JP6935484B2 - 溶接方法および溶接装置 - Google Patents
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Description
図1は、第1実施形態に係る溶接装置の概略構成を示す図である。図1に示すように、第1実施形態に係る溶接装置100は、加工対象Wにレーザ光Lを照射して加工対象Wを溶融させる装置の構成の一例である。図1に示すように、溶接装置100は、レーザ光を発振する発振器110と、レーザ光を加工対象Wに照射する光学ヘッド120と、発振器110で発振されたレーザ光を光学ヘッド120へ導く光ファイバ130とを備えている。加工対象Wは、溶接されるべき少なくとも2つの部材である。
図4は、第2実施形態に係る溶接装置の概略構成を示す図である。図4に示すように、第2実施形態に係る溶接装置200は、加工対象Wにレーザ光Lを照射して加工対象Wを溶融させる装置の構成の一例である。第2実施形態に係る溶接装置200は、第1実施形態に係る溶接装置と同様の作用原理によって溶接方法を実現するものである。したがって、以下では、溶接装置200の装置構成の説明のみを行う。
図5は、第3実施形態に係る溶接装置の概略構成を示す図である。図5に示すように、第3実施形態に係る溶接装置300は、加工対象Wにレーザ光Lを照射して加工対象Wを溶融させる装置の構成の一例である。第3実施形態に係る溶接装置300は、第1実施形態に係る溶接装置と同様の作用原理によって溶接方法を実現するものであり、光学ヘッド320以外の構成(発振器310および光ファイバ330)は、第2実施形態と同様である。したがって、以下では、光学ヘッド320の装置構成の説明のみを行う。
図6は、第4実施形態に係る溶接装置の概略構成を示す図である。図6に示すように、第4実施形態に係る溶接装置400は、加工対象Wにレーザ光L1,L2を照射して加工対象Wを溶融させる装置の構成の一例である。第4実施形態に係る溶接装置400は、第1実施形態に係る溶接装置と同様の作用原理によって溶接方法を実現するものである。したがって、以下では、溶接装置400の装置構成の説明のみを行う。
図7は、第5実施形態に係る溶接装置の概略構成を示す図である。図7に示すように、第5実施形態に係る溶接装置500は、加工対象Wにレーザ光L1,L2を照射して加工対象Wを溶融させる装置の構成の一例である。第5実施形態に係る溶接装置500は、第1実施形態に係る溶接装置と同様の作用原理によって溶接方法を実現するものである。したがって、以下では、溶接装置500の装置構成の説明のみを行う。
図8は、第6実施形態に係る溶接装置の概略構成を示す図である。図8に示すように、第6実施形態に係る溶接装置600は、加工対象Wにレーザ光Lを照射して加工対象Wを溶融させる装置の構成の一例である。第6実施形態に係る溶接装置600は、第1実施形態に係る溶接装置と同様の作用原理によって溶接方法を実現するものである。したがって、以下では、溶接装置600の装置構成の説明のみを行う。
ここで、本発明の効果の検証実験1の結果について説明する。本検証実験1で用いられる装置構成は、第1実施形態に係る溶接装置100の構成であり、従来例の装置構成として、溶接装置100から回折光学素子123を除いた構成を用いた。なお、共通の実験条件として、発振器110の出力を3kWとし、光学ヘッド120と加工対象Wとの相対的移動速度を毎分5mとし、シールドガスとして窒素ガスを用いている。
ここで、金属材料の反射率について説明する。図13に示すグラフは、代表的金属材料の反射率を光の波長に関して示したものである。図13に示すグラフは、横軸を波長とし、縦軸を反射率とするものであり、金属材料の例として、アルミニウム、銅、金、ニッケル、白金、銀、ステンレス鋼、チタン、およびスズを記載している。なお、図13に示すグラフは、NASA TECHNICAL NOTE (D−5353)に記載のデータをグラフ化したものである。
第7実施形態に係る溶接装置は、図1に示す第1実施形態に係る溶接装置100によって実現できる。
第8実施形態に係る溶接装置は、図4に示す第2実施形態に係る溶接装置200によって実現できる。
第9実施形態に係る溶接装置は、図5に示す第3実施形態に係る溶接装置300によって実現できる。
