JP6820560B2 - 電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池の製造方法に関し、特にケースの開口端部と封口板の外周端部とを溶接することによってケースの開口を封口する方法に関するものである。
円筒形の一次電池の組立てにおいて、円筒ケースの開口部円周に、外周縁部にケースの外向きに突出する環状立上げ部を有する封口板を嵌合させ、ケースの開口端と環状立上げ部の端部とをレーザ溶接するレーザ封口方法及びレーザ封口電池が知られている(例えば、特許文献1参照。)。図4は、特許文献1に記載されたレーザ封口電池を示す図である。
図4において、円筒型のケース102に、外周縁部にケース102の外向きに突出する環状立上げ部を有する封口板103を嵌め合わせる。次に、封口板103の上方から、ケース102の端面と封口板103の環状立上げ部端面にレーザ光(図示せず)を照射し、レーザ溶接部152を形成している。
また、角型電池のレーザ封口において、ケース開口に板状の封口板を嵌合させ、ケース開口内側と封口板との界面に予め点状の仮止め部を設けた後に、レーザ封口を行うことが知られている(例えば、特許文献2参照。)図5A及び図5Bは、特許文献2に記載された角形電池の密閉容器の溶接方法を示す図である。
図5Aにおいて、角型のケース202に封口板203を嵌め合い、仮止め溶融部251を形成する。次に、図5Bにおいて、ケース202開口内側と封口板203の界面上をレーザ光(符号なし)が走査することによって、レーザ溶融部252を形成し、ケース202内を密閉している。
特開平9−45296号公報 特開平8−315790号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法においては、熱膨張によるケースの外形形状の変形により良好なレーザ封口を実現できないという課題を有している。
また、特許文献2に記載の方法においては、ケースと封口板の界面に電解液が付着していると、良好な封口を実現することができないという課題を有している。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、レーザ溶接時の熱歪によるケースの変形を抑制すると共に、ケースと封口板の界面に電解液が付着していても良好なレーザ封口が可能である電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様の電池の製造方法は、
電解液を収容するケースの開口を封口板によって封口する電池の製造方法であって、
前記封口板の外縁において前記封口板の上面側に突出する立ち上がり部を、前記ケースの前記開口の内周に嵌合するステップ、
前記ケースと前記立ち上がり部とが嵌合している領域に前記ケースの側面方向から第1レーザ光を照射して前記ケースの側壁及び前記立ち上がり部の側壁を溶融することによって、前記封口板を前記ケースに仮止めする仮止め溶融部を形成するステップ、
前記ケースの開口端部と前記立ち上がり部の端部とに第2レーザ光を照射して溶融することによって、前記仮止め溶融部から離間した位置に、前記ケースの開口端部と前記立ち上がり部の端部とを溶接するシーム溶融部を形成するステップ、
を含む。
以上のように、本発明の電池の製造方法によれば、レーザ溶接時の熱歪によるケースの変形を抑制すると共に、ケースと封口板の間に電解液が付着していても、良好なレーザ封口が可能である。
本発明の実施の形態1における円筒電池の断面模式図 本発明の実施の形態1におけるレーザ溶接工程の一例を示す断面模式図 本発明の実施の形態1におけるレーザ溶接工程の一例を示す断面模式図 本発明の実施の形態2におけるレーザ溶接工程の一例を示す断面模式図 本発明の実施の形態2におけるレーザ溶接工程の一例を示す断面模式図 特許文献1に記載されたレーザ封口電池を示す図 特許文献2に記載された角形電池の密閉容器の溶接方法示す図 特許文献2に記載された角形電池の密閉容器の溶接方法示す図 特許文献1に記載の方法の課題を示す模式図 特許文献2に記載の方法の課題を示す模式図 特許文献2に記載の方法の課題を示す模式図
(本発明に至った経緯)
特許文献1に記載の方法では、レーザ光を照射し、ケースと封口板との界面上を走査する場合において、ケース及び封口板の外形形状がレーザ照射による熱膨張により歪み、良好なレーザ封口ができない場合がある。
