JP2013220462A - 溶接方法および金属ケース - Google Patents

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Abstract

【課題】ケースと、そのケースの開口を覆う封口部材との高品質な溶接を実現するための溶接方法を提供する。
【解決手段】本発明の溶接方法は、ケース1の開口部の第1長辺を形成するケース1の内壁1aから、ケース1と封口部材2とのレーザ溶接を開始して、ケース1の開口部の外周に沿ってレーザ溶接を進めて、最後に、ケース1の開口部の第1長辺へ戻って、ケース1の内壁1aと封口部材2との未溶接部をレーザ溶接し、溶接開始前のケース1の内壁1aと封口部材2との間の隙間をA、溶接開始前の第1長辺とは反対側のケース1の開口部の第2長辺を形成するケース1の内壁1bと封口部材2との間の隙間をB、溶接完了後のケース1の内壁1aと封口部材2との間の隙間をA’、溶接完了後のケース1の内壁1bと封口部材2との間の隙間をB’としたとき、A≧A’、B≦B’の関係が成立するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、互いに対向する二つの長辺と、互いに対向する二つの短辺とを含む矩形枠によって外周が構成された開口部を有する筒状体のケースに、そのケースの開口部に挿入された蓋等の封口部材を、その封口部材の全周にわたって溶接する溶接方法と、その溶接方法によって封口部材が溶接された金属ケースに関する。
携帯機器等の駆動用電源として、高容量のアルカリ蓄電池に代表される水系電解液二次電池や、リチウムイオン二次電池に代表される非水系電解液二次電池などの密閉型二次電池が広く使用されている。また、電子機器のバックアップ電源等には電気二重層コンデンサが広く用いられている。近年、これらの密閉型二次電池や電気二重層コンデンサは、ハイブリッド自動車や電気自動車の電源として注目されており、密閉型二次電池や電気二重層コンデンサに対する高容量化、高信頼性化、低コスト化の要望が、近年益々大きくなってきている。
以上のような電池に代表されるエネルギデバイスでは、発電素子が内部に設置されたケースから電解液が漏れないように、ケースの開口部に封口部材を挿入し、その挿入された封口部材の全周をケースに溶接して、ケースを密閉する必要があり、ケースと封口部材との高品質な溶接を、安定して、かつ低コストで実現できる技術が求められている。ケースの開口部に封口部材を挿入して、その挿入された封口部材の全周をケースに溶接する溶接方法は、例えば特許文献1に開示されている。以下、特許文献1に開示された溶接方法について、図9を用いて説明する。
図9に示す従来の溶接方法では、有底筒状体のケース91の開口部に封口板92を挿入した後、YAGレーザからパルス状のレーザ光を出力して、ケース91の開口部に挿入された封口板92の外周に沿ってレーザ光のスポット(レーザスポット)93を間欠的に照射しながら走査することにより、封口板92の全周をケース91に溶接する。さらに、そのレーザ溶接の際に、ケース91の縁部を角部91aと直線部91bに分けて、角部91aでは、直線部91bよりもレーザ光のスポット93の照射密度を高くしている。具体的には、角部91aにおいてレーザ光のスポット93の走査速度を下げて、レーザ光のスポット93のオーバーラップ率を上げることにより、角部91aにおけるレーザ光のスポット93の照射密度を直線部91bよりも高くしている。このような溶接方法により、曲折度の大きな区間で発生し易いクラックを防止して、クラックの無い高品質な溶接を実現している。
しかし、以上のようなYAGレーザを用いる溶接方法では、パルスの繰り返し周波数が低いため、20mm/s以下の低速度溶接となり、コストが増加する。また、YAGレーザでは、溶接面に形成されるスポットのスポット径を小さくできないため、低パワー密度のスポットしか照射できないことも、高速化の妨げとなっている。更に、パルス照射であるため、照射箇所の温度が急上昇してスパッタが発生したり、溶接方向に対して溶融深さが一定でない等、溶接品質に課題がある。
最近ではファイバーレーザやディスクレーザの高出力化によって、kW級の連続発振が容易に得られるようになり、例えば特許文献2に開示されているように、比較的スポット径の大きなレーザ光を照射することにより、50mm/s以上の溶接が実現されている。
特開平11−144692号公報 特開2009−245758号公報
しかしながら、特許文献2に開示されている従来の溶接方法には、密閉型二次電池や電気二重層コンデンサ等のエネルギデバイスの量産工程に適用する場合に、以下で説明する二つの課題がある。
一つ目の課題は、ケースと蓋板との間の隙間や段差(ケースの開口部の上面と蓋板の上面との間の段差)の影響を受けて、溶接品質が安定しないことである。
実際の生産工程においては、寸法公差のある蓋体をケースの開口部に嵌め込むことから、蓋体とケースとの間に隙間が発生する。特に、ケースの開口部のコーナー部(曲線部)に対応する箇所では、ケースの開口部への蓋体の嵌め込みをスムーズに行うために、蓋体をケースの開口部よりも小さくしてあり、多少であっても隙間は発生する。
また、ケースの開口部の長辺側では、ケースが変形し易い。そのため、レーザ溶接の際に、治具によってケース全体を挟み込んで、ケースの位置を規制することにより、ケースの開口部の長辺側では、ケースが変形して隙間が埋まるので、隙間が発生し難い。一方、ケースの開口部の短辺側では、ケースが変形し難いため、治具でケース全体を挟み込んでも隙間が埋まらず残ってしまう。
更に、蓋体の上面とケースの開口部の上面が、蓋体の全周できれいに揃うことはまれで、多少であっても、ケースと蓋体との間に段差が生じる。
以上のような隙間や段差は、蓋板をケースの開口部に嵌め込む工程や、その後の搬送工程での振動によって発生するが、その発生箇所を制御することはできず、ランダムに発生する。そのため、蓋板の全周にわたって溶接品質を安定させることは極めて困難である。
二つ目の課題は、溶接の途中で隙間や段差が変化していくことである。溶接前は隙間が大きな箇所でも、溶接を開始すると、蓋板の溶融した部分とケースの溶融した部分の表面張力により、蓋板がケースの内壁へ近づいていき、隙間が小さくる。このとき、蓋板が近づいた内壁の反対側のケースの内壁と蓋板との間の隙間は拡大する。ケース内には発電素子が入っているため、蓋板が動いてもケースが動くことは無く、拡大した隙間はそのまま保持される。
更に、レーザ溶接時に、ケースは金属製の保持治具によって保持されているので、そのケースに接触している保持治具へ、ケースから熱が伝導する。したがって、ケースには大きな変形は発生しない。一方、蓋板には、溶接が進むにつれて熱が蓄積していくため、反りが発生する。特に、ケースの開口部の一方の短辺側から溶接を開始した場合、その短辺におけるケースと蓋板との溶接が完了して、ケースの開口部の一方の長辺においてケースと蓋板とを溶接をしているときに、蓋板が大きく変形し易く、ケースの開口部の他方の短辺側において、ケースと蓋体との間に大きな段差が発生する。そのため、蓋板の全周にわたって溶接品質を安定させることは極めて困難であり、場合によっては、大きな段差によって溶接できないこともある。
本発明は、上記した従来の課題に鑑みてなされたもので、二次電池等のケースと、そのケースの開口を覆う蓋等の封口部材との高品質な溶接を安定して実現するための溶接方法、およびその溶接方法によって封口部材が溶接された金属ケースを提供することを目的とする。
本発明の溶接方法は、互いに対向する第1長辺及び第2長辺と、互いに対向する第1短辺及び第2短辺を含む矩形枠からなる外周を有する開口部を持つ筒状体のケースに、そのケースの開口部に挿入された封口部材の全周を、レーザ光によって溶接する溶接方法において、前記開口部に前記封口部材を挿入し、前記開口部の前記第1長辺を形成する前記ケースの第1の内壁と前記封口部材との溶接を開始した後、前記開口部の前記第1短辺を形成する前記ケースの第2の内壁と前記封口部材との溶接、前記開口部の前記第2長辺を形成する前記ケースの第3の内壁と前記封口部材との溶接、前記開口部の前記第2短辺を形成する前記ケースの第4の内壁と前記封口部材との溶接をこの順で行い、次に、前記第1の内壁と前記封口部材との未溶接部を溶接し、溶接開始前の前記第1の内壁と前記封口部材との間の隙間をA、溶接開始前の前記第3の内壁と前記封口部材との間の隙間をB、溶接完了後の前記第1の内壁と前記封口部材との間の隙間をA’、溶接完了後の前記第3の内壁と前記封口部材との間の隙間をB’としたとき、A≧A’、B≦B’の関係が成立することを特徴とする。
