JP6939730B2 - 離型フィルムおよびフレキシブルプリント回路基板の製造方法 - Google Patents

離型フィルムおよびフレキシブルプリント回路基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、離型フィルムおよびフレキシブルプリント回路基板の製造方法に関する。
離型フィルムは、一般的に、成型品を製造する際や異なる材料を貼り合わせた積層体を製造する際に使用される。かかる離型フィルムは、例えば、回路が露出したフレキシブルフィルム(以下「回路露出フィルム」とも称する)に接着剤を介してカバーレイフィルム(以下「CLフィルム」とも称する)を加熱プレスにより接着してフレキシブルプリント回路基板(以下「FPC」とも称する)を作製する際に用いられる。
例えば、特許文献1には、ポリブチレンテレフタレートを含む離型層と、ポリブチレンテレフタレートとエチレン・メタクリル酸メチル共重合体を含む組成物からなるクッション層とを積層した離型フィルムが開示されている。
特開2015−58691号公報
しかしながら、近年離型フィルムの各種特性について要求される技術水準は、ますます高くなっている。特許文献1に開示される離型フィルムでは、離型性および追従性を両立させるという観点において、なお改善の余地があった。また、耐熱性の観点でも、なお改善の余地があった。
本発明の第1の課題は、離型性および追従性を高度なバランスで得られる離型フィルムを提供することにある。
また、本発明の第2の課題は、上記高度なバランスを維持しつつ、さらに良好な耐熱性が得られる離型フィルムを提供することにある。
本発明によれば、
一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む(ただし、酸変性ポリエチレンを含む場合を除く)、離型フィルムが提供される。
また、本発明によれば、
一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にポリプロピレンを含むクッション層を有する離型フィルムであって、以下の条件を満たす、離型フィルムが提供される。
条件:当該離型フィルムの加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C1において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP1(mJ/mg)とし、前記DSC曲線C1を得た後、当該示差走査熱量計内の温度が25℃となるように50℃/分で冷却し、再度、加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C2において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP2(mJ/mg)とした時、P1とP2の値の比(P1/P2)が、1より大きい。
また、本発明によれば、
カバーレイフィルムの表面に、上記の離型フィルムの前記第1の離型層が接するように配置する工程と、
前記カバーレイフィルムと前記離型フィルムとをともに加熱プレスする工程と、
前記離型フィルムを、前記カバーレイフィルムから剥離する工程と、
を含む、フレキシブルプリント回路基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、離型性および追従性を高度なバランスで得られる離型フィルムを提供できる。
また、本発明によれば、良好な耐熱性を得つつ、離型性および追従性を高度なバランスで得られる離型フィルムを提供できる。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
本実施形態に係る離型フィルムの一例の縦断面図である。 本実施形態に係る離型フィルムの一例の縦断面図である。 本発明の実施の形態に係る離型フィルムの製造装置の一例を示す図である。 本実施形態に係る離型フィルムの使用方法の一例を示す図である。 本実施形態に係る離型フィルムを使用してCLフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるときの加熱プレスの加熱パターンの一例を示す図である。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る離型フィルムは、一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、上記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む。
(積層構造)
離型フィルム100の積層構造は、例えば、第1の離型層と、当該第1の離型層上にクッション層とを備えれば限定されない。
離型フィルム100の積層構造は、例えば、2層以上の離型層(第1離型層及び第2離型層)を含んでもよい。
離型フィルム100の積層構造としては、例えば、図1に示されるように、離型層110と、その上に積層されたクッション層120とから構成されていてもよい。
また、離型フィルム100の積層構造としては、例えば、図2に示されるように、図2に示されるように、第1離型層110a、クッション層120、第2離型層110bがこの順に積層し、第1離型層110aおよび第2離型層110bが離型フィルム100Aの外面を形成していてもよい。
また、離型フィルム100は、接着層(プライマー層)、ガスバリア層等を有する4層、5層等の4層以上の構成であってもよい。この場合、接着層、ガスバリア層としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。
離型フィルム100の厚みは、良好な離型性と追従性を得る観点から、例えば、25〜300μmであることが好ましい。
以下、離型フィルム100の層それぞれについて詳述する。
(離型層)
離型層110は、離型フィルム100の一方の外面を形成している。離型層110の厚みは、例えば、10μm以上40μm以下であることが好ましい。前記下限値以上とすることにより良好な離型性を示し、前記上限値以下とすることで良好な埋め込み性を発揮することができる。
離型層110は、(A)熱可塑性樹脂材料から形成される。ここで、(A)熱可塑性樹脂材料は、例えば、熱可塑性樹脂を含む。
(A)熱可塑性樹脂材料が含む熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、およびポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂といったポリエステル系樹脂を主成分とする樹脂を含むことが好ましい。なかでも離型性および追従性のバランスを高度に制御する観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂を含むことが好ましい。
PBT樹脂としては、具体的には、ポリブチレンテレフタレート単独重合体、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体が挙げられる。PBT樹脂として具体的に入手可能なものとしては、例えば、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社から商品名ノバデュラン(登録商標)(NOVADURAN(登録商標))として市販されている。
