増加する。
例えば、水平方向では、(NTxGroup_ANT×NRxGroup_ANT)-2の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NRxGroup×NTxGroup)-2の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxGroup_ANT及びNRxGroup_ANTが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、NTxGroup、NRxGroupが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
<基本配置3>
図52A~Dは、基本配置3に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
(1)送受信アンテナの配置
図52A~Dでは、送信アレーアンテナにおける送信アンテナ106の個数Nt=4個(Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)とし、受信アレーアンテナにおける受信アンテナ202の個数Na=4個(Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)とする。
図52A~Dに示す送信アレーアンテナは、「第1の送信アンテナ群」(図52A~Dでは、Tx#2、Tx#4)と、「第2の送信アンテナ群」(図52A~Dでは、Tx#1、Tx#3)とから構成される。各送信アンテナ群は、それぞれ、垂直方向について位置が同一であり、水平方向(図52A~Dでは横方向)についてアンテナ間隔が2DHである2つの送信アンテナ素子を含む。また、「第1の送信アンテナ群」と「第2の送信アンテナ群」の垂直方向(図52A~Dでは縦方向)の間隔は、例えば、2DVとなる。
また、図52A~Dにおいて、第1の送信アンテナ群及び第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置は、DHずれた互いに異なる位置となる。例えば、第2の送信アンテナ群に含まれる各送信アンテナの水平方向の位置は、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナの水平位置を、+DHずらした配置又は-DHずらした配置である。
また、図52A~Dに示す受信アレーアンテナは、「第1の受信アンテナ群」(図52A~Dでは、Rx#1、Rx#2)と、「第2の受信アンテナ群」(図52A~Dでは、Rx#3、Rx#4)とから構成される。各受信アンテナ群は、それぞれ、水平方向について位置が同一であり、垂直方向についてアンテナ間隔が2DVである2つの受信アンテナ素子を含む。また、「第1の受信アンテナ群」と「第2の受信アンテナ群」の水平方向の間隔は、例えば、2DHとなる。
また、図52A~Dにおいて、第1の受信アンテナ群及び第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの垂直方向の位置は、DVずれた互いに異なる位置となる。例えば、第2の受信アンテナ群に含まれる各受信アンテナの垂直方向の位置は、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの垂直位置を、+DVずらした配置又は-DVずらした配置である。
例えば、図52A及び図52Cに示す送受信アンテナ配置において、送信アレーアンテナに含まれる送信アンテナのそれぞれの配置位置と、受信アレーアンテナに含まれる受信アンテナのそれぞれの配置位置とは、水平方向及び垂直方向により構成される2次元平面において、例えば、+90°又は-90°回転させた関係にある。
また、図52B及び図52Dに示す送受信アンテナ配置において、送信アレーアンテナに含まれる送信アンテナのそれぞれの配置位置と、受信アレーアンテナに含まれる受信アンテナのそれぞれの配置位置とは、水平方向及び垂直方向により構成される2次元平面において、例えば、+90°又は-90°回転させ、かつ、反転させた関係にある。
なお、第1の送信アンテナ群に対する第2の送信アンテナ群の水平方向のずれ量ΔHTxの組み合わせ2種類(+DH、-DH)、及び、第1の受信アンテナ群に対する第2の受信アンテナ群の垂直方向のずれ量ΔVRxの組み合わせ2種類(+DV、-DV)は、いずれの組み合わせでもよい。ここで、例えば、図52A~Dにおいて+DH方向は右方向とし、-DHは左方向とする。また、図52A~Dにおいて+DV方向は上方向とし、-DVは下方向とする。
例えば、4種類の組み合わせ構成(ΔHTx、ΔVRx)=(+DH、+DV)、(+DH、-DV)、(-DH、+DV)、(DH、-DV)のいずれの組み合わせでもよい。一例として、図52A~Dは、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、-DV)、(-DH、+DV)、(+DH、+DV)、(+DH、-DV)の場合のMIMOアレー配置及び仮想受信アレーの配置をそれぞれ示す。
図52A~Dに示す各アンテナ群ずれ量の場合のMIMOアレー配置により得られる仮想受信アレー配置は、それぞれ、回転対称性のある配置となり、同様の測角性能の特性が得られる。
例えば、図52Aに示す水平方向(横方向)がX軸に対応し、図52Aに示す垂直方向(縦方向)がY軸方向に対応することを仮定する。
例えば、図52Aに示すアンテナ配置の場合、送信アレーアンテナを構成する送信アンテナ106の位置座標は、送信アンテナTx#1の位置座標(XT_#1,YT_#1)を基準として、送信アンテナTx#2の位置座標(XT_#2,YT_#2)=(XT_#1+DH,YT_#1+2DV)、送信アンテナTx#3の位置座標(XT_#3,YT_#3)=(XT_#1+2DH,YT_#1)、及び、送信アンテナTx#4の位置座標(XT_#4,YT_#4)=(XT_#1+3DH,YT_#1+2DV)と表される。
同様に、受信アレーアンテナを構成する受信アンテナ202の位置座標は、受信アンテナRx#1の位置座標(XR_#1,YR_#1)を基準として、受信アンテナRx#2の位置座標(XR_#2,YR_#2)=(XR_#1,YR_#1+2DV)、受信アンテナRx#3の位置座標(XR_#3,YR_#3)=(XR_#1+ 2DH,YR_#1 - DV)、及び、受信アンテナRx#4の位置座標(XR_#4,YR_#4)=(XR_#1+2DH,YR_#1+DV)と表される。
(2)仮想受信アレーの配置
上述した図52A~Dに示す送受信アンテナ配置によって構成される仮想受信アレー(仮想アンテナVA#1~VA#16)の配置は以下のような特徴を有する。
例えば、図52Aに示す送信アレーアンテナの配置及び受信アレーアンテナの配置により、仮想受信アレーVA#1~VA#16の位置座標(XV_#1,YV_#1)~(XV_#16,YV_#16)は、それぞれ以下のようになる。なお、ここでは、VA#1を仮想受信アレーの位置基準(0,0)として表している。
(0,0), (DH, 2DV), (2DH, 0), (3DH, 2DV), (0, 2DV), (DH, 4DV), (2DH, 2DV), (3DH, 4V), (2DH, - DV), (3DH, DV), (4DH, - DV), (5DH, DV), (2DH, DV), (3DH, 3DV), (4DH, DV), (5DH, 3DV)
このように、図52A~Dに示す仮想受信アレーの配置では、各仮想受信アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置される。このため、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、メインローブが狭まり、角度分解能を向上できる。
また、図52A~Dに示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子VA#4, VA#7, VA#10及びVA#13は、水平方向にDH間隔、垂直方向にDV間隔でそれぞれ密に配置される。一例として、図52A~Dにおいて、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子は、水平方向にDH=0.5λ間隔、垂直方向にDV=0.5λ間隔で配置される。これにより、基本配置1(例えば、図8を参照)と同様、グレーティングローブを低減できる。
また、例えば、図52A~Dに示すMIMOアレー配置において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ以上のサイズに設計できる。
これにより、例えば、図9Aに示すような、平面パッチアンテナを縦横に2素子ずつ並べた4素子をサブアレーに用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 2DH,アンテナ高HANT<2DV)を、図52A~Dに示す送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの少なくとも一つの各アンテナに適用できる。
なお、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数(以下、「NTxHGroup1_ANT」と表す)と、第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数(以下、「NTxHGroup2_ANT」と表す)とは同数又は1アンテナ分の差分があってよい。例えば、|NTxHGroup1_ANT-NTxHGroup2_ANT|=0 or 1とする。
同様に、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数(以下、「NRxVGroup1_ANT」と表す)と、第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数(以下、「NRxVGroup2_ANT」と表す)とは同数又は1アンテナ分の差分があってよい。例えば、|NRxVGroup1_ANT-NRxVGroup2_ANT|=0 or 1とする。
図53A~Dは、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup1_ANTと第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup2_ANTとに1アンテナ分の差分があり、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの数NRxVGroup1_ANTと第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxVGroup2_ANTとが同数の場合のMIMOアレーアンテナ数が最小となる構成例を示す。
図53A~Dに示すように、|NTxHGroup1_ANT-NTxHGroup2_ANT|=1かつ|NRxVGroup1_ANT-NRxVGroup2_ANT|=0の場合のMIMOアレーアンテナ数が最小となる構成は、送信アンテナ数が3となり、受信アンテナ数が4(NRxVGroup1_ANT=NRxVGroup2_ANT=2)となる構成であり、例えば、図53A~Dの4通りのパターンが存在する。
図53Aは、NTxHGroup1_ANT=1(Tx#2)、NTxHGroup2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、-DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図53Bは、NTxHGroup1_ANT=1(Tx#2)、NTxHGroup2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、+DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図53Cは、NTxHGroup1_ANT=2(Tx#2,Tx#3)、NTxHGroup2_ANT=1(Tx#1)、(ΔHTx、ΔVRx)=(+DH、-DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図53Dは、NTxHGroup1_ANT=2(Tx#2,Tx#3)、NTxHGroup2_ANT=1(Tx#1)、 (ΔHTx、ΔVRx)=(+DH、+DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図54A~Dは、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup1_ANTと第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup2_ANTとが同数であり、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの数NRxVGroup1_ANTと第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxVGroup2_ANTとに1アンテナ分の差分がある場合のMIMOアレーアンテナ数が最小となる構成例を示す。
図54A~Dに示すように、|NTxHGroup1_ANT-NTxHGroup2_ANT|=0かつ|NRxVGroup1_ANT-NRxVGroup2_ANT|=1の場合のMIMOアレーアンテナ数が最小となる構成は、送信アンテナ数が4(NTxVGroup1_ANT=NTxVGroup2_ANT=2)となり、受信アンテナ数が3となる構成であり、例えば、図54A~Dの4通りのパターンが存在する。
図54Aは、NRxHGroup1_ANT=1(Rx#1)、NRxHGroup2_ANT=2(Rx#2,Rx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、+DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図54Bは、NRxHGroup1_ANT=1(Rx#1)、NRxHGroup2_ANT=2(Rx#2,Rx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(+DH、+DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図54Cは、NRxHGroup1_ANT=2(Rx#1,Rx#2)、NRxHGroup2_ANT=1(Rx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、-DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図54Dは、NRxHGroup1_ANT=2(Rx#1,Rx#2)、NRxHGroup2_ANT=1(Rx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(+DH、-DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図55A~Dは、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup1_ANTと第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup2_ANTとに1アンテナ分の差分があり、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの数NRxVGroup1_ANTと第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxVGroup2_ANTとに1アンテナ分の差分がある場合のMIMOアレーアンテナ数が最小となる構成例を示す。
図55A~Dに示すように、|NTxHGroup1_ANT-NTxHGroup2_ANT|=1かつ|NRxVGroup1_ANT-NRxVGroup2_ANT|=1の場合のMIMOアレーアンテナ数が最小となる構成は、送信アンテナ数が3となり、受信アンテナ数が3となる構成であり、例えば、図55A~Dの4通りのパターンが存在する。
図55Aは、NTxVGroup1_ANT=1(Tx#2)、NTxVGroup2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、NRxHGroup1_ANT=2(Rx#1,Rx#2)、NRxHGroup2_ANT=1(Rx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、-DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図55Bは、NTxVGroup1_ANT=1(Tx#2)、NTxVGroup2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、NRxHGroup1_ANT=1(Rx#1)、NRxHGroup2_ANT=2(Rx#2,Rx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、+DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図55Cは、NTxVGroup1_ANT=2(Tx#2,Tx#3)、NTxVGroup2_ANT=1(Tx#1)、NRxHGroup1_ANT=2(Rx#1,Rx#2)、NRxHGroup2_ANT=1(Rx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(+DH、-DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図55Dは、NTxVGroup1_ANT=2(Tx#2,Tx#3)、NTxVGroup2_ANT=1(Tx#1)、NRxHGroup1_ANT=1(Rx#1)、NRxHGroup2_ANT=2(Rx#2,Rx#3)、(ΔHTx、ΔVRx)=(+DH、+DV)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
例えば、図55A~Dにおいて、送信アレーアンテナは3つの送信アンテナを含み、受信アレーアンテナは3つの受信アンテナを含む。
また、3つの送信アンテナのうち2つの送信アンテナ(例えば、1つの送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ)は、例えば、水平方向に2DH(換言すると、DHの2倍の間隔)離れて配置される。また、3つの送信アンテナのうち残りの1つの送信アンテナは、例えば、水平方向に、上記2つの送信アンテナからそれぞれDH間隔離れて(換言すると、中間位置)配置され、垂直方向に、上記2つの送信アンテナから2DV間隔(換言すると、DVの2倍の間隔)離れて配置される。
同様に、3つの受信アンテナのうち2つの受信アンテナ(例えば、1つの受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ)は、例えば、垂直方向に2DV(換言すると、DVの2倍の間隔)離れて配置される。また、3つの受信アンテナのうち残りの1つの受信アンテナは、例えば、垂直方向に、上記2つの受信アンテナからそれぞれDV間隔離れて(換言すると、中間位置に)配置され、水平方向に、上記2つの受信アンテナから2DH間隔(換言すると、DHの2倍の間隔)離れて配置される。
換言すると、図55A~Dにおいて、3つの送信アンテナのそれぞれの配置位置と、3つの受信アンテナのそれぞれの配置位置とは、水平方向(例えば、X軸)及び垂直方向(例えば、Y軸)により構成される2次元平面において回転対称の関係にある。例えば、図52A~Dでは、送信アレーアンテナと、受信アレーアンテナとは、±90度回転させた関係にある。
