JP2006256256A - 分配パッケージの蓋材用共押出フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 良好な開封性を有するとともに、表層と中間層との間に接着層を設けなくても両者の間で良好な接着強度が得られ、かつ成形性、印刷性がよく、生産コストが低い分配パッケージの蓋材用共押出フィルムを提供する。
【解決手段】 表層10、中間層20及びシール層30をこの順に積層した共押出フィルム100であって、表層10が、少なくとも1層のポリスチレン系樹脂(PS)層11より構成され、中間層20が、少なくとも1層のPS中間層22と少なくとも1層の接着層21より構成され、シール層30が、少なくとも1層のポリオレフィン系樹脂(PO)層31、32より構成され、かつ前記PS層11が主構成層をなしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、分配パッケージの蓋材用共押出フィルムに関する。ここで、「分配パッケージ」とは、例えば図3に示すように軟質フィルムを深絞りして、連通する左右2室に成形した底材1に、例えばジャム、ケチャップ、ソース、練り辛子等のような粘ちょう、かつ流動性を有する食品等を収容し、本発明の蓋材2で上記底材1の開口を密閉して得られる分配パッケージ200である。本発明の蓋材2には、分配パッケージ200の外側へ突出する凸部3を設けるとともに、凸部3の長手方向と直交するように蓋材2の表面部にハーフカット4が入れられている。分配パッケージ200の蓋材2を底材1の方向に曲げると、凸部3に曲げ応力が集中して凸部3がハーフカット4に沿って裂け、蓋材2が開口する。さらに蓋材2の左右を密着するように押し込むことにより、蓋材2による押圧力で底材1内部に収容されている流動性を有する食品等が上記開口から吐出される。したがって、分配パッケージ200によれば、蓋材2を折り曲げてそのまま押しつぶすという簡単な操作により、パッケージ200内部の収容物を、手を汚さずに、かつ使用者が所望する方向へと押出すことができる。かかるパッケージの基本構成は特許文献1に開示されている。
従来、分配パッケージの蓋材には、プラスチックシートとして塩化ビニル(以下において「PVC」と省略する場合がある。)を使用し、このPVCからなるシート(PVCシート)に表印刷を施したものと共押出フィルムとをドライラミネート法などの方法により貼り合せて形成した積層体が使用されていた(特許文献2参照)。かかる積層体の層構成の一例を以下に示す。
(表印刷)PVCシート//共押出フィルム(Ny層/PE層/シール層)
上記層構成において、「シール層」とは分配パッケージの蓋材2において、底材1との接合面を構成する層をいう。また、「シート」は、共押出フィルムとは別途作成されたシート状部材を意味する。また、上記層構成における表記「//」は、その前後に記載されている層がドライラミネート法により接合されていることを示し、「/」はその前後に記載されている層が共押出法により接合されていることを示している(以下、本明細書において、同様の表記を使用する。)。「Ny」はポリアミド樹脂を意味し、「PE」はポリエチレン系樹脂を意味する。
上記の積層体におけるNy層は、共押出フィルムを20〜100μmに製膜する上で、メルトテンションや冷却ロールへの密着性を保つためには必要不可欠なものである。またNy層は、次工程でのドライラミネートにおいて接着剤ヌレ性を示し、ポリオレフィンと比較してコロナ処理を施す必要がなく、ラミネート適性に優れている。その一方で、Ny層は強靭であるため、分配パッケージの蓋材としての開封性に悪影響を与える可能性がある。上記の積層体においては、Ny層を有しているにもかかわらず、PVCが容易に割れる特性(以下において「易割れ性」という。)に優れるため、この開封性における問題は生じていなかった。
一方、PVCは廃棄焼却の際に有害とされている塩素系ガスが発生する可能性があるため、環境保護の観点から使用が敬遠され、特に食品業界においてその傾向が強く、PVCの代替材料が求められている。このような塩化ビニルを使用しない層構成として、例えば、
延伸基材(裏印刷)//PSシート//共押出フィルム(Ny層/接着層/シール層)
の構成があった。ここに「PS」は、ポリスチレン樹脂を意味するものである。この構成は、延伸基材に印刷を施した後、PSシートとドライラミネートし、さらにドライラミネート適性、シール性を持たせる目的で、共押出フィルムをドライラミネートしたものである。
また、特許文献3では、PSシートと、フィルムとをドライラミネートするのを止めて、表層であるPS層と他のフィルム層(中間層、及びシール層)を一気に共押出で作製しようとする提案もされている。
特開昭59−103866号公報 特開昭64−37370号公報 特願2004−223248
しかし、PVCを使用しない層構成の場合、PVCシートに代えて比較的割れ性の良いPSシートを使用した層構成でも、複合フィルム内にNy層が存在すると、分配パッケージを指で曲げて開封する場合、PSシートは割れるが、これに接着されているNy層を有する共押出フィルムは、伸ばされるだけで開封されない場合があった。
また、Ny層を排除した構成として、
PSシート//単層フィルム(PEフィルム)