第10実施形態に係る溶接装置は、図6に示す第4実施形態に係る溶接装置400によって実現できる。
第11実施形態に係る溶接装置は、図7に示す第5実施形態に係る溶接装置500によって実現できる。
第12実施形態に係る溶接装置は、図8に示す第6実施形態に係る溶接装置600によって実現できる。
ここで、本発明の効果の検証実験2の結果について説明する。本検証実験2で用いられる装置構成は、第7実施形態に係る溶接装置の構成であり、溶接装置100と同じ構成である。比較例としての第1の実験条件は、溶接装置100から回折光学素子123を除いた構成を用いたものであり、本発明に対応する第2の実験条件は、照射面形状が図10に示されるプロファイルで加工対象Wにレーザ光が照射されるように設計された回折光学素子123を備えるが、用いるレーザ光の波長が青色領域のものである。なお、共通の実験条件として、光学ヘッド120と加工対象Wとの掃引速度を毎分5mとし、シールドガスとして窒素ガスを用いている。なお、加工対象Wは厚み2mmのタフピッチ銅を採用している。
110,210,310,411,412,510,611,612 発振器
120,220,320,420,520,620 光学ヘッド
121,221,321,421a,421b,521a,521b,621 コリメートレンズ
122,222,322,422a,422b,522a,522b,622 集光レンズ
123,223,323 回折光学素子
224a,224b,226,324a,324b ミラー
225a,225b,325a,325b モータ
130,230,330,431,432,531,533,534,631,632,635 光ファイバ
532 分岐ユニット
634 結合部
Claims (40)
- レーザ装置からのレーザ光を加工対象に向かって照射し、前記加工対象を溶融して溶接を行う、
工程を含み、
前記レーザ光は主ビームと、掃引方向前方に少なくともその一部がある副ビームによって構成され、前記主ビームのパワー密度は、少なくともキーホールを発生させる強度であり、前記副ビームのパワー密度は、前記主ビームのパワー密度よりも低く、少なくとも金属蒸気の圧力により発生するキーホールを発生させずに前記加工対象を溶融する強度であり、
前記レーザ光は、前記副ビームが照射される領域に、前記主ビームが照射される領域に形成される溶融池より浅いとともに、溶融し液体化した前記加工対象によって満たされた溶融池である浅瀬領域を形成し、
前記副ビームが照射される領域に形成された前記浅瀬領域が固化する前に、当該浅瀬領域に前記主ビームの溶融強度領域が到達し、
前記浅瀬領域の深さは、10μmよりも深い、
加工対象をレーザによって溶接する溶接方法。 - 前記レーザ光は、前記主ビームの掃引方向後方に、前記主ビームよりもパワー密度が低い副ビームをさらに有する、請求項1に記載の溶接方法。
- 前記レーザ光は、前記主ビームの掃引方向横方向に、前記主ビームよりもパワー密度が低い副ビームをさらに有する、請求項1に記載の溶接方法。
- 前記レーザ光は、前記主ビームの周囲に、前記主ビームよりもパワー密度が低い副ビームをさらに分散して有する、請求項1に記載の溶接方法。
- 前記副ビームは、前記主ビームの周囲を囲むリング形状または前記主ビームの周囲を囲むリング形状の一部である円弧形状を持つ、請求項1に記載の溶接方法。
- 前記レーザ光の前記主ビームと前記副ビームは、前記主ビームで形成された溶融池と、前記副ビームで形成された溶融池の少なくとも一部が重なる様に構成される、請求項1から請求項5の何れか1項に記載の溶接方法。
- 前記主ビームと前記副ビームとの間の距離は、前記副ビームのビーム径の2倍未満である、請求項6に記載の溶接方法。
- 前記主ビームおよび前記副ビームのうち少なくとも前記副ビームを形成するレーザ光の波長は、前記加工対象の赤外領域の反射率よりも低い反射率を持つ波長である、請求項1に記載の溶接方法。
- 前記副ビームにおけるパワー密度は、1×107W/cm2以下である、請求項8に記載の溶接方法。
- 前記主ビームを形成するレーザ光の波長は、前記副ビームを形成するレーザ光の波長と同一である、請求項8または9に記載の溶接方法。
