JP3757992B2 - 塗布装置および塗布方法並びにカラーフィルタの製造方法および製造装置 - Google Patents

塗布装置および塗布方法並びにカラーフィルタの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特にカラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタの製造に好適し、カラーフィルタのガラス基板などの被塗布部材に向け、塗布液を吐出しながら塗膜を形成する塗布装置および塗布方法、並びに、これらの装置および方法を用いたカラーフィルタの製造およびその製造方法に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
カラー液晶ディスプレイ用のカラーフィルタは、そのガラス基板上に3原色の細かな格子模様を有しており、このような格子模様はガラス基板上に先ず黒の塗膜を形成した後、赤、青、緑の塗膜により塗り分けて得られる。
それ故、カラーフィルタの製造には、ガラス基板上に黒、赤、青、緑の塗布液を塗布し、これらの塗膜を順次形成していく塗工工程が必要不可欠となる。この種の塗工工程には、従来塗布装置としてスピナー、バーコータあるいはローコータなどが使用されていたが、塗布液の消費量を削減し、また、塗膜の物性向上を図るために近年に至ってはダイコータの使用が検討されている。
【0003】
この種のダイコータの一例はたとえば特開平5-208154号公報に開示されている。この公知のダイコータは塗布器としてのスリットダイを有し、このスリットダイの吐出口から塗布液を吐出しながら、一方向に走行するフィルムなどの被塗布部材に塗膜を形成するものとなっている。
また、公知のダイコータには洗浄ヘッドが備えられており、この洗浄ヘッドはスリットダイの吐出口周辺部と接触しながら、その吐出口の長手方向に移動し、この移動に伴い、吐出口周辺部に付着している塗布液を拭き取るものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した洗浄ヘッドは発砲性ポリエチレンからなる弾性支持部を有し、この弾性支持部がスリットダイの吐出口に押し付けられるようになっており、この際、弾性支持部は自身の弾性変形により、スリットダイの吐出口を跨ぐようにして、その吐出口に沿って延びる周辺部にも密着することができる。
【0005】
このような弾性支持部は、スリットダイがその幅方向全域に亘って平坦な面に吐出口を有するタイプの場合に有効であり、その吐出口の開口した面が幅方向全域に亘って平坦ではなく、吐出口の両端から傾斜しているような場合、上述の弾性支持部ではスリットダイの吐出口周辺部を良好に清掃できない。この点、より詳しく説明すると、この場合、吐出口が開口する面に対し、弾性支持部は自身の弾性変形だけでは良好に密着することができず、吐出口周辺部に付着した塗布液を完全に拭き取ることは困難である。特に、吐出口の両端近傍に塗布液の拭き残しが発生し易い。このような拭き残しの塗布液は、被塗布部材の塗膜に塗布むらや筋などを生じさせる原因となる。
【0006】
また、公知の洗浄ヘッドでは、スリットダイの吐出口周辺部に対する弾性支持部の摺接性を安定化させる上で、その取り付けや調整に関しても何ら考慮されていない。
この発明は、上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、塗布器の吐出口周辺部に付着している塗布液を確実に除去でき、品質の高い塗膜の形成を行うことができる塗布装置および塗布方法、並びに、これらの装置および塗布方法を用いたカラーフィルタの製造装置および製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、この発明によって達成され、請求項1の塗布装置は、塗布液を供給する供給手段と、この供給手段から供給された塗布液を吐出するため、下方に突出したノズル部を備え、このノズル部の下面に前記ノズル部の長手方向に延びる吐出口を有する塗布器と、塗布器の吐出口から塗布液を吐出して被塗布部材に塗膜を形成するとき、塗布器および被塗布部材の少なくとも一方を相対的に往復移動させる移動手段と、上面がノズル部の横断面に合致するような形状を有し、吐出口の長手方向に沿って移動するとき塗布器の吐出口周辺部に摺接しながら、この吐出口周辺部に付着している塗布液を除去する清掃部材と、塗布器の吐出口に対する接離方向に、清掃部材を移動自在に支持する支持手段と、吐出口に向けて清掃部材を押圧付勢する付勢段と、清掃部材による清掃作業中、塗布器のノズル部形状にしたがって移動手段の往復動方向に清掃部材の動きを許容し、ノズル部に炊いて清掃部材を密着させる密着手段とを備え、清掃部材は、吐出口周辺部に対して線接触されるように、吐出口を横断する鉛直面に対して5〜45度の角度にて傾斜して取り付けられている
【0008】
請求項1の塗布装置によれば、清掃部材は付勢手段の押圧付勢力を受け、塗布器の吐出口周辺部に良好に密着した状態で摺接し、この摺接に伴い、吐出口周辺部に付着している塗布液は清掃部材により確実に除去される。
このような清掃作業中、清掃部材は塗布器の吐出口が形成されている面形状に追従、その吐出口に対して接離する方向に移動される
【0009】
また、請求項の塗布装置の清掃部材は、吐出口に対する接離方向のみならず、ノズル部の形状にしたがい接離方向と直交する塗布器の往復動方向への動きが許容されているから、この場合、清掃部材は塗布器の吐出口周辺部に摺接するとき、その吐出口周辺部にしっかりと密着する。
