JP5071167B2 - 清掃部材と塗布器の清掃方法および清掃装置並びにディスプレイ用部材の製造方法 - Google Patents

清掃部材と塗布器の清掃方法および清掃装置並びにディスプレイ用部材の製造方法 Download PDF

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この発明は、例えばカラー液晶ディスプレイ用カラーフィルタ並びにアレイ基板、プラズマディスプレイ用パネル、光学フィルタなどの製造分野に使用されるものであり、詳しくはガラス基板などの被塗布部材表面に塗布液を吐出して塗布膜を形成するのに好適に用いられるスリットコータのスリットノズルの吐出口およびその周辺の清掃方法及び清掃装置、並びにこれらを用いたディスプレイ用部材の製造方法の改良に関するものである。
カラー液晶用ディスプレイは、カラーフィルタ、TFT用アレイ基板などにより構成されているが、カラーフィルタ、TFT用アレイ基板ともに、低粘度の液体材料を塗布して乾燥させ、塗布膜を形成する製造工程が多く含まれている。たとえば、カラーフィルタの製造工程では、ガラス基板上に黒色のフォトレジスト材の塗布膜を形成し、フォトリソ法により塗布膜を格子状に加工した後に、格子間に赤色、青色、緑色のフォトレジスト材の塗布膜を同様の手法により順次形成していく。その他にも、フォトレジスト材を塗布して塗布膜を形成後、カラーフィルタとアレイ基板との間に注入される液晶のスペースを得るための柱を形成する製造工程や、カラーフィルタ上の表面の凹凸を平滑化するためのオーバーコート塗布膜を形成する製造工程などもある。
この塗布膜形成のための塗布装置としては、塗布液の消費量削減や消費電力削減、さらに2m角以上という超大型基板に対応する装置の大型化が容易であるなどの理由により、スリットコータ(例えば特許文献1)が近年多く使用されるようになってきている。この公知のスリットコータは塗布ヘッドとしてスリットノズルを有し、このスリットノズルに設けられたスリット状の細長い吐出口から塗布液を吐出しながら、一方向に走行するガラス基板などの枚葉状の被塗布部材に塗布膜を形成するものとなっている。
このスリットコータで多数枚の被塗布部材に続けて塗布する場合、一度塗布液の塗布を行うと、スリットノズルの塗布液が吐出される吐出口を含む吐出口面と、およびその両隣にある両隣接面(以下、リップ斜面と呼ぶ)に塗布液の一部が、滴状になって残存する。再び塗布を行う際に、吐出口面およびリップ斜面に滴状の塗布液が放置されたままであると、スリットノズルから吐出される塗布液と共に滴状に残存していた塗布液も基板に塗布されることになるので、均一な膜厚の塗布面を得ることができない。また、残存している塗布液が塗布されない場合は、それが起点となって、塗布方向にすじが発生する。以上の不具合を回避するために、一回の塗布が終了するごとに、スリットノズルの吐出口面およびリップ斜面を清掃して、付着した塗布液を除去することが必要となる。
毎回の塗布ごとに行うスリットノズルの具体的な清掃手段としては、スリットノズルの吐出口面およびリップ斜面の断面形状と合致する形状を有する合成樹脂製の清掃部材を吐出口面およびリップ斜面に摺動させることで清掃を行う装置および方法が開示されている(例えば特許文献2、3)。この清掃手段を用いると、清掃部材を吐出口面及びリップ斜面に直接接触させて摺動を行うために、付着した塗布液を確実に除去でき、多数枚塗布時でも安定して均一な塗布を、すじの発生なく実現することができる。さらに塗布液として感光性アクリル系カラーペースト、フォトレジスト等の揮発性の高いものを使用する場合は、特に付着塗布液の除去能力が高いことが望まれる。それは、吐出口面およびリップ斜面に付着した塗布液の除去が不十分でわずかに残ると、それが乾燥して吐出口面およびリップ斜面に固着残存物として残存し、その固着残存物が次回の塗布時に塗布液に接触し、一部が溶解して固着残存物が吐出口面およびリップ斜面から離れて塗布膜にまざりこみ、パーティクルとなって欠点を生じるためである。また固着残存物によって清掃部材の摩耗が促進され、清掃部材の摩耗粉によってパーティクル欠点が生じることもある。これらのパーティクル欠点は塗布開始部に生じ易い。そのため特許文献2、3では、固着残存物が発生しないように塗布液の除去能力、すなわち清掃能力を高めるために、清掃部材を吐出口面及びリップ斜面に線接触させることが記載されている。
特開平6−339656号公報(第5欄18行目〜第9欄13行目、図1) 特開平9−192566号公報(請求項4、請求項9、第8欄9行目〜47行目、第15欄15行目〜第16欄14行目、図5、図12、図13) 特開平11−300261号公報(請求項4、請求項9、第5欄38行目〜第6欄16行目、第9欄5行目〜18行目、図4、図5、図6)
特許文献2では、図5のようにスリットノズルの吐出口面やリップ斜面に合致する形状の面を有する清掃部材を、鉛直面から5〜45°傾斜させて摺動させることで、線接触を実現させている。また特許文献3では、吐出口長手方向すなわち摺動方向に2mm以下のエッジ部を有する清掃部材を吐出口面に対して45〜135°傾けて摺動させることで線接触を実現している。以上の公知例の清掃部材の清掃能力を評価したところ、速度300mm/sで清掃した場合の塗布液の除去は十分であったが、速度600mm/sで清掃した場合の塗布液の除去は不十分であるために、吐出口面およびリップ斜面に固着残存物が残り、その結果、塗布膜の開始部に多量のパーティクル欠点が発生した。こうした欠点が発生しないように低速で清掃作業を行わざるをえなかった結果、スリットノズルの清掃の高速化によりタクトタイムを短縮して生産性を向上させることができなかった。また特許文献3の清掃部材では、エッジ部を構成する面の吐出口長手方向長さが2mm以下なので、清掃部材の剛性も低く破損や摩耗量も多いという問題点もあった。
この発明は、上記の従来の清掃部材の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、清掃部材の摺動による塗布液の除去能力を大きく高め、清掃の高速化を可能とすることによって、スリットコータの塗布生産のタクトタイムを大幅に短縮するとともに、剛性が高くて破損しにくく摩耗の少ない形状の清掃部材とすることで、生産性や歩留まりの向上に大きく寄与する清掃部材と塗布器の清掃方法及び装置、ならびにこの方法を使用したディスプレイ用部材の製造方法を提供することにある。
上記本発明の目的は、以下に述べる手段により達成される。
本発明に係る清掃部材は、一方向に延在する吐出口を有した塗布器の該吐出口が存在する吐出口面およびその両隣接面に接触しながら、該塗布器の長手方向に摺動して、該塗布器の吐出口面及びその両隣接面を清掃する清掃部材であって、該清掃部材は、該塗布器の吐出口面に線接触する底辺と、吐出口面の両隣接面に線接触しかつ該底辺の両端に連なる2つの斜辺と、を有し、該底辺と2つの斜辺は該清掃部材の厚さ方向端部にある端面内に存在すると共に、2つの斜辺をそれぞれ介して隣り合う該清掃部材の端面と該清掃部材の他の面とがなす角度が共に鋭角であることを特徴とする。ここで、前記底辺で端面と交わる底面に対して底辺から近接した位置で交わるとともに前記塗布器の吐出口面からは離れる方向に延びる底逃げ面と、前記2つの斜辺で端面とそれぞれ交わる2つの斜面に対して2つの斜辺から近接した位置でそれぞれ交わるとともに前記塗布器の両隣接面からは離れる方向に延びる2つの斜め逃げ面と、をさらに備えることが好ましい。