また、(A)熱可塑性樹脂材料が含む熱可塑性樹脂としては、例えば、上記ポリエステル樹脂に加えて、エラストマー樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル、およびポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)を含むことが好ましい。なお、これらの樹脂は、単独または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記エラストマー樹脂としては、例えば、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレン、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、またはエチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオレフィン系ゴム、もしくはブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MBS)、メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SBR)、メチルメタアクリレート−ブチルアクリレート−シロキサン等のシロキサン含有コアシェルゴム等のコアシェルタイプの粒子状弾性体、またはこれらを変性したゴム等が挙げられる。
上記ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体(例えば、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体等)等が挙げられる。
上記ポリスチレン系樹脂としては、例えば、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、高耐衝撃ポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレン−メタアクリル酸・グリシジルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレ−フマル酸共重合体等が挙げられる。
上記ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン(登録商標)6、ナイロン(登録商標)6,6等が挙げられる。
さらに、(A)熱可塑性樹脂材料には、各種機能を付与するために各種の添加剤、例えば、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、核剤、帯電防止剤、プロセスオイル、可塑剤、離型剤、難燃剤、難燃助剤、顔料等が配合されてもよい。
以下、代表成分について説明する。
(アンチブロッキング剤)
上記アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子または有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA族、IIA族、IVA族、VIA族、VIIA族、VIIIA族、IB族、IIB族、IIIB族、IVB族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、並びにそれらを中心とする複合化合物及び天然鉱物粒子等が挙げられる。
アンチブロッキング剤として用いられる無機粒子の具体的な例としては、フッ化リチウム、ホウ砂(ホウ酸ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物;炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、フッ化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、亜リン酸カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウム、水酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、フッ化カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸バリウム、リン酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸バリウム等のIIA族元素化合物;二酸化チタン(チタニア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等のIVA族元素化合物;二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリブデン等のVIA族元素化合物;塩化マンガン、酢酸マンガン等のVIIA族元素化合物;塩化コバルト、酢酸コバルト等のVIII族元素化合物;ヨウ化第一銅等のIB族元素化合物;酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物;酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム、アルミナシリケート(ケイ酸アルミナ、カオリン、カオリナイト)等のIIIB族元素化合物;酸化ケイ素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーボン、グラファイト、ガラス等のIVB族元素化合物;カーナル石、カイナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱等の天然鉱物の粒子等が挙げられる。
アンチブロッキング剤として用いられる有機粒子としては、テフロン(登録商標)、メラミン系樹脂、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、アクリル系レジンシリコーン及びそれらの架橋体等が挙げられる。
上述の無機粒子や有機粒子の平均粒径は0.1〜10μmであるのが好ましく、添加量は0.01〜15重量%であるのが好ましい。
これらのアンチブロッキング剤は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、2−[(1−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートなどが挙げられる。これらの酸化防止剤は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
核剤としては、アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)等のカルボン酸の金属塩、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウム等のリン酸の金属塩、タルク、フタロシアニン誘導体等が挙げられる。これらの核剤は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
可塑剤としては、ポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
離型剤としては、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等が挙げられる。これらの離型剤は単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
本実施形態に係る離型剤としては、例えば、モンタン酸エステルワックスなどの長鎖カルボン酸エステルを含まないことが好ましい。これにより、FPCの成形の際に、離型剤がFPCに付着することを抑制できる。したがって、モンタン酸エステルワックスなどの長鎖カルボン酸エステルを含まない場合、FPCに回路を形成する際に、メッキがFPCに蒸着しなくなることを抑制できる。