なお、基本配置3、及び、基本配置3の各変形例に係る送受信アンテナ配置には、少なくとも、上述した3つの送信アンテナ又は3つの受信アンテナの配置関係を有するアンテナ配置が含まれている。
図52A~D、図53A~D、図54A~D及び図55A~Dに示す仮想受信アレーの各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子は、DH、DV間隔で密に配置される。一例として、図52A~D、図53A~D、図54A~D及び図55A~Dにおいて、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子は、水平方向にDH=0.5λ間隔、垂直方向にDV=0.5λ間隔で配置される。これにより、グレーティングローブを低減できる。
また、例えば、基本配置3のMIMOアレー配置において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
これにより、例えば、図9Aに示すような、平面パッチアンテナを縦横2素子ずつ並べた4素子をサブアレーに用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 2DH,アンテナ高HANT<2DV)を、図52A~D、図53A~D、図54A~D及び図55A~Dに示す送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの少なくとも一つの各アンテナ素子に適用できる。
また、送信アンテナ106の場合、横方向WANTの素子サイズがDHよりも小さければ、縦方向には任意サイズのアンテナを用いることができる。
例えば、図56Aは、図52Aに示すアンテナ配置に対して、図25Aに示す平面パッチアンテナを縦8素子、横1素子並べたサブアレーを適用した場合の例を示す。なお、図56Bに示すように、図56Aに示す送信アレーアンテナに加え、無給電素子(ダミー素子)が配置されてよい。無給電素子により、隣接するアンテナによるアンテナ間結合の影響を各アンテナで均一化でき、各送信アンテナ(Tx#1~#4)の指向特性を均一化できる。
このように、基本配置3に係るアンテナ配置において、サブアレー構成のアンテナを用いることにより、アンテナの指向性利得を向上でき、レーダ装置10における検知性能(例えば、検知距離)を向上できる。
方向推定部214は、上述した送受信アンテナ配置から得られる仮想受信アレーの受信信号を用いて、水平方向及び垂直方向の方向推定処理を行う。なお、方向推定部214における基本配置3の仮想受信アレーに対する処理は、基本配置1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
図57は、例えば、図52Aに示すように、送信アンテナ106の数Nt=4及び受信アンテナ202の数Na=4のMIMOアレー配置(DH=0.5λ、DV=0.5λ)を用いた場合に、方向推定部214の到来方向推定アルゴリズムとしてビームフォーマ法を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。すなわち、図57では、送信アンテナ106の水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔が1λ以上となり、受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔も1λ以上となる。なお、各アンテナの指向性は、無指向性として算出している。
図57では、ターゲット真値を水平0度、垂直0度とした場合の水平方向±90度範囲、及び、垂直方向±90度範囲における到来方向推定評価関数値の出力をプロットしている。
図57では、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、例えば、図1Aと比較して、グレーティングローブが低減されていることが確認できる。例えば、図57では、水平0度、垂直0度方向のメインローブのピーク電力値に対する、水平0度、垂直0度以外の方向のメインローブを除いた最も高いサイドローブのピーク電力値の比(PSLR)は0.3程度となっている。
以上のように、基本配置3に係るMIMOアレー配置を用いることで、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナに用いるアンテナの縦方向又は横方向の素子サイズが1λ程度でも、仮想受信アレーにおける水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔を0.5λ程度となる素子間隔を含むように配置でき、グレーティングローブを低減できる。また、例えば、図52Aに示す仮想受信アレーの各仮想アレー素子は重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
<基本配置3の変形例1>
基本配置3では、送信アンテナ106の数及び受信アンテナ202の数を、送信4素子(Nt=4)及び受信4素子(Na=4)の構成(例えば、図52A~D)、送信3素子(Nt=3)及び受信4素子(Na=4)の構成(例えば、図53A~D)、送信4素子(Nt=4)及び受信3素子(Na=3)の構成(例えば、図54A~D)、及び、最小構成として送信3素子(Nt=3)及び受信3素子(Na=3)の構成(例えば、図55A~D)について説明した。しかし、送信アンテナ数Nt及び受信アンテナ数Naはこれらの数に限定されない。
基本配置3の変形例1では、基本配置3に対して、MIMOアレーのアンテナ数を増加させた配置について説明する。
例えば、送信アレーアンテナにおいて、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup1_ANT、及び、第2の送信アンテナ群に含まれるアンテナ数NTxHGroup2_ANTを増加させてよい。また、受信アレーアンテナにおいて、第1の受信アンテナ群に含まれるアンテナの数NRxVGroup1_ANT、及び第2の受信垂直方向アンテナ群に含まれるアンテナ数NRxVGroup2_ANTを増加させてよい。
図58は、NTxHGroup1_ANT=2(Tx#2,Tx#4)、NTxHGroup2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、NRxVGroup1_ANT=3(Rx#1,Rx#2,Rx#3)、NRxVGroup2_ANT=3(Rx#4,Rx#5,Rx#6)の場合のMIMOアレー配置例及び仮想受信アレー配置例を示す。なお、図58では、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、-DV)の場合を示すが、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、+DV)、(+DH、-DV)(+DH、+DV)としてもよい。
図59は、NTxHGroup1_ANT=2(Tx#2,Tx#4)、NTxHGroup2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、NRxVGroup1_ANT=3(Rx#1,Rx#2,Rx#3)、NRxVGroup2_ANT=2(Rx#4,Rx#5)の場合のMIMOアレー配置例及び仮想受信アレー配置例を示す。なお、図59では、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、-DV)の場合を示すが、(ΔHTx、ΔVRx)=(+DH、-DV)としてもよい。
図60は、NTxHGroup1_ANT=4(Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)、NTxHGroup2_ANT=4(Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)、NRxVGroup1_ANT=3(Rx#1,Rx#2,Rx#3)、NRxVGroup2_ANT=3(Rx#4,Rx#5,Rx#6)の場合のMIMOアレー配置例及び仮想受信アレー配置例を示す。なお、図60では、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、-DV)の場合を示すが、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、+DV)、(+DH、-DV)(+DH、+DV)としてもよい。
図61は、NTxHGroup1_ANT=3(Tx#2,Tx#4,Tx#6)、NTxHGroup2_ANT=4(Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)、NRxVGroup1_ANT=3(Rx#1,Rx#2,Rx#3)、NRxVGroup2_ANT=3(Rx#4,Rx#5,Rx#6)の場合のMIMOアレー配置例及び仮想受信アレー配置例を示す。なお、図61では、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、-DV)の場合を示すが、(ΔHTx、ΔVRx)=(-DH、+DV)としてもよい。
図58~図61に示す各MIMOアレー配置において、例えば、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図58~図61に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、図58~図61に示す各仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、NTxHGroup1_ANT、NTxHGroup2_ANT、NRxVGroup1_ANT及びNRxVGroup2_ANTに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では(NTxHGroup1_ANT+NTxHGroup2_ANT)の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NRxVGroup1_ANT+NRxVGroup2_ANT)の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。また、仮想受信アレーにおいて、水平方向における(NTxHGroup1_ANT+NTxHGroup2_ANT)-2のDH間隔の仮想アレー素子と、垂直方向における(NRxVGroup1_ANT+NRxVGroup2_ANT)-2のDV間隔の仮想アレー素子と、が縦横の矩形状に並ぶ。
仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxGroup1_ANT、NTxHGroup2_ANTが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、NRxVGroup1_ANT、NRxVGroup2_ANTが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
図62は、例えば、図60に示すように、送信アンテナ106の数Nt=8及び受信アンテナ202の数Na=6のMIMOアレー配置(NTxGroup1_ANT=4、NTxGroup2_ANT=4、NRxGroup1_ANT=3、NRxGroup2_ANT=3、DH=0.5λ、DV=0.5λ)を用いた場合に、方向推定部214の到来方向推定アルゴリズムとしてビームフォーマ法を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。なお、各アンテナの指向性は、無指向性として算出している。
図62では、ターゲット真値を水平0度、垂直0度とした場合の水平方向±90度範囲、及び、垂直方向±90度範囲における到来方向推定評価関数値の出力をプロットしている。
図62では、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、グレーティングローブが低減されていることが確認できる。例えば、図62では、水平0度、垂直0度方向のメインローブのピーク電力値に対する、メインローブを除いた最も高いサイドローブのピーク電力値の比(PSLR)は0.13程度となっており、例えば、図52Aと比較して、NTxHGroup1_ANT、NTxHGroup2_ANTおよびNRxVGroup1_ANT、NRxVGroup2_ANTを増加させることにより、サイドローブの低減効果の向上が確認できる。また、図62では、図57と比較して、メインローブのピークも鋭くなっており、NTxHGroup1_ANT、NTxHGroup2_ANTおよびNRxVGroup1_ANT、NRxVGroup2_ANTの増加によって、角度分解能の向上が確認できる。
<基本配置3の変形例2>
以下、基本配置3の変形例2におけるアンテナ配置方法3-2A及び3-2Bについてそれぞれ説明する。
(配置方法3-2A)
基本配置3の変形例1では、受信アレーアンテナの受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxVGroup1_ANT、NRxVGroup2_ANTを増加することにより、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大させる場合について説明した。これに限らず、例えば、送信アレーアンテナにおいて、送信アンテナ群の数NTxGroupを増加することでも、仮想受信アレーにおいて垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大できる。
この場合、送信アンテナ群の垂直方向のアンテナ間隔を、例えば、一定の値(例えば、2DV)としてよいが、受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxVGroup1_ANT、NRxVGroup2_ANTに依存して、仮想受信アレー配置は仮想アレー素子が重複する配置になり得る。
そこで、仮想受信アレー配置において重複する仮想アレー素子が含まれない配置とするには、例えば、送信アンテナ群の垂直方向のアンテナ間隔のうち、偶数番目のアンテナ間隔に、以下のような間隔D
TxHGroupVを用いてよい。
例えば、NRxVGroup1_ANT=NRxVGroup2_ANT=2の場合、DTxHGroupV=2DVとなり、NRxVGroup1_ANT=NRxVGroup2_ANT=3の場合、DTxHGroupV=4DVとなる。
例えば、送信アンテナ群の数NTxHGroup=3の場合、3個の送信アンテナ群の間隔は、{2DV、DTxHGroupV}とする。また、送信アンテナ群の数NTxHGroup=4の場合、4個の送信アンテナ群の間隔は、{2DV、DTxHGroupV、2DV}とする。同様に、NRxGroup_ANT=5の場合、5個の送信アンテナ群の間隔は、{2DV、DTxHGroupV、2DV、DTxHGroupV}とする。
図63は、NRxVGroup=2、NTxHGroup=4、NTxHGroup1_ANT=2、NTxHGroup2_ANT=2、NTxHGroup3_ANT=2、NTxHGroup4_ANT=2、NRxVGroup1_ANT=2、NRxVGroup2_ANT=2の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。なお、「NTxHGroup3_ANT」は、第3番目の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を表し、「NTxHGroup4_ANT」は、第4番目の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を表す。図63では、式(15)のDTxHGroupV=2DVとなる。
なお、図63では、第1の受信アンテナ群(Rx#1,Rx#2)に対する第2の受信アンテナ群(Rx#3,Rx#4)のずれ量ΔVRx(2,1)は、ΔVRx(2,1)=-DVの場合を示すが、ΔVRx(2,1)=+DVとしてもよい。
また、図63では、第1の送信アンテナ群(Tx#4,Tx#8)に対する第2の送信アンテナ群(Tx#3,Tx#7)のずれ量ΔHTx(2,1)を-DHとし、第2の送信アンテナ群に対する第3の送信アンテナ群(Tx#2,Tx#6)のずれ量ΔHTx(3,2)を+DHとし、第3の送信アンテナ群に対する第4の送信アンテナ群(Tx#1,Tx#5)のずれ量ΔHTx(4,3)を-DHとする。ただし、各ずれ量は2種類(+DV、-DV)の何れの組み合わせでもよい。なお、図63において、+DV方向は上方向とし、-DVは下方向とし、+DH方向は右方向とし、-DHは左方向とする。
また、図64は、NRxVGroup=2、NTxHGroup=4、NTxHGroup1_ANT=2、NTxHGroup2_ANT=2、NTxHGroup3_ANT=2、NTxHGroup4_ANT=2、NRxVGroup1_ANT=3、NRxVGroup2_ANT=3の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図64では、式(15)のDTxHGroupV=4DVとなる。
なお、図64では、第1の受信アンテナ群(Rx#1,Rx#2,Rx#3)に対する第2の受信アンテナ群(Rx#4,Rx#5,Rx#6)のずれ量ΔVRx(2,1)は、ΔVRx(2,1)=-DVの場合を示すが、ΔVRx(2,1)=+DVとしてもよい。
また、図64では、第1の送信アンテナ群(Tx#4,Tx#8)に対する第2の送信アンテナ群(Tx#3,Tx#7)のずれ量ΔHTx(2,1)は、-DHとし、第2の送信アンテナ群に対する第3の送信アンテナ群(Tx#2,Tx#6)のずれ量ΔHTx(3,2)は、+DHとし、第3の送信アンテナ群に対する第4の送信アンテナ群(Tx#1,Tx#5)のずれ量ΔHTx(4,3)は、-DHとする。ただし、各ずれ量は2種類(+DV、-DV)の何れの組み合わせでもよい。なお、図64において、+DV方向は上方向とし、-DVは下方向とし、+DH方向は右方向とし、-DHは左方向とする。
なお、仮想受信アレーの中心付近に不等間隔(例えば、DH及びDVよりも大きい間隔)となる配置が含まれてよい場合、DTxHGroupVは、式(15)の値よりも大きい値でもよい。
(配置方法3-2B)
基本配置3の変形1では、送信アレーアンテナの各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup1_ANT、NTxHGroup2_ANTを増加することにより、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大させる場合について説明した。これに限らず、例えば、受信アレーアンテナにおいて、受信アンテナ群の数NRxVGroupを増加することでも、仮想受信アレーにおいて水平方向に並ぶ仮想アレー素子数を増大できる。
この場合、受信アンテナ群の水平方向のアンテナ間隔を、例えば、一定の値(例えば、2DH)としてもよいが、送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup1_ANT、NTxHGroup2_ANTに依存して、仮想受信アレー配置は仮想アレー素子が重複する配置になり得る。
そこで、仮想受信アレー配置において重複する仮想アレー素子が含まれない配置とするには、例えば、受信アンテナ群の水平方向の間隔のうち、偶数番目の間隔に、以下のような間隔D
RxVGroupHを用いてよい。
例えば、NTxHGroup1_ANT=NTxHGroup2_ANT=2の場合、DRxVGroupH=2DHとなり、NTxHGroup1_ANT=NTxHGroup2_ANT=3の場合、DRxVGroupH=4DHとなる。