また、図6に示すように、接合界面(特に、ケース102と封口板103の隙間を形成している部分)に電解液161が付着している状況でのレーザ封口において、レーザ光142の照射による熱によって電解液161が気化する。気化した電解液162は、ケース102外に放出される。
特許文献2に記載の方法では、図7Aに示すように、予め設けておいた仮止め溶融部251において、気化した電解液262の外部への放出が疎外され、レーザ光242の照射部近傍からケース202外へ排出される。次に、図7Bに示すように、気化した電解液262の放出により、ケース202と封口板203との溶接が阻害され、溶融部252に穴254が形成される場合がある。このため、ケース202と封口板203との良好な接合ができない場合がある。
そこで、本発明者は、前記課題を解決するため、以下の発明に至った。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における、円筒形電池1の断面模式図である。図1中のX及びY方向は、それぞれ、円筒形電池1の横方向及び縦方向を示す。
図1に示すように、円筒形電池1は、有底筒状のケース2と、ケース2に溶接される封口板3とを備える。
ケース2は、例えば、SUSなどの金属で形成される円筒形のケースである。ケース2は、一端に開口21を有する有底筒状に形成されている。ケース2は、正極、セパレータ及び負極からなる電極群35と電解液36とを内部に収容している。
封口板3は、円板状のフランジ31と、フランジ31の中央に空けられた孔に配置される正極端子32と、フランジ31と正極端子32との間に配置されるガスケット33と、を備える。
フランジ31は、SUSなどの金属で形成されている。フランジ31は、外縁において封口板3の上面側に突出する立ち上がり部37を有する。立ち上がり部37は、円筒形電池1の縦方向(Y方向)に延びると共に、フランジ31の外縁に沿って環状に形成されている。正極端子32は、正極リード34を介して電極群35と接続されている。ガスケット33は、フランジ31と正極端子32とを絶縁する絶縁部材として機能する。ガスケット33は、例えば、樹脂などで形成されている。
円筒形電池1では、ケース2の開口21の内周に封口板3が嵌め合わされる。具体的には、円筒形電池1では、ケース2の開口端部22と、封口板3の立ち上がり部37の端部とが面一になるように合わせた状態で、ケース2の開口21の内周に封口板3の立ち上がり部37が嵌め合わされている。
本実施の形態1では、ケース2と封口板3とを密閉してレーザ封口するために、仮止め溶融部51を形成した後、シーム溶融部52を形成している。
仮止め溶融部51は、ケース2の開口21の内周と封口板3の立ち上がり部37とを嵌合させた状態で、封口板3をケース2の開口21内に仮止めするために溶接される部分である。仮止め溶融部51は、ケース2の側面方向(X方向)からレーザ光を照射することによって、ケース2の側壁と封口板3の立ち上がり部37とを溶融することによって形成される。
仮止め溶融部51は、ケース2と立上がり部37とを嵌め合わしている領域(以下、「嵌め合い領域」と称する)にレーザ光を照射することによって形成される。嵌め合い領域とは、ケース2の開口21の内周と立ち上がり部37が接触している領域であって、封口板3のフランジ31の上面より上方の領域である。具体的には、ケース2の開口端部22及び封口板3の立ち上がり部37の端部から円筒形電池1の底部側に向かって、立ち上がり部37の長さよりも短い距離の位置に、仮止め溶融部51が形成される。仮止め溶融部51は、例えば、2箇所以上形成される。
シーム溶融部52は、ケース2と封口板とを密封して溶接するための部分である。シーム溶融部52は、ケース2の垂直方向(Y方向)からレーザ光を照射してケース2の開口端部22と封口板3の立ち上がり部37の端部とを溶融することによって形成される。シーム溶融部52は、ケース2の開口端部22と封口板3の立ち上がり部37の端部の全周にわたって形成される。
図2A及び図2Bを用いて、本実施の形態1に係る電池1の製造方法を説明する。図2A及び図2Bは、本実施の形態1における、ケース2と封口板3の密閉を行うレーザ溶接工程の断面模式図ある。図2A及び図2Bは、図1の円筒形電池1の一部を拡大した図である。図2Aは、第1レーザ光41により仮止め溶融部51を形成する工程の一例を説明するための断面模式図であり、図2Bは、第2レーザ光42によりシーム溶融部52を形成する工程の一例を説明するための断面模式図である。