本発明に係る塗布器の清掃方法は、一方向に延在する吐出口を有した塗布器の該吐出口が存在する吐出口面およびその両隣接面に清掃部材を接触させながら、該塗布器の長手方向に摺動させて、該塗布器の吐出口面及びその両隣接面を清掃する塗布器の清掃方法であって、清掃部材として請求項1または2に記載の清掃部材を用い、該塗布器の吐出口面およびその両隣接面に線接触する清掃部材の3辺よりも清掃部材の摺動方向の前方にあって該塗布器の吐出口面およびその両隣接面にそれぞれ相対しかつ該3辺をそれぞれ含む3つの面と該塗布器の吐出口面およびその両隣接面とがなす角度をそれぞれ5〜30°にして清掃を行うことを特徴とする。
本発明に係る塗布器の清掃装置は、一方向に延在する吐出口を有した塗布器と、該塗布器の該吐出口が存在する吐出口面およびその両隣接面に接触しながら摺動して清掃を行う清掃部材と、清掃部材の保持体と、清掃部材と保持体を塗布器の吐出口面およびその両隣接面に塗布器の長手方向に摺動させる移動手段と、を有する塗布器の清掃装置であって、清掃部材が請求項1または2に記載の清掃部材であり、該塗布器の吐出口面およびその両隣接面に線接触する清掃部材の3辺よりも清掃部材の摺動方向の前方にあって該塗布器の吐出口面およびその両隣接面にそれぞれ相対しかつ該3辺をそれぞれ含む3つの面と該塗布器の吐出口面およびその両隣接面とがなす角度がそれぞれ5〜30°になるように該保持体に清掃部材が取り付けられていることを特徴とする。 本発明に係るディスプレイ用部材の製造方法は、請求項3に記載の塗布器の清掃方法を用いてディスプレイ用部材を製造することを特徴とする。
本発明に係る清掃部材と塗布器の清掃方法および清掃装置を用いれば、最も効果的に清掃部材がスリットノズルの吐出口面およびその両隣接面(リップ斜面)に線接触しながら摺動して清掃を行うのであるから、清掃を高速で行っても、塗布液の除去を十分に行うことができる。また、塗布器の吐出口面およびその両隣接面と、これらと相対する清掃部材の面とが、それぞれ適切な角度をなすようにして、清掃部材の面に含まれる底辺と2つの斜辺が塗布器と線接触をして清掃を行っているので、単に線接触させる場合に比べて清掃部材の磨耗が少なくなって清掃部材の使用寿命が長くなる。清掃部材の使用寿命増加の結果、清掃部材の交換周期が長くなって、コスト低減に貢献するとともに、清掃の信頼性が向上する。
さらにまた清掃部材の線接触して摺動する底辺と斜辺に近接して、スリットノズルから除去した塗布液が容易に離れられるように逃げ面を設けたのであるから、清掃を高速で行っても除去した塗布液がスムーズに短時間でスリットノズルから離れるので、除去した塗布液がスリットノズルに再付着する不都合を皆無にすることができる。
本発明に係るディスプレイ用部材の製造方法によれば、上記の優れた清掃方法を用いてディスプレイ用部材を製造するのであるから、タクトタイムの大幅な短縮が可能となり、さらに清掃能力の向上によって塗布欠点がないので、優れた塗布品位のディスプレイ用部材を高い生産性と高歩留まりで製造することが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る清掃装置を含む塗布装置であるスリットコータ1の概略正面図、図2は清掃部材である拭取り部材120の概略斜視図、図3は拭取り部材120とスリットノズル20との係合状況を示す概略図、である。
まず図1を参照すると、本発明の清掃装置である拭取りユニット100を含むスリットコータ1が示されている。このスリットコータ1は基台2を備えており、基台2上には、一対のガイドレール4が設けられている。このガイドレール4上には、被塗布部材である基板Aの載置台、すなわちステージ6が配置されている。ステージ6は図示しないリニアモータで駆動されて図1に矢印で示されているX方向に自在に往復動する。ステージ6の上面は吸着孔からなる真空吸着面となっており、基板Aを吸着保持することができる。
基台2の中央を見ると、門型の支柱10がある。支柱10には、上下昇降ユニット70が備えられており、この上下昇降ユニット70に塗布を行うスリットノズル20が取り付けられている。
スリットノズル20は、X方向に直交する方向(紙面に垂直な方向)にのびているフロントリップ22、及びリアリップ24を、シム32を介してX方向に重ね合わせ、図示しない複数の連結ボルトにより一体的に結合されている。スリットノズル20内の中央部にはマニホールド26が形成されており、このマニホールド26もスリットノズル20の長手方向(X方向に直交する方向)にのびている。マニホールド26の下方には、スリット28が連通して形成されている。このスリット28もスリットノズル20の長手方向にのびており、その下端がスリットノズル20の最下端面である吐出口面36で開口して、吐出口30を形成する。すなわちスリットノズル20はその最下端に長手方向に延在する吐出口30を有しており、この吐出口30は、吐出口面36に存在しているとともに、吐出口面36に含まれる。また吐出口面36の両側に隣接する両隣接面として、リップ斜面34A、Bがある。なおスリット28はシム32によって形成されるので、スリットの間隙(X方向に測定)は、シム32の厚さと等しくなる。
このスリットノズル20を昇降させる上下昇降ユニット70は、スリットノズル20を吊り下げる形で保持する吊り下げ保持台80、吊り下げ保持台80を昇降させる昇降台78、昇降台78を上下方向に案内するガイド74、モータ72の回転運動を昇降台78の直線運動に変換するボールねじ76より構成されている。上下昇降ユニット70はスリットノズル20の長手方向の両端部を支持するよう左右1対あって、各々が独立に昇降できるので、スリットノズル20長手方向の水平に対する傾き角度を任意に設定することができる。これによってスリットノズル20の吐出口面36と基板Aを、スリットノズル20の長手方向にわたって略並行にすることができる。さらに、この上下昇降ユニット70によって、ステージ6上の基板Aとスリットノズル20の吐出口面36の間のすきま、すわなち、クリアランスを任意の大きさに設定することができる。
さらに図1で基台2の右側端部を見ると、清掃装置である拭取りユニット100がガイドレール4上にX方向に移動自在に取付られている。拭取りユニット100には、スリットノズル20に係合する形状を有する清掃部材である拭取り部材120が、ホルダー112に取り付けられ、押さえ板114で動かないように固定されている。なお押さえ板114とホルダー112は図示されないネジ等の締結手段で締結保持されている。またホルダー112は上下方向のみ案内する2個のガイド116を介してブラケット104に取り付けられている。各々のガイド116の周囲にはバネ118が取り付けられており、拭取り部材120がホルダー112を介して、スリットノズル20の先端面形状に対して上下方向に自在に追従できるようにしている。さらにブラケット104はスライダー106に取り付けられている。スライダー106は駆動ユニット108により、スリットノズル20の長手方向、すなわちX方向に直行する方向に自在に移動する。拭取り部材120を移動させる駆動ユニット108とトレイ110は台車102上に固定されている。台車102はガイドレール4上にあり、ガイドレール4に案内されて、図示しないリニアモータによりX方向に自在に往復動できるので、拭取りユニット100全体がX方向に往復動できる。