また、長鎖カルボン酸エステルの形状としては、例えば、微粒子形状のものを用いないことがより好ましい。これにより、離型フィルム100の外面を平滑にすることができ、離型性、追従性をさらに向上できる。
プロセスオイルとしては、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルが挙げられる。これらの中でもn−d−M法で算出されるパラフィン(直鎖)に関わる炭素数が、全炭素数に対する百分率で、60%Cp以上のパラフィン系オイルが好ましい。
プロセスオイルの粘度は、40℃での動粘度が15〜600csであるのが好ましく、15〜500csであるのがさらに好ましい。また、プロセスオイルの添加量は、離型層110の形成樹脂100重量部に対して0.01〜1.5重量部であるのが好ましく、0.05〜1.4重量部であるのがより好ましく、0.1〜1.3重量部であるのがさらに好ましい。これらのプロセスオイルは、単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、本実施形態に係る離型フィルム100が第1離型層110a及び第2離型層110bといった複数の離型層を備える場合、例えば、複数の離型層は、互いに同じ(A)熱可塑性樹脂材料から形成されてもよいし、異なる(A)熱可塑性樹脂材料から形成されてもよい。
なお、第1離型層110aと、第2離型層110bといった複数の離型層の厚みは、例えば、互いに同じであってもよく、また異なるものであってもよい。
例えば、第2離型層110bが第1離型層110aと異なる材料から形成される場合、第2離型層110bとしては、例えば、PET樹脂、PBT樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン、1,4メチルペンテン、およびシンジオタクチックポリスチレン(SPS)などを用いて形成されることが好ましい。
(クッション層)
クッション層120は、例えば、離型層110上に積層されている。クッション層120は、加熱プレス時の圧力および熱を対象物に均一に伝え、対象物表面の形状に密着し、追従させるために用いられる。
クッション層120は、柔軟性を有する樹脂を用いることが好ましく、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む。これらの成分(B1)と、成分(B2)と、成分(B3)の含有比{(B1):(B2):(B3)}は、5〜50:5〜50:20〜70であることが好ましく、10〜50:10〜50:30〜60であることがより好ましい。これら成分(B1)〜(B3)を組み合わせることにより、プレス時のクッション層の流出を抑制させるとともに良好な回路パターンへ追性させることができる。さらには、高温で熱プレスを行った場合でも、耐汚染性を良好に保持し、離型性および追従性を高度なバランスで得ることができる。このような成分(B1)〜(B3)を組み合わせることによって、耐汚染性、離型性および追従性を両立できることは、本発明者が初めて見出したものである。特に、当該成分(B1)〜(B3)の組み合わせにより、高温プレス時においても耐汚染性を保持しつつ、離型性および追従性を両立できるという従来技術では得られなかった効果を得ることができる。
上記成分(B1)のポリブチレンテレフタレートとしては、上記離型層110で述べたPBT樹脂と同様のものと用いることができる。成分(B1)と離型層110とは、同一の成分または組成であってもよく、また互いに異なっていてもよい。
上記成分(B2)のポリプロピレンとしては、公知のもの、即ちホモタイプ、ランダムタイプ、ブロックタイプのポリプロピレン樹脂が使用可能である。成分(B2)により、例えば190〜200℃といった高温でのプレスによっても、離型性、及び追従性のバランスを良好に保持することができる。すなわち、従来の離型フィルムは、高温で熱プレスしようとすると当該離型フィルムの弾性率が小さくなるため、FPCなどの表面凹凸への埋め込み性が良くなる一方で、離型性が低下する傾向があった。また、クッション層が流出しやすくなり、これにより電子機器が汚染されるという問題があった。これに対し、本発明の離型フィルムによれば、所定量のポリプロピレンを組み合わせることで、高温での熱プレスを行っても、耐汚染性を良好に保持し、離型性と追従性のバランスを高度に保持できる。
また成分(B2)のポリプロピレンのメルトフローレートMFR[測定方法:JIS K7210、測定条件 加熱温度:230℃、荷重:21.18N]は、0.5g/10min以上2.5g/10min以下であることが好ましい。前記下限値以上とすることで良好な回路パターンへの追従性を示し、前記上限値以下とすることでクッション層120の流出を防ぐことができる。
上記成分(B3)のエチレン−メタアクリル酸メチル共重合体としては、メタアクリル酸メチルから誘導される単位を5重量%以上20重量%以下含有するものが好ましい。メタアクリル酸メチルから誘導される単位を前記下限値以上とすることで良好な回路パターンへの追従性を示しつつ良好な離型性を保持し、前記上限値以下とすることでクッション層120の端部からの流出を防ぐことができる。
クッション層120は、上記成分(B1)〜(B3)に加えて、例えば、さらにゴム成分を含んでもよい。ゴム成分としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、アミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー等の熱可塑性エラストマー材料、天然ゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム等のゴム材料等が挙げられる。
クッション層120には、上記成分(B1)〜(B3)に加えて、例えば、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、染料および顔料等の着色剤、安定剤等の添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤をさらに含有させてもよい。
なお、クッション層120を形成する方法としては、例えば、空冷または水冷インフレーション押出法、Tダイ押出法等の公知の方法が挙げられる。
クッション層120の厚さは、好ましくは、30μm以上100μm以下であり、より好ましくは、40μm以上90μm以下であり、最も好ましくは、50μm以上70μm以下である。クッション層120の厚さが上記下限値以上である場合には、離型フィルム100のクッション性が低下することを抑制できる。クッション層120の厚さが上記上限値以下である場合には、離型性の低下を抑制することができる。
<離型フィルムの製造方法>
本実施形態に係る離型フィルム100は、共押出法や押出ラミネート法等の方法で製造することができる。
以下、第1の離型層と、当該第1の離型層上にクッション層とを備える離型フィルムの製造方法を一例として説明する。
共押出法では、フィードブロック、マルチマニホールドダイを使用して離型層110とクッション層120とを同時に押し出すことにより離型フィルム100を製造する。なお、共押出法では、ダイス210を通過した融解物Mは、図3に示されるように、第1ロール230に誘導され、第1ロール230から脱離するまでの間に第1ロール230により冷却され、離型フィルム100となる。その後、その離型フィルム100は、第2ロール240によりフィルム送り方向(図3の矢印参照)下流側に送られ、最終的に巻取ロール(図示せず)に巻き取られる。なお、このとき、第1ロール230の温度は30〜100℃であるのが好ましく、第2ロール240に対する第1ロール230の周速比は0.990〜0.998であるのが好ましい。なお、必要に応じて、第1ロール近傍にタッチロールを配設してもかまわない。
