JP6975754B2 - 塗布装置および塗布方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ノズルに設けられた吐出口から塗布液を吐出して被塗布物に塗布する塗布装置および塗布方法に関するものである。被塗布物としては、例えば液晶表示装置用ガラス基板、半導体基板、PDP用ガラス基板、フォトマスク用ガラス基板、カラーフィルター用基板、記録ディスク用基板、太陽電池用基板、電子ペーパー用基板等の精密電子装置用基板、矩形ガラス基板、フィルム液晶用フレキシブル基板、有機EL用基板等の各種基板を適用することが可能である。
ノズルに対してスリット状に開口するように設けられた吐出口から塗布液を吐出させて被塗布物に塗布する技術においては、塗布後の吐出口の周囲に残留付着した塗布液をクリーニングするための動作が設けられることがある。特に、複数回の塗布動作を繰り返して実行する場合、先の塗布動作において残留した塗布液が次回の塗布動作における膜厚の変動や端部の乱れ等の悪影響の原因となるのを防止するために、塗布動作の実行ごとにクリーニング動作が行われる。
例えば特許文献1に記載の技術では、スリット状の吐出口を有するノズル先端部の断面形状に対応する形状に成形されたシリコンゴム製のクリーニング用パッドをノズルに当接させ、パッドを吐出口の長手方向に沿って移動させることにより、ノズルに残留付着する塗布液を掻き取り除去する。特許文献1には、パッドの変形や摩耗に起因する押圧力の変動が掻き取りムラを生じさせるのを防止するために、ノズルに対しパッドを一定の押圧力で押圧するための機構が設けられている。
特許第6290700号公報
上記従来技術におけるゴム製パッドのようなクリーニング用の部材は、ノズルとの摺擦によって次第に摩耗する。上記従来技術では摩耗による押圧力の変化にのみ着目されている。しかしながら、実際には、摺擦の際にクリーニング部材が削れることによって生じた微粉が吐出口の周囲に付着し、これが以後の塗布動作において塗布済みの層に混入するという問題も生じ得る。特に、上記従来技術のようにクリーニング部材が常に一定の押圧力でノズルに摺擦される場合、このような微粉の発生がクリーニング動作の度に生じることとなっていた。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ノズルに対しクリーニング部材を適切な押圧力で押圧することでクリーニング能力を確保しつつ、摺擦に起因して生じる微粉の塗布層への混入を効果的に防止することのできる技術を提供することを目的とする。
この発明の第1の態様は、上記目的を達成するため、第1方向を長手方向とするスリット状に開口し塗布液を吐出する吐出口が設けられたノズルと、前記第1方向における長さが前記吐出口の長さよりも小さいクリーニング部材と、前記吐出口の開口面と交わる第2方向に前記ノズルと前記クリーニング部材とを相対移動させて、前記第2方向における前記ノズルと前記クリーニング部材との相対位置を調節する位置調節機構と、前記ノズルと前記クリーニング部材とを前記第1方向に相対移動させる走査移動機構と、前記位置調節機構により調節される前記ノズルに対する前記クリーニング部材の相対位置および前記走査移動機構による前記相対移動を制御して、前記ノズルをクリーニングするクリーニング動作を実行する制御部とを備える塗布装置である。
ここで、前記制御部は、前記相対位置を前記クリーニング部材が前記吐出口の周囲の前記ノズルの表面に当接する当接位置に設定した状態で、前記走査移動機構により前記クリーニング部材を前記ノズルに対し前記第1方向に相対移動させることで前記クリーニング動作を実行し、前記クリーニング動作の累積実行回数が所定の閾値に到達したときに、被塗布物への前記塗布液の塗布に先立って予備クリーニング動作を実行し、前記予備クリーニング動作では、前記当接位置を前記ノズルと前記クリーニング部材とが接近する側に変更設定し前記相対位置を変更後の前記当接位置に設定した状態で、前記走査移動機構により前記クリーニング部材を前記ノズルに対し前記第1方向に相対移動させる。
このように構成された発明では、複数回のクリーニング動作において、ノズルとクリーニング部材との相対位置は一定の当接位置に設定されている。つまり、この発明では、複数のクリーニング動作の間で、ノズルに対するクリーニング部材の当接圧(押圧力)が一定に維持されるのではなく、両者の相対的な位置関係が一定に維持される。このため、クリーニング動作を繰り返し実行すると、ノズルに対するクリーニング部材の当接圧(押圧力)は少しずつ低下してくる。このことは、ノズルとの摺擦でクリーニング部材が削れることに起因する微粉の発生が経時的に減少することを意味する。
一方、当接圧の経時的な低下はクリーニング不良の発生確率の増加の原因となり得る。この問題を回避するため、この発明では、クリーニング動作の累積実行回数が所定の閾値に達すると、クリーニング動作時におけるノズルとクリーニング部材との当接位置が、両者がより接近する側に変更設定される。これにより、摩耗により低下した当接圧を回復させ、クリーニング能力の低下を抑えることができる。このとき、当接圧の増加によって一時的に微粉の発生量が増大するから、そのまま塗布動作およびクリーニング動作を実行すると、塗布層に混入する微粉の量が増大してしまう。そこで、本発明では、クリーニング部材をノズルに対し第1方向に相対移動させることで、新たな塗布動作に先立って意図的に微粉を発生させこれを除去する。
このように、ノズルとクリーニング部材との相対位置をより接近させる方向に変化させ、かつ予備的なクリーニング動作を行っておくことで、その後の塗布動作およびクリーニング動作においては、さらなる微粉の発生を抑えて品質の良好な塗布を実行することが可能となる。
また、この発明の他の態様は、第1方向を長手方向とするスリット状に開口し塗布液を吐出する吐出口が設けられたノズルから前記塗布液を吐出して被塗布物に塗布する塗布工程を、断続的に複数回実行する塗布方法において、上記目的を達成するため、前記塗布工程の終了ごとに、前記吐出口の周囲の前記ノズルの表面にクリーニング部材を当接させながら前記ノズルと前記クリーニング部材とを前記第1方向に相対移動させるクリーニング工程と、前記クリーニング工程の累積実行回数が所定の閾値に到達したときに、次回の前記塗布工程の実行に先立って実行される予備クリーニング工程とを備え、前記予備クリーニング工程では、前記クリーニング工程における前記ノズルと前記クリーニング部材との相対位置である当接位置を前記ノズルと前記クリーニング部材とが接近する側に変更設定し、前記相対位置を変更後の前記当接位置に設定した状態で、前記クリーニング部材を前記ノズルに対し前記第1方向に相対移動させる。
このように構成された発明では、上記した塗布装置の発明と同様に、クリーニング工程の累積実行回数が閾値に達すると、ノズルとクリーニング部材との相対位置をより接近させる方向に変化させ、かつノズルとクリーニング部材とを第1方向に相対移動させる予備クリーニング工程が実行される。これにより、その後の塗布工程およびクリーニング工程における微粉の発生を抑え、品質の良好な塗布を実行することが可能となる。また、ノズルに対するクリーニング部材の当接圧の低下はある程度で抑えられるため、クリーニング能力の低下も防止することができる。