さらに、請求項の塗布装置は、清掃部材が吐出口周辺部に対して線接触して摺接し、この場合、清掃部材は吐出口周辺部に付着している塗布液を確実に掻き取って除去する。
【0010】
請求項のカラーフィルタの製造装置は、請求項1に記載の塗布装置を使用してカラーフィルタを製造し、この場合、製造されたカラーフィルタの品質が向上する。
請求項の塗布方法は、塗布器の下方に突出したノズル部の下面に開口しかつノズル部の長手方向に延びる吐出口から塗布液を吐出しながら、塗布器および被塗布部材の少なくとも一方を相対的に往復移動させて、塗布部材に塗膜を形成し、一方、塗布器の吐出口から塗布液が吐出されないとき、塗布器の吐出口周辺部に線接触させるべく吐出口を横断する延長面に対して5〜45度の角度にて傾斜させた状態で、上面がノズル部の横断面に合致する形状の清掃部材を吐出口周辺部に対して接離可能に弾性的に押し付けるとともに、吐出口に対する清掃部材の接線方向と直交したノズル部の横断方向に製造部材の動きを許容して清掃部材を支持し、清掃作業時、清掃部材を塗布器の吐出口周辺部に摺接させながら吐出口の長手方向に移動させて、その吐出口周辺部に付着している塗布液を除去する。
【0011】
請求項の塗布方法によれば、清掃部材が吐出口周辺部に安定して摺接し、この摺接に伴い、吐出口周辺部に付着している塗布液は清掃部材により確実に除去される。
また、請求項の塗布方法は、吐出口周辺部に清掃部材を弾性的に押し付けることで、清掃部材の摺接動作を安定化させており、この場合、清掃部材は、吐出口が形成された塗布器の面形状に追従しながら摺接する。
【0012】
さらに、請求項の塗布方法は、清掃部材が吐出口に対する接離方向およびその接離方向と直交する方向に変位可能であるから清掃作業時、清掃部材の摺接動作安定し、そして、清掃部材は塗布器の吐出口周辺部にしっかり密着する。
さらにまた、請求項の塗布方法は、その摺接時、清掃部材を塗布器の吐出口周辺部に線接触させているから、清掃部材はその吐出口周辺部に付着している塗布液を掻き取って確実に除去する。
【0013】
請求項のカラーフィルタの製造方法は、請求項に記載の塗布方法を用いてカラーフィルタを製造し、この場合、製造されたカラーフィルタの品質が向上する。
【0014】
【発明の実施の態様】
図1を参照すると、カラー液晶ディスプレイのためのカラーフィルタの製造に適用される塗布装置いわゆるダイコータが示されており、このダイコータは基台2を備えている。この基台2上には一対のガイド溝レール4が設けられており、これらガイド溝レール4にはステージ6が配置されている。このステージ6はその上面がサクション面として構成され、そして、一対のスライド脚8を介してガイド溝レール4上を水平方向に往復動自在となっている。
【0015】
一対のガイド溝レール4間には送り機構があり、ケーシング12は送り機構を内臓する形で配置され、ガイド溝レール4に沿って延びている。送り機構は、図2に示されているようにボールねじからなるフィードスクリュー14を有している。このフィードスクリュー14はステージ6の下部に固定されたナット状のコネクタ16にねじ込まれ、このコネクタ16を貫通して延びている。フィードスクリュー14の両端部は図示しない軸受に回転自在に支持されており、その一端にはACサーボモータ18が連結されている。なお、ケーシング12の側面にはコネクタ16の移動を許容する開口が形成されているが、図1中、その開口が省略されている。
【0016】
図1に示されているように、基台2の上面にはほぼ中央に逆字形のダイ支柱24が配置されている。ダイ支柱24の先端はステージ6の往復動経路の上方に位置付けられており、その先端には昇降機構26が取り付けられている。昇降機構26は昇降可能な昇降ブラケット(図示しない)を備えており、この昇降ブラケットは昇降機構26におけるケーシング28内の一対のガイドロッドに昇降自在に取り付けられている。また、ケーシング28内にはガイドロッド間にボールねじからなるフィードスクリュー(図示しない)もまた回転自在にして配置されており、昇降ブラケットは、そのフィードスクリューに対しナット型のコネクタを介して連結されている。フィードスクリューの上端にはACサーボモータ30が接続されており、このACサーボモータ30はケーシング28の上面に取り付けられている。
【0017】
昇降ブラケットには支持軸(図示しない)を介してダイホルダ32が取り付けられており、このダイホルダ32はコ字形をなしかつ一対のガイド溝レール4の上方をこれらレール4間に亘って水平に延びている。ダイホルダ32の支持軸は昇降ブラケット内にて回転自在に支持されており、これにより、ダイホルダ32は支持軸とともに垂直面内で回転可能となっている。
【0018】
昇降ブラケットには水平バー36が固定されており、この水平バー36はダイホルダ32の上方に位置し、ダイホルダ32に沿って延びている。水平バー36の両端部には、電磁作動型のリニアアクチュエータ38がそれぞれ取り付けられており、これらリニアアクチュエータ38は水平バー36の下面から突出する伸縮ロッドを有している。これらの伸縮ロッドは下端がダイホルダ32の両端にそれぞれ当接されている。
【0019】
ダイホルダ32内には塗布器としてのスリットダイ40が保持されており、図1から明らかなようにスリットダイ40はステージ6の往復動方向と直交する方向、つまり、ダイホルダ32の長手方向に水平に延び、そして、その両端にてダイホルダ32に支持されている。