- 前記主ビームおよび前記副ビームは、同一の発振器から出射されたレーザ光である、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の溶接方法。
- 前記主ビームおよび前記副ビームは、異なる発振器から出射されたレーザ光である、請求項1から請求項10の何れか1項に記載の溶接方法。
- 前記主ビームおよび前記副ビームは、前記発振器と前記加工対象との間に配置されたビームシェイパによって形成される、請求項11または12に記載の溶接方法。
- 前記ビームシェイパは回折光学素子である、ことを特徴とする請求項13に記載の溶接方法。
- 前記主ビームと前記副ビームとの間の距離は、前記副ビームのビーム径の1倍未満である、ことを特徴とする請求項13または14に記載の溶接方法。
- 前記加工対象は溶接されるべき少なくとも2つの部材であり、前記加工対象をレーザ光の照射される領域に配置する前記工程は、前記少なくとも2つの部材を重ねる、または接触させる、または隣接させるように配置する工程である、請求項1から請求項15の何れか1項に記載の溶接方法。
- 前記副ビームのビーム径は、前記主ビームのビーム径と略等しい又は大きい、請求項1に記載の溶接方法。
- レーザ装置からのレーザ光を加工対象に向かって照射し、前記加工対象を溶融して溶接を行う、
工程を含み、
前記レーザ光は主ビームと、掃引方向前方に少なくともその一部がある副ビームによって構成され、前記主ビームは、少なくともキーホールを発生させる強度であり、前記副ビームは、前記主ビームのパワー密度よりも低く、少なくとも金属蒸気の圧力により発生するキーホールを発生させずに前記加工対象を溶融する強度であり、
前記レーザ光は、前記副ビームが照射される領域に、前記主ビームが照射される領域に形成される溶融池より浅いとともに、溶融し液体化した前記加工対象によって満たされた溶融池である浅瀬領域を形成し、
前記副ビームが照射される領域に形成された前記浅瀬領域が固化する前に、当該浅瀬領域に前記主ビームの溶融強度領域が到達し、
前記浅瀬領域の深さは、10μmよりも深い、
加工対象をレーザによって溶接する溶接方法。 - レーザ発振器と、
レーザ発振器から発振された光を受け取ってレーザ光を生成し、前記生成されたレーザ光を加工対象に向かって照射して照射された部分の前記加工対象を溶融して溶接を行う光学ヘッドと、
によって構成され、
前記光学ヘッドは前記レーザ光と前記加工対象とが相対的に移動可能な様に構成され、前記レーザ光を前記加工対象上で掃引しつつ、前記溶融を行なって溶接を行い、
前記レーザ光は主ビームと、掃引方向前方に少なくともその一部がある副ビームによって構成され、前記主ビームのパワー密度は、少なくともキーホールを発生させる強度であり、前記副ビームのパワー密度は、前記主ビームのパワー密度よりも低く、少なくとも金属蒸気の圧力により発生するキーホールを発生させずに前記加工対象を溶融する強度であり、
前記レーザ光は、前記副ビームが照射される領域に、前記主ビームが照射される領域に形成される溶融池より浅いとともに、溶融し液体化した前記加工対象によって満たされた溶融池である浅瀬領域を形成し、
前記副ビームが照射される領域に形成された前記浅瀬領域が固化する前に、当該浅瀬領域に前記主ビームの溶融強度領域が到達し、
前記浅瀬領域の深さは、10μmよりも深い、
加工対象をレーザによって溶接するレーザ溶接装置。 - 前記レーザ光は、前記主ビームの掃引方向後方に、前記主ビームよりもパワー密度が低い副ビームをさらに有する、請求項19に記載のレーザ溶接装置。
- 前記レーザ光は、前記主ビームの掃引方向横方向に、前記主ビームよりもパワー密度が低い副ビームをさらに有する、請求項19に記載のレーザ溶接装置。
- 前記レーザ光は、前記主ビームの周囲に、前記主ビームよりもパワー密度が低い副ビームをさらに分散して有する、請求19に記載のレーザ溶接装置。
- 前記副ビームは前記主ビームの周囲を囲むリング形状または前記主ビームの周囲を囲むリング形状の一部である円弧形状を持つ、請求項19に記載のレーザ溶接装置。
- 前記レーザ光の前記主ビームと前記副ビームは、前記主ビームで形成された溶融池と、前記副ビームで形成された溶融池の少なくとも一部が重なる様に構成される、請求項19から請求項23の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。