またこの拭取りユニット100を用いた清掃方法であるが、拭取り部材120がスリットノズル20に係合する位置まで拭取りユニット100全体をX方向に移動させ、スリットノズル20を下降して拭取り部材120に係合、すなわち接触させる。このときバネ118が好ましくは0.5〜5mm、より好ましくは1〜3mm縮む位置までスリットノズル20を下降させる。バネがこの範囲内に縮んでいると、拭取り部材120はスリットノズルの吐出口面36の上下方向の位置変動に容易に追従できる。そして、駆動ユニット108を駆動し、スリットノズル20の吐出口面36とリップ斜面34A、Bに接触する拭取り部材120をスリットノズル20の長手方向に移動させると、スリットノズル20の吐出口30付近の吐出口面36とリップ斜面34A、Bにそれぞれ残存している塗布液その他の汚染物を除去、清掃することができる。スリットノズル20の長手方向は、拭取り部材120がスリットノズル20に接触しながら移動、すなわち摺動する摺動方向となる。なお除去した塗布液その他はトレイ110で回収される。トレイ110は図示しない排出ラインに接続されており、内部にたまった塗布液等の液体を外部に排出、回収することができる。またトレイ110は、スリットノズル20からエアー抜き等で吐出される塗布液を回収するために使用することもできる。なお拭取り部材120はスリットノズル20に均等に係合できるようゴム等の弾性体、合成樹脂が好ましい。
さらにまた基台2の左側を見ると、基板Aの厚さを測定する厚さセンサー90が支持台92に取り付けられている。厚さセンサー90はレーザを使用したものであることが好ましい。厚さセンサー90により基板Aの厚さを測定することで、どのような厚さの基板Aに対しても、スリットノズル20の吐出口面36と基板Aの間の隙間であるクリアランスを、常に一定にすることができる。
再びスリットノズル20を見ると、スリットノズル20のマニホールド26の上流側は、塗布液供給装置40に連なる供給ホース60に、内部通路(図示しない)を介して常時接続されており、これにより、マニホールド26へは塗布液供給装置40から塗布液を供給することができる。マニホールド26に入った塗布液はスリットノズル20の長手方向に均等に拡幅されて、スリット28を経て、吐出口30から吐出される。
なお、塗布液供給装置40は、供給ホース60の上流側に、フィルター46、供給バルブ42、シリンジポンプ50、吸引バルブ44、吸引ホース62、タンク64を備えている。タンク64には塗布液66が蓄えられており、圧空源68に連結されて任意の大きさの背圧を塗布液66に付加することができる。タンク64内の塗布液66は、吸引ホース62を通じてシリンジポンプ50に供給される。シリンジポンプ50では、シリンジ52、ピストン54が本体56に取り付けられている。ここでピストン54は図示しない駆動源によって上下方向に自在に往復動できる。シリンジポンプ50は、一定の内径を有するシリンジ52内に塗布液を充填し、それをピストン54により押し出して、スリットノズル20に基板Aを一枚塗布する分だけ供給する定容量型のポンプである。シリンジ52内に塗布液66を充填するときは、吸引バルブ44を開、供給バルブ42を閉として、ピストン54を下方に移動させる。またシリンジ52内に充填された塗布液をスリットノズル20に向かって供給するときは、吸引バルブ44を閉、供給バルブ42を開とし、ピストン54を上方に移動させることで、ピストン54でシリンジ52内部の塗布液を押し上げて排出する。ピストン54の移動速度にシリンジ断面積をかけあわせたものが塗布液の供給速度、すなわちポンプ供給速度となる。
なお制御信号にて動作するリニアモータ、モータ72、塗布液供給装置40、拭取りユニット100等はすべて制御装置94に電気的に接続されている。そして、制御装置94に組み込まれた自動運転プログラムにしたがって制御指令信号が各機器に送信されて、あらかじめ定められた動作を行う。なお条件変更時は操作盤96に適宜変更パラメータを入力すれば、それが制御装置94に伝達されて、運転動作の変更が実現できる。拭取りユニット100に対しては、拭取り部材120のスリットノズル20長手方向移動速度や、清掃開始・終了位置等を任意に制御して、与えられた任意の清掃動作を実現できる。
次に図2、3を用いて、本発明になる拭取り部材120の構成と、これを用いた清掃方法の作用について詳しく説明する。ここで図3(a)は、拭取り部材120とスリットノズル20の係合状況をX方向に見た側面図、図3(b)は図3(a)のX方向と直交するY方向に見た正面図、図3(c)は図3(a)のE方向に見た図、である。なおY方向は、スリットノズル20の長手方向と一致する。
図2を見ると本発明になる拭取り部材120が示されている。拭取り部材120は、スリットノズル20の吐出口面36に線接触する底辺124と、吐出口面36の両隣接面となるリップ斜面34A、Bに線接触する斜辺122A、Bと、が前面134内に含まれて設けられている。ここでいう線接触とは、辺となる線が対象とする面上に完全に含まれている状態をいう。したがって、底辺124の全てが吐出口面36上に含まれるように接触し、斜辺122A、Bの全てがそれぞれリップ斜面34A、B上に含まれるように接触する。
前面134は、厚さTを有する拭取り部材120の厚さ方向端部にある端面となる。前面134に直交する矢印Fの向きに拭取り部材120を見ると、斜辺122A、Bは角度γcをなして設けられており、底辺124の両端に連なる構成となっている。また底面126が吐出口面36、斜面128A、Bがリップ斜面34A、Bに相対する面となるが、底辺124を含む底面126と前面134との2面間で角度βをなし、斜辺122A、Bを含む斜面128A、Bと前面134との2面間で角度φをなしている。斜面128A、Bの最上部で水平方向に伸びているのが上辺132A、Bとなる。ここで角度φは、2つの斜辺122A、Bをそれぞれ介して隣り合う端面の前面134と斜面128A、Bとがなす角度ともいえる。なお図2では、角度βは前面134に含まれる一点鎖線の鉛直線と底面126との間になす角度として図示されている。ここで2面である面Aと面Bのなす角度は、面Aと面Bが共に直交する参照面内で、参照面と面Aの交線と、参照面と面Bの交線とがなす角度、と定義される。この定義に従えば、例えば斜面128Aと前面134とがなす角度φは、斜面128Aと前面134が共に直交する参照面内で、参照面と斜面128Aの交線と、参照面と前面134の交線と、がなす角度となる。同様に斜面128Bと前面134とがなす角度φは、斜面128Bと前面134が共に直交する参照面内で、参照面と斜面128Bの交線と、参照面と前面134の交線と、がなす角度となる。吐出口面36に線接触する底辺124周辺の剛性を高めるために、角度βは好ましくは80°以上130°以下、より好ましくは90°以上120°以下とするとともに、底面126の厚さ方向の長さを拭取り部材120の厚さTと同じにすることが好ましい。角度βについては、好ましい範囲よりも小さいと、底辺124周辺の剛性が低くなるので、底辺124の破損や摩耗が生じ易くなり、好ましい範囲よりも大きいと、底辺124を吐出口面36に接触させたときの弾性変形が大きくなって線接触が面接触に近づくために、塗布液の除去能力が低下してしまう。