が存在したが市場にある単層PEフィルムには、厚みや物性に制約があり、同じ様に、PSシートだけ割れて、PEフィルムが伸びて切れなかったり、また、切れ過ぎて、吐出口以外の部分もすべてが裂けたりしてしまい、内容物を吐出する方向が定めづらいという問題が生じる。
また、PVCシートを用いる従来の積層体においては、PVCシートに表印刷を施しているので、堅い食品(例えば乾麺)と本パッケージを同梱し運搬する場合、摩擦により、印刷が欠落する問題があった。さらに、延伸された素材を使用していないことから、印刷ピッチが安定せず、包装機でのトラブルが頻発していた。さらに、複合フィルムを作成する際にドライラミネートが必要なことから、生産コストがかかっていた。
また、特許文献3に提案された方法では、中間層の上下両面に他の層との間との十分な接着強度を得るため、それぞれに接着層を設ける必要があり、手間とコストが上昇する原因となっていた。
そこで、本発明は、良好な開封性を有するとともに、表層と中間層との間に接着層を設けなくても両者の間で良好な接着強度が得られ、かつ成形性、印刷性がよく、生産コストが低い分配パッケージの蓋材用共押出フィルムを提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。また以下において、「表層」とは、分配パッケージの蓋材用共押出フィルムにおいて、底材と接合されている側とは反対側の面を有する層をいう。「シール層」とは分配パッケージの蓋材用共押出フィルムにおいて、底材との接合面を構成する層をいう。また「中間層」とは、上記表層とシール層とに挟まれた層をいう。さらに「主構成層」とは、分配パッケージの蓋材用共押出フィルムにおいて層厚が最も大きい層をいう。
第一の本発明は、表層(10)、中間層(20)及びシール層(30)をこの順に積層した共押出フィルムであって、表層(10)が、少なくとも1層のポリスチレン系樹脂(PS)層(11)(以下、「PS層」と省略する場合がある。)より構成され、中間層(20)が、ポリスチレン樹脂(PS)及びスチレン系エラストマー(以下、「SE」と省略する場合がある。)のブレンド層(22)(以下、「PS中間層」という場合がある。)と接着層(21)とを含み、前記シール層(30)が、少なくとも1層のオレフィン系樹脂(PO)層(31)(以下、「PO層」と省略する場合がある。)より構成され、かつ前記PS層(11)が主構成層をなしていることを特徴する、分配パッケージの蓋材用共押出フィルム(100)である。
かかる構成により、表層10と中間層20との間に接着層を配設しなくとも両層間に十分な接着強度を与えることができる。
表層(10)はPS層(11)であり、中間層(20)は表層に隣接する側にPSとSEとがブレンドされたPS中間層(22)とシール層(30)に隣接する側に接着層(21)とをそれぞれ配置し、シール層(30)はPO層(31及び/又は32)であることが好ましい。かかる構成は第一の本発明における最も基本的な、かつ簡易な構成である。よって比較的製造が容易であり、かつコストも低く抑えることが容易である。
中間層(20)は、さらにエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(以下、「EVOH」という場合がある。)層(23)を備えていることも好ましい。かかる構成を付加することにより、分配パッケージの蓋材用共押出フィルム100に所望のガスバリア性を与えることができる。
前記シール層(30)は、同種又は異種の成分からなるPO第一層(31)及びPO第二層(32)により構成されていることが好ましい。このようにすれば、良好なシール性を保持しつつ、膜切れ性を良好なものとすることができ、これにより蓋材の開封性を良好なものとすることができる。
前記POは、特に内容物が吐出できる機能(切れ性、照準性[吐出の定め方])を備えた物性であれば限定されないが、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー(IO)、ポリプロピレン(PP)又はこれらの混合物であることが好ましい。かかる構成をとることによって、例えば、LDPEとHDPEとの配合比率を自由にコントロールして、パッケージを開封する際における蓋材の割れ性や、PS層11との接着強度を調節することができる。また、両者の配合比率によって、PO第一層31の裂け性を調製することができる。また、LDPEの配合を増やすことで、メルトテンションを高めて製膜性の安定化を図ることもできる。
前記PSは、一般用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、又はこれらの混合物であることが好ましい。これらの混合比を適切に調節することによって、分配パッケージ200を開封する際の蓋材2の割れ性を調節することができる。
PO層(PO第一層31及び/又はPO第二層32)及びPS層(11)の厚み比は、(1:600)〜(100:150)であることが好ましい。このような厚み比とすることにより、開封性とシール性とのバランスを良好な範囲にすることができる。
各層の合計厚みは、150〜815μmであることが好ましい。このような合計厚みの範囲とすることにより、フィルムの成形性を損なうことなく、適度なフィルムのコシ、感触を持たせることが容易となる。