押出しラミネート法では、押出機シリンダーの温度を225〜250℃に設定して離型層110を押出し、その離型層110をクッション層120と合流させることにより離型層110とクッション層120とを積層して離型フィルム100を製造する。なお、押出しラミネート法では、ダイス210を通過した離型層形成樹脂の融解物Mは、図3に示されるように、第1ロール230に誘導され、第1ロール230から脱離するまでの間に第1ロール230により冷却されて離型層フィルムFとなる。その後、その離型層フィルムFは、第2ロール240によりフィルム送り方向(図3の矢印参照)下流側に送られる。そして、フィルム送り方向下流側に送られた離型層フィルムFに、クッション層120を形成する樹脂ブレンド物の溶融物(図示せず)が合流させられて離型層フィルムFと一体化され、離型フィルム100が製造される。なお、このようにして製造された離型フィルム100は、さらにフィルム送り方向下流側に設けられる巻取ロール(図示せず)に巻き取られる。なお、このときも、第1ロール230の温度は30〜100℃であるのが好ましく、第2ロール240に対する第1ロール230の周速比は0.990〜0.998であるのが好ましい。なお、必要に応じて、第1ロール近傍にタッチロールを配設してもかまわない。
<成型品の製造方法>
次に、本実施形態の成型品の製造方法の一例について説明する。成型品としては、例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPC)が挙げられる。
フレキシブルプリント回路基板の製造方法は、カバーレイフィルムの表面に、上記の離型フィルム100の離型層110が接するように配置する工程と、カバーレイフィルムと離型フィルム100とをともに加熱プレスする工程と、離型フィルム100を、カバーレイフィルムから剥離する工程と、を含む。すなわち、離型フィルム100は、フレキシブルフィルム上に形成された回路を保護するため、当該回路に対してカバーレイフィルムを加熱プレスして密着させる際に、カバーレイとプレス機との間に、介在させて使用される。
より具体的には、図4に示されるように、回路露出フィルムとCLフィルムとが接着剤により仮止めされたもの340を、離型フィルム100の離型層110が対向するように挟み込んだ後、テフロン(登録商標)シート330、ゴムクッション320及びステンレス板310で順次挟み込まれ、熱盤300でプレスする(図4の白抜矢印参照)。これにより、回路露出フィルムにCLフィルムが密着したフレキシブルプリント回路基板が得られる。
なお、熱盤300による加熱方法としては、図5に示される通りである。つまり、熱盤300は、加圧を開始してから15分で常温から195℃まで昇温された後、35分間その温度に維持される。その後、熱盤300は、50分かけて195℃から常温まで冷却される。また、熱盤300による加圧は、0分の時点で開始され、100分の時点で開放される。プレス圧力は、5〜15MPaで適宜調節される。
<離型フィルムの用途>
本発明に係る離型フィルム100は、プレスセットの作業性を良好にすることができると共に、FPC等の良品率を高めることができるという特徴を有し、加圧プレスによる回路露出フィルムへのCLフィルム接着時にCLフィルムを回路パターンの凹凸部に密着させるためにカバーレイフィルムを包むように用いられる離型フィルムとして特に有用である。
離型フィルムとしては他に(1)積層板製造時に用いられるもの、(2)先端複合材料製品製造時に用いられるもの、(3)スポーツ・レジャー用品製造時に用いられるものが知られているが、離型フィルム100は、これらの離型フィルムとしても有用である。
なお、(1)の積層板製造時に用いられる離型フィルムとは、多層プリント基板を製造する際のプレス成形において、プリント基板とセパレータープレート又は他のプリント基板との間の接着を防止するためにそれらの間に介在させるフィルムである。また、(2)の先端複合材料製品製造時に用いられる離型フィルムとは、例えば、ガラスクロス,炭素繊維又はアラミド繊維とエポキシ樹脂からなるプリプレグを硬化させて種々の製品を製造する際に用いられるフィルムである。また、(3)のスポーツ・レジャー用品製造時に用いられる離型フィルムとは、例えば、釣り竿、ゴルフクラブのシャフト、ウィンドサーフィンのポール等の製造において、プリプレグを円筒状に巻いてオートクレーブ中で硬化させる際にそのプリプレグの上に巻かれるフィルムである。
離型フィルム100は、その他、粘着テープ、両面テープ、マスキングテープ、ラベル、シール、ステッカー、皮膚貼付用湿布剤等の用途にも有用である。
さらに、離型フィルム100は、プリント回路基板やセラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化粧板等の製造時に用いられる工程フィルムとしても有用である。
なお、ここでいう工程フィルムとは、プリント基板やセラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化粧板等を製造する時、金属板同士や樹脂同士が接着してしまわないように、成形工程時に該金属板同士の間や樹脂同士の間に挟み込まれるフィルムをいい、特に積層板製造時、フレキシブルプリント基板製造時、先端複合材料製品製造時、スポーツ・レジャー用品製造時に好適に用いられるものである。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る離型フィルムは、一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にポリプロピレンを含むクッション層を有する離型フィルムであって、以下の条件を満たす。
条件:当該離型フィルムの加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C1において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP1(mJ/mg)とし、前記DSC曲線C1を得た後、当該示差走査熱量計内の温度が25℃となるように50℃/分で冷却し、再度、加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C2において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP2(mJ/mg)とした時、P1とP2の値の比(P1/P2)が、1より大きい。
以下、第2の実施形態に係る離型フィルムについて詳細に説明するが、上述した第1の実施形態との相違点を中心に説明する。説明の無い事項については、第1の実施形態と同様とすることができる。
ここで当該条件のP1(mJ/mg)とはいわゆる1stRUNで吸熱ピーク面積から算出される熱量(mJ/mg)であり、P2(mJ/mg)とはいわゆる2ndRUNで得られた吸熱ピーク面積から算出される熱量(mJ/mg)である。ここで、一般に示差走査熱量測定においては、1stRUNで融点以上まで加熱されることで分子がバラバラになり、結晶化していない状態になるため、2ndRUNでは、物質そのものの熱特性が得られることが知られている。