さらに後述するように、斜辺122A、Bが確実にリップ斜面34A、Bにそれぞれ線接触するために、角度φは鋭角であることが好ましい。ただし、リップ斜面34A、Bに線接触する斜辺122A、B周辺の剛性を高めるために、角度φはより好ましくは80°以上90未満とするとともに、斜面128A、Bの厚さ方向の長さを拭取り部材120の厚さTと同じにすることが好ましい。このように拭取り部材120は、底辺124と斜辺122A、Bの各々の周辺で剛性が高い形状としているので、スリットノズル20に係合して高速度で摺動しても、摺動部の破損がなく、摩耗量も非常に小さくなる。さらに図2では、底辺124の拭取り部材120の長手方向(塗布方向と一致)の長さは長さL1、斜辺122A、Bの鉛直線方向の長さは長さL2、拭取り部材120の鉛直線方向の長さは長さL3、拭取り部材120の長手方向の長さは長さL4、と表されている。拭取り部材120は、底辺124と吐出口面36、斜12A、Bとリップ斜面34A、Bが同時に確実に線接触できるように弾性を有する高分子樹脂、例えば合成ゴムによって形成されることが好ましい。使用される合成ゴムとしては、適度な弾性と塗布液に対する耐薬品性を有する、たとえばエチレンプロピレンゴム、シリコンゴム、ブチルゴム、パーフルオロゴム(商品名“カルレッツ”等)が好ましい。なお弾性の程度をあらわすゴム硬度については、C型のスプリング式硬さ試験機を用いて測定し、好ましくは50〜90°、より好ましくは60〜80°とする。
図2に示される拭取り部材120は、図3(a)に示すように、拭取りユニット100のホルダー112に、一点鎖線で示される上下方向に伸びる鉛直面に対して前面134が角度θだけ拭取り部材120の摺動方向(移動方向)側に傾くように取り付けられる。ここで、鉛直面は、拭取り部材120の摺動方向である矢印Yで示されるY方向と直交する。また吐出口面36は鉛直面と直交している。摺動方向側に拭取り部材120が傾けられるのは、リップ斜面34A、Bに付着している塗布液等を下側に落下させやすいためである。摺動方向側に拭取り部材120が傾けられることによって、スリットノズル20の吐出口面36に相対する拭取り部材120の底面126は、吐出口面36に線接触する底辺124より摺動方向の前方に配置されることになる。同様に、スリットノズル20のリップ斜面34A、Bに相対する拭取り部材120の斜面128A、Bは、リップ斜面34A、Bに線接触する斜辺122A、Bより摺動方向の前方に配置されることになる。すなわち、吐出口面36およびリップ斜面34A、Bの3面は、この3面にそれぞれ線接触する拭取り部材120の底辺124、斜辺122A、Bの3辺よりも、拭取り部材120の摺動方向の前方に配置される。なお角度θは好ましくは5〜45°、より好ましくは10〜30°とする。この範囲より小さいと除去した塗布液が落下しにくくなる。一方この範囲より大きいと、定められたリップ斜面34A、Bの領域に拭取り部材120の斜辺122A、Bを接触させようとすると、斜面128A、Bの鉛直線方向の長さL2が長くなり、その結果拭取り部材120の剛性が低下して塗布液の除去能力が低下するとともに、摩耗量が多くなって、好ましくない。
さて拭取り部材120は鉛直面に対して角度θだけ傾けた時に、図3(b)に示すように、底辺124が吐出口面36に、斜辺122A、Bがスリットノズルのリップ斜面34A、Bに、同時に線接触する。これが可能となるように、斜辺122A、B間の角度γcは定められる。斜辺122A、B間の角度γcは、スリットノズル20の長手方向、すなわちY方向に見たスリットノズル20のリップ斜面34A、Bのなす角度γn(図3(b)参照)よりも、幾何学的に必ず小さくなる。
なお、拭取り部材120の底辺124がスリットノズル20の吐出口面36に、斜辺122A、Bがリップ斜面34A、Bに、必ず線接触するには、底辺124を含む底面126と吐出口面36が、斜辺122A、Bを含む斜面128A、Bとリップ斜面34A、Bが、各々接触しないことが必要条件となる。角度θ=0の時に、拭取り部材120の底面126とスリットノズル20の吐出口面36が平行、さらには斜面128A、Bとリップ斜面34A、Bが平行、いいかえると拭取り部材120が吐出口面36とリップ斜面34A、Bに合致する清掃面形状を有するもの、であっても、角度θだけ拭取り部材120を傾けると、底面126と吐出口面36、斜面128A、Bとリップ斜面34A、Bは、それぞれ平行でなくなり、角度θの大きさに応じてそれぞれが傾き角度をもつようになる。すなわち、拭取り部材120を角度θだけ傾けると、底面126については、図3(a)の破線で示されるように、吐出口面36との間にα2の角度が形成される。
また図3(c)は、図3(a)で角度θだけ傾いて取り付けられている拭取り部材120を矢印Eの方向に見たもので、スリットノズル20の両隣接面であるリップ斜面34A、Bと相対する面となる斜面128A、Bが、リップ斜面34A、Bとの間に角度α1をなすことが示されている。角度α1、α2がゼロより大きければ、上記の線接触の条件を満たすことになるが、実際には好ましい大きさの範囲があり、好ましくは5〜30°、より好ましくは5〜20°とする。角度α1、α2が5°より小さいと、拭取り部材120は吐出口面36とリップ斜面34A、Bとに同時に接触するために弾性のある高分子樹脂にしているので、底辺124や斜辺122A、Bの周辺の弾性変形によって十分な線接触が実現できず、吐出口面36やリップ斜面34A、Bに付着している塗布液を除去する十分な清掃能力がえられない。特にタクトタイムを短くするために拭取り部材120を高速で移動して付着塗布液の除去を行う場合に、十分な除去ができない。一方角度α1、α2が30°より大きいと、線接触する斜辺122A、Bや底辺124の摩耗量が多くなってしまい、拭取り部材120の使用寿命が短くなってしまう。これは、底辺124や斜辺122A、Bとその近傍の弾性変形量や発生する応力が、角度α1、α2が大きいと大きくなることによる。また磨耗量が多くなると接触している部分が線から面に変化してしまい、線接触が維持されなくなるので、塗布液を除去する清掃能力も低下する。
なお角度α1、α2ともに独立に定められるものではない。角度α1については、斜面128A、Bと前面134とがなす角度φと、拭取り部材120の前面134の鉛直面に対する傾き角度θに依存し、角度α2については底面126と前面134とがなす角度βと角度θに依存する。したがって角度α1、α2がそれぞれ好ましい大きさになるようにするには、それに応じて角度φ、θ、βを定めることになる。
例えば、底面126と前面134とがなす角度βについて、角度θをよく使われる30°にして、角度α2=5°にしようとすると、角度β=115°となる。また、角度α1を5〜30°にしようとすると、角度θが5〜45°の範囲なら、斜面128A、Bと前面134とがなす角度φは90°未満の鋭角となる。
吐出口面36およびリップ斜面34A、Bに付着する塗布液を、タクトタイムを短くするために拭取り部材120を高速で移動させて、付着する塗布液を完全に除去するには、上記したように、拭取り部材120を吐出口面36およびリップ斜面34A、Bに線接触するようにすればよい。もっともわかりやすい線接触手段は、ブレードのような非常に薄いものを接触させることである。しかし非常に薄いブレードは金属や樹脂等、弾性が小さく硬い物となるので、これを吐出口面36およびリップ斜面34に同時に線接触させることができない。そのため吐出口面36およびリップ斜面34A、Bと拭取り部材120との間に局部的にわずかな隙間が生じ、清掃時にそこから塗布液が漏れだし、拭取り部材120通過後に塗布液が吐出口面36およびリップ斜面34A、Bに再付着してしまい、塗布液の除去が行えない。したがって拭取り部材120には、前記したように弾性のある高分子樹脂を用い、拭取り部材120の弾性変形により吐出口面36およびリップ斜面34A、Bに同時に線接触可能なものを用いることが好ましい。しかし、この弾性変形量が多くなると線接触が面接触に近くなり、液除去能力の低下とともに、接触摩耗量も多くなる。この面接触の程度をできるだけ小さくして線接触なみの除去能力を実現し、さらに弾性があり軟らかい材料を使用するために多くなりがちな摩耗量を極力小さくするために、上記のように角度α1、α2を5〜30°の範囲にするのが好ましいのである。