まず、ケース2の開口21の内周に、ケース2の外向きに突出する封口板3の立ち上がり部37を嵌め合わせる。具体的には、ケース2の開口端部22の端面と立上がり部37の端部の端面とが同一面となるように、ケース2の開口21の内周に封口板3の立ち上がり部37を嵌合する。
次に、図2Aに示すように、ケース2の内側面(内壁)と立上がり部37とを嵌め合わしている領域(嵌め合い領域)を、ケース2の側面方向(X方向)から照射するレーザ光41(第1レーザ光)を用いて仮止め溶融を行う。
本実施の形態1では、レーザ光41は、ケース2の側面方向において、ケース2の内側から外側に向かって照射される。即ち、レーザ光41は、立ち上がり部37の側壁に向かって照射される。これにより、レーザ光41が照射されたケース2の側壁と立ち上がり部37の側壁とが溶融することによって、仮止め溶融部51が形成される。また、仮止め溶融部51は、ケース2の側壁と立ち上がり部37の側壁を貫通して形成される。
仮止め溶融部51を形成した後、図2Bに示すように、ケース2の開口端部22と立上がり部37の端部にケース2の上面方向、即ち端面に対して垂直な方向(Y方向)よりレーザ光42(第2レーザ光)を照射する。これにより、ケース2の開口端部22と立ち上がり部37の端部とが溶融することによって、シーム溶融部52が形成される。シーム溶融部52は、仮止め溶融部51から離間した位置に形成される。具体的には、シーム溶融部52は、仮止め溶融部51が形成されている位置からケース2の上部側に離間した位置に形成される。即ち、シーム溶融部52は、仮止め溶融部51に接続されていない。
このように、本実施の形態1では、仮止め溶融部51を形成した後、仮止め溶融部51から離間した位置にシーム溶融部52を形成することによって、ケース2と封口板3とを一体化させることで、密閉された電池を作製することができる。
本実施の形態1において、レーザ光41とレーザ光42は共にシングルモードファイバーレーザ(IPG社製 3kW シングルモード YLS−3000−SM)を用いた。ファイバーから射出されたレーザ光をコリメートレンズ(f355mm)で平行光にし、fθレンズ(255mm)で集光したレーザ光を、ガルバノミラーを用いて走査し、非加工対象物の所定の位置に照射を行う。
本実施の形態1において、レーザ光42は、ケース2の開口端部22の厚みと封口板3の立ち上がり部37の厚みの合計よりも100μm程度大きなスポット径となるように、fθレンズからの距離を調整した。
レーザ光42を、ケース2の開口端部22の厚みと封口板3の立ち上がり部37の端部の厚みの合計より100μm程度大きなスポット径とすることで、レーザ照射位置のばらつきやケース2の外形形状のばらつきなどを許容し、歩留まり高く生産することができる。
本実施の形態1において、レーザ光42は連続波を照射し、シーム溶接を行った。レーザ光42のパワー密度を1.4W/mm程度、走査速度は100mm/s程度とした。これにより、レーザ光42によって形成されたシーム溶融部52は、レーザ光42の照射前の状態におけるケース2の開口端部22及び立ち上がり部37の端部からケース2の底部側に向かって200〜300μm程度の長さで形成されている。
本実施の形態1では、レーザ光42の照射前の状態におけるケース2の開口端部22及び立ち上がり部37の端部からケース2の底部側に向かって200〜300μm程度の長さのシーム溶融部52を形成したが、これに限定されない。封口強度をさらに高めたい場合は、溶け込み深さを深くして、シーム溶融部52を大きくすればよい。例えば、レーザ光42のパワー密度を高くする、もしくは走査速度を遅くすることで溶け込み深さを深くし、シーム溶融部52を大きくすることが可能となる。
本実施の形態1において、レーザ光41は、fθレンズの焦点位置にて加工を行った。上記のコリメートレンズおよびfθレンズの焦点距離の組合せでは、光学計算上20μm程度のスポット径に形成される。
本実施の形態1において、レーザ光41として、例えば、10ms程度のパルス状のレーザを用いた。これにより、ケース2の外側から封口板3の内側まで貫通したスポット状の仮止め溶融部51を、計18箇所形成した。
レーザ光41のパワー密度は、例えば、300kW/mmである。これにより、レーザ光41を照射する領域にキーホール(凹部)を形成することができ、非常に小さい径の仮止め溶融部51を形成することができる。より小さい仮止め溶融部51を形成することで、レーザ光照射の熱によって気化した電解液36がケース2外へ放出されやすくなり、レーザ接合不良をより低減することができる。