前記接着層(21)と前記接着層(21)に隣接する層との層間接着強度は、3.9〜20N/15mm幅であることが好ましい。なお、ここにいう「層間接着強度」とは、接着層(21)と該接着層(21)に隣接する層(例えば、PS中間層22、PO第二層32、EVOH層23など)との間における接着強度をいい、接着層(21)と隣接しないPS層(11)とPS中間層(21)との間、及びPO第一層(31)とPO第二層(32)との間の層間強度は含まれない。
第二の本発明は、上記の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム(100)により形成された分配パッケージの蓋材(2)である。
第三の本発明は、上記の蓋材(2)を使用した分配パッケージ(200)である。
本発明によれば、良好な開封性を有するとともに、表層と中間層との間に接着層を設けなくても両者の間で良好な接着強度が得られ、かつ成形性、印刷性がよく、生産コストが低い分配パッケージの蓋材用共押出フィルムを提供することができる。
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1に、本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム100の一実施態様を示す。本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム100は、表層10、中間層20及びシール層30をこの順に有する。本発明における好ましい実施形態として、表層10としてPS層11、中間層20としてPS中間層22及び接着層21、シール層30としてPO第一層31及びPO第二層32が用いられている。かかる層構成においては、シール層30側から表層10に向かって、PO第一層31、PO第二層32、接着層21、PS中間層22、及びPS層11が順に積層されている。本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム100は、一回の共押出工程で作成することができるので、生産コストを低くすることができる。以下に各層について順に説明する。
(表層)
表層10は、少なくとも1層のPS層11より構成される。PS層11とは、ポリスチレン系樹脂を主成分として含む層である。ここで、「主成分として含む」とは、層全体の質量を基準(100質量%)として、そのものを50質量%以上含むことをいい、好ましくは70質量%以上含むことをいい、より好ましくは90質量%以上含むことをいい、適宜、他の汎用樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、特に限定されないが、例えばポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる(以下において、同様である。)。
PS層11には、本発明の効果を損なわない程度の、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等の添加剤が添加されていてもよい。
PS層11を構成するポリスチレン系樹脂としては、良好な割れ性を有する本発明の蓋材を得ること、中間層20との接着性を良好に保つことの観点から、一般用ポリスチレン(以下、「GPPS」と省略する場合がある。)、耐衝撃性ポリスチレン(以下、「HIPS」と省略する場合がある。)、又はこれらの樹脂の混合物であることが好ましい。GPPSは、ゴム成分を含まないので、割れやすい性質を有している。これに対して、HIPSは、ゴム成分を含み、割れにくい性質を有している。したがって、PS層11は、PS中間層22の組成、厚み比等に応じて、GPPS、HIPS及びこれらの樹脂の混合物を適宜使い分けることにより、図3に示す分配パッケージ200を開封する際の蓋材2の割れ性を調節することができる。
PS層11を構成するポリスチレン系樹脂として、GPPS及びHIPSの混合物を用いた場合、PS層11に適度な柔軟性を付与する観点から、PS層11に含まれるゴム成分は、PS層11全体の質量を基準(100質量%)として、ブタジエンゴム成分を3質量%以上、好ましくは5質量%以上、かつ30質量%以下、好ましくは20質量%以下の範囲で含むことが望ましい。
また、PS層11は、PS中間層22との層間強度をより強固にする目的で、上記GPPS及びHIPS以外に、スチレン・ブタジエン・コポリマーを含有させることもできる。
GPPSとしては、JIS K7171に規定する曲げ弾性率が3,200〜3,300MPa、シャルピー衝撃強さ(ノッチあり)が1.5〜3.0KJ/mである耐熱グレードが好適に使用される。また、HIPSとしては、曲げ弾性率が2,100〜2,500MPa、シャルピー衝撃強さ(ノッチあり)が13〜16KJ/mである高衝撃グレードが好適に使用される。また、スチレン・ブタジエン・コポリマーを使用する場合、スチレン含有率が50質量%以上、好ましくは70質量%以上であり、95質量%以下、好ましくは90質量%以下であるコポリマーが好ましい。これらの市販品としては、例えば、PSジャパン社製のGPPS、HIPS、旭化成社製のタフプレンなどを好適に用いることができる。
