JP2004051688A - 接着用樹脂組成物及び積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記成分(A)〜(D)を含む、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを接着するための樹脂組成物。シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層1とポリオレフィン系樹脂層2を、この組成物からなる接着層3で接着させた積層体20は、層間が剥離しにくく、離型フィルム等のフィルム、シートとして有用である。
(A)シンジオタクチックポリスチレン 20〜50wt%
(B)ポリオレフィン 20〜70wt%
(C)スチレン系エラストマー 2〜20wt%
(D)相容化剤 2〜20wt%
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを接着するための樹脂組成物に関する。さらに、本発明は、その樹脂組成物を含む積層体に関し、特に、包材用途及び工業用フィルム、シート分野に用いる積層体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
シンジオタクチックポリスチレン又はシンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物を、ポリオレフィン又はポリオレフィン系樹脂組成物と多層押出成形する際、又はポリオレフィン基材上に押出ラミネーションする際、シンジオタクチックポリスチレンとポリオレフィンとの密着性がもともと低いことにより層間で剥離が起る。特に、離型用途では、被着材(ウレタン、エポキシ)の剥離時、シンジオタクチックポリスチレン層とポリオレフィン層との密着が弱いと、この層間で剥離がおきてしまい、実用上問題がある。
また、複数の樹脂による多層押出の際、レオロジー特性(流動性)が大きく異なる樹脂同士では、合流部で各樹脂層の剪断速度が違うため、界面の不安定化による波打ち、ひだ状の界面荒れが発生し、ひどい場合には表面に凹凸が発生する場合もあり、成形品外観及び物性低下を引き起こす。
【0003】
本発明は、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との接着に適した樹脂組成物及び積層体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様によれば、下記成分(A)〜(D)を含む、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを接着するための樹脂組成物が提供される。
(A)シンジオタクチックポリスチレン 20〜50wt%
(B)ポリオレフィン 20〜70wt%
(C)スチレン系エラストマー 2〜20wt%
(D)相容化剤 2〜20wt%
【0005】
本発明の第二の態様によれば、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層と、ポリオレフィン系樹脂層と、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層の間に、上記の樹脂組成物からなる接着層とを含む積層体が提供される。
【0006】
本発明の第三の態様によれば、積層体が対向する第1の表層及び第2の表層を有し、第1の表層としてシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を、第2の表層としてポリオレフィン系樹脂層を含み、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層の間に、上記の樹脂組成物からなる接着層がある積層体が提供される。
【0007】
本発明の第四の態様によれば、積層体が対向する第1の表層及び第2の表層を有し、第1の表層としてシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を、第2の表層としてポリオレフィン系樹脂層を含み、第1及び第2の表層の間に中間層として、一層以上の、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層及び/又はポリオレフィン系樹脂層を含み、少なくとも1つの、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層の間に、上記の樹脂組成物からなる接着層がある積層体が提供される。
【0008】
本発明の第五の態様によれば、積層体が対向する第1の表層及び第2の表層を有し、第1の表層としてシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を、第2の表層としてシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を含み、第1及び第2の表層の間に中間層として、一層以上の、ポリオレフィン系樹脂層、又はポリオレフィン系樹脂層とシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を含み、少なくとも1つの、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層の間に、上記の樹脂組成物からなる接着層がある積層体が提供される。
【0009】
本発明の第六の態様によれば、上記の積層体を二軸延伸してなるフィルムが提供される。
【0010】
本発明の第七の態様によれば、上記の積層体からなる離型フィルムが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の樹脂組成物について説明する。