本実施の形態1においては、ケース2と封口板3とのシーム溶融部52を形成するため、ケース2の開口端部22と封口板3の立ち上がり部37の端部とを溶融させて、一体化させることによって、ケース2と封口板3を密閉させることができる。このように、ケース2の開口端部22と封口板3の立ち上がり部37の端部にレーザ光42を照射するため、スポット径を大きく調整するとよい。また、スポット径が小さくとも、レーザスポットを揺動させることで、溶融領域を拡げてもよく、適切な溶融幅、溶融領域が確保できればよい。
本実施の形態1では、仮止め溶融部51を形成するために、高いエネルギー密度のレーザスポットを形成し、嵌め合い領域に照射した。仮止め溶融部51は、気化した電解液36のケース2の外側への放出を阻害しない程度の大きさで形成される。仮止め溶融部51の大きさが小さいほど、気化した電解液36のケース2の外への放出の妨げにならない。このため、嵌め合い領域にキーホールを形成するほどの高いエネルギー密度のレーザスポットを照射し、微小な仮止め溶融部51を形成することが望ましい。
また、仮止め溶融部51は、封口板3の立ち上がり部37とケース2の側壁を貫通して形成されているため、封口板3の内側及びケース2外側から仮止め溶融部51の形状を観察することで、仮止め溶融部51が確実に形成されていることを確認することができる。即ち、仮止め溶融部51によって、封口板3がケース2に確実に仮止めされていることを確認することができる。
本実施の形態1において、仮止め溶融部51は、18箇所形成したが、仮止め溶融部51の数及び間隔は、これらに限定されない。仮止め溶融部51は、円筒ケース2の径により、熱変形を抑制できる間隔および個数であればよい。また、レーザ光42のシーム溶接の終点付近など、より熱変形が大きくなる箇所に、局所的に間隔狭く配置してもよい。
本実施の形態1では、レーザ光41は、ケース2の側面方向(X方向)においてケース2の内側から外側に向かって照射を行っている。ケース2の内側から外側に向かってレーザ光41を照射することで、レーザ照射によって発生したスパッタが電池に付着することを低減することができる。
なお、仮止め溶融部51は、ケース2の側面方向(X方向)においてケース2の外側から内側へ向かってレーザ光41を照射することによって形成されてもよい。ケース2の側壁の外側からレーザ光41を照射することによって、仮止め溶融部51を容易に形成することができる。
また、レーザ光41はケース2の開口端部22の端面から、ケース2の底部側に向かって500μm程度の位置に照射した。一方で、仮止め溶融部51からケース2の開口端部22の端面までの距離が長くなりすぎると、熱膨張の影響によりケース2の開口端部22が変形し、適切な溶接ができないことが懸念される。そこで、適切な仮止め機能を有し、適切な溶接ができる条件は、仮止めのためのレーザ光の中心(焦点位置)がケース2の開口端部22の端面から1.5mm以内の領域に配置するのがよい。
一方で、レーザ光42の照射によって形成されたシーム溶融部52がケース2と封口板3の界面に付着する電解液36近傍に到達し、電解液36が気化する場合がある。この場合、気化した電解液36がケース2外へ出て行くことを阻害しないようにケース2の開口端部22の端面から離れた位置に仮止め溶融部51を形成することが有益である。
本実施の形態1では、例えば、ケース2の開口端部22の端面からのシーム溶融部52の深さは0.2〜0.3mmであり、仮止め溶融部51はケース2の開口端部22の端面から0.5mm以上離れた位置に形成されている。これにより、気化した電解液36のケース2外への放出を阻害することなく、良好なシーム溶融部52を形成することができる。仮止め溶融部51の位置は、ケース2の開口端部22の端面から離れた位置に配置した方が、気化した電解液36の放出を阻害することを抑制することができる。製品特性上必要なシーム溶融部52の深さ及び封口板3の外縁から突出する立ち上がり部37の大きさにより、仮止め溶融部51を適した位置に配置すればよい。