ポリスチレン系樹脂のメルトフローレートは、1g/10min[200℃ 5Kg]以上で、さらに好ましくは3g/10min[200℃ 5Kg]以上あることが好ましい。ここで、「メルトフローレート(メルトフローインデックス):溶液流れ速度」とは、溶液状態にあるポリマーの流動性を示す尺度の一つであり、「溶液指数」ともいう。押出式プラストメーターで、一定圧力、一定温度の下に、規定の寸法をもつノズル(オリフィス)から流出する量を測定し、g/10minの単位で表す。一般に、メルトフローレートの数値が大きいほど溶融時の流動性や加工性は良好であるが、引張り強さ、耐ストレスクラッキング性が低下する。具体的測定法については、ISO 1133「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトフローレートの測定」を参照されたい。
PS層を構成するポリスチレン系樹脂の曲げ弾性率(JIS K7171)は、1,700MPa以上、好ましくは2,000MPa以上であり、2,800MPa以下、好ましくは2,500MPa以下であることが好適である。また、ビカッド軟化温度(JIS K7206)は、75℃以上、好ましくは80℃以上であり、110℃以下、好ましくは100℃以下のものが好適に使用できる。
本発明における、PS層11は、本発明の共押出フィルム100を曲げることにより生じた曲線部分にそって、一直線状に割れが生じ易い性質を有している。
PS層11の厚みは、50μm以上、好ましくは200μm以上、さらに好ましくは250μm以上であり、550μm以下、好ましくは450μm以下、さらに好ましくは400μm以下の範囲であることが望ましい。PS層11の厚みが薄すぎると、図3の分配パッケージ200の蓋材2として使用した際に良好な開封性を得ることが困難となる。一方、PS層11の厚みが厚すぎると、容易に開封することが困難となり、分配パッケージ200として商品の使用し易さが低下する。
(中間層)
中間層20は、PS中間層22と接着層21とを含む。
PS中間層22は、PSとSEとのブレンド層として構成されている。PS中間層22の一部を構成するPSは、上記のPS層を構成したPSと同等のものを使用することができる。また、PS中間層22の一部を構成するSEは、特に限定されるものではなく通常スチレン系エラストマーとして使用されるものであれば使用することができる。SEのスチレン含有率は、全量基準で30質量%以上、好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは45質量%以上であり、80質量%以下、好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下であることが望ましい。SEの市販品としては、例えば、旭化成ケミカル社製のアサフレックス、タフプレン、タフテック、クラレ社製のセプトン、日本油脂社製のモディパーなどが挙げられる。
PS中間層を構成するPSとSEとの配合比率は、特に限定されるものではないが、PS:SEとして(60:40)〜(95:5)の範囲にあることが好ましい。より好ましくは(70:30)〜(90:10)の範囲であり、さらに好ましくは(80:20)〜(85:15)の範囲である。
PS中間層22として、これらPSとSEとをブレンドして用いることにより、主構成層たるPS層11と、PS中間層22との接着力を高めることができ、この部位に接着層を配する必要がない。もって、作業工程の短縮化、マテリアルコストの低減を図ることができる。さらにPS中間層22として、これらPSとSEとをブレンドして用いることにより、接着層21との接着力を強化することもできる。また、PS中間層には、上記のPS層11に添加したものと同様の添加剤が、本発明の効果を損なわない程度に添加されていてもよい。
PS中間層22の厚みとしては、PS層11、及び接着層21との良好な接着強度を与えるという観点から、3μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは10μm以上であり、100μm以下、好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。PS中間層22の厚みが5μm以上であれば、PS層11との接着性を向上でき、また100μm以下であれば、フィルム全体に適度な剛性(フィルムの腰)を付与できるほか、経済的にも低コストに抑えることができる。
接着層21を形成する接着性樹脂としては、PS中間層22、PO第二層32又は後述するEVOH層を必要な強度に接着することができれば特に限定されないが、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性されたポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。かかる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。また、これら不飽和カルボン酸のエステルや無水物等の不飽和カルボン酸誘導体を用いることもできる。このような不飽和カルボン酸誘導体の例としては、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸ナトリウム等を挙げることができる。また、酢酸ビニルを用いることもできる。市販品としては、三井化学(株)製、商品名アドマーなどが挙げられ、これを使用するのが好ましい。また、接着樹脂には、上記のPS層11に添加したものと同様の添加剤が、本発明の効果を損なわない程度に添加されていてもよい。