下記成分(A)〜(D)を含む本発明の樹脂組成物は、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂とを接着するために用いることができる。
(A)シンジオタクチックポリスチレン 20〜50wt%
(B)ポリオレフィン 20〜70wt%
(C)スチレン系エラストマー 2〜20wt%
(D)相容化剤 2〜20wt%
この樹脂組成物は、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂の双方との密着性に優れる。
【0012】
シンジオタクチックポリスチレン(A)は、樹脂組成物中に、20〜50wt%、好ましくは30〜50wt%含まれる。含有率が20wt%未満になると、表層のシンジオタクチックポリスチレン系層との密着性が不十分となる。一方、50wt%を超えると、ポリオレフィン系層との密着性が不十分となる。
【0013】
シンジオタクチックポリスチレン(A)は、シンジオタクチック構造を有するスチレン系重合体である。ここで、シンジオタクチック構造とは、炭素−炭素結合から形成される主鎖に対して、側鎖のフェニル基が、交互に反対方向に位置した立体構造を意味する。
【0014】
シンジオタクチックポリスチレン(A)のタクティシティーは、同位体炭素による核磁気共鳴法(13C−NMR)により定量される。タクティシティーは、連続する複数個の構成単位の存在割合、例えば、2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができる。
本発明で用いるシンジオタクチックポリスチレン(A)は、通常、ラセミダイアッドで75%以上、好ましくは85%以上、又はラセミペンタッドで30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有する。
【0015】
シンジオタクチックポリスチレン(A)としては、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン、ポリ(メチルスチレン)、ポリ(エチルスチレン)、ポリ(イソピルスチレン)、ポリ(ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(フェニルスチレン)、ポリ(ビニルナフタレン)、ポリ(ビニルスチレン)等のポリ(アルキルスチレン);ポリ(クロロスチレン)、ポリ(ブロモスチレン)、ポリ(フルオロスチレン)等のポリ(ハロゲン化スチレン);ポリ(クロロメチルスチレン)等のポリ(ハロゲン化アルキルスチレン);ポリ(アルコキシスチレン)としては、ポリ(メトキシスチレン)、ポリ(エトキシスチレン)等のポリ(アルコキシスチレン)、ポリ(ビニル安息香酸エステル)、これらの水素化重合体及びこれらの混合物、又はこれらを主成分とする共重合体が挙げられる。
【0016】
これらのうち、特に好ましくは、シンジオタクチック構造を有するポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(m−メチルスチレン)、ポリ(p−ターシャリーブチルスチレン)、ポリ(p−クロロスチレン)、ポリ(m−クロロスチレン)、ポリ(p−フルオロスチレン)、水素化ポリスチレン及びこれらの構造単位を含む共重合体である。
【0017】
このようなシンジオタクチックポリスチレン(A)は、例えば、不活性炭化水素溶媒中又は溶媒の不存在下に、チタン化合物及び水とトリアルキルアルミニウムの縮合生成物を触媒として、スチレン系単量体(上記スチレン系重合体に対応する単量体)を重合することにより製造することができる(特開昭62―187708号公報)。また、ポリ(ハロゲン化アルキルスチレン)については特開平1−46912号公報、これらの水素化重合体については特開平1−178505号公報記載の方法等により得ることができる。
【0018】
さらに、スチレン系共重合体におけるコモノマーとしては、上記のスチレン系重合体のモノマーのほか、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン等のオレフィンモノマー、ブタジエン、イソプレン等のジエンモノマー、環状ジエンモノマーやメタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリロニトリル等の極性ビニルモノマー等を挙げることができる。
【0019】
特に、スチレン繰返し単位が80〜100モル%、p−メチルスチレン繰返し単位が0〜20モル%からなるスチレン系重合体が好ましく用いられる。
このスチレン系重合体の分子量については特に制限はないが、質量平均分子量が50,000〜500,000のものが好ましく、とりわけ150,000〜300,000のものがさらに好ましい。質量平均分子量が50,000未満であると、積層体の力学物性が不充分になる場合がある。さらに、分子量分布についてはその広狭は制約がなく、様々なものを充当することが可能であるが、質量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.0〜3.0のものが好ましい。
【0020】
ポリオレフィン(B)は、樹脂組成物中に、20〜70wt%、好ましくは20〜60wt%、より好ましくは20〜40wt%含まれる。含有率が20wt%未満になると、ポリオレフィン系層との密着性が不十分となる。一方、70wt%を超えると、表層(シンジオタクチックポリスチレン系層)との密着性が不十分となる。
【0021】
ポリオレフィン(B)としては、例えば、直鎖状高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ポリブテン、1,2−ポリブタジエン、ポリ4−メチルペンテン、環状ポリオレフィン及びこれらの共重合体が挙げられる。このうち、好ましくは各種のポリエチレン及びポリプロピレンである。