例えば、受信アンテナ群の数NRxVGroup=3の場合、3個の受信アンテナ群間の水平方向の間隔は、{2DH、DRxVGroupH}とする。また、受信アンテナ群の数NRxVGroup=4の場合、4個の受信アンテナ群の水平方向の間隔は、{2DH、DRxVGroupH、2DH}とする。同様に、受信アンテナ群の数NRxVGroup=5の場合、5個の受信アンテナ群の水平方向の間隔は、{2DH、DRxVGroupH、2DH、DRxVGroupH}とする。
図65は、NTxHGroup=2、NRxVGroup=4、NTxHGroup1_ANT=2、NTxHGroup2_ANT=2、NRxVGroup1_ANT=2、NRxVGroup2_ANT=2、NRxVGroup3_ANT=2、NRxVGroup4_ANT=2の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。なお、「NRxVGroup3_ANT」は、第3番目の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を表し、「NRxVGroup4_ANT」は、第4番目の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を表す。図65では、式(16)のDRxVGroupH=2DHとなる。
なお、図65では、第1の送信アンテナ群(Tx#2,Tx#4)に対する第2の送信アンテナ群(Tx#1,Tx#3)のずれ量ΔHTx(2,1)のは、ΔHTx(2,1)=-DHの場合を示すが、ΔHTx(2,1)=+DHとしてもよい。
また、図65では、第1の受信アンテナ群(Rx#1,Rx#2)に対する第2の受信アンテナ群(Rx#3,Rx#4)のずれ量ΔVRx(2,1)を-DVとし、第2の受信アンテナ群に対する第3の受信アンテナ群(Rx#5,Rx#6)のずれ量ΔVRx(3,2)を+DVとし、第3の受信アンテナ群に対する第4の受信アンテナ群(Rx#7,Rx#8)のずれ量ΔVRx(4,3)を-DVとする。ただし、各ずれ量は2種類(+DV、-DV)の何れの組み合わせでもよい。なお、図65において、+DV方向は上方向とし、-DVは下方向とする。
図66は、NTxHGroup=2、NRxVGroup=4、NTxHGroup1_ANT=3、NTxHGroup2_ANT=3、NRxVGroup1_ANT=2、NRxVGroup2_ANT=2、NRxVGroup3_ANT=2、NRxVGroup4_ANT=2の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図66では、式(16)のDRxVGroupH=4DHとなる。
なお、第1の送信アンテナ群(Tx#2,Tx#4,Tx#6)に対する第2の送信アンテナ群(Tx#1,Tx#3,Tx#5)のずれ量ΔHTx(2,1)は、ΔHTx(2,1)=-DHの場合を示すが、ΔHTx(2,1)=+DHとしてもよい。
また、図66では、第1の受信アンテナ群(Rx#1,Rx#2)に対する第2の受信垂直方向アンテナ群(Rx#3,Rx#4)のずれ量ΔVRx(2,1)を-DVとし、第2の受信アンテナ群に対する第3の受信アンテナ群(Rx#5,Rx#6)のずれ量ΔVRx(3,2)を+DVとし、第3の受信アンテナ群に対する第4の受信アンテナ群(Rx#7,Rx#8)のずれ量ΔVRx(4,3)を-DVとする。ただし、各ずれ量は2種類(+DV、ーDV)の何れの組み合わせでもよい。なお、図66において、+DV方向は上方向とし、-DVは下方向とし、+DH方向は右方向とし、-DHは左方向とする。
また、仮想受信アレーの中心付近に不等間隔(例えば、DH及びDVよりも大きい間隔)となる配置が含まれてよい場合、DRxVGroupHは、式(16)の値よりも大きい値でもよい。
以上、基本配置3の変形例2における配置方法3-2A及び3-2Bについてそれぞれ説明した。
例えば、図63~図66に示す送受信アンテナ配置(例えば、MIMOアレー配置)において、例えば、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図63~図66に示す仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、例えば、図63~図66に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。また、DH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数は、送信アンテナ群の数NTxHGroup、及び、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup(ntvg)_ANT(ここで、ntvg=1,…, NTxHGroupである)と、受信アンテナ群の数NRxVGroup、及び、各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxVGroup(nrhg)_ANT(ここで、nrhg=1,…, NRxVGroupである)とに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では0.5×(NTxHGroup1_ANT+NTxHGroup2_ANT)×NRxVGroup の仮想アレー素子がDH間隔で列状に並び、垂直方向では0.5×(NRxVGroup1_ANT+NRxVGroup2_ANT)×NTxHGroupの仮想アレー素子がDV間隔で列状に並ぶ。また、水平方向における0.5×(NTxHGroup1_ANT+NTxHGroup2_ANT)×NRxVGroup-2のDH間隔の仮想アレー素子と、垂直方向における0.5×(NRxVGroup1_ANT+NRxVGroup2_ANT)×NTxHGroup-2のDV間隔の仮想アレー素子とが縦横の矩形状に並ぶ。
仮想受信アレーの中心付近においてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup(ntvg)_ANT、及び、受信アンテナ群の数NRxVGroupが大きいほど、水平方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向の角度分解能を向上できる。同様に、各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxVGroup(nrhg)_ANT、及び、送信アンテナ群の数NTxHGroupが大きいほど、垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
なお、基本配置3の変形2において、配置方法3-2A及び配置方法3-2Bを組み合わせた配置も可能である。
図67は、NRxVGroup=NTxHGroup=4、NTxHGroup1_ANT=NTxHGroup2_ANT=NTxHGroup3_ANT=NTxHGroup4_ANT=2、NRxVGroup1_ANT=NRxVGroup2_ANT=NRxVGroup3_ANT=NRxVGroup4_ANT=2の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図67では、式(15)のDTxHGroupV=2DVとなり、式(16)のDRxVGroupH=2DHとなる。
また、図67では、第1の送信アンテナ群(Tx#4,Tx#8)に対する第2の送信アンテナ群(Tx#3,Tx#7)のずれ量ΔHTx(2,1)は、-DHとし、第2の送信アンテナ群に対する第3の送信アンテナ群(Tx#2,Tx#6)のずれ量ΔHTx(3,2)は-DHとし、第3の送信アンテナ群に対する第4の送信アンテナ群(Tx#1,Tx#5)のずれ量ΔHTx(4,3)は-DHとする。ただし、各ずれ量は2種類(+DV、-DV)の何れの組み合わせでもよい。
また、図67では、第1の受信アンテナ群(Rx#1,Rx#2)に対する第2の受信アンテナ群(Rx#3,Rx#4)のずれ量ΔVRx(2,1) は-DVとし、第2の受信アンテナ群に対する第3の受信アンテナ群(Rx#5,Rx#6)のずれ量ΔVRx(3,2)は+DVとし、第3の受信アンテナ群に対する第4の受信アンテナ群(Rx#7,Rx#8)のずれ量ΔVRx(4,3)は、-DVとする。ただし、各ずれ量は2種類(+DV、-DV)の何れの組み合わせでもよい。
また、図67において、+DV方向は上方向とし、-DV方向は下方向とし、+DH方向は右方向とし、-DH方向は左方向とする。
また、図68Aは、NRxVGroup=NTxHGroup=4、NTxHGroup1_ANT=NTxHGroup2_ANT=NTxHGroup3_ANT=NTxHGroup4_ANT=4、NRxVGroup1_ANT=NRxVGroup2_ANT=NRxVGroup3_ANT=NRxVGroup4_ANT=4の場合のMIMOアレー配置例を示し、図68Bは、仮想受信アレー配置例を示す。図68Aでは、式(15)のDTxHGroupV=6DVとなり、式(16)のDRxVGroupH=6DHとなる。
また、図68Aでは、第1の送信アンテナ群(Tx#4,Tx#8,Tx#12,Tx#16)に対する第2の送信アンテナ群(Tx#3,Tx#7,Tx#11,Tx#15)のずれ量ΔHTx(2,1)は-DHとし、第2の送信アンテナ群に対する第3の送信アンテナ群(Tx#2,Tx#6,Tx#10,Tx#14)のずれ量ΔHTx(3,2)は、+DHとし、第3の送信アンテナ群に対する第4の送信アンテナ群(Tx#1,Tx#5,Tx#9,Tx#13)のずれ量ΔHTx(4,3)は、-DHとする。ただし、各ずれ量は2種類(+DV、-DV)の何れの組み合わせでもよい。
また、図68Aでは、第1の受信アンテナ群(Rx#1,Rx#2,Rx#3,Rx#4)に対する第2の受信アンテナ群(Rx#5,Rx#6,Rx#7,Rx#8)のずれ量ΔVRx(2,1)は-DVとし、第2の受信アンテナ群に対する第3の受信アンテナ群(Rx#9,Rx#10,Rx#11,Rx#12)のずれ量ΔVRx(3,2)は+DVとし、第3の受信アンテナ群に対する第4の受信アンテナ群(Rx#13,Rx#14,Rx#15,Rx#16)のずれ量ΔVRx(4,3)は-DVとする。ただし、各ずれ量は2種類(+DV、ーDV)の何れの組み合わせでもよい。
また、図68A及び図68Bにおいて、+DV方向は上方向とし、-DV方向は下方向とし、+DH方向は右方向とし、-DH方向は左方向とする。
<基本配置4>
図69は、基本配置4に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
(1)送受信アンテナの配置
図69では、送信アレーアンテナにおける送信アンテナ106の個数Nt=4個(Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)とし、受信アレーアンテナにおける受信アンテナ202の個数Na=4個(Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)とする。
図69に示す送信アレーアンテナは、例えば、「第1の送信アンテナ群」(図69では、Tx#2、Tx#4)と、「第2の送信アンテナ群」(図69では、Tx#1、Tx#3)とから構成される。各送信アンテナ群は、それぞれ、水平方向について間隔が2DHであり、垂直方向について間隔がDVである2つの送信アンテナ素子を含む。図69に示す各送信アンテナ群の各々において、隣り合う送信アンテナは、水平方向に2DHの間隔(換言すると、DHの2倍の間隔)離れて配置され、垂直方向にDVの間隔離れて配置される。換言すると、図69では、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナは、水平方向に2DH、垂直方向にDVのアンテナ間隔で右斜め下方向(換言すると、左斜め上方向)に直線的に配置される。
また、図69において、第1の送信アンテナ群に対して、第2の送信アンテナ群は、水平方向において左方向にDH、垂直方向において下方向に2DVずらして配置される。換言すると、図69に示す隣り合う送信アンテナ群は、水平方向にDHの間隔、かつ、垂直方向に2DV(換言すると、DVの2倍の間隔)シフトした関係にある。
また、図69に示す受信アレーアンテナは、例えば、「第1の受信アンテナ群」(図69では、Rx#2、Rx#4)と、「第2の受信アンテナ群」(図69では、Rx#1、Rx#3)とから構成される。各受信アンテナ群は、それぞれ、水平方向についてアンテナ間隔が2DHであり、垂直方向についてアンテナ間隔がDVである2つの受信アンテナ素子を含む。図69に示す各受信アンテナ群の各々において、隣り合う受信アンテナは、水平方向に2DHの間隔(換言すると、DHの2倍の間隔)離れて配置され、垂直方向にDVの間隔離れて配置される。換言すると、図69では、各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナは、水平方向に2DH、垂直方向にDVのアンテナ間隔で右斜め上方向(換言すると、左斜め下方向)に直線的に配置される。
また、図69において、第1の受信アンテナ群に対して、第2の受信アンテナ群は、水平方向において右方向にDH、垂直方向において下方向に2DVずらして配置される。換言すると、図69に示す隣り合う受信アンテナ群は、水平方向にDHの間隔、かつ、垂直方向に2DV(換言すると、DVの2倍の間隔)シフトした関係にある。
また、例えば、図69に示すように、送信アンテナTx#1~Tx#4の各々は、水平方向及び垂直方向の双方においてそれぞれ異なる位置に配置される。同様に、図69に示すように、受信アンテナRx#1~Rx#4の各々は、水平方向及び垂直方向の双方においてそれぞれ異なる位置に配置される。
また、図69に示す送受信アンテナ配置において、送信アンテナのそれぞれの配置位置と、受信アンテナのそれぞれの配置位置とは、例えば、水平方向又は垂直方向に平行な線に関して線対称の関係(換言すると、反転させた関係)にある。
例えば、図69に示す水平方向(横方向)がX軸に対応し、図69に示す垂直方向(縦方向)がY軸方向に対応することを仮定する。
図69に示すアンテナ配置の場合、送信アレーアンテナを構成する送信アンテナ106の位置座標は、送信アンテナTx#1の位置座標(XT_#1,YT_#1)を基準として、送信アンテナTx#2の位置座標(XT_#2,YT_#2)=(XT_#1+DH,YT_#1+2DV)、送信アンテナTx#3の位置座標(XT_#3,YT_#3)=(XT_#1+2DH,YT_#1-DV)、及び、送信アンテナTx#4の位置座標(XT_#4,YT_#4)=(XT_#1+3DH,YT_#1+DV)と表される。
同様に、受信アレーアンテナを構成する受信アンテナ202の位置座標は、受信アンテナRx#1の位置座標(XR_#1,YR_#1)を基準として、受信アンテナRx#2の位置座標(XR_#2,YR_#2)=(XR_#1 -DH,YR_#1+2DV)、受信アンテナRx#3の位置座標(XR_#3,YR_#3)=(XR_#1+2DH,YR_#1+DV)、及び、受信アンテナRx#4の位置座標(XR_#4,YR_#4)=(XR_#1+DH,YR_#1+3DV)と表される。
(2)仮想受信アレーの配置
上述した図69に示す送受信アンテナ配置によって構成される仮想受信アレー(仮想アンテナVA#1~VA#16)の配置は以下のような特徴を有する。
例えば、図69に示す送信アレーアンテナの配置及び受信アレーアンテナの配置により、仮想受信アレーVA#1~VA#16の位置座標(XV_#1,YV_#1)~(XV_#16,YV_#16)は、それぞれ以下のようになる。なお、ここでは、VA#1を仮想受信アレーの位置基準(0,0)として表している。
(0,0), (DH, 2DV), (2DH, -DV), (3DH, DV), (-DH, 2DV), (0, 4DV), (DH, DV), (2DH, 3DV), (2DH, DV), (3DH, 3DV), (4DH, 0), (5DH, 2DV), (DH, 3DV), (2DH, 5DV), (3DH, 2DV), (4DH, 4DV)
このように、図69に示す仮想受信アレーの配置では、各仮想受信アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置される。このため、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、メインローブが狭まり、角度分解能を向上できる。
また、図69に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子VA#2, VA#7, VA#9, VA#4, VA#15, VA#10, VA#8及びVA#13は、水平方向にDH間隔、垂直方向にDV間隔でそれぞれ密に配置される。一例として、図69において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、仮想アレー素子VA#2, VA#7, VA#9, VA#4, VA#15, VA#10, VA#8及びVA#13は、水平方向にDH=0.5λ間隔、垂直方向にDV=0.5λ間隔で配置される。これにより、基本配置1(例えば、図8を参照)と同様、グレーティングローブを低減できる。
なお、図69に示す仮想受信アレーの中心付近において、間隔DH及び間隔DVで密に配置された仮想アレー素子(例えば、VA#2, VA#7, VA#9, VA#4, VA#15, VA#10, VA#8及びVA#13)に囲まれた座標に対応する位置の素子が欠落している。しかし、レーダ装置10は、例えば、欠落した箇所を囲む、間隔DH及び間隔DVで密に配置された仮想アレー素子の受信信号を用いて補間処理を行うことにより、当該欠落している箇所の素子の受信信号を近似的に受信できる。
また、例えば、基本配置4のMIMOアレー配置において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
これにより、例えば、図9Aに示すような、平面パッチアンテナを縦横2素子ずつ並べた4素子をサブアレーに用いたアンテナ(ただし、アンテナ幅WANT < 2DH,アンテナ高HANT<2DV)を、図69に示す送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの少なくとも一つの各アンテナ素子に適用できる。例えば、図70Aは、図69に示す送信アンテナ配置に対して、図9Aに示す平面パッチアンテナを縦2素子、横2素子並べたサブアレーを適用した場合の例を示す。
また、送信アンテナ106及び受信アンテナ202において、横方向WANTの素子サイズがDHよりも小さければ、縦方向には任意サイズのアンテナを用いることができる。例えば、図70Bは、図69に示すアンテナ配置に対して、図25Aに示す平面パッチアンテナを縦8素子、横1素子並べたサブアレーを適用した場合の例を示す。なお、図70Bに示す送信アレーアンテナに加え、無給電素子(ダミー素子)が配置されてよい(図示せず)。
このように、基本配置4に係るアンテナ配置において、サブアレー構成のアンテナを用いることにより、アンテナの指向性利得を向上でき、レーダ装置10における検知性能(例えば、検知距離)を向上できる。
方向推定部214は、上述した送受信アンテナ配置から得られる仮想受信アレーの受信信号を用いて、水平方向及び垂直方向の方向推定処理を行う。なお、方向推定部214における基本配置4の仮想受信アレーに対する処理は、基本配置1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
図71は、例えば、図69に示すように、送信アンテナ106の数Nt=4及び受信アンテナ202の数Na=4のMIMOアレー配置(DH=0.5λ、DV=0.5λ)を用いた場合に、方向推定部214の到来方向推定アルゴリズムとしてビームフォーマ法を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。すなわち、図71では、送信アンテナ106の水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔が1λ以上となり、受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔も1λ以上となる。なお、各アンテナの指向性は、無指向性として算出している。
