JP4163791B2 - 塗布装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は塗布装置に係り、特に大型ガラス基板等の枚葉タイプの被塗布基板に塗布液を均一、かつ、効率良く塗布するための塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、LCD用カラーフィルタ等の大型ガラス基板に塗布液を塗布する方式としては、スピン塗布方式が多く用いられている。
【0003】
このスピン塗布方式には大気開放型および密閉カップ型があるが、何れの方式も、その塗布効率が10パーセント程度と低く、しかも被塗布基板の回転中心部分と周辺部分の塗布膜厚が厚くなりすぎるという欠点がある。このため、例えば、塗布膜厚が数μm±3%の範囲であることが要求される場合、スピン塗布方式により形成した塗布膜をそのまま使用することが困難であり、被塗布基板の回転中心部分と周辺部分との中間領域の塗布膜厚が比較的均一な部分を使用する必要がある。したがって、スピン塗布方式は、塗布液の使用量、被塗布基板の有効利用等の点で問題がある。
【0004】
上述のようなスピン塗布方式の欠点を解決するための方式としては、ナイフ塗布方式、ロール塗布方式またはダイ塗布方式がある。
【0005】
これらの方式は、何れも、被塗布基板上に塗布用クリアランスを設け、その設定値によって塗布膜厚を決定して塗布面の平滑性を得る方式であるが、この方式では、被塗布基板表面の平滑度(凹凸度)が塗布精度以上に低い(凹凸度が大きい)ものに対しては、均一な膜厚を得ることが困難である。
【0006】
また、被塗布基板表面の凹凸に影響され難い塗布液の塗布方法としては、一般にディップ塗布方式が知られているが、この方式では、被塗布基板の非塗布部を被覆することが不可欠であり、作業が煩雑なものとなる。
【0007】
そこで、上記のような各塗布方式における欠点を解消して、枚葉基板に塗布液の物性に影響を受けることなく安定した状態で均一な塗布膜を形成することのできるビード塗布方式の塗布装置が提案されている(特願平6−524109号)。
【0008】
この塗布装置では、上向きに開口する直線状のスリットを有する塗布ヘッドを備え、基板ホルダに吸着された被塗布基板が、その先端部が塗布ヘッドのスリットの直上に所定のクリアランスを介して対向するように位置される。そして、塗布ヘッドに塗布液が供給されると、塗布液がスリットから吐出されてビードを形成し、被塗布基板の先端部下面に付着する。この状態から基板ホルダが一定速度で斜め上方にスライドされ、ビードから塗布液が被塗布基板の下面に順次付着され、塗布液の層が形成される。このとき、塗布ヘッドには連続して塗布液の供給が行われ、ビードにおける塗布液の量が一定に保たれている。このように被塗布基板が斜め上方に上昇してその後端部が塗布ヘッドのスリット上に到達すると、基板ホルダのスライドが停止され、ビードを形成する塗布液が塗布ヘッド内に吸引されてビードが消滅される。これによって、塗布ヘッドと被塗布基板上の塗布液の層が分離される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のようなビード塗布方式の塗布装置では、塗布ヘッドへの塗布液の供給を塗布時のみ行う場合、何らかの理由により被塗布基板への塗布の時間的間隔が長くなると、塗布ヘッド先端における塗布液の乾燥が生じて粘度が高くなり、次の塗布において、塗布ヘッド先端に溜っていた粘度の高い塗布液からなる塗布膜と、新たに供給された塗布液からなる塗布膜との境界に塗布ムラやグラディエーションが発生するという問題があった。