【0022】
スチレン系エラストマー(C)は、樹脂組成物中に、2〜20wt%、好ましくは5〜20wt%含まれる。含有率が2wt%未満になると、ポリオレフィン層との密着性が不十分となる。一方、20wt%を超えると、エストラマーの粘度がシンジオタクチックポリスチレンに比べ高いため、シンジオタクチックポリスチレン系層との共押出が困難となる。
【0023】
スチレン系エラストマー(C)としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。これらの中でも、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が特に好ましい。
【0024】
相容化剤(D)は、樹脂組成物中に、2〜20wt%、好ましくは5〜20wt%含まれる。含有率が2wt%未満になると、ポリオレフィン及びエストラマーの分散が不十分となる。一方、20wt%を超えると、シンジオタクチックポリスチレン系層と共押出が困難となる。
【0025】
本発明で用いる相溶化剤(D)とは、スチレン構造を含む共重合体であって、分子中にスチレン構造を40モル%以上、好ましくは50モル%以上含む重合体である。スチレン構造が40モル%未満の重合体は、いわゆるゴム状弾性体に該当し、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオレフィン及びスチレン系エラストマーの相互の結びつきを高め、積層体にしたときの力学物性を一層向上させる相溶化剤としての機能を果たさない。
【0026】
相溶化剤(D)の具体例としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)等が挙げられる。これらはいずれもスチレン構造を50モル%以上含む重合体である。これらの中でも、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が特に好ましい。
【0027】
本発明の樹脂組成物は、コーンプレート型レオメーターを用いて300℃で測定したとき、剪断速度6.31s−1で発生する第一法線応力が、好ましくは20,000Pa以下、より好ましくは10,000Pa以下である。
第一法線応力を20,000Pa以下とすることで、通常使用するシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層又はポリオレフィン系樹脂層を多層化するとき、界面で発生する応力差を低く押さえて、界面不安定現象が起きるのを防止しやすくなる。
本発明の樹脂組成物は、上記の各成分を溶融混練することにより得られる。
【0028】
本発明の樹脂組成物は、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂との密着性が高い。従って、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層を含む積層体を形成するとき、本発明の樹脂組成物を用いて、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層に対する接着層を形成できる。
シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層は、シンジオタクチックポリスチレン又はシンジオタクチックポリスチレンを含む樹脂組成物からなる層である。
シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物は、通常、シンジオタクチックポリスチレンを20wt%以上含む。この組成物の例として、シンジオタクチックポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー、相溶化剤を含む組成物が挙げられる。好ましい組成は、シンジオタクチックポリスチレン50wt%以上、熱可塑性樹脂又は熱可塑性エラストマー30wt%以下、相溶化剤10wt%以下である。
【0029】
この層に含まれるシンジオタクチックポリスチレンとしては、上述したシンジオタクチックポリスチレンを使用できる。
シンジオタクチックポリスチレン以外の熱可塑性樹脂としては、上述したポリオレフィン、アタクチックポリスチレン、アイソタクチックポリスチレン、HIPS、ABS、AS、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸・グリシジルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸・アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−フマル酸共重合体等のポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6等のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル、PPS等公知のものから任意に選択して用いることができる。これら中でも、ポリオレフィン系樹脂、特にポリエチレンやポリプロピレンが好ましい。尚、これらの熱可塑性樹脂は、一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