また、上記した本発明の溶接方法において、前記ケースと前記封口部材とを前記レーザ光によって溶接する際に、第1ないし第3スポットからなる前記レーザ光のスポットを前記ケースと前記封口部材に照射するとともに、前記第1スポットを前記ケースと前記封口部材に照射し、前記第1スポットよりもパワー密度が高く、かつ前記第1スポットに内包された前記第2スポットを前記ケースに照射し、前記第1スポットよりもパワー密度が高く、かつ前記第1スポットに内包された前記第3スポットを前記封口部材に照射してもよい。
また、上記した本発明の溶接方法において、前記ケースと前記封口部材とを前記レーザ光によって溶接する際に、前記レーザ光のスポットをウィービングさせてもよい。
また、上記した本発明の溶接方法において、前記ケースと前記封口部材とを前記レーザ光によって溶接する際に、前記レーザ光のスポットの向きを揺動させてもよい。
また、上記した本発明の溶接方法において、前記開口部の前記第1長辺側及び前記第2長辺側の前記ケースの厚みが、前記開口部の前記第1短辺側及び前記第2短辺側の前記ケースの厚みよりも薄くてもよい。
また、本発明の金属ケースは、互いに対向する第1長辺及び第2長辺と、互いに対向する第1短辺及び第2短辺を含む矩形枠からなる外周を有する開口部を持つ筒状体のケースに、そのケースの開口部に挿入された封口部材の全周が、レーザ光によって溶接された金属ケースにおいて、前記レーザ光の照射によって溶融した前記封口部材の溶融部の溶融深さと、前記レーザ光の照射によって溶融した前記ケースの溶融部の溶融深さが共に、前記封口部材の厚みより小さく、かつ0.1mm以上であり、前記封口部材の溶融部と前記ケースの溶融部が連続して繋がっており、前記ケースと前記封口部材との間の隙間が0.2mm以下であり、前記封口部材の上面と前記開口部の上面との段差が0.4mm以下であって、前記封口部材の溶融部の溶融深さが、前記ケースの溶融部の溶融深さ以上であることを特徴とする。
本発明によれば、溶接対象部材の寸法公差や、溶接対象部材の位置決めのばらつき、レーザ溶接装置に設けられた光学系の光軸ズレ等が発生しても、ケースの開口部に配置された封口部材と当該ケースとの高品質な溶接を、封口部材の全周において、安定して、かつ高速に実施することが可能となる。また、ケースと封口部材との間(ケースの上面すなわちケースの開口部の上面と封口部材の上面との間)に段差が生じても、封口部材の全周において、封口部材とケースとの高品質かつ高速な溶接を安定して実現できる。更に、溶接中にケースと封口部材との間に隙間や段差が発生したり、その隙間や段差の大きさが変化しても、封口部材の全周において、封口部材とケースとの高品質かつ高速な溶接を安定して実現できる。また、ケースと封口部材との間に大きな隙間や段差が生じ易い、ケースの開口部のコーナー部(曲線部)においても、封口部材とケースとの高品質かつ高速な溶接を安定して実現できる。
したがって、本発明によれば、二次電池等のケースと、そのケースの開口を覆う蓋等の封口部材との高品質な溶接を、安定して、かつ高速に実現することができる。よって、高容量で信頼性の高い二次電池や、二次電池と同様の構造を持つ高容量で信頼性の高い電気二重層コンデンサを低コストで製造することができる。
(a)〜(e)本発明の実施の形態1における溶接方法を示す上面図 (a)図1(a)のI−I線に沿った縦断面図、(b)図2(a)のII−II線に沿った横断面図 (a)図1(e)のIII−III線に沿った縦断面図、(b)図3(a)のIV−IV線に沿った横断面図 (a)〜(d)本発明の実施の形態2におけるケースの位置規制方法を示す上面図 (a)〜(e)本発明の実施の形態3における溶接方法を示す上面図、(f)本発明の実施の形態3におけるレーザスポットを示す上面図 (a)本発明の実施の形態3における溶融部の拡大縦断面図、(b)蓋がケースに対して高い場合の溶融部の拡大縦断面図、(c)蓋がケースに対して低い場合の溶融部の拡大縦断面図 本発明の実施の形態4におけるスポットの走査を示す上面図 本発明の実施の形態5におけるスポットの走査を示す上面図 従来の溶接方法を示す上面図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、説明の簡略化のために、実質的に同一の機能を有する構成要素は、同一の参照符号で示す。また、図面は、理解し易くするために、それぞれの構成要素を模式的に示している。また、図示された各構成要素の厚み、長さ等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。なお、以下の実施の形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における溶接方法及び金属ケースを示している。この実施の形態1における溶接方法は、矩形状の開口部を有し、その開口部の外周が、対向する2本の長辺と対向する2本の短辺を含む矩形枠によって構成された有底筒状体の金属ケース(筒状体のケースの一例)1に、その金属ケース1の開口部に挿入された蓋(封口部材の一例)2を、その蓋2の全周にわたって溶接する方法である。
図1(a)は、蓋2が挿入された金属ケース1を、治具3によって位置規制した状態を示している。この溶接開始前の、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間をAとし、その第1長辺の反対側の金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間をBとする。この実施の形態1では、レーザ光のスポット(レーザスポット)4の照射が、金属ケース1の開口部の第1長辺から開始される。
図1(b)は、レーザ光のスポット4の照射を開始した状態を示している。レーザ光のスポット4の照射は、金属ケース1の開口部の第1長辺上の任意の箇所、好適には中央またはその近傍の箇所から開始する。レーザ光のスポット4は、溶接開始位置(レーザ光の照射開始位置)から、図1(b)に示す矢印の方向へ走査される。具体的には、レーザ光のスポット4は、第1長辺に沿って、金属ケース1の開口部の第1短辺へ向けて走査される。また、レーザ光のスポット4は、金属ケース1と蓋2の両方に跨るように照射される。なお、治具3の図示は、説明に必要な場合を除いて省略される。
図1(c)は、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁(第1の内壁)1aと蓋2との溶接が完了した後、第1長辺と第1短辺とを繋ぐ金属ケース1の開口部の第1コーナー部(曲線部)を形成する金属ケース1の内壁1eと蓋2との溶接を経て、金属ケース1の開口部の第1短辺を形成する金属ケース1の内壁(第2の内壁)1cと蓋2との溶接を行っている状態を示している。
図1(c)に示すように、レーザ光のスポット4が走査されると、そのレーザ光のスポット4の軌跡に沿って溶融部(金属が溶融した部分)5が形成される。溶融部5は、レーザ光のスポット4の照射によって溶融した金属ケース1を構成する金属と、レーザ光のスポット4の照射によって溶融した蓋2を構成する金属とからなる。レーザ光のスポット4は、第1コーナー部を経た後、図1(c)に示す矢印の方向へ走査される。具体的には、レーザ光のスポット4は、第1短辺に沿って、金属ケース1の開口部の第2長辺へ向けて走査される。
図1(d)は、図1(c)に示す状態から溶接が更に進んだ状態を示している。具体的には、図1(d)は、金属ケース1の開口部において、第1短辺と第2長辺とを繋ぐ第2コーナー部(曲線部)を形成する金属ケース1の内壁1fと蓋2との溶接、第2長辺を形成する金属ケース1の内壁(第3の内壁)1bと蓋2との溶接、第2長辺と第2短辺を繋ぐ第3コーナー部(曲線部)を形成する金属ケース1の内壁1gと蓋2との溶接、第2短辺を形成する金属ケース1の内壁(第4の内壁)1dと蓋2との溶接、及び、第2短辺と第1長辺を繋ぐ第4コーナー部(曲線部)を形成する金属ケース1の内壁1hと蓋2との溶接をこの順に経て、第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との未溶接部の溶接を行っている状態を示している。