また、本実施の形態1ではケース2の側壁面に対して垂直な方向(X方向)よりレーザ光41を照射しているが、斜めに照射してもよい。レーザ光41を斜めに照射することによって、形成される仮止め溶融部51の形状がケース2と封口板3の界面では楕円形状になる。その結果、仮止め溶融部51の溶融面積が大きくなることで、接合強度が向上し、熱変形をより低減することが可能となる。
なお、レーザ光41を斜めに照射する場合、封口板3の立ち上がり部37の内側からケース2外側に向け、ケース2底部側に下がるようにレーザ光41を照射するほうがよい。これにより、レーザ光41を斜めに照射しても、ケース2と封口板3の界面に形成される仮止め溶融部51がシーム溶融部52から離れた位置に形成される。このため、気化した電解液36のケース2の外部への放出を妨げず、レーザ溶融不良を低減することができる。
本実施の形態1では、円筒型の電池1に適用しているが、角型やコイン型などその他の形状の電池に適用してもよい。例えば角型の場合、角型を形成する長辺側と短辺側で熱膨張量が違うため、短辺側でケースと封口体間に隙間ができやすくなるため、短辺に設ける仮止め溶融部の間隔を長辺に設ける仮止め溶融部の間隔より狭くするなど、形状により適した仮止め溶融部の配置にすればよい。
本実施の形態1では、ケース2及び封口板3にオーステナイト系のSUSを用いたが、フェライト系、マルテンサイト系やオーステナイト系・フェライト系(2相系)のSUS材を用いてもよい。また、ケース2及び封口板3を構成する材料として、SUS系の材料以外に、母材として鉄系、又はアルミ系を用いてもよい。材質により熱膨張量が違うため、材質に適した仮止め溶融部51の大きさ及び/又は個数を選択すればよい。
以上のように、本実施の形態1に係る電池1の製造方法によれば、仮止め溶融部51を形成することで、ケース2と封口板3とを密閉してレーザ溶接する際に、ケース2が熱によって歪むことを抑制し、ケース2と封口板3との密着性を維持することができる。また、仮止め溶融部51を、シーム溶融部52に係らない位置(ケース2の底部側)に設けている。これにより、レーザ溶接時の熱により気化した電解液36のケース2の外部への放出を阻害することがなくなり、良好なレーザ溶接を実現することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る電池の製造方法について、図3A及び図3Bを用いて説明する。図3A及び図3Bは、本発明の実施の形態2における、円筒形電池1のケース2と封口板3の密閉を行うレーザ溶接工程の一例の断面模式図ある。
実施の形態2では、主に実施の形態1と異なる点について説明する。実施の形態2においては、実施の形態1と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、実施の形態2では、実施の形態1と重複する記載は省略する。
実施の形態2においては、レーザ光42をケース2の側壁の外側から内側へ向かって照射する点、及び仮止め溶融部53がケース2の側壁を貫通して封口板3の立ち上がり部37の内部に形成されている点、が実施の形態1と異なる。
図3Aに示すように、ケース2の開口端部22の端面と、封口板3の立ち上がり部37の端面を合わせるように、封口板3をケース2の開口21の内周に嵌め合わせる。この状態で、ケース2の内壁と立上がり部37とを嵌め合わしている領域(嵌め合い領域)を、ケース2の側面方向(X方向)からレーザ光41を照射することによって、仮止め溶融部53を形成する。
具体的には、ケース2の側壁の外側から内側へ向かってレーザ光41を照射する。これにより、ケース2の側壁と封口板3の立ち上がり部37を溶融することによって、仮止め溶融部53を形成する。
本実施の形態2では、仮止め溶融部53は、ケース2の側壁を貫通する一方、立ち上がり部37を貫通しないように形成されている。即ち、仮止め溶融部53は、立ち上がり部37内に埋設された状態で形成されている。
実施の形態1と同様に、仮止め溶融部53を形成した後、図3Bに示すように、ケース2の開口端部22と立上がり部37の端部に、ケース2の上方、即ち端面に対して垂直な方向(Y方向)からレーザ光42(第2レーザ光)を照射する。これにより、ケース2の開口端部22と立ち上がり部37の端部とを溶融することによってシーム溶融部52を形成する。
本実施の形態2において、レーザ光41は10ms程度のパルス状に照射を行い、ケース2の外側から封口板3の立ち上がり部37の内部まで到達し、かつ立ち上がり部の内側側壁まで到達しない仮止め溶融部53を形成している。