熱可塑性エラストマーとしては、上述したスチレン系エラストマー、天然ゴム、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ネオプレン(登録商標)、ポリスルフィドゴム、チオコールゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、エチレンプロピレンゴム(EPM)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、直鎖状低密度ポリエチレン系エラストマー等のオレフィン系ゴム、ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(ABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MBS)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−スチレン−コアシェルゴム(MAS)、オクチルアクリレート−ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(MABS)、アルキルアクリレート−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン−コアシェルゴム(AABS)、ブタジエン−スチレン−コアシェルゴム(SBR)、メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−シロキサン等のシロキサン含有コアシェルゴム等のようなコアシェルタイプの粒子状弾性体、及びこれらを変性したゴム等が挙げられる。これらの中でも、スチレン系エラストマーが特に好ましい。
相溶化剤としては、上記の相溶化剤を使用できる。
【0030】
また、本発明の樹脂組成物を用いて接着されるポリオレフィン系樹脂層は、ポリオレフィン又はポリオレフィンを含む樹脂組成物からなる層である。
ポリオレフィン系樹脂組成物は、通常、ポリオレフィンを70wt%以上含む。この組成物の例として、ポリプロピレンと炭酸カルシウムの組成物が挙げられる。
ポリオレフィンとしては、上述したものを使用できる。
【0031】
本発明の樹脂組成物、並びにシンジオタクチックポリスチレン及びポリオレフィンを主成分とする層には、本発明の効果を損なわない範囲で、以下に示す添加剤を加えることができる。
【0032】
(1)アンチブロッキング剤(AB剤)
アンチブロッキング剤としては、以下のような無機粒子又は有機粒子が挙げられる。無機粒子としては、IA族、IIA族、IVA族、VIA族、VIIA族、VIII族、IB族、IIB族、IIIB族、IVB族元素の酸化物、水酸化物、硫化物、窒素化物、ハロゲン化物、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩、亜燐酸塩、有機カルボン酸塩、珪酸塩、チタン酸塩、硼酸塩及びそれらの含水化合物、それらを中心とする複合化合物及び天然鉱物粒子が挙げられる。
【0033】
具体的には、弗化リチウム、ホウ砂(硼酸ナトリウム含水塩)等のIA族元素化合物、炭酸マグネシウム、燐酸マグネシウム、酸化マグネシウム(マグネシア)、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、弗化マグネシウム、チタン酸マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウム含水塩(タルク)、炭酸カルシウム、燐酸カルシウム、亜燐酸カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)、酢酸カルシウム、テレフタル酸カルシウム、水酸化カルシウム、珪酸カルシウム、弗化カルシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸バリウム、燐酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸バリウム等のIIA族元素化合物、二酸化チタン(チタニア)、一酸化チタン、窒化チタン、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、一酸化ジルコニウム等のIVA族元素化合物、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン、硫化モリブデン等のVIA族元素化合物、塩化マンガン、酢酸マンガン等のVII A族元素化合物、塩化コバルト、酢酸コバルト等のVIII族元素化合物、沃化第一銅等のIB族元素化合物、酸化亜鉛、酢酸亜鉛等のIIB族元素化合物、酸化アルミニウム(アルミナ)、水酸化アルミニウム、弗化アルミニム、アルミナシリケート(珪酸アルミナ、カオリン、カオリナイト)等のIIIB族元素化合物、酸化珪素(シリカ、シリカゲル)、石墨、カーボン、グラファイト、ガラス等のIVB族元素化合物、カーナル石、カイナイト、雲母(マイカ、キンウンモ)、バイロース鉱等の天然鉱物の粒子が挙げられる。
【0034】
有機粒子としては、テフロン(登録商標)、メラミン系樹脂、スチレン・ジビニルベンゼン共重合体、アクリル系レジンシリコーン及びおよびそれらの架橋体が挙げられる。
【0035】
ここで、用いる無機粒子の平均粒径は0.1〜10μm、添加量は0.01〜15重量%が好ましい。なおこれらの無機充填材は一種のみを単独または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0036】
(2)酸化防止剤
酸化防止剤としては、リン系、フェノール系、イオウ系等公知のものから任意に選択して用いることができる。尚、これらの酸化防止剤は、一種のみを単独で、又は、二種以上を組み合わせて用いることができる。さらには、好適に、2−[1−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレートも挙げられる。
【0037】
(3)核剤
核剤としては、アルミニウムジ(p−t−ブチルベンゾエート)をはじめとするカルボン酸の金属塩、メチレンビス(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)アシッドホスフェートナトリウムをはじめとするリン酸の金属塩、タルク、フタロシアニン誘導体等、公知のものから任意に選択して用いることができる。尚、これらの核剤は、一種のみを単独で、又は、二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