上記のように、この発明によれば、ノズルに対しクリーニング部材を適切な押圧力で押圧することでクリーニング能力を確保しつつ、摺擦に起因して生じる微粉の塗布層への混入を効果的に防止することが可能である。
本発明にかかる塗布装置の一実施形態の全体構成を模式的に示す図である。 ノズルを斜め下方から見た斜視図である。 図1に示す塗布装置の側面図である。 ノズルクリーナの構成を示す図である。 クリーニング処理における除去ユニットの動きを模式的に示す図である。 この塗布装置における塗布処理を示すフローチャートである。 クリーニング処理を示すフローチャートである。 予備クリーニング処理の原理を説明する図である。
図1は本発明にかかる塗布装置の一実施形態の全体構成を模式的に示す図である。この塗布装置1は、図1の左手側から右手側に向けて水平姿勢で搬送される基板Wの上面Wfに塗布液を塗布するスリットコータである。なお、以下の各図において装置各部の配置関係を明確にするために、基板Wの搬送方向を「X方向」とし、図1の左手側から右手側に向かう水平方向を「+X方向」と称し、逆方向を「−X方向」と称する。また、X方向と直交する水平方向Yのうち、装置の正面側を「−Y方向」と称するとともに、装置の背面側を「+Y方向」と称する。さらに、鉛直方向Zにおける上方向および下方向をそれぞれ「+Z方向」および「−Z方向」と称する。
まず図1を用いてこの塗布装置1の構成および動作の概要を説明し、その後でメンテナンスユニットのより詳細な構造について説明する。なお、塗布装置1の基本的な構成や動作原理は、本願出願人が先に開示した特開2018−187597号公報に記載されたものと共通している。そこで、本明細書では、塗布装置1の各構成のうち当該公知文献に記載のものと同様の構成を適用可能なもの、およびその記載から構造を容易に理解することのできるものについては詳しい説明を省略することがある。
塗布装置1では、基板Wの搬送方向Dt(+X方向)に沿って、入力コンベア100、入力移載部2、浮上ステージ部3、出力移載部4、出力コンベア110がこの順に近接して配置されており、以下に詳述するように、これらにより略水平方向に延びる基板Wの搬送経路が形成されている。なお、以下の説明において基板Wの搬送方向Dtと関連付けて位置関係を示すとき、「基板Wの搬送方向Dtにおける上流側」を単に「上流側」と、また「基板Wの搬送方向Dtにおける下流側」を単に「下流側」と略することがある。この例では、ある基準位置から見て相対的に(−X)側が「上流側」、(+X)側が「下流側」に相当する。
処理対象である基板Wは図1の左手側から入力コンベア100に搬入される。入力コンベア100は、コロコンベア101と、これを回転駆動する回転駆動機構102とを備えており、コロコンベア101の回転により基板Wは水平姿勢で下流側、つまり(+X)方向に搬送される。入力移載部2は、コロコンベア21と、これを回転駆動する機能および昇降させる機能を有する回転・昇降駆動機構22とを備えている。コロコンベア21が回転することで、基板Wはさらに(+X)方向に搬送される。また、コロコンベア21が昇降することで基板Wの鉛直方向位置が変更される。このように構成された入力移載部2により、基板Wは入力コンベア100から浮上ステージ部3に移載される。
浮上ステージ部3は、基板の搬送方向Dtに沿って3分割された平板状のステージを備える。すなわち、浮上ステージ部3は入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33を備えており、これらの各ステージの上面は互いに同一平面の一部をなしている。入口浮上ステージ31および出口浮上ステージ33のそれぞれの上面には浮上制御機構35から供給される圧縮空気を噴出する噴出孔がマトリクス状に多数設けられており、噴出される気流から付与される浮力により基板Wが浮上する。こうして基板Wの下面Wbがステージ上面から離間した状態で水平姿勢に支持される。基板Wの下面Wbとステージ上面との距離、つまり浮上量は、例えば10マイクロメートルないし500マイクロメートルとすることができる。
一方、塗布ステージ32の上面では、圧縮空気を噴出する噴出孔と、基板Wの下面Wbとステージ上面との間の空気を吸引する吸引孔とが交互に配置されている。浮上制御機構35が噴出孔からの圧縮空気の噴出量と吸引孔からの吸引量とを制御することにより、基板Wの下面Wbと塗布ステージ32の上面との距離が精密に制御される。これにより、塗布ステージ32の上方を通過する基板Wの上面Wfの鉛直方向位置が規定値に制御される。浮上ステージ部3の具体的構成としては、例えば特許第5346643号公報に記載のものを適用可能である。
なお、入口浮上ステージ31には、図には現れていないリフトピンが配設されており、浮上ステージ部3にはこのリフトピンを昇降させるリフトピン駆動機構34が設けられている。
入力移載部2を介して浮上ステージ部3に搬入される基板Wは、コロコンベア21の回転により(+X)方向への推進力を付与されて、入口浮上ステージ31上に搬送される。入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33は基板Wを浮上状態に支持するが、基板Wを水平方向に移動させる機能を有していない。浮上ステージ部3における基板Wの搬送は、入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33の下方に配置された基板搬送部5により行われる。
基板搬送部5は、基板Wの下面周縁部に部分的に当接することで基板Wを下方から支持するチャック機構51と、チャック機構51の支持部513に設けられた吸着パッド(図示省略)に負圧を与えて基板Wを吸着保持させる機能およびチャック機構51をX方向に往復走行させる機能を有する吸着・走行制御機構52とを備えている。チャック機構51が基板Wを保持した状態では、基板Wの下面Wbは浮上ステージ部3の各ステージの上面よりも高い位置に位置している。したがって、基板Wは、チャック機構51により周縁部を吸着保持されつつ、浮上ステージ部3から付与される浮力により全体として水平姿勢を維持する。
入力移載部2から浮上ステージ部3に搬入された基板Wをチャック機構51が保持し、この状態でチャック機構51が(+X)方向に移動することで、基板Wが入口浮上ステージ31の上方から塗布ステージ32の上方を経由して出口浮上ステージ33の上方へ搬送される。搬送された基板Wは、出口浮上ステージ33の(+X)側に配置された出力移載部4に受け渡される。
出力移載部4は、コロコンベア41と、これを回転駆動する機能および昇降させる機能を有する回転・昇降駆動機構42とを備えている。コロコンベア41が回転することで、基板Wに(+X)方向への推進力が付与され、基板Wは搬送方向Dtに沿ってさらに搬送される。また、コロコンベア41が昇降することで基板Wの鉛直方向位置が変更される。出力移載部4により、基板Wは出口浮上ステージ33の上方から出力コンベア110に移載される。
出力コンベア110は、コロコンベア111と、これを回転駆動する回転駆動機構112とを備えており、コロコンベア111の回転により基板Wはさらに(+X)方向に搬送され、最終的に塗布装置1外へと払い出される。なお、入力コンベア100および出力コンベア110は塗布装置1の構成の一部として設けられてもよいが、塗布装置1とは別体のものであってもよい。また例えば、塗布装置1の上流側に設けられる別ユニットの基板払い出し機構が入力コンベア100として用いられてもよい。また、塗布装置1の下流側に設けられる別ユニットの基板受け入れ機構が出力コンベア110として用いられてもよい。