本発明においては、140℃以上170℃以下の温度範囲において、離型フィルム100における(P1/P2)を1より大きいものに制御することによって、適度な追従性が得られると共に、離型フィルム使用時におけるクッション層120の染みだしを抑制し、離型性および耐熱性を向上させることができる。かかるメカニズムの詳細は明らかではないが、離型フィルム100における1stRUNのP1を、2ndRUNのP2よりも高くすることによって、離型フィルム100のクッション層120内の分子の結晶化度を高めることができ、これにより、離型フィルム100の剛性を高められ、その結果、適度な追従性とともに、クッション層120の染み出しを抑制し、良好な離型性および耐熱性が得られることが推測される。また、離型フィルム100が加熱プレスに使用される際、140〜170℃において結晶化し、その後、140〜170℃においてFPCからはがされることで、より良好な離型性を得ることができる。
なお、本発明の離型フィルム100における耐熱性とは、加熱プレスによっても軟化が抑制され、離型フィルム100にシワが発生しにくくなることを意図する。これにより、離型フィルム100を用いて作製させるFPCへのシワ発生が抑制され、外観を良好にできる。
また、(P1/P2)の上限値は特に限定されないが、適度な追従性を得る観点から、3以下であることが好ましい。
なお、本発明における(P1/P2)は、示差走査熱量計(DSC)を用い次の手順で測定された値をいう。
すなわち、先ず、離型フィルム100を形成する材料及び基準物質を示差走査熱量計内に供給し、加熱速度5℃/分で250℃まで昇温し、50℃/分の速度で250℃から25℃まで降温させる(1stRUN)。その後、再び加熱速度5℃/分で250℃まで昇温し、50℃/分の速度で250℃から25℃まで降温させる(2ndRUN)。得られたDSC曲線の140〜170℃における吸熱ピークから、融解熱量(mJ/mg)を算出する。
離型フィルム100が上記の条件を満たすためには、本発明者は、従来とは異なる製法上の工夫が必要であることを見出した。具体的には、次の条件を適切に組み合わせ、調整することが重要となる。
(i)離型フィルム100の材料の選択および組み合わせ
(ii)離型フィルム100の成膜条件
上記(i)の離型フィルム100の材料は、後述する離型層110およびクッション層120のそれぞれの材料を選択し、組み合わせることが重要となる。なかでも、クッション層120の材料は、後述する材料を組み合わせ、材料に応じた適切な配合量を調整することがより重要となる。そして上記(i)に加え、上記(ii)の離型フィルムの成膜条件を制御することで上記の条件を満たすことができるようになる。
上記の(ii)離型フィルム100の成膜条件としては、例えば、成膜温度、押出速度、冷却処理条件などの因子が挙げられる。例えば、離型フィルム100を形成する樹脂材料の種類に応じた成膜温度、押出速度を設定し、冷却処理の有無を検討する。冷却処理を行う場合には、さらに、冷却処理手法の選択、冷却温度、冷却処理速度等の各因子を組み合わせて制御する。なお、通常、後述する手法で成膜された離型フィルム100は、タッチロールまたはエアナイフを用いて冷却した金属ロールに圧着させてから巻き取られる。この冷却した金属ロールに圧着させる際の温度を制御してもよい。また、冷却温度は、50℃を越え90℃以下の温度とすることが好ましく、冷却処理速度は、50℃/s以上60℃/s以下とすることが好ましい。
(クッション層)
第2の実施形態では、第1の実施形態と異なりクッション層がポリプロピレンを含有すればよい。
クッション層120を形成する樹脂材料としては、上記ポリプロピレンに加え、例えば、ポリプロピレン以外のα−オレフィン系重合体、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、メチルペンテン等を重合体成分として有するα−オレフィン系共重合体、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド等のエンジニアリングプラスチックス系樹脂が挙げられる。これらは、単独であるいは複数併用しても構わない。
中でも、α−オレフィン系共重合体が好ましい。このα−オレフィン系共重合体としては、エチレン等のα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸との共重合体、およびそれらの部分イオン架橋物等が挙げられる。
さらに、良好なクッション機能、耐汚染性、離型性および耐熱性を得る観点から、ポリプロピレンを単独で用いたもの、ポリプロピレンとα−オレフィン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体との混合物、または、ポリプロピレンとポリブチレンテレフタレートとの混合物、ポリプロピレンと1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートとの混合物が好ましい。
なかでも、高温での離型性、追従性および耐熱性を得る観点から、ポリプロピレンとエチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)との混合物、ポリプロピレンとポリブチレンテレフタレートとエチレン−メチルメタクリレート共重合体との混合物、ポリプロピレンとポリブチレンテレフタレートとエチレンとの混合物などがより好ましい。
なお、第2の実施形態に係るクッション層120には、第1の実施形態に係るクッション層と同様に、ゴム成分、酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、染料および顔料等の着色剤、安定剤等の添加剤、フッ素樹脂、シリコンゴム等の耐衝撃性付与剤、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク等の無機充填剤を含有させてもよい。
<離型フィルムの製造方法>
第2の実施形態に係る離型フィルム100は、上述したように、本発明の所定の条件を満たすべく、成膜条件が制御される。離型フィルム100の形成方法としては、共押出法、押出ラミネート法、ドライラミネート法、インフレーション法等公知の方法を用いて製造することができる。また、離型フィルムが多層構造の場合、離型層、クッション層の各層を、別々に製造してからラミネーター等により接合してもよいが、空冷式または水冷式共押出インフレーション法、共押出Tダイ法で成膜することが好ましい。なかでも、共押出Tダイ法で成膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。また、離型層110と、クッション層120とをそのまま接合してもよいし、接着層を介して接合してもよい。
共押出法では、フィードブロック、マルチマニホールドダイを使用して離型層110とクッション層120とを同時に押し出すことにより離型フィルム100を製造する。なお、共押出法では、ダイス210を通過した融解物Mは、図3に示されるように、第1ロール230に誘導され、第1ロール230から脱離するまでの間に第1ロール230により冷却され、離型フィルム100となる。その後、その離型フィルム100は、第2ロール240によりフィルム送り方向(図3の矢印参照)下流側に送られ、最終的に巻取ロール(図示せず)に巻き取られる。なお、このとき、第1ロール230の温度は30〜100℃であるのが好ましく、第2ロール240に対する第1ロール230の周速比は0.990〜0.998であるのが好ましい。なお、必要に応じて、第1ロール近傍にタッチロールを配設してもかまわない。