(4)可塑剤
可塑剤としては、ポリエチレングリコール、ポリアミドオリゴマー、エチレンビスステアロアマイド、フタル酸エステル、ポリスチレンオリゴマー、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル等公知のものから任意に選択して用いることができる。尚、これらの可塑剤は、一種のみを単独で、又は、二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
(5)離型剤
離型剤としては、ポリエチレンワックス、シリコーンオイル、長鎖カルボン酸、長鎖カルボン酸金属塩等公知のものから任意に選択して用いることができる。尚、これらの離型剤は、一種のみを単独で、または、二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0040】
(6)プロセスオイル
本発明では、伸度の向上のために、さらに40℃での動粘度が15〜600mm2/sであるプロセスオイルを配合することが好ましい。
プロセスオイルは、油種により、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルに大別されるが、この中でもn−d−M法で算出されるパラフィン(直鎖)に関わる炭素数の全炭素数に対する百分率が60%Cp以上のパラフィン系オイルが好ましい。
プロセスオイルの粘度としては、40℃での動粘度が15〜600mm2/sが好ましく、15〜500mm2/sがさらに好ましい。プロセスオイルの動粘度が15mm2/s未満では伸度向上効果があるものの、沸点が低くシンジオタクチックポリスチレンとの溶融混練、及び成形時に白煙、ガス焼け、ロール付着等の発生原因になる。また、動粘度が600mm2/sを超えると、白煙ガス焼け等は抑制されるものの、伸度向上効果に乏しい。なおこれらのプロセスオイルは一種のみを単独で、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの添加剤は、樹脂組成物の合計100質量部に対して、必要に応じて好ましくは0〜1.5質量部の範囲で配合すればよい。
【0041】
次に、本発明の積層体について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明の積層体では、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層1と、ポリオレフィン系樹脂層2とを含み、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層1とポリオレフィン系樹脂層2の間に、上記の樹脂組成物からなる接着層3を介在させて、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層1とポリオレフィン系樹脂層2を接着させている。本発明は、多層体の全部又は一部に、表層側又は中間に、少なくとも、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層1、接着層3、ポリオレフィン系樹脂層2からなる積層を含む全ての積層体10を含む。
具体的な層構造を以下に例示する。
図2に示すように、積層体20の一方の表層として、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層1を形成し、他方の表層として、ポリオレフィン系樹脂層2を形成する。そして、2つの表層1,2の間に接着層3を介在させて2つの表層1,2を接着して、三層構造としてもよい。
また、積層体30の2つの表層として、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層1を形成し、中間層として、ポリオレフィン系樹脂層2を形成する。そして、少なくとも1つの表層と中間層の間に接着層3を介在させて、表層と中間層を接着してもよい。このとき、図3に示すように、好ましくは、中間層と2つの表層の間に、それぞれ接着層3を設けて、5層構造とする。
さらに、図4(a)、(b)に示す積層体40,50のように、中間層として、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層1を形成して、それとポリオレフィン系樹脂層2との間に接着層3を設けてもよい。
シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層及び/又はポリオレフィン系樹脂層からなる中間層は、二層以上形成してもよい。
少なくとも1つのシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層の間に接着層があればよいが、全てのシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層の間に接着層があってもよい。
【0042】
尚、本発明の積層体では、その特性を損なわない範囲で、その他の介在層(例えば、ポリスチレン及びポリスチレン系組成物(GPPS,HIPS)ポリエステル(PET,PEN(ポリエーテルニトリル)),ナイロン等)を含むこともできる。
【0043】
本発明の積層体では、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層と、ポリオレフィン系樹脂層とが接着層により接着されているため、これらの層間の密着性が良好となる。従って、これらの層間が剥離することを防止することができる。