図2に示されているようにスリットダイ40からは塗布液の供給ホース42が延びており、この供給ホース42の先端はシリンジポンプ44、つまり、その電磁切換え弁46の供給ポートに接続されている。電磁切換え弁46の吸引ポートからは吸引ホース48が延びており、この吸引ホース48の先端部は、塗布液を蓄えたタンク50内に挿入されている。
【0020】
シリンジポンプ44のポンプ本体52は、電磁切換え弁46の切換え作動により、供給ホース42および吸引ホース48の一方に選択的に接続可能となっている。そして、これら電磁切換え弁46およびポンプ本体52はコンピュータ54に電気的に接続されており、このコンピュータ54からの制御信号を受けて、それらの作動が制御されるようになっている。
【0021】
さらに、シリンジポンプ44の作動を制御するため、コンピュータ54にはシーケンサ56もまた電気的に接続されている。このシーケンサ56は、ステージ6側のフィードスクリュー14のためのACサーボモータ18や、昇降機構26側のACサーボモータ30、また、リニアアクチュエータ38の作動をシーケンス制御するものであり、そのシーケンス制御のために、シーケンサ56にはACサーボモータ18,30の作動状態を示す信号、ステージ6の移動位置を検出する位置センサ58からの信号、そして、スリットダイ40の作動状態を検出するセンサ(図示しない)からの信号などが入力されるようになており、一方、シーケンサ56からはシーケンス動作を示す信号がコンピュータ54に出力されるようになっている。なお、位置センサ58を使用する代わりに、ACサーボモータ18にエンコーダを組み込み、このエンコーダから出力されるパルス信号に基づき、シーケンサ56にてステージ6の移動位置を検出することも可能である。また、シーケンサ56自体にコンピュータ54による制御を組み込むことも可能である。
【0022】
図2に概略的に示されているようにスリットダイ40はステージ6の往復動方向と直交する方向、すなわち幅方向に長尺なブロックであるフロントリップ59およびリアリップ60を有している。これらリップ59,60はステージ6の往復動方向に向かい合わされ、図示しない複数の連結ボルトにより相互に一体的に結合されている。両リップ59,60の結合により、スリットダイ40の下部は先細形状をなしたノズル部として形成されている。
【0023】
スリットダイ40内にはその中央部分に位置してマニホールド62が形成されており、このマニホールド62はスリットダイ40の幅方向水平に延びている。マニホールド62は前述した塗布液の供給ホース42に内部通路(図示しない)を介して常時接続されており、これにより、マニホールド62は塗布液の供給を受けることができる。
【0024】
スリットダイ40の内部にはその上端がマニホールド62に連通したスリット64が形成されており、このスリット64の下端がスリットダイ40の下面にて開口している。すなわち、スリット64の下端開口がスリットダイ40の吐出口として形成されている。具体的には、スリット64はフロントリップ59とリアリップ60との間に挟み込んだシムによって確保されている。
【0025】
再度、図1を参照すると、基台2の上面にはダイ支柱24よりも手前側にセンサ柱20が配置されている。このセンサ支柱20もまた前述したダイ支柱24と同様に逆L字形をなし、その先端がステージ6の往復動経路の上方に位置付けられている。
センサ支柱20の先端には昇降アクチュエータ21を介して厚みセンサ22が取り付けられている。この厚みセンサ22は、ステージ6上にカラーフィルタの基板、つまり、ガラス基板Aが載置されたとき、昇降アクチュエータ21により所定の位置まで降下され、この降下位置にて、ステージ6上のガラス基板Aの厚さを光学的に検出し、その厚さに対応した検出信号をコンピュータ54に出力する。具体的には、厚みセンサ22は、測定対象であるガラス基板Aに向けて測定光を出射する光源と、ガラス基板Aの上面および下面からの反射光をそれぞれ受光する受光部と、受光部への反射光の入射位置の差に基づき、ガラス基板Aの厚みを演算する演算回路部とから構成されている。なお、昇降アクチュエータ21の作動はコンピュータ54によって制御されるようになっており、また、厚みセンサ22としては上述のタイプに限らず、レーザ変位計、電子マイクロ変位計、超音波厚さ計などを使用することができる。
【0026】
センサ支柱20とダイ支柱24との間には、塗布液のための回収・清掃機構70が設けられている。この回収・清掃機構70はサブ基台72を備えており、このサブ基台72は前述した基台2の外側面から側方に延びている。サブ基台72上にはキャリアガイド74が配置されており、このキャリアガイド74はスリットダイ40の長手方向、つまり、ステージ6の往復動方向と直交する方向に延びている。キャリアガイド74上には矩形のキャリア76が摺動自在にして取り付けられており、このキャリア76にはボールねじからなるフィードスクリュー78が貫通されている。フィードスクリュー78はキャリア76の摺動方向、すなわち、キャリアガイド74に沿って延びており、その両端部は一対の軸受80に回転自在に支持されている。これら軸受80はキャリアガイド74上に立設されている。さらに、基台2から遠く離れた側のフィードスクリュー78の一端は軸受80から突出し、電動モータ82の出力軸に連結されている。この電動モータ82はモータ取付け板84を介してサブ基台72に支持されている。
【0027】
キャリア76の四隅からは4本のガイドロッド86が上方に向けて突出されており、これらガイドロッド86には昇降ブラケット88が昇降自在にして取り付けられている。この昇降ブラケット88とキャリア76とは、図3から明らかなようにキャリア76の中央に位置したエアシリンダ90を介して相互に連結されており、このエアシリンダ90は昇降ブラケット88を支持するとともに、昇降ブラケット88のレベル位置を調整する。