また、塗布ヘッド先端における塗布液の乾燥・固化により汚れが発生した場合、次の塗布において、塗布方向にスジムラが生じるという問題もあった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、特に大型ガラス基板等の枚葉タイプの被塗布基板に対して均一な塗布膜を形成することができる塗布装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の塗布装置は、水平方向に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドと、スリットが被塗布基板に対向するように前記塗布ヘッドと被塗布基板とを相対的に移動させる移動手段と、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液供給手段と、塗布ヘッド洗浄機構とを備え、該塗布ヘッド洗浄機構は塗布ヘッドの少なくともスリットを覆うカバー部材と、該カバー部材内に洗浄液を噴射する洗浄液供給管と、カバー部材内の液体を吸引排出する吸引管とを有し、前記カバー部材は係合用開口部を下方に開口するように備えるとともに、該係合用開口部の周縁には、カバー部材で塗布ヘッド先端部を覆ったときに気密、液密状態を確保するためのパッキン部材が配設されているような構成とした。
【0012】
また、本発明の塗布装置は、水平方向に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドと、スリットが被塗布基板に対向するように前記塗布ヘッドと被塗布基板とを相対的に移動させる移動手段と、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液供給手段と、塗布ヘッド洗浄機構とを備え、該塗布ヘッド洗浄機構は塗布ヘッドのスリットに洗浄液を噴射する噴射ノズルと塗布ヘッドのスリット上の液体を吸引除去する吸引ノズルとを各々少なくとも1個備えるとともに、噴射ノズルおよび吸引ノズルをスリットに沿って移動させながら洗浄する駆動部とを有し、洗浄時の移動方向の先頭には噴射ノズルが配置され、最後尾には吸引ノズルが配置されているような構成とした。
【0013】
さらに、本発明の塗布装置は、水平方向に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドと、スリットが被塗布基板に対向するように前記塗布ヘッドと被塗布基板とを相対的に移動させる移動手段と、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液供給手段と、塗布ヘッド洗浄機構とを備え、該塗布ヘッド洗浄機構は塗布ヘッドのスリットに洗浄液を噴射する噴射ノズルとかき取り部材とを各々少なくとも1個備え、かつ、該かき取り部材を塗布ヘッド先端部に接触させながら噴射ノズルとともにスリットに沿って移動させながら洗浄する駆動部とを有し、洗浄時の移動方向の先頭には噴射ノズルが配置され、最後尾にはかき取り部材が配置されているような構成とした。
【0014】
被塗布基板への塗布操作の間に塗布ヘッドの洗浄を行う場合、上記の第1の発明では、塗布ヘッド洗浄機構のカバー部材により塗布ヘッドのスリット全体を覆い、洗浄液供給管からカバー部材内に洗浄液が供給され塗布ヘッドの先端部が洗浄されるとともにカバー部材内の塗布液と洗浄液を吸引管が吸引排出し、第2の発明では、噴射ノズルからスリットに洗浄液を噴射し、吸引ノズルにより塗布ヘッド先端部の塗布液と洗浄液を吸引除去しながら、噴射ノズルと吸引ノズルがスリットに沿って移動し塗布ヘッドの先端部全域が洗浄され、第3の発明では、噴射ノズルからスリットに洗浄液を噴射しながら、噴射ノズルとかき取り部材がスリットに沿って移動し塗布ヘッドの先端部全域が洗浄される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の最も好ましいと思われる実施の形態について説明を行う。
【0016】
図1は本発明の塗布装置の実施形態の一例を示す側面図である。図1において、塗布装置1は、装置本体11の支持フレーム11Aに、塗布時のスライド方向の下流側(図1の矢印A方向)の端部が低くなるように傾斜した状態で取り付けられた直線状のガイドフレーム12と、このガイドフレーム12にスライド自在に取り付けられた塗布ヘッド14と、支持フレーム11Aに回動可能に取り付けられた基板ホルダ13とを備え、ガイドフレーム12の直上であって基板ホルダ13の回動範囲外には、塗布ヘッド洗浄機構10が配設されている。この塗布ヘッド洗浄機構10の配設位置は、塗布時の塗布ヘッド14のスライド移動範囲(塗布ヘッド14による後述する被塗布基板Sへの塗布動作範囲)の上端(図1に実線で示されている位置)よりも更にガイドフレーム12の上端側(図1の矢印B方向)にある。