図71では、ターゲット真値を水平0度、垂直0度とした場合の水平方向±90度範囲、及び、垂直方向±90度範囲における到来方向推定評価関数値の出力をプロットしている。
図71では、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、例えば,図1Aと比較して、グレーティングローブが低減されていることが確認できる。例えば、図71では、水平0度、垂直0度方向のメインローブのピーク電力値に対する、水平0度、垂直0度以外の方向のメインローブを除いた最も高いサイドローブのピーク電力値の比(PSLR)は0.35程度となっている。
以上のように、基本配置4に係るMIMOアレー配置を用いることで、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナに用いるアンテナの縦方向又は横方向の素子サイズが1λ程度でも、仮想受信アレーにおける水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔を0.5λ程度となる素子間隔を含むように配置でき、グレーティングローブを低減できる。また、例えば、図69に示す仮想受信アレーの各仮想アレー素子は重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
<基本配置4の変形例1>
基本配置4(例えば、図69)では、送信アンテナ106の数を4素子(Nt=4)とし、受信アンテナ202の数を4素子(Na=4)とする場合について説明した。しかし、送信アンテナ数Nt及び受信アンテナ数Naはこれらの数に限定されない。
基本配置4の変形例1では、例えば、図69に示すアンテナ配置を基本構成として、送信アンテナ数Nt及び受信アンテナ数Naを増加させた配置について説明する。
以下、基本配置4の変形例1におけるアンテナの配置方法4-1A、4-1B、4-1C及び4-1Dについてそれぞれ説明する。
(配置方法4-1A)
例えば、送信アレーアンテナは、第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群とから構成される。また、各送信アンテナ群は、水平方向に2DH、垂直方向にDVのアンテナ間隔で右斜め下方向に直線的に配置される複数の送信アンテナ素子を含む。
また、第1の送信アンテナ群に対して、第2の送信アンテナ群は左方向にDH、下方向に2DVずらして配置される。
ここで、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxLowerRightGr1_ANT」とする。例えば、NTxLowerRightGr1_ANT≧2である。また、第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxLowerRightGr2_ANT」とする。例えば、NTxLowerRightGr2_ANT≧2である。
また、受信アレーアンテナは、第1の受信アンテナ群と第2の受信アンテナ群とから構成される。また、各受信アンテナ群は、水平方向に2DH、垂直方向にDVの間隔で右斜め上方向に直線的に配置される複数の受信アンテナ素子を含む。
また、第1の受信アンテナ群に対して、第2の受信アンテナ群は右方向にDH、下方向に2DVずらして配置される。
ここで、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を「NRxUpperRightGr1_ANT」とする。例えば、NRxUpperRightGr1_ANT≧2である。また、第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を「NRxUpperRightGr2_ANT」とする。例えば、NRxUpperRightGr2_ANT≧2である。
図72は、NTxLowerRightGr1_ANT=4(Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)、NTxLowerRightGr2_ANT=4(Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)、NRxUpperRightGr1_ANT=2(Rx#2,Rx#4)、NRxUpperRightGr2_ANT=2(Rx#1,Rx#3)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
また、図73は、NTxLowerRightGr1_ANT=2(Tx#2,Tx#4)、NTxLowerRightGr2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、NRxUpperRightGr1_ANT=3(Rx#2,Rx#4,Rx#6)、NRxUpperRightGr2_ANT=3(Rx#1,Rx#3,Rx#5)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
また、図74は、NTxLowerRightGr1_ANT=4(Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)、NTxLowerRightGr2_ANT=4(Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)、NRxUpperRightGr1_ANT=3(Rx#2,Rx#4,Rx#6)、NRxUpperRightGr2_ANT=3(Rx#1,Rx#3,Rx#5)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図72、図73及び図74に示す各MIMOアレー配置において、例えば、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図72、図73及び図74に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子の一部の素子は重なる位置に配置されるが、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、角度分解能を向上できる。なお、図72及び図73では、仮想アレー素子の重複は無く、図74では、2箇所において仮想アレー素子が重複する。
また、図72、図73及び図74に示す各仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。なお、図72、図73及び図74に示すように、各仮想受信アレーの中心付近において、一部の座標に対応する位置の素子は欠落している。しかし、レーダ装置10は、当該欠落している位置の周辺を囲んでいる、DH、DV間隔で密に配置された仮想アレー素子の受信信号を用いて補間処理を行うことにより、当該欠落している素子の受信信号を近似的に受信できる。
また、図72、図73及び図74に示す各仮想受信アレーの中心付近に密に配置される仮想アレー素子数は、NTxLowerRightGr1_ANT、NTxLowerRightGr2_ANTNRxUpperRightGr1_ANT、NRxUpperRightGr2_ANTに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では(NTxLowerRightGr1_ANT+NTxLowerRightGr2_ANT+NRxUpperRightGr1_ANT+NRxUpperRightGr2_ANT)-5の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では0.5×(NTxLowerRightGr1_ANT+NTxLowerRightGr2_ANT+NRxUpperRightGr1_ANT+NRxUpperRightGr2_ANT)-1の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーにおいてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxLowerRightGr1_ANT、NTxLowerRightGr2_ANT NRxUpperRightGr1_ANT、NRxUpperRightGr2_ANTが大きいほど、水平方向及び垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向及び垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向及び垂直方向の角度分解能を向上できる。
図75は、例えば、図74に示すように、送信アンテナ106の数Nt=8及び受信アンテナ202の数Na=6のMIMOアレー配置(NTxLowerRightGr1_ANT=NTxLowerRightGr2_ANT=4、NRxUpperRightGr1_ANT=NRxUpperRightGr2_ANT=3、DH=0.5λ、DV=0.5λ)を用いた場合に、方向推定部214の到来方向推定アルゴリズムとしてビームフォーマ法を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。なお、各アンテナの指向性は、無指向性として算出している。
図75では、ターゲット真値を水平0度、垂直0度とした場合の水平方向±90度範囲、及び、垂直方向±90度範囲における到来方向推定評価関数値の出力をプロットしている。
図75では、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、例えば、図1Aと比較して、グレーティングローブが低減されていることが確認できる。例えば、図75では、水平0度、垂直0度方向のメインローブのピーク電力値に対する、メインローブを除いた最も高いサイドローブのピーク電力値の比(PSLR)は0.28程度となっており、例えば、図69に示す基本配置4の構成(NTxLowerRightGr1_ANT=NTxLowerRightGr2_ANT=NRxUpperRightGr1_ANT=NRxUpperRightGr2_ANT=2の場合)(例えば、図71を参照)と比較して、NTxLowerRightGr1_ANT、NTxLowerRightGr2_ANT、NRxUpperRightGr1_ANT、NRxUpperRightGr2_ANTを増加させることにより、サイドローブの低減効果の向上が確認できる。また、図75では、図71と比較して、メインローブのピークも鋭くなっており、NTxLowerRightGr1_ANT、NTxLowerRightGr2_ANT、NRxUpperRightGr1_ANT、NRxUpperRightGr2_ANTの増加によって、角度分解能の向上が確認できる。
なお、NTxLowerRightGr1_ANT、NTxLowerRightGr2_ANT、NRxUpperRightGr1_ANT、NRxUpperRightGr2_ANTを増加するほど、水平方向の仮想アレーの開口長を、垂直方向よりも拡張でき、垂直方向の角度分解能と比較して、水平方向の角度分解能を、より向上しやすいMIMOアレー構成となる。
(配置方法4-1B)
配置方法4-1Bでは、仮想受信アレーの開口長を、水平方向よりも垂直方向に拡張する場合について説明する。これにより、水平方向の角度分解能と比較して、垂直方向の角度分解能をより向上できるMIMOアレー構成が得られる。
例えば、送信アレーアンテナは、第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群とから構成される。また、各送信アンテナ群は、水平方向にDH、垂直方向に2DVのアンテナ間隔で右斜め上方向に直線的に配置される複数の送信アンテナ素子を含む。
また、第1の送信アンテナ群に対して、第2の送信アンテナ群は右方向に2DH、下方向方向にDVずらして配置される。
ここで、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxUpperRightGr1_ANT」とする。例えば、NTxUpperRightGr1_ANT≧2である。また、第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxUpperRightGr2_ANT」とする。例えば、NTxUpperRightGr2_ANT≧2である。
また、受信アレーアンテナは、第1の受信アンテナ群と第2の受信アンテナ群とから構成される。また、各受信アンテナ群は、水平方向にDH、垂直方向に2DVのアンテナ間隔で右斜め下方向に直線的に配置される複数の受信アンテナ素子を含む。
また、第1の受信アンテナ群に対して、第2の受信アンテナ群は左方向に2DH、下方向にDVずらして配置される。
ここで、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を「NRxLowerRightGr1_ANT」とする。例えば、NRxLowerRightGr1_ANT≧2である。また、第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を「NRxLowerRightGr1_ANT」とする。例えば、NRxLowerRightGr2_ANT≧2である。
図76は、NTxUpperRightGr1_ANT=4(Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)、NTxUpperRightGr2_ANT=4(Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)、NRxLowerRightGr1_ANT=2(Rx#4,Rx#3)、NRxLowerRightGr2_ANT =2(Rx#2,Rx#1)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図77は、NTxUpperRightGr1_ANT=2(Tx#2,Tx#4)、NTxUpperRightGr2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、NRxLowerRightGr1_ANT=3(Rx#2,Rx#4,Rx#6)、NRxLowerRightGr2_ANT(Rx#1,Rx#3,Rx#5)=3の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図78は、NTxUpperRightGr1_ANT=4(Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)、NTxUpperRightGr2_ANT=4(Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)、NRxLowerRightGr1_ANT=3(Rx#2,Rx#4,Rx#6)、NRxLowerRightGr2_ANT=3(Rx#1,Rx#3,Rx#5)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図76、図77及び図78に示す各MIMOアレー配置において、例えば、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、例えば、図76、図77及び図78に示す各仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子の一部の素子は重なる位置に配置されるが、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、角度分解能を向上できる。なお、図76及び図77では、仮想アレー素子の重複は無く、図78では、2箇所において仮想アレー素子が重複する。
また、図76、図77及び図78に示す各仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。なお、図76、図77及び図78に示すように、各仮想受信アレーの中心付近において、一部の座標に対応する位置の素子は欠落している。しかし、レーダ装置10は、当該欠落している位置の周辺を囲んでいる、DH、DV間隔で密に配置された仮想アレー素子の受信信号を用いて補間処理を行うことにより、当該欠落している素子の受信信号を近似的に受信できる。
また、図76、図77及び図78に示す各仮想受信アレーの中心付近に密に配置される仮想アレー素子数は、NTxUpperRightGr1_ANT、NTxUpperRightGr2_ANTNRxLowerRightGr1_ANT、NRxLowerRightGr2_ANTに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では0.5×(NTxUpperRightGr1_ANT+NTxUpperRightGr2_ANT+NRxLowerRightGr1_ANT+NRxLowerRightGr2_ANT)-1の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では(NTxUpperRightGr1_ANT+NTxUpperRightGr2_ANT+NRxLowerRightGr1_ANT+NRxLowerRightGr2_ANT)-5の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーにおいてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxUpperRightGr1_ANT、NTxUpperRightGr2_ANT NRxLowerRightGr1_ANT、NRxLowerRightGr2_ANTが大きいほど、水平方向及び垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向及び垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向及び垂直方向の角度分解能を向上できる。
図79は、例えば、図78に示すように、送信アンテナ106の数Nt=8及び受信アンテナ202の数Na=6のMIMOアレー配置(NTxUpperRightGr1_ANT=NTxUpperRightGr2_ANT=4、NRxLowerRightGr1_ANT=NRxLowerRightGr2_ANT=3、DH=0.5λ、DV=0.5λ)を用いた場合に、方向推定部214の到来方向推定アルゴリズムとしてビームフォーマ法を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。なお、各アンテナの指向性は、無指向性として算出している。
図79では、ターゲット真値を水平0度、垂直0度とした場合の水平方向±90度範囲、及び、垂直方向±90度範囲における到来方向推定評価関数値の出力をプロットしている。
図79では、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、例えば、図1Aと比較して、グレーティングローブが低減されていることが確認できる。例えば、図79では、水平0度、垂直0度方向のメインローブのピーク電力値に対する、メインローブを除いた最も高いサイドローブのピーク電力値の比(PSLR)は0.28程度となっており、例えば、図69に示す基本配置4の構成(NTxUpperRightGr1_ANT=NTxUpperRightGr2_ANT=NRxLowerRightGr1_ANT=NRxLowerRightGr2_ANT=の場合)(例えば、図71を参照)と比較して、NTxUpperRightGr1_ANT、NTxUpperRightGr2_ANT、NRxLowerRightGr1_ANT、NRxLowerRightGr2_ANTを増加させることにより、サイドローブの低減効果の向上が確認できる。また、図79では、図71と比較して、メインローブのピークも鋭くなっており、NTxUpperRightGr1_ANT 、 NTxUpperRightGr2_ANT、NRxLowerRightGr1_ANT、NRxLowerRightGr2_ANTの増加によって、角度分解能の向上が確認できる。