図1(e)は、金属ケース1と蓋2の全周との溶接を終えて、レーザ光のスポット4の照射を終了した状態を示している。溶接は、レーザ光のスポット4の走査が、レーザ光の照射開始位置を越えてから終了させる。
以上説明した溶接により、金属ケース1が蓋2によって密封される。なお、実際の電池製造工程では、蓋2に注液用の孔が開いている場合が多い。
図2(a)は図1(a)に示すI−I線に沿った断面図である。詳しくは、溶接前の金属ケース1と蓋2を、図1(a)に示すI−I線に沿って切断して、金属ケース1の開口部の第1短辺側から見た断面を示している。
図2(a)に示すように、治具3の内壁によって形成されている位置規制用の穴部に、蓋2が挿入された金属ケース1がはめ込まれる。治具3の内壁は、金属ケース1の寸法よりも僅かに大きい寸法の位置規制用の穴部を形成する。溶接前は、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間に隙間Aが存在し、金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間に隙間Bが存在する。
図2(b)は図2(a)に示すII−II線に沿った断面図である。詳しくは、溶接前の金属ケース1と蓋2を、蓋2の下部に位置するII−II線で切断して、金属ケース1の上面側から見た断面を示している。
図3(a)は図1(e)に示すIII−III線に沿った断面図である。詳しくは、レーザ光のスポット4の照射によって蓋2の全周を金属ケース1に溶接した後の金属ケース1と蓋2を、図1(e)に示すIII−III線に沿って切断して、金属ケース1の開口部の第1短辺側から見た断面を示している。
図3(a)に示すように、レーザ溶接完了後は、金属ケース1の開口部に挿入された蓋2を当該金属ケース1に固定接続する溶融部5よりも下側の位置において、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間に隙間A’が存在し、金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間に隙間B’が存在する。溶融部5は、金属ケース1を構成する金属と蓋2を構成する金属がレーザ光のスポット4の照射によって溶融して、その両方の溶融した金属が繋がることにより形成され、金属ケース1と蓋2との間の隙間を埋める。また、図3(a)から明らかなように、溶融部5の溶融深さは、蓋2の板厚よりも浅い。したがって、この実施の形態1における溶接は非貫通溶接である。
図3(b)は図3(a)に示すIV−IV線に沿った断面図である。詳しくは、溶接後の金属ケース1と蓋2を、溶融部5よりも下側に位置するIV−IV線で切断して、金属ケース1の上面側から見た断面を示している。
図1(a)及び図2に示す溶接前は、金属ケース1の開口部に蓋2を挿入するために、蓋2の幅は金属ケース1の開口幅と同じであるか、あるいはそれよりも小さい。実際の電池製造工程においては、溶接対象部材に寸法公差があるため、金属ケース1と蓋2との間に隙間が発生する。また、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間Aのばらつき、および金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間Bのばらつきは、制御できない。
図1(b)に示すように金属ケース1の開口部の第1長辺上の任意の箇所よりレーザ溶接を開始した場合、まず、金属ケース1の開口部の第1長辺において、隙間Aに溶融金属が流れ込んで、金属ケース1に蓋2が溶接される。具体的には、金属ケース1のうちのレーザ光のスポット4が照射されている部分と、蓋2のうちのレーザ光のスポット4が照射されている部分が、レーザ光を吸収して加熱され溶融し、溶融した金属ケース1を構成する金属と、溶融した蓋2を構成する金属が、隙間Aの中に流れ込み、隙間Aを覆う。レーザ光のスポット4が走査されて、溶融した金属にレーザ光のスポット4が照射されなくなると、溶融した金属の温度が下がって、溶融した金属が固化し、溶融部5が形成される。このとき、溶融した金属の表面張力によって、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2が互いに近づこうとするが、金属ケース1の内部には発電部が設置されているため、金属ケース1の内壁1aは蓋2に近づくことができない。一方、蓋2は、金属ケース1の開口部の第1コーナー部、第1短辺、第2コーナー部、第2長辺、第3コーナー部、第2短辺及び第4コーナー部を形成する金属ケース1の内壁1e、1c、1f、1b、1g、1d及び1hには未だ溶接されておらず、金属ケース1と蓋2との間の隙間の範囲内で自由に動くことができる。したがって、蓋2が金属ケース1の内壁1aに近づく。
このため、溶接後の、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A’は、溶接前の隙間Aよりも小さくなる。もし、溶接前の隙間Aが“0”の場合には、溶接後の隙間A’も“0”であり、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1aの内壁と蓋2との間の距離は、溶接の前後で変化しない。したがって、第1長辺の反対側の金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との溶接が開始される直前の隙間Bは、溶接開始位置にレーザ光のスポット4が照射される前と同じか、又は、それよりも大きくなっている。
金属ケース1の開口部の第2長辺に沿ってレーザ光のスポット4が走査されるときには、隙間Bの中に流れ込んだ溶融金属が固化するときに、溶融金属の表面張力によって、金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bに蓋2が引きつけられる。しかし、このときには既に、金属ケース1の内壁の一部分と蓋2との溶接が完了しているため、蓋2は移動しない。したがって、溶接後の、金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B’は、溶接開始位置にレーザ光のスポット4の照射が開始される前の隙間Bと同じか、又は、それよりも大きくなっている。
続いて、この実施の形態1の実施例について説明する。この実施例では、金属ケース1の開口部の長辺の長さが150mm、金属ケース1の開口部の短辺の長さが30mmで、板厚が0.6mmのアルミニウムを主成分とする金属ケース1と、板厚が1.5mmのアルミニウムを主成分とする蓋(封口板)2を準備して、図1(a)に示すように、金属ケース1の開口部に蓋2を挿入した後、銅を主成分とする治具3の内壁によって形成されている金属ケース1の寸法よりも僅かに大きい寸法の位置規制用の穴部に、蓋2が挿入された金属ケース1を嵌合した。
次に、図1(b)に示すように、金属ケース1の開口部の第1長辺上の任意の箇所、好適には中央又はその付近の箇所に、ファイバーレーザによって、スポット4の形状が円形状となる3kWのレーザ光を照射した。このとき、金属ケース1と蓋2に同時にレーザ光のスポット4が照射されるように、レーザ光のスポット4の照射位置を設定した。また、レーザ光のスポット径は0.5mmとした。
その後、図1(c)、(d)に示すように、金属ケース1の開口部の外周に沿って、第1長辺から、第1短辺、第2長辺、第2短辺を経て、再び第1長辺に戻る順序で(なお、コーナー部の表記は省略する)、レーザ光のスポット4を、150mm/sの速度で走査した。このとき、金属ケース1と蓋2に同時にレーザ光のスポット4が照射されるように、レーザ光のスポット4を走査した。