また、本発明の積層体では、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を片側表層又は両表層に、ポリオレフィン系樹脂層を中間層又は片側表層に各1層以上含むことにより、シンジオタクチックポリスチレンの表面特性を維持したまま、積層体に靭性を付与することができる。
本発明の積層体は、シンジオタクチックポリスチレン及びその組成物の耐熱性、耐溶剤性、耐湿性、耐水性、易裂性、離型性を活かすことができ、包材用途及び工業用フィルム、シート分野で好適に使用できる。
【0044】
本発明の積層体では、接着層、及び接着層と隣り合う少なくとも1つの樹脂層の第一法線応力を、コーンプレート型レオメーターを用いて300℃で測定したとき、剪断速度6.31s−1で発生する接着層、及び接着層と隣り合う少なくとも1つの樹脂層の第一法線応力の比が、好ましくは0.01以上50以下、より好ましくは0.01以上45以下である。さらに、好ましくは、接着層と隣り合う2つの樹脂層との第一法線応力の比を上記範囲とする。
各層樹脂の第一法線応力の比を上記範囲とすることで、層間の界面あれのない、外観良好で厚み精度が均一かつ力学物性の低下のない積層体が得られる。
特に、接着層、及び接着層と隣り合うシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層の第一法線応力の比を0.01以上50以下とすることにより、界面不安定現象がなく外観良好かつ物性分布の均一な積層体が得られる。
【0045】
本発明の積層体は、フィルムインパクトが、好ましくは3,000J/m以上、より好ましくは5,000J/m以上である。3,000J/m以上未満では、被着剤との離型時にフィルム破れ等を起こす場合がある。
【0046】
本発明の積層体の各層の厚みは特に制限されないが、好ましくは積層体全体の厚みを25〜300μmとする。
【0047】
本発明の積層体は、共押出によるキャスト成形又は他の素材上への共押出ラミネート等の方法で製造できる。
また、本発明の積層体は、キャスト成形、インフレーション成形、二軸延伸成形等によりフィルムとすることができる。この中では、フィルムの厚みの均一性を高め、生産性を重視する観点から、キャスト成形(3種3層フィルム用成型装置による共押し出し成形)及び二軸延伸によるのが好ましい。
【0048】
本発明の積層体から得られるフィルムは、特に、離型フィルムとして有用である。離型フィルムは、剥離フィルム、工程フィルム、包装フィルム等に大別されるのであるが、本発明にかかる離型フィルムは、これらのすべての該当するものである。即ち、剥離フィルムとしては、具体的には、例えば、粘着テープ、両面テープ、マスキングテープ、ラベル、シール、ステッカー等において用いられているものであり、或いは不織布等で作られた皮膚貼付用湿布剤の薬面に貼られているフィルムである。また工程フィルムとは、前述のように、プリント基板やICチップ(ウェハーモールド)、セラミックス電子部品、熱硬化性樹脂製品、化粧板等を製造する時、金属板同士や樹脂同士が接着してしまわないように、成形工程時に該金属板同士の間や樹脂同士の間に挟み込まれるフィルムをいい、特に積層板製造時、フレキシブルプリント基板製造時、先端複合材料製品製造時、スポーツ・レジャー用品製造時に好適に用いられるものである。積層板製造時に用いられる離型フィルムとは、具体的には、例えば、多層プリント基板を製造する際のプレス成形において、プリント基板とセパレータープレート又は他のプリント基板との間の接着を防止するために間に存在させるフィルムをいう。また、フレキシブルプリント基板製造時に用いられる離型フィルムとは、具体的には、例えば、電気製品における可動部分に組み込まれている変形可能なフレキシブルプリント基板の製造時、ベースフィルム上にエッチング等により形成された電気回路を保護するためのカバー樹脂を加熱プレスする際、このカバー樹脂を回路の凹凸部に密着させるためにカバー樹脂を包むように用いられるフィルムをいう。先端複合材料製品製造時に用いられる離型フィルムとは、例えば、ガラスクロス,炭素繊維又はアラミド繊維とエポキシ樹脂からなるプリプレグを硬化させて種々の製品を製造する際に用いられるフィルムをいう。スポーツ・レジャー用品製造時に用いられる離型フィルムとは、例えば、釣り竿、ゴルフクラブ・シャフト、ウィンドサーフィンポール等の製造において、ガラスクロス,炭素繊維、又はアラミド繊維とエポキシ樹脂からなるプリプレグを円筒状に巻き、その上にフィルム製のテープを巻き付けてオートクレーブ中で硬化させる際に用いられるフィルムである。
【0049】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
尚、表中の略号は以下の成分を示す。
SPS1:シンジオタクチックポリスチレンホモポリマー(出光石油化学製、90ZC、MI=9)
SPS2:シンジオタクチックポリスチレンホモポリマー(出光石油化学製、130ZC、MI=13)
SPS3:シンジオタクチックポリスチレンホモポリマー(出光石油化学製、300ZC、MI=30)
SPS4:シンジオタクチックポリスチレンホモポリマー(出光石油化学製、30ZC、MI=3)
SPS5:シンジオタクチックポリスチレン系樹脂組成物(SPS2/LDPE1(NUC−8042)/SEBS(Septon2104)=70/24/6(wt%))
PP1:ポリプロピレン(出光石油化学製、E−105GM、MI=0.6)
PP2:ポリプロピレン(出光石油化学製、F−200GP、MI=2.0)
PP3:ポリプロピレンフィラーシート(南亜製、BCP−150)
LDPE1:低密度ポリエチレン(日本ユニカー製、NUC−8042)
LDPE2:低密度ポリエチレン(日本ユニカー製、DFD−0111)
SEBS1:水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(クラレ製、セプトン8006)