なお、NTxUpperRightGr1_ANT、NTxUpperRightGr2_ANT NRxLowerRightGr1_ANT、NRxLowerRightGr2_ANTを増加するほど、垂直方向の仮想アレーの開口長を、水平方向よりも拡張でき、水平方向の角度分解能と比較して、垂直方向の角度分解能を、より向上しやすいMIMOアレー構成となる。
(配置方法4-1C)
配置方法4-1Cは、配置方法4-1A及び配置方法4-1Bを組み合わせた方法である。
例えば、送信アレーアンテナは、第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群とから構成される。また、各送信アンテナ群は、水平方向に2DH、垂直方向にDVのアンテナ間隔で右斜め下方向に直線的に配置される複数の送信アンテナ素子を含む。
また、第1の送信アンテナ群に対して、第2の送信アンテナ群は左方向にDH、下方向に2DVずらして配置される。
ここで、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxLowerRightGr1_ANT」とする。例えば、NTxLowerRightGr1_ANT≧2である。また、第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxLowerRightGr2_ANT」とする。例えば、NTxLowerRightGr2_ANT≧2である。
また、例えば、受信アレーアンテナは、第1の受信アンテナ群と第2の受信アンテナ群とから構成される。また、各受信アンテナ群は、水平方向にDH、垂直方向に2DVのアンテナ間隔で右斜め下方向に直線的に配置される複数の受信アンテナ素子を含む。
また、第1の受信アンテナ群に対して、第2の受信アンテナ群は左方向に2DH、下方向にDVずらして配置される。
ここで、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を「NRxLowerRightGr1_ANT」とする。例えば、NRxLowerRightGr1_ANT≧2である。また、第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を「NRxLowerRightGr2_ANT」とする。例えば、NRxLowerRightGr2_ANT≧2である。
図80は、NTxLowerRightGr1_ANT=4(Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)、NTxLowerRightGr2_ANT=4(Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)、NRxLowerRightGr1_ANT=4(Rx#2,Rx#4,Rx#6,Rx#8)、NRxLowerRightGr2_ANT=4(Rx#1,Rx#3,Rx#5,Rx#7)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図80に示すMIMOアレー配置において、例えば、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、図80に示す仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子の一部の素子は重なる位置に配置されるが、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、角度分解能を向上できる。なお、図80では、1箇所において仮想アレー素子が重複する。
また、図80に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。なお、図80に示すように、各仮想受信アレーの中心付近において、一部の座標に対応する位置の素子は欠落している。しかし、レーダ装置10は、当該欠落している位置の周辺を囲んでいる、DH、DV間隔で密に配置された仮想アレー素子の受信信号を用いて補間処理を行うことにより、当該欠落している素子の受信信号を近似的に受信できる。
また、図80に示す各仮想受信アレーの中心付近に密に配置される仮想アレー素子数は、NTxLowerRightGr1_ANT、NTxLowerRightGr2_ANT NRxLowerRightGr1_ANT、NRxLowerRightGr2_ANTに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では0.5×(NTxLowerRightGr1_ANT+NTxLowerRightGr2_ANT+NRxLowerRightGr1_ANT+NRxLowerRightGr2_ANT)+1の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では0.5×(NTxLowerRightGr1_ANT+NTxLowerRightGr2_ANT+NRxLowerRightGr1_ANT+NRxLowerRightGr2_ANT)+1の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーにおいてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxLowerRightGr1_ANT、NTxLowerRightGr2_ANT NRxLowerRightGr1_ANT、NRxLowerRightGr2_ANTが大きいほど、水平方向及び垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向及び垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向及び垂直方向の角度分解能を向上できる。
(配置方法4-1D)
配置方法4-1Dは、配置方法4-1A及び配置方法4-1Bを組み合わせた方法である。
例えば、送信アレーアンテナは、第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群とから構成される。また、各送信アンテナ群は、水平方向に2DH、垂直方向にDVのアンテナ間隔で右斜め上方向に直線的に配置される複数の送信アンテナ素子を含む。
また、第1の送信アンテナ群に対して、第2の送信アンテナ群は右方向に2DH、下方向にDVずらして配置される。
ここで、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxUpperRightGr1_ANT」とする。例えば、NTxUpperRightGr1_ANT≧2である。また、第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数を「NTxUpperRightGr2_ANT」とする。例えば、NTxUpperRightGr2_ANT≧2である。
また、例えば、受信アレーアンテナは、第1の受信アンテナ群と第2の受信アンテナ群とから構成される。また、各受信アンテナ群は、水平方向に2DH、垂直方向にDVのアンテナ間隔で右斜め上方向に直線的に配置される複数の受信アンテナ素子を含む。
また、第1の受信アンテナ群に対して、第2の受信アンテナ群は右方向にDH、下方向に2DVずらして配置される。
ここで、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を「NRxUpperRightGr1_ANT」とする。例えば、NRxUpperRightGr1_ANT≧2である。また、第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数を「NRxUpperRightGr2_ANT」とする。例えば、NRxUpperRightGr2_ANT≧2である。
図81は、NTxUpperRightGr1_ANT=4(Tx#2,Tx#4,Tx#6,Tx#8)、NTxUpperRightGr2_ANT=4(Tx#1,Tx#3,Tx#5,Tx#7)、NRxUpperRightGr1_ANT=4(Rx#2,Rx#4,Rx#6,Rx#8)、NRxLUpperRightGr2_ANT=4(Rx#1,Rx#3,Rx#5,Rx#7)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図81に示すMIMOアレー配置において、例えば、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、図81に示す仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子の一部の素子は重なる位置に配置されるが、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、角度分解能を向上できる。なお、図81では、1箇所において仮想アレー素子が重複する。
また、図81に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。なお、図81に示すように、各仮想受信アレーの中心付近において、一部の座標に対応する位置の素子は欠落している。しかし、レーダ装置10は、当該欠落している位置の周辺を囲んでいる、DH、DV間隔で密に配置された仮想アレー素子の受信信号を用いて補間処理を行うことにより、当該欠落している素子の受信信号を近似的に受信できる。
また、図81に示す各仮想受信アレーの中心付近に密に配置される仮想アレー素子数は、NTxUpperRightGr1_ANT、NTxLUpperRightGr2_ANT NRxUpperRightGr1_ANT、NRxUpperRightGr2_ANTに依存して増加する。
例えば、仮想受信アレーにおいて、水平方向では0.5×(NTxUpperRightGr1_ANT+NTxUpperRightGr2_ANT+NRxUpperRightGr1_ANT+NRxUpperRightGr2_ANT)+1の仮想アレー素子がDH間隔で並び、垂直方向では0.5×(NTxUpperRightGr1_ANT+NTxUpperRightGr2_ANT+NRxUpperRightGr1_ANT+NRxUpperRightGr2_ANT)の仮想アレー素子がDV間隔で並ぶ。仮想受信アレーにおいてDH、DV間隔で密に配置される仮想アレー素子数が増加するほど、グレーティングローブ及びサイドローブの低減効果を向上できる。
また、NTxUpperRightGr1_ANT、NTxUpperRightGr2_ANT NRxUpperRightGr1_ANT、NRxUpperRightGr2_ANTが大きいほど、水平方向及び垂直方向に並ぶ仮想アレー素子数が増大するため、水平方向及び垂直方向の仮想受信アレーの開口長を拡張でき、水平方向及び垂直方向の角度分解能を向上できる。
以上、基本配置4の変形例1におけるアンテナの配置方法4-1A、4-1B、4-1C及び4-1Dについてそれぞれ説明した。
なお、配置方法4-1A、4-1B、4-1C及び4-1Dにおいて、送信アレーアンテナが第1の送信アンテナ群と第2の送信アンテナ群とから構成される場合について説明した。しかし、送信アレーアンテナに含まれる送信アンテナ群の数NTxGroupが3以上の構成でもよい。この場合、第ntxの送信アンテナ群は、第(ntx-1)の送信アンテナ群に対して、配置方法4-1A、4-1B、4-1C及び4-1Dの何れかの規則に従って配置される。ここで、ntx=1、…、NTxGroupである。
同様に、配置方法4-1A、4-1B、4-1C及び4-1Dにおいて、受信アレーアンテナが第1の受信アンテナ群と第2の受信アンテナ群とから構成される場合について説明した。しかし、受信アンテナ群の数NRxGroupが3以上の構成でもよい。この場合、第nrxの受信アンテナ群は、第(nrx-1)の受信アンテナ群に対して、配置方法4-1A、4-1B、4-1C及び4-1Dの何れかの規則に従って配置される。ここで、nrx=1、…、NRxGroupである。
図82は、一例として、配置方法4-1Bにおいて、送信アンテナ群の数NTxGroup=3、受信アンテナ群の数NRxGroup=3とし、NTxUpperRightGr1_ANT=3(Tx#3,Tx#6,Tx#9)、NTxUpperRightGr2_ANT=3(Tx#2,Tx#5,Tx#8)、NTxUpperRightGr3_ANT=3(Tx#1,Tx#4,Tx#7)、NRxLowerRightGr1_ANT=3(Rx#7,Rx#8,Rx#9)、NRxLowerRightGr2_ANT=3(Rx#4,Rx#5,Rx#6)、NRxLowerRightGr3_ANT=3(Rx#1,Rx#2,Rx#3)の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
例えば、図82に示すMIMOアレー配置において、DH及びDVを0.5λ程度とすることにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
また、図82に示す仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子の一部の素子は重なる位置に配置されるが、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、角度分解能を向上できる。なお、図82では、8箇所において仮想アレー素子が重複する。
また、図82に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子を、DH、DV間隔で密に配置できる。なお、図82に示すように、仮想受信アレーの中心付近において、一部の座標に対応する位置の素子は欠落している。しかし、レーダ装置10は、当該欠落している位置の周辺を囲んでいる、DH、DV間隔で密に配置された仮想アレー素子の受信信号を用いて補間処理を行うことにより、当該欠落している素子の受信信号を近似的に受信できる。
また、図82に示す各仮想受信アレーの中心付近に密に配置される仮想アレー素子数は、NTxGroup、NRxGroupに依存して増加する。
<基本配置4の変形例2>
基本配置4の変形例2では、基本配置4に示した4素子の送信アレーアンテナの配置、及び、4素子の受信アレーアンテナの配置をそれぞれ「基本セット」とし、複数の基本セットの配置位置をオフセットした構成のMIMOアレー配置について説明する。
なお、以下に示す配置において、送信アレーアンテナの基本セットの水平方向及び垂直方向の配置位置に対するオフセット、又は、受信アレーアンテナの基本セットの水平方向及び垂直方向の配置位置に対するオフセットは、仮想受信アレー配置において重複する素子が無く、仮想受信アレーの中心付近において、より多くの仮想アレー素子がDV又はDH間隔で密に配置されるように設定されてよい。ただし、これに限定されず、例えば、仮想受信アレー配置において不等間隔になる配置を増加させる場合、又は、仮想受信アレー配置におて仮想アレー素子が重複する配置を増加させる場合等にも同様に、配置位置のオフセットを調整することによって実現可能である。
図83は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=1とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図83において、第1番目の基本セット(例えば、Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)に対する、第2番目の基本セット(例えば、Tx#5, Tx#6, Tx#7及びTx#8)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=0とする。図83に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。
図84は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=1とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図84において、第1番目の基本セット(例えば、Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)に対する、第2番目の基本セット(Tx#5,Tx#6,Tx#7,Tx#8)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet2=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=5DVとする。図84に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを垂直方向にオフセットした配置により、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。
図85は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=1とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図85において、第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7,Rx#8)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=0とする。図85に示すように、受信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。
図86は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=1とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図86において、第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7,Rx#8)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet2=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=5DVとする。図86に示すように、受信アレーアンテナの2つの基本セットを垂直方向にオフセットした配置により、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
図87は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図87において、送信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)に対する、第2番目の基本セット(Tx#5,Tx#6,Tx#7,Tx#8)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet2=8DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=0とする。また、図87において、受信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7,Rx#8)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=0とする。図87に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図83又は図85と比較して更に増加でき、水平方向の角度分解能を更に向上できる。