レーザ光のスポット4が再び第1長辺に戻り、溶接開始点に到達すると、徐々にレーザ出力を下げて、レーザ光のスポット4が溶接開始点を1mm通過したところで、金属ケース1と蓋2の全周との溶接を終了した。図1(e)は、全周溶接を終了した状態を示している。このように溶接軌道を1mm重ねることにより、溶接開始時からその直後にかけてのレーザ光4のスポットの照射領域と、溶接終了直前から溶接終了時にかけてのレーザ光4のスポットの照射領域において、溶融深さを一定以上に確実に保つことができる。また、溶接軌道が重なる箇所は入熱が大きくなるため、レーザ光が蓋2を貫通して、金属ケース1の内部の発電部等にダメージを与えるおそれがある。このため、レーザ光のスポット4が溶接開始点に戻った後は、レーザ出力を徐々に下げる必要がある。
以上説明した実施例において、金属ケース1を治具3に嵌合したときの初期状態における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B、並びに、レーザ溶接完了後における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A’、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B’をそれぞれ測定したところ、
A=0.06mm、B=0.03mm、A’=0.04mm、B’=0.05mm
であった。
また、隙間A’及び隙間B’に対応する箇所の溶融深さ(溶接深さ)を測定したところ、
隙間A’に対応する箇所の溶融深さ=0.5mm
隙間B’に対応する箇所の溶融深さ=0.4mm
であった。したがって、この実施例によれば、十分な接合強度を得ることができた。
以上説明した実施例を10回行って、各隙間A、B、A’及びB’を測定した結果、全ての溶接において、
A≧A’、B≦B’
の関係が成立した。また、蓋2の全周にわたる溶接の終わりの方で、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とを溶接するとき、その第2短辺を形成する内壁1dと蓋2との間の隙間及び段差(金属ケース1の開口部の上面と蓋2の上面との間の、第2短辺側における段差)が共に、金属ケース1と蓋2を安定して溶接することが可能な程度に小さい寸法であった。したがって、蓋2の全周溶接を安定して実施することができた。なお、金属ケース1の内壁と蓋2との間の隙間は0.2mm以下が好適であり、金属ケース1の開口部の上面と蓋2の上面との間の段差は0.4mm以下が好適である。
なお、この実施例では、金属ケース1の金属材料の主成分および蓋2の金属材料の主成分としてアルミニウムを用いたが、金属ケース1と蓋2の金属材料の組み合わせは、溶接可能な組合せであれば特に制限されるものではなく、勿論、異種金属の溶接であってもよい。治具3の材料も、金属ケース1を安定して保持可能であればよく、銅に限るものではない。
また、レーザ光のスポット径や、レーザ光のスポット4の形状、レーザ出力、レーザ溶接速度等の条件は、溶接対象の金属部材1、2の材料や表面状態、板厚、ならびに総熱容量に依存するため、上記した数値例に限定されるものではない。
また、この実施例では、レーザ発振器としてファイバーレーザを用いたが、高出力が得られるディスクレーザ、YAGレーザ、COレーザ、半導体レーザ等の他のレーザを用いても、この実施例と同様の効果が得られる。
続いて、この実施の形態1に対する比較例について説明する。この比較例の溶接は、金属ケース1の開口部の第1短辺上からレーザ光のスポット4の照射を開始し、レーザ光のスポット4の走査を、その第1短辺で終了させたことを除いて、上記した実施例の溶接と同様である。
この比較例では、金属ケース1の開口部の第1短辺上からレーザ光のスポット4の照射を開始したため、金属ケース1の開口部の第2長辺の第1短辺側の端部において金属ケース1と蓋2が溶接されたときに、金属ケース1と蓋2がまだ溶接されていない箇所で蓋2が変形し始めて、第1短辺の反対側の金属ケース1の開口部の第2短辺側が大きく持ち上がる反りが蓋2に発生した。蓋2の変形は、金属ケース1と蓋2とが溶接された箇所では、蓋2の熱が治具3へ逃げるが、金属ケース1と蓋2とが溶接されていない箇所では、蓋2の熱は逃げることができず、そのため、溶接された箇所と溶接されていない箇所との間で蓋2の温度に温度差が生じるために、発生する。金属ケース1の開口部の第1短辺から溶接を開始した場合、金属ケース1の開口部の第2長辺において溶接が開始されたときに、金属ケース1の開口部の第1短辺側の溶接された箇所の蓋2の温度と、その第1短辺の反対側の金属ケース1の開口部の第2短辺側の溶接されていない箇所の蓋2の温度との温度差が大きくなり、また、溶接が行なわれた一方の短辺から、他方の短辺までの距離が長いために、金属ケース1の開口部の第2短辺側において、蓋2の変形が顕著に現れたものと考えられる。この結果、金属ケース1の開口部の第2短辺側において、金属ケース1の開口部の上面よりも蓋2の上面が0.4mmよりも高い状態で、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とが溶接された。この比較例においても、上記した実施例と同様に各隙間A、B、A’及びB’を測定した結果、
A=0.05mm、B=0.04mm、A’=0.06mm、B’=0.03mm
となった。
また、隙間A’及び隙間B’に対応する箇所の溶融深さを測定したところ、
隙間A’に対応する箇所の溶融深さ=0.3mm
隙間B’に対応する箇所の溶融深さ=0.3mm
であった。したがって、この比較例の溶接では、接合強度が上記した実施例と比較して低下した。これは、蓋2の変形によって、蓋2がレーザ光の焦点位置からずれて、蓋2の溶融量が減少し、また、金属ケース1と蓋2はそれらの表面から溶融していくが、金属ケース1と蓋2との段差が大きくなったために、金属ケース1の溶融金属と蓋2の溶融金属が繋がり難くなり、所定の照射時間内での接合量が減少したためであると考えられる。
この比較例を10回行って、各隙間A、B、A’及びB’を測定した結果、全ての溶接において、
A≧A’、B≦B’
の関係が成立しなかった。この10回の比較例の溶接によって形成された各溶融部を詳細に観察した結果、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2との間の隙間および段差が共に、上記した実施例と比較して大きくなっていた。さらに、10回の比較例のうち、第2短辺において未溶接部が発生した溶接が1回あった。
このように、金属ケース1の開口部の第1短辺上からレーザ光のスポット4の照射を開始した場合、その第1短辺の反対側の第2短辺において、溶接部の不良が発生するおそれがある。
これに対して、この実施の形態1の実施例では、前述したように、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とを溶接するとき、その第2短辺を形成する内壁1dと蓋2との間の隙間及び段差が共に、金属ケース1と蓋2とを安定して溶接することが可能な程度に小さい寸法であった。これは、金属ケース1の開口部の第1長辺の中央またはその近傍の箇所から溶接を開始した場合、その第1長辺側の溶接された箇所の蓋2の温度と、金属ケース1の開口部の他の辺側の溶接されていない箇所の蓋2の温度との温度差が、金属ケース1の開口部の第1短辺側から溶接を開始した場合の、その第1短辺側の蓋2の温度と、金属ケース1の開口部の第2短辺側の蓋2の温度との温度差と比較して、小さくなり、また、溶接された箇所と溶接されていない箇所との間の距離が、金属ケース1の開口部の第1短辺側から溶接を開始した場合と比較して、短いためであると考えられる。
以上のことから、この実施の形態1によれば、A≧A’、B≦B’の関係が成立する。また、蓋2の全周にわたる溶接の終わりの方で、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とを溶接するときに、その第2短辺を形成する内壁1dと蓋2との間の隙間及び段差を共に、金属ケース1と蓋2を安定して溶接することが可能な程度の大きさにできる。したがって、蓋2の全周にわたって安定した溶接が実現でき、歩留りが高く低コストな溶接を実現することができる。
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について、図4を用いて説明する。但し、前述した実施の形態1と異なる点を説明し、前述した実施の形態1と重複する説明は省略する。