接着層21の厚みとしては、良好な接着強度を得ることから、2μm以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは8μm以上であり、30μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下の範囲である。
接着層21と接着層21に隣接する層(例えば、PS中間層22、EVOH層、PO第二層32)との間の層間接着強度は、3.9N/15mm幅以上、好ましくは9N/15mm幅以上であり、かつ、20N/15mm幅以下、好ましくは20N/15mm幅以下であることが望ましい。接着強度が低すぎると、これらの層の間で剥離が生じて、PS層11は割れるが、シール層30は裂けずに、開封しない。よって、内容物を吐出することができない。また、接着強度が高すぎると、シール層30は、PS層11の割れ方向に追従した形で、大きく開封してしまう。これにより、内容物の粘張体が飛び出す際、開封口が定まらず、標的とは異なった方向に飛んでしまう。これに対して、接着強度が、上記の範囲内であれば、PS層11が割れて、続けてシール層30が、延伸されながら、伸ばされ中央部から徐々に開封口があいてゆくため、良好な開封の挙動となり、内容物である粘張体を標的通りに吐出することが可能となる。
(EVOH層)
中間層は、上記PS中間層22と接着層21のほかに、さらにEVOH層を有することができる。図2は、図1の共押し出しフィルム100の中間層20中にPO第二層32の側に第二の接着層21Bを介してEVOH層23を配置した共押し出しフィルム150の層構成を示す図である。EVOH層23は酸素バリア層として機能し、フィルムにガスバリア性を付与することができる。EVOHはエチレン含有量29モル%以上、好ましくは32モル%以上であり、47モル%以下、好ましくは44モル%以下であることが望ましい。EVOHのケン化度は、好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上のものが望ましい。EVOHのエチレン含有量、ケン化度を上記範囲に保つことにより、分配パッケージの蓋材用共押出複合フィルムの共押出性、フィルムの強度を維持することができる。また、EVOH層の厚みは2μm以上、好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、かつ15μm以下、好ましくは12μm以下、さらに好ましくは10μm以下の範囲である。EVOH層の厚みが薄すぎると良好な酸素バリア性を保つことが困難になる。一方、EVOH層の厚みが厚すぎるとフィルムの共押出性が悪化し、フィルム強度を保持する上で不利になる。
(シール層)
シール層30は、少なくとも1層のPO層により構成される。PO層とは、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー(IO)、ポリプロピレン(PP)のうちのいずれか、又はこれらの混合物で構成される層である。PO層には、上記のPS層11に添加したものと同様の添加剤が、本発明の効果を損なわない程度に添加されていてもよい。
かかる構成をとることによって、例えば、LDPEとHDPEとの配合比率を自由にコントロールして、パッケージを開封する際における蓋材の割れ性や、PS層との接着強度を調節することができる。また、両者の配合比率によって、ポリエチレン系樹脂層31の裂け性を調製することができる。HDPEの割合が多いほうが、より裂け性が良い。また、LDPEの配合を増やすことで、メルトテンションを高めて製膜性の安定化を図ることができる。
LDPEとしては、密度が0.92g/cm以上のものが好ましく、HDPEとしては、密度が0.95g/cm以上のものが好ましい。密度を高くすることにより、PE層に良好な裂け性を付与することができる。また、上記エチレン−酢酸ビニル共重合体EVAは、酢酸ビニルコンテントが2〜15%、密度が0.92〜0.94g/cmの範囲のものを使用することが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンLLDPEは、密度が0.91〜0.94g/cmの範囲、メルトフローレートは0.5〜15g/10minのものを使用することが好ましい。さらに、アイオノマー(IO)は、Naイオンタイプのものであって、密度が0.93〜0.96の範囲のものを使用することが好ましい。
シール層30は、同種又は異種のPO第一層31及びO第二層32により構成されていることが好ましい。このように構成することで、良好なシール性を保持しつつ、膜切れ性を良好なものとすることができ、これにより、蓋材の開封性を良好なものとすることができる。
すなわち、PO第一層31は、シール性及び適度な開封性を確保すべくLDPEの配合比を高くすることが好ましい。一方、PO第二層32は、主構成層たるPS層11の割れに伴って、層(膜)の「切れ」の伝播が良好に行われる必要があり、かかる要請からHDPEを配合することが好ましい。PO第二層におけるLDPEとHDPEの配合比は、(40:60)〜(80:20)、好ましくは(50:50)〜(80:20)、さらに好ましくは(60:40)〜(80:20)とすることが望ましい。このような配合により、LDPEとHDPEとの配合比率を自由にコントロールして、パッケージを開封する際の蓋材の開封性や、EVOH層22との接着強度を調節することができる。このように、両者の配合によって、LDPEによりメルトテンションを高めて製膜性の安定化を図ること、及び、HDPEにより開封性に優れること、という特性を併せ持つことができる。