図88Aは、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=4とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=4とした場合のMIMOアレー配置例を示し、図88Bは仮想受信アレー配置例を示す。
図88Aにおいて、送信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)に対する、第2番目の基本セット(Tx#5,Tx#6,Tx#7,Tx#8)の水平方向の配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet2=8DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=0とし、第3番目の基本セット(Tx#9,Tx#10,Tx#11,Tx#12)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet3=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet3=5DVとし、第4番目の基本セット(Tx#13,Tx#14,Tx#15,Tx#16)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet4=8DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet4=5DVとする。
また、図88Aにおいて、受信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7,Rx#8)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=0とし、第3番目の基本セット(Rx#9,Rx#10,Rx#11,Rx#12)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet3=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet3=8DVとし、第4番目の基本セット(Rx#13,Rx#14,Rx#15,Rx#16)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet4=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet4=8DVとする。
図88A及び図88Bに示すように、送信アレーアンテナの基本セットを水平方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図83又は図85と比較して更に増加でき、水平方向の角度分解能を更に向上できる。(なお、図88の場合、8箇所において仮想アレー素子が重複する。)
同様に、図88A及び図88Bに示すように、送信アレーアンテナの基本セットを垂直方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの基本セットを垂直方向にオフセットした配置により、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図84又は図86と比較して更に増加でき、垂直方向の角度分解能を更に向上できる。
なお、変形例2では、基本配置4のアンテナ配置を基本セットにする場合について説明したが、基本セットは、基本配置4のアンテナ配置に限定されず、例えば、基本配置4の変形例1のアンテナ配置でもよい。
また、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナに含まれる基本セットの数(NTxBaseSet、NRxBaseSet)は、上記例に限定されず、他の値でもよい。
<基本配置5>
図89は、基本配置5に係る送信アンテナ106及び受信アンテナ202の配置例、及び、仮想受信アレーの配置例を示す。
(1)送受信アンテナの配置
図89では、送信アレーアンテナにおける送信アンテナ106の個数Nt=4個(Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)とし、受信アレーアンテナにおける受信アンテナ202の個数Na=4個(Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)とする。
図89に示す送信アレーアンテナは、例えば、「第1の送信アンテナ群」(図89では、Tx#2、Tx#4)と、「第2の送信アンテナ群」(図89では、Tx#1、Tx#3)とから構成される。各送信アンテナ群は、それぞれ、水平方向についてアンテナ間隔がDHであり、垂直方向についてアンテナ間隔がDVである2つの送信アンテナ素子を含む。図89に示す各送信アンテナ群の各々において、隣り合う送信アンテナは、水平方向にDHの間隔離れて配置され、垂直方向にDVの間隔離れて配置される。換言すると、図89では、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナは、水平方向にDH、垂直方向にDVのアンテナ間隔で右斜め下方向(換言すると、左斜め上方向)に直線的に配置される。
また、図89において、第1の送信アンテナ群に対して、第2の送信アンテナ群は、水平方向において左方向に2DH、垂直方向において下方向にDVずらして配置される。換言すると、図89に示す隣り合う送信アンテナ群は、水平方向に2DHの間隔(換言すると、DHの2倍の間隔)、かつ、垂直方向にDVシフトした関係にある。
また、図89において、第1の送信アンテナ群に対して、第2の送信アンテナ群は、水平方向において左方向にDH、垂直方向において下方向に2DVずらして配置される。
また、図89に示す受信アレーアンテナは、例えば、「第1の受信アンテナ群」(図89では、Rx#2、Rx#4)と、「第2の受信アンテナ群」(図89では、Rx#1、Rx#3)とから構成される。各受信アンテナ群は、それぞれ、水平方向についてアンテナ間隔がDHであり、垂直方向についてアンテナ間隔がDVである2つの受信アンテナ素子を含む。図89に示す各受信アンテナ群の各々において、隣り合う受信アンテナは、水平方向にDHの間隔離れて配置され、垂直方向にDVの間隔離れて配置される。換言すると、図89では、各受信アンテナ群に含まれる送信アンテナは、水平方向にDH、垂直方向にDVのアンテナ間隔で右斜め上方向(換言すると、左斜め下方向)に直線的に配置される。
また、図89において、第1の受信アンテナ群に対して、第2の受信アンテナ群は、水平方向において右方向に2DH、垂直方向において下方向にDVずらして配置される。換言すると、図89に示す隣り合う受信アンテナ群は、水平方向に2DHの間隔(換言すると、DHの2倍の間隔)、かつ、垂直方向にDVシフトした関係にある。
また、例えば、図89に示すように、送信アンテナTx#1~Tx#4の各々は、水平方向においてそれぞれ異なる位置に配置される。同様に、図89に示すように、受信アンテナRx#1~Rx#4の各々は、水平方向においてそれぞれ異なる位置に配置される。
また、図89に示す送受信アンテナ配置において、送信アンテナのそれぞれの配置位置と、受信アンテナのそれぞれの配置位置とは、例えば、水平方向又は垂直方向に平行な線に関して線対称の関係(換言すると、反転させた関係)にある。
例えば、図89に示す水平方向(横方向)がX軸に対応し、図89に示す垂直方向(縦方向)がY軸方向に対応することを仮定する。
例えば、図89に示すアンテナ配置の場合、送信アレーアンテナを構成する送信アンテナ106の位置座標は、送信アンテナTx#1の位置座標(XT_#1,YT_#1)を基準として、送信アンテナTx#2の位置座標(XT_#2,YT_#2)=(XT_#1+2DH,YT_#1+DV)、送信アンテナTx#3の位置座標(XT_#3,YT_#3)=(XT_#1+DH,YT_#1 -DV)、及び、送信アンテナTx#4の位置座標(XT_#4,YT_#4)=(XT_#1+3DH,YT_#1)と表される。
同様に、受信アレーアンテナを構成する受信アンテナ202の位置座標は、受信アンテナRx#1の位置座標(XR_#1,YR_#1)を基準として、受信アンテナRx#2の位置座標(XR_#2,YR_#2)=(XR_#1 -2DH,YR_#1+DV)、受信アンテナRx#3の位置座標(XR_#3,YR_#3)=(XR_#1+DH,YR_#1+DV)、及び、受信アンテナRx#4の位置座標(XR_#4,YR_#4)=(XR_#1 -DH,YR_#1+2DV)と表される。
(2)仮想受信アレーの配置
上述した図89に示す送受信アンテナ配置によって構成される仮想受信アレー(仮想アンテナVA#1~VA#16)の配置は以下のような特徴を有する。
例えば、図89に示す送信アレーアンテナの配置及び受信アレーアンテナの配置により、仮想受信アレーVA#1~VA#16の位置座標(XV_#1,YV_#1)~(XV_#16,YV_#16)は、それぞれ以下のようになる。なお、ここでは、VA#1を仮想受信アレーの位置基準(0,0)として表している。
(0,0), (2DH, DV), (DH, -DV), (3DH, 0), (-2DH, DV), (0, 2DV), (-DH, 0), (DH, DV), (DH, DV), (3DH, 2DV), (2DH, 0), (4DH, DV), (-DH, 2DV), (DH, 3DV), (0, DV), (2DH, 2DV),
このように、図89に示す仮想受信アレーの配置では、各仮想受信アレー素子は、一部の仮想アレー素子(例えば、VA#8、#9)を除いて、異なる位置に重なりなく配置される。このため、仮想受信アレーの開口長を拡張できるので、メインローブが狭まり、角度分解能を向上できる。
また、図89に示す仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子VA#4,#11,#2,#16,#10,#7,#1,#15,#6,#13,VA#8,#9は、水平方向にDH間隔、垂直方向にDV間隔でそれぞれ密に配置される。一例として、図89において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、仮想アレー素子VA#4,#11,#2,#16,#10,#7,#1,#15,#6,#13,VA#8,#9は、水平方向にDH=0.5λ間隔、垂直方向にDV=0.5λ間隔で配置される。これにより、基本配置1(例えば、図8を参照)と同様、グレーティングローブを低減できる。
なお、図89に示す仮想受信アレーの中心付近において、間隔DH及び間隔DVで密に配置された仮想アレー素子に囲まれた座標に対応する位置の素子が欠落している。しかし、レーダ装置10は、例えば、欠落した箇所を囲む、間隔DH及び間隔DVで密に配置された仮想アレー素子の受信信号を用いて補間処理を行うことにより、当該欠落している箇所の素子の受信信号を近似的に受信できる。
また、例えば、図89に示すMIMOアレー配置において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ以上のサイズに設計できる。
これにより、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の横方向WANTの素子サイズがDHよりも小さければ、縦方向には任意サイズのアンテナを用いることができる。例えば、図25Aに示すような、平面パッチアンテナを縦8素子、横1素子に並べた8素子をサブアレーに用いたアンテナを、図89に示す送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナの少なくとも一つの各アンテナに適用できる。
なお、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数(以下、「NTxGroup1_ANT」と表す)と、第2の送信方向アンテナ群に含まれる送信アンテナ数(以下、「NTxGroup2_ANT」と表す)とは同数又は1アンテナ分の差分があってよい。例えば、|NTxGroup1_ANT-NTxGroup2_ANT|=0 or 1とする。
同様に、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの数(以下、「NRxGroup1_ANT」と表す)と、第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数(以下、「NRxGroup2_ANT」と表す)とは同数又は1アンテナ分の差分があってよい。例えば、|NRxGroup1_ANT-NRxGroup2_ANT|=0 or 1とする。
図90A及び図90Bは、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup1_ANTと第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup2_ANTとに1アンテナ分の差分があり、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの数NRxGroup1_ANTと第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxGroup2_ANTとが同数の場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図90A及び図90Bに示すように、|NTxGroup1_ANT-NTxGroup2_ANT|=1かつ|NRxGroup1_ANT-NRxGroup2_ANT|=0の場合のMIMOアレー配置は、送信アンテナ数が3となり、受信アンテナ数が4(NRxGroup1_ANT=NRxGroup2_ANT=2)となる構成であり、例えば、2通りのパターンが存在する。
図90Aは、NTxGroup1_ANT=1(Tx#2)、NTxGroup2_ANT=2(Tx#1、Tx#3)の場合のMIMOアレー配置例であり、図90Bは、NTxGroup1_ANT=2(Tx#2、Tx#3)、NTxGroup2_ANT=1(Tx#1)の場合のMIMOアレー配置例である。
次に、図91A及び図91Bは、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup1_ANTと第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup2_ANTとが同数であり、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの数NRxGroup1_ANTと第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxGroup2_ANTとに1アンテナ分の差分がある場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図91A及び図91Bに示すように、|NTxGroup1_ANT-NTxGroup2_ANT|=0かつ|NRxGroup1_ANT-NRxGroup2_ANT|=1の場合のMIMOアレー配置は、送信アンテナ数が4(NTxGroup1_ANT=NTxGroup2_ANT=2)となり、受信アンテナ数が3となる構成であり、例えば、2通りのパターンが存在する。
図91Aは、NRxGroup1_ANT=1(Rx#3)、NRxGroup2_ANT=2(Rx#1,Rx#2)の場合のMIMOアレー配置例であり、図91Bは、NRxGroup1_ANT=2(Rx#2, Rx#3)、NRxGroup2_ANT=1(Rx#1)の場合のMIMOアレー配置例である。
次に、図92A~Dは、第1の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxGroup1_ANTと第2の送信アンテナ群に含まれる送信アンテナ数NTxHGroup2_ANTとに1アンテナ分の差分があり、第1の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの数NRxGroup1_ANTと第2の受信アンテナ群に含まれる受信アンテナ数NRxGroup2_ANTとに1アンテナ分の差分がある場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。
図92A~Dに示すように、|NTxGroup1_ANT-NTxGroup2_ANT|=1かつ|NRxGroup1_ANT-NRxGroup2_ANT|=1の場合のMIMOアレー配置は、送信アンテナ数が3となり、受信アンテナ数が3となる構成であり、例えば、図92A~Dの4通りのパターンが存在する。
図92Aは、NTxVGroup1_ANT=1(Tx#2)、NTxVGroup2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、NRxHGroup1_ANT=1(Rx#3)、NRxHGroup2_ANT=2(Rx#1,Rx#2)の場合のMIMOアレー配置例である。
図92Bは、NTxVGroup1_ANT=1(Tx#2)、NTxVGroup2_ANT=2(Tx#1,Tx#3)、NRxHGroup1_ANT=2(Rx#2,Rx#3)、NRxHGroup2_ANT=1(Rx#1)の場合のMIMOアレー配置例である。
図92Cは、NTxVGroup1_ANT=2(Tx#2,Tx#3)、NTxVGroup2_ANT=1(Tx#1)、NRxHGroup1_ANT=1(Rx#3)、NRxHGroup2_ANT=2(Rx#1,Rx#2)の場合のMIMOアレー配置例である。
図92Dは、NTxVGroup1_ANT=2(Tx#2,Tx#3)、NTxVGroup2_ANT=1(Tx#1)、NRxHGroup1_ANT=2(Rx#2,Rx#3)、NRxHGroup2_ANT=1(Rx#1)の場合のMIMOアレー配置例である。
図90A、図90B、図91A、図91B及び図92A~Dに示す仮想受信アレーにおいて、各仮想アレー素子はそれぞれ異なる位置に重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
また、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子は、DH、DV間隔で密に配置される。一例として、図90A、図90B、図91A、図91B及び図92A~Dにおいて、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、仮想受信アレーの中心付近に位置する仮想アレー素子は、水平方向にDH=0.5λ間隔、垂直方向にDV=0.5λ間隔で配置される。これにより、グレーティングローブを低減できる。
また、例えば、基本配置5のMIMOアレー配置において、間隔DH及び間隔DVを0.5λ程度とした場合、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向の素子サイズを1λ程度以上のサイズに設計できる。
これにより、例えば、送信アンテナ106及び受信アンテナ202の横方向WANTの素子サイズがDHよりも小さければ縦方向には任意サイズのアンテナを用いることができる。例えば、図93Aは、図89に示すアンテナ配置に対して、図25Aに示す平面パッチアンテナを縦8素子、横1素子並べたサブアレーを適用した場合の例を示す。なお、図93Bに示すように、図93Aに示す送信アレーアンテナに加え、無給電素子(ダミー素子)が配置されてよい。無給電素子により、隣接するアンテナによるアンテナ間結合の影響を各アンテナで均一化でき、各送信アンテナ(Tx#1~#4)の指向特性を均一化できる。