押出しラミネート法では、押出機シリンダーの温度を225〜250℃に設定して離型層110を押出し、その離型層110をクッション層120と合流させることにより離型層110とクッション層120とを積層して離型フィルム100を製造する。なお、押出しラミネート法では、ダイス210を通過した離型層形成樹脂の融解物Mは、図3に示されるように、第1ロール230に誘導され、第1ロール230から脱離するまでの間に第1ロール230により冷却されて離型層フィルムFとなる。その後、その離型層フィルムFは、第2ロール240によりフィルム送り方向(図3の矢印参照)下流側に送られる。そして、フィルム送り方向下流側に送られた離型層フィルムFに、クッション層120を形成する樹脂ブレンド物の溶融物(図示せず)が合流させられて離型層フィルムFと一体化され、離型フィルム100が製造される。なお、このようにして製造された離型フィルム100は、さらにフィルム送り方向下流側に設けられる巻取ロール(図示せず)に巻き取られる。なお、このときも、第1ロール230の温度は30〜100℃であるのが好ましく、第2ロール240に対する第1ロール230の周速比は0.990〜0.998であるのが好ましい。なお、必要に応じて、第1ロール近傍にタッチロールを配設してもかまわない。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 一方の面に、(A)熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、
前記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む、離型フィルム。
2. 前記クッション層における、成分(B1)と、成分(B2)と、成分(B3)の含有比{(B1):(B2):(B3)}が、5〜50:5〜50:20〜70である、1.に記載の離型フィルム。
3. 前記エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)が、メタアクリル酸メチルから誘導される単位を5質量%以上20質量%以下含有する、1.または2.に記載の離型フィルム。
4. 前記第1の離型層がポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む、1.乃至3.いずれか一つに記載の離型フィルム。
5. 前記離型フィルムの他方の面に、第2の熱可塑性樹脂材料からなる第2の離型層をさらに有し、前記第1の離型層、前記クッション層、および前記第2の離型層の順に積層される、1.乃至4.いずれか一つに記載の離型フィルム。
6. カバーレイフィルムの表面に、1.乃至5.のいずれか一つに記載の離型フィルムの前記第1の離型層が接するように配置する工程と、
前記カバーレイフィルムと前記離型フィルムとをともに加熱プレスする工程と、
前記離型フィルムを、前記カバーレイフィルムから剥離する工程と、
を含む、フレキシブルプリント回路基板の製造方法。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にポリプロピレンを含むクッション層を有する離型フィルムであって、以下の条件を満たす、離型フィルム。
条件:当該離型フィルムの加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C1において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP1(mJ/mg)とし、前記DSC曲線C1を得た後、当該示差走査熱量計内の温度が25℃となるように50℃/分で冷却し、再度、加熱速度5℃/分として示差走査熱量計で測定して得られたDSC曲線C2において、140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量をP2(mJ/mg)とした時、P1とP2の値の比(P1/P2)が、1より大きい。
2. 前記第1の離型層がポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む、1.に記載の離型フィルム。
3. 前記クッション層が、α−オレフィン共重合体を含む、1.または2.に記載の離型フィルム。
4. 前記離型フィルムの他方の面に、第2の熱可塑性樹脂材料からなる第2の離型層をさらに有する、1.乃至3.いずれか一つに記載の離型フィルム。
5. カバーレイフィルムの表面に、1.乃至4.のいずれか一つに記載の離型フィルムの前記第1の離型層が接するように配置する工程と、
前記カバーレイフィルムと前記離型フィルムとをともに加熱プレスする工程と、
前記離型フィルムを、前記カバーレイフィルムから剥離する工程と、
を含む、フレキシブルプリント回路基板の製造方法。
以下、本発明を実施例および比較例により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〜4、比較例1〜3〕
まず、実施例1〜4、比較例1〜3の離型フィルムを作製し、評価を行った。以下に詳細を説明する。
(実施例1)
<離型フィルムの製造>
(1)第1離型層の原料
第1離型層の原料として、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体(ポリブチレンテレフタレート構成単位/ポリテトラメチレングリコール構成単位 90重量部/10重量部)(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製のノバデュラン(登録商標)5505S)を用いた。
(2)クッション層の原料
クッション層の原料としては、ポリブチレンテレフタレート(表1においてPBTと示す。)(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製社製、品名5505S)を10重量%、ポリプロピレン(表1においてPPと示す。)(住友化学株式会社製、ノーブレン(登録商標)FH1016:MFR0.5g/10min)を50重量%、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:5.8重量%、表1においてEMMA1と示す。)(住友化学株式会社製、アクリフト(登録商標)WD106)を40重量%用いた。
(3)第2離型層の原料
第2離型層の原料は、第1離型層と同じ原料を用いた。
<離型フィルムの作製>
共押出法を利用して、クッション層の表裏に第1離型層および第2離型層を有する離型フィルム(図2参照)を作製した。
なお、具体的には、フィードブロック、マルチマニホールドダイを使用してポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体、変性ポリエチレン、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体とポリプロピレンのブレンド品およびポリプロピレンを同時に押し出して離型フィルムを作製した。なお、この際、図3に示される装置を用いたが、第1ロール230の温度は30℃であった。
この離型フィルムの第1離型層の厚みは30μmであり、クッション層の厚みは60μmであり、第2離型層の厚みは30μmであった。
(実施例2)
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
(実施例3)
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
(実施例4)
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更し、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:20重量%、表1においてEMMA2と示す。)(住友化学株式会社製、アクリフト(登録商標)WH206−F)を30重量%用いた以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
(比較例1)
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