【0028】
図3には前述したスリットダイ40もまた示されており、この実施例の場合、スリットダイ40のノズル部40aはスリットダイ40の両端部よりも下方に向けてさらに突出しており、ノズル部40aの下面にスリット64の下端、すなわち、吐出口が開口されている。ノズル部40aの下面は水平な平坦面であり、ノズル部40aの両端は傾斜面を経てスリットダイ40の両端部下面に連なっている。なお、吐出口の開口長さはノズル部40aの両端間にて決定されている。
【0029】
昇降ブラケット88には、上面が開口したガター92が受け部材として取り付けられており、このガター92は電動モータ82側とは反対側を水平にして延びている。より詳しくは、ガター92はその軸線とスリットダイ40の軸線とが同一の垂直面内に含まれるようにして配置されている。さらに、図4から明らかなようにガター92はスリットダイ40よりも十分に大きく、このスリット40を下方から覆うことができる。
【0030】
ガター92内にはその先端部に位置して板状の一対の清掃部材94が配置されており、これら清掃部材94は後述する支持ユニット96を介してガター92に取り付けられている。これら清掃部材94はガター92の長手方向に所定の間隔を存して位置付けられており、これら清掃部材94の上面は図5から明らかなようにスリットダ40のノズル部40aと合致する形状を有し、これにより、そのノズル部40aに密着することができる。スリットダイ40のノズル部40aは図5でみて、その両側面が水平面に対してθ(たとえば45°)の角度を存しており、吐出口が開口する下端の厚みTはたとえば5mmとなっている。なお、図4および図5には、スリットダイ40の前述したシムが参照符号41で示されている。
【0031】
清掃部材94の表面は高分子樹脂からなり、その高分子樹脂としてはテフロン樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、フッ素樹脂、ポリブタジエン樹脂、ニトリルゴム、シリコーンゴム、エチレン・酢酸ビニル共重合体などの一種または二種以上を混合したものを用いることができる。また、これらの中でも、スリットダイ40のノズル部40aに対して密着性や、塗布液中に含まれる溶剤(N−メチル−2−ピロリドンなど)に対する耐性、さらには耐久性に優れたものが好ましく、これらの点を考慮すると、シリコーンゴムが最も好ましいものとなる。なお、清掃部材94の表面以外の部分はその表面と同様な高分子樹脂であってもよいし、また、全く異なる材質であってもよい。さらにまた、スリットダイ40におけるノズル部40aの密着性を十分に確保するため、清掃部材94はその厚さが2mm以上に設定され、所定の堅さが確保されている。
【0032】
また、清掃部材94の表面に発生する静電気を除去し、埃の付着を防止するために、その表面に使用される高分子樹脂中に導電性粉末を混入するようにしてもよい。導電性粉末としては、導電性カーボン、白金、金、ニッケル、銀、銅、コバルト、錫、アルミニウムおよびパラジウムなどの一種または二種以上の混合物が好ましく、これらの導電性粉末は高分子樹脂に対して40重量%〜100重量%程度混合される。
【0033】
ガター92の内底面にはその中央部分の2ヶ所に排出口98(図4参照)が形成されており、これら排出口98はニップル100を介して排出ホース102に接続されている。この排出ホース102はガター92の外底面に沿ってキャリア76まで延び、そして、このキャリア76およびキャリアガイド74を貫通して、サブ基台72内まで延びている。なお、図示されていないけれども、キャリアガイド74には排出ホース102をサブ基台72内に導くための開口が形成されており、この開口はフィードスクリュー78に沿って延びている。
【0034】
サブ基台72内において、排出ホース102はキャリア76の移動を許容するのに十分な長さを有しており、その先端は廃液タンク104の蓋を貫通して、この廃液タンク104内に挿入されている。廃液タンク104の蓋には吸引ホース106が貫通して取り付けられており、この吸引ホース106は真空ポンプ108に接続されている。
【0035】
上述した回収・清掃機構70の電動モータ82、エアシリンダ90を伸縮作動させる方向切換え弁および真空ポンプ108は前述したシーケンサ56に電気的に接続され、このシーケンサ56は回収・清掃機構70の作動をも制御する。
そして、前述した清掃部材94のための支持ユニット96はその詳細が図6に示されている。支持ユニット96は、ガター92の内底面上に固定された台座110を備えており、この台座110はガター92の幅方向に延びている。台座110の直上にはフォロアプレート112が配置されており、このフォロアプレート112もまた台座110に沿い、その両端部を越えてガター92の幅方向に延びている(図参照)。フォロアプレート112の下面からは一対のガイドロッド114が突出されており、これらガイドロッド114の下端部は台座110内に摺動自在に嵌合されている。つまり、台座110の両端部には一対のガイド孔が形成されており、これらガイド孔にガイドロッド114の下端部が摺動自在に挿入されている。
【0036】
さらに、台座110の上面にはその中央部に位置してばね装着穴116が形成されており、このばね装着穴116には圧縮コイルばね118が収容されている。この圧縮コイルばね118はばね装着穴116の底とフォロアプレート112の下面に掛け渡され、フォロアプレート112を上方に向けて押圧付勢している。これにより、台座110とフォロアプレート112との間には所定の間隔が確保されている。