このように、基本配置5に係るアンテナ配置において、サブアレー構成のアンテナを用いることにより、アンテナの指向性利得を向上でき、レーダ装置10における検知性能(例えば、検知距離)を向上できる。
方向推定部214は、上述した送受信アンテナ配置から得られる仮想受信アレーの受信信号を用いて、水平方向及び垂直方向の方向推定処理を行う。なお、方向推定部214における基本配置5の仮想受信アレーに対する処理は、基本配置1と同様であるため、ここではその説明を省略する。
図94は、例えば、図89に示すように、送信アンテナ106の数Nt=4及び受信アンテナ202の数Na=4のMIMOアレー配置(DH=0.5λ、DV=0.5λ)を用いた場合に、方向推定部214の到来方向推定アルゴリズムとしてビームフォーマ法を用いた場合の方向推定結果の一例を示す。すなわち、図94では、送信アンテナ106の水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔が1λ以上となり、受信アンテナ202の水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔も1λ以上となる。なお、各アンテナの指向性は、無指向性として算出している。
図94では、ターゲット真値を水平0度、垂直0度とした場合の水平方向±90度範囲、及び、垂直方向±90度範囲における到来方向推定評価関数値の出力をプロットしている。
図94では、ターゲット真値の水平0度、垂直0度以外の方向において、例えば、図1Aと比較して、グレーティングローブが低減されていることが確認できる。例えば、図94では、水平0度、垂直0度方向のメインローブのピーク電力値に対する、水平0度、垂直0度以外の方向のメインローブを除いた最も高いサイドローブのピーク電力値の比(PSLR)は0.35程度となっている。
以上のように、基本配置5に係るMIMOアレー配置を用いることで、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナに用いるアンテナの縦方向又は横方向の素子サイズが1λ程度でも、仮想受信アレーにおける水平方向及び垂直方向のアンテナ間隔を0.5λ程度となる素子間隔を含むように配置でき、グレーティングローブを低減できる。また、例えば、図52Aに示す仮想受信アレーの各仮想アレー素子は重なりなく配置されるので、仮想受信アレーの開口長を拡張でき、角度分解能を向上できる。
<基本配置5の変形例1>
基本配置5の変形例1では、基本配置5に示した送信アレーアンテナの配置、及び、受信アレーアンテナの配置をそれぞれ「基本セット」とし、複数の基本セットの配置位置をオフセットした構成のMIMOアレー配置について説明する。
以下、基本配置5の変形例1に係る配置方法5-1A、5-1B及び5-1Cについてそれぞれ説明する。
(配置方法5-1A)
配置方法5-1Aでは、基本配置5に示した4素子の送信アレーアンテナの配置、及び、4素子の受信アレーアンテナの配置をそれぞれ「基本セット」とし、複数の基本セットの配置位置をオフセットした構成のMIMOアレー配置について説明する。
なお、以下に示す配置において、送信アレーアンテナの基本セットの水平方向及び垂直方向の配置位置に対するオフセット、又は、受信アレーアンテナの基本セットの水平方向及び垂直方向の配置位置に対するオフセットは、仮想受信アレー配置において重複する素子が無く、仮想受信アレーの中心付近において、より多くの仮想アレー素子がDV又はDH間隔で密に配置されるように設定されてよい。ただし、これに限定されず、例えば、仮想受信アレー配置において不等間隔になる配置を増加させる場合、又は、仮想受信アレー配置におて仮想アレー素子が重複する配置を増加させる場合等にも同様に、配置位置のオフセットを調整することによって実現可能である。
図95は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=1とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図95において、第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2,Tx#3及びTx#4)に対する、第2番目の基本セット(Tx#5,Tx#6,Tx#7及びTx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_TxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=0とする。図95に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。なお、図95の場合、2箇所において仮想アレー素子が重複して配置される。
図96は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=1とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図96において、第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2,Tx#3及びTx#4)に対する、第2番目の基本セット(Tx#5,Tx#6,Tx#7及びTx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_TxBaseSet2=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=3DVとする。図96に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを垂直方向にオフセットした配置によって、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。なお、図96の場合、2箇所において仮想アレー素子が重複して配置される。
図97は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=1とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図97において、第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7,Rx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=0とする。図97に示すように、受信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能をできる。なお、図97の場合、2箇所において仮想アレー素子が重複して配置される。
図98は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=1とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図98において、第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7及びRx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=3DVとする。図98に示すように、受信アレーアンテナの2つの基本セットを垂直方向にオフセットした配置によって、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。なお、図98の場合、2箇所において仮想アレー素子が重複して配置される。
図99は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図99において、送信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)に対する、第2番目の基本セット(Tx#5,Tx#6,Tx#7及びTx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_TxBaseSet2=10DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=0とする。また、図99において、受信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7及びRx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=0とする。図99に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置によって、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図95又は図97と比較して、更に増加でき、水平方向の角度分解能を更に向上できる。なお、図99の場合、4箇所において仮想アレー素子が重複して配置される。
図100Aは、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=4とした場合のMIMOアレー配置例を示し、図100Bは仮想受信アレー配置例を示す。
図100Aにおいて、送信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Tx#1, Tx#2, Tx#3及びTx#4)に対する、第2番目の基本セット(Tx#5,Tx#6,Tx#7及びTx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_TxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=00とする。
また、図100Aにおいて、受信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7及びRx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=-3DVとし、第3番目の基本セット(Rx#9,Rx#10,Rx#11及びRx#12)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet3=-5DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet3=-3DVとし、第4番目の基本セット(Rx#13,Rx#14,Rx#15及びRx#16)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet4=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet4=-6DVとする。
図100A及び図100Bに示すように、送信アレーアンテナの基本セットを水平方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図95又は図97と比較して、更に増加でき、水平方向の角度分解能を更に向上できる。
同様に、図100A及び図100Bに示すように、受信アレーアンテナの基本セットを垂直方向にオフセットした配置により、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。なお、図100Bの場合、8箇所において仮想アレー素子が重複して配置される。
<配置方法5-1B>
配置方法5-1Bでは、基本配置5に示した4素子の送信アレーアンテナの配置及び3素子の受信アレーアンテナの配置、又は、3素子の送信アレーアンテナの配置及び4素子の受信アレーアンテナの配置をそれぞれ「基本セット」とし、複数の基本セットの配置位置をオフセットした構成のMIMOアレー配置について説明する。
なお、以下では、一例として、図90Aに示すアンテナ配置を「基本セット」に用いる場合について説明する。しかし、アンテナ配置は、図90Aに示す例に限らず、他のアンテナ配置(例えば、図90B、図91A、又は、図91B)でもよい。
また、以下に示す配置において、送信アレーアンテナの基本セットの水平方向及び垂直方向の配置位置に対するオフセット、又は、受信アレーアンテナの基本セットの水平方向及び垂直方向の配置位置に対するオフセットは、仮想受信アレー配置において重複する素子が無く、仮想受信アレーの中心付近において、より多くの仮想アレー素子がDV又はDH間隔で密に配置されるように設定されてよい。ただし、これに限定されず、例えば、仮想受信アレー配置において不等間隔になる配置を増加させる場合、又は、仮想受信アレー配置におて仮想アレー素子が重複する配置を増加させる場合等にも同様に、配置位置のオフセットを調整することによって実現可能である。
図101は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=1とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図101において、第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2及びTx#3)に対する、第2番目の基本セット(Tx#4,Tx#5及びTx#6)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_TxBaseSet2=4DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=DVとする。図101に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置によって、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。
図102は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=1とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図102において、第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2及びTx#3)に対する、第2番目の基本セット(Tx#4,Tx#5及びTx#6)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet2=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=3DVとする。図102に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを垂直方向にオフセットした配置によって、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
図103は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=1とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図103において、第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7及びRx#8)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet2=4DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=DVとする。図103に示すように、受信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置によって、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。
図104は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=1とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図104において、第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7及びRx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=0とし、垂直方向における配置位置オフセットDVoffset_RxBaseSet2=3DVとする。図104に示すように、受信アレーアンテナの2つの基本セットを垂直方向にオフセットした配置によって、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
図105は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図105において、送信アレーアンテナの第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2及びTx#3)に対する、第2番目の基本セット(Tx#4,Tx#5及びTx#6)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet2=4DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=-2DVとする。また、図105において、受信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Rx#5,Rx#6,Rx#7及びRx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=4DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=DVとする。図105に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置によって、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図101又は図103と比較して、更に増加でき、水平方向の角度分解能を更に向上できる。
図106Aは、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=4とした場合のMIMOアレー配置例を示し、図106Bは仮想受信アレー配置例を示す。
図106Aにおいて、送信アレーアンテナの第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2及びTx#3)に対する、第2番目の基本セット(Tx#4,Tx#5及びTx#6)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet2=4DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=DVとする。
また、図106Aにおいて、受信アレーアンテナの第1番目の基本セット(例えば、Rx#1, Rx#2, Rx#3及びRx#4)に対する、第2番目の基本セット(Tx#5,Tx#6,Tx#7及びTx#8)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=4DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=-2DVとし、第3番目の基本セット(Tx#9,Tx#10,Tx#11及びTx#12)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet3=-6DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet3=-3DVとし、第4番目の基本セット(Tx#13,Tx#14,Tx#15及びTx#16)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_RxBaseSet4=-2DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet4=-5DVとする。