シール層30の厚みとしては、2μm以上、好ましくは4μm以上、さらに好ましくは6μm以上であり、90μm以下、好ましくは60μm以下、さらに好ましくは40μm以下の範囲であることが望ましい。シール層30の厚みが2μm以上であれば、底材との十分なシール性が得られ、また、シール層30の厚みが90μm以下であれば、開封時のシール層の切れを良好に保つことができる。
また、シール層30を、本発明の好ましい態様であるPO第一層31及びPO第二層32の二層構成とした場合、PO第一層31の厚みは60μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがさらに好ましく、20μm以下であることが特に好ましい。またPO第一層31の厚みの下限は2μmであることが好ましく、3μm以上であることがより好ましい。一方、PO第二層32の厚みとしては、2μm以上、好ましくは3μm以上であり、かつ30μm以下、好ましくは20μm以下の範囲であることが望ましい。シール層30をこのような層厚に調整することにより、蓋材の開封性を良好にして、かつ、シール性を良好にすることができる。
本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムにおいては、表層10上に、印刷層を有し、その上にさらに、ラミネート層を有していることが好ましい。印刷層及びラミネート層は、特に限定されないが、従来の表印刷において発生していた摩擦による印刷のカスレを防止し、印刷ピッチを安定させる観点から、ラミネート基材に裏印刷を施し、これを表層上にドライラミネートすることにより形成することが好ましい。また、ドライラミネートするに際して、接着性を高めるために、表層の接着面に、コロナ処理等の表面処理を施すことが好ましい。ラミネート基材としては、非晶質無延伸PET(APET)、延伸PET(OPET)、結晶性PET(CPET)、延伸PP(OPP)、無延伸PP(CPP)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、延伸Ny(ONy)、無延伸Ny(CNy)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等を用いることができるが、成形が可能で、印刷ピッチが安定なものであれば、特に限定されない。
本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムにおいて、PO層30、及びPS層11の厚み比は、(1:600)〜(100:150)であるであることが好ましく、(2:400)〜(30:180)であることがさらに好ましく、(3:350)〜(20:200)であることが特に好ましい。このように構成することで、分配パッケージの蓋材2として、強度、開封性、各層間の接着性が良好なものを得ることができるとともに、加工を容易なものとすることができる。
また、本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムの総厚みは、57μm以上、好ましくは100μm以上、さらに好ましくは200μm以上、特に好ましくは300μm以上であり、かつ815μm以下、好ましくは700μm以下、さらに好ましくは600μm以下であることが望ましい。このような総厚みにすることで、図3に示される分配パッケージ200の蓋材2としての良好な開封性や共押出フィルムの成形性を損なうことなく、適度なフィルムの腰、及び触感を持たせて、分配パッケージ200としての商品価値を保持することができる。
本発明の分配パッケージの蓋材2においては、上記した本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムを所定の形状に切断し、その切断片の中央部に凸形状3を設け、この凸形状3に直交する方向にハーフカット4を設ける。凸形状3は、開封部にあたるものであり、蓋材2を折り曲げた際、曲げ応力が開封部である凸形状3に集中し、この凸形状3が切り裂け、分配パッケージ200の内容物が吐出される。凸形状3としては、例えば、四角錐、半円状(ドーム形状)、立方体等が挙げられるが、応力を集中することができればよいので、これらの形状に限定されない。成形方法としては、凸部をシャープに成形することができることから、オスメス成形が好ましい。
本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムの開封性に影響を及ぼす因子としては、(1)PS層11の割れ性、(2)接着層21と接着層21に隣接する層との層間接着強度、(3)接着層の膜切れ性、厚みの3因子が挙げられる。開封性を良好にするために、PS層11の表面にはPS層が割れる方向に一直線に形成したハーフカット4を設けることが好ましい。
ハーフカット4とは、凸部にさらに曲げ応力を集中し、開封し易くするために設けるものであり、成形された凸形状3の中央部を横切る方向に、カット刃で蓋材の総厚みに対し、10〜50%程度の深さで切り目を、蓋材が折れる方向と同方向において連続で入れることにより成形される。また、ハーフカット4は、凸部3の頂点部のみに、切り目を2〜10mm程度の幅で点線状に入れることにより成形することもできる。