この実施の形態2は、治具3の構成、及び治具3による金属ケース1の位置規制の方法が実施の形態1と異なり、それ以外は実施の形態1と同様である。
まず、図4(a)に示すように、蓋2が挿入された金属ケース1を、例えば図4(a)に矢印で示す方向へ動かして、金属ケース1の開口部の第2長辺の位置を規制する治具3aと、金属ケース1の開口部の第2短辺の位置を規制する治具3bに、金属ケース1を押し当てる。
次に、図4(b)に示すように、第2短辺の反対側の金属ケース1の開口部の第1短辺の位置を規制する治具3cを、金属ケース1に押し当て、金属ケース1の左右方向の位置を規制する。
次に、図4(c)のように、第2長辺の反対側の金属ケース1の開口部の第1長辺の位置を規制する治具3dを、金属ケース1に押し当て、金属ケース1の前後方向の位置を規制する。
以上の方法により、図4(d)に示すように、金属ケース1の左右方向及び前後方向の位置規制が完了する。このような方法で、蓋2が挿入された金属ケース1の位置規制を行った後、前述した実施の形態1と同様の溶接を行う。
この実施の形態2によれば、前述した実施の形態1と同様に、溶接後の、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A’は、溶接前の隙間Aと同じか、又はそれよりも小さくなる。したがって、金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との溶接が開始される直前の隙間Bは、溶接開始位置にレーザ光のスポット4の照射が開始される前と同じか、又は、それよりも大きくなっている。また、溶接後の、金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B’は、溶接開始位置にレーザ光のスポット4の照射が開始される前の隙間Bと同じか、又は、それよりも大きくなっている。つまり、この実施の形態2によれば、A≧A’、B≦B’の関係が成立する。
また、この実施の形態2によれば、金属ケース1と蓋2との間の隙間全体の量およびその隙間全体の変化量が、前述した実施の形態1に比べて減る傾向となる。これは、金属ケース1は、その金属ケース1の開口部の長辺側で変形し易く、金属ケース1の位置を規制するときに、治具3a〜3dの押圧によって、その開口部の長辺を形成する金属ケース1の内壁が蓋2に接近したためであると考えられる。したがって、溶接前の隙間AおよびB、ならびに溶接後の隙間A’およびB’を、実施の形態1よりも小さくすることができるとともに、金属ケース1の開口部の短辺を形成する金属ケース1の内壁と蓋2との間の隙間の拡大を実施の形態1よりも抑えることができる。よって、この実施の形態2によれば、蓋2の全周にわたって、より安定した溶接が実現でき、より歩留りが高く、より低コストな溶接を実現することができる。
なお、この実施の形態2では、金属ケース1の開口部の第2長辺及び第2短辺の位置を先に規制したが、金属ケース1を治具に押し当てたり、治具を金属ケース1に押し当てたりして、金属ケース1の位置を規制する構造であれば、他の構成の治具を用いても、この実施の形態2と同様の効果が得られる。
続いて、この実施の形態2の実施例について説明する。但し、前述した実施の形態1の実施例と異なる点を説明し、前述した実施の形態1の実施例と重複する説明は省略する。
この実施の形態2の実施例は、治具3の構成及び治具3による金属ケース1の位置規制の方法が実施の形態1の実施例と異なり、それ以外は実施の形態1の実施例と同様である。また、この実施の形態2の実施例では、図4に示す構成の治具3a〜3dを用いて、図4に示す方法で金属ケース1の位置規制を行った後に、実施の形態1の実施例と同様の溶接を行った。
この実施の形態2の実施例において、治具3a〜3dによって金属ケース1を保持したときの初期状態における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B、並びに、レーザ溶接完了後における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A’、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B’をそれぞれ測定したところ、
A=0.02mm、B=0.03mm、A’=0.01mm、B’=0.03mm
であった。
また、隙間A’及び隙間B’に対応する箇所の溶融深さを測定したところ、
隙間A’に対応する箇所の溶融深さ=0.6mm
隙間B’に対応する箇所の溶融深さ=0.5mm
であった。したがって、この実施の形態2の実施例も、実施の形態1の実施例と同様に、十分な接合強度を得ることができた。
また、この実施の形態2の実施例を10回行って、各隙間A、B、A’及びB’を測定した結果、実施の形態1の実施例と比較して、隙間全体の量および隙間全体の変化量は減る傾向にあったが、全ての溶接において、実施の形態1の実施例と同様に、
A≧A’、B≦B’
の関係が成立した。また、実施の形態1の実施例と同様に、蓋2の全周にわたる溶接の終わりの方で、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とを溶接するとき、その第2短辺を形成する内壁1dと蓋2との間の隙間および段差が共に、金属ケース1と蓋2とを安定して溶接することが可能な程度に小さい寸法であった。したがって、蓋2の全周溶接を安定して実施することができた。
なお、レーザ光のスポット径や、レーザ光のスポット4の形状、レーザ出力、レーザ溶接速度等の条件は、溶接対象の金属部材1、2の材料や表面状態、板厚、ならびに総熱容量に依存するため、上記した数値例に限定されるものではない。
(実施の形態3)
続いて、本発明の実施の形態3について、図5及び図6を用いて説明する。但し、前述した実施の形態1及び2と異なる点を説明し、前述した実施の形態1及び2と重複する説明は省略する。
この実施の形態3は、図5(f)に拡大して示すように、3つのスポット(レーザスポット)4a〜4cから構成されるレーザ光のスポット4を用いる点で前述した実施の形態1または2と異なり、それ以外は実施の形態1または2と同様である。なお、金属ケース1の位置規制の方法は、実施の形態1で説明した方法と実施の形態2で説明した方法のいずれであってもよい。
具体的には、スポット(第1スポット)4aは、金属ケース1と蓋2の両方に跨って照射される比較的大きなスポットで、パワー密度は低い。図面には、円形のスポット4aを例示しているが、スポット4aの形状は特に限定されるものではなく、例えば楕円、長方形、正方形あるいは任意の形状でも構わない。スポット(第2スポット)4bは、スポット4aよりも小さく、かつスポット4aよりも高いパワー密度を有している。スポット4bは、スポット4a内に存在し、必ず金属ケース1上を走査される。また、スポット(第3スポット)4cは、スポット4aよりも小さく、かつスポット4aよりも高いパワー密度を有している。スポット4cは、スポット4a内に存在し、必ず蓋2上を走査される。
このようなレーザ光のスポット4を前述した実施の形態1と同様に走査すると、レーザ光のスポット4が照射される各箇所において、まずスポット4aが金属ケース1および蓋2の表面に照射され、そのスポット4aが照射された箇所の温度が徐々に上昇する。次に、スポット4aが照射された箇所に、パワー密度が高いスポット4b及び4cが照射され、そのスポット4b及び4cが照射された箇所の温度が急激に上昇して、その箇所の金属が溶融する。更に、そのスポット4b及び4cによって金属ケース1と蓋2にキーホールが形成されるため、短時間で深い溶融が可能となり、高速溶接が実現できる。その後、スポット4b及び4cが照射された箇所にスポット4aが再び照射されることにより、キーホールが閉じて、そのスポット4aが再び照射された箇所の金属は、通常の溶融状態に変わる。やがて、レーザ光のスポット4が走査されて、通常の溶融状態となった金属にレーザ光のスポット4(スポット4a)が照射されなくなると、その通常の溶融状態となった金属は、温度が下がって固化する。