このようにして搬送される基板Wの搬送経路上に、基板Wの上面Wfに塗布液を塗布するための塗布ユニット7が配置される。塗布ユニット7はスリットノズルであるノズル71を有している。ノズル71には、図示しない塗布液供給部から塗布液が供給され、ノズル下部に下向きに開口する吐出口から塗布液が吐出される。
ノズル71は、塗布ユニット7の位置決め機構79によりX方向およびZ方向に移動位置決め可能となっている。位置決め機構79により、ノズル71が塗布ステージ32の上方の塗布位置(点線で示される位置)に位置決めされる。塗布位置に位置決めされたノズル71から塗布液が吐出されて、塗布ステージ32との間を搬送されてくる基板Wに塗布される。こうして基板Wへの塗布液の塗布が行われる。
基板Wの搬送経路の上方には、ノズル71に対しメンテナンスを行うためのメンテナンスユニット8が設けられている。メンテナンスユニット8は、バット80内に設けられた、洗浄液貯留槽82と、ノズルクリーナ81と、洗浄液貯留槽82およびノズルクリーナ81の動作を制御するメンテナンス制御機構89とを備えている。
ノズル71がノズルクリーナ81の上方位置(クリーニング位置)にある状態では、ノズルクリーナ81によりノズル71の吐出口の周囲に付着した塗布液が除去される。このように塗布位置へ移動させる前のノズル71に対してクリーニング処理を行わせることにより、塗布位置での塗布液の吐出をその初期段階から安定させることができる。なお、ノズル71およびノズルクリーナ81の詳しい構成、ならびにノズルクリーナ81によるノズル71のクリーニング処理については後で詳述する。
また、位置決め機構79は、ノズル71をノズル下端が洗浄液貯留槽82内に貯留される洗浄液に接液する位置(待機位置)に位置決めすることが可能である。ノズル71を用いた塗布処理が実行されないときには、ノズル71はこの待機位置に位置決めされる。なお、上記洗浄液に超音波を付与してノズル下端を洗浄する構成としてもよい。
この他、塗布装置1には、装置各部の動作を制御するための制御ユニット9が設けられている。制御ユニット9は所定の制御プログラムや各種データを記憶する記憶手段、この制御プログラムを実行することで装置各部に所定の動作を実行させるCPUなどの演算手段、ユーザや外部装置との情報交換を担うインターフェース手段などを備えている。本実施形態では、後述するように演算手段が装置各部を制御してクリーニング処理を実行する。
図2はノズルを斜め下方から見た斜視図である。なお、同図においては、クリーニング対象となるノズル71の吐出口711の近傍の構成を明確にするためにノズル先端の寸法を実際とは異ならせて示している。この点については後で説明する図4においても同様である。
このノズル71はY方向に延びる長尺スリット状の開口部である吐出口711を有している。吐出口711はY方向においてノズル71の全長より短い吐出口範囲71Rで開口している。一方、ノズル71のY方向の両端では吐出口711が開口しておらず、吐出口711の(−Y)側で傾斜部712が設けられるとともに、(+Y)側で段差部713が設けられている。
このノズル71は浮上ステージ部3により浮上されながらX方向に搬送される基板Wの上面Wfに向けて吐出口711から鉛直下方、つまり(−Z)方向に塗布液を吐出可能な構成を有する。具体的には、ノズル71は、後述するノズル支持構造(図4)によって支持されるノズル本体部714と、ノズル本体部714より下方に突出するリップ部715とを有している。そして、ノズル71に対して塗布液が図外の供給機構から圧送されると、ノズル本体部714の内部に形成される内部流路を経由して吐出口711に送液され、吐出口711から(−Z)方向に吐出される。
リップ部715は、その長手方向であるY方向からの側面視において先細りの凸形状を有し、その先端(下端)に設けられたリップ面716と、リップ面716の(+X)側に形成されるリップ側面717aと、(−X)側に形成されるリップ側面717bとを有している。以下の説明では、リップ側面717aとリップ側面717bとを区別しないときは、単にリップ側面717と呼ぶ。また、リップ部715には、上記した吐出口711、傾斜部712および段差部713が設けられている。
上記リップ面716の中央部は鉛直下方(−Z方向)に向けて、つまり基板Wの上面Wfと対向するように設けられ、当該リップ面716のうち吐出口範囲71R内の領域に、吐出口711が設けられている。したがって、吐出口711の開口面は水平面(XY平面)となっている。
また、傾斜部712は、吐出口711の(−Y)側端部位置P2から吐出口711の延設方向Yの(−Y)側かつ塗布液の吐出方向の反対側、つまり(+Z)側に延設されている。より詳しくは、リップ部715の(+Y)側端部を斜め上方から切り欠き、鉛直下方から見たときに傾斜部712が略三角形状(あるいは台形形状)を呈するように設けられている。一方、吐出口711を挟んで傾斜部712の反対側には、段差部713が吐出口711の(+Y)側端部P3から(+Z)側に延びて設けられている。つまり、段差部713の表面はリップ面716を(+Y)方向に延長させた仮想水平面よりも(+Z)方向に後退され、結果としてリップ面716との間に段差が形成されている。
なお、図2中の符号P1は次に説明するノズルクリーナ81のスクレーパがクリーニング動作において最初に当接する接触開始位置であり、符号P2はノズルクリーナ81による吐出口711のクリーニング動作が開始されるクリーニング開始位置、つまり吐出口711の(−Y)側端部の位置を示す。また、符号P3はノズルクリーナ81による吐出口711のクリーニング動作が終了する位置、つまり吐出口711の(+Y)側端部の位置を示している。
図3は図1に示す塗布装置の側面図であり、具体的には塗布装置1の要部を(+X)方向に見た図である。塗布ユニット7は、図3に示すように架橋構造を有している。具体的には、塗布ユニット7は、浮上ステージ部3の上方でY方向に延びる梁部材731のY方向両端部を、基台10から上方に立設された1対の柱部材732,733で支持した構造を有している。柱部材732には例えばボールねじ機構により構成された昇降機構734が取り付けられており、昇降機構734により梁部材731の(+Y)側端部が昇降自在に支持されている。また、柱部材733には例えばボールねじ機構により構成された昇降機構735が取り付けられており、昇降機構735により梁部材731の(−Y)側端部が昇降自在に支持されている。制御ユニット9からの制御指令に応じて昇降機構734,735が連動することにより、梁部材731が水平姿勢のまま鉛直方向(Z方向)に移動する。上記した昇降機構としては、ボールねじ機構に代えて例えばリニアモータ、直動ガイド、エアシリンダ、ソレノイドのような各種アクチュエータ等、適宜の直線運動機構が用いられてもよい。
梁部材731の中央下部には、ノズル71が吐出口711を下向きにして取り付けられている。したがって、昇降機構734,735が作動することで、ノズル71のZ方向への移動が実現される。