【0017】
図2は、本発明の塗布装置1を構成する塗布ヘッド洗浄機構10の一例を示す斜視図である。図2において、塗布ヘッド洗浄機構10は、カバー部材21と、このカバー部材21内に洗浄液を噴射する洗浄液供給管23と、カバー部材21内の液体を吸引排出する吸引管24と、カバー部材21を矢印a方向に昇降させる昇降装置(図示せず)と、洗浄液供給管23に洗浄液を供給するための洗浄液タンクおよびポンプ(図示せず)と、吸引管24に接続された吸引装置(図示せず)を備えている。カバー部材21は、長手方向に係合用開口部21aを有する直方形状の箱体であり、図示例では、係合用開口部21a形成面と対向する面に洗浄液供給管装着用の口部21b、吸引管装着用の口部21cを備えている。そして、カバー部材21の係合用開口部21aを塗布ヘッド14の先端部に係合させることにより、塗布ヘッド14のスリット14aがカバー部材21により覆われるように構成されている。上記の係合用開口部21aの周縁には、カバー部材21によって塗布ヘッド先端部を覆ったときの気密、液密状態を確保するためのパッキン部材が配設されている。尚、洗浄液供給管23および吸引管24の装着個数、装着位置は図示例に限定されるものではない。
【0018】
このような塗布ヘッド洗浄機構10では、塗布ヘッド14が塗布ヘッド洗浄機構10の下に位置した状態で、昇降装置により塗布ヘッド14上にカバー部材21が降下する。これにより係合用開口部21aのパッキン部材が塗布ヘッド14のスリット14aの周囲に当接し、スリット14aが気密、液密にカバー部材21で覆われた状態となる。この状態で、洗浄液供給用のポンプを駆動させて洗浄液供給管23からカバー部材21内に洗浄液を噴射することができる。また、吸引装置を駆動させて吸引管24を介してカバー部材21内の液体(塗布液、洗浄液および塗布液の固化物を含む)を外部に排出することができる。
【0019】
図3は、本発明の塗布装置1を構成する塗布ヘッド洗浄機構10の他の例を示す斜視図である。図3において、塗布ヘッド洗浄機構10は、塗布ヘッド14のスリット14aに洗浄液を噴射するための噴射ノズル31と、塗布ヘッド14のスリット14a上の液体(塗布液、洗浄液および塗布液の固化物を含む)を吸引する吸引ノズル32と、噴射ノズル31および吸引ノズル32を矢印a方向に昇降させ、スリット14aに沿って矢印b方向、矢印c方向に移動させるための駆動部(図示せず)と、噴射ノズル31に洗浄液を供給するための洗浄液タンクおよびポンプ(図示せず)と、吸引ノズル32に接続された吸引装置(図示せず)を備えている。尚、噴射ノズル31および吸引ノズル32の個数、配列順序は図示例に限定されないが、矢印b方向の先頭には噴射ノズル31を配置し、最後尾には吸引ノズル32を配置する。
【0020】
図3に示される塗布ヘッド洗浄機構10は、塗布ヘッド14が塗布ヘッド洗浄機構10の下に位置した状態で、駆動部により塗布ヘッド14上に噴射ノズル31および吸引ノズル32を降下させ近接させる。そして、洗浄液供給用のポンプを駆動させて噴射ノズル31から塗布ヘッド14のスリット14aに洗浄液を噴射し、吸引装置を駆動させて吸引ノズル32でスリット14a上の液体(塗布液、洗浄液および塗布液の固化物を含む)を吸引し、この状態で噴射ノズル31および吸引ノズル32をスリット14aに沿って矢印b方向に移動させることができる。
【0021】
図4は、本発明の塗布装置1を構成する塗布ヘッド洗浄機構10の他の例を示す斜視図である。図4において、塗布ヘッド洗浄機構10は、コ字形状の基体41に掛け渡されたワイヤー(かき取り部材)42と、塗布ヘッド14のスリット14aに洗浄液を噴射するための噴射ノズル43と、ワイヤー42を備えた基体41および噴射ノズル43を矢印a方向に昇降させ、スリット14aに沿って矢印b方向、矢印c方向に移動させるための駆動部(図示せず)と、噴射ノズル43に洗浄液を供給するための洗浄液タンクおよびポンプ(図示せず)とを備えている。尚、かき取り部材として、ワイヤー42に代えてブレード、板材、角材、丸棒材等を使用してもよい。また、ワイヤー42を備えた基体41および噴射ノズル43の配置個数、配列順序は図示例に限定されないが、矢印b方向の先頭には噴射ノズル43を配置し、最後尾にはワイヤー42を備えた基体41を配置する。