以上のように、スポット4aによって、溶接箇所の急激な温度上昇及び急激な温度降下を防ぐことができる。したがって、この実施の形態3によれば、金属の突沸や溶融金属の暴れを防止して、スパッタやブローホール、溶融金属が固化する際に発生するクラック等の溶接欠陥を抑制することができ、高品質の溶接が可能となる。
続いて、この実施の形態3の2つの実施例について説明する。但し、前述した実施の形態1及び2の実施例と異なる点を説明し、前述した実施の形態1及び2の実施例と重複する説明は省略する。
この実施の形態3の第1の実施例では、金属ケース1の開口部の長辺の長さが150mm、金属ケース1の開口部の短辺の長さが30mmで、板厚が0.6mmのアルミニウムを主成分とする金属ケース1と、板厚が1.5mmのアルミニウムを主成分とする蓋(封口板)2を準備して、図5(a)に示すように、金属ケース1の開口部に蓋2を挿入した後、前述した実施の形態1の実施例と同様に、銅を主成分とする治具3を用いて、蓋2が挿入された金属ケース1を保持した。
次に、図5(b)に示すように、金属ケース1の開口部の第1長辺上の任意の箇所、好適には中央又はその付近の箇所に、スポット径が0.5mmの円形状のスポット4a内に、スポット径が0.01mmのスポット4b及び4cが配置される3kWのレーザ光のスポット4を照射した。このとき、金属ケース1と蓋2に同時にスポット4aが照射され、金属ケース1にスポット4bが照射され、蓋2にスポット4cが照射されるように、レーザ光のスポット4の照射位置を設定した。このスポット4a〜4cは、例えば、回折光学素子(DOE)によって1つのレーザ光をビーム成形することにより、実現してもよい。または、例えばファイバーレーザのような小さなスポットを得られる2個のレーザ光源と、例えばレーザダイオード等のような大きなスポットを得られる1個のレーザ光源とを用いて、実現してもよい。
その後、図5(c)、(d)に示すように、金属ケース1の開口部の外周に沿って、第1長辺から、第1短辺、第2長辺、第2短辺を経て、再び第1長辺に戻る順序で(なお、コーナー部の表記は省略する)、レーザ光のスポット4を、150mm/sの速度で走査した。このとき、金属ケース1の表面にスポット4bが照射され、蓋2の表面にスポット4cが照射されるように、金属ケース1の開口部の4箇所のコーナー部(曲線部)では、レーザ光のスポット4の向きを90度回転させた。レーザ光のスポット4が再び第1長辺に戻り、溶接開始点に到達すると、徐々にレーザ出力を下げて、レーザ光のスポット4が溶接開始点を1mm通過したところで、金属ケース1と蓋2の全周との溶接を終了した。図5(e)は、全周溶接を終了した状態を示している。
以上説明した第1の実施例において、治具3によって金属ケース1を保持したときの初期状態における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B、並びに、レーザ溶接完了後における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A’、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B’をそれぞれ測定したところ、
A=0.05mm、B=0.03mm、A’=0.04mm、B’=0.05mm
であった。
また、隙間A’及び隙間B’に対応する箇所の溶融深さを測定したところ、
隙間A’に対応する箇所の溶融深さ=0.8mm
隙間B’に対応する箇所の溶融深さ=0.8mm
であった。したがって、この実施の形態3の第1の実施例も、実施の形態1の実施例と同様に、十分な接合強度を得ることができた。
以上説明した第1の実施例を10回行って、各隙間A、B、A’及びB’を測定した結果、全ての溶接において、実施の形態1の実施例と同様に、
A≧A’、B≦B’
の関係が成立した。また、実施の形態1の実施例と同様に、蓋2の全周にわたる溶接の終わりの方で、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とを溶接するとき、その第2短辺を形成する内壁1dと蓋2との間の隙間および段差が共に、金属ケース1と蓋2とを安定して溶接することが可能な程度に小さい寸法であった。したがって、蓋2の全周溶接を安定して実施することができた。
金属ケース1と蓋2の全周との溶接が終了した後の金属ケース1と蓋2を、図5(e)に示すV−V線に沿って切断して、金属ケース1の開口部の第1短辺側から見た断面を、更に詳しく観察した。図6(a)は、図5(e)に示すV−V線に沿った断面のうち、第1長辺側の断面を示している。
図6(a)に示すように、金属ケース1と蓋2の主成分は共にアルミニウムであるが、両者は、アルミニウムに添加した僅かな量の添加物が違うため、金属ケース1と蓋2のいずれが溶融してできた溶融部であるのかを分析して、蓋2を構成する金属が溶融してできた溶融部5aにおける溶融深さ6a、および金属ケース1を構成する金属が溶融してできた溶融部5bにおける溶融深さ6bを測定した。なお、図6(a)には、参考として、蓋2に発生するキーホール7aと、金属ケース1に発生するキーホール7bを模式的に図示している。
蓋2の溶融深さ6aと金属ケース1の溶融深さ6bの関係を調べたところ、図6(a)に示すように、溶融深さ6a≧溶融深さ6bという関係が成立することが分かった。これは、蓋2の上面と金属ケース1の上面にレーザ光のスポット4が照射されて、蓋2と金属ケース1が溶融する際に、金属ケース1の外側の側面(外壁)も溶融するため、金属ケース1の溶融量が蓋2の溶融量よりも多くなり、溶融金属が固化する際に、溶融金属の表面張力の影響で、金属ケース1の外側の側面(外壁)の断面が図6(a)に示すように丸くなり、それによって蓋2側へ移動した金属ケース1の溶融金属が、蓋2と金属ケース1との間の隙間に入り込むためであると考えられる。
レーザ光の出力を下げると、金属ケース1の溶融量と蓋2の溶融量も減るが、溶融深さ6a及び6bが0.1mmより小さくなると、溶融深さ6aと溶融深さ6bが等しくなった。これは、金属ケース1の外側の側面(外壁)が溶融されないためであると考えられる。また、溶融深さ6a及び6bが0.1mmより小さくなると、接合強度が低くなりすぎて、実用上耐えられなくなる。
また、溶融部5aおよび5bよりも下側の位置に存在する金属ケース1と蓋2との間の隙間の量と、溶融深さ6aおよび6bとの関係を調べたところ、溶接後の隙間が0.2mm以下の場合には、溶融深さ6a≧溶融深さ6bの関係が成立して、安定した溶接を実現できたが、溶接後の隙間が0.2mmよりも大きくなると、その隙間に対応する箇所の溶融深さが不安定となり、場合によっては蓋2と金属ケース1との間に未接合の部分が発生することも観察された。
さらに、蓋2の上面と金属ケース1の開口部の上面(金属ケース1の上面)との間に段差が生じている状態を観察した。図6(b)は、蓋2が金属ケース1よりも持ち上がった状態で、蓋2が金属ケース1に溶接された場合の断面を示している。図6(c)は逆に、蓋2が金属ケース1の中に落ち込んだ状態で、蓋2が金属ケース1に溶接された場合の断面を示している。何れの場合も、蓋2の上面と金属ケース1の開口部の上面との間の段差が0.4mm以下であれば、溶融深さ6a≧溶融深さ6bの関係が成立して、安定した溶接を実現できた。一方、蓋2の上面と金属ケース1の開口部の上面との間の段差が0.4mmよりも大きくなると、蓋2と金属ケース1との間の隙間に対応する箇所の溶融深さが大きくばらつき、場合によっては蓋2と金属ケース1との間に未接合の部分が発生することも観察された。
なお、スポット4a〜4cのスポット径や、スポット4a〜4cの形状、レーザ出力、レーザ溶接速度等の条件は、溶接対象の金属部材1、2の材料や表面状態、板厚、ならびに総熱容量に依存するため、上記した数値例に限定されるものではない。
また、この第1の実施例では、治具3を用いて、前述した実施の形態1と同様に、蓋2が挿入された金属ケース1を保持したが、治具を用いた金属ケース1の位置規制の方法は特に限定されるものではなく、例えば、実施の形態2で説明した方法で金属ケース1の位置を規制した場合でも、この実施の形態3の第1の実施例と同様の効果が得られる。