【0037】
フォロアプレート112の両側面には一対の取り付けプレート120を介して前述した清掃部材94がそれぞれ取り付けられている。これら取り付けプレート120の外側面にはその上部に凹所122が形成されており、これら凹所122に清掃部材94の下端部がそれぞれはめ込まれている。各清掃部材94はその下端部が一対の取り付けねじ124を介してフォロアプレート112に固定されている。
さらに、図6に示すように各取り付けプレート120の下端部には一対の調整孔126が形成されており、これら調整孔126はガター92の幅方向に所定の間隔を存して離間している。各調整孔126には締め付けプレート128を介して調整ねじ130がそれぞれ挿通されており、これら調整ねじ130はその先端がフォロアプレート112にねじ込まれている。それ故、各調整ねじ130のねじ込みにより、各取り付けプレート120は締め付けプレート128を介してフォロアプレート112に固定されている。
ここで、図6から明らかなように、調整孔126はその調整ねじ130よりも大径であり、調整ねじ130と調整孔126の内周面との間には環状をなした所定の間隔が確保されている。それ故、フォロアプレート112に対し、各取り付けプレート120、すなわち、各清掃部材94は上下方向およびガター92の幅方向に関し、その取り付け位置をそれぞれ調整可能となっている。この調整によって、清掃部材94が上昇してノズル部下面に接触する時に、清掃部材94の上面をノズル部40aに密着するようにすることができるので、完全に塗布液を除去することができる。 なお、調整孔は長孔であってもよい。
なお、図示されていないけれども、ダイコータの基台2の近傍には、基台2の一端部側および他端部側にそれぞれ位置して、ガラス基板Aのためのローダおよびアンローダが配置されている。これらローダおよびアンローダはたとえば円筒座標系産業用ロボットから構成することができる。
【0038】
次に、カラーフィルタの製造に係わる一工程、つまり、上述したダイコータを使用してガラス基板Aに塗膜を形成する塗布方法を説明する。
まず、塗膜の形成に先立ち、ダイコータにおける各作動部の原点復帰が行われ、ステージ6は図1に示されているように基台2の一端部に位置付けられ、また、スリットダイ40は上昇位置に位置付けられている。そして、この状態で、スリットダイ40に向けて塗布液が供給され、タンク50から吸引ホース48および供給ホース42を経てスリットダイ40のマニホールド62およびスリット64に至る経路内に塗布液が満たされる。
【0039】
この点に関して詳述すると、図7に示す如く基台2に対して側方の待機位置に位置付けられていたガター92が図8に示されるようにスリットダイ40の下方の回収位置まで移動される(図3の状態)。すなわち、この際には、回収・清掃機構70の電動モータ82によりフィードスクリュー78が一方向に回転され、ガター92はキャリア76とともに待機位置から回収位置まで移動される。この回収位置では、ガター92の清掃部材94はスリットダイ40の一方の端部の下方に位置付けられている。なお、図7以降の図面には1個の清掃部材94のみが代表して示されている。
【0040】
この状態で、シリンジポンプ44の電磁切換え弁46がポンプ本体52と吸引ホース48との間を接続すべく切換え作動され、ポンプ本体52はその内部にタンク50内の塗布液を吸引ホース48を通じて吸引する。この後、シリンジポンプ44の電磁切換え弁46はポンプ本体52と供給ホース42との間を接続すべく切換え作動され、ポンプ本体52はその内部の塗布液を供給ホース42を通じてスリットダイ40に向けて吐出する。
【0041】
上述したポンプ本体52における塗布液の吸引動作および吐出動作が繰り返されることにより、タンク50からスリットダイ40のスリット64に至る経路内に塗布液が供給され、その経路内は塗布液で満たされていく。このような塗布液の供給過程において、スリットダイ40の吐出口からは塗布液が吐出され、この塗布液はガター92に受け取られる。この結果、タンク50からスリットダイ40のスリット64に至る経路内の空気は全て排出され、その経路内は塗布液で完全に満たされる。この時点で、ポンプ本体52の吸引動作および吐出動作が停止される。ここで、ガター92内の一対の清掃部材94は、スリットダイ40のノズル部40a、すなわち、その吐出口よりも外側に位置しており、ノズル部40aから吐出された塗布液が一対の清掃部材94に掛かることはない。
【0042】
スリットダイ40の吐出口から吐出された塗布液はガター92に受け取られ、そして、このガター92から排出ホース102を通じて廃液タンク104に排出される。ここで、廃液タンク104内は真空ポンプ108および吸引ホース106により排気されているので、ガター92内の塗布液は廃液タンク104に良好に導かれる。
【0043】
上述したようにしてスリットダイ40内が塗布液で満たされると、塗布準備作動として、シリンジポンプ44の電磁切換え弁46はポンプ本体52と吸引ホース48とを接続すべく切換え作動され、ポンプ本体52はタンク50内の塗布液を吸引ホース48を通じて、その内部に所定量の塗布液を吸引し、そして、シリンジポンプ44はその電磁切換え弁46がポンプ本体52と供給ホース42とを接続すべく切換え作動された状態で待機する。
【0044】
この後、回収・清掃機構70において、そのエアシリンダ90が伸張されることにより、図9に示されているようにガター92がスリットダイ40に向けて上昇され、一対の清掃部材94がスリットダイ40の端部に当接される。