本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムにおいては、PS層11の良好な割れ性、接着層からシール層までの良好な裂け性、及び開封口の良好な照準性により、スムーズな開封性が得られる。
本発明の分配パッケージ200は、上記した分配パッケージの蓋材2を、底材1に接着されて製造される。用途は、主に、マヨネーズ、ケチャップ、マスタード、ジャム等の食品の包装用容器である。一方、底材1には、無延伸共押出複合フィルムを使用することが好適である。構成として、
Ny層/接着層/PE層
が酸素バリア性、深絞り適性、プレヒーターの下加熱熱板(接触加熱)のトラレ性の面から有効である。内容物である粘ちょう体を充填するため、深絞り成形を施すが、工程として、フィルム加熱(熱板への接触加熱)の後に、圧空・真空成形の方式が一般的である。加熱温度は、85〜110℃が好適である。成形された底材1へは、粘ちょう体が充填され、成形された蓋材2と合わされ、ヒートシールされる。このシールは、蓋材2及び底材1のシール面界面で剥がれることなく、完全シールされる。分配パッケージ200のサイズは、タテ20〜100mm×ヨコ20〜100mm×深さ3〜40mm程度である。開封方法は、パッケージの両端を片手で持ち、蓋材2の中央部より、底材1が内側にくるような方向で分配パッケージ200を潰すようにすると、蓋材2の凸部3が裂け、内容物が吐出する。
以下の実施例1〜4、及び比較例1〜3にてそれぞれ示す層構成において、共押出法又は共押出法とドライラミネート法との組み合わせにより製膜を行い、以下に示す試験方法及び評価基準により評価した。
(実施例1)
共押出成形によって、以下の層構成を有する共押出フィルムを得た。
PS層(HIPS)/PS中間層/接着層/PO層(LDPE)
(実施例2)
共押出成形によって、以下の層構成を有する共押出フィルムを得た。
PS層[HIPS(80質量%)+GPPS(20質量%)]/PS中間層/接着層/PO第二層[LDPE(50質量%)+HDPE(50質量%)]/PO第一層(LDPE)
(実施例3)
共押出成形によって、以下の層構成を有する共押出フィルムを得た。
PS層[HIPS(50質量%)+GPPS(50質量%)]/PS中間層/接着層/PO第二層[LDPE(50質量%)+HDPE(50質量%)]/PO第一層(LDPE)
(実施例4)
PS層[HIPS(50質量%)+GPPS(50質量%)]/PS中間層/接着層/EVOH/接着層/PO第二層(LDPE(50質量%)+HDPE(50質量%))/PO第一層(LDPE)
なお、上記各実施例において、PS中間層は、HIPS(85質量%)とスチレン系エラストマー(15質量%)とのブレンド品にて形成した。
比較例として、共押出成形及びドライラミネートにより、以下の層構成を有するフィルムを得た。
(比較例1)
PVC層//EVOH層/Ny層/接着層/PO層(LDPE)
(比較例2)
延伸基材//PSシート//Ny層/接着層/PO層(LDPE)
(比較例3)
PS層(HIPS)/接着層/PO層(LDPE)
上記の各実施例及び比較例における、フィルムの層構成及び各層の厚みを、表1に示した。
Figure 2006256256
また、上記の各実施例及び比較例における、各層において使用した材料のメーカー及び製品名を表2に示した。
Figure 2006256256
<分配パッケージの製造条件>
底材として下記層構成を有する共押出複合フィルムを用いて、下記の成形条件において底材及び蓋材を成形し、内容物を詰めて、蓋材及び底材をシールして、分配パッケージを製造した。
(層構成)
底材:Ny/接着層/LLDPE(シール層)
各層の層厚は、Ny:50μm、接着層:10μm、LLDPE:90μmとした。
(成形条件)
底材成形加熱温度:150℃、底材成形加熱時間: 3秒
蓋材成形加熱温度:160℃、蓋材成形加熱時間: 2秒
蓋・底材シール温度:160℃、蓋・底材シール時間:2秒
内容物:水15cc/パック
<性能評価試験方法及び評価基準>
以下に記載する5種類の性能評価試験を行い、所定の評価基準に基づいて分配パッケージの蓋材用共押出フィルムの評価を行った。評価結果を表3に示す。
(1)PS層との層間接着強度:
15mm幅のフィルムを常温で引張試験機により200mm/分の引張速度で剥離したときの最大荷重を測定した。
9N/15mm幅以上20N/15mm幅以下 :特優
6N/15mm幅以上9N/15mm幅未満 :優
3.9N/15mm幅以上6N/15mm幅未満 :良
3.9N/15mm幅未満 :不良
(2)共押出フィルム膜切れ性:
パッケージを開封させ、共押出フィルム部の切れ方を目視で観察した。
開封口の膜残り・糸引き全くなし。 :5
開封口の膜残り・糸引きほとんどなし。 :4
開封口の膜残り・糸引き僅かに認められる。:3
開封口の膜残り・糸引き認められる。 :2
開封口の膜残り・糸引き顕著にあり。 :1
(3)PS層の割れ性:
分配パッケージを開封させ、主構成層の直線割れ性を評価した。
粘ることなく直線的にスムーズに割れる。 :5
直線的にスムーズに割れる。 :4
粘って割れづらいが直線的に割れる。 :3
直線的に割れない。 :2
粘って割れづらく割れても直線的でない。 :1
(4)開封性(内容物の吐出形態):
合計50個のパッケージを開封させ、内容物が吐出する方向を観察した。
全量照準通りに吐出する。 :5