柱部材732,733は基台10上においてX方向に移動可能に構成されている。具体的には、基台10の(+Y)側および(−Y)側端部上面のそれぞれに、X方向に延設された1対の走行ガイド74L,74Rが取り付けられている。柱部材732はその下部に取り付けられたスライダ736を介して(+Y)側の走行ガイド74Lに係合される。スライダ736は走行ガイド74Lに沿ってX方向に移動自在となっている。同様に、柱部材733はその下部に取り付けられたスライダ737を介して(−Y)側の走行ガイド74Rに係合され、X方向に移動自在となっている。
また、柱部材732,733はリニアモータ75L,75RによりX方向に移動される。具体的には、リニアモータ75L,75Rのマグネットモジュールが固定子として基台10にX方向に沿って延設され、コイルモジュールが移動子として柱部材732,733それぞれの下部に取り付けられている。制御ユニット9からの制御指令に応じてリニアモータ75L,75Rが作動することで、塗布ユニット7全体がX方向に沿って移動する。これにより、ノズル71のX方向への移動が実現される。柱部材732,733のX方向位置については、スライダ736,737の近傍に設けられたリニアスケール76L,76Rにより検出可能である。昇降機構734,735と同様に、この場合においても、リニアモータに代えて、ボールねじ機構、直動ガイド等の適宜の直線運動機構により塗布ユニット7の移動が実現されてもよい。
このように、昇降機構734,735が動作することによりノズル71がZ方向に移動し、リニアモータ75L,75Rが動作することによりノズル71がX方向に移動する。すなわち、制御ユニット9がこれらの機構を制御することにより、ノズル71の各停止位置(塗布位置、待機位置等)への位置決めが実現される。したがって、昇降機構734,735、リニアモータ75L,75Rおよびこれらを制御する制御ユニット9等が一体として、図1の位置決め機構79として機能している。
次にメンテナンスユニット8について説明する。図1に示したように、メンテナンスユニット8は、バット80内にノズルクリーナ81および洗浄液貯留槽82が収容された構造を有している。図3に示すように、バット80はY方向に延設された梁部材861により支持され、梁部材861の両端部が1対の柱部材862,863により支持されている。1対の柱部材862,863はY方向に延びるプレート864のY方向両端部に取り付けられている。
プレート864のY方向両端部の下方には、基台10上に1対の走行ガイド84L,84RがX方向に延設されている。プレート864のY方向両端部は、スライダ866,867を介して走行ガイド84L,84Rに係合されている。このため、メンテナンスユニット8が走行ガイド84L,84Rに沿ってX方向に移動可能となっている。
このようにメンテナンスユニット8はX方向に移動可能である。ただし、後述する本実施形態の塗布装置1の動作においては、メンテナンスユニット8をX方向に移動させる局面は存在しない。例えば装置全体のメンテナンスや部品交換等の際に、ユーザの要求に応じてメンテナンスユニット8を移動させることは可能である。このための移動はオペレータにより手動でなされてもよく、リニアモータ等、適宜の直線運動機構によって駆動されてもよい。
次にチャック51の構造について図3を参照して説明する。チャック51は、XZ平面に関して互いに対称な形状を有しY方向に離隔配置された1対のチャック部材51L,51Rを備える。これらのうち(+Y)側に配置されたチャック部材51Lは、基台10にX方向に延設された走行ガイド57LによりX方向に走行可能に支持されている。具体的には、チャック部材51Lは、X方向に位置を異ならせて設けられた2つの水平なプレート部位と、これらのプレート部位を接続する接続部位とを有するベース部512を備えている。ベース部512の2つのプレート部位の下部にはそれぞれスライダ511が設けられ、スライダ511が走行ガイド57Lに係合されることで、ベース部512は走行ガイド57Lに沿ってX方向に走行可能になっている。
ベース部512の2つのプレート部位の上部には、上方に延びてその上端部に図示を省略する吸着パッドが設けられた支持部513が設けられている。図1に示されるように、支持部513は、基板WのX方向における両端部位置に対応して、X方向に位置を異ならせて2個配置されている。ベース部512が走行ガイド57Lに沿ってX方向に移動すると、これと一体的に2つの支持部513,513がX方向に移動する。なお、ベース部512の2つのプレート部位は互いに分離され、これらのプレート部位がX方向に一定の距離を保ちながら移動することで見かけ上一体のベース部として機能する構造であってもよい。この距離を基板の長さに応じて設定すれば、種々の長さの基板に対応することが可能となる。
チャック部材51Lは、リニアモータ58LによりX方向に移動可能となっている。すなわち、リニアモータ58Lのマグネットモジュールが固定子として基台10にX方向に延設され、コイルモジュールが移動子としてチャック部材51Lの下部に取り付けられている。制御ユニット9からの制御指令に応じてリニアモータ58Lが作動することで、チャック部材51LがX方向に沿って移動する。チャック部材51LのX方向位置についてはリニアスケール59Lにより検出可能である。
(−Y)側に設けられたチャック部材51Rも同様に、2つのプレート部位および接続部位を有するベース部512と、支持部513とを備えている。ただし、その形状は、XZ平面に関してチャック部材51Lとは対称なものとなっている。各プレート部位はそれぞれスライダ511により走行ガイド57Rに係合される。また、チャック部材51Rは、リニアモータ58RによりX方向に移動可能となっている。すなわち、リニアモータ58Rのマグネットモジュールが固定子として基台10にX方向に延設され、コイルモジュールが移動子としてチャック部材51Rの下部に取り付けられている。制御ユニット9からの制御指令に応じてリニアモータ58Rが作動することで、チャック部材51RがX方向に沿って移動する。チャック部材51RのX方向位置についてはリニアスケール59Rにより検出可能である。
制御ユニット9は、チャック部材51L,51RがX方向において常に同一位置となるように、これらの位置制御を行う。これにより、1対のチャック部材51L,51Rが見かけ上一体のチャック51として移動することになる。チャック部材51L,51Rを機械的に結合する場合に比べ、チャック51と浮上ステージ部3との干渉を容易に回避することが可能となる。
計4つの支持部513はそれぞれ、保持される基板Wの四隅に対応して配置される。すなわち、チャック部材51Lの2つの支持部513,513は、基板Wの(+Y)側周縁部であって搬送方向Dtにおける上流側端部と下流側端部とをそれぞれ保持する。一方、チャック部材51Rの2つの支持部513,513は、基板Wの(−Y)側周縁部であって搬送方向Dtにおける上流側端部と下流側端部とをそれぞれ保持する。各支持部513の吸着パッドには必要に応じて負圧が供給され、これにより基板Wの四隅がチャック51により下方から吸着保持される。
チャック51が基板Wを保持しながらX方向に移動することで基板Wが搬送される。このように、リニアモータ58L,58R、各支持部513に負圧を供給するための機構(図示せず)、これらを制御する制御ユニット9等が一体として、図1の吸着・走行制御機構52として機能している。