ここで、支持ユニット96の各取り付けプレート120が調整孔126および調整ねじ130により上下方向に既にレベル調整されている結果、一対の清掃部材94は支持ユニット96の圧縮コイルばね118を若干収縮させた状態で、スリットダイ40の一端部に押し付けられることになる。
【0045】
この後、ガター92が待機位置に向けて戻されていくと、一対の清掃部材94はスリットダイ40の一端端部から前述した一方の傾斜面を経てノズル部40aに達する。この過程で、一対の清掃部材94はスリットダイ40の傾斜面により下方に向けて押圧され、この傾斜面に追従して下降し、この際、支持ユニット96の圧縮コイルばね118はさらに収縮される。清掃部材94がスリットダイ40のノズル部40aに到達すると、その清掃部材94はノズル部40aにはめ合わされて完全に密着し、そして、圧縮コイルばね118の付勢力によりノズル部40aに所定の力で下方から押し付けられることで、その密着が安定化される。
【0046】
ここで、前述した支持ユニット96の各取り付けプレート120は調整孔126および調整ねじ130によりスリットダイ40の厚み方向(ステージ6の往復動方向)にも既に位置決め調整されており、それ故、この調整によっても、ノズル部40aに対する清掃部材94の密着をさらに安定させることができ、掻き取り能力が向上する。
【0047】
この後、ガター92がその待機位置に向けてさらに移動されると、図10に示されているように一対の清掃部材94がスリットダイ40のノズル部40a、すなわち、スリットダイ40の吐出口を含む吐出口周辺部に密着した状態で、このノズル部40aに対して摺接し、これら清掃部材94はスリットダイ40のノズル部40aの外面に付着している塗布液を掻き取りながら除去する。
【0048】
清掃部材94がスリットダイ40のノズル部40aから他方の傾斜面に達すると、前述の場合とは逆に、その傾斜面に追従しながら清掃部材94は上昇し、そして、スリットダイ40の他方の端部を経てスリットダイ40の側方に完全に抜け出すことになる。
上述したように一対の清掃部材94はスリットダイ40の下部形状に拘わらず、そのノズル部40aに対して摺接するときにはノズル部40aに完全に密着した状態にあるから、ノズル部40aと傾斜面との間の境目も含め、ノズル部40aの全域に亘ってその外面に付着している塗布液を完全に除去することができる。
【0049】
スリットダイ40のノズル部40aから除去された塗布液は、清掃部材94および支持ユニット96の外面を伝ってガター92に受け取られる。
図11に示されているようにガター92が待機位置の上方まで戻されると、この後、前述のエアシリンダ90が収縮され、ガター92は図7の待機位置に戻される。
【0050】
一方、ステージ6上には図示しないローダを介してガラス基板Aが位置決めされた状態で載置され、このガラス基板Aはステージ6の上面にサクションにより吸着保持される。
ガラス基板Aのローディング完了すると、厚みセンサ22が下降し、この厚みセンサ22によりステージ6上のガラス基板Aの厚さが光学的に検出され、その検出信号がコンピュータ54に供給される。厚みの測定が完了すると、厚みセンサ22は元の位置まで上昇される。
【0051】
この後、ステージ6がスリットダイ40に向けて往動され、そのガラス基板A上への塗膜の形成開始ラインがスリットダイ40の吐出口位置に達した時点で、ステージ6の往動が一旦停止される。
そして、スリットダイ40は、既に測定されているガラス基板Aの厚みを考慮して下降され、スリットダイ40の吐出口とガラス基板Aとの間に所定のクリアランスが確保される。ここで、ガター92は待機位置に戻されているから、ガター92がスリットダイ40の下降を阻害することはない。
【0052】
クリアランスが設定されると、シリンジポンプ44、すなわち、そのポンプ本体52は塗布液の吐出動作を開始し、その内部の塗布液をスリットダイ40に向けて吐出する。したがって、スリットダイ40の吐出口からガラス基板A上の形成開始ラインに沿って塗布液が一様に吐出され、この結果、スリットダイ40とガラス基板Aとの間にはメニスカスと称される液溜まりC(図2参照)が形成される。
【0053】
このような液溜まりCの形成と同時に、スリットダイ40、つまり、その吐出口からの塗布液の吐出を継続しながら、ステージ6を一定の速度で往動方向に進行させると、図2に示されているようにガイド基板Aの上面に塗布液の塗膜Dが連続して形成される。
ステージ6の進行に伴い、ガラス基板A上にて塗膜Dの形成を終了すべき形成終了ラインがスリットダイ40の吐出口の直前位置に到達すると、この時点で、シリンジポンプ44の吐出動作が停止される。このようにしてスリットダイ40からの塗布液の吐出が停止されても、ガラス基板A上においてはその液溜まりCの塗布液を消費(スキージ)しながら、塗膜Dの形成が形成終了ラインまで継続される。なお、ガラス基板A上の形成終了ラインがスリットダイ40の吐出口を通過した時点で、シリンジポンプ44の吐出動作を停止するようにしてもよい。
【0054】
シリンジポンプ44の吐出動作が停止されると、このシリンジポンプ44はわずかに吸引動作を行い、スリットダイ40におけるスリット64内の塗布液をマニホールド62側に吸い戻す。このようなシリンジポンプ44の吸い戻し動作と同時に、スリットダイ40は元の位置まで上昇される。