【0022】
図4に示される塗布ヘッド洗浄機構10は、塗布ヘッド14が塗布ヘッド洗浄機構10の下に位置した状態で、駆動部により塗布ヘッド14上に基体41および噴射ノズル43を降下させて、ワイヤー42を塗布ヘッド14に当接させ、噴射ノズル43を近接させる。そして、洗浄液供給用のポンプを駆動させて噴射ノズル43から塗布ヘッド14のスリット14aに洗浄液を噴射し、この状態で基体41(ワイヤー42)および噴射ノズル43をスリット14aに沿って矢印b方向に移動させることができる。
【0023】
尚、上述の塗布装置では、塗布ヘッド洗浄機構10が塗布ヘッドに対して昇降可能とされているが、塗布ヘッド14が塗布ヘッド洗浄機構に対して昇降可能である構成としてもよい。
【0024】
上述の塗布装置1の基板ホルダ13は、水平方向に延びる軸Pを中心に駆動部19により図1の矢印a方向と矢印b方向に回動されるようになっており、図示しない吸引機構の作動によりその吸着面に被塗布基板Sを吸着して保持するようになっている。そして、被塗布基板Sを吸引保持した基板ホルダ13は、ストッパー18aにより位置規制された状態の塗布位置と、ストッパー18bにより位置規制された状態の基板受け渡し位置(図1に一点鎖線で示されている)との間を回動可能とされている。
【0025】
また、塗布ヘッド14は、図示しない塗布液供給手段から供給される塗布液をスリット14aから上方に吐出するようになっている。この塗布ヘッド14は、ガイドフレーム12に沿って配設されたボールねじ15に螺合されており、このボールねじ15がモータMによって回転されることにより、ガイドフレーム12に沿ってスリット14aを被塗布基板Sに対向させながらスライドされるようになっている。
【0026】
ここで、塗布ヘッド14の一例を図5乃至図8を参照して説明する。
【0027】
図5乃至図8において、塗布ヘッド14の本体14Aは塗布液の塗布を行う被塗布基板Sの幅以上の長さaを有し、その上面の中央部に、軸方向に沿って延びるとともに上方に向って開口するスリット14aが形成されている。そして、このスリット14aを挟むようにその両側に一対の斜面14Bおよび14Cが形成されている。
【0028】
本体14Aの内部には、スリット14aと平行に延びるとともにスリット14aにその軸方向の全域に亘って連通される中空状の液溜り14Dが形成されている。この液溜り14Dにはスリット14aの下部に取り付けられた塗布液供給管14Eが接続されており、この塗布液供給管14Eから導入される塗布液が液溜り14Dを介してスリット14aから吐出されるようになっている。
【0029】
図中、14Fは、スリット14aの両端部にそれぞれ脱着可能に嵌合された一対のスリット長さ調節用パッキンであり、このスリット長さ調節用パッキン14Fを所望の長さを有する調節用パッキンに交換することにより、スリット14aから吐出される塗布液の幅を調節することができる。
【0030】
図中に示された塗布ヘッド14の各部の寸法の一例として以下の寸法が挙げられる。
【0031】
本体14Aの長さa =400mm
本体14Aの幅b = 50mm
本体14Aの高さc = 80mm
スリット14aの長さd(スリット長さ調節用パッキン14Fによる調整後の幅) =350mm
スリット14aの幅e = 1mm
スリット14aの深さf= 27mm
液溜り14Dの深さg = 40mm
塗布ヘッド14に塗布液を供給する塗布液供給手段としては、公知の定量液供給装置を使用することができる。具体的には、図9に示すような機構が挙げられる。この塗布液供給手段は、タンク50内に収容されている塗布液をバルブ51を介して供給される空気圧によって押し出し、粗調節用ニードルバルブ52を介して定量ポンプ53内に供給する。定量ポンプ53は内部に薄膜54を備え、この薄膜54を介して内部が塗布液供給側53aと空気供給側53bとに分けられており、空気供給側53bには、内部にピストン56を備えた加圧シリンダ55が接続されている。そして、ピストン56を矢印方向に所定のストロークだけ移動させることにより、定量ポンプ53の空気供給側53b内を加圧して薄膜54を塗布液供給側53a方向に押し上げ、これにより塗布液供給側53aから所定量の塗布液を空気作動弁57およびサックバックバルブ58を介して塗布ヘッド14に供給する。