図106A及び図106Bに示すように、送信アレーアンテナの基本セットを水平方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図101又は図103と比較して、更に増加でき、水平方向の角度分解能を更に向上できる。
同様に、図106A及び図106Bに示すように、受信アレーアンテナの基本セットを垂直方向にオフセットした配置により、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
<配置方法5-1C>
配置方法5-1Cでは、基本配置5に示した3素子の送信アレーアンテナの配置及び3素子の受信アレーアンテナの配置をそれぞれ「基本セット」とし、複数の基本セットの配置位置をオフセットした構成のMIMOアレー配置について説明する。
なお、以下では、一例として、図92Bに示すアンテナ配置を「基本セット」に用いる場合について説明する。しかし、アンテナ配置は、図92Bに示す例に限らず、他のアンテナ配置(例えば、図92A、図92C、又は、図92D)でもよい。
また、以下に示す配置において、送信アレーアンテナの基本セットの水平方向及び垂直方向の配置位置に対するオフセット、又は、受信アレーアンテナの基本セットの水平方向及び垂直方向の配置位置に対するオフセットは、仮想受信アレー配置において重複する素子が無く、仮想受信アレーの中心付近において、より多くの仮想アレー素子がDV又はDH間隔で密に配置されるように設定されてよい。ただし、これに限定されず、例えば、仮想受信アレー配置において不等間隔になる配置を増加させる場合、又は、仮想受信アレー配置におて仮想アレー素子が重複する配置を増加させる場合等にも同様に、配置位置のオフセットを調整することによって実現可能である。
図107は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=1とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図107において、第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2及びTx#3)に対する、第2番目の基本セット(Tx#4,Tx#5及びTx#6)の水平方向における配置位置のオフセットをDHoffset_TxBaseSet2=3DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=0とする。図107に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置によって、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。
図108は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=1とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図108において、第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2及びTx#3)に対する、第2番目の基本セット(Tx#4,Tx#5,Tx#6)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_TxBaseSet2=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=3DVとする。図108に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを垂直方向にオフセットした配置によって、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。
図109は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=1とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図109において、第1番目の基本セット(Rx#1,Rx#2及びRx#3)に対する、第2番目の基本セット(Rx#4,Rx#5,Rx#6)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=3DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=0とする。図109に示すように、受信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置によって、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、水平方向の角度分解能を向上できる。
図110は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=1とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図110において、第1番目の基本セット(Rx#1,Rx#2及びRx#3)に対する、第2番目の基本セット(Rx#4,Rx#5,Rx#6)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=0とし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=3DVとする。図110に示すように、受信アレーアンテナの2つの基本セットを垂直方向にオフセットした配置によって、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
図111は、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=2とした場合のMIMOアレー配置例、及び、仮想受信アレー配置例を示す。図111において、送信アレーアンテナの第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2及びTx#3)に対する、第2番目の基本セット(Tx#4,Tx#5,Tx#6)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_TxBaseSet2=6DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=0とする。また、図111において、受信アレーアンテナの第1番目の基本セット(Rx#1,Rx#2及びRx#3)に対する、第2番目の基本セット(Rx#4,Rx#5,Rx#6)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=3DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=0とする。図111に示すように、送信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの2つの基本セットを水平方向にオフセットした配置によって、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図107又は図109と比較して、更に増加でき、水平方向の角度分解能を更に向上できる。
図112Aは、送信アレーアンテナの基本セットの数をNTxBaseSet=2とし、受信アレーアンテナの基本セットの数をNRxBaseSet=4とした場合のMIMOアレー配置例を示し、図112Bは仮想受信アレー配置例を示す。
図112Aにおいて、送信アレーアンテナの第1番目の基本セット(Tx#1,Tx#2及びTx#3)に対する、第2番目の基本セット(Tx#4,Tx#5,Tx#6)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_TxBaseSet2=3DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_TxBaseSet2=0とする。
また、図112Aにおいて、受信アレーアンテナの第1番目の基本セット(Rx#1,Rx#2及びRx#3)に対する、第2番目の基本セット(Rx#4,Rx#5,Rx#6)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet2=-3DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet2=-3DVとし、第3番目の基本セット(Rx#7,Rx#8,Rx#9)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet3=6DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet3=0とし、第4番目の基本セット(Rx#10,Rx#11,Rx#12)の水平方向における配置位置のオフセットDHoffset_RxBaseSet4=3DHとし、垂直方向における配置位置のオフセットDVoffset_RxBaseSet4=-3DVとする。
図112A及び図112Bに示すように、送信アレーアンテナの基本セットを水平方向にオフセットした配置、及び、受信アレーアンテナの基本セットを水平方向にオフセットした配置により、水平方向にDH間隔で密に配置される仮想アレー素子数を、例えば、図107又は図109と比較して、更に増加でき、水平方向の角度分解能を更に向上できる。
同様に、図112A及び図112Bに示すように、受信アレーアンテナの基本セットを垂直方向にオフセットした配置により、垂直方向にDV間隔で密に配置される仮想アレー素子数を増加でき、垂直方向の角度分解能を向上できる。
以上、配置方法5-1A、5-1B及び5-1Cについてそれぞれ説明した。
なお、配置方法5-1A、5-1B及び5-1Cにおいて、送信アレーアンテナ及び受信アレーアンテナに含まれる基本セットの数(NTxBaseSet、NRxBaseSet)は、上記例に限定されず、他の値でもよい。
以上、本開示の一実施例に係る実施の形態について説明した。
なお、上記実施の形態、及び、各バリエーションに係る動作を適宜組み合わせて実施してもよい。
[他の実施の形態]
送信アンテナ数Nt及び受信アンテナ数Naは上述した例に限定されず、他の値でもよい。また、間隔DV及びDHは、0.5λに限定されず、例えば、0.5λ以上、かつ、1λ以下の値でもよい。また、DVとDHとは同一の値でもよく、異なる値でもよい。
上記実施の形態では、符号化パルスレーダを用いる場合について説明したが、本開示は、チャープ(Chirp)パルスレーダのような周波数変調したパルス波を用いたレーダ方式についても適用可能である。
図4に示すレーダ装置10において、レーダ送信部100及びレーダ受信部200は、物理的に離れた場所に個別に配置されてもよい。
レーダ装置10は、図示しないが、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)等の記録媒体、およびRAM(Random Access Memory)等の作業用メモリを有する。この場合、上記した各部の機能は、CPUが制御プログラムを実行することにより実現される。但し、レーダ装置10のハードウェア構成は、かかる例に限定されない。例えば、レーダ装置10の各機能部は、集積回路であるIC(Integrated Circuit)として実現されてもよい。各機能部は、個別に1チップ化されてもよいし、その一部または全部を含むように1チップ化されてもよい。
上述の実施の形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュ-ル」といった他の表記に置換されてもよい。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本開示はソフトウェア、ハ-ドウェア、又は、ハ-ドウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、ス-パ-LSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマ-トフォン等)、タブレット、パ-ソナル・コンピュ-タ-(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノ-トブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレ-ヤ-(デジタル・オ-ディオ/ビデオ・プレ-ヤ-等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマ-トウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲ-ム・コンソ-ル、デジタル・ブック・リ-ダ-、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマ-ト・ホ-ム・デバイス(家電機器、照明機器、スマ-トメ-タ-又は計測機器、コントロ-ル・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワ-ク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
通信には、セルラ-システム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントロ-ラやセンサ等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントロ-ラやセンサが含まれる。
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
<本開示のまとめ>
本開示の一実施例に係るレーダ装置は、送信アレーアンテナを用いて、レーダ信号を送信するレーダ送信部と、受信アレーアンテナを用いて、前記レーダ信号がターゲットにおいて反射された反射波信号を受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナは、複数の送信アンテナ群から構成され、前記複数の送信アンテナ群の各々は、第1の方向に第1の間隔の整数倍の間隔である第2の間隔で配置される複数の送信アンテナを含み、前記第1の方向と直交する第2の方向において第3の間隔の整数倍の間隔である第4の間隔で配置され、前記受信アレーアンテナは、複数の受信アンテナ群から構成され、前記複数の受信アンテナ群の各々は、前記第1の方向に前記第1の間隔の整数倍の間隔である第5の間隔で配置される複数の受信アンテナを含み、前記第2の方向において前記第3の間隔の整数倍の間隔である第6の間隔で配置され、前記第2の間隔と前記第5の間隔との差は前記第1の間隔であり、前記第4の間隔と前記第6の間隔との差は前記第3の間隔である。
本開示の一実施例において、前記複数の送信アンテナ群の間において、各送信アンテナ群に含まれる送信アンテナの前記第1の方向の配置位置は異なる。
本開示の一実施例において、前記複数の受信アンテナ群の間において、各受信アンテナ群に含まれる受信アンテナの前記第1の方向の配置位置は異なる。
本開示の一実施例において、前記第2の間隔及び前記第5の間隔の少なくとも一つは、前記レーダ信号の1波長より長い間隔であり、前記第4の間隔及び前記第6の間隔の少なくとも一つは、前記レーダ信号の1波長より長い間隔であり、前記第1の間隔及び前記第3の間隔は、前記レーダ信号の0.5波長以上、かつ、1波長以下である。
本開示の一実施例において、前記第2の間隔は、前記第1の間隔の2倍の間隔であり、前記第4の間隔は、前記第3の間隔の3倍の間隔である、前記第5の間隔は、前記第1の間隔の3倍の間隔であり、前記第6の間隔は、前記第3の間隔の2倍の間隔である。
本開示の一実施例において、 前記第2の間隔は、前記第1の間隔の3倍の間隔であり、前記第4の間隔は、前記第3の間隔の3倍の間隔である、前記第5の間隔は、前記第1の間隔の2倍の間隔であり、前記第6の間隔は、前記第3の間隔の2倍の間隔である。
本開示の一実施例に係るレーダ装置は、送信アレーアンテナを用いて、レーダ信号を送信するレーダ送信部と、受信アレーアンテナを用いて、前記レーダ信号がターゲットにおいて反射された反射波信号を受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナは少なくとも3つの送信アンテナを含み、前記受信アレーアンテナは少なくとも3つの受信アンテナを含み、前記3つの送信アンテナのうち2つの送信アンテナは、第1の方向に第1の間隔の2倍の第2の間隔離れて配置され、前記3つの送信アンテナのうち残りの1つの送信アンテナは、前記第1の方向に、前記2つの送信アンテナからそれぞれ前記第1の間隔離れて配置され、前記第1の方向と直交する第2の方向に前記2つの送信アンテナから第3の間隔の2倍の間隔である第4の間隔離れて配置され、前記3つの受信アンテナのうち2つの受信アンテナは、前記第2の方向に前記第4の間隔離れて配置され、前記3つの受信アンテナのうち残りの1つの受信アンテナは、前記第2の方向に、前記2つの受信アンテナからそれぞれ前記第3の間隔離れて配置され、前記第1の方向に前記2つの受信アンテナから前記第2の間隔離れて配置される。
本開示の一実施例において、前記第1の間隔と前記第3の間隔は、前記レーダ信号の0.5波長以上、かつ、1波長以下である。
本開示の一実施例に係るレーダ装置は、送信アレーアンテナを用いて、レーダ信号を送信するレーダ送信部と、受信アレーアンテナを用いて、前記レーダ信号がターゲットにおいて反射された反射波信号を受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナは、複数の送信アンテナ群から構成され、前記複数の送信アンテナ群の各々は、複数の送信アンテナを含み、前記複数の送信アンテナ群の各々において、隣り合う2つの送信アンテナは、第1の方向に第1の間隔の2倍の間隔である第2の間隔離れて配置され、前記第1の方向と直交する第2の方向に第3の間隔離れて配置され、前記複数の送信アンテナ群のうち、隣り合う送信アンテナ群は、前記第1の方向に前記第1の間隔、かつ、前記第2の方向に前記第3の間隔の2倍の第4の間隔でシフトした関係にあり、前記複数の送信アンテナのそれぞれの配置位置と、前記受信アレーアンテナに含まれる複数の受信アンテナのそれぞれの配置位置とは、前記第1の方向又は前記第2の方向に平行な線に関して線対称の関係にある。
本開示の一実施例において、前記第1の間隔と前記第3の間隔は、前記レーダ信号の0.5波長以上、かつ、1波長以下である。
本開示の一実施例に係るレーダ装置は、送信アレーアンテナを用いて、レーダ信号を送信するレーダ送信部と、受信アレーアンテナを用いて、前記レーダ信号がターゲットにおいて反射された反射波信号を受信するレーダ受信部と、を具備し、前記送信アレーアンテナは、複数の送信アンテナ群から構成され、前記複数の送信アンテナ群の各々は、複数の送信アンテナを含み、前記複数の送信アンテナ群の各々において、隣り合う2つの送信アンテナは、第1の方向に第1の間隔離れて配置され、前記第1の方向と直交する第2の方向の双方に第2の間隔離れて配置され、前記複数の送信アンテナ群のうち、隣り合う送信アンテナ群は、前記第1の方向に前記第1の間隔の2倍の第3の間隔離れて配置され、かつ、前記第2の方向に前記第2の間隔でシフトした関係にあり、前記複数の送信アンテナのそれぞれの配置位置と、前記受信アレーアンテナに含まれる複数の受信アンテナのそれぞれの配置位置とは、前記第1の方向又は前記第2の方向に平行な線に関して線対称の関係にある。
本開示の一実施例において、前記第1の間隔と前記第2の間隔は、前記レーダ信号の0.5波長以上、かつ、1波長以下である。