一方、ステージ6の往動はスリットダイ40からの塗布液の吐出が停止されても継続され、ステージ6がガイド溝レール4の終端に到達した時点で、その往動が停止される。この後、ステージ6上へのガラス基板Aのサクションが解除され、塗膜Dが形成されたガラス基板Aはアンローダによりステージ6から取り外され、そして、次工程に向けて供給される。
【0055】
ステージ6がスリットダイ40を通過した後、ガター92は再び図7の待機位置から図8の回収位置に移動される。この状態で、シリンジポンプ44は吸い戻した量だけ、塗布液を吐出し、スリットダイ40のスリット64内に空気が残るのを防止する。この際、スリットダイ40の吐出口から塗布液が吐出されても、その塗布液はガター92に受け取られる。
【0056】
この後、ガター92は図8〜図11の状態を経て、その待機位置に戻され、この際、ガター92の一対の清掃部材94は前述しようにスリットダイ40のノズル部40aに付着している塗布液を掻き取って除去する。
ガター92が待機位置に戻されると、ステージ6は図1に示す初期位置まで戻され、これにより、一連の塗布工程が完了する。なお、初期位置にて、ステージ6は新たなガラス基板Aがローディングされるまで待機し、そして、シリンジポンプ44は前述した塗布準備動作を行って待機する。
【0057】
なお、ガラス基板A上に形成された塗膜Dが黒の塗膜である場合には、この後、ガラス基板Aの塗膜D上に公知の如くポジ型フォトレジストの塗布、マスク露光、現像、エッチングによるレリーフパターンの形成、レリーフパターンをマスクとした塗膜のエッチング、レリーフパターンの除去などの各工程を赤、青、緑の塗膜に対して繰り返して行うことにより、カラーフィルタが製造される。
【0058】
上述したダイコータにあっては、ガター92が回収位置から待機位置に戻される過程にて、スリットダイ40のノズル部40aに付着している塗布液は一対の清掃部材94により掻き取って除去されるので、塗膜が形成される際、スリットダイ40のノズル部40aは必ずクリーニングされた状態にある。それ故、ガラス基板Aへの塗膜の形成前の段階で、スリットダイ40のノズル部40aから塗布液が垂れ落ち、その周囲を汚すこともない。また、塗膜の形成開始時にあっては、スリットダイ40の吐出口とガラス基板Aとの間に前述した液溜まりCを安定して形成できるので、形成された塗膜Dの厚さのむらが生じたり、または、その塗膜Dに筋が発生したりすることもなく、均一な膜厚の塗膜Dを形成でき、カラーフィルタの品質が向上する。
【0059】
さらに、前述したようにスリットダイ40のノズル部40aに摺接するとき、一対の清掃部材94はそのノズル部40aに向けて押し付けられた状態にあるので、スリットダイ40の下部形状に拘わらず、そのノズル部40aに良好に密着することができ、この結果、ノズル部40aの両端に付着している塗布液をも含め、ノズル部4aの外面全域から塗布液を確実に除去することができる。それ故、ノズル部40aにおける両端部での塗布液の残留に起因し、塗膜Dにおける両側縁の厚みがその中央に比べて増大してしまうこともない。
【0060】
一対の清掃部材94のための取り付けプレート120は調整孔126および調整ねじ130を介してフォロアプレート112に取り付けられているので、その取り付けプレート120、つまり、清掃部材94の取り付け位置をスリットダイ40のノズル部40aに対して簡単に調整することができる。それ故、一対の清掃部材94の組み付けが容易に行えるばかりでなく、スリットダイ40のノズル部40aに対する清掃部材94の良好な密着を確実に確保できる。
【0061】
調整ねじ130がルーズフィットされていれば、取り付けプレート120は調整孔126の遊びの分だけ移動することができる。この場合、清掃作業中、清掃部材94はステージ6の往復動方向にもノズル部40aの形状にしたがって動くことができ、より密着性がよくなって清掃能力を向上させることができる。
また、清掃部材94は取り付けプレート120の凹所122にはめ込み式にして固定されているので、清掃部材94の交換をも簡単に行うことができ、この交換時、フォロアプレート112に対し、取り付けプレート120の取り付け位置を再調整する必要もない。
【0062】
この発明は、上述した一実施例に制約されるものではなく、種々の変形が可能である。たとえば、図12に示されているようにスリットダイ40はその下面が全域に亘って平坦であってもよく、また、清掃部材94は鉛直面に対して5〜45°の角度を存して傾斜されていてもよいし、さらには、図13に示されているように清掃部材94の傾斜が逆向きであってもよい。このように清掃部材94が傾斜して取り付けられていると、一実施例での面接触ではなく、清掃部材94はスリットダイ40のノズル部40aに線接触することになる。つまり、清掃部材94はそのエッジがスリットダイ40のノズル部40aに摺接することから、そのノズル部40aに付着している塗布液をより確実に掻き取って除去することができる。また、この場合、ノズル部40aに対する清掃部材94の押し付け力が小さくて済むので、清掃部材94の摩耗が少なくなり、その交換頻度を低減できる。また、図12,13に示されているように、この場合にも、清掃部材94はばねを用いて上下方向に移動可能であってもよいし、また、上下方向でみて、清掃部材94は固定されていてもよい。
【0063】
一実施例では清掃部材94を2個備えるようにしたが、図12および図13から明らかなように清掃部材94は1個であってもよいし、また、3個以上であってもよい。なお、実施例ではステージ6を移動させたが、スリットダイ40をステージ6に対して移動させてもよいし、両者を同時に移動させてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1,の塗布装置および塗布方法によれば、塗布器における吐出口周辺部に清掃部材を摺接させる際、その摺接動作の安定が図られているので、その吐出口周辺部に付着している塗布液を清掃部材により確実に除去でき、この結果、被塗布部材上に均一な膜厚の塗膜を安定して形成することができる。