【0032】
空気作動弁57は、被塗布基板Sへの塗布液の塗布終了時に空気圧によって自動的に作動して塗布ヘッド14への塗布液の供給を停止させる。また、サックバックバルブ58は、空気作動弁57の閉鎖と同時にピストン58aが図9に示す矢印の方向にスライドされてシリンダ58b内に負圧を生じさせ、これによって塗布ヘッド14に供給されている塗布液を吸引して回収する。
【0033】
次に、本発明の塗布装置1の動作について説明する。
【0034】
まず、被塗布基板Sを吸引保持した基板ホルダ13が図1に実線で示される塗布位置にある状態で、塗布ヘッド14による被塗布基板Sへの塗布が行われる。この塗布は、塗布液供給手段の定量ポンプ53から一定の流量で塗布ヘッド14に塗布液を供給しながら、塗布ヘッド14をガイドフレーム12に沿って斜め下方(図1の矢印A方向)に移動する。このとき、供給された塗布液がスリット14aから吐出してビードを形成し、スリット14aの開口部と基板ホルダ13に吸着保持された被塗布基板Sの下面との間のクリアランスの設定に応じた膜厚で、ビードから塗布液が被塗布基板Sの下面に順次付着して塗布が行われる。この塗布では、塗布ヘッド14に連続的に塗布液の供給が行われ、ビードにおける塗布液の量が一定に保たれている。
【0035】
塗布ヘッド14がガイドフレーム12に沿って移動し、被塗布基板Sの後端部に塗布ヘッド14のスリット14aが到達すると、塗布ヘッド14のスライドが停止され、さらに塗布ヘッド14に接続されたサックバックバルブ58の作動によってビードを形成する塗布液が塗布ヘッド14内に吸引されて、塗布ヘッド14と被塗布基板S上の塗膜とが分離される。
【0036】
上記のような被塗布基板Sへの塗布が完了すると、基板ホルダ13は軸Pを中心に回動(図1の矢印b方向)してストッパー18bにより所定の基板受け渡し位置に規制される。この基板受け渡し位置では、基板ホルダ13の保持平面は水平状態にあり、基板ホルダ13による被塗布基板Sの吸引保持は解除されており、塗布が完了した被塗布基板Sが取り出され、新たな被塗布基板Sが載置される。そして、新たな被塗布基板Sを吸引保持した基板ホルダ13は、軸Pを中心に回動(図1の矢印a方向)してストッパー18aにより所定の塗布位置に規制される。
【0037】
一方、被塗布基板Sへの塗布が完了すると、塗布ヘッド14はガイドフレーム12に沿って塗布開始位置(図1に実線で示されている位置)まで戻り、次の塗布のために待機する。
【0038】
このような操作を繰り返すことにより被塗布基板Sへの塗布を行うことができ、塗布間隔が極めて短い場合は、塗布ヘッド14のスリット14aにおける塗布液の乾燥等が問題となることはない。
【0039】
塗布間隔が上記のような通常の塗布時よりも長くなり、塗布ヘッド14のスリット14aにおける塗布液の粘度上昇や固化、汚染が生じるおそれがあり、塗布ヘッド14の洗浄が必要な場合、塗布ヘッド14をガイドフレーム12に沿って塗布時のスライド移動範囲から更に上方へ移動させ塗布ヘッド洗浄機構10の下で停止する。次いで、図2に示される塗布ヘッド洗浄機構10の例では、カバー部材21が昇降装置により塗布ヘッド14上に降下し、係合用開口部21aのパッキン部材が塗布ヘッド14のスリット14aの周囲に当接して、塗布ヘッド14の先端部が気密、液密にカバー部材21で覆われる。次いで、洗浄液供給用のポンプを駆動させて洗浄液供給管23からカバー部材21内に洗浄液を噴霧して、粘度上昇し、あるいは、固化した塗布液をスリット14aから除去した後、吸引装置を駆動させてカバー部材21内を負圧とし吸引管24を介してカバー部材21内の液体(塗布液、洗浄液および塗布液の固化物を含む)を外部に排出する。これにより塗布ヘッド14が洗浄され、塗布ヘッド14上での塗布液の粘度上昇や汚染発生が防止される。
【0040】