- 前記主ビームおよび前記副ビームのうち少なくとも前記副ビームを形成するレーザ光の波長は、前記加工対象の赤外領域の反射率よりも低い反射率を持つ波長である、請求項19に記載のレーザ溶接装置。
- 前記副ビームにおけるパワー密度は、1×107W/cm2以下である、請求項25に記載のレーザ溶接装置。
- 前記主ビームを形成するレーザ光の波長は、前記副ビームを形成するレーザ光の波長と同一である、請求項25または26に記載のレーザ溶接装置。
- 前記光学ヘッドは単一のレーザ発振器から発振された光から前記主ビームおよび前記副ビームからなる前記レーザ光を生成する、請求項19から請求項27の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。
- 前記光学ヘッドは前記レーザ発振器と前記加工対象との間に配置されたビームシェイパを含み、前記ビームシェイパは前記単一のレーザ発振器から発振された光から前記主ビームおよび前記副ビームを形成する、請求項28に記載のレーザ溶接装置。
- 前記ビームシェイパは回折光学素子である、ことを特徴とする請求項29に記載のレーザ溶接装置。
- 前記主ビームと前記副ビームとの間の距離は、前記副ビームのビーム径の1倍未満である、ことを特徴とする請求項29または30に記載のレーザ溶接装置。
- 前記レーザ発振器は異なる2つのレーザ発振器から構成され、前記主ビームおよび前記副ビームは、それぞれ前記異なる2つのレーザ発振器から出射されたレーザ光である、請求項19から請求項24の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。
- 前記加工対象は溶接されるべき少なくとも2つの部材である、請求項19から請求項32の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。
- 前記副ビームのビーム径は、前記主ビームのビーム径と略等しい又は大きい、請求項19に記載のレーザ溶接装置。
- 前記ビームシェイパは、回転可能に設けられている、請求項29または30に記載のレーザ溶接装置。
- 前記レーザ発振器は複数あり、
前記光学ヘッドは前記複数のレーザ発振器から出射された光を内部で合波して前記レーザ光を生成する、請求項19から請求項24の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。 - 前記レーザ発振器は複数あり、
前記複数のレーザ発振器から出射された光を内部で合波して前記光学ヘッドへ導くマルチコアファイバを、さらに備える、請求項19から請求項24の何れか1項に記載のレーザ溶接装置。 - 前記光学ヘッドは前記レーザ光を、固定されている前記加工対象に対して掃引可能に構成される、請求項19に記載のレーザ溶接装置。
- 前記光学ヘッドからのレーザ光の照射位置は固定され、前記加工対象が前記固定されたレーザ光に対して移動可能に保持される、請求項19に記載のレーザ溶接装置。
- レーザ発振器と、
レーザ発振器から発振された光を受け取ってレーザ光を生成し、前記生成されたレーザ光を加工対象に向かって照射して照射された部分の前記加工対象を溶融して溶接を行う光学ヘッドと、
によって構成され、
前記レーザ光は主ビームと、掃引方向前方に少なくともその一部がある副ビームによって構成され、前記主ビームは、少なくともキーホールを発生させる強度であり、前記副ビームは、前記主ビームのパワー密度よりも低く、少なくとも金属蒸気の圧力により発生するキーホールを発生させずに前記加工対象を溶融する強度であり、
前記レーザ光は、前記副ビームが照射される領域に、前記主ビームが照射される領域に形成される溶融池より浅いとともに、溶融し液体化した前記加工対象によって満たされた溶融池である浅瀬領域を形成し、
前記副ビームが照射される領域に形成された前記浅瀬領域が固化する前に、当該浅瀬領域に前記主ビームの溶融強度領域が到達し、
前記浅瀬領域の深さは、10μmよりも深い、
加工対象をレーザによって溶接するレーザ溶接装置。
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