次にスリットコータ1による本発明になる清掃方法を用いた塗布方法について詳述する。
まずスリットコータ1の各動作部の原点復帰が行われると、各移動部はスタンバイ位置に移動する。すなわち、ステージ6は図1の左端部(破線で示す位置)、スリットノズル20は最上部に移動するとともに、拭き取りユニット100はトレイ110がスリットノズル20の下部位置にくるよう移動する。この時拭取り部材120はX方向ではスリットノズル20の吐出口30の直下の位置にあるが、スリットノズル20の長手方向であるY方向には吐出口30の下の位置にはなく、スリットノズル20から離れた待機位置にある。ここで、タンク64〜スリットノズル20まで、塗布液66はすでに充満されており、スリットノズル20内部の残留エアーを排出する作業も既に終了している。この時の塗布液供給装置40の状態は、シリンジ52に塗布液66が充填、吸引バルブ44は閉、供給バルブ42は開、そしてピストン54は最下端の位置にあり、いつでも塗布液66をスリットノズル20に供給できるようになっている。
最初に、ステージ6の表面に図示しないリフトピンを上昇させ、図示しないローダから基板Aがリフトピン上部に載置される。次にリフトピンを下降させて基板Aをステージ6上面に載置し、同時に吸着保持する。これと並行して塗布液供給装置40を稼働させて、スリットノズル20の吐出口30付近を完全に塗布液でみたす、すなわち初期化である清掃を行うために、あらかじめ決めていた量の塗布液66を、シリンジポンプ50からスリットノズル20に供給し、塗布液66をスリットノズル20からトレイ110に向かって吐出する。この時、拭取り部材120は、Y方向には吐出口30の下の位置にはないので、スリットノズル20の吐出口30から吐出された塗布液が降りかかることはない。塗布液66の供給停止後、駆動ユニット108を駆動して、拭取り部材120をY方向に移動させ、スリットノズル20の吐出口30より少し離れた開始位置まで移動させる。そして、スリットノズル20を下降させてスリットノズル20の吐出口面36とリップ斜面34A、Bに拭取り部材120を接触させた後、拭取り部材120をY方向に終点位置まで摺動させて、スリットノズル20の吐出口30付近となる吐出口面36とリップ斜面34A、BをY方向にわたって清掃する。清掃完了後、スリットノズル20を原点位置まで上昇させるとともに、拭取り部材120を摺動方向とは逆方向に移動させる。拭取り部材120が待機位置に到達したら、拭取りユニット100をX方向に移動させてもとの場所(図1の右端)に復帰させる。
拭取りユニット100が基台2の右端部に移動したのを確認したら、基板Aを載置したステージ6の移動を開始する。この時スリットノズル20は上下方向には、塗布が行われる位置よりも上方の原点位置にあり、一方シリンジポンプ50は停止して、待機している。そして基板Aが厚さセンサー90下を通過する時に基板厚さを測定し、基板Aの塗布開始部がスリットノズル20の吐出口30の真下に達したら、ステージ6を停止させる。この時、測定した基板Aの厚さデータを用い、上下昇降ユニット70を駆動して、スリットノズル20の吐出口面36と基板A間のすきま、すなわちクリアランスがあらかじめ定めた値になるようスリットノズル20を下降させて停止させる。スリットノズル20とステージ6が完全に停止した状態で、シリンジポンプ50のピストン54を所定速度で上昇させ、スリットノズル20から塗布液66を吐出してスリットノズル20と基板Aとの間にビードBを形成してから、ステージ6を所定速度でX方向に移動開始し、塗布液66の基板Aへの塗布を始めて、塗布膜Cを形成する。
そして基板Aの塗布終了位置より少し手前の位置がスリットノズル20の吐出口30の真下にきたら、ピストン54を停止させて塗布液66の供給を停止し、つぎに基板Aの塗布終了位置がスリットノズル20の吐出口30の真下に来たときに、上下昇降ユニット70を駆動して、スリットノズル20を上昇させる。これによって基板Aとスリットノズル20の間に形成されたビードBが断ち切られ、塗布が終了する。
そのあいだもステージ6は動作を継続し、終点位置にきたら停止し、基板Aの吸着を解除してリフトピンを上昇させて基板Aを持ち上げる。この時図示されないアンローダによって基板Aの下面が保持され、次の工程に基板Aを搬送する。基板Aをアンローダに受け渡したら、ステージ6はリフトピンを下降させ原点位置に復帰する。ステージ6の原点位置復帰後、拭取りユニット100を、トレイ110がスリットノズル20の吐出口30の下部に配置するよう移動させる。
移動完了後、吸引バルブ44を開、供給バルブ42を閉として、ピストン54を下降させて、塗布液66をシリンジ52内に充填する。充填完了後、ピストン54を停止させ、吸引バルブ44を閉、供給バルブ42を開として、次の基板Aが来るのを待ち、同じ動作をくりかえす。
図6を見ると、本発明になる別の清掃部材である拭取り部材150の概略斜視図が示されている。拭取り部材150は、拭取り部材120に底逃げ面152と斜め逃げ面154A、Bをさらに設けた他は、拭取り部材120と全く同じである。底逃げ面152は底面126と角度δ2を成して交わり、スリットノズル20の吐出口面36に相対した時に、スリットノズル20の吐出口面36からは離れる方向、すなわち下側に延びている。また底逃げ面152が底面126と交わる位置となる辺156は、底辺124から近接した位置におかれ、底辺124から底面126に沿って長さL5だけ離れている。なお底辺124で底面126と交わる端面は前面134となる。一方斜め逃げ面154A、Bはそれぞれ斜面128A、Bと角度δ1を成して交わり、スリットノズル20の両隣接面であるリップ斜面34A、Bと相対した時に、リップ斜面34A、Bからは離れる方向に延びている。また斜め逃げ面154A、Bがそれぞれ斜面128A、Bと交わる位置となる辺158A、Bは、それぞれ斜辺122A、Bから近接した位置におかれ、斜辺122A、Bから斜面128A、Bに沿って長さL6だけ最大離れている。なお斜辺122A、Bで斜面128A、Bと交わる端面は前面134となる。拭取り部材150の底辺124と斜辺122A、Bが清掃のためにスリットノズル20の吐出口面36とリップ斜面34A、Bにそれぞれ線接触する時に、吐出口面36と底逃げ面152間のすきまは吐出口面36と底面126間のすきまより大きくなるとともに、リップ斜面34A、Bと斜め逃げ面154A、B間のすきまもリップ斜面34A、Bと斜面128A、B間のすきまよりも大きくなる。したがって底辺124と斜辺122A、Bがそれぞれ吐出口面36とリップ斜面34A、Bと線接触しながら摺動して除去する塗布液が、底面126や斜面128A、Bとスリットノズル20の間で形成されるすきまを通過する時よりも、底逃げ面152や斜め逃げ面154A、Bとスリットノズル20の間で形成されるすきまを通過する時の方が流体抵抗が小さいので、容易にしかも早く短時間で通過することができる。そして底逃げ面152と斜め逃げ面154A、Bのスリットノズル20から除去された塗布液の通過する開始部となる辺156、158A、Bは、底辺124と斜辺122A、Bから近接した位置、すなわち長さL5とL6がそれぞれ1〜3mmとなる位置に配置されることが好ましい。