続いて、この実施の形態3の第2の実施例について説明する。この第2の実施例は、金属ケース1の開口部の長辺側の金属ケース1の板厚が上記した第1の実施例と異なり、それ以外は上記した第1の実施例と同様である。この第2の実施例では、金属ケース1の開口部の長辺側の板厚が0.4mmで、金属ケース1の開口部の短辺側の板厚が0.6mmの金属ケース1を準備した。
この第2の実施例において、各隙間A、B、A’、B’をそれぞれ測定したところ、
A=0.03mm、B=0.02mm、A’=0.01mm、B’=0.04mm
であった。
また、隙間A’及び隙間B’に対応する箇所の溶融深さを測定したところ、
隙間A’に対応する箇所の溶融深さ=0.9mm
隙間B’に対応する箇所の溶融深さ=0.8mm
であった。したがって、この第2の実施例も、実施の形態1の実施例と同様に、十分な接合強度を得ることができた。
また、この第2の実施例を10回行って、各隙間A、B、A’及びB’を測定した結果、全ての溶接において、実施の形態1の実施例と同様に、
A≧A’、B≦B’
の関係が成立した。また、実施の形態1の実施例と同様に、蓋2の全周にわたる溶接の終わりの方で、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とを溶接するとき、その第2短辺を形成する内壁1dと蓋2との間の隙間および段差が共に、金属ケース1と蓋2とを安定して溶接することが可能な程度に小さい寸法であった。したがって、蓋2の全周溶接を安定して実施することができた。
さらに、この第2の実施例では、金属ケース1の開口部の長辺側の金属ケース1の板厚が、金属ケース1の開口部の短辺側の金属ケース1の板厚よりも薄くなっているので、金属ケース1は、その金属ケース1の開口部の長辺側で、より変形し易くなっており、金属ケース1の位置を規制するときに、例えば前述した実施の形態2と同様に、治具3a〜3dによって金属ケース1を押圧することにより、金属ケース1の開口部の長辺を形成する金属ケース1の内壁を、実施の形態2よりも蓋2に接近させることができる。したがって、溶接前の隙間AおよびB、並びに溶接後の隙間A’およびB’を、実施の形態2よりも小さくすることができる。よって、金属ケース1の開口部の短辺を形成する金属ケース1の内壁と蓋2との間の隙間の拡大を実施の形態2よりも抑えることができる。よって、蓋2の全周にわたって、より安定した溶接が実現でき、より歩留りが高く、より低コストな溶接を実現することができる。
なお、この実施の形態3の第2の実施例のように、金属ケース1の開口部の長辺側の金属ケース1の板厚を、金属ケース1の開口部の短辺側の金属ケース1の板厚よりも薄くすることは、前述した実施の形態1及び2や、後述する実施の形態4及び5にも適用することができる。
(実施の形態4)
続いて、本発明の実施の形態4について、図7を用いて説明する。但し、前述した実施の形態1ないし3と異なる点を説明し、前述した実施の形態1ないし3と重複する説明は省略する。この実施の形態4では、実施の形態3と同様に、3つのスポット4a〜4cから構成されるレーザ光のスポット4を走査する。
実際の電池製造工程では、金属ケース1の開口部に蓋2をスムーズにはめ込むために、蓋2は、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)に対応する箇所において、金属ケース1の開口部よりも小さくしてある。また、実際の電池製造工程では、金属ケース1の開口部に、寸法公差のある蓋2をはめ込む。したがって、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)に対応する金属ケース1の内壁と蓋2との間の隙間は大きくなりやすく、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)において、溶融深さが浅くなる、ブローホールが発生する等の溶接品質不良が発生し易くなる。
そこで、この実施の形態4では、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)を形成する金属ケース1の内壁と蓋2を溶接する際に、図7に示すように、3つのスポット4a〜4cから構成されるレーザ光のスポット4の中心が、金属ケース1と蓋2との間の隙間の中心線8に対して、金属ケース1側→蓋2側→金属ケース1側というように交互に移動する軌跡9を描くように、レーザ光のスポット4を走査する。以下、このような走査をウィービングと称す。
このウィービングの際にも、金属ケース1にスポット4bが照射され、かつ蓋2にスポット4cが照射されるようにする。これにより、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)において、金属ケース1と蓋2との間の隙間の中にパワー密度が高いレーザ光が入って、金属ケース1の中の素子にダメージを与えることを防ぐことができる。
また、ウィービングによって、パワー密度の高いスポット4b、4cの軌跡が、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)に沿った通常の軌道に交差するので、その通常の軌道よりもスポット4b、4cの軌跡が長くなる。その結果、金属ケース1と蓋2との間の隙間の大きさに関係なく、金属ケース1と蓋2を深く溶融することができると同時に、金属ケース1と蓋2の溶融量を増加させることができる。したがって、金属ケース1と蓋2との間の隙間に流れ込む溶融金属の量が、通常の軌道でスポット4b、4cを移動させる場合よりも多くなるので、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)においても、金属ケース1と蓋2との間の隙間を確実に埋めた溶接が可能となる。
なお、レーザ光のスポット4のウィービングは、蓋2の全周にわたって実施してもよい。
続いて、この実施の形態4の実施例について説明する。この実施例は、レーザ光のスポット4を、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)においてのみウィービングさせる以外は、前述した実施の形態3の第1の実施例と同様である。
この実施例では、レーザ光のスポット4を、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)においてのみ、図7に示すように、振幅0.15mm、周波数1kHzでウィービングさせて、金属ケース1と蓋2とを溶接した。
この実施の形態4の実施例において、レーザ光照射開始前の初期状態における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B、並びに、レーザ溶接完了後における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A’、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B’をそれぞれ測定したところ、実施の形態3の第1の実施例と同様に、A≧A’、B≦B’の関係が成立した。また、実施の形態3の第1の実施例と同様に、蓋2の全周にわたる溶接の終わりの方で、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とを溶接するとき、その第2短辺を形成する内壁1dと蓋2との間の隙間および段差が共に、金属ケース1と蓋2とを安定して溶接することが可能な程度に小さい寸法であった。したがって、蓋2の全周溶接を安定して実施することができた。
さらに、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)における溶融部5を観察したところ、実施の形態3の第1の実施例と比較して、溶融幅が大きく、且つ溶融深さが深くなっていた。また、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)において、ブローホールやヒケ等の溶接欠陥は見られなかった。
(実施の形態5)
続いて、本発明の実施の形態5について、図8を用いて説明する。但し、前述した実施の形態1ないし4と異なる点を説明し、前述した実施の形態1ないし4と重複する説明は省略する。