90%以上が照準通りに吐出する。 :4
50%以上が照準通りに吐出する。 :3
照準通りに吐出するものが半数以下である。 :2
すべてが狙いと異なる方向へ吐出する。 :1
(5)酸素バリア性
JIS K7126(プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験方法)に規定される方法に基づいて、23℃、0%湿度のもと、計測を行った。
0.0987ml/m2・day・MPa未満 :○
0.0987ml/m2・day・MPa以上 :×
Figure 2006256256
本発明の分配パッケージ(実施例1〜3)は、膜切れ性、PS層割れ性及び開封性のすべての評価試験において、良好な結果を示した。特に中間層にEVOH層を配設した場合(実施例4)には、上記特性の他、良好なガスバリア性も得られた。これに対して、比較例1〜3の分配パッケージにおいては、「PS層との層間接着強度」は、良好であったが、他の評価試験における結果は相対的に劣っていた。
これより本発明の分配パッケージは、優れた膜切れ性、割れ性、及び開封性を兼ね備えたパッケージであることが分かる。
以上、現時点において、最も、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う分配パッケージの蓋材用共押出フィルム、分配パッケージの蓋材、分配パッケージもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムの層構成を示す断面図である。 EVOH層を備えた本発明の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムの層構成を示す断面図である。 分配パッケージの外観を示す斜視図である。
符号の説明
1 底材
2 蓋材
3 凸部
4 ハーフカット
10 表層
11 PS層
20 中間層
21 接着層
22 PS中間層
23 EVOH層
30 シール層
31 PO第一層
32 PO第二層
100、150 分配パッケージの蓋材用共押出フィルム
200 分配パッケージ

Claims (11)

  1. 表層、中間層及びシール層をこの順に積層した共押出フィルムであって、
    前記表層が、少なくとも1層のポリスチレン系樹脂(PS)層より構成され、
    前記中間層が、ポリスチレン系樹脂(PS)及びスチレン系エラストマー(SE)のブレンド層と接着層とを含み、
    前記シール層が、少なくとも1層のポリオレフィン系樹脂(PO)層より構成され、
    かつ前記PS層が主構成層をなしていることを特徴する、分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  2. 前記表層はPS層であり、
    前記中間層は前記表層に隣接する側にPS及びSEのブレンド層、前記シール層に隣接する側に接着層がそれぞれ配置され、
    前記シール層がPO層である、請求項1に記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  3. 前記中間層にさらにエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物樹脂(EVOH)層を備えたことを特徴する、請求項1又は2に記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  4. 前記シール層が、同種又は異種の成分からなるPO第一層及びPO第二層により構成されている、請求項1〜3のいずれかに記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  5. 前記POが、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー(IO)、ポリプロピレン(PP)のうちのいずれか、又はこれらの混合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  6. 前記PSが、一般用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)、又はこれらの樹脂混合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  7. 前記PO層と前記PS層との厚み比が、(1:600)〜(100:150)である、請求項1〜6のいずれかに記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  8. 各層の合計厚みが、150〜815μmである、請求項1〜7のいずれかに記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  9. 前記接着層と前記接着層に隣接する層との層間接着強度が、3.9〜20N/15mm幅である、請求項1〜8のいずれかに記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の分配パッケージの蓋材用共押出フィルムにより形成された分配パッケージの蓋材。
  11. 請求項10に記載の蓋材を使用した分配パッケージ。
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