SEBS2:水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(クラレ製、セプトン8104)
SEBS3:水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(シェル製、G1650)
【0050】
尚、実施例1及び2で用いる表層のSPS2については、130ZCペレットに、チバスペシャリティーケミカル社製、IRGANOX1010、住友化学製、スミライザーGSをそれぞれ10,000ppm粉体混合し、溶融押出してペレット化した酸化防止マスターバッチ(MB)を用いた。
また、実施例5及び比較例4で用いる表層のSPS5については、SPS2/酸化防止MB/LDPE(NUC−8042)/SEBS(Septon2104)=60/10/24/6(wt%)でドライブレンドした後、溶融押出してペレット化したものを用いた。
【0051】
実施例1〜2
接着層用の各原料を、表1に示す割合でペレット混合したものを、35mmφのベント式二軸混練機にて290℃で溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。3種5層共押出ダイを用いてSPS2、接着層用樹脂組成物、PP1をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、200℃に設定したロールを用いて、図3に示すような50μmのキャストフィルムを得た。
【0052】
実施例3
接着層用の各原料を、表1に示す割合でペレット混合したものを、35mmφのベント式二軸混練機にて290℃で溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。3種5層共押出ダイを用いてSPS1、接着層用樹脂組成物、PP2をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、200℃に設定したロールを用いて、図3に示すような50μmのキャストフィルムを得た。
【0053】
実施例4
接着層用の各原料を、表1に示す割合でペレット混合したものを、35mmφのベント式二軸混練機にて290℃で溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。3種5層共押出ダイを用いてSPS4、接着層用樹脂組成物、LDPE2をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、200℃に設定したロールを用いて、図3に示すような50μmのキャストフィルムを得た。
【0054】
実施例5
接着層用の各原料を、表1に示す割合でペレット混合したものを、35mmφのベント式二軸混練機にて290℃で溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。2種2層共押出ダイを用いてSPS5、接着層用樹脂組成物をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、大日本インキ製アンカーコート剤LX901/KW75を塗布した合成紙PP3上に押出ラミネートした(図2)。
【0055】
実施例6
接着層用の各原料を、表1に示す割合でペレット混合したものを、35mmφのベント式二軸混練機にて290℃で溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。3種5層共押出ダイを用いてSPS3、接着層用樹脂組成物、LDPE2をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、200℃に設定したロールを用いて、図3に示すような50μmのキャストフィルムを得た。
【0056】
実施例7
接着層用の各原料を、表1に示す割合でペレット混合したものを、35mmφのベント式二軸混練機にて290℃で溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。3種5層共押出ダイを用いてSPS2、接着層用樹脂組成物、LDPE1をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、200℃に設定したロールを用いて、図3に示すような50μmのキャストフィルムを得た。
【0057】
比較例1
2種2層共押出ダイを用いてSPS1、PP1をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、200℃に設定したロールを用いて40μmのキャストフィルムを得た。
【0058】
比較例2
SPS5を290℃で押出し、大日本インキ製アンカーコート剤LX901・KW75を塗布した合成紙PP3上に押出ラミネートした。
【0059】
比較例3
接着層用の各原料を、表1に示す割合でペレット混合したものを、35mmφのベント式二軸混練機にて290℃で溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。2種2層共押出ダイを用いてSPS1、接着層用樹脂組成物をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、200℃に設定したロールを用いて40μmのキャストフィルムを得た。
【0060】
比較例4
接着層用の各原料を、表1に示す割合でペレット混合したものを、35mmφのベント式二軸混練機にて290℃で溶融混練し、接着層用樹脂組成物を得た。3種5層共押出ダイを用いてSPS1、接着層用樹脂組成物、PP2をそれぞれの押出機を用いて290℃で多層押出し、200℃に設定したロールを用いて、図3に示すような50μmのキャストフィルムを得た。
【0061】
(物性の測定及び評価)