【0065】
また、塗布装置および塗布方法によれば、摺接時、清掃部材は塗布器の吐出口周辺部に対して押圧付勢されているから、塗布器の形状に拘わらず、その吐出口周辺部に良好に密着でき、塗布液の除去を確実に行える。
さらに、塗布装置および塗布方法によれば、塗布器の往復動方向への清掃部材の動きが許容されているから、吐出口周辺部に対する清掃部材の密着性が良くなる
【0066】
さらにまた、塗布装置および塗布方法によれば、摺接時、吐出口周辺部に対して清掃部材が線接触されるから、面接触に比べて、塗布液を良好に除去できる。
請求項2、4のカラーフィルタの製造装置および製造方法によれば、塗膜の形成の度に、吐出口周辺部が清掃されるので、塗膜の形成が安定し、品質の高いカラーフィルタの製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のダイコータを概略的に示した斜視図である。
【図2】図1のダイコータを塗布液の供給系をも含めて示した概略構成図である。
【図3】図1のダイコータの回収・清掃機構を示した正面図である。
【図4】図4のガターの一部を示した斜視図である。
【図5】図4のガターを示した横断面図である。
【図6】清掃部材の支持ユニットを示した断面図である。
【図7】スリットダイに対し、待機位置にあるガターを示した図である。
【図8】図7の状態からガターが回収位置に移動した状態を示す図である。
【図9】図8の状態からガターが上昇した状態を示す図である。
【図10】図9の状態からガターが待機位置に向けて戻る状態を示した図である。
【図11】図10の状態からガターが待機位置の上方に達した状態を示す図である。
【図12】変形例の清掃部材の支持構造を示した図である。
【図13】さらに別の変形例に係る清掃部材の支持構造を示した図である。
【符号の説明】
6 ステージ
14 フィードスクリュー
22 厚みセンサ
40 スリットダイ(塗布器)
44 シリンジポンプ
50 タンク
62 マニホールド
64 スリット
70 回収・清掃機構
76 キャリア
78 フィードスクリュー
82 電動モータ
88 昇降ブラケット
90 エアシリンダ
92 ガター
94 清掃部材
96 支持ユニット
98 排出口
102 排出ホース
104 廃液タンク
106 吸引ホース
108 真空ポンプ
110 台座
112 フォロアプレート
114 ガイドロッド
118 圧縮コイルばね
120 取り付けプレート
122 凹所
124 取り付けねじ
126 調整孔
130 調整ねじ

Claims (4)

  1. 塗布液を供給する供給手段と、
    前記供給手段から供給された塗布液を吐出するため、下方に突出したノズル部を備え、このノズル部の下面に前記ノズル部の長手方向に延びる吐出口を有する塗布器と、
    前記塗布器の前記吐出口から塗布液を吐出して被塗布部材に塗膜を形成するとき、前記塗布器および前記被塗布部材の少なくとも一方を相対的に往復移動させる移動手段とを備えた塗布装置において、
    上面が前記ノズル部の横断面に合致するような形状を有し、前記吐出口の長手方向に沿って移動するとき前記塗布器の吐出口周辺部に摺接しながら、この吐出口周辺部に付着している塗布液を除去する清掃部材と、
    前記塗布器の前記吐出口に対する接離方向に、前記清掃部材を移動自在に支持する支持手段と、
    前記吐出口に向けて前記清掃部材を押圧付勢する付勢手段と、
    前記清掃部材による清掃作業中、前記塗布器のノズル部形状にしたがって前記移動手段の往復動方向に前記清掃部材の動きを許容し、前記ノズル部に対して前記清掃部材を密着させる密着手段とを備え
    前記清掃部材は、前記吐出口周辺部に対して線接触されるように、前記吐出口を横断する鉛直面に対して5〜45度の角度にて傾斜して取り付けられていることを特徴とする塗布装置。
  2. 請求項に記載の塗布装置を使用してカラーフィルタを製造することを特徴とするカラーフィルタの製造装置。
  3. 塗布器の下方に突出したノズル部の下面に開口しかつ前記ノズル部の長手方向に延びる吐出口から塗布液を吐出しながら、前記塗布器および被塗布部材の少なくとも一方を相対的に往復移動させて前記被塗布部材に塗膜を形成する塗布方法において、
    前記塗布器の前記吐出口から塗布液が吐出されないとき、前記塗布器の吐出口周辺部に線接触させるべく前記吐出口を横断する鉛直面に対して5〜45度の角度にて傾斜させた状態で、上面が前記ノズル部の横断面に合致する形状の清掃部材を前記吐出口周辺部に対して接離可能に弾性的に押し付けるとともに、前記吐出口に対する前記清掃部材の接離方向と直交したノズル部の横断方向に前記清掃部材の動きを許容して前記清掃部材を支持し、清掃作業時、前記清掃部材を前記塗布器の吐出口周辺部に摺接させながら前記吐出口の長手方向に移動させて、前記吐出口周辺部に付着している塗布液を除去することを特徴とする塗布方法。
  4. 請求項に記載の塗布方法を用いてカラーフィルタを製造することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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