図1および図3に示すように、チャック51は、浮上ステージ部3の各ステージ、すなわち入口浮上ステージ31、塗布ステージ32および出口浮上ステージ33の上面よりも上方に基板Wの下面を保持した状態で基板Wを搬送する。チャック51は、基板Wのうち各ステージ31,32,33と対向する中央部分よりもY方向において外側の周縁部の一部を保持するのみであるため、基板Wの中央部は周縁部に対し下方に撓むことになる。浮上ステージ部3は、このような基板Wの中央部に浮力を与えることで基板Wの鉛直方向位置を制御して水平姿勢に維持する機能を有する。
図4はノズルクリーナの構成を示す図である。具体的には、図4(a)はノズルクリーナ81の構成を示す斜視図であり、図4(b)はノズルクリーナ81とノズル71との当接状態を示す部分拡大断面図である。ノズルクリーナ81は、ノズル71のリップ部715に沿ったクリーニング方向Dcへノズルクリーニング部材811を伴って移動することでリップ部715に付着する付着物を除去する除去ユニット810と、除去ユニット810をクリーニング方向Dcに駆動する駆動ユニット818とを備えている。ここで、クリーニング方向Dcは吐出口711の延設方向Yと平行で(−Y)側から(+Y)側に向かう方向を意味しており、駆動ユニット818は除去ユニット810をY方向へ往復移動させることが可能となっている。なお、除去ユニット810による除去対象となる付着物としては、ノズル71のリップ部715に付着しうる種々の物質が挙げられ、例えば塗布液の溶質が乾燥・固化したものがある。例えば塗布液がカラーフィルター用のフォトレジストである場合には、塗布液に含まれる顔料が付着物としてノズル71のリップ部715に付着する。
また、ノズルクリーナ81は上記した除去ユニット810および駆動ユニット818以外に、洗浄部(図示省略)およびリンス液供給部を備えている。洗浄部は、ノズルクリーニング部材811を密閉することで形成した密閉空間の内部でノズルクリーニング部材811を洗浄するものである。つまり、洗浄部は、ノズル71のリップ部715に付着する付着物を拭き取って除去したノズルクリーニング部材811に対して、上記密閉空間内で洗浄液を供給することでノズルクリーニング部材811に付着する上記付着物を洗い流す。この洗浄部としては、例えば特開2014−176812号公報に記載されたものを用いることができる。また、リンス液供給部88は、その先端が除去ユニット810に取り付けられた可撓性のリンス液供給管を介して除去ユニット810にリンス液を供給する機能を有している。
除去ユニット810は主として、ノズル71のリップ部715に対応する凹部(本実施形態では略V字型のV字溝)を有するノズルクリーニング部材811と、ノズルクリーニング部材811を支持する支持部812とを有する。なお、図4(a)では、ノズル71のクリーニング方向Dcの上流側端部よりさらにクリーニング方向Dcの上流側の位置に除去ユニット810が位置するときの、ノズル71および除去ユニット810の構成が示されている。
除去ユニット810は、スプレッダ811Aおよびスクレーパ811Bの2種類のノズルクリーニング部材811を有する。これらノズルクリーニング部材811のうち、スプレッダ811Aはリンス液をノズル71のリップ部715に塗り広げるリンス液供給機能を担い、スクレーパ811Bはスプレッダ811Aのクリーニング方向Dcの上流側で、ノズル71のリップ部715からリンス液を除去する液切り機能を担う。これによって、ノズル71のリップ部715の付着物をリンス液とともに除去することができる。つまり、乾燥して固化した塗布液等の付着物がリップ側面717に付着している場合、スプレッダ811Aにより塗り広げられたリンス液が付着物をある程度溶解し、この溶解物(付着物)を含むリンス液がスクレーパ811Bによって除去される。このようにノズルクリーニング部材81は、スプレッダ811Aおよびスクレーパ811Bを用いて、ノズル71のリップ部15から付着物を除去するクリーニング処理を実行する。これらスプレッダ811Aおよびスクレーパ811Bは基本的に共通する外形を有する。そこで、以下ではこれらを総称したノズルクリーニング部材811の構造について説明する。
図4(a)に示すように、ノズルクリーニング部材811は支持部812により支持可能な本体を有する。スクレーパ811Bの本体は例えば900〜4000MPa(メガパスカル)の弾性率を有する弾性体で形成されており、スプレッダ811Aの本体はスクレーパ811Bの本体より硬い硬質体で形成されている。そして、本体中央部が支持部812に支持されている。図4(b)に示すように、ノズルクリーニング部材811の上部には、略V字型の溝であるV字溝811aが形成されている。V字溝811aはノズル71のリップ部715に対応した形状をしている。より具体的には、V字溝811aの上面は、リップ側面717の傾斜に応じた傾斜を持った傾斜面部と、リップ面716に対応して略水平に形成された水平面部とを有している。
図4(b)に点線矢印で示すように、ノズルクリーニング部材811は、ノズル71に対し相対的に、上下方向(Z方向)に接近・離間移動する。この移動は、実際の装置においては昇降機構734,735によるノズル71の昇降動作によって実現されるが、ノズルクリーニング部材811の昇降により実現されても等価である。
ノズルクリーニング部材811のうちスクレーパ811Bは、図4(b)に点線で示すように、ノズル71に最接近した状態ではノズル711の下面に当接する。このとき、スクレーパ811Bの上面とノズル71の下面とは正の面圧をもって当接する。つまり、スクレーパ811Bは、ノズル71と接触した状態からさらにノズル71側へ押し込まれた状態となっている。より具体的には、このような状態となるように、ノズル71の上下方向位置が設定される。このときのスクレーパ811Bに対するノズル71のZ方向における相対的な位置を、以下では「当接位置」と称する。一方、図4(b)に実線で示すように、スクレーパ811Bとノズル71とが大きく離間する状態におけるノズル71のZ方向における位置を、以下では「離間位置」と称することとする。
このような構成により、スクレーパ811Bは所定の当接圧をもってノズル71に当接する。このとき、スクレーパ811Bは、吐出口711の周囲のノズル71表面、具体的にはリップ面716およびリップ側面717を覆うようにノズル71に当接する。なお、このときスクレーパ811Bはリップ面716に当接していてもよく、また微小なギャップを隔ててリップ面716から離間していてもよい。
これに対して、スプレッダ811Aはノズル71に接近するが接触はしない。すなわち、スプレッダ811Aはその上端部がスクレーパ811Bの上端部よりも低い位置となるように配置されている。そのため、スクレーパ811Bがノズル71に当接した状態では、スプレッダ811A上端のV字溝811aは微小なギャップを隔ててリップ部715と対向している。また、スプレッダ811Aの上端付近には、リンス液供給部88から供給されるリンス液を滲出させるための液供給孔(図示省略)が設けられており、スプレッダ811Aとノズル71との間のギャップ空間にリンス液が供給される。