(1)第一法線応力比
表層及び接着層の第一法線応力を、Rheomtrics社製レオメーターRMS800を用いてコーンプレート型で300℃で測定し、第一法線応力比を求めた。結果を表1に示す。
(2)密着強度
積層体を15mm幅の短冊にカットし、接着層とポリオレフィン層の間を1cm程度剥離しておき、引張試験機を用いて試験速度50mm/分にて評価した。結果を表1に示す。
(3)フィルムインパクト
ヘッド径1インチの振り子でフィルムを下から打抜き、東洋精機製作所製のフィルムインパクトテスター(振り子式)を用い、衝撃頭1インチにて測定した。結果を表1に示す。
(4)シート外観
積層体(表層)の外観を、以下に示す基準により目視で評価した。結果を表1に示す。
◎:表面が平滑
〇:多層界面に少し乱れがみられるが、表面は平滑
×:多層界面に乱れがあり、表面にも凹凸が発現
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との接着に適した樹脂組成物及び積層体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による積層体の層構成を示す模式図である。
【図2】本発明の他の実施形態による積層体の層構成を示す模式図である。
【図3】本発明の他の実施形態による積層体の層構成を示す模式図である。
【図4】図4(a)、(b)は、本発明の他の実施形態による積層体の層構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層
2 ポリオレフィン系樹脂層
3 接着層
10,20,30,40,50 積層体
Claims (10)
- 下記成分(A)〜(D)を含む、
シンジオタクチックポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂とを接着するための樹脂組成物。
(A)シンジオタクチックポリスチレン 20〜50wt%
(B)ポリオレフィン 20〜70wt%
(C)スチレン系エラストマー 2〜20wt%
(D)相容化剤 2〜20wt% - コーンプレート型レオメーターを用いて300℃で測定したとき、剪断速度6.31s−1で発生する第一法線応力が20,000Pa以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
- シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層と、
ポリオレフィン系樹脂層と、
前記シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層と前記ポリオレフィン系樹脂層の間に、請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる接着層とを含む積層体。 - 積層体が対向する第1の表層及び第2の表層を有し、
前記第1の表層としてシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を、前記第2の表層としてポリオレフィン系樹脂層を含み、
前記シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層と前記ポリオレフィン系樹脂層の間に、請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる接着層がある積層体。 - 積層体が対向する第1の表層及び第2の表層を有し、
前記第1の表層としてシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を、前記第2の表層としてポリオレフィン系樹脂層を含み、
前記第1及び第2の表層の間に中間層として、一層以上の、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層及び/又はポリオレフィン系樹脂層を含み、
少なくとも1つの、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層の間に、請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる接着層がある積層体。 - 積層体が対向する第1の表層及び第2の表層を有し、
前記第1の表層としてシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を、前記第2の表層としてシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を含み、
前記第1及び第2の表層の間に中間層として、一層以上の、ポリオレフィン系樹脂層、又はポリオレフィン系樹脂層とシンジオタクチックポリスチレン系樹脂層を含み、
少なくとも1つの、シンジオタクチックポリスチレン系樹脂層とポリオレフィン系樹脂層の間に、請求項1又は2に記載の樹脂組成物からなる接着層がある積層体。 - フィルムインパクトが3,000J/m以上である請求項3〜6のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記接着層、及び前記接着層と隣り合う少なくとも1つの樹脂層の第一法線応力を、コーンプレート型レオメーターを用いて300℃で測定したとき、剪断速度6.31s−1で発生する前記接着層、及び前記樹脂層の第一法線応力の比が0.01以上50以下である請求項3〜7のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項3〜8のいずれか一項に記載の積層体を二軸延伸してなるフィルム。
- 請求項3〜8のいずれか一項に記載の積層体からなる離型フィルム。
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