この実施の形態5では、実施の形態3と同様に、3つのスポット4a〜4cから構成されるレーザ光のスポット4を走査する。また、この実施の形態5では、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)を形成する金属ケース1の内壁と蓋2とを溶接する際に、図8に示すように、3つのスポット4a〜4cから構成されるレーザ光のスポット4の中心の軌跡9が、金属ケース1と蓋2との間の隙間の中心線8と常に一致し、かつ、レーザ光のスポット4の向きが、金属ケース1と蓋2との間の隙間の中心線8の接線方向に対して、金属ケース1側→蓋2側→金属ケース1側というように交互に変化するように、レーザ光のスポット4を走査する。以下、このような走査を揺動と称す。
この揺動の際にも、金属ケース1にスポット4bが照射され、かつ蓋2にスポット4cが照射されるようにする。これにより、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)において、金属ケース1と蓋2との間の隙間の中にパワー密度が高いレーザ光が入って、金属ケース1の中の素子にダメージを与えることを防ぐことができる。
また、揺動によって、パワー密度の高いスポット4b、4cの軌跡が、金属ケース1の開口部のコーナー部に沿った通常の軌道に交差するので、その通常の軌道よりもスポット4b、4cの軌跡が長くなる。その結果、金属ケース1と蓋2との間の隙間の大きさに関係なく、金属ケース1と蓋2を深く溶融することができると同時に、金属ケース1と蓋2の溶融量を増加させることができる。したがって、金属ケース1と蓋2との間の隙間に流れ込む溶融金属の量が、通常の軌道でスポット4b、4cを移動させる場合よりも多くなるので、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)においても、金属ケース1と蓋2との間の隙間を確実に埋めた溶接が可能となる。
なお、レーザ光のスポット4の向きの揺動は、蓋2の全周にわたって実施してもよい。
続いて、この実施の形態5の実施例について説明する。この実施例は、レーザ光のスポット4の向きを、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)においてのみ揺動させる以外は、前述した実施の形態3の第1の実施例と同様である。
この実施例では、レーザ光のスポット4の向きを、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)においてのみ、図8に示すように、金属ケース1と蓋2との間の隙間の中心線8の接線方向に対して、±30度以下の角度で、かつ1kHzの周波数で周期的に揺動させて、金属ケース1と蓋2とを溶接した。
この実施の形態5の実施例において、レーザ光照射開始前の初期状態における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B、並びに、レーザ溶接完了後における、金属ケース1の開口部の第1長辺を形成する金属ケース1の内壁1aと蓋2との間の隙間A’、及び金属ケース1の開口部の第2長辺を形成する金属ケース1の内壁1bと蓋2との間の隙間B’をそれぞれ測定したところ、実施の形態3の第1の実施例と同様に、A≧A’、B≦B’の関係が成立した。また、実施の形態3の第1の実施例と同様に、蓋2の全周にわたる溶接の終わりの方で、金属ケース1の開口部の第2短辺を形成する金属ケース1の内壁1dと蓋2とを溶接するとき、その第2短辺を形成する内壁1dと蓋2との間の隙間および段差が共に、金属ケース1と蓋2とを安定して溶接することが可能な程度に小さい寸法であった。したがって、蓋2の全周溶接を安定して実施することができた。
さらに、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)における溶融部5を観察したところ、実施の形態3の第1の実施例と比較して、溶融幅が大きく、且つ溶融深さが深くなっていた。また、金属ケース1の開口部のコーナー部(曲線部)において、ブローホールやヒケ等の溶接欠陥は見られなかった。
本発明の溶接方法は、金属製のケースと蓋との高品質な溶接を低コストで実現できるので、携帯電話やデジタルカメラなどの携帯機器用の駆動電源、あるいは電子機器のバックアップ電源等を、低コストで提供することができる。更には、高出力を必要とするハイブリッド自動車や電気自動車の電源の製造にも適用できる。
1 金属ケース
1a〜1h 金属ケースの内壁
2 蓋
3、3a〜3d 治具
4、4a〜4c レーザスポット
5、5a、5b 溶融部
6a、6b 溶融深さ
7a、7b キーホール
8 金属ケースと蓋との間の隙間の中心線
9 レーザスポットの中心の軌跡
91 ケース
91a 角部
91b 直線部
92 封口板
93 レーザスポット

Claims (6)

  1. 互いに対向する第1長辺及び第2長辺と、互いに対向する第1短辺及び第2短辺を含む矩形枠からなる外周を有する開口部を持つ筒状体のケースに、そのケースの開口部に挿入された封口部材の全周を、レーザ光によって溶接する溶接方法において、
    前記開口部に前記封口部材を挿入し、前記開口部の前記第1長辺を形成する前記ケースの第1の内壁と前記封口部材との溶接を開始した後、前記開口部の前記第1短辺を形成する前記ケースの第2の内壁と前記封口部材との溶接、前記開口部の前記第2長辺を形成する前記ケースの第3の内壁と前記封口部材との溶接、前記開口部の前記第2短辺を形成する前記ケースの第4の内壁と前記封口部材との溶接をこの順で行い、次に、前記第1の内壁と前記封口部材との未溶接部を溶接し、
    溶接開始前の前記第1の内壁と前記封口部材との間の隙間をA、溶接開始前の前記第3の内壁と前記封口部材との間の隙間をB、溶接完了後の前記第1の内壁と前記封口部材との間の隙間をA’、溶接完了後の前記第3の内壁と前記封口部材との間の隙間をB’としたとき、A≧A’、B≦B’の関係が成立する
    ことを特徴とする溶接方法。
  2. 前記ケースと前記封口部材とを前記レーザ光によって溶接する際に、第1ないし第3スポットからなる前記レーザ光のスポットを前記ケースと前記封口部材に照射するとともに、前記第1スポットを前記ケースと前記封口部材に照射し、前記第1スポットよりもパワー密度が高く、かつ前記第1スポットに内包された前記第2スポットを前記ケースに照射し、前記第1スポットよりもパワー密度が高く、かつ前記第1スポットに内包された前記第3スポットを前記封口部材に照射することを特徴とする請求項1記載の溶接方法。
  3. 前記ケースと前記封口部材とを前記レーザ光によって溶接する際に、前記レーザ光のスポットをウィービングさせることを特徴とする請求項2記載の溶接方法。
  4. 前記ケースと前記封口部材とを前記レーザ光によって溶接する際に、前記レーザ光のスポットの向きを揺動させることを特徴とする請求項2記載の溶接方法。
  5. 前記開口部の前記第1長辺側及び前記第2長辺側の前記ケースの厚みが、前記開口部の前記第1短辺側及び前記第2短辺側の前記ケースの厚みよりも薄いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の溶接方法。
  6. 互いに対向する第1長辺及び第2長辺と、互いに対向する第1短辺及び第2短辺を含む矩形枠からなる外周を有する開口部を持つ筒状体のケースに、そのケースの開口部に挿入された封口部材の全周が、レーザ光によって溶接された金属ケースにおいて、
    前記レーザ光の照射によって溶融した前記封口部材の溶融部の溶融深さと、前記レーザ光の照射によって溶融した前記ケースの溶融部の溶融深さが共に、前記封口部材の厚みより小さく、かつ0.1mm以上であり、
    前記封口部材の溶融部と前記ケースの溶融部が連続して繋がっており、
    前記ケースと前記封口部材との間の隙間が0.2mm以下であり、
    前記封口部材の上面と前記開口部の上面との段差が0.4mm以下であって、
    前記封口部材の溶融部の溶融深さが、前記ケースの溶融部の溶融深さ以上である
    ことを特徴とする金属ケース。
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