尚、図3に示される塗布ヘッド洗浄機構10の例では、噴射ノズル31および吸引ノズル32が駆動部により塗布ヘッド14上に降下して近接し、洗浄液供給用のポンプを駆動させて噴射ノズル31から塗布ヘッド14のスリット14aに洗浄液を噴射し、同時に吸引装置を駆動させて吸引ノズル32による吸引を行いながら、噴射ノズル31および吸引ノズル32をスリット14aに沿って矢印b方向に移動させる。これにより、スリット14aに付着している、粘度上昇あるいは固化した塗布液を洗浄液とともに吸引ノズル32を介して外部に除去する。また、図4に示される塗布ヘッド洗浄機構10の例では、ワイヤー42を備えた基体41および噴射ノズル43が駆動部により塗布ヘッド14上に降下し、ワイヤー42が塗布ヘッド14に当接し、噴射ノズル43が近接した位置となる。次いで、洗浄液供給用のポンプを駆動させて噴射ノズル43から塗布ヘッド14のスリット14aに洗浄液を噴射しながら、基体41(ワイヤー42)および噴射ノズル43をスリット14aに沿って矢印b方向に移動させる(ワイヤー42は塗布ヘッド14の先端部に接触しながら移動する)。これにより、スリット14aに付着している粘度上昇あるいは固化した塗布液が洗浄液とともにワイヤー42(かき取り部材)により矢印b方向にかき取られて塗布ヘッド14外に除去される。
【0041】
上記の塗布ヘッド洗浄に使用する溶剤は、塗布対象となる塗布液に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、アルコール類、水等を使用することができる。
【0042】
上記の状態から再度塗布を開始する場合、塗布ヘッド洗浄機構10を昇降装置、駆動部により塗布ヘッド14から上方へ上昇させる。次に、塗布ヘッド14をガイドフレーム12に沿って塗布開始位置(図1に実線で示されている位置)まで戻し、次の塗布を開始する。次の塗布は、新たに供給された一定の粘度をもつ塗布液により塗布が行われるので、形成される塗布膜は厚みが均一なものとなる。
【0043】
本発明の塗布装置において使用する塗布液は、特に制限はなく、例えば、粘度が4〜15cps程度の洗浄液系感光性樹脂、水系感光性樹脂、または、これらの感光性樹脂に顔料等の着色材を分散させた着色感光性樹脂、各種接着剤、保護膜等を形成するための樹脂、各種インキ等を対象とすることができる。
【0044】
また、本発明の塗布装置にて塗布可能な被塗布基板としては、特に制限はなく、例えば、LCDカラーフィルタ用のガラス基板等のように、大面積で表面の平滑度が低い(通常50〜70μm,最大では100μm程度の凹凸がある)基板であっても、厚みが均一な塗布膜を形成することができる。
【0045】
上述の実施形態では、塗布ヘッドのスリットは上方に向かって開口し、固定されている被塗布基板に対して塗布ヘッドが移動して塗布を行うような実施形態であるが、スリットが上方に向かって開口した塗布ヘッドを固定し被塗布基板を保持した基板ホルダを移動させるような実施形態、スリットが下方に向かって開口した塗布ヘッドを被塗布基板の上方で移動可能に配設した実施形態、および、スリットが下方に向かって開口した塗布ヘッドを固定し被塗布基板を保持した基板ホルダを移動させるような実施形態であってもよい。
【0046】
また、上述の実施形態では、塗布ヘッドが塗布時のスライド移動範囲から外に移動して塗布ヘッド洗浄機構の下に位置するように構成されているが、塗布ヘッド洗浄機構が塗布ヘッドのスライド移動範囲内に移動するような構成としてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、塗布間隔が短時間である通常の塗布においては、塗布ヘッドが被塗布基板に沿って相対的に移動する塗布時に塗布液供給手段から塗布ヘッドに塗布液が供給されて均一な厚みの塗布膜の形成が可能であり、また、被塗布基板への塗布の時間的間隔が長くなる等により、塗布ヘッド上での塗布液の粘度上昇や固化、汚染が発生するおそれがあり、塗布ヘッド洗浄機構により塗布ヘッドの洗浄を行う場合、第1の発明では、カバー部材により塗布ヘッドのスリット全体を覆った状態で、カバー部材内に洗浄液供給管から洗浄液を供給して洗浄し、カバー部材内の塗布液と洗浄液を吸引管によって吸引排出することにより、塗布ヘッドの先端部全域が洗浄され、第2の発明では、スリットに洗浄液を噴射する噴射ノズルと、塗布ヘッド先端部の塗布液と洗浄液を吸引除去する吸引ノズルとを、スリットに沿って移動させることにより、塗布ヘッドの先端部全域が洗浄され、第3の発明では、スリットに洗浄液を噴射する噴射ノズルとかき取り部材とを、かき取り部材を塗布ヘッドに接触させながらスリットに沿って移動させることにより、塗布ヘッドの先端部全域が洗浄され、いずれも、塗布ヘッド先端部に存在する粘度上昇や固化、汚染のおそれがある塗布液を、確実、かつ、短時間で除去する洗浄操作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗布装置の実施形態の一例を示す側面図である。