本実施の形態2では、レーザ光41はケース2の外側から封口板3の立ち上がり部37に向かって照射される。また、仮止め溶融部53は、ケース2外側から封口板3の立ち上がり部37の内部まで到達するが、立ち上がり部37の内側側壁まで到達しないように形成されている。即ち、仮止め溶融部53は、ケース2の側壁を貫通しているが、封口板3の立ち上がり部37を貫通してない。
仮止め溶融部53の長さは、ケース2の側壁の厚みと封口板3の立ち上がり部37の厚さとの合計より小さい。なお、仮止め溶融部53の長さとは、ケース2の外側壁面からケース2内側へ向かう仮止め溶融部53の深さ(X方向の長さ)を意味する。
本実施の形態2の電池1の製造方法によれば、ケース2の側壁の外側から内側へ向かってレーザ光41を照射することによって、仮止め溶融部53を形成している。これにより、実施の形態2では、実施の形態1と比べて、仮止め溶融部53を容易に形成することができる。
また、ケース2の側壁を貫通する一方、封口板3の立ち上がり部37を貫通しない仮止め溶融部53を形成することによって、仮止め溶融部53を形成する際に発生するスパッタがケース2内部に飛散することを抑制することができる。これにより、ケース2内部に配置される電極部及び/又はガスケット33にスパッタが付着し、これらの部品にダメージを与えることを抑制することができる。また、スパッタの飛散を抑制することによって、仮止め溶融部53の溶融金属量が減少することを抑制し、強度の低下を抑制することができる。
本発明の電池の製造方法は、レーザを用いてケースと封口体とを密封して溶接する電池、例えば、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの製造方法に有用である。
1 電池
2 ケース
21 開口
3 封口板
31 フランジ
32 正極端子
33 ガスケット
34 正極リード
35 電極群
36 電解液
41 仮止め溶融部形成用のレーザ光
42 溶融部形成用のレーザ光
51 仮止め溶融部
52 シーム溶融部
53 仮止め溶融部
54 貫通穴
61 電解液
62 気化した電解液
102 ケース
103 封口板
142 レーザ光
152 溶接部
161 電解液
162 気化した電解液
202 ケース
203 封口板
242 レーザ光
251 仮止め部
252 溶融部
254 穴
261 電解液
262 気化した電解液

Claims (5)

  1. 電解液を収容するケースの開口を封口板によって封口する電池の製造方法であって、
    前記封口板の外縁において前記封口板の上面側に突出する立ち上がり部を、前記ケースの前記開口の内周に嵌合するステップ、
    前記ケースと前記立ち上がり部とが嵌合している領域に前記ケースの側面方向から第1レーザ光を照射して前記ケースの側壁及び前記立ち上がり部を溶融することによって、前記封口板を前記ケースに仮止めする仮止め溶融部を形成するステップ、
    前記ケースの開口端部と前記立ち上がり部の端部とに第2レーザ光を照射して溶融することによって、前記仮止め溶融部から離間した位置に、前記ケースの開口端部と前記立ち上がり部の端部とを溶接するシーム溶融部を形成するステップ、
    を含む、電池の製造方法。
  2. 前記仮止め溶融部を形成するステップは、前記ケースの内側から外側へ向かって前記第1レーザ光を照射することを含む、請求項1に記載の電池の製造方法。
  3. 前記仮止め溶融部を形成するステップは、前記ケースの外側から内側に向かって前記第1レーザ光を照射することを含み、
    前記ケースの外側壁面からケース内側へ向かう前記仮止め溶融部の長さは、前記ケースの側壁の厚さと前記立ち上がり部の厚さとの合計よりも小さい、
    請求項1に記載の電池の製造方法。
  4. 前記仮止め溶融部を形成するステップは、前記第1レーザ光を照射する際に、前記仮止め溶融部が形成される位置にキーホールを形成することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電池の製造方法。
  5. 前記仮止め溶融部を形成するステップは、前記ケースの側壁及び前記立ち上がり部の側壁に対して前記第1レーザ光を斜めに照射することを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電池の製造方法。
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