(比較例2)
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
(比較例3)
クッション層のPBT、PP、EMMA1の配合量を表1に示すものに変更した以外は、実施例1と同様に離型フィルムを作製した。
得られた離型フィルムを用い、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
・離型性
まず、回路露出フィルムの表面に対して、有沢製作所製のカバーレイ(CEAタイプ)の接着剤がコーティングされている側の面が接触するように上記カバーレイを仮止めした試験フィルムを作製した。次に、離型フィルムにおける第1離型層の第1離型面が、上記試験フィルムのカバーレイを有する側の面と対向するように互いを貼り合わせたものを試験片として得た。次に、この試験片について、195℃、3MPaの条件で2分間の熱プレス処理を施した後、引っ張り試験機(エーアンドデイ社製Force gauge AD−4932A−50N)を用いて、180°方向に約1000mm/分の速度で、上記離型フィルムの第1離型層の第1離型面と、上記試験フィルムのカバーレイとの間を剥離させて剥離強度(N/50mm)を測定した。なお、剥離強度が高すぎると、試験片または離型フィルムのいずれかが破損し、適切な測定が行えなかった。
剥離強度(N/50mm)は、小さいさいほど離型性が優れていることを示す。
・高温追従性(接着剤の染み出し)
ポリイミドフィルムとエポキシ樹脂系接着剤層からなる有沢製作所製のカバーレイ(CEAタイプ)を用いた。このカバーレイフィルムにはプリント配線基材の端子部分に相当する窓が打ち抜かれており、打ち抜き部の大きさは50mm×50mmである。
このカバーレイフィルムと厚さ50μmの銅箔を重ね合わせ、さらにカバーレイフィルム側に離型フィルムの第1離型層の表面が重なるようにして、加熱プレス機にセットした。195℃、3MPa、2分間の条件で加熱プレスし、プレス板を開放し冷却した後、離型フィルムをカバーレイフィルムが接着した銅箔から離型させた。
カバーレイフィルムの端縁部から染み出したエポキシ樹脂系接着剤の染み出し部のエポキシ接着剤成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。測定はカバーレイフィルムの端縁部の4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を「カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ(μm)」とした。
カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ(μm)は、短いほど追従性が良好なことを示す。
・耐汚染性
離型フィルム(大きさ70mm×70mm)と厚さ50μmの銅箔(大きさ100mm×100mm)を重ね合わせ、更に、その外側にアルミ板とSUS板で挟みこみ、加熱プレス機にセットした。195℃、3MPa、2分間の条件で加熱プレスし、プレス圧を解放し冷却した後、離型フィルム端部から染み出したクッション層成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。
測定は離型フィルムの4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を多層離型フィルム端部からのクッション層成分の染み出し長さ(μm)とした。
離型フィルム端部からのクッション層成分の染み出し長さ(μm)は、短いほど汚染が少なく耐汚染性に優れていることを示す。
Figure 0006939730
上記表1に示す通り、実施例1〜4の離型フィルムは、比較例1〜3の離型フィルムと比べて、離型性及び追従性を高度なバランスで向上できることが確認された。
・メッキ付性
また、実施例1〜4の離型フィルムを用いて、メッキ付性を評価した。
JPCA規格の6.3.4項のめっきの外観(必要メッキ面積の90%以上にメッキが付いているものを良品)に準拠して、離型フィルムを用いて作製したFPC100個に対するメッキ付性を評価した。評価基準は、以下の○×とした。
○:必要メッキ面積の90%以上にメッキが付いている良品の数が、100個中98個以上であった。
×:必要メッキ面積の90%以上にメッキが付いている良品の数が、100個中98個未満であった。
評価の結果、実施例1〜4の離型フィルムは、いずれもメッキ付性の評価結果が「○」であることが確認された。
〔実施例5〜6、比較例4〜5〕
次いで、実施例5〜6、比較例4〜5の離型フィルムを作製し、評価を行った。以下に詳細を説明する。
(実施例5)
<離型フィルムの製造>
(1)第1離型層の原料
第1離型層の原料として、ポリブチレンテレフタレート(PBT:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、品名5505S)を用いた。
(2)クッション層の原料
クッション層の原料としては、ポリブチレンテレフタレート(表2中「PBT」:三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、品名5505S)を20重量%、ポリプロピレン(表2中「PP」:住友化学株式会社製、ノーブレン(登録商標)D101:MFR0.5g/10min)を20重量%、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(表2中「EMMA」:メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:5.8重量%)(住友化学株式会社製、アクリフト(登録商標)WD106)を60重量%用いた。
(3)第2離型層の原料
第2離型層の原料として、第1離型層と同じ原料を用いた。
<離型フィルムの作製>
共押出法を利用して、クッション層の表裏に第1離型層および第2離型層を有する離型フィルム(図2参照)を作製した。
なお、具体的には、フィードブロック、マルチマニホールドダイを使用してポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体、変性ポリエチレン、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体とポリプロピレンのブレンド品およびポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコールブロック共重合体を同時に押し出して離型フィルムを作製した。なお、この際、図3に示される装置を用いたが、ライン速度は45m/min、第1ロール230の温度は90℃であった。
この離型フィルムの第1離型層の厚みは25μmであり、クッション層の厚みは65μmであり、第2離型層の厚みは30μmであった。
(実施例6)
クッション層の原料として、ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、品名5505S)を20重量%、ポリプロピレン(住友化学株式会社製、ノーブレン(登録商標)FS2011DG2:MFR2.5g/10min)を20重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合体ポリエチレンテレフタレート(表2中「PETG」:SKchemicals.製、SKYGREEN PETG S2008)を60重量%用いた以外は、実施例5と同様にして、離型フィルムを得た。
(比較例4)