【図2】本発明の塗布装置における塗布ヘッド洗浄機構の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の塗布装置における塗布ヘッド洗浄機構の他の例を示す斜視図である。
【図4】本発明の塗布装置における塗布ヘッド洗浄機構の他の例を示す斜視図である。
【図5】図1に示される塗布装置において使用される塗布ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図6】同塗布ヘッドの正面図である。
【図7】同塗布ヘッドの平面図である。
【図8】同塗布ヘッドの側面図である。
【図9】図1に示される塗布装置において使用される塗布液供給手段の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…塗布装置
10…塗布ヘッド洗浄機構
12…ガイドフレーム
13…基板ホルダ
14…塗布ヘッド
14a…スリット
15…ボールねじ
19…駆動部
21…カバー部材
23…溶剤供給管
24…吸引管
31…噴射ノズル
32…吸引ノズル
42…ワイヤー(かき取り部材)
43…噴射ノズル
S…被塗布基板
Claims (3)
- 水平方向に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドと、スリットが被塗布基板に対向するように前記塗布ヘッドと被塗布基板とを相対的に移動させる移動手段と、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液供給手段と、塗布ヘッド洗浄機構とを備え、該塗布ヘッド洗浄機構は塗布ヘッドの少なくともスリットを覆うカバー部材と、該カバー部材内に洗浄液を噴射する洗浄液供給管と、カバー部材内の液体を吸引排出する吸引管とを有し、前記カバー部材は係合用開口部を下方に開口するように備えるとともに、該係合用開口部の周縁には、カバー部材で塗布ヘッド先端部を覆ったときに気密、液密状態を確保するためのパッキン部材が配設されていることを特徴とする塗布装置。
- 水平方向に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドと、スリットが被塗布基板に対向するように前記塗布ヘッドと被塗布基板とを相対的に移動させる移動手段と、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液供給手段と、塗布ヘッド洗浄機構とを備え、該塗布ヘッド洗浄機構は塗布ヘッドのスリットに洗浄液を噴射する噴射ノズルと塗布ヘッドのスリット上の液体を吸引除去する吸引ノズルとを各々少なくとも1個備えるとともに、噴射ノズルおよび吸引ノズルをスリットに沿って移動させながら洗浄する駆動部とを有し、洗浄時の移動方向の先頭には噴射ノズルが配置され、最後尾には吸引ノズルが配置されていることを特徴とする塗布装置。
- 水平方向に延びる帯状のスリットを有する塗布ヘッドと、スリットが被塗布基板に対向するように前記塗布ヘッドと被塗布基板とを相対的に移動させる移動手段と、前記塗布ヘッドに塗布液を供給する塗布液供給手段と、塗布ヘッド洗浄機構とを備え、該塗布ヘッド洗浄機構は塗布ヘッドのスリットに洗浄液を噴射する噴射ノズルとかき取り部材とを各々少なくとも1個備え、かつ、該かき取り部材を塗布ヘッド先端部に接触させながら噴射ノズルとともにスリットに沿って移動させながら洗浄する駆動部とを有し、洗浄時の移動方向の先頭には噴射ノズルが配置され、最後尾にはかき取り部材が配置されていることを特徴とする塗布装置。
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