これににより、前面134上の底辺124と斜辺122A、Bの線接触によりスリットノズル20から除去した塗布液は、底逃げ面152と斜め逃げ面154A、Bにすぐに案内されて容易にスリットノズル20から離れて落下するようになる。この結果、高速で清掃をしても除去された塗布液がスリットノズル20からすぐに離れるので、スリットノズル20に再付着することは皆無となる。長さL5とL6が1〜3mmの範囲より短いと底辺124、斜辺122A、Bの周囲の剛性が不足して線接触を維持し難くなる。逆にこの範囲より長いと除去した塗布液が底面126と斜面128A、Bを通過する長さが長くなり、塗布液がスリットノズル20から離れるの時間がかかり、高速で清掃する時にスリットノズル20から除去した塗布液がスリットノズル20に再付着してしまう。また角度δ1とδ2は好ましくは10〜60度、より好ましくは20〜50度とする。この範囲よりも小さいと、清掃時の底逃げ面152、斜め逃げ面154A、Bとスリットノズル20の吐出口面36とリップ斜面34A、B間で形成されるすきまが小さいために、スリットノズル20から除去した塗布液がスリットノズル20から離れるの時間がかかり、高速で清掃する時にスリットノズル20から除去した塗布液がスリットノズル20に再付着してしまう。またこの範囲よりも大きいと、拭取り部材150の剛性が低下して底辺124、斜辺122A、Bとスリットノズル20間の線接触を維持し難くなるとともに、甚だしい場合には清掃時の摺動による摩耗が促進されて、清掃部材150の使用寿命が低下してしまう。
なお本発明が適用できる塗布液としては粘度が1〜100mPaS、より望ましくは1〜50mPaSであり、ニュートニアンであることが塗布性から好ましいが、チキソ性を有する塗液にも適用できる。とりわけ溶剤に揮発性の高いもの、たとえばPGMEA、酢酸ブチル、乳酸エチル等を使用している塗布液を塗布するときに有効である。具体的に適用できる塗布液の例としては、上記にあげたカラーフィルター用のブラックマトリックス、RGB色画素形成用塗布液の他、レジスト液、オーバーコート材、柱形成材料等がある。基板である被塗布部材としてはガラスの他にアルミ等の金属板、セラミック板、シリコンウェハー等を用いてもよい。さらに塗布速度等の使用する塗布条件としては、塗布速度が10mm/s〜600mm/s、より好ましくは100mm/s〜300mm/s、清掃部材である拭取り部材120の摺動速度は300〜1000mm/s、スリットノズルのリップ間隙は50〜1000μm、より好ましくは80〜200μm、塗布厚さがウェット状態で1〜50μm、より好ましくは2〜20μmである。
以下、本発明の効果を実施例を用いて説明する。
実施例1
スリットノズル20は、吐出口30の長手方向長さが1100mm、スリット28の間隙が100μmで、基板に1100mm幅の塗布膜が形成できるものであった。このスリットノズルの吐出口面36の塗布方向の長さは0.6mm、スリットノズル20長手方向に見たリップ斜面34A、Bのなす角度γn(図3(a)参照)が90°であった。このような吐出口面とリップ斜面を有するスリットノズルの清掃部材として、図2で示される形状の拭取り部材120を用いた。この拭取り部材120は、図2を参照して、厚さT=5mm、斜面132A、Bと前面134とがなす角度φ=85°、斜辺122A、B間のなす角度γc=81.8°、底面126と前面134とがなす角度β=90°、底辺124の拭取り部材120長手方向(塗布方向と一致)の長さL1=0.6mm、斜辺122A、Bの鉛直線方向の長さL2=5mm、拭取り部材120の鉛直線方向の長さL3=20mm、拭取り部材120の長手方向の長さL4=25mmであり、拭取り部材120の長手方向の中央点に、長手方向に直交するように設けた鉛直面に対して面対称の形状であった。なお拭取り部材120はゴム硬度60°のエチレンプロピレンゴムを材料として使用し、上記の形状となるように金型成型により作成した。この拭取り部材120を、前面134が鉛直面に対して角度θ=30°傾くように、ホルダー112に取付た。この状態で拭取り部材120とスリットノズル20を接触させたときの、斜面128A、Bとリップ斜面34A、Bとがなす角度α1=7°、底面126と吐出口面36とがなす角度α2=30°であった。なお、スリットノズル20と拭取り部材120が接触する時は、バネ118の縮み量が2mmになる位置までスリットノズル20を下降させた。
次に清掃能力を評価するための塗布液としてカラーフィルター用のRed液を用いた。このRed液は粘度3mPasで、アクリル樹脂をバインダー、溶剤としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いた感光性のものであった。スリットコータ1のタンク64〜スリットノズル20までこのRed液を充填し、以下の清掃能力の評価を行った。
(1)評価1(普通条件での清掃能力評価)
スリットノズルから2000μLのRed液を吐出後、拭取り部材120をスリットノズル20に接触させ、Y方向に300mm/sの摺動速度で摺動させる。この動作を10回繰り返し、完了後に吐出口面36、リップ斜面34A、BにRed液が残存していないかを観察する。
(2)評価2(高速での清掃能力評価)
評価1で摺動速度を600mm/sにする他は、評価1と同じ評価を行う。
(3)評価3(摩耗と清掃能力の評価)
スリットノズルから2000μLのRed液を吐出後、拭取り部材120をスリットノズル20に接触させ、スリットノズル20の長手方向に600mm/sの摺動速度で摺動させる。この清掃を1000回繰り返す。清掃100回目、500回目、1000回目に吐出口面36、リップ斜面34A、BにRed液が残存していないかを観察する。
評価1、2を行った結果を表1に、評価3を行った結果を表2に示す。いずれもRed液の残存は観察されず、非常に良好であった。また、評価3の清掃1000回後に拭取り部材120を観察したところ、線接触する底辺124と斜辺122A、B、およびそれらの周辺にほとんど摩耗は観察されなかった。
Figure 0005071167
Figure 0005071167
比較例1
図4に示す形状の拭取り部材200を使用した。この拭取り部材は厚さ方向の中央部にスリットノズル20のリップ斜面34A、Bに線接触する斜辺202A、B、吐出口面36に線接触する底辺214を設けたものである。すなわち吐出口面36とリップ斜面34A、Bにそれぞれ線接触する底辺214および斜辺202A、Bは同一平面内にあるが、拭取り部材200の厚さ方向の端部にある端面である前面206には含まれていない。この拭取り部材200の形状寸法は、厚さT=5mm、斜辺202A、Bを含む2つの面である斜面210A、Bと斜面212A、Bとがなす角度φc=90°、斜面210A、Bと前面206とがなす角度、ならびに斜面212A、Bと後面208とがなす角度η=135°、斜辺202A、B間のなす角度γc=81.8°、底斜面204Aと前面206とがなす角度、及び底斜面204Bと後面208とがなす角度β=135°(図4では角度βは、前面206に含まれる一点鎖線の鉛直線と底斜面204との間になす角度として図示されている)、底辺214の拭取り部材200長手方向(塗布方向と一致)の長さL1=0.6mm、斜辺202A、Bの鉛直線方向の長さL2=5mm、拭取り部材200の鉛直線方向の長さL3=20mm、拭取り部材200の長手方向の長さL4=25mmであった。