クッション層の原料として、ポリブチレンテレフタレート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製、品名5505S)を20重量%、エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(メタアクリル酸メチル誘導単位含有量:5.8重量%)(住友化学株式会社製、アクリフト(登録商標)WD106)を80重量%用いた以外は、実施例5と同様にして、離型フィルムを得た。
(比較例5)
実施例5のライン速度を30m/min、第1ロール230の温度を30℃とした以外は、実施例5と同様にして、離型フィルムを得た。
得られた実施例5〜6、比較例4〜5の離型フィルムを用い、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
・示差走査熱量計(DSC)による測定
離型フィルム100を形成する材料及び基準物質を示差走査熱量計内に供給し、加熱速度5℃/分で250℃まで昇温し、50℃/分の速度で250℃から25℃まで降温させた(1stRUN)。その後、再び加熱速度5℃/分で250℃まで昇温し、50℃/分の速度で250℃から25℃まで降温させ(2ndRUN)、DSC曲線を得た。得られたDSC曲線から、1stRUNでの140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量P1(mJ/mg)を算出し、2ndRUNでの140℃以上170℃以下の温度範囲におけるポリプロピレン由来の吸熱ピークから得られる融解熱量P2(mJ/mg)を算出した。
・離型性
まず、回路露出フィルムの表面に対して、有沢製作所製のカバーレイ(CEAタイプ)の接着剤がコーティングされている側の面が接触するように上記カバーレイを仮止めした試験フィルムを作製した。次に、離型フィルムにおける第1離型層の離型面が、上記試験フィルムのカバーレイを有する側の面と対向するように互いを貼り合わせたものを試験片として得た。次に、この試験片について、195℃、3MPaの条件で2分間の熱プレス処理を施した後、引っ張り試験機(エーアンドデイ社製Force gauge AD−4932A−50N)を用いて、180°方向に約1000mm/分の速度で、上記離型フィルムの第1離型層の離型面と、上記試験フィルムのカバーレイとの間を剥離させて剥離強度(N/50mm)を測定した。なお、剥離強度が高すぎると、試験片または離型フィルムのいずれかが破損し、適切な測定が行えなかった。
剥離強度(N/50mm)は、小さいほど離型性が優れていることを示す。
・高温追従性(接着剤の染み出し)
ポリイミドフィルムとエポキシ樹脂系接着剤層からなる有沢製作所製のカバーレイ(CEAタイプ)を用いた。このカバーレイフィルムにはプリント配線基材の端子部分に相当する窓が打ち抜かれており、打ち抜き部の大きさは50mm×50mmである。
このカバーレイフィルムと厚さ50μmの銅箔を重ね合わせ、さらにカバーレイフィルム側に離型フィルムの第1離型層の表面が重なるようにして、加熱プレス機にセットした。195℃、3MPa、2分間の条件で加熱プレスし、プレス板を開放し冷却した後、離型フィルムをカバーレイフィルムが接着した銅箔から離型させた。
カバーレイフィルムの端縁部から染み出したエポキシ樹脂系接着剤の染み出し部のエポキシ接着剤成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。測定はカバーレイフィルムの端縁部の4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を「カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ(μm)」とした。
カバーレイフィルムの接着剤の染み出し長さ(μm)は、短いほど追従性が良好なことを示す。
・耐汚染性
離型フィルム(大きさ70mm×70mm)と厚さ50μmの銅箔(大きさ100mm×100mm)を重ね合わせ、更に、その外側にアルミ板とSUS板で挟みこみ、加熱プレス機にセットした。195℃、3MPa、2分間の条件で加熱プレスし、プレス圧を解放し冷却した後、離型フィルム端部から染み出したクッション層成分の長さをフィルム面上部から光学顕微鏡で観察し測定した。
測定は離型フィルムの4辺に対し各辺2点ずつ測定し、これらの平均値を多層離型フィルム端部からのクッション層成分の染み出し長さ(μm)とした。
離型フィルム端部からクッション層成分の染み出し長さ(μm)は、短いほど汚染が少なく耐汚染性に優れていることを示す。
・耐熱性(外観シワ)
上記の離型フィルムの離型性の評価において、離型フィルムを剥離した後の試験片(FPC)表面のシワの個数を確認した。
シワが少ないほど、FPCの外観が優れていることを示す。
Figure 0006939730
上記表2に示す通り、実施例5〜6の離型フィルムは、比較例4〜5の離型フィルムと比べて、良好な耐熱性を得つつ、離型性および追従性を高度なバランスで得られることが確認された。なお、比較例5は、実施例5〜6と比べて劣るものの、離型性及び追従性を高度なバランスで向上できる離型フィルムであった。
この出願は2017年3月22日に出願された日本出願特願2017−55928、2017年3月30日に出願された日本出願特願2017−67273を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。

Claims (9)

  1. 一方の面に、熱可塑性樹脂材料からなる第1の離型層を有し、当該第1の離型層上にクッション層を有する離型フィルムであって、
    前記クッション層が、(B1)ポリブチレンテレフタレート(PBT)、(B2)ポリプロピレン、及び(B3)エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)を含む(ただし、酸変性ポリエチレンを含む場合を除く)、離型フィルム。
  2. 前記クッション層における、成分(B1)と、成分(B2)と、成分(B3)の含有比{(B1):(B2):(B3)}が、5〜50:5〜50:20〜70である、請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 前記エチレン−メタアクリル酸メチル共重合体(EMMA)が、メタアクリル酸メチルから誘導される単位を5質量%以上20質量%以下含有する、請求項1または2に記載の離型フィルム。
  4. 前記熱可塑性樹脂材料は離型剤であるモンタン酸エステルワックスを含まない、請求項1乃至3の離型フィルム。
  5. 前記第1の離型層の最外面は、平滑である、請求項1乃至4の離型フィルム。
  6. 前記熱可塑性樹脂材料がポリブチレンテレフタレート(PBT)を含む、請求項1乃至5いずれか一項に記載の離型フィルム。
  7. 前記離型フィルムの他方の面に、第2の熱可塑性樹脂材料からなる第2の離型層をさらに有し、前記第1の離型層、前記クッション層、および前記第2の離型層の順に積層される、請求項1乃至6いずれか一項に記載の離型フィルム。
  8. 当該離型フィルムは、フレキシブルプリント回路基板の成形に用いられる、請求項1乃至7の離型フィルム。
  9. カバーレイフィルムの表面に、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の離型フィルムの前記第1の離型層が接するように配置する工程と、
    前記カバーレイフィルムと前記離型フィルムとをともに加熱プレスする工程と、
    前記離型フィルムを、前記カバーレイフィルムから剥離する工程と、
    を含む、フレキシブルプリント回路基板の製造方法。
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