このように構成された各ノズルクリーニング部材811は、適宜の固定部材、例えばボルトによって支持部812に着脱自在に固定されている。支持部812はプレート状の昇降部816に取り付けられている。昇降部816上に支持されたスクレーパ811BをX方向に挟むように、1対の開口調整機構817が昇降部816に設けられている。開口調整機構817は昇降部816上で所定の範囲内でX方向に位置調整可能となっており、スクレーパ811BをX方向の両側から挟み付けることにより、スクレーパ811BのV字溝811aを所望の形状に維持することが可能となっている。
このように各ノズルクリーニング部材811が固定された昇降部816の下方にベース部813が配置される。そして、昇降部816はベース部813によって昇降可能に支持されている。つまり、除去ユニット810では、ベース部813の上面からZ方向に立設されたガイドレール814と、ベース部813と昇降部816との間に設けられた付勢部材815(例えば、圧縮バネ)とが設けられている。そして、ガイドレール814が昇降部816の移動をZ方向に案内しつつ、付勢部材815がベース部813に対して昇降部816を上方へ付勢する。そのため、昇降部816に固定された各ノズルクリーニング部材811は、付勢部材815の付勢力により上方へ付勢される。
また、ベース部813は、駆動ユニット818に取り付けられている。この駆動ユニット818は、Y方向においてノズル71の両外側に配置された一対のローラ818Aと、ローラ818Aに掛け渡された無端ベルト818Bとを有し、無端ベルト818Bの上面にベース部813が取り付けられている。このように構成された駆動ユニット818は、ローラ818Aを回転させて無端ベルト818Bの上面をY方向へ駆動して、除去ユニット810と一体的に各ノズルクリーニング部材811をY方向へ移動させる。
そして、以上のように構成されたノズルクリーナ81は、上記した接触開始位置P1(図2)においてノズル71のリップ部715に各ノズルクリーニング部材811を下方から近接させると、ノズルクリーニング部材811のうちスクレーパ811Bのみがノズル71の下面に当接し、付勢部材815によりにノズル71に押し付けられる。つまり、スクレーパ81BのV字溝811aがノズル71と当接する。
上記したようにノズル71のリップ部715からスプレッダ811Aを離間させつつスクレーパ811BのV字溝811aをノズル71のリップ部715に押し付けた状態で、各ノズルクリーニング部材811をクリーニング方向Dcに移動させることで、ノズル71のリップ部715がクリーニングされる。
図5はクリーニング処理における除去ユニットの動きを模式的に示す図である。図5(a)に示すように、除去ユニット810はノズル71の(−Y)側端部付近の接触開始位置P1でノズル71の下端に当接した後、矢印Dcで示すように(+Y)方向に移動する。図5(b)に示すように、除去ユニット810のスクレーパ811Bが吐出口711の(−Y)側端部位置P2に到達することで、クリーニング動作が開始される。
除去ユニット810がさらに矢印方向Dcに移動することで吐出口711の周囲に対するクリーニングが進行し、図5(c)に示す吐出口711の(+Y)側端部位置P3にスクレーパ811Bが到達した時点で吐出口711に対するクリーニングは終了する。スクレーパ811Bがさらに(+Y)方向側に進み、図に点線で示すように、最終的には端部位置P3およびノズル71の(+Y)側端部位置よりも(+Y)側の停止位置P4まで進んで停止し、これによりクリーニング処理が終了する。
図6はこの塗布装置における塗布処理を示すフローチャートである。この塗布処理は、搬送経路に沿って順次搬送される複数の基板Wに対して、ノズル71から塗布液を供給することで各基板Wに塗布層を形成する処理である。塗布処理および以下に示す各処理は、制御ユニット9に設けられた演算手段が予め準備された制御プログラムを実行し、上記した装置各部に所定の動作を実行させることにより実現される。
外部の基板供給装置から複数の基板Wが1枚ずつ入力コンベア100に供給される状態で、ノズル71を塗布ステージ32の上面と対向する塗布位置に位置決めし(ステップS101)、搬送機構が基板Wをノズル71の直下位置に送り込みながらノズル71から所定流量の塗布液を吐出させることで(ステップS102、S103)、1枚の基板Wへの塗布が実行される(塗布動作)。
1枚の基板Wに対する塗布が終了すると、ノズル71からの塗布液の吐出が停止されるとともに、ノズル71が塗布ステージ32から上方へ退避しメンテナンスユニット8と対向するクリーニング位置に位置決めされる(ステップS104)。そして、ノズルクリーナ81により、ノズル71に残留付着する塗布液に対するクリーニング処理が実行される(ステップS105)。
図7はクリーニング処理を示すフローチャートである。ノズル71がクリーニング位置に位置決めされるのと平行して、除去ユニット810が接触開始位置P1に移動位置決めされる(ステップS201)。そして、ノズル71の吐出口711から微小な所定量の塗布液が吐出され(ステップS202)、ノズル71が当接位置まで下降する。これにより、接触開始位置P1において、ノズル71とスクレーパ811Bとが当接する(ステップS203)。ノズル71から吐出される塗布液は、ノズル71とスクレーパ811Bとが直接接触するのを防止し、両者の間で潤滑液として機能する。
リンス液供給部88からスプレッダ811Aに対してリンス液の供給が開始されることで(ステップS204)、スプレッダ811Aとノズル711とのギャップ空間にリンス液が供給される。吐出された塗布液およびリンス液が、吐出口711の周辺に残留付着する塗布液を溶解させることでクリーニング効率を向上させることができる。この状態で除去ユニット810がクリーニング方向Dcに移動することで(ステップS205)、ノズル71がクリーニングされる。すなわち、ノズル71の吐出口711の周囲に付着した塗布液がスクレーパ811Bによって掻き取られ、ノズル71から除去される。
除去ユニット810が停止位置P4まで来ると、除去ユニット810の移動およびリンス液の供給が停止され(ステップS206、S207)、ノズル71が上方の離間位置に退避することで(ステップS208)、クリーニング処理は終了する。
図6に戻って塗布処理の説明を続ける。断続的に搬送される複数の基板Wへの塗布を引き続き行う場合(ステップS109においてYES)、基本的には、1枚の基板Wごとに、上記した塗布動作とクリーニング処理とが交互に実行される。ただし、この実施形態では、クリーニング処理の実行回数がカウントされており、累積実行回数が予め設定された閾値に到達したとき(ステップS106においてYES)、特別なクリーニング処理(ステップS108)が実行される。以下、このときのクリーニング処理を「予備クリーニング処理」と称し、それを実行する理由および処理内容について説明する。
図8は予備クリーニング処理の原理を説明する図である。図8(a)に示すように、クリーニング処理では、昇降機構734,735により、ノズル71が除去ユニット810の上方に離間した離間位置(実線で示す位置)から当接位置(点線で示す位置)まで下降することで、除去ユニット810のスクレーパ811Bと当接する。このときのノズル71の下降量を符号Zdにより表す。
ノズル71を当接位置に位置決めすることで、スクレーパ811Bは予め規定された当接圧でノズル71に押圧されるはずである。しかしながら、ノズル71への摺擦によってスクレーパ811Bが摩耗し変形することに起因して、図8(b)に示すように、クリーニング処理の実行回数の増加に伴って当接圧は次第に低下してくる。十分な当接圧が確保されないと、残留塗布液に対する掻き取り効果の効率、つまりクリーニング能力が低下する。