そして、拭取り部材200の長手方向の中央点に、長手方向に直交するように設けた鉛直面に対して面対称の形状であるとともに、厚さ方向の中央点に、厚さ方向に直交するように設けた鉛直面に対しても面対称の形状であった。なお拭取り部材200はゴム硬度60°のエチレンプロピレンゴムを材料として使用し、上記の形状となるように金型成型により作成した。この拭取り部材200の前面206が鉛直面に対して角度θ=30°傾くように、ホルダー112に取付た。この状態で拭取り部材200の斜辺202A、B、底辺214とスリットノズル20を接触させたときの、斜面212A、Bとリップ斜面34A、Bとがなす角度α1=47°、吐出口面36と底斜面204Bのなす角度α2=75°であった。拭取り部材200を使用する他は、実施例1と全く同じスリットノズルと条件を使用して清掃能力の評価を行った。結果を表1、2に示す。摺動速度が300mm/sの時、600mm/sの時も同じようにRed液の残存はなく良好で、高速にしても清掃能力が高かった。しかし清掃500回では吐出口面36、リップ斜面34A、BともにRed液が少し残存し、清掃1000回では吐出口面36、リップ斜面34A、Bとも多くのRed液が残存した。1000回の清掃を終了した拭取り部材200を観察したところ、底辺214、斜辺202A、Bとも摩耗して摺動方向に0.5mmの長さを有する面が形成されており、評価3の繰り返し清掃の最後には面接触になっていることがわかった。線接触する底辺214および斜辺202A、Bが拭取り部材200の厚さ方向の端部にある端面である前面206に含まれない、厚さ方向の中央部で出っ張っている形状のために、線接触部の摩耗量が多かった。
比較例2
図5に示す形状の拭取り部材300を使用した。この拭取り部材300は、前面306が鉛直面内に有るとき、すなわち角度θ=0の時は、底面304と斜面308A、Bはスリットノズル20の吐出口面36とリップ斜面34A、Bに各々平行に形成されている。そして前面306を鉛直面に対して角度θ=30°傾けてホルダー112に取り付けることで、底辺304、斜辺302A、Bが各々、吐出口面36、リップ斜面34A、Bにそれぞれ線接触するようにしたものである。
ここで底辺304、斜辺302A、Bは、拭取り部材300の厚さ方向の端部にある端面である前面306内に含まれている。この拭取り部材300の寸法形状は、厚さT=5mm、斜面308A、Bと前面306とがなす角度φ=90°、斜辺302A、B間のなす角度γc=81.8°、底面310と前面306とがなす角度β=85°(図5では角度βは、前面306に含まれる一点鎖線の鉛直線と底面310との間になす角度として図示されている)、底辺304の拭取り部材300長手方向(塗布方向と一致)の長さL1=0.6mm、斜辺302A、Bの鉛直線方向の長さL2=5mm、拭取り部材300の鉛直線方向の長さL3=20mm、拭取り部材300の長手方向の長さL4=25mmであり、拭取り部材300の長手方向の中央点に、長手方向に直交するように設けた鉛直面に対して面対称の形状であった。なお拭取り部材300はゴム硬度60°のエチレンプロピレンゴムを材料として使用し、上記の形状となるように金型成型により作成した。この拭取り部材300の前面306が鉛直面に対して角度θ=30°傾くように、ホルダー112に取付た。この状態で拭取り部材300の底辺304、斜辺302A、Bと、スリットノズル20の吐出口面36、リップ斜面34A、Bと接触させたときの、斜面308A、Bとリップ斜面34A、Bとのなす角度α1=3°、底面310と吐出口面36とがなす角度α2=35°であった。拭取り部材300を使用する他は、実施例1と全く同じスリットノズルと条件を使用して清掃能力の評価を行った。結果を表1、2に示す。摺動速度が300mm/sの時はRed液の残存なく良好であったが、600mm/sの時にはリップ斜面34A、BにRed液はわずかながらではあるが残存し、高速にすると清掃能力が低下した。また評価3で、清掃500回ではそれまでの残存塗布液の蓄積があったためにリップ斜面34にRed液が少し残存したが、吐出口面36にはRed液の残存はなかった。同じ評価3の清掃1000回ではさらに多くのRed液がリップ斜面34A、Bに残存し、吐出口面36にもわずかながらRed液が残存した。1000回の清掃を終了した拭取り部材300を観察したところ、底辺304は少し磨耗してごく小さな面が形成されていたが、斜辺302A、Bはわずかしか磨耗していないために線状は維持されており、見た目はまだ使用できる摩耗量のレベルであった。
実施例2
スリットコータ1を用いてカラーフィルターを製造した。
スリットノズルと拭取り部材には、実施例1に示すものを使用した。この拭取り部材を使用したスリットノズルの清掃は、いずれの塗布液に対しても、清掃前のスリットノズルからの塗布液の吐出量1000μL、摺動速度600mm/sの条件にて、毎回の塗布前に必ず行った。
最初に、1100×1300mmで厚さ0.7mmの無アルカリガラス基板を洗浄後に、基板短辺側をスリットノズル長手方向として、ブラックマトリックス塗布液を厚さ10μm、スリットノズルと基板との間のクリアランス150μmで150mm/sにて塗布した。なおこの時塗布したブラックマトリックス塗布液には、チタン酸窒化物を遮光材、アクリル樹脂をバインダー、PGMEAを溶剤にそれぞれ用い、固形分濃度を10%、粘度を4mPaSに調整した感光性のものを用いた。なお塗布のタクトタイムは60秒であった。さて、塗布した基板は30秒で65Paに到達する真空乾燥を60秒行ってから、100℃のホットプレートで10分間さらに乾燥した。ついで露光・現像・剥離を行った後、230度のホットプレートで30分加熱して、キュアを行い、基板の幅方向にピッチが254μm、基板の長手方向にピッチが85μm、線幅が15μmとなる格子形状で、厚さが1μmとなるブラックマトリックス膜を作成した。なお、乾燥後の格子模様形成前の状態で塗布厚さを測定し、膜厚精度Uを端部10mmを除く領域でU=(最大値−最小値)/(2×平均値)×100(%)で算出したところ、基板走行方向、幅方向とも3%以下であった。
次にウェット洗浄後、R色用塗布液を厚さ20μm、スリットノズルと基板との間のクリアランス150μm、塗布速度150mm/sで塗布をした。R色用塗布液はアクリル樹脂をバインダー、PGMEAを溶媒、ピグメントレッド177を顔料にして固形分濃度10%で混合し、さらに粘度を5mPaSに調整した感光性のものであった。20μmの塗布膜を塗布した基板は、30秒で65Paに到達する真空乾燥を60秒行ってから、100℃のホットプレートで10分間さらに乾燥した。ついで露光・現像・剥離を行って、R画素部にのみ厚さ2μmのR色塗布膜を残し、230度のホットプレートで30分加熱して、キュアを行なった。つづいてブラックマトリックス、R色の塗布膜を形成した基板に、G色用塗布液を厚さ20μm、スリットノズルと基板との間のクリアランス150μm、塗布速度150mm/sで塗布をした。20μmの塗布膜を塗布した基板は、30秒で65Paに到達する真空乾燥を60秒行ってから、100℃のホットプレートで10分間さらに乾燥した。ついで露光・現像・剥離を行って、G色画素部にのみ厚さ2μmのG色塗布膜を残し、230度のホットプレートで30分加熱して、キュアを行なった。さらにブラックマトリックス、R色、G色の塗布膜を形成した基板に、B色用塗布液を厚さ20μm、スリットノズルと基板との間のクリアランス150μm、塗布速度150mm/sで塗布をした。20μmの塗布膜を塗布した基板は、30秒で65Paに到達する真空乾燥を60秒行ってから、100℃のホットプレートで10分間さらに乾燥した。ついで露光・現像・剥離を行って、B色画素部にのみ厚さ2μmのB色塗布膜を残し、230度のホットプレートで30分加熱して、キュアを行なった。なお、G色用塗布液はR色用塗布液で顔料をピグメントグリーン36にして固形分濃度10%で粘度を5mPaSに調整したもの、B色用塗布液にはR色用塗布液で顔料をピグメントブルー15にして固形分濃度10%で粘度を5mPaSに調整したものであった。R、G、B色塗布時のタクトタイムはいずれも60秒であった。なお、塗布品位は各色とも申し分のないものであり、膜厚分布についても乾燥後、各色とも測定し、膜厚精度Uを端部10mmを除く領域でU=(最大値−最小値)/(2×平均値)×100(%)で算出したところ、基板走行方向、幅方向とも3%以下と良好であった。