この問題を解消するために、この実施形態では、同一のスクレーパ811Bを使用したクリーニング処理の累積実行回数が所定の閾値に到達すると、次のクリーニング処理におけるノズル71の下降量Zdを1段階増加させる。このことは、クリーニング処理を時移行する際のノズル71の位置(当接位置)を、ノズル71とスクレーパ811Bとがより接近する側に変更するのと等価である。
こうすることで、図8(b)上段のグラフに示すように、摩耗によって低下した当接圧が回復し、これにより、それ以上のクリーニング能力の低下を防止することができる。必要十分なクリーニング能力が得られなくなるまで当接圧が低下するよりも前にこれを実行することで、常に必要なクリーニング能力を確保することが可能である。
こうして一時的に当接圧を回復することができたとしても、さらにクリーニング処理を繰り返すことで当接圧は再び低下してくる。そこで、クリーニング処理の累積実行回数に対して複数の閾値を設定しておき、いずれかの閾値に達する度に当接位置の変更設定を行うようにすれば、安定したクリーニング能力を長期にわたって得ることができる。この実施形態では、図8(b)中段グラフに示すように、同一のスクレーパ811Bを使用したクリーニング処理の累積実行回数に対して3つの閾値C1、C2、C3(C3>C2>C1)を設定し、累積実行回数のカウント値がいずれかの閾値に到達すると、その都度当接位置を変更すべく、下降量Zdの変更設定を行う。
スクレーパ811Bの摩耗や劣化がさらに進むと、下降量Zdを調整しても十分な当接圧が得られなくなってくると考えられる。そこで、累積実行回数が閾値C4(>C3)に達したときにはスクレーパ811Bの交換時期が到来したものとする。すなわち、その旨をユーザに報知して、交換を促すようにする。このときスクレーパ811Bのみが交換されてもよく、また他の部材が併せて交換されてもよい。スクレーパ811Bが交換されると、累積実行回数のカウント値はリセットされ、新たなカウントが開始される。また、下降量Zdについても初期設定値に戻される。
こうすることで、1つのスクレーパ811Bをより長期間にわたって使用し、その交換頻度を減らすことで装置のランニングコストを下げるという効果も期待される。本実施形態と異なり、当接位置が常に同じとなるような制御を行った場合には、上記のようにスクレーパ811Bの摩耗に起因して当接圧が次第に低下し、それに伴ってクリーニング能力が低下する。このため、十分なクリーニング能力が確保できなくなった時点でスクレーパの交換を行う必要がある。これに対し、本実施形態では、当接位置に変更設定によって当接圧を回復させることが可能であるため、同一のスクレーパ811Bをより長期にわたって使用し、しかも十分なクリーニング能力を確保することが可能である。
また、たとえばねや弾性体等の受動的な付勢部材によってスクレーパをノズル側に付勢する構成であっても、スクレーパの摩耗が進行すれば(例えばばねが伸びることで)付勢力は低下してくる。これにより当接圧も低下するから、このような場合にも当接位置を変更して当接圧を回復させることは有効である。
このように、クリーニング処理の累積実行回数が閾値に到達したときにノズル71の下降量Zdを増加させることで、当接圧の低下については回復することが可能である。しかしながら、図8(b)下段グラフに示すように、当接圧を増加させると、スクレーパ811Bがノズル71と摺擦され削れることに起因して生じる微粉の発生量が一時的に増加する。このような微粉が基板Wに塗布される塗布層に混入すると、塗布層の変質低下を招くこととなる。
同グラフに実線で示すように、本願発明者の知見によれば、微粉の発生量は下降量Zdの増加直後のクリーニング処理において一時的に増大するが、下降量Zdを一定に維持することで、以後のクリーニング処理においては急激に小さくなる。下降量Zdを一定とし当接位置を不変とすることで当接圧が経時的に低下するという現象が、微粉の発生を抑えているものと考えられる。
同グラフに示す点線は、前述の従来技術のように、当接圧が常に一定となるように制御された場合の微粉の発生量を推定したものである。この場合、摩耗の進行に関わらず一定の当接圧でスクレーパがノズルに押し付けられることで、初期段階から摩耗が進んだ終期まで、常に一定量の微粉が発生しているものと推定される。
このように、単にクリーニング能力を確保するだけでなく微粉の混入をも抑制するという観点からは、当接圧を一定に保つことより、当接圧の低下を許容して当接位置を一定に維持することの方がむしろ好ましいと言える。当接圧の低下に起因するクリーニング能力の低下は、クリーニング処理の累積実行回数に応じて当接位置を段階的に変更設定することで回復可能である。
ただし、当接位置の変更、すなわち下降量Zdの変更設定により一時的に発生量が増加する微粉が塗布層に混入することは避けなければならない。この目的のため、この実施形態では、下降量Zdを変更したとき(ステップS107)、変更後の当接位置にノズル71を位置決めした状態で追加的なクリーニング処理、つまり予備クリーニング処理を実行する(ステップS108)。予備クリーニング処理の内容は、通常のクリーニング処理と同様とすることができる。
当接圧の増加に起因して一時的に発生量が増加する微粉は、予備クリーニング処理によってノズル71から除去される。そして、以後の塗布動作では、微粉の発生が低減された状態でスクレーパ811Bがノズル71に当接するため、塗布動作間のクリーニング処理において微粉が大量に発生し塗布層に混入することは回避される。
以上のように、この実施形態においては、ノズル71、スクレーパ811Bがそれぞれ本発明の「ノズル」、「クリーニング部材」として機能している。また、昇降機構734,735が一体として本発明の「位置調節機構」として機能する一方、駆動ユニット818が本発明の「走査移動機構」として機能している。また、制御ユニット9が本発明の「制御部」として機能している。また、上記実施形態におけるリンス液が本発明の「洗浄液」に相当し、リンス液供給部88が本発明の「洗浄液供給部」として機能している。
また、上記実施形態では、Y方向およびZ方向がそれぞれ本発明の「第1方向」および「第2方向」に相当している。また、図6のステップS103が本発明の「塗布工程」に相当しており、ステップS105が本発明の「クリーニング動作」および「クリーニング工程」に相当している。また、ステップS108が本発明の「予備クリーニング動作」および「予備クリーニング工程」に相当している。また、基板Wが本発明の「被塗布物」に相当している。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、クリーニング処理および予備クリーニング処理において、吐出口711からの塗布液の吐出およびスプレッダ811Aからのリンス液供給の両方を行っている。しかしながら、これらはそれぞれ単独でもクリーニング効率を高める効果を有するものであり、クリーニングごとにこれらの両方を用いなくてもよい。
例えば、複数の塗布動作の間のクリーニング動作では塗布液の供給のみを行い、予備クリーニング動作ではリンス液を単独で、または塗布液の供給と併せて供給するようにしてもよい。この逆であってもよい。また例えばクリーニング処理および予備クリーニング処理では塗布液の供給のみを行い、これらとは別に、リンス液でノズルを洗浄するリンス処理を定期的に実行するようにしてもよい。この意味において、除去ユニットにスプレッダを設けない構成により本発明を実施するという態様も考えられる。
また例えば、上記実施形態の予備クリーニング動作では、ノズル71に対する除去ユニット810の走査移動を1回のみ行っているが、これを複数回行って微粉の除去効果をさらに高めるようにしてもよい。
また例えば、上記実施形態では、ノズル71が上下動することで除去ユニット810との相対位置である本発明の「当接位置」が規定されるが、これに代えて、あるいはこれに加えて、除去ユニット810がノズル71に対し接近・離間方向に移動する構成であってもよい。例えば、ノズル71に対する除去ユニット810の移動量によって「当接位置」が規定される構成であってもよい。また、それらの移動方向は鉛直方向に限定されず、ノズル71と除去ユニット810とが接近・離間方向に相対移動する限りにおいて、吐出口711の延設方向と交わる種々の方向での移動が可能である。
また、上記では特に言及していないが、スクレーパが交換された直後にも、微粉の発生量が一時的に増加すると考えられる。したがって、スクレーパ交換後においても本実施形態の予備クリーニング処理は有効に機能する。
また例えば、ノズル71への塗布液の供給経路において何らかの変更があった場合にも予備クリーニング処理は有効である。というのは、例えば塗布液の補充や配管のメンテナンス等が行われた直後においては吐出量が安定せず、ノズル71とスクレーパ811Bとが間に塗布液を介在させずに直接接触してしまうことがあるからである。このような直接接触ではスクレーパ811Bが削れやすく、微粉の発生量が多くなる。このような場合に予備クリーニング処理を何度か実行するようにすれば、以後の塗布処理においては微粉の発生を効果的に抑制することが可能である。
また、上記実施形態では、クリーニング処理の累積実行回数に対し3段階の閾値を設定しているが、閾値の設定態様はこれに限定されず任意である。累積実行回数に対し少なくとも1つ設定された閾値に基づき当接位置の変更が行われる実施態様は、本発明の技術思想の範疇に含まれるものである。
また、上記実施形態の塗布装置1は、基板Wを浮上搬送し、1つのノズル71により基板Wに塗布を行うものであるが、基板の搬送方式およびノズルの配設数についてはこれに限定されるものでなく任意である。
この発明は、ノズルの先端部に設けられた吐出口から塗布液を吐出して塗布する塗布装置および塗布方法全般に適用することができる。
1 塗布装置
9 制御ユニット(制御部)
71 ノズル
88 リンス液供給部(洗浄液供給部)
711 吐出口
734,735 昇降機構(位置調節機構)
811B スクレーパ(クリーニング部材)
818 駆動ユニット(走査移動機構)
C1〜C3 閾値
S103 塗布工程
S105 クリーニング動作、クリーニング工程
S108 予備クリーニング動作、予備クリーニング工程
W 基板(被塗布物)
Y 第1方向
Z 第2方向

Claims (9)

  1. 第1方向を長手方向とするスリット状に開口し塗布液を吐出する吐出口が設けられたノズルと、
    前記第1方向における長さが前記吐出口の長さよりも小さいクリーニング部材と、
    前記吐出口の開口面と交わる第2方向に前記ノズルと前記クリーニング部材とを相対移動させて、前記第2方向における前記ノズルと前記クリーニング部材との相対位置を調節する位置調節機構と、
    前記ノズルと前記クリーニング部材とを前記第1方向に相対移動させる走査移動機構と、
    前記位置調節機構により調節される前記ノズルに対する前記クリーニング部材の相対位置および前記走査移動機構による前記相対移動を制御して、前記ノズルをクリーニングするクリーニング動作を実行する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記相対位置を前記クリーニング部材が前記吐出口の周囲の前記ノズルの表面に当接する当接位置に設定した状態で、前記走査移動機構により前記クリーニング部材を前記ノズルに対し前記第1方向に相対移動させることで前記クリーニング動作を実行し、
    前記クリーニング動作の累積実行回数が所定の閾値に到達したときに、被塗布物への前記塗布液の塗布に先立って予備クリーニング動作を実行し、前記予備クリーニング動作では、
    前記当接位置を前記ノズルと前記クリーニング部材とが接近する側に変更設定し
    前記相対位置を変更後の前記当接位置に設定した状態で、前記走査移動機構により前記クリーニング部材を前記ノズルに対し前記第1方向に相対移動させる、塗布装置。
  2. 前記制御部は、前記予備クリーニング動作の実行後に実行する前記クリーニング動作では、変更後の前記当接位置を前記相対位置に設定する請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記第2方向は、前記第1方向および前記開口面に直交する方向である請求項1または2に記載の塗布装置。
  4. 前記第1方向に直交する断面において、前記クリーニング部材のうち前記ノズルに当接する当接部位は、前記ノズルのうち前記クリーニング部材が当接する被当接部位の形状に対応した形状を有する請求項1ないし3のいずれかに記載の塗布装置。
  5. 前記クリーニング部材は弾性樹脂製であり、前記当接位置では正の当接圧で前記ノズルと当接する請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布装置。
  6. 前記予備クリーニング動作では、前記吐出口から所定量の前記塗布液を吐出させてから前記相対移動を実行する請求項1ないし5のいずれかに記載の塗布装置。
  7. 前記クリーニング部材と前記ノズルとの間に洗浄液を供給する洗浄液供給部を備え、前記予備クリーニング動作では、前記洗浄液供給部から前記洗浄液を供給してから前記相対移動を実行する請求項1ないし5のいずれかに記載の塗布装置。
  8. 第1方向を長手方向とするスリット状に開口し塗布液を吐出する吐出口が設けられたノズルから前記塗布液を吐出して被塗布物に塗布する塗布工程を、断続的に複数回実行する塗布方法において、
    前記塗布工程の終了ごとに、前記吐出口の周囲の前記ノズルの表面にクリーニング部材を当接させながら前記ノズルと前記クリーニング部材とを前記第1方向に相対移動させるクリーニング工程と、
    前記クリーニング工程の累積実行回数が所定の閾値に到達したときに、次回の前記塗布工程の実行に先立って実行される予備クリーニング工程と
    を備え、
    前記予備クリーニング工程では、前記クリーニング工程における前記ノズルと前記クリーニング部材との相対位置である当接位置を前記ノズルと前記クリーニング部材とが接近する側に変更設定し、前記相対位置を変更後の前記当接位置に設定した状態で、前記クリーニング部材を前記ノズルに対し前記第1方向に相対移動させる、塗布方法。
  9. 前記累積実行回数に対して複数の前記閾値が予め設定され、前記累積実行回数がいずれかの前記閾値に達する度に、前記予備クリーニング工程が実行される請求項8に記載の塗布方法。
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