そして最後にITOをスパッタリングで付着させた。この製造方法にて、1000枚のカラーフィルターを作成した。得られたカラーフィルターは、基板端部から10mmをのぞいた製品領域で塗布むらがなく、色度も均一であり、パーティクル欠点等の清掃が起因する欠点もなく、品質的に申し分ないものであった。さらに、このカラーフィルターをTFTアレイを形成した基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧しながら160℃で90分間加熱して、シール剤を硬化させた。このセルに液晶注入を行った後、紫外線硬化樹脂により液晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2枚のガラス基板の外側に貼り付け、さらに、得られたセルをモジュール化して、液晶ディスプレイを完成させた。得られた液晶ディスプレイは色濃度が均一でパーティクル欠点もなく、品質的に申し分ないものであった。
本発明に係る清掃装置を含む塗布装置であるスリットコータ1の概略正面図である。 清掃部材である拭取り部材120の概略斜視図である。 拭取り部材120とスリットノズル20先端面との係合状況を示す概略図である。 比較例1に使用した拭取り部材200の概略斜視図である。 比較例2に使用した拭取り部材300の概略斜視図である。 別の拭取り部材150の概略斜視図である。
符号の説明
1 スリットコータ
2 基台
4 ガイドレール
6 ステージ
10 支柱
20 スリットノズル(塗布器)
22 フロントリップ
24 リアリップ
26 マニホールド
28 スリット
30 吐出口
32 シム
34A、B リップ斜面
36 吐出口面
40 塗布液供給装置
42 供給バルブ
44 吸引バルブ
46 フィルター
50 シリンジポンプ
52 シリンジ
54 ピストン
56 本体
60 供給ホース
62 吸引ホース
64 タンク
66 塗布液
68 圧空源
70 上下昇降ユニット
72 モータ
74 ガイド
76 ボールネジ
78 昇降台
80 吊り下げ保持台
90 厚さセンサー
92 支持台
94 制御装置
96 操作盤
100 拭取りユニット
102 台車
104 ブラケット
106 スライダー
108 駆動ユニット
110 トレイ
112 ホルダー
114 押さえ板
116 ガイド
118 バネ
120 拭取り部材
122A、B 斜辺
124 底辺
126 底面
128A、B 斜面
132A、B 上辺
134 前面
150 拭取り部材
152 底逃げ面
154A、B 斜め逃げ面
156 辺
158A、B 辺
200 拭取り部材
202A、B 斜辺
204A、B 底斜面
206 前面
208 後面
210A、B 斜面
212A、B 斜面
214 底辺
300 拭取り部材
302A、B 斜辺
304 底辺
306 前面
308A、B 斜面
310 底面
A 基板(被塗布部材)
B ビード
C 塗布膜
L1、L2、L3、L4、L5、L6 拭取り部材の各部の長さ
T1 拭取り部材の厚さ
α1 斜面とリップ斜面34A、Bとがなす角度
α2 底面と吐出口面36とがなす角度、または底斜面と吐出口面36とがなす角度
β 底面と前面とがなす角度、または底斜面と前面とがなす角度
γc 斜辺間の角度
γn スリットノズルのリップ斜面34A、Bのなす角度
δ1 斜め逃げ面154A、Bのそれぞれが斜面128A、Bとなす角度
δ2 底逃げ面152と底面126がなす角度
φ 前面と斜面とがなす角度
φc 斜面210A、Bと斜面212A、Bとがなす角度
θ 拭取り部材120の前面134の鉛直面に対する傾き角度
η 斜面210A、Bと前面206とがなす角度、ならびに斜面212A、Bと後面2 08とがなす角度

Claims (5)

  1. 一方向に延在する吐出口を有した塗布器の該吐出口が存在する吐出口面およびその両隣接面に接触しながら、該塗布器の長手方向に摺動して、該塗布器の吐出口面及びその両隣接面を清掃する清掃部材であって、該清掃部材は、該塗布器の吐出口面に線接触する底辺と、吐出口面の両隣接面に線接触しかつ該底辺の両端に連なる2つの斜辺と、を有し、該底辺と2つの斜辺は該清掃部材の厚さ方向端部にある端面内に存在すると共に、2つの斜辺をそれぞれ介して隣り合う該清掃部材の端面と該清掃部材の面とがなす角度が共に80°以上90°未満あり、該清掃部材の厚さと、前記斜面の厚さ方向の長さとは同一であり、かつ、該清掃部材は、ゴム硬度50〜90°の弾性を有することを特徴とする清掃部材。
  2. 前記底辺で端面と交わる底面に対して底辺から近接した位置で交わるとともに前記塗布器の吐出口面からは離れる方向に延びる底逃げ面と、前記2つの斜辺で端面とそれぞれ交わる2つの斜面に対して2つの斜辺から近接した位置でそれぞれ交わるとともに前記塗布器の両隣接面からは離れる方向に延びる2つの斜め逃げ面と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の清掃部材。
  3. 一方向に延在する吐出口を有した塗布器の該吐出口が存在する吐出口面およびその両隣接面に清掃部材を接触させながら、該塗布器の長手方向に摺動させて、該塗布器の吐出口面及びその両隣接面を清掃する塗布器の清掃方法であって、清掃部材として請求項1または2に記載の清掃部材を用い、該塗布器の吐出口面およびその両隣接面に線接触する清掃部材の3辺よりも清掃部材の摺動方向の前方にあって該塗布器の吐出口面およびその両隣接面にそれぞれ相対しかつ該3辺をそれぞれ含む3つの面と該塗布器の吐出口面およびその両隣接面とがなす角度をそれぞれ5〜30°にして清掃を行うことを特徴とする塗布器の清掃方法。
  4. 一方向に延在する吐出口を有した塗布器と、該塗布器の該吐出口が存在する吐出口面およびその両隣接面に接触しながら摺動して清掃を行う清掃部材と、清掃部材の保持体と、清掃部材と保持体を塗布器の吐出口面およびその両隣接面に塗布器の長手方向に摺動させる移動手段と、を有する塗布器の清掃装置であって、清掃部材が請求項1または2に記載の清掃部材であり、該塗布器の吐出口面およびその両隣接面に線接触する清掃部材の3辺よりも清掃部材の摺動方向の前方にあって該塗布器の吐出口面およびその両隣接面にそれぞれ相対しかつ該3辺をそれぞれ含む3つの面と該塗布器の吐出口面およびその両隣接面とがなす角度がそれぞれ5〜30°になるように該保持体に清掃部材が取り付けられていることを特徴とする塗布器の清掃装置。
  5. 請求項3に記載の塗布器の清掃方法を用いてディスプレイ用部材を製造することを特徴とするディスプレイ用部材の製造方法。
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